特許第6183872号(P6183872)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6183872電気駆動無人機及びそのスマート電力量保護方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6183872
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】電気駆動無人機及びそのスマート電力量保護方法
(51)【国際特許分類】
   B64C 13/18 20060101AFI20170814BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20170814BHJP
   B64D 27/24 20060101ALI20170814BHJP
   B64C 13/20 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   B64C13/18 D
   B64C39/02
   B64D27/24
   B64C13/20 C
【請求項の数】28
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2016-533794(P2016-533794)
(86)(22)【出願日】2014年7月16日
(65)【公表番号】特表2016-531042(P2016-531042A)
(43)【公表日】2016年10月6日
(86)【国際出願番号】CN2014082350
(87)【国際公開番号】WO2016008125
(87)【国際公開日】20160121
【審査請求日】2015年12月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】513068816
【氏名又は名称】エスゼット ディージェイアイ テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SZ DJI TECHNOLOGY CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】シ、レン リ
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ジアン ユ
(72)【発明者】
【氏名】チェン、シ
【審査官】 諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−037204(JP,A)
【文献】 特開2006−082774(JP,A)
【文献】 特開2014−031118(JP,A)
【文献】 特開2011−240745(JP,A)
【文献】 特表2007−525371(JP,A)
【文献】 特開2002−166895(JP,A)
【文献】 実開平04−039995(JP,U)
【文献】 特開2002−308190(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0071706(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 13/18−13/20
B64C 39/02
B64D 27/24
B64D 45/00−47/08
G05D 1/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池の現在の電力残量をリアルタイムに取得するステップと、
電気駆動無人機の現在位置の座標情報をリアルタイムに取得して、前記電気駆動無人機の現在位置の座標情報に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置で安全保護指令を実行するのに必要な安全電力量を算出するステップと、
前記現在の電力残量が前記安全電力量より大きいか否かを判断するステップと、
前記現在の電力残量が前記安全電力量以下であれば、相応する前記安全保護指令を直ちに実行するステップと
を含み、
前記安全電力量は、前記電気駆動無人機が前記現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量、前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量、前記電気駆動無人機が安全装置を開くのに必要な電力量のうちの少なくとも1つを含み、
それによって、前記安全保護指令は、直ちに前記予め定められた位置まで帰航する指令、直ちに前記現在位置から直接着陸する指令、直ちに前記安全装置を開く指令のうちの少なくとも1つの指令を含み、
前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量を算出するステップは、
前記電池の総電力量及び飛行時間を取得し、前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度を算出するステップと、
前記現在位置、及び出発スポットの座標情報に基づき、前記現在位置から前記出発スポットまで前記電気駆動無人機の対地高度を算出するステップと、
前記対地高度に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な時間を算出するステップと、
前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度及び前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な時間に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量を算出するステップと
をさらに含む、電気駆動無人機のスマート電力量保護方法。
【請求項2】
前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量は、リザーブ電力量を含み、前記電池の現在の電力残量が、前記電池の実際の電力残量から予め定められた電力量を差し引いた後の電力量であり、前記リザーブ電力量が前記安全電力量の算出誤差の補償とされている請求項に記載の電気駆動無人機のスマート電力量保護方法。
【請求項3】
前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航する経路は、元飛行経路、前記現在位置と前記予め定められた位置との水平方向における直線経路及び鉛直方向における直線経路、並びに前記現在位置と前記予め定められた位置との間の直線経路のうちの1つの経路である請求項に記載の電気駆動無人機のスマート電力量保護方法。
【請求項4】
前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量を算出するとき、前記電気駆動無人機は予め定められた基準に基づき自動的に帰航経路を選択して、選択された帰航経路に基づき前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量を算出する請求項1から3の何れか一項に記載の電気駆動無人機のスマート電力量保護方法。
【請求項5】
前記予め定められた基準は、消費電力量が最も少ないこと、帰航の行程が最も短いこと、及び変速回数が最も少ないことのうちの少なくとも1つを含む請求項に記載の電気駆動無人機のスマート電力量保護方法。
