(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遊技を開始するためのスタートスイッチと、前記スタートスイッチの押下を契機として回転を開始する複数の回胴と、前記複数の回胴をそれぞれ停止させるための複数のストップボタンと、遊技に係る演出の内容を予め記憶する演出記憶部と、予め定められた抽選を行い当該抽選の結果に基づき前記演出記憶部から所定の前記演出の内容を読み出す演出抽選部と、前記演出抽選部の出力に基づき前記演出を提供する演出用デバイスと、を備える遊技機において、
前記演出は、遊技者による複数の操作それぞれに対応して前記演出用デバイスが所定の動作を行うものであり(前記複数の操作それぞれに対応する前記演出用デバイスの所定の動作を、以下「演出要素」と表記する)、
前記演出抽選部は、遊技者による前記複数の操作のうちのひとつを第1演出抽選契機として第1抽選を行い、前記第1演出抽選契機の後になされる遊技者の前記操作のひとつを第2演出抽選契機として第2抽選を行い、
前記演出記憶部は、
それぞれ複数の前記演出要素を含む演出内容セットであって、前記第1抽選の結果に基づきいずれかが選択される複数の第1演出内容セットと、
それぞれ複数の前記演出要素を含む演出内容セットであって、前記第2抽選の結果に基づきいずれかが選択される複数の第2演出内容セットとを予め記憶し、
複数の前記第1演出内容セットは、それぞれ前記第2抽選の前になされる遊技者の前記操作に係る前記演出要素(以下「第2抽選前演出要素」と表記する)及び前記第2抽選の後になされる遊技者の前記操作に係る前記演出要素(以下「第2抽選後演出要素」と表記する)を含み、
複数の前記第2演出内容セットは、それぞれ前記第2抽選の前になされる遊技者の前記操作に係る前記演出要素が実行されることのない情報及びそれぞれ前記第2抽選の後になされる遊技者の前記操作に係る前記演出要素(以下「修正演出要素」と表記する)を含み、
前記第2演出内容セットは、前記情報を含むことにより、前記第1演出内容セットと同様に複数の前記操作に対応する複数の前記演出要素を含むものであり、
前記演出抽選部は、
前記第1抽選の結果に基づき複数の前記第1演出内容セットのいずれかを選択し、
遊技者による前記操作が行われたとき、選択された前記第1演出内容セットから前記操作に対応する前記演出要素を出力して前記演出用デバイスに前記演出要素を行わせ、
前記第2抽選の結果に基づき複数の前記第2演出内容セットのいずれかを選択し、
前記第2抽選がなされたとき、第2抽選前演出要素については何も行うことなく、選択された前記第1演出内容セットの前記演出要素から第2抽選後演出要素のみを削除するとともに、削除された前記第2抽選後演出要素に代えて選択された前記第2演出内容セットの修正演出要素の対応するものを書き込み(前記第2演出内容セットの前記修正演出要素が書き込まれた前記第1演出内容セットを、以下「修正第1演出内容セット」と表記する)、
前記第2抽選の後において遊技者による前記操作が行われたとき、前記修正第1演出内容セットから前記操作に対応する前記第2演出内容セットの修正演出要素を出力して前記演出用デバイスに前記修正演出要素を行わせる、ことを特徴とする遊技機。
遊技を開始するためのスタートスイッチと、前記スタートスイッチの押下を契機として回転を開始する複数の回胴と、前記複数の回胴をそれぞれ停止させるための複数のストップボタンと、遊技に係る演出の内容を予め記憶する演出記憶部と、予め定められた抽選を行い当該抽選の結果に基づき前記演出記憶部から所定の前記演出の内容を読み出す演出抽選部と、前記演出抽選部の出力に基づき前記演出を提供する演出用デバイスと、を備える遊技機において、
前記演出は、遊技者による複数の操作それぞれに対応して前記演出用デバイスが所定の動作を行うものであり(前記複数の操作それぞれに対応する前記演出用デバイスの所定の動作を、以下「演出要素」と表記する)、
前記演出抽選部は、遊技者による前記複数の操作のうちのひとつを第1演出抽選契機として第1抽選を行い、前記第1演出抽選契機の後になされる遊技者の前記操作のひとつを第2演出抽選契機として第2抽選を行い、
前記演出記憶部は、
それぞれ複数の前記演出要素を含む演出内容セットであって、前記第1抽選の結果に基づきいずれかが選択される複数の第1演出内容セットと、
それぞれ複数の前記演出要素を含む演出内容セットであって、前記第2抽選の結果に基づきいずれかが選択される複数の第2演出内容セットとを予め記憶し、
複数の前記第1演出内容セットは、それぞれ前記第2抽選の前になされる遊技者の前記操作に係る前記演出要素(以下「第2抽選前演出要素」と表記する)及び前記第2抽選の後になされる遊技者の前記操作に係る前記演出要素(以下「第2抽選後演出要素」と表記する)を含み、
複数の前記第2演出内容セットは、それぞれ前記第2抽選の前になされる遊技者の前記操作に係る前記演出要素が実行されることのない情報及びそれぞれ前記第2抽選の後になされる遊技者の前記操作に係る前記演出要素(以下「修正演出要素」と表記する)を含み、
前記第2演出内容セットは、前記情報を含むことにより、前記第1演出内容セットと同様に複数の前記操作に対応する複数の前記演出要素を含むものであり、
前記演出抽選部は、
前記第1抽選の結果に基づき複数の前記第1演出内容セットのいずれかを選択し、
遊技者による前記操作が行われたとき、選択された前記第1演出内容セットから前記操作に対応する前記演出要素を出力して前記演出用デバイスに前記演出要素を行わせ、
前記第2抽選の結果に基づき複数の前記第2演出内容セットのいずれかを選択し、
前記第2抽選がなされたとき、第2抽選前演出要素については何も行うことなく、選択された前記第1演出内容セットの第2抽選後演出要素のみを、選択された前記第2演出内容セットの修正演出要素の対応するもので上書きし(前記第2演出内容セットの前記修正演出要素が書き込まれた前記第1演出内容セットを、以下「修正第1演出内容セット」と表記する)、
前記第2抽選の後において遊技者による前記操作が行われたとき、前記修正第1演出内容セットから前記操作に対応する前記修正演出要素を出力して前記演出用デバイスに前記修正演出要素を行わせる、ことを特徴とする遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は前扉を閉めた状態を示すスロットマシンの正面図、
図2は前扉を180度開いた状態を示すスロットマシンの正面図を示す。
【0015】
図1及び
