特許第6183742号(P6183742)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6183742
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】改良体造成方法
(51)【国際特許分類】
   E02D 3/12 20060101AFI20170814BHJP
【FI】
   E02D3/12 102
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-44865(P2013-44865)
(22)【出願日】2013年3月7日
(65)【公開番号】特開2014-173275(P2014-173275A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2016年3月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】594051161
【氏名又は名称】松本 浩子
(73)【特許権者】
【識別番号】502275001
【氏名又は名称】中嶋 志朗
(72)【発明者】
【氏名】松本 浩子
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 志朗
【審査官】 西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−321832(JP,A)
【文献】 特開平08−189027(JP,A)
【文献】 特開2012−122272(JP,A)
【文献】 特開平04−161610(JP,A)
【文献】 特開2004−316397(JP,A)
【文献】 特開平11−124843(JP,A)
【文献】 特開平03−197713(JP,A)
【文献】 特開平03−005518(JP,A)
【文献】 特開平10−237859(JP,A)
【文献】 特開2008−069549(JP,A)
【文献】 特開2007−107366(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0012400(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地中に挿入したロッドの先端部のノズルより硬化剤液を高圧で噴射して、所定壁厚を有する壁状改良体を造成するために、
ロッドの先端部周面に硬化剤液ジェット噴流を高圧で所定の径方向に噴射する噴射ノズルaと噴射ノズルbと噴射ノズルcを相互に所定の上下距離および左右距離を有するように配置し、
かつ噴射ノズルaと噴射ノズルbと噴射ノズルcは、噴射ノズルaから噴射される硬化剤液ジェット噴流aと噴射ノズルbから噴射される硬化剤液ジェット噴流bと噴射ノズルcから噴射される硬化剤液ジェット噴流cが、ロッドから径方向に所定距離離れた位置に設定した地中ターゲット域に相互に所定の間隔距離を有しながら水平配置もしくは斜め配置もしくはV字配置もしくは逆V字配置で到達して通過するようにそれぞれ所定角度で配置されており、
当該ロッドを所定地盤の所定深度に挿入し、噴射ノズルaと噴射ノズルbと噴射ノズルcから硬化剤液を高圧で噴射しながら回転や揺動することなく所定速度で挿入もしくは引上げて、平面視での断面形状が略扇状の壁状改良体を造成することを特徴とする改良体造成方法。
【請求項2】
前記平面視での断面形状が略扇状の壁状改良体を3方向に同時造成することを特徴とする請求項1記載の改良体造成方法。
【請求項3】
前記平面視での断面形状が略扇状の壁状改良体を所定地点の所定深度に所定本数接合造成することで、六角形格子状もしくは平行四辺形格子状もしくは三角形格子状の壁状改良体改良域を形成することを特徴とする請求項1記載の改良体造成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軟弱地盤の安定、地山支保、トンネル支保工、構築物の基礎、構築物の基礎補強、液状化防止、遮水用地中壁、地下水湧水防止などを目的として用いられる地盤改良工法のうち、ノズルから硬化材液を高圧で噴射して改良体を造成する改良体造成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ロッド先端のノズルから硬化材液を高圧で噴射しながらロッドを所定の長さ引き抜いて地盤に改良体を造成する改良体造成工法の従来技術としては、JSG工法やスーパージェット工法などがある。