【請求項6】
電池の現在の電力残量をリアルタイムに取得するステップと、
電気駆動無人機の現在位置の座標情報をリアルタイムに取得して、前記電気駆動無人機の現在位置の座標情報に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置で安全保護指令を実行するのに必要な安全電力量を算出するステップと、
前記現在の電力残量が前記安全電力量より大きいか否かを判断するステップと、
前記現在の電力残量が前記安全電力量以下であれば、相応する前記安全保護指令を直ちに実行するステップと
を含み、
前記安全電力量は、前記電気駆動無人機が前記現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量、前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量、前記電気駆動無人機が安全装置を開くのに必要な電力量のうちの少なくとも1つを含み、
それによって、前記安全保護指令は、直ちに前記予め定められた位置まで帰航する指令、直ちに前記現在位置から直接着陸する指令、直ちに前記安全装置を開く指令のうちの少なくとも1つの指令を含み、
前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量を算出するとき、前記電気駆動無人機は予め定められた基準に基づき自動的に帰航経路を選択して、選択された帰航経路に基づき前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量を算出し、
前記予め定められた基準は消費電力量が最も少ないことであり、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量を算出するステップは、
前記電気駆動無人機が前記現在位置から異なる経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な消費電力量をそれぞれ算出するステップと、
前記異なる経路に相応する必要な帰航電力量を算出し、かつ自動的に前記帰航電力量が最も少ない経路を帰航経路として選択するステップと、
をさらに含み、
ここで前記帰航電力量が前記帰航経路に相応する消費電力量を含む電気駆動無人機のスマート電力量保護方法。
【請求項7】
電池の現在の電力残量をリアルタイムに取得するステップと、
電気駆動無人機の現在位置の座標情報をリアルタイムに取得して、前記電気駆動無人機の現在位置の座標情報に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置で安全保護指令を実行するのに必要な安全電力量を算出するステップと、
前記現在の電力残量が前記安全電力量より大きいか否かを判断するステップと、
前記現在の電力残量が前記安全電力量以下であれば、相応する前記安全保護指令を直ちに実行するステップと
を含み、
前記安全電力量は、前記電気駆動無人機が前記現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量、前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量、前記電気駆動無人機が安全装置を開くのに必要な電力量のうちの少なくとも1つを含み、
それによって、前記安全保護指令は、直ちに前記予め定められた位置まで帰航する指令、直ちに前記現在位置から直接着陸する指令、直ちに前記安全装置を開く指令のうちの少なくとも1つの指令を含み、
前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航する経路は、元飛行経路、前記現在位置と前記予め定められた位置との水平方向における直線経路及び鉛直方向における直線経路、並びに前記現在位置と前記予め定められた位置との間の直線経路のうちの1つの経路であり、
前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量を算出するステップは、
前記電池の総電力量及び飛行時間を取得し、前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度を算出するステップと、
前記現在位置及び前記予め定められた位置の座標情報に基づき、前記現在位置から前記予め定められた位置まで前記電気駆動無人機の水平距離及び対地高度を算出するステップと、
前記水平距離及び前記対地高度に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な時間を算出するステップと、
前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度及び前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な時間に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量を算出するステップと
をさらに含む電気駆動無人機のスマート電力量保護方法。
【請求項8】
前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量は、算出された前記水平距離について必要な電力量及び算出された前記対地高度について必要な電力量を含み、前記水平距離について必要な電力量が第1のリザーブ電力量を含み、前記対地高度について必要な電力量が第2のリザーブ電力量を含む請求項に記載の電気駆動無人機のスマート電力量保護方法。
【請求項9】
電池の現在の電力残量をリアルタイムに取得するステップと、
電気駆動無人機の現在位置の座標情報をリアルタイムに取得して、前記電気駆動無人機の現在位置の座標情報に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置で安全保護指令を実行するのに必要な安全電力量を算出するステップと、
前記現在の電力残量が前記安全電力量より大きいか否かを判断するステップと、
前記現在の電力残量が前記安全電力量以下であれば、相応する前記安全保護指令を直ちに実行するステップと
を含み、
前記安全電力量は、前記電気駆動無人機が前記現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量、前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量、前記電気駆動無人機が安全装置を開くのに必要な電力量のうちの少なくとも1つを含み、
それによって、前記安全保護指令は、直ちに前記予め定められた位置まで帰航する指令、直ちに前記現在位置から直接着陸する指令、直ちに前記安全装置を開く指令のうちの少なくとも1つの指令を含み、
前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航する経路は、元飛行経路、前記現在位置と前記予め定められた位置との水平方向における直線経路及び鉛直方向における直線経路、並びに前記現在位置と前記予め定められた位置との間の直線経路のうちの1つの経路であり、
前記予め定められた位置は、前記電気駆動無人機により記録されている飛行経路における1つの位置座標であり、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量を算出するステップは、
