特許第6183644号(P6183644)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ウシオ電機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許6183644-LED電球 図000002
  • 特許6183644-LED電球 図000003
  • 特許6183644-LED電球 図000004
  • 特許6183644-LED電球 図000005
  • 特許6183644-LED電球 図000006
  • 特許6183644-LED電球 図000007
  • 特許6183644-LED電球 図000008
  • 特許6183644-LED電球 図000009
  • 特許6183644-LED電球 図000010
  • 特許6183644-LED電球 図000011
  • 特許6183644-LED電球 図000012
  • 特許6183644-LED電球 図000013
  • 特許6183644-LED電球 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6183644
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】LED電球
(51)【国際特許分類】
   F21K 9/00 20160101AFI20170814BHJP
   F21K 9/237 20160101ALI20170814BHJP
   F21V 29/10 20150101ALI20170814BHJP
   F21V 29/15 20150101ALI20170814BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20170814BHJP
【FI】
   F21K9/00 100
   F21K9/237
   F21V29/10
   F21V29/15
   F21Y115:10
【請求項の数】4
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-137021(P2013-137021)
(22)【出願日】2013年6月28日
(65)【公開番号】特開2015-11888(P2015-11888A)
(43)【公開日】2015年1月19日
【審査請求日】2016年3月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】000102212
【氏名又は名称】ウシオ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】百々 征貴
(72)【発明者】
【氏名】岩▲さき▼ 晴彦
【審査官】 丸山 裕樹
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5015357(JP,B1)
【文献】 特開2012−014924(JP,A)
【文献】 特開2011−181252(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21K 9/23 − 9/238
F21S 2/00
F21V 29/00 − 29/83
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED素子を収容し、先端側から基端側に向けて縮径するLEDケースと、
前記LED素子に電源を供給する電源部を収容し、先端部が前記LEDケースの基端部に接続される電源ケースと、
前記LEDケースと前記電源ケースとの間に配置され、前記LEDケース及び前記電源ケースよりも熱伝導率が小さい断熱部とを備え
前記LEDケースは、前記LED素子が搭載されるLED基板部と、前記LED基板部と前記断熱部とを離間させるようにして、前記LED基板部を基端側から支持し、且つ前記断熱部を介在して前記電源ケースを先端側から支持する基板支持部とを備え、
前記基板支持部は、前記LED基板部の厚み方向において前記LED素子と重なることを防止すべく、前記LED基板部の面に沿う方向において前記LED素子と離間するように配置されるLED電球。
【請求項2】
前記LEDケースは、放熱するための複数のフィンを有する筒状部を備え、
前記基板支持部は、前記筒状部から径方向内方に環状に突出し、前記LED基板部の外周部を支持する請求項に記載のLED電球。
【請求項3】
前記電源ケースは、前記電源部を基端側で支持する請求項1又は2に記載のLED電球。
【請求項4】