何れの工法も1箇所のノズルから硬化材液を噴射しながらロッドを一定速度で所定回数回転させる工程と、数cmから10cmのステップ幅ロッドを引き上げる工程を繰り返して、所定の長さの円柱状改良体を造成している。また昨今では、ロッドを回転させずに所定角度揺動することで半円状改良体や扇形状改良体を造成する工法も用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−295260号公報
【特許文献2】特開平8−302663号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】総合土木研究所発行「基礎工 2009年5月号」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のような従来技術では、所定深度にロッドを挿入し、ロッド先端に装着されたノズルから硬化材液を噴射しながらロッドを一定速度で所定回数回転もしくは揺動させる回転揺動工程と、数cmから10cmのステップ幅ロッドを引き上げる引上工程を有し、これら二つの工程を改良長の長さ繰り返して行った後、ロッドを地上に引き抜くことで円柱状や所定角度の扇柱状の形状を有する改良体を造成するために用いられ、かつ何れの従来工法も、大口径化を目的としているため、硬化剤液のジェットを遠くへ飛ばすことを第一目的として開発されてきた。一方で、壁状の改良体については、従来工法で造成した場合、10cm未満の壁厚でしか造成できなかったため、土木工事においてその用途も少なく、殆ど利用されていない。
【0006】
しかしもし、ロッドの回転や揺動がなく、ロッドの引上げや挿入だけで壁厚が20cm以上ある壁状改良体が短時間に容易に安価に造成できる工法があれば、昨今の我が国で大きな問題となっている液状化対策等に非常に有効と考えられる六角形(ハニカム)格子状や四角形格子状(平行四辺形含む)や三角形格子状の壁状改良体改良域も自在にかつ安価に形成することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明は、地中に挿入したロッドの先端部のノズルより硬化剤液を高圧で噴射して、所定壁厚を有する壁状改良体を造成するために、ロッドの先端部周面に硬化剤液ジェット噴流を高圧で所定の径方向に噴射する噴射ノズルaと噴射ノズルbと噴射ノズルcを相互に所定の上下距離および左右距離を有するように配置し、かつ噴射ノズルaと噴射ノズルbと噴射ノズルcは、噴射ノズルaから噴射される硬化剤液ジェット噴流aと噴射ノズルbから噴射される硬化剤液ジェット噴流bと噴射ノズルcから噴射される硬化剤液ジェット噴流cが、ロッドから径方向に所定距離離れた位置に設定した地中ターゲット域に相互に所定の間隔距離を有しながら水平配置もしくは斜め配置もしくはV字配置もしくは逆V字配置で到達して通過するようにそれぞれ所定角度で配置されており、当該ロッドを所定地盤の所定深度に挿入し、噴射ノズルaと噴射ノズルbと噴射ノズルcから硬化剤液を高圧で噴射しながら回転や揺動することなく所定速度で挿入もしくは引上げて、平面視での断面形状が略扇状の壁状改良体を造成することを特徴とした。
【0008】
これによれば、ロッドを回転や揺動することなく、ロッドの挿入もしくは引上げを行いながら硬化剤液を高圧で噴射することで、ロッドから所定の径方向に所定の壁厚を有する平面視での断面形状が略扇状の壁状改良体を容易に造成することができると共に造成される壁状改良体の硬化剤液混練度が一定し硬化時強度が均質に出来る上、壁状改良体の側面部及び上部及び下部の造成面が整って形状が安定する。
【0009】
さらに本発明は、平面視での断面形状が略扇状の壁状改良体を3方向に同時造成することを特徴とした。
【0010】
これによれば、平面視での断面形状が略扇状の壁状改良体を3方向に容易に同時造成することができる。
【0011】
また、本発明は、平面視での断面形状が略扇状の壁状改良体を所定地点の所定深度に所定本数接合造成することで、六角形格子状もしくは平行四辺形格子状もしくは三角形格子状の壁状改良体改良域を形成することを特徴とした。