前記電池の総電力量及び飛行時間を取得し、前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度を算出するステップと、
前記現在位置及び前記予め定められた位置の座標情報、並びに元飛行経路の行程情報に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記元飛行経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航する総距離を算出するステップと、
前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記元飛行経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航する総距離に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記元飛行経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な時間を算出するステップと、
前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度、及び前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記元飛行経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な時間に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記元飛行経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量を算出するステップと
をさらに含む請求項5に記載の電気駆動無人機のスマート電力量保護方法。
【請求項10】
前記電気駆動無人機の着陸過程に要する時間は、前記電気駆動無人機の降下高度と前記電気駆動無人機の降下中の速度によって算出されており、前記電気駆動無人機が降下するとき、複数の予め定められた高度で変速する請求項1から9の何れか一項に記載の電気駆動無人機のスマート電力量保護方法。
【請求項11】
電池の現在の電力残量をリアルタイムに取得するステップと、
電気駆動無人機の現在位置の座標情報をリアルタイムに取得して、前記電気駆動無人機の現在位置の座標情報に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置で安全保護指令を実行するのに必要な安全電力量を算出するステップと、
前記現在の電力残量が前記安全電力量より大きいか否かを判断するステップと、
前記現在の電力残量が前記安全電力量以下であれば、相応する前記安全保護指令を直ちに実行するステップと
を含み、
前記安全電力量は、前記電気駆動無人機が前記現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量、前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量、前記電気駆動無人機が安全装置を開くのに必要な電力量のうちの少なくとも1つを含み、
それによって、前記安全保護指令は、直ちに前記予め定められた位置まで帰航する指令、直ちに前記現在位置から直接着陸する指令、直ちに前記安全装置を開く指令のうちの少なくとも1つの指令を含み、
前記電気駆動無人機の着陸過程に要する時間は、前記電気駆動無人機の降下高度と前記電気駆動無人機の降下中の速度によって算出されており、前記電気駆動無人機が降下するとき、複数の予め定められた高度で変速する電気駆動無人機のスマート電力量保護方法。
【請求項12】
前記複数の予め定められた高度は第1の予め定められた高度及び第2の予め定められた高度を含み、まず前記第1の予め定められた高度まで等速度降下し、次に徐々に減速して前記第2の予め定められた高度まで降下し、最後に等速度着陸する請求項10または11に記載の電気駆動無人機のスマート電力量保護方法。
【請求項13】
前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度は、予め定められた時間△tの間隔をおいて、複数回測定して得られた数値の平均値を取得することによって獲得され、ここで、第n個目の予め定められた時間△tにおける電力量消費速度は(Q1−Qn)/n*△tであって、Q1が電池の総電力量であり、Qnが第n回目の予め定められた時間△tの間隔をおいた後に検出される前記電池の現在の電力残量である請求項1から57、及び9の何れか一項に記載の電気駆動無人機のスマート電力量保護方法。
【請求項14】
電気駆動無人機のスマート電力量保護方法であって、
電池の現在の電力残量をリアルタイムに取得するステップと、
電気駆動無人機の現在位置の座標情報をリアルタイムに取得して、前記電気駆動無人機の前記現在位置の座標情報及び予め定められた位置の座標情報に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量、及び前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量を算出するステップと、
前記現在の電力残量が前記電気駆動無人機について前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量より大きいか否かを判断するステップと、
前記現在の電力残量が前記電気駆動無人機について前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量以下であれば、前記現在位置から直接着陸する指令を自動的に実行するステップと、
前記現在の電力残量が前記電気駆動無人機について前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量より大きいとき、前記現在の電力残量が前記電気駆動無人機について前記現在位置から前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量より大きいか否かを判断するステップと、
前記現在の電力残量が前記電気駆動無人機について前記現在位置から前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量より大きいとき、通常の飛行を続けるステップと
を含む電気駆動無人機のスマート電力量保護方法。
【請求項15】
前記現在の電力残量が前記電気駆動無人機について前記現在位置から前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量以下であれば、前記予め定められた位置まで帰航する指令を自動的に実行し、或いは、ユーザーに前記予め定められた位置まで帰航する指令を実行するか提示するステップをさらに含む請求項14に記載の電気駆動無人機のスマート電力量保護方法。
【請求項16】
前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量を算出するステップは、
前記電池の総電力量及び飛行時間を取得し、前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度を算出するステップと、
