特許第6183796号(P6183796)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6183796
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】液剤容器用キャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/42 20060101AFI20170814BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   B65D47/42
   B65D83/00 J
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-42588(P2013-42588)
(22)【出願日】2013年3月5日
(65)【公開番号】特開2014-169114(P2014-169114A)
(43)【公開日】2014年9月18日
【審査請求日】2015年12月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】特許業務法人翔和国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100101292
【弁理士】
【氏名又は名称】松嶋 善之
(74)【代理人】
【識別番号】100112818
【弁理士】
【氏名又は名称】岩本 昭久
(72)【発明者】
【氏名】吉井 圭二
(72)【発明者】
【氏名】千葉 昇
【審査官】 二ッ谷 裕子
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3005192(JP,U)
【文献】 特開2009−262946(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0251537(US,A1)
【文献】 特表2005−523205(JP,A)
【文献】 特開2004−075165(JP,A)
【文献】 実開昭55−049721(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/42
B65D 83/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部に塗布する液剤を収容する容器に取り付ける液剤容器用キャップであって、
基台部と先端部を有し、該先端部には、液剤吐出孔が設けられており、
前記液剤吐出孔を中心にして放射状に3以上の凸状部が設けられており、
前記凸状部は、前記先端部の液剤吐出孔側から立ち上がる一端部及び該一端部よりキャップ径方向外側から立ち上がる他端部を有しており、
前記凸状部の最上端は、前記液剤吐出孔より上方に位置し、該凸状部は、キャップの周方向に間隔を開けて形成され、該凸状部同士の間隙が、前記液剤吐出孔から吐出した液剤がキャップ径方向の外側に向かって流出する液剤の流路となっており、
前記先端部は、円錐台部を有し、該円錐台部の上面部に、前記液剤吐出孔が設けられた天面部を有しており、該天面部は、曲面となっている液剤容器用キャップ。
【請求項2】
前記凸状部が、板状リブである請求項1に記載の液剤容器用キャップ。
【請求項3】
前記凸状部が、キャップの周方向に等間隔で設けられている請求項1又は2に記載の液剤容器用キャップ。
【請求項4】
前記凸状部が、前記天面部の外縁からキャップの径方向外側に向けて設けられている請求項1〜3の何れか1項に記載の液剤容器用キャップ。
【請求項5】
前記凸状部の最上端の高さが全て同じである請求項1〜4の何れか1項に記載の液剤容器用キャップ。
【請求項6】
前記凸状部の前記一端部から最上端までの部分が曲面形状である請求項1〜5の何れか1項に記載の液剤容器用キャップ。
【請求項7】
請求項1〜6の何れか1項に記載の液剤容器用キャップが、頭部に塗布する液剤が収容された容器に取り付けられている液剤入り容器。
【請求項8】
下記の工程を含む請求項7に記載の液剤入り容器の使用方法。
液剤入り容器を把持し、前記先端部の前記天面部に設けられた前記液剤吐出孔を中心にして放射状に設けられた、3以上の前記凸状部の最上端を頭部に接触させる工程。
液剤入り容器の胴部を押圧し、前記液剤吐出孔より液剤を頭部に向かって吐出させ、前記凸状部同士の間隙を液剤の流路として、前記液剤吐出孔から吐出した液剤をキャップ径方向の外側に向かって流出させる工程。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭部に塗布する液剤を収容する容器に取り付ける液剤容器用キャップに関する。
【背景技術】
【0002】