図2に示すように、100はスロットマシンを示すもので、このスロットマシン100は、スロットマシン本体120と、このスロットマシン本体120の前面片側にヒンジ等により開閉可能に取り付けられた前扉130とを備えている。前記前扉130の前面には、
図1に示すように、ほぼ中央にゲーム表示部131を設け、ゲーム表示部131の右下隅部に、遊技者がメダルを投入するためのメダル投入口132を設け、メダル投入口132の下側には、メダル投入口132から投入され、詰まってしまったメダルをスロットマシン100外に強制的に排出するためのリジェクトボタン133が設けられている。ゲーム表示部131の左下にはベットスイッチBETが設けられている。遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットスイッチBETが押下されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルが投入状態に設定される。
【0016】
また、前記ゲーム表示部131の左下方には、ゲームを開始するためのスタートスイッチ134を設けてあり、3つの回胴のそれぞれに対応して3つのストップボタン140を設けてある。前扉の下端部中央には、メダルの払出し口135を設けてある。前記ゲーム表示部131の上側には、液晶表示装置LCDが設けてある。液晶表示装置LCDの両側には、光の点滅による演出を行うための発光素子(ランプ)LMPと、音響による演出を行うためのスピーカSPが設けられている。
【0017】
スロットマシン本体120の内部には、
図2に示すように、その内底面にスライド固定され、内部に複数のメダルを貯留して、貯留したメダルを前扉130の前面に設けた払出し口135に1枚ずつ払い出すためのホッパ装置121が設置されている。このホッパ装置121の上部には、上方に向けて開口し、内部に複数のメダルを貯留するホッパタンク122を備えている。スロットマシン本体120の内部には、前扉130を閉めたときにゲーム表示部131が来る位置に三個の回胴からなるリール(回胴)ユニット203が設置されている。リールユニット203は、外周面に複数種類の図柄が配列されている3つの回胴(第1回胴〜第3回胴)を備えている。ゲーム表示部131には開口部が設けられていて、それを通して遊技者が前記リールユニット203の各回転回胴の図柄を見ることができるようになっている。ホッパ装置121の左側には電源部205が設けられている。
【0018】
前記前扉130の裏面には、
図2に示すように、メダル(コイン)セレクタ1が、前扉130の前面に設けられたメダル投入口132の裏側に取り付けられている。このメダルセレクタ1は、メダル投入口132から投入されたメダルの通過を検出しながら、当該メダルをホッパ装置121に向かって転動させ、外径が所定寸法と違う異径メダルや、鉄又は鉄合金で作製された不正メダルを選別して排除するとともに、1ゲームあたりに投入可能な所定枚数以上のメダルを選別して排除するための装置である。
【0019】
また、メダルセレクタ1の下側には、
図2に示すように、その下部側を覆って前扉130の払出し口135に連通する導出路136が設けられている。メダルセレクタ1により振り分けられたメダルは、この導出路136を介して払出し口135から遊技者に返却される。
【0020】
図3は発明の実施の形態に係るスロットマシン100の機能ブロック図を示す。
この図において電源系統についての表示は省略されている。図示しないが、スロットマシンは商用電源(AC100V)から直流電源(+5Vなど)を発生するための電源部を備える。
【0021】
スロットマシン100は、その主要な処理装置としてメイン基板(処理部)10とこれからコマンドを受けて動作するサブ基板20とを備える。なお、少なくともメイン基板10は、外部から接触不能となるようにケース内部に収容され、これら基板を取り外す際に痕跡が残るように封印処理が施されている。
【0022】
メイン基板10は、遊技者の操作を受けて内部抽選を行ったり、リールの回転・停止やメダルの払い出しなどの処理(遊技処理)を行うためのものである。メイン基板10は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。
【0023】
サブ基板20は、メイン基板10からコマンドを受けて内部抽選の結果を報知したり各種演出を行うためのものである。サブ基板20は、前記コマンドに応じた予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPUと、前記プログラムを記憶する記憶手段であるROMおよび処理結果などを一時的に記憶するRAMを含む。コマンドの流れはメイン基板10からサブ基板20への一方向のみであり、逆にサブ基板20からメイン基板10へコマンド等が出されることはない。
【0024】
メイン基板10には、ベットスイッチBET、スタートスイッチ134,ストップボタン140,リールユニット(リール駆動装置を含む)203,リール位置検出回路71、ホッパ駆動部80、ホッパ81及びホッパ81から払い出されたメダルの枚数を数えるためのメダル検出部82(これらは前述のホッパ装置121を構成する)が接続されている。サブ基板20には液晶表示装置の制御用の液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202などの周辺基板が接続されている。周辺基板とは、サブ基板20により制御されるものであり、主に映像、光、音響により演出を行うものである。なお、液晶制御基板200、スピーカ基板201、LED基板202などの周辺基板はサブ基板20の内部に設けられることもある。
【0025】
メイン基板10には、さらに、メダルセレクタ1のメダルセンサS1及びS2が接続されている。
【0026】
メダルセレクタ1には、メダルを計数するためのメダルセンサS1及びS2が設けられている。メダルセンサS1及びS2は、メダルセレクタ1に設けられた図示しないメダル通路の下流側(出口近傍)に設けられている(メダル通路の上流側はメダル投入口132に連通している)。2つのメダルセンサS1とS2は、メダルの進行方向に沿って所定間隔を空けて並べて設けられている。メダルセンサS1、S2は、例えば、互いに対向した発光部と受光部とを有して断面コ字状に形成され、その検出光軸をメダル通路内に上方から臨ませて位置するフォトインタラプタである。各フォトインタラプタにより、途中で阻止されずに送られてきたメダルの通過が検出される。なお、フォトインタラプタを2つ隣接させたのは、メダル枚数を検出するだけでなく、メダルの通過が正常か否かを監視するためである。すなわち、フォトインタラプタを2つ隣接させて設けることにより、メダルの通過速度や通過方向を検出することができ、これによりメダル枚数だけでなく、逆方向に移動する不正行為を感知することができる。