前記電源ケースの先端部は、前記LEDケースの基端部に挿入される請求項1〜の何れか1項に記載のLED電球。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先端側から基端側に向けて縮径するLEDケースと、LEDケースに接続される電源ケースとを備えるLED電球に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電球として、先端側から基端側に向けて縮径するハロゲン電球が知られている。そして、例えば、省エネルギーや長寿命といった要望に応えるべく、ハロゲン電球の代替手段として、外形を類似させたLED電球が知られている。LED電球は、先端側から基端側に向けて縮径するLEDケースと、先端部がLEDケースの基端部に接続される電源ケースとを備えている(例えば、特許文献1)。
【0003】
ところで、LED素子から発生する熱は、LEDを収容しているLEDケースに伝導され、電源部から発生する熱は、電源部を収容している電源ケースに伝導される。そして、熱は、各ケースから外部(大気)に放出される一方、他方のケースに伝導されることもある。これにより、LED素子や電源部(最近では特に電源部)が破損したり、それらの寿命が低下したりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−190692号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
よって、本発明は、斯かる事情に鑑み、LEDケースと電源ケースとの間で伝熱することを抑制できるLED電球を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るLED電球は、LED素子を収容し、先端側から基端側に向けて縮径するLEDケースと、前記LED素子に電源を供給する電源部を収容し、先端部が前記LEDケースの基端部に接続される電源ケースと、前記LEDケースと前記電源ケースとの間に配置され、前記LEDケース及び前記電源ケースよりも熱伝導率が小さい断熱部とを備える。
【0007】
本発明に係るLED電球によれば、LED素子を収容するLEDケースは、先端側から基端側に向けて縮径し、電源部を収容する電源ケースの先端部は、LEDケースの基端部に接続されている。そして、LEDケース及び電源ケースよりも熱伝導率が小さい断熱部は、LEDケースと電源ケースとの間に配置されている。これにより、LEDケースと電源ケースとの間で伝熱することを抑制できる。
【0008】
また、本発明に係るLED電球においては、前記LEDケースは、前記LED素子が搭載されるLED基板部と、前記LED基板部と前記断熱部とを離間させるようにして、前記LED基板部を基端側から支持し、且つ前記断熱部を介在して前記電源ケースを先端側から支持する基板支持部とを備え、前記基板支持部は、前記LED基板部の厚み方向において前記LED素子と重なることを防止すべく、前記LED基板部の面に沿う方向において前記LED素子と離間するように配置される、という構成でもよい。
【0009】
斯かる構成によれば、基板支持部は、LED素子が搭載されるLED基板部を基端側から支持し、且つ断熱部を介在して電源ケースを先端側から支持している。これにより、LED基板部と断熱部とが離間している。
【0010】
そして、基板支持部は、LED基板部の面に沿う方向においてLED素子と離間するように配置されているため、LED基板部の厚み方向においてLED素子と重なることを防止している。ところで、基板支持部が、LED基板部の厚み方向においてLED素子と重なる構成の場合には、LED素子の熱が、LED基板部を、LED基板部の厚み方向に伝導することで基板支持部に伝導される。
【0011】
それに対して、斯かる構成によれば、LED素子の熱は、LED基板部を、LED基板部の面に沿う方向に伝導することで基板支持部に伝導される。なお、その熱の一部は、断熱部を経由して電源ケースに伝導される。したがって、熱が伝導する経路は、長くなる。よって、LED素子の熱が、基板支持部に伝導されるまでに外部に放出されるため、電源ケースに伝導されることをさらに抑制できる。
【0012】
また、本発明に係るLED電球においては、前記LEDケースは、放熱するための複数のフィンを有する筒状部を備え、前記基板支持部は、前記筒状部から径方向内方に環状に突出し、前記LED基板部の外周部を支持する、という構成でもよい。
【0013】
斯かる構成によれば、基板支持部は、筒状部から径方向内方に環状に突出することにより、LED基板部の外周部を支持している。そして、筒状部が、放熱するための複数のフィンを備えているため、LED素子の熱は、基板支持部に伝導された後、基板支持部に接する筒状部側に多く伝導され、外部に放出される。したがって、LED素子の熱が電源ケースに伝導されることをさらに抑制できる。
【0014】
また、本発明に係るLED電球においては、前記電源ケースは、前記電源部を基端側で支持する、という構成でもよい。
【0015】
斯かる構成によれば、電源部は、電源ケースの基端側で支持されている。そして、LED素子の熱が、まず、電源ケースの先端側に伝導されるため、その熱の多くは、電源部に伝導される迄に、電源ケースから外部に放出される。したがって、LED素子の熱が電源部に伝導されることをさらに抑制できる。
【0016】