頭部に塗布する液剤として、シャンプー、トリートメント等があるが、特に頭皮の毛穴に詰まった油を洗い流すシャンプーの場合には、なるべく頭髪に付着することなく頭皮に直接塗布することが望ましい。しかし、液剤吐出孔を先端に有するノズルを備えたシャンプー容器は、ノズルを頭皮に直接接触させると、液剤吐出孔が頭皮で塞がれてしまうため、ノズルを頭皮から離す必要があり、液剤が頭皮に届きにくかった。そこで、ノズル先端を頭皮に直接接触させても液剤を頭部に向かって吐出できるキャップが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1のキャップは、キャップ天面部に立設された柱状体先端から液剤が吐出するものであり、長い柱状体を頭皮に接触することで、短い柱状体の先端が頭皮で塞がれることなく、液剤が頭部に吐出・塗布することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−313241号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のキャップにおける、頭皮に直接接触している長い柱状体の先端は頭皮で塞がれてしまうため、そこからは液剤を頭皮に塗布することができなかった。また柱状体では、一定範囲の頭髪を掻き分けたり、頭髪を頭皮に押し付けにくく、頭皮を露出させにくい為、短い柱状体先端から吐出された液剤の頭皮への直接塗布が困難であった。また、特許文献1のキャップは、頭皮上の、液剤の広がる方向を制御し、液剤の広がりを使用感として実感するといった新しい課題を解決するものではない。
【0005】
本発明の課題は、前述した従来技術が有する解決課題を解決し、さらに頭皮上の、液剤の広がる方向を制御し、液剤の広がりを使用感として実感するといった新しい課題を解決し得る液剤容器用キャップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、頭部に塗布する液剤を収容する容器に取り付ける液剤容器用キャップであって、基台部と先端部を有し、該先端部には、液剤吐出孔が設けられており、前記液剤吐出孔を中心にして放射状に3以上の凸状部が設けられており、前記凸状部は、前記先端部の液剤吐出孔側から立ち上がる一端部及び該一端部よりキャップ径方向外側から立ち上がる他端部を有しており、前記凸状部の最上端は、前記液剤吐出孔より上方に位置し、該凸状部は、キャップの周方向に間隔を開けて形成され、該凸状部同士の間隙が、前記液剤吐出孔から吐出した液剤がキャップ径方向の外側に向かって流出する液剤の流路となる、液剤容器用キャップを提供するものである。
【0007】
また、本発明は、前記の液剤容器用キャップが、頭部に塗布する液剤が収容された容器に取り付けられている液剤入り容器を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の液剤容器用キャップ及び液剤入り容器によれば、キャップの先端部を頭部に安定性良く接触させて、頭皮に直接液剤を塗布することができるとともに、塗布した液剤が広がる方向を制御でき、液剤の広がりを使用感として実感させ易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1(a)〜図1(c)は、本発明の液剤容器用キャップの一実施形態を示す図であり、図1(a)は、正面図、図1(b)は、斜視図、図1(c)は、平面図である。
図2図1に示す液剤容器用キャップを容器に取り付けてなる本発明の液剤入り容器の一実施形態を示す斜視図である。
図3図3(a)〜図3(c)は、図1に示す液剤容器用キャップの断面図であり、図3(a)は、倒立状態とした同キャップを介して頭皮に液剤を塗布する様子を示す縦断面図、図3(b)は、同キャップの液剤吐出孔を閉鎖した状態を示す縦断面図、図3(c)は、図3(a)のIIIーIII線断面図である。
図4図4(a)〜図4(c)は、本発明の他の実施形態である液剤容器用キャップを示す図であり、図1(a)〜図1(c)に相当する図である。
図5図5(a)〜図5(c)は、本発明の更に他の実施形態である液剤容器用キャップを示す図であり、図1(a)〜図1(c)に相当する図である。
図6図6(a)〜図6(c)は、本発明の更に他の実施形態である液剤容器用キャップを示す図であり、図1(a)〜図1(c)に相当する図である。
図7図7は、本発明の更に他の実施形態である液剤容器用キャップの模式平面図である。
図8図8は、本発明の更に他の実施形態である液剤容器用キャップの模式平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明をその好ましい実施形態に基づいて説明する。