【0027】
ホッパ駆動部80は、ホッパ81を回転駆動して、メイン基板10によって指示された払出数のメダルを払い出す動作を行う。遊技機は、メダルを1枚払い出す毎に作動するメダル検出部82を備えており、メイン基板10は、メダル検出部82からの入力信号に基づいてホッパ81から実際に払い出されたメダルの数を管理することができる。
【0028】
投入受付手段1050は、メダルセレクタ1のメダルセンサS1とS2の出力を受け、遊技毎にメダルの投入を受け付けて、規定投入数に相当するメダルが投入されたことに基づいて、スタートスイッチ134に対する第1リール〜第3リールの回転開始操作を許可する処理を行う。なお、スタートスイッチ134の押下操作が、第1リール〜第3リールの回転を開始させる契機となっているとともに、内部抽選を実行する契機となっている。また、遊技状態に応じて規定投入数を設定し、通常状態およびボーナス成立状態では規定投入数を3枚に設定し、ボーナス状態では規定投入数を1枚に設定する。
【0029】
メダルが投入されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度として、投入されたメダルを投入状態に設定する。あるいは、遊技機にメダルがクレジットされた状態で、ベットスイッチBETが押下されると、遊技状態に応じた規定投入数を限度して、クレジットされたメダルを投入状態に設定する。メダルの投入を受け付けるかどうかは、メイン基板10が制御する。メダルの投入を受け付ける状態になっていないときは(許可されていないときは)、メダルを投入してもメダルセンサS1、S2でカウントされず、そのまま返却される。同様に、メイン基板10はベットスイッチBETの有効/無効を制御する。ベットスイッチBETが有効になっていないときは(許可されていないときは)、ベットスイッチBETを押下しても、それは無視される。
【0030】
メイン基板10は、乱数発生手段1100を内蔵する。乱数発生手段1100は、抽選用の乱数値を発生させる手段である。乱数値は、例えば、インクリメントカウンタ(所定のカウント範囲を循環するように数値をカウントするカウンタ)のカウント値に基づいて発生させることができる。なお本実施形態において「乱数値」には、数学的な意味でランダムに発生する値のみならず、その発生自体は規則的であっても、その取得タイミング等が不規則であるために実質的に乱数として機能しうる値も含まれる。
【0031】
内部抽選手段1200は、遊技者がスタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、役の当否を決定する内部抽選を行う。すなわち、メイン基板10のメモリ(図示せず)に記憶されている抽選テーブル(図示せず)を選択する抽選テーブル選択処理、乱数発生手段1100から得た乱数の当選を判定する乱数判定処理、当選の判定結果で大当たりなどに当選したときにその旨のフラグを設定する抽選フラグ設定処理などを行う。
【0032】
抽選テーブル選択処理では、図示しない記憶手段(ROM)に格納されている複数の抽選テーブル(図示せず)のうち、いずれの抽選テーブルを用いて内部抽選を行うかを決定する。抽選テーブルでは、複数の乱数値(例えば、0〜65535の65536個の乱数値)のそれぞれに対して、リプレイ、小役(ベル、チェリー)、レギュラーボーナス(RB:ボーナス)、およびビッグボーナス(BB:ボーナス)などの各種の役が対応づけられている。また、遊技状態として、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態が設定可能とされ、さらにリプレイの抽選状態として、リプレイ無抽選状態、リプレイ低確率状態、リプレイ高確率状態が設定可能とされる。
【0033】
乱数判定処理では、スタートスイッチ134からのスタート信号に基づいて、遊技毎に前記乱数発生手段(図示せず)から乱数値(抽選用乱数)を取得し、取得した乱数値について前記抽選テーブルを参照して役に当選したか否かを判定する。
【0034】
抽選フラグ設定処理では、乱数判定処理の結果に基づいて、当選したと判定された役の抽選フラグを非当選状態(第1のフラグ状態、オフ状態)から当選状態(第2のフラグ状態、オン状態)に設定する。2種類以上の役が重複して当選した場合には、重複して当選した2種類以上の役のそれぞれに対応する抽選フラグが当選状態に設定される。抽選フラグの設定情報は、記憶手段(RAM)に格納される。
【0035】
入賞するまで次回以降の遊技に当選状態を持ち越し可能な抽選フラグ(持越可能フラグ)と、入賞の如何に関わらず次回以降の遊技に当選状態を持ち越さずに非当選状態にリセットされる抽選フラグ(持越不可フラグ)とが用意されていることがある。この場合、前者の持越可能フラグが対応づけられる役としては、レギュラーボーナス(RB)およびビッグボーナス(BB)があり、それ以外の役(例えば、小役、リプレイ)は後者の持越不可フラグに対応づけられている。すなわち抽選フラグ設定処理では、内部抽選でレギュラーボーナスに当選すると、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態を、レギュラーボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行い、内部抽選でビッグボーナスに当選すると、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態を、ビッグボーナスが入賞するまで持ち越す処理を行う。このときメイン基板10は、内部抽選機能により、レギュラーボーナスやビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技でも、レギュラーボーナスおよびビッグボーナス以外の役(小役およびリプレイ)についての当否を決定する内部抽選を行っている。すなわち抽選フラグ設定処理では、レギュラーボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているレギュラーボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定し、ビッグボーナスの抽選フラグの当選状態が持ち越されている遊技において、内部抽選で小役あるいはリプレイが当選した場合には、既に当選しているビッグボーナスの抽選フラグと内部抽選で当選した小役あるいはリプレイの抽選フラグとからなる2種類以上の役に対応する抽選フラグを当選状態に設定する。
