(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記回転可能なデバイスがピボットおよび前記ピボットで回転可能な梁を備えるデバイスであり、前記微小流体プローブ・ヘッドが前記ピボットに対して前記釣り合いおもりとは反対の前記梁の一方の側に保持され、前記ピボットが、前記ピボットが固定されている
支持体に対して回転可能である、請求項1に記載の微小流体表面処理システム。
前記処理流体回路が出口開口および入口開口をそれぞれ形成する少なくとも2つの処理流体開口をさらに備え、前記出口開口および前記入口開口が、前記出口開口を介して分注される液体を、前記入口開口を介して収集することができるように寸法調整され、位置付けられる、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の微小流体表面処理システム。
前記持ち上げ流体回路が、動作において前記プローブ・ヘッドと処理されるべき表面との間に1〜50マイクロメートルの平均ギャップ(d)が確保されるように構成される、
請求項1ないし8のいずれか一項に記載の微小流体表面処理システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、微小流体表面処理デバイスための、単純ではあるが、精密な距離制御システムおよび方法が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様によると、本発明は、表面処理流体をその処理流体開口から分注するように設計された処理流体回路を備える微小流体プローブ・ヘッドと、処理されるべき表面に向かって微小流体プローブ・ヘッドに力を印加するまたは印加される力を変調するように構成された機構、好ましくはリンク機構と、持ち上げ流体回路(lifting fluid circuit)であって、微小流体プローブ・ヘッドと一体であり、処理流体回路とは異なり、前記表面のレベルで、機構によって印加されるまたは変調される力に抗するように圧力によって、持ち上げ流体をその持ち上げ流体開口から分注するように設計された、前記持ち上げ流体回路と、を備える微小流体表面処理システムとして具現化される。
【0008】
実施形態において、前記機構は、好ましくは調整可能な釣り合いおもりを備える回転可能なデバイスであり、微小流体プローブ・ヘッドが回転可能なデバイスの一方の側にあり、回転可能なデバイスのもう一方の側の釣り合いおもりによって釣り合いがとられる。
【0009】
回転可能なデバイスは、ピボットおよびピボットで旋回可能な梁を備える回転(pivot)デバイスであるのが好ましく、微小流体プローブ・ヘッドがピボットに対して釣り合いおもりとは反対の梁の一方の側に保持され、ピボットが、ピボットが固定されている支持体に対して好ましくは回転可能である。
【0010】
好ましい実施形態において、微小流体プローブ・ヘッドは、回転可能なデバイスの前記一方の側から、好ましくは軸を介してつり下げられる。
【0011】
前記少なくとも1つの処理流体開口は、少なくとも1つの処理流体開口を介して分注される表面処理流体が少なくとも1つの持ち上げ流体開口を介して分注された持ち上げ液体内に閉じ込められたままとなることができるように、前記少なくとも1つの持ち上げ流体開口に対して配置されるのが好ましい。
【0012】
実施形態において、処理流体回路は、出口開口および入口開口をそれぞれ形成する少なくとも2つの処理流体開口をさらに備え、前記出口開口および前記入口開口が、出口開口を介して分注された液体を、入口開口を介して収集することができるように寸法調整され、位置付けられる。
【0013】
持ち上げ流体回路は、少なくとも2つの、好ましくは3つ以上の持ち上げ流体開口をさらに備えるのが好ましい。
【0014】
好ましい実施形態において、持ち上げ流体回路の2つの持ち上げ流体開口がプローブ・ヘッドの別個の面上で開口し、前記別個の面が好ましくは連続している。
【0015】
機構は、微小流体プローブ・ヘッドに結合され、プローブ・ヘッドに対して0.02〜1グラムの有効重量を提供するのが好ましい。
【0016】
実施形態において、持ち上げ流体回路は、動作において、プローブ・ヘッドと処理されるべき表面との間に1〜50マイクロメートルの平均ギャップが確保されるように構成される。
【0017】
持ち上げ流体回路または処理流体回路あるいはその両方は、毎分5〜100マイクロリットルの流量が可能となるように構成されるのが好ましい。
【0018】
好ましい実施形態において、処理流体を分注するための前記処理流体開口を備えるプローブ・ヘッドの先端は、平均0.5〜10mm
2、好ましくは1〜3mm
2である。
【0019】
処理液体開口の平均径は、20〜100マイクロメートル、好ましくは40〜60マイクロメートルであるのが好ましい。
【0020】
加えて、液体持ち上げ開口の平均径は、40〜200マイクロメートル、好ましくは50〜100マイクロメートルであってもよい。