前記現在位置、及び出発スポットの座標情報に基づき、前記現在位置から前記出発スポットまで前記電気駆動無人機の対地高度を算出するステップと、
前記対地高度に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な時間を算出するステップと、
前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度及び前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な時間に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量を算出するステップと
をさらに含む請求項14又は15に記載の電気駆動無人機のスマート電力量保護方法。
【請求項17】
電気駆動無人機であって、位置センサと、メモリと、コントローラとを含み、
前記位置センサは、電気駆動無人機の現在位置の座標情報をリアルタイムに取得することに用いられており、
前記メモリは、前記電気駆動無人機の予め定められた位置の座標情報を記憶することに用いられており、
前記コントローラは、前記位置センサ及び前記メモリと通信可能に接続されており、請求項1から16のいずれか一項に記載の電気駆動無人機のスマート電力量保護方法に含まれる各ステップを実行する、電動駆動無人機。
【請求項18】
電気駆動無人機であって、位置センサと、メモリと、コントローラとを含み、
前記位置センサは、電気駆動無人機の現在位置の座標情報をリアルタイムに取得することに用いられており、
前記メモリは、前記電気駆動無人機の予め定められた位置の座標情報を記憶することに用いられており、
前記コントローラは、前記位置センサ及び前記メモリと通信可能に接続されており、前記電気駆動無人機の前記現在位置の座標情報、及び前記予め定められた位置の座標情報に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置で安全保護指令を実行するのに必要な安全電力量を算出し、電池の現在の電力残量と比較することに用いられており、
前記電池の前記現在の電力残量が前記安全電力量以下であるとき、前記コントローラは相応する安全保護指令を実行し、
前記安全電力量は、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量であり、
前記電池の前記現在の電力残量が前記電気駆動無人機について前記現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量以下であるとき、前記コントローラは前記現在位置から直接着陸する指令を自動的に実行する、
電気駆動無人機。
【請求項19】
前記位置センサは、GPSセンサ及び高度センサのうちの少なくとも1つのセンサを含む請求項18に記載の電気駆動無人機。
【請求項20】
前記コントローラは、前記電気駆動無人機の前記現在位置の座標情報及び前記予め定められた位置の座標情報に基づき前記電気駆動無人機の安全保護に必要な安全電力量を算出するための算出ユニットと、前記電池の現在の電力残量と前記安全電力量との大小関係を判断するための比較器とを含み、
また、前記コントローラは、前記電気駆動無人機の前記現在位置の座標情報及び前記予め定められた位置の座標情報に基づき前記電気駆動無人機の安全保護に必要な安全電力量を算出して、前記電池の現在の電力残量と前記安全電力量との大小関係を判断するためのマイクロプロセッサを含む
請求項18に記載の電気駆動無人機。
【請求項21】
前記安全電力量は、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量、前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量、前記電気駆動無人機が安全装置を開くのに必要な電力量のうちの少なくとも1つの電力量を含み、
それによって、前記安全保護指令は、直ちに前記予め定められた位置まで帰航する指令、直ちに前記現在位置から直接着陸する指令、直ちに前記安全装置を開く指令のうちの少なくとも1つの指令を含む
請求項18に記載の電気駆動無人機。
【請求項22】
前記安全電力量は、前記電気駆動無人機が前記現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量をさらに含み、前記電池の前記現在の電力残量が前記電気駆動無人機について前記現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量より大きいとともに、前記電気駆動無人機について前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量より大きいとき、前記コントローラは前記電気駆動無人機を通常の飛行を続けるように制御する、請求項18から21のいずれか一項に記載の電気駆動無人機。
【請求項23】
電気駆動無人機であって、位置センサと、メモリと、コントローラとを含み、
前記位置センサは、電気駆動無人機の現在位置の座標情報をリアルタイムに取得することに用いられており、
前記メモリは、前記電気駆動無人機の予め定められた位置の座標情報を記憶することに用いられており、
前記コントローラは、前記位置センサ及び前記メモリと通信可能に接続されており、前記電気駆動無人機の前記現在位置の座標情報、及び前記予め定められた位置の座標情報に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置で安全保護指令を実行するのに必要な安全電力量を算出し、電池の現在の電力残量と比較することに用いられており、
前記電池の前記現在の電力残量が前記安全電力量以下であるとき、前記コントローラは相応する安全保護指令を実行し、
前記安全電力量は、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量であり、
前記安全電力量は、前記電気駆動無人機が前記現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量をさらに含み、前記電池の前記現在の電力残量が前記電気駆動無人機について前記現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量より大きいとともに、前記電気駆動無人機について前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量より大きいとき、前記コントローラは前記電気駆動無人機を通常の飛行を続けるように制御する電気駆動無人機。
【請求項24】
前記電池の前記現在の電力残量が前記電気駆動無人機について前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量より大きいとともに、前記電気駆動無人機について前記現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量以下であるとき、前記コントローラは前記予め定められた位置まで帰航する指令を自動的に実行する請求項22又は23に記載の電気駆動無人機。
【請求項25】