また、本発明に係るLED電球においては、前記電源ケースの先端部は、前記LEDケースの基端部に挿入される、という構成でもよい。
【0017】
斯かる構成によれば、電源ケースの先端部が、LEDケースの基端部に挿入されている。これにより、例えば、ハロゲン電球の代替手段として、外形を類似させる際に、電源ケース及びLEDケースの大きさの設計の自由度が大きくなる。
【発明の効果】
【0018】
以上の如く、本発明に係るLED電球によれば、LEDケースと電源ケースとの間で伝熱することを抑制できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るLED電球の全体斜視図を示す。
図2図2は、同実施形態に係るLED電球のカバーが取り外された状態における全体斜視図を示す。
図3図3は、同実施形態に係るLED電球のカバーが取り外された状態における全体平面図を示す。
図4図4は、同実施形態に係るLED電球の全体分解斜視図を示す。
図5図5は、同実施形態に係るLED電球の全体断面図を示す。
図6図6は、同実施形態に係る接続体の全体斜視図を示す。
図7図7は、同実施形態に係るLEDケース本体の全体斜視図を示す。
図8図8は、同実施形態に係るカバーの全体斜視図を示す。
図9図9は、同実施形態に係るLED電球における伝熱を説明する要部断面図を示す。
図10図10は、本発明の他の実施形態に係るLED電球のカバーが取り外された状態における全体斜視図を示す。
図11図11は、同実施形態に係るLED電球のカバーが取り外された状態における全体平面図を示す。
図12図12は、本発明のさらに他の実施形態に係るLED電球の要部断面図を示す。
図13図13は、本発明のさらに他の実施形態に係るLED電球の要部断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係るLED電球における一実施形態について、図1図9を参酌して説明する。
【0021】
図1図5に示すように、本実施形態に係るLED電球1は、発光する複数(本実施形態においては4つ)のLED素子2と、先端側に開口部421を有し、LED素子2を内部に収容するLEDケース4と、開口部421を覆うカバー5とを備えている。LED電球1は、LEDケース4とカバー5とを接続する接続機構3を備えている。
【0022】
LED電球1は、LED素子2に電力を供給する電源部6と、電源部6を収容し、先端部がLEDケース4の基端部に接続される電源ケース7とを備えている。LED電球1は、LEDケース4と電源ケース7との間で伝熱することを抑制すべく、LEDケース4と電源ケース7との間に配置される断熱部8を備えている。LED電球1は、既存の電球(例えば、ハロゲン電球)の代替手段となるべく、既存の電球に類似した外形に形成されている。
【0023】
接続機構3は、図2図6に示すように、LEDケース4とカバー5とを接続する接続体31を備えている。接続機構3は、接続体31とカバー5とを固定するための複数(本実施形態においては3つ)の第1固定部32と、接続体31とLEDケース4とを固定するための複数(本実施形態においては3つ)の第2固定部33とを備えている。なお、本実施形態においては、第1固定部32及び第2固定部33は、雄ネジとしている。
【0024】
接続体31は、弾性を有して形成され且つLEDケース4とカバー5とを接続する複数(本実施形態においては3つ)の弾性部311と、弾性部311の端部同士を連結する接続ベース部312とを備えている。接続体31は、熱伝導率がLEDケース4よりも小さくなるように形成されている。接続体31は、透光性を有して形成されている。本実施形態においては、接続体31は、ポリカーボネートやアクリル樹脂等の透光性樹脂で形成されている。
【0025】
弾性部311は、第1固定部32により、カバー5に接続される第1接続部311aと、第1接続部311aよりも基端側に配置され、第2固定部33により、LEDケース4に接続される第2接続部311bとを備えている。弾性部311は、第1接続部311aと第2接続部311bとを連結する連結部311cを備えている。
【0026】
第1接続部311aは、第1固定部32と螺合する雌ネジを備えている。第1接続部311aは、平板状に形成されている。第1接続部311aは、連結部311cの先端部から径方向の外方に突出するように配置されている。
【0027】
第2接続部311bは、第2固定部33に挿通される孔を備えている。第2接続部311bは、平板状に形成されている。第2接続部311bは、連結部311cの基端部から径方向の内方に突出するように配置されている。
【0028】
連結部311cは、基端側から先端側に向けて延びて、長尺に形成されている。連結部311cは、LEDケース4の内面に沿って配置されている。連結部311cが変形したり、連結部311cと各接続部311a,311bとの連結部分が変形したりすることで、弾性部311は、変形する。
【0029】