【0036】
リプレイ処理手段1600は、リプレイが入賞した場合に、次回の遊技に関して遊技者の所有するメダルの投入を要さずに前回の遊技と同じ準備状態に設定するリプレイ処理(再遊技処理)を行う。リプレイが入賞した場合には、遊技者の手持ちのメダル(クレジットメダルを含む)を使わずに前回の遊技と同じ規定投入数のメダルが自動的に投入状態に設定される自動投入処理が行われ、遊技機が前回の遊技と同じ入賞判定ラインを有効化した状態で次回の遊技における回転開始操作(遊技者によるスタートスイッチ134の押下操作)を待機する状態に設定される。
【0037】
リプレイ処理手段1600は、所定条件下で内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる制御を行うことがある。リプレイの抽選状態として、リプレイが内部抽選の対象から除外されるリプレイ無抽選状態、リプレイの当選確率が約1/7.3に設定されるリプレイ低確率状態、およびリプレイの当選確率が約1/6に設定されるリプレイ高確率状態という複数種類の抽選状態を設定可能とされている。リプレイの抽選状態を変化させることにより、内部抽選におけるリプレイの当選確率を変動させる。
【0038】
リール制御手段1300は、遊技者がスタートスイッチ134の押下操作(回転開始操作)によるスタート信号に基づいて、第1リール〜第3リールをステッピングモータにより回転駆動して、第1リール〜第3リールの回転速度が所定速度(約80rpm:1分間あたり約80回転となる回転速度)に達した状態において回転中のリールにそれぞれ対応する3つのストップボタン140の押下操作(停止操作)を許可する制御を行うとともに、ステッピングモータにより回転駆動されている第1リール〜第3リールを抽選フラグの設定状態(内部抽選の結果)に応じて停止させる制御を行う。
【0039】
また、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140に対する押下操作(停止操作)が許可(有効化)された状態において、遊技者が3つのストップボタン140を押下することにより、そのリール停止信号に基づいて、リールユニット203のステッピングモータへの駆動パルス(モータ駆動信号)の供給を停止することにより、第1リール〜第3リールの各リールを停止させる制御を行う。
【0040】
すなわち、リール制御手段1300は、3つのストップボタン140の各ボタンが押下される毎に、第1リール〜第3リールのうち押下されたボタンに対応するリールの停止位置を決定して、決定された停止位置でリールを停止させる制御を行っている。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている停止制御テーブル(図示せず)を参照して3つのストップボタンの押下タイミングや押下順序等(停止操作の態様)に応じた第1リール〜第3リールの停止位置を決定し、決定された停止位置で第1リール〜第3リールを停止させる制御を行う。
【0041】
ここで停止制御テーブルでは、ストップボタン140の作動時点における第1リール〜第3リールの位置(押下検出位置)と、第1リール〜第3リールの実際の停止位置(または押下検出位置からの滑りコマ数)との対応関係が設定されている。抽選フラグの設定状態に応じて、第1リール〜第3リールの停止位置を定めるための停止制御テーブルが用意されることもある。
【0042】
遊技機では、リールユニット203がフォトセンサからなるリールインデックス(図示せず)を備えており、リール制御手段1300は、リールが1回転する毎にリールインデックスで検出される基準位置信号に基づいて、リールの基準位置(リールインデックスによって検出されるコマ)からの回転角度(ステップモータの回転軸の回転ステップ数)を求めることによって、現在のリールの回転状態を監視することができるようになっている。すなわち、メイン基板10は、ストップボタン140の作動時におけるリールの位置を、リールの基準位置からの回転角度を求めることにより得ることができる。
【0043】
リール制御手段1300は、いわゆる引き込み処理と蹴飛ばし処理とをリールを停止させる制御として行っている。引き込み処理とは、抽選フラグが当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止するように(当選した役を入賞させることができるように)リールを停止させる制御処理である。一方蹴飛ばし処理とは、抽選フラグが非当選状態に設定された役に対応する図柄が有効な入賞判定ライン上に停止しないように(当選していない役を入賞させることができないように)リールを停止させる制御処理である。すなわち本実施形態の遊技機では、上記引き込み処理及び蹴飛ばし処理を実現させるべく、抽選フラグの設定状態、ストップボタン140の押下タイミング、押下順序、既に停止しているリールの停止位置(表示図柄の種類)などに応じて各リールの停止位置が変化するように停止制御テーブルが設定されている。このように、メイン基板10は、抽選フラグが当選状態に設定された役の図柄を入賞の形態で停止可能にし、一方で抽選フラグが非当選状態に設定された役の図柄が入賞の形態で停止しないように第1リール〜第3リールを停止させる制御を行っている。
【0044】
本実施形態の遊技機では、第1リール〜第3リールが、ストップボタン140が押下された時点から190ms以内に、押下されたストップボタンに対応する回転中のリールを停止させる制御状態に設定されている。すなわち回転している各リールの停止位置を決めるための停止制御テーブルでは、ストップボタン140の押下時点から各リールが停止するまでに要するコマ数が0コマ〜4コマの範囲(所定の引き込み範囲)で設定されている。
【0045】
入賞判定手段1400は、第1リール〜第3リールの停止態様に基づいて、役が入賞したか否かを判定する処理を行う。具体的には、記憶手段(ROM)に記憶されている入賞判定テーブルを参照しながら、第1リール〜第3リールの全てが停止した時点で入賞判定ライン上に表示されている図柄組合せが、予め定められた役の入賞の形態であるか否かを判定する。
【0046】
