特許第6183805号(P6183805)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6183805
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
   A61F 13/515 20060101AFI20170814BHJP
   A61F 13/49 20060101ALI20170814BHJP
   A61F 13/533 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   A61F13/515
   A61F13/49 410
   A61F13/533 100
【請求項の数】7
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-257013(P2013-257013)
(22)【出願日】2013年12月12日
(65)【公開番号】特開2015-112319(P2015-112319A)
(43)【公開日】2015年6月22日
【審査請求日】2016年9月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】特許業務法人翔和国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100101292
【弁理士】
【氏名又は名称】松嶋 善之
(74)【代理人】
【識別番号】100155206
【弁理士】
【氏名又は名称】成瀬 源一
(72)【発明者】
【氏名】浦山 優輔
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 陽一
【審査官】 田中 尋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−285166(JP,A)
【文献】 特開2009−240639(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/069279(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F13/15−13/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面シート、裏面シート、これら両シート間に配された吸収体を備えた縦長の吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配された外装体とを具備する吸収性物品であって、
前記外装体は、着用者の腹側に配される腹側外装体と、背側に配される背側外装体と、それらの間に位置する股下領域に配される股下外装体とに別部材として区分されており、
前記吸収体は、吸収ポリマーを含む吸収性コアと該吸収性コアを包む被覆材とを有し、
前記吸収性コアは、前記吸収性本体の長手方向に沿う両側部に、厚み方向に貫通する1対の側部貫通スリットが長手方向に延在しており、
各前記側部貫通スリットにおいては、前記被覆材における肌対向面側の肌側被覆材と非肌対向面側の非肌側被覆材とが接合されており、各該側部貫通スリットと厚み方向に重なる領域においては、前記肌側被覆材と前記表面シートとが接合され、且つ前記非肌側被覆材と前記裏面シートとが接合され、且つ該裏面シートと前記外装体とが接合されている吸収性物品。
【請求項2】
前記吸収性コアは、前記1対の側部貫通スリットの間の中央部に、厚み方向に貫通する中央部貫通スリットが長手方向に延在している請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
各前記側部貫通スリットは、その長手方向の中心が、着用者の背側に配される背側領域側よりも、着用者の腹側に配される腹側領域側にずれて配されている請求項1又は2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記外装体は、着用者の腹側に配される腹側外装体と、背側に配される背側外装体と、それらの間に位置する股下領域に配される股下外装体とに別部材として区分されており、
前記腹側外装体は、前記吸収性物品の外面を形成する外層シートと、該外層シートの内面側に配され、該吸収性物品の内面を形成する内層シートと、それらシート間に幅方向に伸長状態で配されて固定された複数本の糸状の弾性部材とを含んで構成されており、
各前記側部貫通スリットは、その前記腹側外装体側の端部が、前記複数本の弾性部材の内の最も前記股下領域側の弾性部材の位置に達していない請求項1〜3の何れか1項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記吸収性本体の長手方向に沿う両側部には、長手方向に伸長状態で配された弾性部材を有する側方カフスが設けられている請求項1〜4の何れか1項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
各前記側部貫通スリットにおいては、幅方向に沿って断面視して、前記肌側被覆材と前記非肌側被覆材とが接合された位置、前記肌側被覆材と前記表面シートとが接合された位置、前記非肌側被覆材と前記裏面シートとが接合された位置、及び該裏面シートと前記外装体とが接合された位置が、重なっている請求項1〜5の何れか1項に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記中央部貫通スリットにおいては、前記肌側被覆材と前記非肌側被覆材とが接合されており、該中央部貫通スリットと厚み方向に重なる領域においては、前記肌側被覆材と前記表面シートとが接合され、前記非肌側被覆材と前記裏面シートとが接合され、該裏面シートと前記外装体とが接合されている請求項2〜6の何れか1項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨ておむつ等の吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつにおいては、股下領域に配された吸収体の予期せぬ変形が起こり易く、良好な装着性が得られ難い。本出願人は、先に、股下領域での装着性を向上させる観点から、吸収性コアに、厚み方向に貫通するスリットを複数本設けた使い捨ておむつを提案した(特許文献1,2)。
【0003】
特許文献1,2に記載の使い捨ておむつによれば、スリットを通して、吸収性コアの肌対向面側の表面シートと吸収性コアの非肌対向面側の裏面シートとが、吸収性コアを包むコアラップシートを介して接合されている。その為、着用状態において、外観がすっきりしており、股下領域での装着性が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−341061号公報
【特許文献2】特開2012−34715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、更に股下領域での装着性を向上させたいとのニーズがあった。また、特許文献1,2には、スリットに重なる領域における、吸収性本体の非肌対向面側に配される外装体と、他の使い捨ておむつの構成材料との接合関係について、何ら記載されていない。
【0006】