【0012】
これによれば、液状化対策等に非常に有効と考えられる六角形(ハニカム)格子状や平行四辺形格子状や三角形格子状の所定壁厚を有する壁状改良体改良域が短時間にかつ安価に形成することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明を用いると、例えばロッドから径方向に2m離れた地点や、2.5m離れた地点など所定距離離れた地中ターゲット域における壁状改良体の壁厚が20cmや30cmや40cmや50cmといった所定壁厚で確実かつ容易に造成できる。
【0014】
さらに本発明によると、同様の壁状改良体同士を隣接接続配置することで、60cmはもとより1mを超す壁厚の壁状改良体も容易に形成できるので、止水壁や支持壁に適用することもできる。
【0015】
また本発明は、硬化剤液ジェット噴流の噴射圧力(現行では概ね20MPから60MPを想定)により数値は変化するが、ロッドから径方向に所定距離離れた地中ターゲット域までの距離を0.5mから5m程度の範囲内において自在に設定でき、かつ地中ターゲット域における硬化剤液ジェット噴流の間隔距離と硬化剤液ジェット噴流の数を自在に設定できるので、用途に適した大きさを有する壁状改良体を容易に形成することができる。
【0016】
さらに本発明によって造成される壁状改良体や、六角形(ハニカム)格子状や平行四辺形格子状や三角形格子状の壁状改良体改良域は、大きさや配置だけでなく、壁厚や配置間隔を自在に設定することができる上、ロッドに配置する所定距離照準複合ノズルを構成するノズルの個数や口径やその配置の設定も自在に設定することができる。本発明は止水目的や液状化対策や仮設土留壁などの地盤改良で広い用途に対応できるだけでなく環境への負荷も軽減しながら材料の減少や施工コスト低減や工期短縮という効果が期待できるだけでなく、他形状の平板改良体や扇状改良体等と組み合わせることで、より複雑な構造を持つ改良域の形成に活用でき、今後これまでにない用途への活用の可能性も有している。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例で、所定距離照準複合ノズルを1箇所に設置したロッドの正面図である。
図2】本発明の実施例で、施工マシンでロッドを対象地盤の所定深度に挿入した状態の正面図である。
図3】本発明の実施例で、所定距離照準複合ノズルから硬化剤液ジェット噴流を噴射した状態を示す側面図である。
図4】本発明の実施例で、所定距離照準複合ノズルから硬化剤液ジェット噴流を噴射した状態を示す斜視図である。
図5】本発明の実施例で、造成される壁状改良体を示す図である。
図6】本発明の実施例で、所定距離照準複合ノズルを3箇所に設置したロッドの断面図である。
図7】本発明の実施例で、本発明の実施例で、造成される壁状改良体を示す図である。
図8】本発明の実施例で、本発明の実施例で、造成される壁状改良域を示す図である。
図9】本発明の実施例で、本発明の実施例で、造成される壁状改良域を示す図である。
図10】本発明の実施例で、本発明の実施例で、造成される壁状改良域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に用いるロッド1は、先端の側面に3個以上の噴射ノズル2からなる所定距離照準複合ノズル3を有している。噴射ノズル2を1個構成するノズル数は1個でも口径の小さいもの複数個でもよい。また所定距離照準複合ノズル3を構成する噴射ノズル2の相互配置は、V字状配置や斜め配置や水平配置ランダム配置いずれでもよいが、所定距離照準複合ノズル3より噴射される複数の硬化剤液ジェット噴流4は、ロッド1から径方向に所定距離(例えばロッドから径方向に2m)離れた地中ターゲット域5を、それぞれが隣り合う硬化剤液のジェット噴流4と略等間隔距離(例えば凡そ15cm)で地盤を通過するように、各噴射ノズル2が配置位置と方向と角度とノズル径を調整して配置されている。ロッド1の先端に方向の異なる所定距離照準複合ノズル3を複数配置して、同時に壁状改良体31を複数造成することも可能である。
【0019】