接続ベース312は、環状に形成されている。接続ベース部312は、弾性部311の基端部、具体的には、第2接続部311b同士を連結している。接続ベース部312は、LED素子2よりも径方向の外方に配置されている。接続ベース部312は、LED素子2を囲うようにして配置されている。
【0030】
LEDケース4は、図2図5に示すように、LED素子2が搭載されるLED基板部41と、開口部421のある先端側に向けて拡径し、LED基板部41を固定するLEDケース本体42とを備えている。LEDケース4は、筒状のLEDケース本体42で、周壁部を構成し、LED基板部41で、基端側を閉塞して基端面(底面)を構成している。
【0031】
LED基板部41は、先端側の面の中央部にLED素子2を固定している。LED基板部41は、LED素子2よりも外方に、第2固定部33に挿通される孔411を複数(本実施形態においては3つ)備えている。LED基板部41は、外周部に、カバー5と係合する凹状の係合部412を複数(本実施形態においては3つ)備えている。LED基板部41は、中央部に、LED素子2と電源部6とを電気的に接続するリード線(図示していない)が挿通される挿通孔413を備えている。
【0032】
なお、LED素子2とLED基板部41とを合わせて、光源部ともいう。LED基板部41は、熱伝導率が大きくなるように形成されている。本実施形態においては、LED基板部41は、金属(例えば、アルミ)で形成されている。
【0033】
LEDケース本体42は、図2図5及び図7に示すように、先端側に開口部421を有するように筒状に形成される筒状部422と、LED基板部41を支持する基板支持部423とを備えている。LEDケース本体42は、熱伝導率が大きくなるように形成されている。本実施形態においては、LEDケース本体42は、金属(例えば、アルミ)で形成されている。
【0034】
筒状部422は、LED基板部41から伝導された熱を外部に放出すべく、径方向に突出する複数のフィン422aを備えている。筒状部422は、フィン422aが周方向で離間して並列されていることにより、内部と外部とを連通する連通部422bを備えている。筒状部422は、先端側に、第1接続部311aを支持する接続支持部422cを備えている。
【0035】
フィン422aの先端部は、カバー5を支持している。接続支持部422cは、フィン422aの先端部が径方向の内側を凹状にされることにより、形成されている。これにより、フィン422aの先端部の面積が小さくなるため、フィン422aの先端部からカバー5へ伝熱することが抑制できる。接続支持部422cは、第1接続部311aを、基端側から支持していると共に、径方向の外方からも支持している。
【0036】
基板支持部423は、図5に示すように、LED基板部41と断熱部8とを離間させるべく、LED基板部41と断熱部8との間に配置されている。基板支持部423は、LED基板部41を基端側から支持していると共に、断熱部8を介在して電源ケース7を先端側から支持している。基板支持部423は、LED基板部41の面に沿う方向においてLED素子2と離間するように配置されている。
【0037】
具体的には、LED素子2は、LED基板部41の中央部に配置され、基板支持部423は、筒状部422から径方向内方に環状に突出し、LED基板部41の外周部を支持している。基板支持部423は、第2固定部33に挿通される孔423aを複数(本実施形態においては3つ)備えている。
【0038】
これにより、基板支持部423は、LED基板部41の厚み方向においてLED素子2と重なることを防止している。即ち、LED基板部41の基端側の面のうち、LED素子2の裏側に相当する部分は、基板支持部423を配置していないため、基端側に向けて空間になっている。
【0039】
カバー5は、図4図5及び図8に示すように、LEDケース4の開口部421を覆う平板状のカバー部51と、LED素子2の光が入射される光学系52とを備えている。カバー5は、LED基板部41の係合部412と係合する複数(本実施形態においては3つ)の係合部53と、第1固定部32に挿通される複数(本実施形態においては3つ)の孔54とを備えている。カバー5は、透光性を有して形成されている。本実施形態においては、カバー5は、ポリカーボネートやアクリル樹脂等の透光性樹脂で形成されている。
【0040】
光学系52は、カバー部51から基端側に向けて突出している。光学系52は、LED素子2の光軸を長軸とした半楕円状のレンズを並列している。光学系52は、LED素子2の一部を収容するように凹部521を備えている。カバー5の係合部53は、カバー部51から基端側に向けて突出しており、凸状の端部でLED基板部41の係合部412と係合する。これにより、光学系52は、LED素子2に対して位置決めされる。
【0041】
電源部6は、LED素子2に電力を供給するための電源素子(例えば、電解コンデンサ、コイル等)61と、電源素子61が搭載される電源基板部62とを備えている。電源基板部62は、熱伝導率が大きくなるように形成されている。本実施形態においては、電源基板部62は、金属(例えば、アルミ)で形成されている。