【0021】
別の態様によると、本発明は、上記の実施形態による微小流体表面処理システムを動作させる方法として具現化され、本方法は、少なくとも1つの持ち上げ流体開口を介して持ち上げ流体を分注するステップと、プローブ・ヘッドに機構によって印加されるまたは変調される力を、好ましくはプローブ・ヘッドを落とすことによって受けさせ、処理されるべき表面に接近させるステップと、プローブ・ヘッドによって前記表面を処理するステップと、を含む。
【0022】
ここで、本発明を具現化するデバイス、システムおよび方法について、非限定的な例によって、および添付図面を参照して説明する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1〜4、6および7は、概略的な、簡略化された表現であり、必ずしも縮尺通りではない。
【0025】
以下の説明は、以下のように構造化されている。初めに、一般的な実施形態および高レベルの変形形態について説明する(第1節)。次節は、より具体的な実施形態および技術的な実施態様の詳細を扱う(第2節)。
【0026】
第1節.一般的な実施形態および高レベルの変形形態
全体的に
図1〜7を参照して、微小流体表面処理システム1に関わる本発明の態様について初めに説明する。
【0027】
システム1は、基本的に3つの本質的な要素を備え、それらは、
1.MFPヘッド10、
2.処理される表面Sに押し付けるようにMFPを付勢する機構40、および
3.持ち上げ流体回路30である。
【0028】
MFPヘッド10は、処理流体回路20を備える。処理流体回路20は、表面Sを処理する役目を果たす処理流体25を分注するように設計される。この流体は、処理流体回路20の開口21から分注される。
【0029】
機構40は、リンク機構であるのが好ましく、すべての場合で、表面Sに向かってMFPヘッドに力を印加する、または処理されるべき表面Sに向かってMFPヘッドに印加される力(例えば、重力)を変調するように構成される。
【0030】
最後に、持ち上げ流体回路30は、MFPヘッドと一体である(例えば、MFPヘッド内部に直接設けられ、またはヘッドと一体となるように、ヘッド上に取り付けられ、接続される)。しかし、持ち上げ回路は、処理流体回路とは異なる。持ち上げ回路は、前記表面Sのレベルで、機構40によって印加されるまたは変調される力に抗するように圧力によって、持ち上げ流体35を(回路30の開口31から)分注するように設計される。
【0031】
したがって、基本的概念は、2つの要素からなる。
(1)機構40、例えば、回転可能なまたは旋回システム40は、MFPヘッドが処理されるべき表面に押し付けられそっと付勢されるように、すなわち、結果として生じる力F
wが小さくなるようにMFPヘッドと相互作用する。これについては、以下で例示する。
(2)流体(典型的には液体)は、持ち上げ回路30の1つまたは複数の開口31から分注され、ヘッドで、例えば、ヘッドの直下で圧力を生成し、それによってヘッドを表面Sから持ち上げる。結果として生じる流体力学的な持ち上げは、普通ならばプローブ・ヘッドを表面に押し付けるように付勢する力F
wと釣り合う。これによって、安全なギャップd、すなわち処理される表面Sまでの最小の距離が確保される。
【0032】
あるいは、基本的な原理は、少なくとも場合によっては、MFPヘッドを処理される表面S上に自己調整させるようにMFPヘッドに作用する、短距離の(反発する)および長距離の(引き付ける)力の組み合わせとして見なされてもよい。
【0033】
要するに、上記のシステムによって、MFPヘッドの単純な自己調整された、および自動化された距離制御が可能となる。しかし、外部制御は、まったくまたはほとんど必要ない。(本発明の別の態様に関わる)対応する動作方法は、以下の通りである。初めに、持ち上げ流体は、持ち上げ流体回路30の1つまたは複数の開口31を介して分注される(S1)(回路30は、スイッチが「オン」になる)。次いで、プローブ・ヘッド10は、機構40によって印加されるまたは変調される力を受け、(例えば、表面上方でプローブ・ヘッド10を単に落とすことによって)処理されるべき表面Sに接近する(S2〜S4)。最後に、表面Sは、処理回路20により、プローブ・ヘッド10で処理されうる。
【0034】
例えば、
図1、6または7に示すような上下逆の実施形態では、機構40は、ヘッド10に作用する重力を弱めるための釣り合いおもり42またはばね42aを含む。一旦ヘッドに重みが適切に加えられると、例えば、釣り合いおもりによって釣り合いがとられると、ヘッドの有効重量は、小さくなる。それでも、この有効重量によって、表面Sに押し付けるようにヘッドが付勢されることになる。最後に、(持ち上げ回路のスイッチがオンになった後)持ち上げ回路30によって、処理されるべき表面S上にヘッドを置くのに表面上にヘッドを単に落とすことで十分となるような、最小の接近距離dが確保される。結果として、ヘッドは、ヘッド自体または表面を傷つけることなく表面上にそっと落ち、このことは視覚的に印象的である。MFPの動作は、したがって極端に簡略化される。