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る吸収性物品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、表面シート、裏面シート、これら両シート間に配された吸収体を備えた縦長の吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配された外装体とを具備する吸収性物品であって、前記外装体は、着用者の腹側に配される腹側外装体と、背側に配される背側外装体と、それらの間に位置する股下領域に配される股下外装体とに別部材として区分されており、前記吸収体は、吸収ポリマーを含む吸収性コアと該吸収性コアを包む被覆材とを有し、前記吸収性コアは、前記吸収性本体の長手方向に沿う両側部に、厚み方向に貫通する1対の側部貫通スリットが長手方向に延在しており、各前記側部貫通スリットにおいては、前記被覆材における肌対向面側の肌側被覆材と非肌対向面側の非肌側被覆材とが接合されており、各該側部貫通スリットと重なる領域においては、前記肌側被覆材と前記表面シートとが接合され、前記非肌側被覆材と前記裏面シートとが接合され、該裏面シートと前記外装体とが接合されている吸収性物品を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、吸収体が着用者の動きに合わせて変形し易く、股下領域での装着性が更に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の吸収性物品の実施形態であるパンツ型使い捨ておむつを模式的に示す斜視図である。
図2図2は、図1に示すおむつを展開させかつ伸長させた状態を模式的に示す平面図である。
図3図3は、図2のIII−III線断面図である。
図4図4は、図1のパンツ型使い捨ておむつを着用した状態の股下領域の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。本発明の吸収性物品の本実施形態である使い捨ておむつ1は、図1図2に示すとおり、液透過性の表面シート2、液難透過性の裏面シート3、これら両シート2,3間に配された吸収体4を備えた縦長の吸収性本体10と、吸収性本体10の非肌対向面側に配された外装体5とを具備するおむつである。具体的に、おむつ1は、外装体5が、着用者の腹側に配される腹側外装体5Aと、背側に配される背側外装体5Bと、それら5A,5Bの間に位置する股下領域に配される股下外装体5Cとに別部材として区分されており、腹側外装体5Aの両側縁部5a1,5a1と背側外装体5Bの両側縁部5b1,5b1とが接合されて一対のサイドシール部S,S、ウエスト開口部WO及び一対のレッグ開口部LO,LOが形成された所謂パンツ型使い捨ておむつである。
【0011】
おむつ1は、図2に示すとおり、展開させかつ伸長させた状態を平面視して、着用者の前後方向に相当する長手方向(X方向)とこれに直交する幅方向(Y方向)とを有している。また、おむつ1は、その長手方向(X方向)に、着用時に着用者の腹側に配される腹側領域A、着用時に着用者の背側に配される背側領域B、腹側領域Aと背側領域Bとの間に位置する股下領域Cとに区分されている。また、本明細書において、肌対向面は、おむつ1又はその構成部材(例えば吸収性本体10)における、着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、非肌対向面は、パンツ型使い捨ておむつ1又はその構成部材における、着用時に着用者の肌側とは反対側(着衣側)に向けられる面である。おむつ1において、長手方向(X方向)は、おむつ1又はその構成部材である吸収性本体10の長辺に沿う方向に一致し、幅方向(Y方向)は、使い捨ておむつ又はその構成部材である吸収性本体10の幅方向に一致する。
また、おむつ1は、長手方向(X方向)に延びる縦中心線CLに対して左右対称形となっている。従って、以下の説明では、左右対称な部分については、主に、一方のみについて説明する。
【0012】
尚、上述したおむつ1を展開させかつ伸長させた状態とは、図2に示すように、サイドシール部Sを引き剥がして、おむつ1を展開状態とし、その展開状態のおむつ1を、各部の弾性部材を伸長させて、設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで広げた状態を意味する。
【0013】
吸収性本体10は、図2に示すとおり、一方向(長手方向(X方向))が相対的に長い縦長の形状を有している。吸収性本体10は、肌対向面を形成する液透過性の表面シート2と、非肌対向面を形成する液難透過性(撥水性も含む)の裏面シート3と、これら両シート2,3間に介在配置された液保持性の吸収体4とを具備する。また、吸収性本体10の長手方向(X方向)に沿う両側部には、図2に示すように、長手方向(X方向)に伸長状態で配された弾性部材を有する側方カフス6,6が設けられている。具体的には、側方カフス6は、液不透過性又は撥水性で且つ通気性の素材から構成されており、各側方カフス6の自由端部近傍には、立体ギャザー形成用弾性部材61が長手方向(X方向)に伸長した状態で配されている。おむつの着用時には、立体ギャザー形成用弾性部材61の収縮により側方カフス6の自由端部側が起立し、所謂立体ギャザーとなり、幅方向(Y方向)への体液の流出が阻止される。
【0014】
おむつ1においては、表面シート2及び裏面シート3は、それぞれ、吸収体4の左右両側縁及び前後両端縁から外方に延出している。表面シート2は、図3に示すように、左右両側縁部が吸収体4の非肌対向面(下面)側に折り返されている。そして、図3に示すように、折り返された表面シート2の各側縁部を覆うように、各側方カフス6の他端部側が吸収体4の非肌対向面(下面)側に巻き込まれ、側方カフス6の他端部が、吸収体4と裏面シート3との間で挟持固定されている。尚、折り返された表面シート2の部分は、該部分を覆う各側方カフス6の他端部側に接着固定されている。
【0015】
吸収体4は、図2図3に示すように、吸収ポリマーを含む吸収性コア41と吸収性コア41を包む被覆材42とを有している。具体的には、吸収体4は、長手方向(X方向)と同方向に長い形状を有しており、長手方向(X方向)に長い液保持性の吸収性コア41を、液透過性の親水性シートである被覆材42で被覆して形成されている。被覆材42は、吸収性コア41を包み込むことにより、吸収性コア41の保形性を保ち、また、高吸収性ポリマー等の吸収性コア41の構成成分の脱落を防止するものである。
【0016】
吸収性コア41には、図2図3に示すように、吸収性本体10の長手方向(X方向)に沿う両側部に、厚み方向(Z方向)に貫通する1対の側部貫通スリット43,43が長手方向(X方向)に延在している。また、おむつ1の吸収性コア41には、1対の側部貫通スリット43,43の間の中央部に、具体的には、1対の側部貫通スリット43,43の間の幅方向(Y方向)中央部に、厚み方向(Z方向)に貫通する中央部貫通スリット44が長手方向(X方向)に延在している。側部貫通スリット43は、長手方向(X方向)に平行に帯状に延びて形成されている。同様に、中央部貫通スリット44は、長手方向(X方向)に平行に帯状に延びて形成されている。側部貫通スリット43及び中央部貫通スリット44においては、全く吸収性コア41の構成材料が存在しない部分となっている。尚、おむつ1においては、側部貫通スリット43の形状や長さが、中央部貫通スリット44の形状や長さと同じであり同形同大に形成されているが、異なる形状であってもよく、長さが異なっていてもよい。