第1実施形態の液剤容器用キャップ1(以下、単にキャップ1ともいう)は、頭部に塗布する液剤を収容する容器に取り付ける液剤容器用キャップである。キャップ1は、例えば、図2に示すような容器に取り付けられ、内部に収容された液剤(図示略)を頭部6に塗布するために用いられる。図2に示す容器9は、片手で把持し易い形状及び大きさに形成されており、片手に把持して、液剤の頭部6への塗布作業を行うことができる。また、図2に示す容器9は、胴部91と、底部92と、肩部93と、上端に開口部を有する口首部94とを有する合成樹脂製の容器である。
【0011】
本実施形態のキャップ1は、図1に示すように、基台部2と先端部3を有し、先端部3には、液剤吐出孔31が設けられている。また、キャップ1には、液剤吐出孔31を中心にして放射状に3以上の板状リブ4(凸状部)が設けられている。板状リブ4は、それぞれ、先端部3の液剤吐出孔31側から立ち上がる一端部41及び該一端部41よりキャップ径方向外側から立ち上がる他端部42を有している。また、板状リブ4の最上端43は、液剤吐出孔31より上方に位置する。また、板状リブ4は、キャップの周方向Aに間隔を開けて形成され、該板状リブ4同士の間隙46が、前記液剤吐出孔31から吐出した液剤がキャップ径方向の外側に向かって流出する液剤の流路となる。
【0012】
なお、本願明細書で「上方」、「上側」とは、容器9を正立した状態を示す図2において、上の方向(底部92に対して、キャップ1がある方向)を意味する。
【0013】
本実施形態のキャップ1は、外形が円柱状の基台部2と、その上側に位置する先端部3とが一体となって形成されている。先端部3は、外形が円錐台状の円錐台部35と、円錐台部35の上面部に、中心に液剤吐出孔31が設けられている天面部34とを有する。
天面部34の下側に円錐台部35を設けることにより、容器の使用後も、液剤が天面部34上や板状リブ4間の空隙に滞留することなく、円錐台部35の斜面に沿って液剤が流れ落ちるため、衛生的である。
【0014】
また、本実施形態においては、図1(c)に示すように、平面視して円形状の天面部34から、板状リブ4が間隔をあけて複数個、液剤吐出孔31を中心にしてキャップ径方向外側に向けて放射状に設けられている。
板状リブ4は、それぞれ、天面部34の液剤吐出孔31側から立ち上がる一端部41及びキャップ径方向における該一端部41より外側から立ち上がる他端部42を有している。また、板状リブ4は、それぞれ、キャップ1の平面視において、キャップの径方向に延びている。
【0015】
液剤を天面部34に貯める量を多くする観点からは、板状リブ4(凸状部)は、天面部34の外縁32からキャップの径方向外側に向けて設けられていることが好ましい。しかし、図1(c)に示すように、天面部34における、液剤吐出孔31の外周部33(液剤吐出孔31の縁から天面部34の外縁32間)からキャップの径方向外側に向けて設けられていても良い。板状リブ4の一端部41の立ち上がり位置は、液剤の粘度や液剤の吐出量によって適宜決めることができる。
また、天面部34の直径は、液剤の粘度や液剤の吐出量によって適宜決めることができるが、本実施形態では、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上であり、また、好ましくは15mm以下、より好ましくは10mm以下である。
【0016】
ここで天面部34の外縁32とは、天面部34が平面の場合には、天面部34と円錐台部35の境界の稜線部分を指し、天面部34が曲面の場合には、天面部34と円錐台部35の境界の曲率半径が変化する部分を指す。なお、天面部34が曲面の場合には、前記直径は平面視直径を指す。
【0017】
また、板状リブ4の一端部41の立ち上がり位置は、基台部2の直径が28mmの場合には、液剤吐出孔31の縁から0mm以上10mm以下が好ましく、2mm以上4mm以下がより好ましい。
【0018】
板状リブ4(凸状部)は、頭部6へ安定良く接触させる観点、及び液剤を頭皮61に液剤が行き渡っている感じを得ながら、頭皮61の所定領域に行き渡らせることができる観点から3個以上が必要である。また、液剤を頭皮61に拡散させやすく、キャップ天面部に汚れ(液剤と皮脂汚れの混合物等)が溜まらないようにする観点から8個以下が好ましい。本実施形態では、板状リブ4は6個である。板状リブ4(凸状部)の数は、好ましくは3個以上であり、より好ましくは5個以上であり、また、好ましくは8個以下である。図4図6は、板状リブ4の数が、順に3、4及び8個の場合の例である。
【0019】
本実施形態のキャップ1を用いて、頭部6に塗布する液剤を塗布する方法には、例えば、液剤剤入りの容器9を手で把持し、その容器9に取り付けたキャップ1の前記板状リブ4(凸状部)の最上端43を、図3(a)に示すように、頭部6に接触させて、押し付け、その状態で容器9の胴部91を手で加圧する等の操作を行い、液剤(図示せず)を頭部6に向かって吐出させる。