【0035】
(
図1、6および7に示すように)プローブ・ヘッドが上下逆で好ましく動作している場合、ヘッドを表面に押し付けて付勢するように(重力を変調する代わりに)上向きの力が印加される反対向きの装置が可能であることに留意されたい。それでも、この上向きの力に、持ち上げ力F
lがなお抗することができる。すべての場合で、持ち上げ力F
lは、処理される表面のレベルで付勢力F
wに抗するように、付勢力F
wと反対向きである。表面のレベルで、(処理される表面にさらされる)ヘッドの先端は、動作において、平衡位置のまわりで振動する。しかし、付勢力F
wは、平均して持ち上げ力F
lと(大きさにおいて)等しいが、反対向きである。
【0036】
しかし、以下で説明するほとんどの実施形態は、上下逆の機構、例えば、釣り合いがとれた揺れ腕などの回転するまたは旋回するデバイスに関わり、付勢機構40が重力を弱めるが、完全には抗さない。そうした機構は、ヘッドに小さな有効重量を付与する。このタイプの実施形態は、システムの動作を極めて簡単にする。
【0037】
例えば、および
図1、6または7に示すように、定常状態では、MFPヘッドの揚程10は、使用する実際の機構40、例えば、(
図1のような)釣り合いがとられるピボット、プーリ/釣り合いおもりシステム(
図6)、またはばね(
図7)の構成に特に依存する。したがって、揚程は、ヘッドに付与した有効重量に依存する。この揚程は、持ち上げ流体回路30の開口31、32で設定された流量、使用する流体のタイプ、ならびに、処理されるべき表面にさらされるMFPの面積、すなわちMFPヘッドの先端11の面積にさらに依存する。これらのパラメータの微調整は、MFP技術において使用される標準的な設備、例えば、ポンプ、MFPヘッド内のマイクロチャネル、さらに本文脈において付勢力F
wに抗するための、適切な持ち上げ力F
lを生成する目的に専用の設備により、試行錯誤することによって達成されうる。
【0038】
上記のようなシステムの興味深い幸運な利点は、MFPヘッド10が、(典型的に)処理された表面Sの(典型的な)表面形状のばらつきに遭遇する場合、表面までの距離が自動的に自己修正されるということである。
【0039】
別のプラスの副次効果は、持ち上げ回路30がヘッドに適切に配置されれば、例えば、ヘッドを取り囲み、またはよりよくは、例えば、処理液体回路20と同じように、MFPヘッド内部に直接構成されれば、いかなる塵粒もギャップに入ることができないということである。処理流体25を持ち上げ流体35内に閉じ込めることさえできる。その場合、流体25、35は、両方とも液体である。したがってこの場合、持ち上げ液体35は、追加機構が存在する場合は、浸漬液としても働くことができ、これについては以下で詳細に論じる。しかし、持ち上げ流体回路および処理液体回路両方とは別に、浸漬流体回路も設けられてもよい。
【0040】
この点で、ほとんどの実施形態は、典型的には液体を使用するが、特定の用途は、持ち上げ回路内または処理回路内あるいはその両方であれ、液体の代わりに気体を使用することがある。加えて、例えば、持ち上げ効果を高めるために、異なる粘度を有する液体を使用することができる。
【0041】
以前に言及したように、MFPヘッド10を表面Sに押し付けるように付勢するために使用される機構40は、いくつかの形態をとることができる。本質的に、上で引き合いに出したように、2つの限界のクラスの実施形態を区別することができる。第1の場合では、この機構40は、ヘッドに低い有効重量を付与するために重力と部分的に釣り合う(上下逆の装置)。第2の場合では、機構は、重力に打ち勝って、ヘッドを処理されるべき表面にそっと押し付けて付勢する(反転させた装置)。もちろん、いくつかの混合されたまたは中間のタイプの実施形態をこれらの2つの限界の場合の間で考えることができる。それでも、すべての場合で、機構40は、表面に向かってヘッドに適度に小さな圧力をかけるようにヘッドと相互作用する。したがって、機構40は、様々なやり方で具現化されうることが理解される。添付図面は、可能性のある変形形態を示す。第1のクラスの変形形態は、回転システムに関わり、適切な回転デバイスは、回転デバイス(梁またはレバー、
図1)、分銅、ロープおよびプーリ・システム(複滑車、
図6)を特に含む。もう1つのクラスの変形形態は、(
図7に示すような)ばね、例えば、ばねに保持されたシステムを使用する。簡潔にするため、すべての変形形態が示されているわけではない。さらに、他の変形形態は、MFPヘッドに印加される力を印加するまたは変調することが可能な多くのシステムとして、圧縮スプリング、エア・サスペンション、静電気または磁気デバイスなどに依存することができる。さらに、普通ならば持ち上げ回路30によって生じる液圧を、小さな重量を自律的に平衡させるように一緒に設計することができる。
【0042】
持ち上げ流体回路30は、所望の効果、すなわち、持ち上げ流体35が遠距離力F