吸収性コア41の全幅(W1)に対する側部貫通スリット43の幅(W2)の割合(W2/W1)は(図2参照)、0.03以上0.25以下であることが好ましく、0.04以上0.17以下であることが更に好ましい。中央部貫通スリット44の幅の割合も、側部貫通スリット43の幅(W2)の割合と同じである。吸収性コア41の全長(L1)に対する側部貫通スリット43の長さ(L2)の割合(L2/L1)は(図2参照)、0.10以上0.75以下であることが好ましく、0.20以上0.60以下であることが更に好ましい。尚、本実施形態においては、中央部貫通スリット44の長さの割合は、図2に示すように、側部貫通スリット43の長さ(L2)の割合と同じであるが、中央部貫通スリット44の長さの割合を、側部貫通スリット43の長さ(L2)の割合よりも小さくしてもよい。具体的には、吸収性コア41の全幅(W1)は、60mm以上160mm以下であることが好ましく、80mm以上140mm以下であることが更に好ましい。吸収性コア41の全長(L1)は、280mm以上490mm以下であることが好ましく、300mm以上470mm以下であることが更に好ましい。側部貫通スリット43の幅(W2)或いは中央部貫通スリット44の幅は、3.6mm以上30.0mm以下であることが好ましく、4.8mm以上20.4mm以下であることが更に好ましい。側部貫通スリット43の長さ(L2)或いは中央部貫通スリット44の長さは、32mm以上308mm以下であることが好ましく、64mm以上246mm以下であることが更に好ましい。
【0017】
各側部貫通スリット43は、おむつ1においては、その長手方向(X方向)中心43cが、背側領域B側よりも腹側領域A側にずれて配されている。また、中央部貫通スリット44は、おむつ1においては、その長手方向(X方向)中心44cが、背側領域B側よりも腹側領域A側にずれて配されている。また、各側部貫通スリット43は、腹側外装体5A側の端部43aが、後述する腹側外装体5Aを構成する複数本の弾性部材53の内の最も股下領域C側の弾性部材53の位置に達していない。また、各側部貫通スリット43は、背側外装体5B側の端部43bが、後述する背側外装体5Bを構成する複数本の弾性部材53の内の最も股下領域C側の弾性部材53の位置に達していない。このように、各側部貫通スリット43は、股下領域C内に配されているが、腹側領域A寄りの位置に配されている。同様に、中央部貫通スリット44は、腹側外装体5A側の端部44aが、腹側外装体5Aを構成する複数本の弾性部材53の内の最も股下領域C側の弾性部材53の位置に達していない。また、中央部貫通スリット44は、背側外装体5B側の端部44bが、背側外装体5Bを構成する複数本の弾性部材53の内の最も股下領域C側の弾性部材53の位置に達していない。このように、中央部貫通スリット44は、股下領域C内に配されているが、腹側領域A寄りの位置に配されている。
【0018】
吸収性コア41を包む被覆材42は、図3に示すように、おむつ1においては、1枚からなる。詳述すると、被覆材42は、長手方向(Y方向)においては、吸収性コア41の長手方向(Y方向)の長さ以上の長さであり、幅方向(X方向)においては、図3に示すように、吸収性コア41の肌対向面(上面)を被覆し、更に吸収性コア41の非肌対向面(下面)側に巻き込まれ、吸収性コア41の非肌対向面(下面)の幅方向(X方向)中央部で重なり合うようにして(図示せず)、吸収性コア41を包み込んでいる。尚、おむつ1の被覆材42は、上述したように、1枚からなるが、吸収性コア41の肌対向面(上面)を第1の被覆材で被覆し、吸収性コア41の非肌対向面(下面)を2枚目の第2の被覆材で被覆して、吸収性コア41を包み込んでいてもよい。
【0019】
以上のように構成された吸収性本体10は、その長手方向(X方向)を、展開かつ伸長状態におけるおむつ1の長手方向(X方向)に一致させて、外装体5の中央部に、後述する接着剤によって接合されている。このように、外装体5は、使い捨ておむつ1の厚み方向(Z方向)における、吸収性本体10を構成する裏面シート3の非肌対向面側に配されて接着固定されている。具体的には、おむつ1の外装体5は、上述の通り、腹側領域Aに位置する腹側外装体5Aと、背側領域Bに位置する背側外装体5Bと、それら(腹側外装体5A,背側外装体5B)の間に位置する股下領域Cに位置する股下外装体5Cとに別部材で構成されており、腹側外装体5A、背側外装体5B及び股下外装体5Cとして区分されている。外装体5は、股下外装体5Cの長手方向(X方向)の両端部それぞれに、腹側外装体5A及び背側外装体5Bそれぞれが接合されて一体に形成されている。このように形成された外装体5の幅方向(Y方向)中央部に吸収性本体10が接合されており、吸収性本体10は、腹側外装体5Aから背側外装体5Bに亘って配されている。尚、表面シート2と吸収体4との接着、吸収体4と裏面シート3との接着、裏面シート3と外装体5との接着については、後に詳述する。
【0020】
腹側外装体5Aは、おむつ1においては、展開かつ伸長状態(図2参照)において、幅方向(Y方向)に長い長方形状をなしており、おむつ長手方向(X方向)に沿う左右一対の側縁部5a1,5a1と、おむつ幅方向(Y方向)に沿う上下一対の端縁部5a2,5a3(外側端縁部5a2、内側端縁部5a3)とを有している。背側外装体5Bも、同様に、幅方向(Y方向)に長い長方形状をなしており、おむつ長手方向(X方向)に沿う左右一対の側縁部5b1,5b1と、おむつ幅方向(Y方向)に沿う上下一対の端縁部5b2,5b3(外側端縁部5b2、内側端縁部5b3)とを有している。腹側外装体5Aと背側外装体5Bとは、図3に示すように、おむつ幅方向(Y方向)に関しては、長さが同じに形成されており、おむつ長手方向(X方向)に関しては、背側外装体5Bの長さが腹側外装体5Aの長さよりも長く形成されている。
【0021】
そして、腹側外装体5Aは、図2に示すように、両側縁部5a1,5a1それぞれに、腹側外装体5Aと背側外装体5Bとの間が接合されてサイドシール部Sを形成している接合部saを有している。また、背側外装体5Bは、図2に示すように、両側縁部5b1,5b1それぞれに、背側外装体5Bと腹側外装体5Aとの間が接合されてサイドシール部Sを形成している接合部sbと、該接合部5b2のおむつ長手方向(X方向)内方に延出し、背側外装体5Bと腹側外装体5Aとの間が接合されていない非接合部nsとを有している。そして、腹側外装体5Aの側縁部5a1である接合部saと、背側外装体5Bの側縁部5b1の一部である接合部sbとが接合されていることによって、おむつ1に、前述した一対のサイドシール部S,Sが形成されている。この接合には、例えばヒートシール、高周波シール、超音波シール、接着剤等の公知の接合方法が用いられる。また、この接合によって、図1に示すように、サイドシール部S,Sと共に、ウエスト開口部WO及び一対のレッグ開口部LO,LOが形成されている。
【0022】
背側外装体5Bは、図2に示すように、サイドシール部Sより下方に延出する延出部51Bを有している。詳述すると、背側外装体5Bは、側縁部5b1における接合部sb及び非接合部nsが、おむつの展開且つ伸長状態(図2参照)において、おむつ長手方向(X方向)に連続して延びている。背側外装体5Bは、両接合部sb,sb間に位置する本体部50Bと、該本体部50Bの股下領域C側に延出し、両非接合部ns,ns間に位置する矩形の延出部51Bを有している。