提示モジュールがさらに含まれ、前記コントローラは前記提示モジュールと通信可能に接続されており、前記電池の前記現在の電力残量が前記電気駆動無人機について前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量より大きいとともに、前記電気駆動無人機について前記現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量以下であるとき、前記コントローラは前記提示モジュールを、前記予め定められた位置まで帰航するか否かの提示信号を送信するように制御する請求項22又は23に記載の電気駆動無人機。
【請求項26】
前記電気駆動無人機は、前記電気駆動無人機の周りの予め定められた範囲内に障害物があるか否か検出するためのセンサをさらに含み、前記センサが前記電気駆動無人機の前記周りの予め定められた範囲内に障害物の存在を検出するとき、前記コントローラは帰航経路を自動計画する請求項24又は25に記載の電気駆動無人機。
【請求項27】
前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航する経路は、元飛行経路、前記現在位置と前記予め定められた位置の水平方向における直線経路及び鉛直方向における直線経路、並びに前記現在位置と前記予め定められた位置との間の直線経路のうちの1つの経路である請求項24又は25に記載の電気駆動無人機。
【請求項28】
前記電池の現在の電力残量は、前記電池の実際の電力残量から予め定められた電力量を差し引いた後の電力量であり、前記予め定められた電力量が前記安全電力量の算出誤差の補償とされている請求項18から27のいずれか一項に記載の電気駆動無人機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無人機(即ち、無人航空機、unmanned aerial vehicle)に関し、特に電気駆動無人機及びそのスマート電力量保護方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電気駆動無人機においては、ユーザーに対して電池の電力量を示す表示態様は2つだけであって、1つは電池の現在の電圧値であり、他の1つは現在の電池電力量のパーセンテージである。
【0003】
しかし、電池の電圧値に基づき電池の電力残量を判断する場合、電池の状態を比較的慣れて知るためには、豊富な経験が必要である。現在の電池電力量のパーセンテージに基づき電池の電力残量を判断すると、現在の電池の電力残量を比較的直観的に知る。この2つの表示方式に対して、電池が低電圧状態で、又は電池切れになる直前に、相応する警報装置が警報動作を行うことがあり、例えば、赤色LEDランプが点滅し、またはブザーが鳴る。
【0004】
いずれの低電圧警報も固定された基準電圧値に基づき、電池が予め設定された低電圧値まで至るか否かを判断するので、空撮などの無人機の初心者に対して、電気駆動無人機が遠いところへ飛ぶ場合に、電池の電力量警報を実質的に取得しにくいとともに、電気駆動無人機が現在位置から出発スポットへフライバックするのに必要な電力量を算出しにくい。そのため、多くの電気駆動無人機が帰航の途中で墜落し、または、電気駆動無人機が予定より早く戻るようになるので、電池の利用率が低くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明では、以下のような電気駆動無人機のスマート電力量保護方法を提供することが必要となる。該スマート電力量保護方法は、電気駆動無人機をリアルタイムに効果的かつスマートに保護して、電気駆動無人機について電力不足による事故を回避するとともに、電池の利用率を向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
電気駆動無人機のスマート電力量保護方法であって、
電池の現在の電力残量をリアルタイムに取得するステップと、
電気駆動無人機の現在位置の座標情報をリアルタイムに取得して、前記電気駆動無人機の現在位置の座標情報に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置で安全保護指令を実行するのに必要な安全電力量を算出するステップと、
前記現在の電力残量が前記安全電力量より大きいか否かを判断するステップと、
前記現在の電力残量が前記安全電力量以下であれば、相応する前記安全保護指令を直ちに実行するステップを含む。
【0007】
前記電気駆動無人機のスマート電力量保護方法は、少なくとも以下のような利点を有する。
(1)前記電気駆動無人機のスマート電力量保護方法は、電気駆動無人機の現在位置の座標情報をリアルタイムに取得して、電気駆動無人機が前記現在位置で安全保護指令を実行するのに必要な安全電力量を算出しており、電池の現在の電力残量が安全電力量以下であるとき、相応する前記安全保護指令を直ちに実行することによって、電気駆動無人機をリアルタイムに保護して、電気駆動無人機について電力不足による事故を回避する。
【0008】
(2)前記電気駆動無人機のスマート電力量保護方法は、現在位置の安全電力量及び電池の現在の電力残量に基づき、安全保護指令を実行する必要があるか否か自動的に判断することができるため、ユーザーは自身の経験に基づく判断をしなくてもよく、これにより前記スマート電力量保護方法がさらに効果的かつスマートに電気駆動無人機を保護するようにしている。
【0009】
(3)前記電気駆動無人機のスマート電力量保護方法に用いられている安全電力量は、現在位置の座標情報の変化に従ってリアルタイムに変化するので、電気駆動無人機が予定より早く戻り又は着陸する必要がなく、これによって電池の利用率を向上させる。
【0010】
1つの実施例では、前記安全電力量は、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量、前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量、前記電気駆動無人機が安全装置を開くのに必要な電力量のうちの少なくとも1つを含み、
それによって、前記安全保護指令は、直ちに前記予め定められた位置まで帰航する指令、直ちに前記現在位置から直接着陸する指令、直ちに前記安全装置を開く指令のうちの少なくとも1つの指令を含む。
【0011】
1つの実施例では、前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量を算出するステップは、
前記電池の総電力量及び飛行時間を取得し、前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度を算出するステップと、
前記現在位置、及び出発スポットの座標情報に基づき、前記現在位置から前記出発スポットまで前記電気駆動無人機の対地高度を算出するステップと、
前記対地高度に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な時間を算出するステップと、
前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度及前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な時間に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量を算出するステップと、
をさらに含む。
【0012】
1つの実施例では、前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量はリザーブ電力量を含む。
【0013】