またロッド1の断面形状は円形または四角形または六角形等いずれでもよく、内部に硬化材液、圧縮空気、水の通路をそれぞれ必要数有しており、二重管または三重管または四重管または多孔管いずれの構造でもよい。また内部にはその他に排泥用通路や通信用通路を適宜設けることもある。ロッド1の表面には、方向確認管理用の垂直目印や、挿入または引上げ距離管理用として水平目印を凹部形成による線状や点状、塗料やシールによる線状や点状で記すこともある。所定距離照準複合ノズル3を1箇所有するロッド1の例を図1に示す。図1のロッド1は一辺が14cmの四角形で、先端部に噴射ノズル2a、噴射ノズル2b、噴射ノズル2cを有しており、それぞれのノズル口径は同一で内径4mmを有し、ここで噴射ノズル2aと噴射ノズル2bは上下位置で10cm、左右位置で5cm、斜め位置で11.2cm離れて配置され、噴射ノズル2bと噴射ノズル2cも上下位置で10cm、左右位置で5cm、斜め位置で11.8cm離れて配置されている。また、噴射ノズル2a、噴射ノズル2b、噴射ノズル2cの噴射方向は、噴射ノズル2aが径方向に向かって時計回りと逆に(左に)2.86°かつ下方向に2.86°、噴射ノズル2bが径方向に向かって真っ直ぐに、噴射ノズル2cが径方向に向かって時計回りに(右に)2.86°かつ上方向に2.86°調整されている。これにより所定距離照準複合ノズル3の照準距離を2.0mとしている。ここでは噴射ノズル2a、噴射ノズル2b、噴射ノズル2cの3個の噴射ノズルにより所定距離照準複合ノズル3を構成したが、4個以上の噴射ノズル2で構成してもよく、またそれぞれの噴射ノズル2の口径は同一でもよいし、個別に異なっていてもよい。
【0020】
本発明に用いる施工マシン11は、ロッド1の所定位置を把持して、所定挿入速度および所定引上げ速度でロッド1を所定速度で所定距離挿入または引上げる挿入引上げ手段と、ロッド1の方向を変更できる回転手段とを有しており、これら手段をリアルタイムで管理し、プログラムに沿って実行できる管理装置を接続してもよい。施工マシン11で図1のロッド1を対象地盤21の所定深度に挿入した状態の例を図2に示す。尚、ロッド1の地上側最上部にはスイベルが接続され、地上のプラントから硬化材液、圧縮空気、水などが専用のホースを介してスイベルからロッド1の内部へと送られている。
【0021】
図1のロッド1を用いて所定距離照準複合ノズル3から硬化剤液ジェット噴流4aと硬化剤液ジェット噴流4bと硬化剤液ジェット噴流4cを噴射している状態の側面図を図3に、同様の斜視図を図4に示す。この時、硬化剤液ジェット噴流4aと硬化剤液ジェット噴流4bと硬化剤液ジェット噴流4cはロッドから径方向に2.0m離れた地中ターゲット域5において3本の硬化剤液ジェットが水平に並び、かつ隣り合う硬化剤液ジェット噴流と15cmの間隔で地中を通過している。ここでは硬化剤液の噴射圧力を40Mpとした場合の数値としているが、硬化剤液の噴射圧力は任意に設定可能で、通常20Mpから60Mp程度を用いる。また図3では所定距離照準複合ノズル3の照準距離を2.0m、隣り合う硬化剤液ジェット噴流の間隔を15cmとしたが、これらの数値も任意に設定可能で、通常は所定距離照準複合ノズル3の照準距離は1.0m〜4.5m、隣り合う硬化剤液ジェット噴流の間隔は8cm〜25cm程度を用いる。また、本実施例では硬化剤液ジェット噴流4aと硬化剤液ジェット噴流4bと硬化剤液ジェット噴流4cが地中ターゲット域5において相互隣接する硬化剤液ジェット噴流と等間隔の水平に位置しているが、所定角度の斜め配置やV字型配置や逆V字型配置で設定してもよい。
【0022】
図5図1および図3および図4のロッド1を地中の所定深度まで所定速度(例えば秒速5cm)で引上げながら所定距離照準複合ノズル3から硬化剤液ジェット噴流4を噴射し、所定長の壁状改良体31を造成した例を示す。図5の壁状改良体31は、ロッドから径方向に2.0mの地点において壁幅が45cm程度となり、ロッドから径方向2.0mまでは全域改良されており、ロッドから径方向2.0m以遠では一部未改良域を有し、ロッド1周辺での壁幅はおおよそ20cmである。また所定距離での壁幅は、ジェット噴流の本数×ジェット分量の所定距離での間隔+ジェット噴流個々の所定距離での噴流幅×1/2の式でおおよそ算出でき、所定距離での必要な壁幅に応じて、硬化剤液の噴射圧力や使用するノズル径やジェット噴流の本数などを決めることもできる。ここでは、ロッド1を引上げながら壁状改良体31を造成した例を示したが、ロッド1を挿入しながら壁状改良体31を造成してもよい。尚、ロッド1周辺での壁厚がロッド径(14cm)より大きくなるのは、ロッド1の挿入や引上げに際し、ロッド1と周辺地盤の間に間隙が生じ、そこに硬化剤液や排泥が入り込んで固化されるためである。