【0023】
おむつ1における腹側外装体5A及び背側外装体5Bは何れも、図2に示すように、おむつ1の外面を形成する外層シート51と、外層シート51の内面側に配され、おむつ1の内面を形成する内層シート52と、それらシート51,52間に幅方向(Y方向)に伸長状態で配された複数本の糸状の弾性部材53とを含んで構成されている。腹側外装体5A及び背側外装体5Bは、外層シート51と内層シート52との間を、例えばヒートシール、高周波シール、超音波シール、接着剤等の公知の接合方法により接着することにより形成されている。尚、背側外装体5Bの延出部51Bにも、図2に示すように、複数本の弾性部材53が幅方向(Y方向)に沿って伸長状態で配され、延出部51Bは幅方向(Y方向)に伸縮性を有している。腹側外装体5A、及び背側外装体5Bを構成する本体部50Bには、それぞれ、幅方向(Y方向)に伸縮性を有するウエスト伸縮部G1及び胴回り伸縮部G2が形成され、背側外装体5Bを構成する延出部51Bには、幅方向(Y方向)に伸縮性を有する延出部伸縮部G3が形成されている。
【0024】
図2に示すように、ウエスト伸縮部G1は、腹側外装体5A及び背側外装体5Bのそれぞれにおいて、おむつ1の長手方向(X方向)における、吸収性本体10の長手方向の両端部より外方に形成されている。胴回り伸縮部G2は、腹側外装体5A、及び背側外装体5Bを構成する本体部50Bそれぞれにおいて、おむつ1の長手方向(X方向)における、吸収性本体10の配された領域に形成されている。延出部伸縮部G3は、背側外装体5Bを構成する延出部51Bに形成されている。
【0025】
図2に示すように、腹側外装体5A及び背側外装体5B(本体部50Bと延出部51B)には、それぞれ、複数本の弾性部材53が、それぞれ幅方向(Y方向)に沿って伸張状態で延びており、且つおむつ1の長手方向(X方向)に間隔を開けて配されている。腹側外装体5A及び背側外装体5B(本体部50Bと延出部51B)における吸収性本体10と厚み方向(Z方向)に重なる領域では、弾性部材53が個々分断されている。具体的には、腹側外装体5Aについては、おむつ1を展開且つ伸長した状態において、吸収性本体10と厚み方向(Z方向)に重なる胴回り伸縮部G2の複数本の糸状の弾性部材53それぞれが個々複数個に分断されており、細かく分断された弾性部材53は、もはや収縮力を殆ど有しない状態となって弱機能化領域を形成している。また、背側外装体5Bについては、おむつ1を展開且つ伸長した状態において、吸収性本体10と厚み方向(Z方向)に重なる胴回り伸縮部G2の複数本の糸状の弾性部材53及び吸収性本体10と厚み方向(Z方向)に重なる延出部伸縮部G3の複数本の糸状の弾性部材53それぞれが個々複数個に分断されており、細かく分断された弾性部材53は、もはや収縮力を殆ど有しない状態となって弱機能化領域を形成している。このような弱機能化領域が形成されていると、図1に示すように、おむつ1においては、吸収性本体10における腹側外装体5A及び背側外装体5B(本体部50Bと延出部51B)と厚み方向(Z方向)に重なる領域が、潰れ難くなっており、おむつ1を着用した際に、腹側領域A及び背側領域Bのフィット性が向上する。
【0026】
<引っ張り応力の測定法>
先ず、サイドシール部Sを破って、おむつ1を展開状態とし、その展開状態のおむつ1から吸収性本体10を引き剥がして外装体5を取り出す。そして取り出した外装体5を伸長した状態において、X方向に3等分の位置にて、Y方向に平行にカットし、3分画領域Ta1,Ta2,Ta3のカットサンプルを作製する。次いで、例えば、分画領域Ta3のカットサンプルを用いて説明すると、分画領域Ta3のカットサンプルについて、最大に伸長した状態のY方向の長さ(最大伸長長さ)を求める。尚、最大に伸長した状態の長さを求める際に、弾性部材53が抜ける場合には、ポイントシール又は超音波シール等の処理を行う。次いで、分画領域Ta3のカットサンプルを、テンシロン万能試験機にチャック間距離100mm(自然状態でのサンプルの長さに応じて変更可能)に固定し、一定速度300mm/minで、先に求めた最大伸長長さの80%の長さまで伸長させた時の引張り荷重(cN)を引っ張り応力とする。測定は、複数回(n=3回)行い、平均値を分画領域Ta3の引っ張り応力とする。分画領域Ta2の引っ張り応力も同様にして求める。
また、おむつ1においては、図2に示すように、背側外装体5Bは、おむつ1長手方向(X方向)に3等分して3分画領域Tb1,Tb2,Tb3を形成した際に、股下領域C寄りの分画領域Tb3の幅方向(Y方向)の引っ張り応力が、中央に位置する分画領域Tb2の幅方向(Y方向)の引っ張り応力よりも低くなっている。前記分画領域Tb2の引っ張り応力に対する前記分画領域Tb3の引っ張り応力の割合(分画領域Tb3の引っ張り応力/分画領域Tb2の引っ張り応力)は、股下領域C寄りの分画領域Tb3の引っ張り応力が低いことによって、吸収性本体10における背側外装体5B(本体部50Bと延出部51B)と厚み方向(Z方向)に重なる領域が、潰れ難くなっており、おむつ1を着用した際に、背側領域Bのフィット性が向上する観点から、0.20以上0.95以下であることが好ましく、0.25以上0.90以下であることが更に好ましい。具体的には、前記分画領域Tb2の引っ張り応力は、110cN以上322cN以下であることが好ましく、108cN以上285cN以下であることが更に好ましい。また、前記分画領域Tb3の引っ張り応力は、56cN以上165cN以下であることが好ましく、68cN以上146cN以下であることが更に好ましい。上記の引っ張り応力は、上述した腹側外装体5Aにおける引っ張り応力と同様の測定方法により測定する。
【0027】
股下外装体5Cは、おむつ1の外面を形成する1枚のシートで形成されている。股下外装体5Cは、吸収性本体10を構成する裏面シート3における股下領域Cの部分を覆っている。股下外装体5Cのおむつ長手方向(X方向)に沿う両側縁は、吸収性本体10を構成する裏面シート3の長手方向(X方向)に沿う両側縁に略一致しており、股下外装体5Cは、矩形状に形成されている。
【0028】
おむつ1の外装体5は、以上のように形成された腹側外装体5A、背側外装体5B及び股下外装体5Cが一体化して形成されているので、吸収性コア41の備える1対の側部貫通スリット43,43と厚み方向(Z方向)に重なる領域における構成シートの数に比べて、側部貫通スリット43よりも腹側領域A側の吸収体4の端部と厚み方向(Z方向)に重なる領域における構成シートの数の方が多い。具体的には、1対の側部貫通スリット43,43と厚み方向(Z方向)に重なる領域に位置する外装体5は、股下外装体5であり、1枚のシートで形成されており、吸収体4の腹側領域A側の端部と厚み方向(Z方向)に重なる領域に位置する外装体5は、腹側外装体5Aであり、外層シート51及び内層シート52の2枚のシートを有している。このように、側部貫通スリット43,43と重なる領域における構成シートの数に比べて、腹側領域A側の吸収体4の端部と重なる領域における構成シートの数の方が多くなっていると、吸収性本体10における腹側外装体5Aと厚み方向(Z方向)に重なる領域は、曲げ剛性が上がり易く、潰れ難くなっており、おむつ1を着用した際に、腹側領域Aのフィット性が向上する