1つの実施例では、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航する経路は、元の飛行経路、前記現在位置と前記予め定められた位置との水平方向における直線経路及び鉛直方向における直線経路、並びに前記現在位置と前記予め定められた位置との間の直線経路のうちの1つの経路である。
【0014】
1つの実施例では、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量を算出するとき、前記電気駆動無人機は予め定められた基準に基づき自動的に帰航経路を選択して、選択された帰航経路に基づき前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量を算出する。
【0015】
1つの実施例では、前記予め定められた基準は、消費電力量が最も少ないこと、帰航の行程が最も短いこと、及び変速回数が最も少ないことのうちの少なくとも1つを含む。
【0016】
1つの実施例では、前記予め定められた基準は消費電力量が最も少ないことであり、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量を算出するステップは、
前記電気駆動無人機が前記現在位置から異なる経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な消費電力量をそれぞれ算出するステップと、
前記異なる経路に相応する必要な帰航電力量を算出し、かつ自動的に前記帰航電力量が最も少ない経路を帰航経路として選択するステップとをさらに含み、
ここで前記帰航電力量が前記帰航経路に相応する消費電力量を含む。
【0017】
1つの実施例では、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航する経路は、自動設定されてもよく、ユーザーにより設定されてもよい。
【0018】
1つの実施例では、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量を算出するステップは、
前記電池の総電力量及び飛行時間を取得し、前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度を算出するステップと、
前記現在位置及び前記予め定められた位置の座標情報に基づき、前記現在位置から前記予め定められた位置まで前記電気駆動無人機の水平距離及び対地高度を算出するステップと、
前記水平距離及び対地高度に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な時間を算出するステップと、
前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度及び前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な時間に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量を算出するステップと、
をさらに含む。
【0019】
1つの実施例では、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量は、算出された前記水平距離について必要な電力量及び算出された前記対地高度について必要な電力量を含み、前記水平距離について必要な電力量が第1のリザーブ電力量を含み、前記対地高度について必要な電力量が第2のリザーブ電力量を含む。
【0020】
1つの実施例では、前記予め定められた位置は、前記電気駆動無人機により記録されている飛行経路における1つの位置座標であり、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量を算出するステップは、
前記電池の総電力量及び飛行時間を取得し、前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度を算出するステップと、
前記現在位置及び前記予め定められた位置の座標情報、並びに元飛行経路の行程情報に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記元飛行経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航する総距離を算出するステップと、
前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記元飛行経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航する総距離に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記元飛行経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な時間を算出するステップと、
前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度、及び前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記元飛行経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な時間に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記元飛行経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量を算出するステップと、
をさらに含む。
1つの実施例では、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記元飛行経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量はリザーブ電力量を含む。
【0021】
1つの実施例では、前記電気駆動無人機については着陸過程に要する時間は、前記無人機の降下高度と前記電気駆動無人機の降下中の速度によって算出されており、前記電気駆動無人機が降下するとき、複数の予め定められた高度で変速する。
【0022】
1つの実施例では、前記複数の予め定められた高度は第1の予め定められた高度及び第2の予め定められた高度を含み、まず前記第1の予め定められた高度まで等速度降下し、次に徐々に減速して前記第2の予め定められた高度まで降下し、最後に等速度着陸する。
【0023】
1つの実施例では、前記第1の予め定められた高度及び前記第2の予め定められた高度は、前記電気駆動無人機自体が備えている距離測定センサの感知によって得られ、又は、ユーザーにより降下の総高度に基づき予め設定される。
【0024】
また、他の1つの実施例では、前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度は、予め定められた時間△tの間隔をおいて、複数回測定して得られた数値の平均値を取得することによって獲得される。ここで、第n個目の予め定められた時間△tにおける電力量消費速度は(Q1−Qn)/n*△tであって、Q1が電池の総電力量であり、Qnが第n回目の予め定められた時間△tの間隔をおいた後に検出される前記電池の現在の電力残量である。
【0025】