入賞判定手段1400は、その判定結果に基づいて、入賞時処理を実行する。入賞時処理としては、例えば、小役が入賞した場合にはホッパ81を駆動してメダルの払出制御処理が行われるか、あるいはクレジットの増加され(規定の最大枚数例えば50枚まで増加され、それを超えた分だけ実際にメダル払い出される)、リプレイが入賞した場合にはリプレイ処理が行われ、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが入賞した場合には遊技状態を移行させる遊技状態移行制御処理が行われる。
【0047】
払出制御手段1500は、遊技結果に応じたメダルの払い出しに関する払出制御処理を行う。具体的には、小役が入賞した場合に、役毎に予め定められている配当に基づいて遊技におけるメダルの払出数を決定し、決定された払出数に相当するメダルを、ホッパ駆動部80でホッパ81を駆動して払い出させる。この際に、ホッパ81に内蔵される図示しないモータに電流が流れることになる。
【0048】
メダルのクレジット(内部貯留)が許可されている場合には、ホッパ81によって実際にメダルの払い出しを行う代わりに、記憶手段(RAM)のクレジット記憶領域(図示省略)に記憶されているクレジット数(クレジットされたメダルの数)に対して払出数を加算するクレジット加算処理を行って仮想的にメダルを払い出す処理を行う。
【0049】
また、メイン基板10は、通常状態、ボーナス成立状態、およびボーナス状態の間で遊技状態を移行させる制御を行うことがある(遊技状態移行制御機能)。遊技状態の移行条件は、1の条件が定められていてもよいし、複数の条件が定められていてもよい。複数の条件が定められている場合には、複数の条件のうち1の条件が成立したこと、あるいは複数の条件の全てが成立したことに基づいて、遊技状態を他の遊技状態へ移行させることができる。
【0050】
通常状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態で、通常状態からはボーナス成立状態への移行が可能となっている。ボーナス成立状態は、内部抽選でビッグボーナスあるいはレギュラーボーナスに当選したことを契機として移行する遊技状態である。ボーナス成立状態では、通常状態における内部抽選でビッグボーナスが当選した場合、ビッグボーナスが入賞するまでビッグボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持され、通常状態における内部抽選でレギュラーボーナスが当選した場合、レギュラーボーナスが入賞するまでレギュラーボーナスに対応する抽選フラグが当選状態に維持される。ボーナス状態では、ボーナス遊技によって払い出されたメダルの合計数により終了条件が成立したか否かを判断し、入賞したボーナスの種類に応じて予め定められた払出上限数を超えるメダルが払い出されると、ボーナス状態を終了させて、遊技状態を通常状態へ復帰させる。
【0051】
リールユニット203は、図示しない3つのリールを備えるが、3つのリールそれぞれにひとつづつステッピングモータが取り付けられている。ステッピングモータは、回転子(ロータ)として歯車状の鉄心あるいは永久磁石を備え、固定子(ステータ)として複数の巻線(コイル)を備え、電流を流す巻線を切り替えることによって回転動作させるものである。すなわち、固定子の巻線に電流を流して磁力を発生させ、回転子を引きつけることで回転するものである。回転軸を指定された角度で停止させることが可能なことから、スロットマシンのリールの回転駆動に使用されている。複数の巻線がひとつの相を構成する。相の数として、例えば、2つ(二相)、4つ(4相)、5つ(5相)のものもある。
【0052】
次に、遊技機における遊技処理について
図4を参照して説明を加える。
一般的に、遊技機において、メダルの投入(クレジットの投入)に始まり、入賞の場合は払い出しが終了するまで(又はクレジット数の増加が終了するまで)が一遊技である。リプレイ入賞した場合及び何ら入賞しなかった場合はそれが確定した時点(例えば、全てのリールが停止し表示された時点)で一遊技が終了する。一遊技が終了するまでは次回の遊技に進めないという決まりがある。
【0053】
先ず、規定枚数のメダルが投入されること、あるいはベットスイッチBETが押下されることでスタートスイッチ134が有効になり、
図4の処理が開始される。
【0054】
ステップS1において、スタートスイッチ134が操作されることにより、スタートスイッチ134がONとなる(レバー押下)。そして、次のステップS2に進む。
【0055】
ステップS2において、メイン基板10により抽選処理が行われる。そして、次のステップS3に進む。
【0056】
スタートスイッチ134がONになったことに起因して、ステップS3において、第1リール〜第3リールの回転が開始し、各リールの回転速度が所定回転速度(定常回転、その回転速度は約80rpm)に到達するまで加速される。所定回転速度に達したら加速が停止し、そのときの回転速度を維持しつつ定常回転を行う。定常回転になると各リールに対する停止操作が可能となる。3つのリールそれぞれに対応して3つのストップボタン140が設けられているが、あるリールが定常回転に達したとき当該リールに対応するストップボタン140が点灯して操作可能であることを遊技者に知らせるとともに、リール制御手段1300は当該ストップボタン140からの信号を受け付けるようになる。この処理が3つのリールそれぞれについて行われる。そして、次のステップS4に進む。
【0057】
ステップS4において、ストップボタン140が操作されることにより、ストップボタン140がONとなる。そして、次のステップS5に進む。
【0058】
ステップS5において、第1リール〜第3リールのうち押下されたストップボタン140に対応するリールについて回転停止処理が行われる。そして、次のステップS6に進む。
【0059】
ステップS6において、三個のリールに対応するストップボタン140の操作が行われたか否かが判定される。そして、三個のリールに対応する3つのストップボタン140すべての操作が行われたと判定された場合、次のステップS7に進む。
【0060】
ステップS7において、抽選フラグ成立中に当該抽選フラグに対応する入賞図柄が有効入賞ライン上に揃ったか否か、すなわち、入賞が確定したか否かが判定される。そして、入賞が確定したと判定された場合、次のステップS8に進む。なお、入賞が確定しなかったときは、抽選フラグが成立していてもメダルの払い出しは行われない。
【0061】