wに抗するように圧力によって分注されるのを実現するために、MFPヘッドと一体であり、例えば、ヘッド10と組み合わせられるか、組み合わせ可能であるか、または接続可能である。遠距離力F
wは、以前引き合いに出した最小の接近距離dの影響を受け、表面Sのレベルで抗力を受ける。持ち上げ流体35は、必ずしもMFPヘッド10自体から出てくる必要はなく、すなわち、持ち上げ流体回路は、必ずしもヘッド内部に一体化されている必要はないが、そうであるのが人間工学的に、または以前に言及した理由のために好ましい。さらにまた、持ち上げ流体35は、別個のホルダ、近傍の小さなチップまたはデバイス、チップのまわりのパッケージングなどの、ヘッド10と一体のいかなるデバイスからも分注されうる。
【0043】
ここで、本発明の2つの実施形態についてより詳細に論じる。
【0044】
以前引き合いに出したように、機構は、
図1および6に示すように、釣り合いおもり42が備え付けられた回転可能なデバイス40であるのが好ましい。MFPヘッドは、回転可能なデバイス40の一方の側に位置し、もう一方の側に位置する釣り合いおもり42によって釣り合いがとられる。ヘッド10の有効重量は、この場合、単に変調され、すなわち、釣り合いおもり42により釣り合いがとられる。
【0045】
図1の実施形態では、回転可能なデバイス40は、ピボット44および梁(すなわちレバー)46を備える回転デバイスであり、梁がピボット44で旋回可能である。MFPヘッド10は、ピボット44に対して釣り合いおもり42と反対の、梁46の一方の側に保持される。ピボットは、普通ならばピボットが固定される支持体41に対して回転可能であるのが好ましい。(
図1のピボットのような)旋回システムまたは任意の同様の平衡型システムを使用することによって、
図6に示すようなロープおよびプーリ・システムまたはばねに基づくシステム(
図7)と比較して、より容易にMFPヘッドを取り扱うことができる。その上、調整可能な釣り合いおもり42は、
図1に示すように、より容易に旋回システムと一体化されうる。ピボット44によって、少なくとも1つの軸、あるいは必要な場合はさらに2つの、または3つの軸のまわりにさえ梁46を回転させることができる。
図1のこの例では、MFPヘッドは、梁の一方の端部に取り付けられる。梁を(X軸に関して)旋回させることによって、2つの限界位置をそれぞれ、(i)ヘッドの先端11が表面Sに近接した表面処理状態(ヘッドの下方位置)、および(ii)非処理状態(上方位置)に対応させることができる。さらに、ピボット44は、ピボット44が普通ならば固定されている支持体41と平行に(Z軸に関して)、蓄音機ターンテーブルの構成のように、場合によっては回転可能となることがある。このさらなる回転軸によって、使い勝手を改善することができ、例えば、表面Sを適位置にしたまま、表面に対するリスクなしに、ヘッドを処理位置から前後させることができる。遠隔位置において、ヘッドを、表面試料から遠く離して、取り付け(例えば、つり下げ)、検査、洗浄などを行うことができる。また、ピボットは、摺動可能に取り付けられても、またはさらに支持体41に対して回転可能および摺動可能であってもよい。
【0046】
言いかえれば、実施形態において、ユーザは、MFPヘッドのような壊れやすいものを蓄音機ターンテーブルの針と同様に動作させることができ、但し、MFPヘッドは、さらに荒っぽい方法で取り扱われてもよい。実際、持ち上げ流体の圧力によって、ヘッド10のソフト・ランディングが確実になされる。ヘッドの小さな有効重量は主回転軸xの摩擦にわずかに打ち勝って、ヘッドが表面S上にそっと落ちる。実際には、持ち上げ回路のスイッチがオンになった後、表面上にヘッドを単に落とせば十分である。この点で、機構40は、プローブ・ヘッドに0.02〜1グラムの有効重量F
wを提供するように設計されるのが好ましい。この範囲は、表面Sに対するまたはヘッド10に対する損傷が生じない、実際に最適と思われるものである。
【0047】
この点で、調整可能な釣り合いおもりシステム42が、ヘッドの有効重量を微調整するために好ましくは使用される。この調整可能な釣り合いおもりは、例えば、ヘッドの反対側に取り付けられた摺動可能なおもりから単に構成されてもよい。天秤またははかりにおいてそれ自体が知られているような他の調整システムを考えることができ、例えば、カーソルがピボットのレベルに設定される。したがって、調整可能な釣り合いおもり機構は、
図1に示す釣り合いおもり42から部分的に独立していてもよい。粗調整および微調整するためにいくつかの釣り合いおもりをさらに考えることができる。すべての場合で、調整可能な釣り合いおもりによって、MFPヘッドの有効重量を容易に調整することが可能となる。本発明者らが結論付けたように、最適なおもり調整には、実際には約10mgの精度が必要である。
【0048】