【0020】
本実施形態のキャップ1によれば、板状リブ4(凸状部)が、キャップの周方向Aに間隔を開けて3以上形成されているため、頭部6に先端部3を安定性良く接触させることがでる。また、板状リブ4(凸状部)の最上端43が液剤吐出孔31より上方に位置している為、頭皮61によって液剤吐出孔31が塞がれることもない。更に板状リブ4(凸状部)により、一定範囲の頭髪を掻き分けたり、頭髪を頭皮61に押し付けることにより、頭皮61を露出させやすくすることができる。従って、頭皮61に液剤を直接効率よく塗布することができる。
しかも、液剤吐出孔31から吐出された液剤7は、図3(c)に示すように、板状リブ4同士の間隙46を液剤7の流路としてキャップ径方向の外側に向かって流出する。このように、板状リブ4によって、塗布した液剤7が広がる方向を制御して、液剤7を頭皮61上に効率よく広げることができるため、キャップ1や容器の使用者に、液剤の広がりを使用感として実感させ易くなる。
本実施形態のキャップ1のように、凸状部が板状リブ4であることは、液剤の拡がる方向を制御し易いので好ましい。また、キャップ1の成形もしやすい。
【0021】
また、板状リブ4同士の間隔は、液剤を頭皮61に液剤が行き渡っている感じを得ながら、頭皮61の所定領域に万遍なく行き渡らせることができる観点から、等間隔であることが望ましい。
また、頭部6にキャップ1を安定良く接触できる観点から、板状リブ4の最上端43の高さは全て同じであることが望ましい。
【0022】
本実施形態では、天面部34から板状リブ4の最上端43まで高さt〔図3(b)参照〕は3mmである。前記高さtは、好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上であり、また、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下である。
液剤粘度が20〜1000mPa・S(30℃)程度のシャンプー剤等の液剤の場合には、液剤が頭皮61に届きやすく、液剤流路への流れをスムースにする観点から、天面部34から板状リブ4の最上端43までの高さt〔図3(b)参照〕は2〜5mmが好ましい。
上記の液剤粘度は、BM型粘度計(ローターNo.2、回転数60rpm、回転時間60秒)による計測値である。
【0023】
また、図3(b)に示すように、液剤吐出孔31の外周部33からの板状リブ4の一端側の立ち上がり部分44(後述)は曲面形状であることが、頭部に対して、優しく接触できると共に、天面部34に液剤を滞留させにくくすることができる観点で好ましい。前記立ち上がり部分44は、天面部34から立ち上がる板状リブ4(凸状部)の一端部41から板状リブ4の最上端43までの部分である。なお、板状リブ4(凸状部)は、上縁部と、先端部3と結合した下縁部と、上縁部と下縁部との間に位置する互いに略平行な2側面を有するが、前記立ち上がり部分44は、断面視方向(図3(b)参照)から見た上縁部の形状が曲面形状であれば良い。
板状リブ4の最上端43の曲面形状の曲率半径Rは、頭部に対して、優しく接触できることから1.5mm以上が好ましい。曲率半径の好ましい範囲の最大値は、キャップの直径によるが、φ30mmのキャップの場合にはR5mmである。本実施形態ではキャップ直径φ28mmに対して、曲率半径はR2.6mmである。
【0024】
また、液剤吐出孔31の位置は、液剤を周囲に満遍なく行き渡らせる観点から天面部34の中央であることが好ましい。
【0025】
本発明における「頭部に塗布する液剤」としては、例えば、シャンプー、トリートメント、リンス、トニック、整髪用ジェル、染毛剤等が挙げられる。本発明の液剤入り容器は、本発明の液剤容器用キャップを、頭部に塗布する液剤が収容された任意の構成の液剤容器に取り付けてなる。
【0026】
本発明は、上記の実施形態に制限されず、種々の変形が可能である。
例えば、上述した実施形態のキャップ1は、図3に示すように、液剤吐出孔31にキャップの内側から栓部材53を挿脱して、該液剤吐出孔31を開閉する吐出孔の開閉機構を備えていたが、本発明の液剤容器用キャップや液剤入り容器は、キャップの外側から栓部材を挿脱して液剤吐出孔を開閉する吐出孔の開閉機構を備えていても良く、また、液剤吐出孔にキャップの内側又は外側から栓部材を押し当てて該液剤吐出孔を閉鎖するものであっても良い。更に、本発明の液剤容器用キャップや液剤入り容器は、液剤吐出孔自体を開閉する吐出孔の開閉機構を有しないものであっても良く、凸状部を含むキャップの上端部を覆うカバーキャップ等を有するものであっても良い。
【0027】