ステップS8において、入賞図柄に相当するメダルが払い出される。
【0062】
メダルの投入からステップS8の実行完了までが、一遊技である。すなわち、入賞の場合は(S7でYES)、S8で払い出しが終了するまで(又はクレジット数の増加が終了するまで)が一遊技であり、リプレイ入賞した場合及び何ら入賞しなかった場合は(S7でNO)、それが確定するまでが一遊技である。ステップS8の待機処理が終了すると、処理はフローチャートの最初に戻る。言い換えれば、次の遊技が可能な状態になる(次遊技へ移行する)。
【0063】
図5は、発明の実施の形態に係る遊技機のブロック図である。説明の便宜上、この図は発明の実施の形態に係る遊技機の動作に関する部分のみを示している。
図5において、
図3に示したものと同じものについては同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0064】
20Mは、遊技に係る演出の内容を予め記憶する演出記憶部である。演出記憶部20Mは、実行すべき個々の演出(演出要素)をそれぞれ複数含む演出内容セット(箱)を複数記憶している(
図6参照)。また、演出抽選のための抽選テーブルも記憶している(
図7参照)。これらについては後に詳しく説明を加える。
【0065】
20Cは、抽選を行い当該抽選の結果に基づき演出記憶部20Mから所定の演出の内容を読み出す演出抽選部である。
【0066】
DVは、演出抽選部20Cの出力に基づき音、光又は映像を用いた演出を提供する演出用デバイスである。演出用デバイスDVは、具体的には、スピーカSP、発光素子(ランプ、電飾)LMP、液晶表示装置LCDである。
図5においては、説明の便宜上、これらをまとめて演出用デバイスDVとしている。演出用デバイスDVは、サブ基板20の出力、つまり演出抽選部20Cにより選択された演出に基づき所定の演出を行うものである(演出自体は公知であるのでその説明は省略する)。サブ基板20は、実際には
図3の液晶制御基板200,スピーカ基板201、LED基板202を介してスピーカSP、発光素子LMP、液晶表示装置LCDを制御しているので、
図5の演出用デバイスDVは、液晶制御基板200,スピーカ基板201、LED基板202を含むと考えてよい。
【0067】
図5により実行される演出は、遊技者による複数の操作それぞれに対応して演出用デバイスDVが所定の動作を行うものである(複数の操作それぞれに対応する演出用デバイスDVの所定の動作を、「演出要素」と表記することがある)。複数の操作は、例えば、スタートスイッチ134の押下、ストップボタン140の押下(ストップボタン140は3つあるので押下は3回あり、順番に第1停止、第2停止、第3停止と呼ばれる)、ベットスイッチBETの押下である(
図9参照)。
【0068】
演出抽選部20Cは、遊技者による前記複数の操作のうちのひとつを第1演出抽選契機として抽選(以下「第1抽選」と表記することがある)を行うとともに、第1演出抽選契機の後になされる遊技者の操作のひとつを第2演出抽選契機として抽選を行う(以下「第2抽選」と表記することがある)。例えば、第1演出抽選契機はスタートスイッチ134の押下であり、第2演出抽選契機はストップボタン140の2番めの押下(第2停止)である。
【0069】
図6は、発明の実施の形態に係る演出記憶部が記憶する演出内容セット(演出構成を組み込んだ箱)の説明図である。
【0070】
TA乃至TCは、第1演出抽選契機における第1抽選の結果に基づきいずれかが選択される演出内容セットである(以下「第1演出内容セット」と表記することがある)。演出内容セットTA乃至TCは、それぞれ、複数の操作に対応する演出用デバイスDVの所定の動作である複数の演出要素を含んでいる。すなわち、スタートスイッチ134の押下(
図6の「レバー」)で開始される演出要素、ストップボタン140の3回の押下(
図6の「第1停」、「第2停」、「第3停」)でそれぞれ開始される演出要素を含む。
図6の例ではベットスイッチBETの押下で開始される演出要素は省略している。
図6の演出内容セットTAを例にとると、スタートスイッチ134の押下で「予告音1」が発生し、ストップボタン140の第1停止で液晶表示装置LCDに「背景1」が表示され、第2停止で液晶表示装置LCDに「アクション1」が表示され、第3停止で液晶表示装置LCDに「アクション2」が表示される。「予告音1」「背景1」「アクション1」「アクション2」が演出要素である。
【0071】
もし仮に第2抽選がないとすると、演出内容セットTA乃至TCの演出要素が順番に実行される。演出内容セットTAを例にとると、「予告音1」、「背景1」、「アクション1」、「アクション2」が実行される(
図9の上段参照)。
【0072】
TF1及びTF2は、第2演出抽選契機における第2抽選の結果に基づきいずれかが選択される演出内容セット(以下「第2演出内容セット」と表記することがある)である。演出内容セットTF1及びTF2は、演出内容セットTA乃至TCと同様に、それぞれ、複数の操作に対応する演出用デバイスDVの所定の動作である複数の演出要素を含んでいる。
図6の演出内容セットTF1を例にとると、ストップボタン140の第2停止で液晶表示装置LCDに「フリーズ1」が表示される。「フリーズ(制御)」とは、遊技の実行により所定の入賞役(特別入賞役、小役等)に当選した場合に、一定期間各リールの停止操作を無効とし、その間に所定の演出表示を行うものである。停止操作に係るストップボタン140の操作が効かないという「フリーズ」の他に、ベットスイッチBETやスタートスイッチ134の操作が効かないという「フリーズ」もある。また、このような操作の無効化のみならず、操作自体は有効であるがそれによる処理が遅延される(これにより当該操作による結果の提示が遅れる)といった操作遅延処理も「フリーズ」の一態様である。これ以外の、スタートスイッチ134の押下、ストップボタン140の第1停止、第3停止については「なし」、つまり演出要素は対応づけられておらず、演出は実行されない。「なし」の部分について任意の演出要素を割り当てることができるが、以下の例では第2抽選がストップボタン140の第2停止で行われるので、演出内容セットTF1のスタートスイッチ134の押下、ストップボタン140の第1停止について演出要素を対応づけたとしても、当該演出要素が実行されることはない(
図8及びこの説明参照)。このため、演出内容セットTF1及びTF2のスタートスイッチ134の押下、ストップボタン140の第1停止について「なし」のままで差し支えない。