MFPヘッドは、梁46の一方の側から、好ましくは軸48を介してつり下げられるのが好ましい。MFPヘッドの上部への固定、重量配分などの目的でホルダ49をさらに設けることができる。MFPヘッドをつり下げることによって、確実にヘッドが垂直のままとなり、すなわち、流動方向が試料表面Sに垂直なままとなる。さらに、そうした設計は、ヘッドが梁の一端部に保持される設計と比較して邪魔にならない。
【0049】
図1〜4をすべて参照すると、処理流体開口21は、処理流体開口21を介して分注される表面処理流体25が持ち上げ液体35内に閉じ込められたままとなることができるように、持ち上げ流体開口31に対して配置されうる。実際、以前引き合いに出したように、持ち上げ液体35は、浸漬液としても働くことができ、それによって1つの流体回路を省くことが可能となる。浸漬液内に処理液体を閉じ込める方法および関連する技術的な利点は、MFP技術においてそれ自体が別途知られている。
【0050】
処理流体回路20は、出口開口21および入口開口22をそれぞれ形成する、典型的には2つの(または、必要に応じてより多くの)処理流体開口21、22を備える。出口21および入口22は、出口21を介して分注される何らかの流体を、入口22を介して収集することができるように寸法調整され、位置付けられる。本文脈において、出口と入口の平均径は、(先端11のレベルで)0.5〜1000マイクロメートルとなるように設計されるのが有利でありうる。出口は、例えば、必要に応じて、局所的な液体の閉じ込めを可能とするのに十分に小さく設計されてもよい。(例えば、150マイクロメートルの)そうした閉じ込めは、約20〜50マイクロメートルの出口で最もよく得られる。出口は、さらに、実質的により小さく、例えば、0.5マイクロメートルで作製することができ、これは、一部の特定の用途で有用な場合がある。開口21、22は、それぞれ、対応する開口21、22と好ましくは同じ径を有するそれぞれの出口/入口導管を終了させる。しかし、入口および出口のサイズは、実質的に異なってもよく、例えば、小さな出口、大きな入口であってもよい。入口開口21は、実際、場合によっては、特に粒子/塵による目詰まりを防止しようとする場合は、予期される閉じ込めサイズよりもはるかに大きい。開口に対して維持される寸法およびそれらの非対称性は、求められる用途に強く依存する。上記の表示寸法によって可能となる流動特性は、幅広い用途に適する。完全性を期すため、出口開口21と入口開口22との間の距離は、典型的には5マイクロメートルよりも大きいが、2000マイクロメートルよりも小さくもある。そうした寸法によって、安定した閉じ込めを原理上は実現することができる。より小さな寸法は、作製の点から実際的でないが、より大きな寸法は、不安定な閉じ込めをもたらす可能性がある。層状の液体流が好ましいことがある。
【0051】
ここで
図2〜4を参照すると、実施形態において、持ち上げ流体回路30は、2つの、好ましくは、3つ以上の開口31、32、33をさらに備えることができる。具体的には、
図2(a)および
図2(b)を参照すると、持ち上げ流体回路30の2つの持ち上げ流体開口31、33がプローブ・ヘッド10の別個の面11、13上で開口することができるのが有利である。前記別個の面11、13は、さらに、
図2(a)に示すように、典型的には連続している。実際、本発明者らが認識したように、MFPヘッドの先端11での液体の蓄積は、場合によっては、ヘッドの浮揚に影響を与えることがある。この問題は、系統的には起こらない(これは、使用する持ち上げ液体に特に依存する)が、この現象は、例えば、釣り合いおもり42を再調整することによって対処されうる。ヘッドのエッジ13上に追加のマイクロチャネルおよび対応する開口33を設けることによって、過剰液体をより容易に除去することができ、これは、釣り合いおもりの再調整をまったく必要とすることなく連続的に行われる。追加のマイクロチャネルおよび対応する開口33は、
図2(b)の実施形態に例示するように、基本の持ち上げ回路30から独立して(過剰液体除去専用の)回路の一部を形成することができる。
【0052】
追加の開口33および対応する導管/マイクロチャネルの寸法は、出口/入口開口/導管31、32のものと同じであってもよい。したがって、追加のチャネルをMFPヘッドの側部に設けて、過剰な持ち上げ液体を引き去ることができる。例えば、
図2(a)または
図2(b)に示すように、1つのそうしたチャネルを、先端11と隣接して、チップの各側13に設けることができる。完全性を期すため、
図2(b)は、ここでは流動閉じ込め、浮揚、および過剰液体/浸漬液の吸引にそれぞれ専用の別個の流体回路20、30、33を備えるMFPヘッドの写真である。これらの回路は、導管またはマイクロチャネル、対応する開口、および外側の流体除去回路33の回路を終了させるバイア33vのようなバイアを含む。バイアによって、微小流体プローブ・デバイスの他の構成要素との間の流体連通が可能となる(図示せず)。
【0053】