【0029】
表面シート2と吸収体4との接着、吸収体4と裏面シート3との接着、裏面シート3と外装体5との接着に関して詳述する。図3に示すように断面視して、吸収体4を構成する吸収性コア41に設けられた各側部貫通スリット43においては、吸収体4を構成する被覆材42における肌対向面側の肌側被覆材42Uと非肌対向面側の非肌側被覆材42Dとが接合されており、各側部貫通スリット43と厚み方向(Z方向)に重なる領域においては、肌側被覆材42Uと表面シート2とが接合され、非肌側被覆材42Dと裏面シート3とが接合され、裏面シート3と外装体5とが接合されている。以下具体的に説明すると、おむつ1においては、厚み方向(Z方向)の上方側から下方側に向かって、表面シート2と被覆材42の肌側被覆材42Uとが、第1接着剤層71を介して固定されている。また、被覆材42の肌側被覆材42Uと吸収性コア41の肌対向面とが、第2接着剤層72を介して固定されている。また、吸収性コア41の非肌対向面と被覆材42の非肌側被覆材42Dとが、第3接着剤層73を介して固定されている。また、被覆材42の非肌側被覆材42Dと裏面シート3とが、第4接着剤層74を介して固定されている。そして、裏面シート3と外装体5とが、第5接着剤層75を介して固定されている。
【0030】
表面シート2と被覆材42の肌側被覆材42Uとを固定する第1接着剤層71は、おむつ1においては、図3に示すように、例えばスプレーガンを用いて、スパイラル状に接着剤を塗工して形成されている。具体的には、第1接着剤層71は、幅方向(Y方向)においては、一対の側部貫通スリット43,43及び中央部貫通スリット44それぞれに対応する位置を含む範囲で、長手方向(X方向)においては、一対の側部貫通スリット43,43及び中央部貫通スリット44それぞれに対応する位置を含む範囲で長手方向(X方向)に長く、表面シート2の非肌対向面及び/又は被覆材42の肌側被覆材42Uの肌対向面に接着剤を塗工して形成されている。
【0031】
被覆材42の肌側被覆材42Uと吸収性コア41の肌対向面とを固定する第2接着剤層72は、おむつ1においては、図3に示すように、例えばスプレーガンを用いて、スパイラル状に接着剤を塗工して形成されている。具体的には、第2接着剤層72は、幅方向(Y方向)においては、吸収性コア41の全幅に亘る範囲で、長手方向(X方向)においては、吸収性コア41の全長に亘る範囲で、被覆材42の肌側被覆材42Uの非肌対向面及び/又は吸収性コア41の肌対向面に接着剤を塗工して形成されている。
【0032】
吸収性コア41の非肌対向面と被覆材42の非肌側被覆材42Dとを固定する第3接着剤層73は、おむつ1においては、図3に示すように、例えばビードガンを用いて、接着剤を一定幅に連続して落下させて塗工して形成されている。具体的には、第3接着剤層73は、幅方向(Y方向)においては、吸収性コア41の全幅に亘る範囲で、長手方向(X方向)においては、吸収性コア41の全長に亘る範囲で、吸収性コア42の非肌対向面及び/又は被覆材42の非肌側被覆材42Dの肌対向面に接着剤を塗工して形成されている。
【0033】
被覆材42の非肌側被覆材42Dと裏面シート3とを固定する第4接着剤層74は、おむつ1においては、図3に示すように、例えばビードガンを用いて、接着剤を一定幅に連続して落下させて塗工して形成されている。具体的には、第4接着剤層74は、幅方向(Y方向)においては、吸収性コア41の全幅に亘る範囲で、長手方向(X方向)においては、吸収性コア41の全長に亘る範囲で、被覆材42の非肌側被覆材42Dの非肌対向面及び/又は裏面シート3の肌対向面に接着剤を塗工して形成されている。
【0034】
裏面シート3と外装体5とを固定する第5接着剤層75は、おむつ1においては、図3に示すように、例えばコーターガンを用いて、Y方向に間欠的に且つX方向に一直線状に塗工されており、全体視してストライプ状に塗工して形成されている。具体的には、第5接着剤層75は、幅方向(Y方向)においては、吸収性本体10の全幅に亘る範囲で、長手方向(X方向)においては、吸収性本体10の全長に亘る範囲で、裏面シート3の非肌対向面及び/又は外装体5の肌対向面に接着剤を塗工して形成されている。尚、外装体5の肌対向面とは、腹側外装体5Aから股下外装体5Cを介して背側外装体5Bに至る範囲における肌対向面である。
【0035】
上述したように、おむつ1においては、一対の側部貫通スリット43,43及び中央部貫通スリット44は、股下領域C内に配されており、言い換えれば、股下外装体5C上に配されている。また、上述したように、第1接着剤層71、第2接着剤層72、第3接着剤層73、第4接着剤層74及び第5接着剤層75が形成されている。その為、図3に示すように、吸収体4を構成する吸収性コア41に設けられた一対の側部貫通スリット43,43を通る位置にて、Y方向に沿って断面視すると、各側部貫通スリット43においては、被覆材42の肌側被覆材42Uの非肌対向面と非肌側被覆材42Dの肌対向面とが、第2接着剤層72及び第3接着剤層73を介して接合されている。また、各側部貫通スリット43と厚み方向(Z方向)に重なる領域においては、厚み方向(Z方向)の上方側から下方側に向かって、表面シート2の非肌対向面と肌側被覆材42Uの肌対向面とが第1接着剤層71を介して接合され、非肌側被覆材42Dの非肌対向面と裏面シート3の肌対向面とが第4接着剤層74を介して接合され、裏面シート3の非肌対向面と外装体5の股下外装体5Cの肌対向面とが第5接着剤層75を介して接合されている。
【0036】
また、図3に示すように、吸収体4を構成する吸収性コア41に設けられた中央部貫通スリット44を通る位置にて、Y方向に沿って断面視すると、中央部貫通スリット44においては、被覆材42の肌側被覆材42Uの非肌対向面と非肌側被覆材42Dの肌対向面とが、第2接着剤層72及び第3接着剤層73を介して接合されている。また、各側部貫通スリット43と厚み方向(Z方向)に重なる領域においては、厚み方向(Z方向)の上方側から下方側に向かって、表面シート2の非肌対向面と肌側被覆材42Uの肌対向面とが第1接着剤層71を介して接合され、非肌側被覆材42Dの非肌対向面と裏面シート3の肌対向面とが第4接着剤層74を介して接合され、裏面シート3の非肌対向面と外装体5の股下外装体5Cの肌対向面とが第5接着剤層75を介して接合されている。
【0037】
さらに、おむつ1においては、第1接着剤層71及び第2接着剤層72がスパイラル状に接着剤を塗工して形成され、第3接着剤層73及び第4接着剤層74が全面に塗工して形成され、第5接着剤層75がストライプ状に塗工して形成されている。その為、各側部貫通スリット43及び中央部貫通スリット44においては、図3に示すように断面視して、全面塗工の第3接着剤層73によって肌側被覆材42Uと非肌側被覆材42Dとが接合された位置と、全面塗工の第4接着剤層74によって非肌側被覆材42Dと裏面シート3とが接合された位置とは一致して重なっているが、スパイラル状の塗工の第1接着剤層71によって表面シート2と肌側被覆材42Uとが接合された位置と、ストライプ状の塗工の第5接着剤層75によって裏面シート3と外装体5の股下外装体5Cとが接合された位置とが一致しておらず、重なっていない。このように、各側部貫通スリット43及び中央部貫通スリット44において、各部材の接合位置が異なっているので、可撓軸が分散されることで、なだらかな屈曲が誘起されるようになる。