なお、「フリーズ1」は一例であって、他の演出態様であってもよい。
【0073】
図7は、発明の実施の形態に係る演出記憶部が記憶する抽選テーブルの説明図である。
【0074】
TCB−1は、第1抽選用の抽選テーブルであって、複数の第1演出内容セットそれぞれについて値(置数)が予め定められている第1抽選テーブルである。第1抽選においては、演出A乃至C(すなわち演出内容セットTA乃至TC)のいずれかが選択されるので、抽選の際の重み(加重値、ここでは上記置数に相当)が演出Aの乃至Cそれぞれについて予め定められている。値(置数)が大きいほど選択される確率が高い。
図7の例では値(置数)の合計が100となっている。第1抽選テーブルTCB−1は、「ハズレ」と「アタリ(フリーズを含む)」の2種類の値(置数)が定められている。これらのいずれかが適宜選択されて第1抽選に使用される。例えば、メイン基板10における抽選結果に基づきいずれかが選択される。サブ基板20(演出抽選部20C)は、メイン基板10のコマンドに基づき抽選結果を知ることができる。
【0075】
TCB−2は、第2抽選用の抽選テーブルであって、複数の第2演出内容セットそれぞれについて値(以下「置数」)が予め定められている第2抽選テーブルである。第2抽選においては、フリーズ1又はフリーズ2(すなわち演出内容セットTF1又はTF2)のいずれかが選択されるので、抽選の際の重み(置数)がフリーズ1又はフリーズ2それぞれについて予め定められている。第2抽選テーブルTCB−2は、「フリーズA」と「フリーズB」の2種類の値(置数)が定められている。これらのいずれかが適宜選択されて第2抽選に使用される(この点は第2抽選の場合と同じ)。
【0076】
図8は、発明の実施の形態に係る遊技機の動作フローチャートである。同図は、演出抽選に係る部分のみを示している。
【0077】
スタートスイッチ134が押下操作信号を受け付けることが可能になった時点で
図8の処理が開始される。
【0078】
S10:演出抽選部20Cが、第1抽選契機(例えばスタートスイッチ134の押下)かどうか判定する。第1抽選契機であれば(YES)、S11以降の処理を実行する。
第1抽選契機かどうかは、メイン基板10からのコマンドにより知ることができる。
【0079】
S11:演出抽選部20Cが、第1抽選を実行し、この第1抽選の結果に基づき演出記憶部20Mを読み出し、複数の第1演出内容セットのいずれかを選択する。
演出抽選部20Cは図示しない乱数発生器から乱数値を取得し、これを第1抽選テーブルTCB−1の内容と比較して、演出A乃至C(演出内容セットTA乃至TC)のいずれかを選択する。抽選処理は公知であるので、その説明は省略する。
【0080】
S12:演出抽選部20Cが、選択された第1演出内容セットに基づき演出を実行する。
演出抽選部20Cは、メイン基板10からのコマンドに基づき遊技者による操作が行われたかどうか判断し、当該操作に応じて選択された第1演出内容セットから当該操作に対応する演出要素を出力して演出用デバイスDVに演出要素を行わせる。
以下に説明する
図9の例を参照すると、同図のt2で予告音1が、t3で背景1が実行される。
【0081】
S13:演出抽選部20Cが、第2抽選契機(例えば第2停止)かどうか判定する。第2抽選契機であれば(YES)、S14以降の処理を実行する。第2抽選契機でなければ(NO)、第1演出内容セットに基づく演出を続ける。
図9の例で言えば、YESと判定されるのはt3であり、t2では第1演出内容セットに基づく演出が実行される(S12)。
【0082】
なお、第2抽選契機かどうかの判定において、第2停止があったかどうかだけでなく、第2停止が3つのストップボタン140のうちの特定のものであるかどうか、特定の順番で押下されたかどうかというような条件を加味してもよい。例えば、3つのストップボタン140が左側から順押しされたときにS13でYESとなるが、右側から逆押しされたときにはS13でYESとはならないようにしてもよい。
【0083】
S14:演出抽選部20Cが、第2抽選を実行し、この第2抽選の結果に基づき演出記憶部20Mを読み出し、複数の第2演出内容セットのいずれかを選択する。
【0084】
演出抽選部20Cは図示しない乱数発生器から乱数値を取得し、これを第2抽選テーブルTCB−2の内容と比較して、フリーズ1又はフリーズ2(演出内容セットTF1又はTF2)のいずれかを選択する。
【0085】
S15:第2抽選がなされたとき、演出抽選部20Cが、選択された第1演出内容セットの演出要素から、第2抽選の後に行われる操作に係る演出要素を削除するとともに、削除された演出要素に代えて選択された第2演出内容セットの演出要素のうちで対応するものを書き込む(削除と書き込みの2つの処理に代えて、「上書き」するようにしてもよい。「上書き」の場合は1つの処理で済む。以下同じ)。第2演出内容セットの演出要素が書き込まれた第1演出内容セットを、以下「修正第1演出内容セット」と表記することがある。
【0086】
例えば、第2抽選契機が第2停止であるとき、これ以降の契機である第2停止と第3停止の演出要素が修正される。
【0087】
S16:演出抽選部20Cが、S15で修正された修正第1演出内容セットに基づき演出を実行する。
演出抽選部20Cは、メイン基板10からのコマンドに基づき遊技者による操作が行われたかどうか判断し、当該操作に応じて修正第1演出内容セットから当該操作に対応する演出要素を出力して演出用デバイスDVに演出要素を行わせる。
【0088】
S17:演出抽選部20Cが、遊技者が予め定められた最後の操作を行ったかどうか判定する。YESのとき、
図8の処理を終了する。例えば、最後の操作がベットスイッチBETの押下であるとき、これを検出したときに処理を終了する。
NOのとき、S16の修正された第1演出内容セットに基づく演出を続ける。
【0089】
図9は、発明の実施の形態に係る遊技機の動作説明図(タイミングチャート)である。この図を参照して、発明の実施の形態に係る遊技機の具体的な動作を説明する。
【0090】
図9の上段の演出Aについて説明する。これは
図8のS15の修正がなされないケースである。
【0091】
時刻t1においてスタートスイッチ134が押下され、これを第1演出抽選契機として演出抽選部20Cが抽選を行う(
図8のS11)。この第1抽選で
図6の演出A(第1演出内容セットTA)が選択されたとする。時刻t1において、演出Aの予告音1の実行が開始され、時刻t2において演出Aの背景1の実行が開始され、時刻t3において演出Aのアクション1の実行が開始され、時刻t4において演出Aのアクション2の実行が開始される(