以前に言及したように、持ち上げ流体回路30の精密な構成は、パラメータの数に依存する。さらに、持ち上げ流体回路30は、プローブ・ヘッドの先端と表面との間に平均ギャップdが確保されるように構成されるのが好ましく、このギャップが平均して1〜50マイクロメートルに含まれる。相対的な寸法に関する表示が
図2(a)に示され、持ち上げ力F
lは、浮揚開口31、32を通る液体流(D)によりMFPヘッドに作用し、結果として揚程dが生じる(層流を仮定して)。(本文脈に適用される、基本的な物理法則、具体的にはナビエ・ストークス方程式から導出することができるように)持ち上げ力F
lは、D・R(d)に比例し、このD・R(d)がd
−3にほぼ比例することが分かり、ここで、Rは流体力学的抵抗を示し、Dは液体の体積流量である。
【0054】
典型的な実施形態において、持ち上げ流体回路30または処理流体回路20あるいはその両方は、毎分5〜100マイクロリットルの流量が可能となるように構成される。それ自体知られているように、様々なタイプの処理液体が使用される。持ち上げ流体は、液体であってもよく、有機溶媒またはイオン性液体の中から選ばれてもよい。気体、例えば、空気も同様に使用することができる。
【0055】
特に好ましい実施形態において、(シリコン/ガラスから作られた)MFPヘッドが使用され、このヘッドが、
図2(b)のように、浮揚液体用の追加のエッチングされたマイクロチャネルを備える。このMFPヘッドは、外部ポンプに接続され、流量が毎分約5〜100μLであり、重量調整が(約10mgの精度を提供する釣り合いおもりが備え付けられた)揺れ腕によって実現され、調整後のヘッドの重量が約0.02〜1グラムであり、達成することができる基板までのギャップが典型的には1〜50μmであり、浮揚液体は水溶液である。
【0056】
図2(c)は、観察結果、特に、フルオレセン溶液を閉じ込めた顕微鏡画像からモデル化された、開口31、32と21、22との間の典型的な流線を表したものである(浮揚および処理液体は、この例では混和性である)。最小の矢印は、処理液体25の閉じ込めを示し、最大の矢印は、浮揚開口31、32を通して注入された液体を表す。本例では、浮揚液体35の寸法および流速は、処理液体25内の層流を乱していない。
【0057】
プローブ・ヘッドの先端11は、典型的には0.5〜10mm
2、好ましくは1〜3mm
2である。加えて、処理液体開口の平均径は、典型的には20〜100マイクロメートル、好ましくは40〜60マイクロメートルである。液体持ち上げ開口の平均径は、典型的には40〜200マイクロメートル、好ましくは50〜100マイクロメートルである。上記の寸法範囲は、本発明者らが調査した広範な表面処理用途によく適していることが分かった。
【0058】
例えば、
図2(c)の実施形態は、以下の仕様一式を有し、この仕様は実際に有用であることが分かった。
先端サイズ:1mm×1.5mm、
流動閉じ込め用の開口サイズ:約50μm、
浮揚用の開口サイズ:50〜100μm(MFPヘッド当たり2つの開口を有する)、すなわち開口31、32は典型的には開口21、22よりも大きい。
図2(c)では、
図2(a)および
図2(c)とは対照的に、浮揚液体を引き抜くための開口が設けられていないことに留意されたい。
【0059】
次に、
図3の実施形態では、複数の平行な注入導管および対応する開口が、浮揚液体/浸漬液を分注するように実施され、持ち上げ性能を調整する働きをすることができる構成である。必要な場合は、異なる流量が、例えば、各注入導管に提供されてもよい(持ち上げ流体開口は、基板に対するヘッドの平行度を調整するために個々に扱われうる)。1つの利点は、処理液体の流動閉じ込めを乱さずに、効率的な持ち上げ力を得ることである。
図4では、浮揚液体用の複数の注入開口が実施され、処理液体開口21、22のまわりに対称に配置されている。この構成は、持ち上げ性能を改善するのにも役立つ。しかし、
図4の持ち上げ流体開口の構成では、
図3の平行な構成とは対照的に、
図2(a)に示したような垂直のMPFプローブ・ヘッドと互換性がある水平のMFPチップを使用することが必要である。最後に、持ち上げ力は、抵抗とともに線形に拡大縮小する、すなわちF
l〜Rであるため、よりよい持ち上げ性能のために大きな流動抵抗を使用することができるのが有利であることが特筆される。より複雑な(しかも最適化された)開口幾何学形状を考えることができるのは明らかである。
【0060】
図5は、大きな曲率を有する表面を局所的に着色するための装置の写真である。試作品として、卵殻Sに浮揚MFPヘッド10によって模様が付けられている。この装置は、モータ駆動ステージ60、ホルダ49にクランプされたMFPヘッド10から構成され、このホルダ49は、MFPヘッドの重量と釣り合うように揺れ腕46に取り付けられた。近接写真は、卵殻Sと相互作用する浮揚MFPヘッド10を有するホルダ49を示す。実際、卵は、卵が非平面の不規則な表面形状を有するため、特に挑戦的な表面として選ばれた。写真は、他に管類51および試料スキュア52を示す。他の参考符号が付された構成要素は、
図1に関してすでに論じたものに対応する。