1つの実施例では、前記予め定められた位置は、前記電気駆動無人機の出発スポット又はユーザーにより指定された目標スポットである。
【0026】
1つの実施例では、前記電池の現在の電力残量は、前記電池の実際の電力残量から予め定められた電力量を差し引いた後の電力量であり、前記予め定められた電力量が前記安全電力量の算出誤差の補償とされている。
【0027】
1つの実施例では、前記電池の現在の電力残量は、AD収集回路により電圧を収集する方法又は/及び電流計により電流を測定する方法によって得られる。
【0028】
本発明は、別の実施形態の電気駆動無人機のスマート電力量保護方法をさらに提供している。
【0029】
電気駆動無人機のスマート電力量保護方法であって、
電池の現在の電力残量をリアルタイムに取得するステップと、
電気駆動無人機の現在位置の座標情報をリアルタイムに取得して、前記電気駆動無人機の前記現在位置の座標情報及び予め定められた位置の座標情報に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量、及び前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量を算出するステップと、
前記現在の電力残量が前記電気駆動無人機について前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量より大きいか否かを判断するステップと、
前記現在の電力残量が前記電気駆動無人機について前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量以下であれば、前記現在位置から直接着陸する指令を自動的に実行するステップと、
前記現在の電力残量が前記電気駆動無人機について前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量より大きいとき、前記現在の電力残量が前記電気駆動無人機について前記現在位置から前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量より大きいか否かを判断するステップと、
前記現在の電力残量が前記電気駆動無人機について前記現在位置から前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量より大きいとき、通常の飛行を続けるステップと、
を含む。
【0030】
前記電気駆動無人機のスマート電力量保護方法は、少なくとも以下のような利点を有する。
(1)前記電気駆動無人機のスマート電力量保護方法は、電気駆動無人機の現在位置の座標情報をリアルタイムに取得して、電気駆動無人機が前記現在位置で安全保護指令を実行するのに必要な安全電力量を算出しており、電池の現在の電力残量が安全電力量以下であるとき、相応する前記安全保護指令を直ちに実行することによって、電気駆動無人機をリアルタイムに保護して、電気駆動無人機について電力不足による事故を回避する。
【0031】
(2)前記電気駆動無人機のスマート電力量保護方法は現在位置の安全電力量及び電池の現在の電力残量に基づき、安全保護指令を実行する必要があるか否か自動的に判断することができるため、ユーザーは自身の経験に基づく判断をしなくてもよく、これによって前記スマート電力量保護方法がさらに効果的かつスマートに電気駆動無人機を保護するようにしている。
【0032】
(3)前記電気駆動無人機のスマート電力量保護方法に用いられている安全電力量は、現在位置の座標情報の変化に従ってリアルタイムに変化するので、電気駆動無人機が予定より早く戻り又は着陸する必要がなく、これによって電池の利用率を向上させる。
【0033】
(4)前記電気駆動無人機のスマート電力量保護方法については、2つの異なるレベルの警報電力量を設定している。電気駆動無人機が現在位置から直接着陸するのに必要な電力量を第1レベルの警報電力量とし、電気駆動無人機を現在位置から前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量を第2レベルとしており、異なるレベルの警報電力量に基づき、異なる安全保護措置を選択する。例えば、電池の現在の電力残量が第1レベルの警報電力量に至ると、電気駆動無人機を直接現在位置から着陸するように自動的に制御することによって、電気駆動無人機に対して緊急防護措置を行うことができ、電池の現在の電力残量が第2レベルの警報電力量に至ると、電気駆動無人機を直ちに戻る、又は通常の飛行を続けるように自動的に制御することによって、電池の利用率をさらに向上させる。
【0034】
(5)前記電気駆動無人機のスマート電力量保護方法については、2つの異なるレベルの警報電力量を設定している。電気駆動無人機が現在位置から直接着陸するのに必要な電力量を第1レベルの警報電力量とし、かつ電気駆動無人機の電池の電力量が第1レベルの警報電力量に至ったか否かを優先判断することによって、電気駆動無人機の電力量の制御効率を向上させる。
【0035】
1つの実施例では、前記方法は、
前記現在の電力残量が前記電気駆動無人機について前記現在位置から前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量以下であれば、前記予め定められた位置まで帰航する指令を自動的に実行し、又は、ユーザーに前記予め定められた位置まで帰航する指令を実行するか提示することをさらに含む。
【0036】
1つの実施例では、前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量を算出するステップは、
前記電池の総電力量及び飛行時間を取得し、前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度を算出するステップと、
前記現在位置、及び出発スポットの座標情報に基づき、前記現在位置から前記出発スポットまで前記電気駆動無人機の対地高度を算出するステップと、
前記対地高度に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な時間を算出するステップと、
前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度及び前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な時間に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量を算出するステップと、
をさらに含む。
【0037】
1つの実施例では、前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量はリザーブ電力量を含む。
【0038】
1つの実施例では、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航する経路は、元飛行経路、前記現在位置と前記予め定められた位置との水平方向における直線経路及び鉛直方向における直線経路、並びに前記現在位置と前記予め定められた位置との間の直線経路のうちの1つの経路である。
【0039】
1つの実施例では、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量を算出するとき、前記電気駆動無人機は予め定められた基準に基づき自動的に帰航経路を選択して、選択された帰航経路に基づき前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量を算出する。
