【実施例1】
【0018】
図面において、スパウト1は、2枚のプラスチックフィルム2の周縁2aを溶着し、詰替内容物3を収容する詰替容器4の周縁4aに溶着して用いられるもので、開口部5は開口端5aにおいて溶着または接着されたフィルム21によって閉塞され、さらにその上から外キャップ20により螺合されている。フィルム21には一部に剥がすための摘み部22が設けられている。外キャップ20の内周面にはスパウト開口部5の外周面の雄ネジ9aと螺合する雌ネジ8aが螺刻されている。そして、さらにこのスパウト1は、その開口部内周面に詰替内容物3を移し替える容器本体6(
図6、7参照)の口部7の雄ネジ8に螺合する雌ネジ9を螺刻し、この雌ネジ9の下方において、容器本体6の口部7上面と相俟って封止する径方向内方に突出するシール突起部10を設けると共に、このシール突起部10には少なくとも1個の通気路11を設け、且つ、シール突起部10の下方において、径方向内方に突出するリング状フラップ12を設けている。このリング状フラップ12は、
可撓性を有しており、容器本体口部の内径(R2)より小さい内径(R1)に形成され、その先端から付け根に向かって延びる複数の切欠き13によって分割されて
いるから、スパウト1に螺合されている外キャップ20を螺脱した後、詰替容器4のスパウト1に空の容器本体6の口部7を螺着して容器本体6内に詰替内容物3を移し替える際、リング状フラップ12により詰替内容物3を誘導すると共に、
通気路11にて容器本体6内のエアーを外部に排出するものである。
【0019】
前記詰替容器4は、2枚のプラスチックフィルム2の周縁2aを溶着して袋状にし、詰替内容物3を収容できるようにして、袋状の詰替容器4の開口している部分の周縁4bにスパウト1を溶着してなる。
【0020】
閉塞部として用いられるフィルム21としては、プラスチックフィルム、アルミニウム箔等の金属箔またはその積層フィルムが好適に用いられる。詰替内容物3の詰め替え時には外キャップ20を螺脱し、スパウト開口端5aのフィルム21を剥がしてスパウト開口部を露出状態にする。その結果、フィルム21及び外キャップ20の閉蓋により詰替容器4の密封性が保持されるとともに、輸送時などに不意の衝撃による内容物のこぼれを防止でき、且つ外キャップの螺脱ならびにフィルムの剥がしだけの操作で詰替容器4を容易に開口することができる。また、この外キャップ20及びフィルム21に代えて、スパウト1の開口部5の上端に弱化部を介して接続する折り取り部をスパウト1と一体的に成形しても良い。この場合、折り取り部が詰替容器4の閉塞部となる。この場合、閉蓋部を引きはがすだけで詰替容器4を容易に開口することもできると共に、フィルムに比べ低コストで成形可能というメリットがある。更に閉塞部には、引きはがしを容易にするための摘み部を設けておくことが好ましい。
【0021】
そして、このスパウト1開口部5の内周面には雌ネジ9を螺刻してあり、この雌ネジ9は、詰替容器4の詰替内容物3を移し替える容器本体6の口部7に螺刻している雄ネジ8に螺合できるものになっている。また、この雌ネジ9の下方の内周面に、容器本体6の口部7上面と相俟って封止する、径方向内方に突出するシール突起部10を設けてあり、スパウト1内に容器本体6の口部7を差し入れ螺合して行き、その口部7がスパウト1のシール突起部10に当たるまで螺合することで、詰替容器4と容器本体6とのシール性が確保されることになる。シール突起部は、断面形状で見て、上面が下方内方に傾斜する傾斜面、下面が略水平面となっており、詰替作業時の際は、この傾斜面が容器本体6の口部7上面と当接することとなる(
図6参照)。
【0022】
一方、シール突起部10には、
図4に示した例では8個の通気路11が設けられているが、少なくとも1個の通気路11が設けられていればよい。すなわち、容器本体6内に詰替容器4の詰替内容物3をスムーズに移し替えるために、それに必要な容器本体6内のエアーを、外部に排出できればよく、通気路11の数量には特に限定がない。