【0038】
以上のように、各側部貫通スリット43にて及び中央部貫通スリット44にて、おむつ1の構成部材が接合された使い捨ておむつ1は、第1接着剤層71から第5接着剤層75を所定の位置に塗布した後、例えば、一対のゴムローラー間に通すことにより、各側部貫通スリット43の領域及び中央部貫通スリット44の領域を押圧することにより、安定的に連続して形成できる。
【0039】
上述したパンツ型使い捨ておむつ1の各部の形成材料について説明する。
吸収性本体10を構成する表面シート2、裏面シート3、及び側方カフス6等としては、使い捨ておむつ等の吸収性物品に従来用いられている各種のもの等を特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート2としては、単層又は多層構造の不織布や、開孔フィルム等を用いることができる。裏面シート3としては、透湿性の樹脂フィルム等を用いることができる。また、側方カフス6としては、撥水性の単層又は多層構造の不織布等を用いることができる。
【0040】
吸収体4を構成する吸収性コア41としては、この種のおむつに従来用いられている各種のものを用いることができ、尿などの体液を吸収する吸収性を有するものであればその種類は特に制限されず、例えば高吸収性ポリマー、粉砕パルプ等の吸収性物質が挙げられる。前記高吸収性ポリマーとしては、この種のおむつにおいて従来用いられている各種のものを用いることができ、例えば、ポリアクリル酸ソーダ、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ソーダ架橋体、(デンプン−アクリル酸)グラフト重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物、ポリアクリル酸カリウム、並びにポリアクリル酸セシウム等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0041】
吸収体4を構成する被覆材42としては、この種のおむつにおいて台紙などと称して従来用いられている各種の液透過性のものを用いることができ、例えば、繊維材シートや、穿孔フィルムなどを用いることができる。液の透過が良好な観点から、被覆材42は親水性の繊維シートからなることが好ましい。親水性の繊維シートとしては、ティッシュペーパー等の紙や各種不織布を用いることができる。不織布としては、コットンやレーヨンなどの親水性繊維からなる不織布や、合成樹脂の繊維に親水化処理を施してなる不織布が挙げられる。具体的には、界面活性剤で処理されたスパンボンド不織布、スパンレース不織布、エアレイド不織布、エアースルー不織布などが挙げられる。
【0042】
外装体5の腹側外装体5A及び背側外装体5Bを構成する外層シート51及び内層シート52としては、この種の物品に従来使用されている各種のシート材を特に制限なく用いることができ、不織布であることが好ましく、特に柔軟性等の観点から、エアースルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布等からなる単層の不織布又は2層以上の積層不織布であることが好ましい。また、これらの不織布とフィルムとを一体化したシートでもよい。
また、外装体5の股下外装体5Cを形成する非伸長性のシート材も、外層シート51及び内層シート52と同様のものを用いることができる。
【0043】
弾性部材(立体ギャザー形成用弾性部材61、弾性部材53等)としては、例えば、スチレン−ブタジエン、ブタジエン、イソプレン、ネオプレン等の合成ゴム、天然ゴム、EVA、伸縮性ポリオレフィン、ポリウレタン等を挙げることができる。弾性部材の形態としては、断面が矩形、正方形、円形、楕円形又は多角形状等の糸状(糸ゴム等)、若しくは紐状(平ゴム等)のもの、又はマルチフィラメントタイプの糸状のもの等を好ましく用いることができる。
各部材を固定する第1接着剤層71〜第5接着剤層75を形成する接着剤としては、使い捨ておむつ等の吸収性物品に従来用いられている各種のホットメルト接着剤等を特に制限なく用いることができる。
【0044】
上述したパンツ型使い捨ておむつ1を使用した際の作用効果について説明する。
おむつ1は、図3に示すように、吸収体4を構成する吸収性コア41に設けられた一対の側部貫通スリット43,43を通る位置にて、Y方向に沿って断面視すると、各側部貫通スリット43においては、被覆材42の肌側被覆材42Uの非肌対向面と非肌側被覆材42Dの肌対向面とが、第2接着剤層72及び第3接着剤層73を介して接合されている。また、各側部貫通スリット43と厚み方向(Z方向)に重なる領域においては、厚み方向(Z方向)の上方側から下方側に向かって、表面シート2の非肌対向面と肌側被覆材42Uの肌対向面とが第1接着剤層71を介して接合され、非肌側被覆材42Dの非肌対向面と裏面シート3の肌対向面とが第4接着剤層74を介して接合され、裏面シート3の非肌対向面と外装体5の股下外装体5Cの肌対向面とが第5接着剤層75を介して接合されている。その為、おむつ1の着用時においては、図4に示すように、一対の側部貫通スリット43,43の部分が可撓軸となり易く、股下領域Cが屈曲し易く、フィット性が向上する。特に、おむつ1においては、吸収性本体10の両側部に、図2に示すように、伸長状態で配された立体ギャザー形成用弾性部材61を有する側方カフス6,6が設けられている。その為、おむつ1の着用時においては、図4に示すように、立体ギャザー形成用弾性部材61の収縮により側方カフス6の自由端部側が起立して立体ギャザーを形成すると共に、一対の側部貫通スリット43,43の部分が可撓軸となって股下領域Cが更に屈曲し易くなっている。
【0045】
また、おむつ1は、図1図3に示すように、1対の側部貫通スリット43,43の間の幅方向(Y方向)中央部に、長手方向(X方向)に延在する中央部貫通スリット44を有している。その為、おむつ1の着用時においては、一対の側部貫通スリット43,43の間の中央部においても屈曲し易く、股下領域Cが図4に示すようなW字状を描き易く、フィット性が向上する。特に、おむつ1においては、図3に示すように、中央部貫通スリット44においても、被覆材42の肌側被覆材42Uと非肌側被覆材42Dとが、第2接着剤層72及び第3接着剤層73を介して接合されている。また、各側部貫通スリット43と厚み方向(Z方向)に重なる領域においては、表面シート2と肌側被覆材42Uとが第1接着剤層71を介して接合され、非肌側被覆材42Dと裏面シート3とが第4接着剤層74を介して接合され、裏面シート3と外装体5の股下外装体5Cとが第5接着剤層75を介して接合されている。その為、中央部貫通スリット44の部分が可撓軸となり易く、股下領域Cが図4に示すようなW字状を更に描き易く、フィット性が更に向上する。
【0046】