【0023】
図6に、所定距離照準複合ノズル3を3箇所有するロッド1を示す。各々の所定距離照準複合ノズル3A、所定距離照準複合ノズル3B、所定距離照準複合ノズル3Cはそれぞれが、図1と同様に噴射ノズル2a、噴射ノズル2b、噴射ノズル2cから構成されており、広角120°配置でかつロッド1の異なる高さにある。ここで異なる高さに配置したのは噴射ノズル2各々の背後水平距離(ノズル噴出前の硬化剤液助走距離)を十分にとるためである。尚、図6ではロッド1の内部構造の図示は省略し、噴射ノズル2a〜噴射ノズル2cと所定距離照準複合ノズル3A〜所定距離照準複合ノズル3Cと中心点のみを示している。
【0024】
図7に、図6のロッド1を用いて所定長の壁状改良体31を造成した例を示す。所定距離照準複合ノズル3A、所定距離照準複合ノズル3B、所定距離照準複合ノズル3Cによりそれぞれ造成された壁状改良体31はロッドから径方向に2.0mの地中ターゲット域5において壁幅が45cm程度となり、ロッド1から径方向2.0mまでは全域改良されており、ロッド1から径方向2.0m以遠では一部未改良域を有する。
【0025】
図8図7と同様の壁状改良体31をロッド1の挿入地点を平面で一辺3.46mの三角形配置にとって3本接合させて造成した場合を示した。壁状改良体31は3方向に壁を同時造成して形成されているため、壁状改良体31を所定間隔で3本接合造成すると六角形(ハニカム)格子状改良域41が容易に造成できる。
【0026】
また、図8の六角形(ハニカム)格子状改良域41の内部に図7と同様の壁状改良体31を1本所定方向で造成した例を図9に示した。このように平行四辺形格子状改良域42を容易に造成することができる。
【0027】
図9のように、壁状改良体31の最薄部の壁厚部分(本例では概ね20cm)の箇所に、別の壁状改良体31の最厚部分(本例では概ね45cm)もしくは最厚部分近辺を連結させる配置をとることで、形成される平行四辺形格子状改良域42の強度を向上させることができる。
【0028】
さらに図10では、図9の平行四辺形格子状改良域42に、図7と同様の壁状改良体31を1本所定方向でさらにもう1本造成して、三角形格子状改良域43を造成した例を示した。本実施例では3方向に壁を同時造成する壁状改良体31の地中ターゲット域5をロッドから径方向2.0m、壁厚を最薄部で概ね20cm、最厚部で概ね45cmと設定したが、同時造成する方向数(壁の枚数)や地中ターゲット域5のロッドからの距離や壁厚の設定は目的や現場条件に応じて設定は自在である。
【0029】
また、図10では図9とロッド1挿入位置が同一箇所で壁状改良体31を造成しているが、ロッド1挿入地点の硬化もしくは崩壊が危惧される場合や短時間で効率よく三角形格子状改良域43を造成したい場合の方法として、図9の壁状改良体31についてはロッド1を挿入しながら造成し、造成最下部より引き続いて図10の壁状改良体31はロッド1を引上げながら造成してもよい。
【0030】
本発明の実施例においては、硬化剤液を噴射する場合について説明したが、土壌改良剤や骨材や特殊繊維を混入した硬化剤液や、アスファルト液であってもよい。
【0031】
また、地盤に対してロッドを所望する方向に挿入することにより、垂直方向の他、水平方向あるいは斜め方向などの任意の方向に格子状改良域を形成してもよい。
【0032】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、地中での改良体造成方法と改良体造成装置に関連する産業で利用される。
【符号の説明】
【0034】
1…ロッド、2…噴射ノズル、3…所定距離照準複合ノズル、4…硬化剤液ジェット噴流、5…地中ターゲット域、11…施工マシン、21…対象地盤、31…壁状改良体、41…六角形(ハニカム)格子状改良域、42…平行四辺形格子状改良域、43…三角形格子状改良域













図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10