また、図3に示すキャップ1は、前述した栓部材53を備えた接続部材5によって容器9の口首部94に取り付けられているが、本発明の液剤容器用キャップや液剤入り容器は、キャップの基台部等を、そのような接続部材を介さずに直接容器に固定するものであっても良い。なお、図3に示す接続部材5は、容器9の口首部94に螺合されて固定される固定部51と、キャップ1の基台部2の内周面に螺合する接続筒部52と、支持部54によって支持された栓部材53を有し、キャップ1を周方向に回動させることで、液剤吐出孔31を開閉させることができる。
【0028】
また、液剤吐出孔31は、図7に例示するような形態で形成されていても良く、液剤の粘度等の物性によって、孔位置、数、開口径を適宜決めることができる。例えば図7の4つの液剤吐出孔の代わりに、2つの液剤吐出孔を横並びに配置しても良い。
また、凸状部として、板状リブ以外に楕円柱状リブ、角状リブ等のリブ形状のほか、平面視して扇形の凸状部4A(図8参照)等の各種形状の凸状部を用いることができる。なお、図8の場合、凸状部4A同士の間隙46によって形成される液剤流路は溝状となる。
【0029】
また、本発明における容器は、図2に示すような、自立可能なボトル状の容器に限られず、他の任意の形状の容器であっても良い。また、液剤容器用キャップやそれを取り付ける容器は、それぞれ、ポリオレフィン樹脂等の合成樹脂製であることが好ましいが、それぞれ、他の材質からなるものであっても良い。また、容器は、容器の胴部等を手で加圧する以外の方法によって、内部の液剤を吐出させ得るものであっても良い。
【0030】
また、円錐台部35の斜面は側面視して必ずしも直線である必要はなく、上に凸状または下に凸状の曲線であってもよい。
【0031】
また、先端部3は必ずしも天面部34と円錐台部35を必要とせず、先端部3全体が半球状(ドーム状)であっても良い。かかる場合には、液剤吐出孔31は先端部3の頂点に設けた方が好ましい。
【0032】
本発明は、上述した実施形態に関し、更に以下の液剤容器用キャップ等を開示する。
<1>
頭部に塗布する液剤を収容する容器に取り付ける液剤容器用キャップであって、
基台部と先端部を有し、該先端部には、液剤吐出孔が設けられており、
前記液剤吐出孔を中心にして放射状に3以上の凸状部が設けられており、
前記凸状部は、前記先端部の液剤吐出孔側から立ち上がる一端部及び該一端部よりキャップ径方向外側から立ち上がる他端部を有しており、
前記凸状部の最上端は、前記液剤吐出孔より上方に位置し、該凸状部は、キャップの周方向に間隔を開けて形成され、該凸状部同士の間隙が、前記液剤吐出孔から吐出した液剤がキャップ径方向の外側に向かって流出する液剤の流路となる、液剤容器用キャップ。
<2>
前記凸状部が、板状リブである<1>に記載の液剤容器用キャップ。
<3>
前記凸状部が、キャップの周方向に等間隔で設けられている<1>又は<2>に記載の液剤容器用キャップ。
<4>
前記先端部は、円錐台部を有し、該円錐台部の上面部に、前記液剤吐出孔が設けられた天面部を有している<1>〜<3>の何れか1に記載の液剤容器用キャップ。
<5>
前記凸状部が、前記天面部の外縁からキャップの径方向外側に向けて設けられている<4>に記載の液剤容器用キャップ。
<6>
前記凸状部の最上端の高さが全て同じである<1>〜<5>の何れか1に記載の液剤容器用キャップ。
<7>
前記凸状部の前記一端部から最上端までの部分が曲面形状である<1>〜<6>の何れか1に記載の液剤容器用キャップ。
<8>
前記凸状部が、楕円柱状リブまたは角状リブである<1>に記載の液剤容器用キャップ。
<9>
前記凸状部が、平面視して扇形であり、凸状部同士の間隙によって形成される液剤の流路が溝状である<1>に記載の液剤容器用キャップ。
<10>
前記先端部が半球状である<1>に記載の液剤容器用キャップ。
<11>
<1>〜<10>の何れか1に記載の液剤容器用キャップが、頭部に塗布する液剤が収容された容器に取り付けられている液剤入り容器。
<12>
<11>に記載の液剤入り容器に収容された、頭部に塗布するための液剤。
<13>
下記の工程を含む<11>に記載の液剤入り容器の使用方法。
液剤入り容器を手で把持し、前記凸状部の最上端を頭部に接触させる工程。
液剤入り容器の胴部を押圧し、前記液剤吐出孔より液剤を頭部に向かって吐出させる工程。
【符号の説明】
【0033】
1 液剤容器用キャップ
2 基台部
3 先端部
31 液剤吐出孔
32 外縁
33 液剤吐出孔の外周部
34 天面部
35 円錐台部
4 板状リブ(凸状部)
41 一端部
42 他端部
43 最上端
46 凸状部間の間隙
5 接続部材
6 頭部
61 頭皮
7 液剤
9 容器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8