【0023】
さらに、このシール突起部10の下方の内周面には、径方向内方に突出するリング状フラップ12が設けられ、このリング状フラップ12はその先端から付け根に向かって延びる複数の切欠き13、この実施例ではシール突起部10の通気路11と同数の8個の切欠き13、によって分割されている。リング状フラップは
容器本体口部の内径(R2)より小さい内径(R1)に形成されているから、これによって、詰替容器4内の詰替内容物3を、容器本体6の口部7の内径(R2)より小さい内径(R1)のリング状フラップ12によって、容器本体6内に誘導することで、その口部7を詰替内容物3により汚す虞を確実に無くすことが出来る。
【0024】
なお、このリング状フラップ12における複数の切欠き13と、前記シール突起部10のすくなくとも1個の通気路11との周方向位置が、互いに合致しないように配設してある。すなわち、この実施例では、リング状フラップ12の切欠き13と、シール突起部10の通気路11とが共に8個なので、360度/(8+8)個=22.5度/個ずつの等間隔でずらしてある。換言すれば、通気路11の周方向位置はリング状フラップ12の略中央に位置している。(
図4参照)
【0025】
したがって、空の容器本体6内に詰替容器4内の詰替内容物3を移し替える際、詰替内容物3はリング状フラップ12により容器本体6内に確実に誘導されるとともに、スパウトの通気路11の上方には必ずリング状フラップ12が存在しているため、詰替内容物3が通気路に入り込むことが確実に防止される。従って、誤って詰替内容物3が容器本体6の外部にこぼれる虞がない。また、移し替える際のスパウト1のリング状フラップ12は径方向内方に下方に向かって延びている(
図6とは上下方向が逆転)ため、詰替内容物3がフラップ12の付け根に溜まってしまうことも防止される。
【0026】
次に、上記構成になるスパウト1を有した詰替容器4内の詰替内容物3を、空の容器本体6内に移し替える状況について説明する。
まず、詰替容器4の開口部5に螺着されている外キャップ20を螺脱すると共に閉塞フィルム21を引き剥がし、詰替容器4の開口部5を露出状態にし、詰替容器4内の詰替内容物3を移し替えできる状態にする。次に、空の容器本体6を逆さにして、開口したスパウト1の開口部5内に、空の容器本体6の口部7を差し入れ、口部7の外周面の雄ネジ8とスパウト1の開口部内周面の雌ネジ9と螺合して行き、その口部7がスパウト1のシール突起部10に当接するまで螺合したあと、空の容器本体6を下に、詰替容器4を上になるように上下反転させ、空の容器本体6内に詰替容器4内の詰替内容物3を移し替える。
【0027】
その際、空の容器本体6内のエアーは、スパウト1の通気路
11を通って外部に排出される。一方、詰替容器4内の詰替内容物3は、リング状フラップ12により誘導されて空の容器本体6内に移し替えられる。この際、空の容器本体6内の低粘度のエアーは、
図7の矢線Aで示すように、互いに合致していない通気路11及び切欠き13でも容易に通り、外部にスムーズに排出され、詰替容器4内の高粘度の詰替内容物3は、軸方向で互いに合致していない通気路11及び切欠き13により通りづらく、外部に漏れることがない。しかも、リング状フラップ12の先端の内径(R1)が容器本体6の内径(R2)より小(R1<R2)に
しているから、このリング状フラップ12により容器本体6内に詰替内容物3を誘導しても、その口部7を詰替内容物3により汚す虞が無い。
【0028】
以上、本発明の実施例1を説明したが、具体的な構成はこれに限定されず、例えば、詰替容器が2枚のプラスチックフィルムの周縁を溶着したものでなくても良く、さらに、本発明の要旨を逸脱しない範囲での変更は、適宜可能であることが理解されるべきである。