また、おむつ1は、図2に示すように、各側部貫通スリット43の中心43cが、背側領域B側よりも腹側領域A側にずれて配されている。また、中央部貫通スリット44の中心44cも、背側領域B側よりも腹側領域A側にずれて配されている。その為、おむつ1の着用時においては、股下領域Cが屈曲したとしても、その屈曲が背側領域B側に伝達され難く、背側領域Bのフィット性に影響を与え難くなっている。特に、おむつ1においては、図2に示すように、各側部貫通スリット43は、両端部43a,43bが、腹側外装体5A及び背側外装体5Bを構成する複数本の弾性部材53の内の最も股下領域C側の弾性部材53の位置に達していない。また、中央部貫通スリット44は、両端部44a,44bが、腹側外装体5A及び背側外装体5Bを構成する複数本の弾性部材53の内の最も股下領域C側の弾性部材53の位置に達していない。このように、各側部貫通スリット43及び中央部貫通スリット44は、股下領域C内に配されている。その為、おむつ1の着用時においては、股下領域Cが屈曲したとしても、その屈曲が腹側領域A側及び背側外装体5B側に伝達され難く、腹側領域A及び背側領域Bのフィット性に影響を与え難くなっている。
【0047】
本発明の吸収性物品は、上述の本実施形態のパンツ型使い捨ておむつ1に何ら制限されるものではなく、適宜変更可能である。
【0048】
例えば、上述の実施形態のおむつ1においては、第1接着剤層71及び第2接着剤層72がスパイラル状に接着剤を塗工して形成され、第3接着剤層73及び第4接着剤層74が全面に塗工して形成され、第5接着剤層75がストライプ状に塗工して形成されているが、これに限定されず、第1接着剤層71〜第5接着剤層75の何れも、スパイラル状の塗工、全面塗工、及びストライプ状の塗工の中から塗工形態を選択することができる。具体的には、第2接着剤層72〜第5接着剤層75の何れもが全面塗工されて形成され、第1接着剤層71が、例えばビードガンを用いて、一対の側部貫通スリット43,43及び中央部貫通スリット44それぞれに対応する位置を含む範囲に、接着剤を一定幅に連続して落下させて形成された形態であってもよい。このように接着剤層が形成されていると、各側部貫通スリット43及び中央部貫通スリット44においては、断面視して、第2接着剤層72及び第3接着剤層73によって肌側被覆材42Uと非肌側被覆材42Dとが接合された位置と、第1接着剤層71によって表面シート2と肌側被覆材42Uとが接合された位置と、第4接着剤層74によって非肌側被覆材42Dと裏面シート3とが接合された位置と、第5接着剤層75によって裏面シート3と外装体5の股下外装体5Cとが接合された位置とが一致しており、重なっている。このように接合位置が重なっていると、一対の側部貫通スリット43、43の部分及び中央部貫通スリット44の部分が更に可撓軸となり易く、股下領域Cが図4に示すようなW字状を更に描き易く、フィット性が更に向上する。
【0049】
また、第2接着剤層72が、中央部貫通スリット44を除く領域にスパイラル状に接着剤を塗工して形成されており、第3接着剤層73が、中央部貫通スリット44を除く領域にストライプ状に接着剤を塗工して形成されており、第1接着剤層71、第4接着剤層74及び第5接着剤層75がおむつ1と同様に形成されていてもよい。このように接着剤層が形成されていると、中央部貫通スリット44において、被覆材42の肌側被覆材42Uの非肌対向面と非肌側被覆材42Dの肌対向面とが接合されておらず、一対の側部貫通スリット43,43においては、被覆材42の肌側被覆材42Uの非肌対向面と非肌側被覆材42Dの肌対向面とが、第2接着剤層72及び第3接着剤層73を介して接合されている形態となる。このような使い捨ておむつを着用すると、中央貫通スリット44は切欠きにより可撓軸として一定の機能を示しつつ、被覆材42の肌側被覆材42Uの非肌対向面と非肌側被覆材42Dの肌対向面と吸収性コア41に囲まれた空間へ一時的に体液を受け入れることで、体液がより速やかに吸収体4へと引き込まれるようになる。
【0050】
前述した本発明の実施形態(態様)に関し、更に以下の吸収性物品を開示する。
【0051】
<1>
表面シート、裏面シート、これら両シート間に配された吸収体を備えた縦長の吸収性本体と、該吸収性本体の非肌対向面側に配された外装体とを具備する吸収性物品であって、
前記外装体は、着用者の腹側に配される腹側外装体と、背側に配される背側外装体と、それらの間に位置する股下領域に配される股下外装体とに別部材として区分されており、
前記吸収体は、吸収ポリマーを含む吸収性コアと該吸収性コアを包む被覆材とを有し、
前記吸収性コアは、前記吸収性本体の長手方向に沿う両側部に、厚み方向に貫通する1対の側部貫通スリットが長手方向に延在しており、
各前記側部貫通スリットにおいては、前記被覆材における肌対向面側の肌側被覆材と非肌対向面側の非肌側被覆材とが接合されており、各該側部貫通スリットと厚み方向に重なる領域においては、前記肌側被覆材と前記表面シートとが接合され、且つ前記非肌側被覆材と前記裏面シートとが接合され、且つ該裏面シートと前記外装体とが接合されている吸収性物品。
【0052】
<2>
前記吸収性コアは、前記1対の側部貫通スリットの間の中央部に、厚み方向に貫通する中央部貫通スリットが長手方向に延在している前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>
前記側部貫通スリットの形状や長さが、前記中央部貫通スリットの形状や長さと同じであり同形同大に形成されている前記<1>又は<2>に記載の吸収性物品。
<4>
前記吸収性コアの全幅(W1)に対する前記側部貫通スリットの幅(W2)の割合(W2/W1)は、0.03以上0.25以下、好ましくは0.04以上0.17以下である前記<1>〜<3>の何れか1に記載の吸収性物品。
<5>
前記吸収性コアの全長(L1)に対する前記側部貫通スリットの長さ(L2)の割合(L2/L1)は、0.10以上0.75以下、好ましくは0.20以上0.60以下である前記<1>〜<4>の何れか1に記載の吸収性物品。
<6>
前記側部貫通スリットの幅(W2)或いは前記中央部貫通スリットの幅は、3.6mm以上30.0mm以下、好ましくは4.8mm以上20.4mm以下である前記<1>〜<5>の何れか1に記載の吸収性物品。
<7>
前記側部貫通スリットの長さ(L2)或いは前記中央部貫通スリットの長さは、32mm以上308mm以下、好ましくは64mm以上246mm以下である前記<1>〜<6>の何れか1に記載の吸収性物品。
<8>
各前記側部貫通スリットは、その長手方向の中心が、着用者の背側に配される背側領域側よりも、着用者の腹側に配される腹側領域側にずれて配されている前記<1>〜<7>の何れか1に記載の吸収性物品。
<9>
前記腹側外装体は、前記吸収性物品の外面を形成する外層シートと、該外層シートの内面側に配され、該吸収性物品の内面を形成する内層シートと、それらシート間に幅方向に伸長状態で配されて固定された複数本の糸状の弾性部材とを含んで構成されており、
各前記側部貫通スリットは、その前記腹側外装体側の端部が、前記複数本の弾性部材の内の最も前記股下領域側の弾性部材の位置に達していない前記<1>〜<8>の何れか1に記載の吸収性物品。
<10>
前記側部貫通スリットは、背側外装体側の端部が、該背側外装体を構成する複数本の弾性部材の内の最も股下領域側の弾性部材の位置に達していない前記<1>〜<9>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0053】
<11>
前記吸収性コアは、前記1対の側部貫通スリットの間の中央部に、厚み方向に貫通する中央部貫通スリットが長手方向に延在しており、
前記中央部貫通スリットは、腹側外装体側の端部が、該腹側外装体を構成する複数本の弾性部材の内の最も股下領域側の弾性部材の位置に達していない前記<1>〜<10>の何れか1に記載の吸収性物品。