【0042】
電源ケース7は、電源部6を内部に収容する電源ケース本体71と、電源部6を支持し、電源ケース本体71の基端部に固定される電源支持体72とを備えている。電源ケース7は、電源支持体72の基端側に固定される口金73を備えている。電源ケース7の先端部は、LEDケース4の基端部、具体的には、LEDケース本体42の筒状部422の基端部に挿入されている。
【0043】
LEDケース4と電源ケース7とが接することを防止すべく、電源ケース7の先端部の端面とLEDケース4との間には、断熱部8が配置されており、電源ケース7の先端部の外周面は、LEDケース4との間に空隙を形成すべく、LEDケース4の基端部の内周面と離間して配置されている。
【0044】
電源ケース7は、電源支持体72により、電源部6を基端側で支持している。電源ケース7の先端部は、電源部6との間に空隙を形成すべく、電源部6の電源基板部62と離間して配置されている。電源ケース7の先端部と電源基板部62の先端部との間における空隙の距離は、LED基板部41の厚みよりも大きい。
【0045】
電源ケース本体71は、筒状に形成されている周壁部711と、周壁部711の先端部に配置され、基板支持部423とにより断熱部8を支持する平板状の断熱支持部712とを備えている。電源ケース本体71は、熱伝導率が大きくなるように形成されている。本実施形態においては、電源ケース本体71は、金属(例えば、アルミ)で形成されている。
【0046】
断熱支持部712は、第2固定部33と螺合する複数(本実施形態においては、3つ)のネジ孔712aと、中央部に、リード線が挿通される挿通孔712bとを備えている。断熱支持部712は、周壁部711の先端部から径方向内方に環状に突出し、断熱部8の外周部を支持している。
【0047】
電源支持体72は、電源部6で発せられて伝導された熱を、外部に放出すると共に、電源ケース本体71に伝導する。電源支持体72は、熱伝導率が大きくなるように形成されている。本実施形態においては、電源支持体72は、金属(例えば、アルミ)で形成されている。
【0048】
断熱部8は、平板状に形成されている。断熱部8は、外周部に、第2固定部33に挿通される孔81を複数(本実施形態においては3つ)備えている。断熱部8は、中央部に、リード線が挿通される挿通孔82を備えている。断熱部8は、LEDケース4及び電源ケース7よりも熱伝導率が小さくなるように、形成されている。本実施形態においては、断熱部8は、ポリカーボネート等の樹脂で形成され、断熱部8の厚みは、0.5mmと設定され、断熱部8の熱伝導率は、0.3W/(m・k)以下と設定されている。
【0049】
以上より、本実施形態に係るLED電球1によれば、LEDケース4がLED素子2を内部に収容し、カバー5がLEDケース4の開口部421を覆っている。そして、LEDケース4とカバー5とが弾性を有する弾性部311で接続されているため、カバー5をLEDケース4に取り付ける際に、弾性部311が必要に応じて変形する。したがって、カバー5やLEDケース4が変形することを防止できる。
【0050】
また、本実施形態に係るLED電球1によれば、基端側から先端側に向けて延びている連結部311cは、第1接続部311aと、第1接続部311aよりも基端側に配置される第2接続部311bとを連結している。そして、第1接続部311aが、カバー5に接続され、第2接続部311bが、LEDケース4に接続されることにより、カバー5がLEDケース4に取り付けられる。
【0051】
また、本実施形態に係るLED電球1によれば、LEDケース4の先端側に設けられる接続支持部422cは、第1接続部311aを支持している。これにより、連結部311cの先端部に連結されている第1接続部311aが安定しているため、第1固定部32により、カバー5を第1接続部311aに接続することが容易にできる。
【0052】
また、本実施形態に係るLED電球1によれば、接続ベース部312は、複数の弾性部311を第2接続部311b同士で連結している。これにより、接続ベース部312が位置決めされると、複数の弾性部311が位置決めされるため、例えば、複数の弾性部311を容易に配置することができる。
【0053】
また、本実施形態に係るLED電球1によれば、環状に形成されている接続ベース部312が、LED素子2よりも外方に配置されている。これにより、LED素子2から発せられた光が接続ベース部312に遮られることを抑制できる。
【0054】
また、本実施形態に係るLED電球1によれば、弾性部311は、透光性を有しているため、LED素子2から発せられた光を透過できる。これにより、LED素子2から発せられた光が弾性部311に遮られることを抑制できる。
【0055】
また、本実施形態に係るLED電球1によれば、LEDケース4とカバー5とは、異なる材料で形成されているため、異なる熱膨張率である。これにより、LED素子2から発せられた熱により、LEDケース4とカバー5との間に熱膨張の差が生じた場合でも、弾性部311が変形することにより、LEDケース4やカバー5が変形することを抑制できる。