【0061】
図5の装置は、卵の殻上にログウッド抽出物による75〜100μm幅の線を引くためにテストとして使用された。加えて、本発明者らは、他の「挑戦的な」表面の局所的な処理のために本発明による様々な装置をテストした。例えば、35μm厚のCu表面を、閉じ込めたNa
2S
2O
8溶液(20%w/v)を使用して局所的にエッチングした。装置の一部は、不透明な基板をエッチングし不透明な基板と相互作用するためにテストされた。バイオ用途に関して、本発明によるシステムは、本発明者らがテストしたように、組織切片を着色するために使用することができる(免疫組織化学、蛍光in−situハイブリダイゼーション、RNA抽出)。
【0062】
上記の実施形態は、添付図面を参照して簡潔に説明されており、多くの変形形態に対応することができる。例えば、浮揚開口間の間隔は、変えることができ、異なる幾何学形状を浮揚開口に提供することができ、他の材料(ガラス、シリコン、ポリマ、金属など)を使用して、MFPヘッドを作製することができ、デバイス/チップのサイズは、数ミリメートルから数センチメートルまで変わってもよく、MFPヘッドの先端は、平らである必要はない。MFPヘッドは、持ち上げ性能を変調/改善するためにわずかに凹面であってもよく、さらにキャビティを備えてもよく、最後に、重量調整は、他の機構(例えば、磁気持ち上げ)によって実現されてもよい。上記の特徴のいくつかの組み合わせを他に考えることができる。例は、次節で示される。
【0063】
第2節.特定の実施形態/技術的な実施態様の詳細
好ましい実施形態は、基本的に多層のMFPヘッドを使用する。一般の微小流体デバイスにおけるのと同様、本表面処理デバイスは、ユーザ・チップ・インターフェースおよび閉じた流路が備え付けられていてもよい。閉じた流路によって、機能要素(例えばヒータ、ミキサ、ポンプ、UV検出器、バルブなど)の一体化が容易となり、これらの機能要素は、リークおよび蒸発に関連する問題を最小化しながら、本表面処理デバイスと一体化されうる。
【0064】
(
図2(b)で見て分かるように)MFPヘッドは、内部マイクロチャネルの作製を容易にするために多層のデバイスとして作製されるのが好ましい。そうしたMFPヘッドは、Siウェーハを使用して微細加工されてもよいが、他の材料が使用されてもよい。例えば、上部層(Si)、すなわち、SiのふたがHFCチップの頂部に設けられてもよい。片面および両面研磨されたSiウェーハが、SiおよびHFCチップに対してそれぞれ使用されてもよい。ウェーハは両方とも、例えば、直径が4インチ(10.16cm)および厚さが400μmである(Siltronix、ジュネーブ、スイス)。微細構造は、標準フォトリソグラフィ、フォトプロットされたポリマ・マスク(Zitzmann有限会社、Eching、ドイツ)およびDRIEを使用して作ることができ、例えばSTS ICP、Surface Technology Systems、Newport、英国を参照されたい。HFCチップのマイクロチャネルは、HFCウェーハの上面内に50μmの深さにエッチングされうる。ウェーハの底面は、必要な場合、50μmの高さにメサおよびポストを形成するように処理されてもよい。HFCウェーハの底面からDRIEでエッチングを使用して開口開けを行うことができる。それによって、10μm未満の横方向寸法を有する明確に画成された開口を得ることができる。開口は、薄いSiウェーハをHFCチップに使用する場合により正確に作製されえて、一方でふたウェーハを厚いままにしてヘッドに機械的強度を提供することができる。
【0065】
Siのふたは、片面研磨されたウェーハを貫通して800μmの径を有するバイアをエッチングすることによって生成されうる。次に、両ウェーハの組立体は、ふたウェーハの研磨された面上に約3μmのポリイミドの接着剤(HD Microsystems有限会社、Neu-Isenburg、ドイツ)をスピンコートすることによって、続いて両ウェーハを位置合わせして接合することによって実現される。接合は、2バールの圧力で10分間、320℃で行われる(PRESSYS LE、Paul-Otto Weber有限会社、Remshalden、ドイツ)。上部ふたは、必要な場合、検知を可能にする任意の適切な層で終了することができる。次いで、MFPヘッドは、ダイシングされ、保管されうる。ポートの取り付けは、エポキシ接着剤リング(Upchurch Scientific、Ercatech、ベルン、スイスのNanoport(TM) Assemblies、エポキシ接着剤リングが供給される)を使用して行われてもよい。例えば、成型されたPDMSのブロックの代わりに標準のポートおよび取り付け具を使用することによって、ヘッドを組み立てるのに必要な労力が低減される。接着剤のマイクロチャネルへの侵入は排除することができないため、MFPヘッドは、実際にポートを取り付ける前にリークおよび目詰まりに対してテストされるのが好ましい。その点では、使い捨てのピペット・チップをバイアのサイズと一致するようにカットすることができ、液滴がどこか他から漏れずに開口を出ることができるかどうかを拡大鏡で観察しながら、液体を、チャネルを通って押し出すことができる。ポートとバイアとの位置合わせは、最後に手動で行われてもよい。続く接合は、例えば、ホットプレート上で、またはオーブン内で140℃で約1時間行われる。