<12>
前記吸収性コアは、前記1対の側部貫通スリットの間の中央部に、厚み方向に貫通する中央部貫通スリットが長手方向に延在しており、
前記中央部貫通スリットは、背側外装体側の端部が、該背側外装体を構成する複数本の弾性部材の内の最も股下領域側の弾性部材の位置に達していない前記<1>〜<11>の何れか1に記載の吸収性物品。
<13>
前記吸収性本体の長手方向に沿う両側部には、長手方向に伸長状態で配された弾性部材を有する側方カフスが設けられている前記<1>〜<12>の何れか1に記載の吸収性物品。
<14>
各前記側部貫通スリットにおいては、幅方向に沿って断面視して、前記肌側被覆材と前記非肌側被覆材とが接合された位置、前記肌側被覆材と前記表面シートとが接合された位置、前記非肌側被覆材と前記裏面シートとが接合された位置、及び該裏面シートと前記外装体とが接合された位置が、重なっている前記<1>〜<13>の何れか1に記載の吸収性物品。
<15>
前記中央部貫通スリットにおいては、前記肌側被覆材と前記非肌側被覆材とが接合されており、該中央部貫通スリットと厚み方向に重なる領域においては、前記肌側被覆材と前記表面シートとが接合され、前記非肌側被覆材と前記裏面シートとが接合され、該裏面シートと前記外装体とが接合されている前記<2>〜<14>の何れか1に記載の吸収性物品。
<16>
前記腹側外装体と前記背側外装体とは、おむつ幅方向(Y方向)に関しては、長さが同じに形成されており、おむつ長手方向(X方向)に関しては、該背側外装体の長さが該腹側外装体の長さよりも長く形成されている前記<1>〜<15>の何れか1に記載の吸収性物品。
<17>
前記腹側外装体及び前記背側外装体(本体部と延出部)には、それぞれ、複数本の弾性部材が、それぞれ幅方向(Y方向)に沿って伸張状態で延びており、且つおむつの長手方向(X方向)に間隔を開けて配されており、
前記腹側外装体及び前記背側外装体(本体部と延出部)における前記吸収性本体と重なる領域では、前記弾性部材が個々分断されている前記<1>〜<16>の何れか1に記載の吸収性物品。
<18>
前記腹側外装体は、おむつ長手方向(X方向)に3等分して3分画領域Ta1,Ta2,Ta3を形成した際に、股下領域寄りの分画領域Ta3の幅方向(Y方向)の引っ張り応力が、中央に位置する分画領域Ta2の幅方向(Y方向)の引っ張り応力よりも低くなっている前記<1>〜<17>の何れか1に記載の吸収性物品。
<19>
前記分画領域Ta2の引っ張り応力に対する前記分画領域Ta3の引っ張り応力の割合(分画領域Ta3の引っ張り応力/分画領域Ta2の引っ張り応力)は、0.65以上0.95以下、好ましくは0.70以上0.90以下である前記<1>〜<18>の何れか1に記載の吸収性物品。
<20>
前記分画領域Ta2の引っ張り応力は、110cN以上204cN以下、好ましくは133cN以上181cN以下である前記<1>〜<19>の何れか1に記載の吸収性物品。
<21>
前記分画領域Ta3の引っ張り応力は、89cN以上165cN以下、好ましくは108cN以上146cN以下である前記<1>〜<20>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0054】
<22>
前記背側外装体は、おむつ長手方向(X方向)に3等分して3分画領域Tb1,Tb2,Tb3を形成した際に、股下領域寄りの分画領域Tb3の幅方向(Y方向)の引っ張り応力が、中央に位置する分画領域Tb2の幅方向(Y方向)の引っ張り応力よりも低くなっている前記<1>〜<21>の何れか1に記載の吸収性物品。
<23>
前記分画領域Tb2の引っ張り応力に対する前記分画領域Tb3の引っ張り応力の割合(分画領域Tb3の引っ張り応力/分画領域Tb2の引っ張り応力)は、0.20以上0.95以下、好ましくは0.25以上0.90以下である前記<1>〜<22>の何れか1に記載の吸収性物品。
<24>
前記分画領域Tb2の引っ張り応力は、110cN以上322cN以下、好ましくは108cN以上285cN以下である前記<1>〜<23>の何れか1に記載の吸収性物品。
<25>
前記分画領域Tb3の引っ張り応力は、56cN以上165cN以下、好ましくは68cN以上146cN以下である前記<1>〜<24>の何れか1に記載の吸収性物品。
<26>
前記外装体は、前記吸収性コアの備える1対の前記側部貫通スリットと重なる領域における構成シートの数に比べて、該側部貫通スリットよりも腹側領域側の前記吸収体の端部と重なる領域における構成シートの数の方が多い前記<1>〜<25>の何れか1に記載の吸収性物品。
<27>
前記吸収体を構成する前記吸収性コアに設けられた前記中央部貫通スリットを通る位置にて、幅方向(Y方向)に沿って断面視すると、該中央部貫通スリットにおいては、前記被覆材の肌側被覆材の非肌対向面と非肌側被覆材の肌対向面とが、第2接着剤層及び第3接着剤層を介して接合されている前記<1>〜<26>の何れか1に記載の吸収性物品。
<28>
前記側部貫通スリットと重なる領域においては、厚み方向(Z方向)の上方側から下方側に向かって、前記表面シートの非肌対向面と前記肌側被覆材の肌対向面とが第1接着剤層を介して接合され、前記非肌側被覆材の非肌対向面と前記裏面シートの肌対向面とが第4接着剤層を介して接合され、該裏面シートの非肌対向面と前記外装材の股下外装体の肌対向面とが第5接着剤層を介して接合されている前記<1>〜<27>の何れか1に記載の吸収性物品。
<29>
第1接着剤層及び第2接着剤層がスパイラル状に接着剤を塗工して形成され、第3接着剤層及び第4接着剤層が全面に接着剤を塗工して形成され、第5接着剤層がストライプ状に接着剤を塗工して形成されている前記<1>〜<28>の何れか1に記載の吸収性物品。
<30>
前記側部貫通スリット及び前記中央部貫通スリットにおいては、断面視して、全面塗工の第3接着剤層によって前記肌側被覆材と前記非肌側被覆材とが接合された位置と、全面塗工の第4接着剤層によって該非肌側被覆材と前記裏面シートとが接合された位置とは一致して重なっているが、スパイラル状の塗工の第1接着剤層によって前記表面シートと前記肌側被覆材とが接合された位置と、ストライプ状の塗工の第5接着剤層によって前記裏面シートと前記外装材の股下外装体とが接合された位置とが一致しておらず、重なっていない前記<1>〜<29>の何れか1に記載の吸収性物品。
<31>
第2接着剤層が、前記中央部貫通スリットを除く領域にスパイラル状に接着剤を塗工して形成されており、第3接着剤層が、該中央部貫通スリットを除く領域にストライプ状に接着剤を塗工して形成されている前記<1>〜<30>の何れか1に記載の吸収性物品。
【符号の説明】
【0055】
1 パンツ型使い捨ておむつ(吸収性物品)
10 吸収性本体
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
41 吸収性コア
43 側部貫通スリット
44 中央部貫通スリット
42 被覆材
42U 肌側被覆材
42D 非肌側被覆材
5 外装体
5A 腹側外装体
5B 背側外装体
5C 股下外装体
51 外層シート
52 内層シート
53 弾性部材
6 側方カフス
61 立体ギャザー形成用弾性部材
71 第1接着剤層
72 第2接着剤層
73 第3接着剤層
74 第4接着剤層
75 第5接着剤層
A 腹側領域、B 背側領域、C 股下領域
図1
図2
図3
図4