【0056】
また、本実施形態に係るLED電球1によれば、LED素子2を収容するLEDケース4は、先端側に向けて拡径し、電源部6を収容する電源ケース7の先端部は、LEDケース4の基端部に接続されている。そして、LEDケース4及び電源ケース7よりも熱伝導率が小さい断熱部8は、LEDケース4と電源ケース7との間に配置されている。これにより、LEDケース4と電源ケース7との間で伝熱することが抑制できる。
【0057】
また、本実施形態に係るLED電球1によれば、基板支持部423は、LED素子2が搭載されるLED基板部41を基端側から支持し、且つ断熱部8を介在して電源ケース7を先端側から支持している。これにより、LED基板部41と断熱部8とが離間している。
【0058】
そして、図9に示すように、基板支持部423は、LED基板部41の面に沿う方向においてLED素子2と離間するように配置されているため、LED基板部41の厚み方向においてLED素子2と重なることを防止している。ところで、基板支持部423が、LED基板部41の厚み方向においてLED素子2と重なる構成の場合には、LED素子2の熱が、LED基板部41を、LED基板部41の厚み方向に伝導することで基板支持部423に伝導される(図9におけるR2矢印の経路)。
【0059】
それに対して、本実施形態に係るLED電球1によれば、LED素子2の熱は、LED基板部41を、LED基板部41の面に沿う方向に伝導することで基板支持部423に伝導され、その熱の一部は、断熱部8を経由して電源ケース7に伝導される(図9におけるR1矢印の経路)。したがって、熱が伝導する経路は、長くなる。よって、LED素子2の熱が、基板支持部423に伝導されるまでに外部に放出されるため、電源ケース7に伝導されることをさらに抑制できる。
【0060】
また、本実施形態に係るLED電球1によれば、基板支持部423は、筒状部422から径方向内方に環状に突出することにより、LED基板部41の外周部を支持している。そして、筒状部422が、放熱するための複数のフィン422aを備えているため、LED素子2の熱は、基板支持部423に伝導された後、基板支持部423に接する筒状部422側に多く伝導され、外部に放出される。したがって、LED素子2の熱が電源ケース7に伝導されることをさらに抑制できる。
【0061】
また、本実施形態に係るLED電球1によれば、電源部6は、電源ケース7の基端側で支持されている。そして、LED素子2の熱が、まず、電源ケース7の先端側に伝導されるため、その熱の多くは、電源部6に伝導される迄に、電源ケース7から外部に放出される。したがって、LED素子2の熱が電源部6に伝導されることをさらに抑制できる。
【0062】
また、本実施形態に係るLED電球1によれば、電源ケース7の先端部が、LEDケース4の基端部に挿入されている。これにより、ハロゲン電球の代替手段として、外形を類似させる際に、電源ケース7及びLEDケース4の大きさの設計の自由度が大きくなる。
【0063】
なお、本発明に係るLED電球は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、本発明に係るLED電球は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0064】
上記実施形態に係るLED電球1においては、接続ベース部312は、環状に形成され、LED素子2よりも外方に配置される、という構成である。しかしながら、本発明に係るLED電球1は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係るLED電球1においては、図10及び図11に示すように、接続ベース部312は、複数のLED素子2間に配置される、という構成でもよい。
【0065】
斯かる構成によれば、接続ベース部312が、複数のLED素子2間に配置されている。これにより、LED素子2から発せられた光が接続ベース部312に遮られることを抑制できる。図10及び図11に係る接続ベース部312は、中央部から放射状に延びる、所謂、スター形状に形成されている。
【0066】
また、上記実施形態に係るLED電球1においては、第2接続部311bは、第2固定部33により、LED基板部41に連結される、という構成である。しかしながら、本発明に係るLED電球1は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係るLED電球1においては、図12に示すように、第2接続部311bは、第2固定部33により、LEDケース本体42に連結される、という構成でもよい。
【0067】
また、上記実施形態に係るLED電球1においては、カバー5は、LEDケース4の開口部421の全部を覆う、という構成である。しかしながら、本発明に係るLED電球1は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係るLED電球1においては、カバー5は、LEDケース4の開口部421の一部を覆う、という構成でもよい。