【0066】
ところで、上で論じたような多層のヘッドは、開口を小さくして、互いに近接させることができ、水平のマイクロチャネルがSiのふた上に多くのポートを追加するのに十分な空間を残すように十分に扇形に広がるため、多くの液体の使用に対してより適してもいる。
【0067】
最後に、(本実施形態の典型的な用途に対する)典型的な要件についてここで論じ、これらの要件は、特に、走査中の横方向変位、走査速度、応答時間、液体体積、フットプリントなどに関わる。
【0068】
1.走査中の横方向変位(移動範囲)
上記のようなシステムは、スライド・ガラス(典型的に25mm×75mm)上で使用されるのが好ましい。さらに、現在利用可能な線形駆動装置(ステージ)があれば、最大10cm×10cmの表面を走査することができる。
図5の例は、一方向の連続移動も可能でもあることを示す。
【0069】
2.走査速度
表面処理は、静止した状態で、または静止せずに行いうる。例えば、走査速度は、毎秒約0.1マイクロメートルから毎秒数ミリメートルまで変えることができる。例えば、処理溶液と表面間の接触を緩やかにしようと思う場合は、走査速度を、例えば、毎秒5mmに増加させることができる。浮揚効果は、依然としてこの速度で働くが、パターニングは、もはや可能ではない。したがって、突然の速度変化を使用して不連続パターンを作成することができる(ストップ・アンド・ゴーの動き)。さもなければ、0.1μm/s〜100μm/sの走査速度が連続的なパターニングに使用されるのが好ましい。
【0070】
3.応答時間
表面形状までの距離に十分に適合する際の応答時間は、通常1秒未満(<1s)の領域にあり、恐らく1マイクロセカンドを上回ったままである。
【0071】
4.容積、層流、安定性
以前に言及したように、層流の物理的現象から恩恵を得るようスケーリングを利用することができる。層流により、MFPヘッドの釣り合いが平衡に達するとき、高い安定性を実現することができる。いかなる外部擾乱もなしに、特にヘッドに0.02〜1グラムの有効力F
wが印加される場合、MFPヘッドは、表面上方で驚くほど安定した状態に(典型的には印加方向、すなわち
図1のz方向の数マイクロメートル未満の範囲内に)とどまる。さらに、処理液体の流動閉じ込めは、乱されず、これは乱流に関しては不可能である。
【0072】
5.局所化およびフットプリント
以前に論じた実施形態の少なくとも一部の別の顕著な態様は、あるフットプリント(典型的にはMFPに対して150μm×75μm)で局所的に処理(例えば、着色)することができるということである。過剰な浮揚流体が吸引される実施形態では、システムの全体の液体(処理液体プラス浮揚液体)のフットプリントを、処理流体フットプリントのサイズの約10倍(であるが、典型的には約5倍)まで低減させることが可能である。表面が液体に敏感な一部の場合では、全体のフットプリントをできる限り小さくしたいものである。他の例では、これは、浮揚液体がヘッドを引き下げ始めない限り、問題とならない。
【0073】
結論として、微小流体表面処理デバイスの距離調節は、微小流体プローブ技術にとって重要な側面である。本明細書に記載された方法およびデバイスは、広範な粘度、幾何学形状、および表面形状に対して機能する。本発明は、限られた数の実施形態、変形形態、および添付図面に関して記載されているが、本発明の範囲から逸脱せずに様々な変更を行うことができ、均等物に置き換えられてもよいことを当業者は理解されるであろう。具体的には、所与の実施形態、変形形態において列挙された、または図面に示された(デバイス様の、または方法様の)特徴は、本発明の範囲から逸脱せずに、別の実施形態、変形形態、または図面において別の特徴と組み合わせられ、または置き換えられてもよい。上記の実施形態または変形形態のいずれかに関して記載された特徴の様々な組み合わせは、したがって、添付の特許請求の範囲の範囲内にとどまると考えることができる。加えて、本発明の範囲から逸脱せずに、特定の状況または材料を本発明の教示に適合させるために多くの軽微な変更を行ってもよい。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されず、本発明は、添付の特許請求の範囲の範囲内に入る実施形態すべてを含むことが意図されている。加えて、明示的に上で言及した以外の多くの変形形態を考えることができる。例えば、前記したように、他の機構を使用して、重力を変調する、または表面に向かってMFPヘッドに都合のよい力を印加することができる。また、処理される表面の表面形状ばらつきによりうまく対応するために、MFPヘッドは、ばねなどを介して梁からつり下げられてもよい。