図8のS12)。時刻t5においてベットスイッチBETの押下により演出Aのよる演出が終了する。
【0092】
図9の中段の演出A(フリーズ1)について説明する。これは第2抽選契機によりフリーズ1が選択され、これに基づきS15で修正がなされたケースである。太枠が修正(上書き)された演出要素を示す。
【0093】
時刻t1においてスタートスイッチ134が押下され、これを第1演出抽選契機として演出抽選部20Cが抽選を行う(
図8のS11)。この第1抽選で
図6の演出A(第1演出内容セットTA)が選択されたとする。時刻t1において、演出Aの予告音1の実行が開始され、時刻t2において演出Aの背景1の実行が開始される(
図8のS12)。
【0094】
時刻t3において第2抽選契機と判定され(
図8のS13でYES)、第2抽選が実行される(
図8のS14)。例えば、フリーズ1(第2演出内容セットTF2)が選択されたとする。当該第2演出内容セットTF2に基づき、第1演出内容セットTAの内容が書き換えられる(
図8のS15)。すなわち、第1演出内容セットTAの第2停止の「アクション1」と第3停止の「アクション2」が削除され、代わりに第2演出内容セットTF2の第2停止の「フリーズ1」と第3停止の「なし」が書き込まれる。このように修正された第1演出内容セットに基づき演出が実行される(
図8のS16)。すなわち、時刻t3において書き換えられたフリーズ1の実行が開始され、時刻t4において書き換えられた演出が実行される(「なし」は無演出の実行を意味するので、演出は実行されない)。時刻t5において演出が終了する。
【0095】
図9の下段の演出A(フリーズ2)は、中段の演出A(フリーズ1)と同様であり、第2抽選で選択される第2演出内容セットが、フリーズ2(TF2)である点でのみ相違する。時刻t3で実行される演出が「フリーズ2」となっている。
【0096】
図9からわかるように、発明の実施の形態によれば、第2抽選を行いこれに基づく修正を加えることにより、第1演出内容セットそのままで演出を実行すること、第2演出内容セットに基づき修正を加えた演出を実行することのいずれも可能である。すなわち、発明の実施の形態に係る遊技機は、内容をダイナミックに変化させつつ演出を実行することができる。
【0097】
図10は、比較例に係る遊技機の動作フローチャートである。この処理は、
図8から第2演出内容セットに基づく修正処理を省いたものである。
図10の処理は簡単であるというメリットがあるが、反面、演出記憶部20Mの容量が大きくなるという問題がある。
【0098】
例えば、ひとつの演出データの大きさをEaバイトであるとして、スタートスイッチ134の押下を起因とする抽選結果によるバリエーションの数をV1、特定のコマンドの受信を起因とする抽選結果によるバリエーションの数をV2としたとき、全ての演出を実行可能とするための記憶容量は、Ea×V1×V2となる。V2が大きくなると必要な記憶容量は著しく増大することになる。
【0099】
上述した例によれば第1演出内容セットが3種類(A乃至C)、第2演出内容セットが3種類(フリーズなし、フリーズ1、フリーズ2)である。
図10の処理によれば、上述した例と同じ演出を実行するためには、Ea×3×3=9×Eaの容量が必要である。すなわち、
図11に示すように、9つのテーブルが必要である。
【0100】
これに対し、発明の実施の形態に係る遊技機によれば、Ea×(V1+V2−1)ですむ。すなわち、
図6に示すように、3+2=5つのテーブルで足りる。必要なテーブルの数の差は、演出のバリエーションの数が大きくなるほど増加する。
【0101】
同様のことが抽選テーブルについても言える。
図10の比較例に対応する抽選テーブルは
図12のようになり、9×4=36のテーブルが必要であるが、発明の実施の形態に係る遊技機の抽選テーブルは
図7のようになり、(3+3−1)×2=10のテーブルですむ。
【0102】
したがって、発明の実施の形態によれば、比較例に比べて大幅なメモリ容量の削減が可能である。演出用のテーブルと抽選テーブルの両方について容量を削減することができる。
【0103】
発明の実施の形態によれば、演出のバリエーションを増やした時でも記憶容量はそれほど増えることがなく実装が容易であり、遊技者の操作に応じてダイナミックに演出内容を切り替えることができる。
【0104】
遊技に係る演出の内容や他の要因(予め規定された操作手順と異なるなど)に応じて、第2抽選契機が到来したと判定したが第2抽選を実行せず、修正前の演出内容を実行するようにもできる。この変形例のフローチャートを
図13に示す。
図13において、
図8の処理と同一又は相当部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0105】
S13a:第2抽選を実行するかどうか判定する。
第2演出を実行する場合(YES)、S14に進む。実行しない場合(NO)、S13bに進む。例えば、第2停止の押し順が正解のときにのみフリーズが発生し、第2停止の押し順が誤ったときにフリーズが発生しないことがある。
図9の演出Aの場合は、S13aでNOとなり、第1演出内容セットに基づきt3でアクション1、t4でアクション2が実行される。
【0106】
S17:演出抽選部20Cが、遊技者が予め定められた最後の操作を行ったかどうか判定する。YESのとき、
図8の処理を終了する。
NOのとき、S16の修正された第1演出内容セットに基づく演出又はS13bの修正前の第1演出内容セットに基づく演出を続ける。
【0107】
本発明の実施の形態は、
図13の処理を実行する遊技機を含む。
【0108】
上述の説明では、ベットスイッチBETは演出終了の契機として用いられていたが、これに限らず、ベットスイッチBETの押下を契機として演出を開始するようにしてもよい(この場合、
図6の演出内容セットに「ベットスイッチ押下」とこれに対応する演出要素の行が追加されることになる)。
【0109】
また、上述の説明では第1演出抽選契機はスタートスイッチ押下、第2演出抽選契機は第2停止操作としていたが、本発明の実施の形態はこれに限定されない。機種の仕様変更や演出内容等に応じて、どの操作を第1演出抽選契機と第2演出抽選契機に対応付けるかは適宜選択できる。
【0110】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。