【0068】
また、上記実施形態に係るLED電球1においては、LED基板部41とLEDケース本体42とは、別部材である、という構成である。しかしながら、本発明に係るLED電球1は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係るLED電球1においては、LED基板部41とLEDケース本体42とは、一つの部材である、という構成でもよい。
【0069】
また、上記実施形態に係るLED電球1においては、連結部311cは、基端側から先端側に向けて、即ち、筒状部422の軸線方向に沿って延びている、という構成である。しかしながら、本発明に係るLED電球1は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係るLED電球1においては、連結部311cは、筒状部422の径方向に沿って延びている、という構成でもよい。斯かる構成においては、第2接続部311bは、LEDケース4の先端部に固定されている。
【0070】
また、上記実施形態に係るLED電球1においては、第1固定部32及び第2固定部33は、雄ネジである、という構成である。しかしながら、本発明に係るLED電球1は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係るLED電球1においては、第1固定部32は、カバー部51から基端側に向けて突出し、第1接続部311aの凹状部と嵌合する、という構成でもよい。要するに、第1固定部32は、第1接続部311aとカバー5とを固定できれば、どのような構成でもよく、第2固定部33は、第2接続部311bとLEDケース4とを固定できれば、どのような構成でもよい。
【0071】
また、上記実施形態に係るLED電球1においては、電源ケース7の先端部の外周面は、LEDケース4の基端部の内周面との間に空隙を形成している、という構成である。しかしながら、本発明に係るLED電球1は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係るLED電球1においては、断熱部8は、電源ケース7の先端部の外周面とLEDケース4の基端部の内周面との間に配置されている、という構成でもよい。
【0072】
また、上記実施形態に係るLED電球1においては、電源ケース7(電源ケース本体71)の外径は、基端側から先端側に向けて一定となるように形成されている、という構成である。しかしながら、本発明に係るLED電球1は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係るLED電球1においては、電源ケース7(電源ケース本体71)の外径は、基端側から先端側に向けて小さくなるように形成されている、という構成でもよい。
【0073】
斯かる構成によれば、電源ケース7の先端部が、LEDケース4の基端部に挿入され易い。しかも、電源ケース7とLEDケース4とが固定された際には、電源ケース7の先端部の外周部と、LEDケース4の基端部の内周部との間の空隙は、先端側に行くほど大きくなる。これにより、LEDケース4が先端側に行くほど高い温度であるため、LEDケース4から電源ケース7に伝熱することが効果的に抑制できる。
【0074】
また、上記実施形態に係るLED電球1においては、LED基板部41の基端側の面のうち、LED素子2の裏側に相当する部分は、基板支持部423を配置していないため、基端側に向けて空間になっている、という構成である。しかしながら、本発明に係るLED電球1は、斯かる構成に限られない。例えば、本発明に係るLED電球1においては、図13に示すように、LED基板部41における基端側の面が中央部で凹状に形成されているため、LED基板部41の基端側の面のうち、LED素子2の裏側に相当する部分は、基端側に向けて空間になっている、という構成でもよい。
【符号の説明】
【0075】
1…LED電球、2…LED素子、3…接続機構、4…LEDケース、5…カバー、6…電源部、7…電源ケース、8…断熱部、31…接続体、32…第1固定部、33…第2固定部、41…LED基板部、42…LEDケース本体、51…カバー部、52…光学系、53…係合部、54…孔、61…電源素子、62…電源基板部、71…電源ケース本体、72…電源支持体、73…口金、81…孔、82…挿通孔、311…弾性部、311a…第1接続部、311b…第2接続部、311c…連結部、312…接続ベース部、411…孔、412…係合部、413…挿通孔、421…開口部、422…筒状部、422a…フィン、422b…連通部、422c…接続支持部、423…基板支持部、423a…孔、521…凹部、711…周壁部、712…断熱支持部、712a…ネジ孔、712b…挿通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13