【0040】
1つの実施例では、前記予め定められた基準は、消費電力量が最も少ないこと、帰航の行程が最も短いこと、及び変速回数が最も少ないことのうちの少なくとも1つを含む。
【0041】
1つの実施例では、前記予め定められた基準は消費電力量が最も少ないことであり、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量を算出するステップは、
前記電気駆動無人機が前記現在位置から異なる経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な消費電力量をそれぞれ算出するステップと、
前記異なる経路に相応する必要な帰航電力量を算出し、かつ自動的に前記帰航電力量が最も少ない経路を帰航経路として選択するステップと、
をさらに含み、
ここで前記帰航電力量が前記帰航経路に相応する消費電力量を含む。
【0042】
1つの実施例では、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航する経路は、自動設定されてもよく、ユーザーにより設定されてもよい。
【0043】
1つの実施例では、前記電気駆動無人機が前記現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量を算出するステップは、
前記電池の総電力量及び飛行時間を取得し、前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度を算出するステップと、
前記現在位置及び前記予め定められた位置の座標情報に基づき、前記現在位置から前記予め定められた位置まで前記電気駆動無人機の水平距離及び対地高度を算出するステップと、
前記水平距離及び対地高度に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な時間を算出するステップと、
前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度及び前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な時間に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量を算出するステップと、
をさらに含む。
【0044】
1つの実施例では、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量は、算出された前記水平距離について必要な電力量及び算出された前記対地高度について必要な電力量を含み、前記水平距離について必要な電力量が第1のリザーブ電力量を含み、前記対地高度について必要な電力量が第2のリザーブ電力量を含む。
【0045】
1つの実施例では、前記予め定められた位置は、前記電気駆動無人機により記録されている飛行経路における1つの位置座標であり、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量を算出するステップは、
前記電池の総電力量及び飛行時間を取得し、前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度を算出するステップと、
前記現在位置及び前記予め定められた位置の座標情報、並びに元飛行経路の行程情報に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記元飛行経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航する総距離を算出するステップと、
前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記元飛行経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航する総距離に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記元飛行経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な時間を算出するステップと、
前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度、及び前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記元飛行経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な時間に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記元飛行経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量を算出するステップと、
をさらに含む。
【0046】
1つの実施例では、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記元飛行経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量はリザーブ電力量を含む。
【0047】
1つの実施例では、前記電気駆動無人機については着陸過程に要する時間は、前記無人機の降下高度と前記電気駆動無人機の降下中の速度によって算出されており、前記電気駆動無人機が降下するとき、複数の予め定められた高度で変速する。
【0048】
1つの実施例では、前記複数の予め定められた高度は第1の予め定められた高度及び第2の予め定められた高度を含み、まず前記第1の予め定められた高度まで等速度降下し、次に徐々に減速して前記第2の予め定められた高度まで降下し、最後に等速度着陸する。
【0049】
1つの実施例では、前記第1の予め定められた高度及び前記第2の予め定められた高度は、前記電気駆動無人機自体が備えている距離測定センサの感知によって得られ、又は、ユーザーにより降下の総高度に基づき予め設定される。
【0050】
1つの実施例では、前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度は、予め定められた時間△tの間隔をおいて、複数回測定して得られた数値の平均値を取得することによって獲得される。ここで、第n個目の予め定められた時間△tにおける電力量消費速度は(Q1−Qn)/n*△tであって、Q1が電池の総電力量であり、Qnが第n回目の予め定められた時間△tの間隔をおいた後に検出される前記電池の現在の電力残量である。
【0051】
1つの実施例では、前記予め定められた位置は、前記電気駆動無人機の出発スポット又はユーザーにより指定された目標スポットである。
【0052】
1つの実施例では、前記電池の現在の電力残量は、前記電池の実際の電力残量から予め定められた電力量を差し引いた後の電力量であり、前記予め定められた電力量が前記安全電力量の算出誤差の補償とされている。
【0053】
1つの実施例では、前記電池の前記現在の電力残量は、AD収集回路により電圧を収集する方法又は/及び電流計により電流を測定する方法によって得られる。
【0054】
前記スマート電力量保護方法に基づき、本発明はスマート電力量保護方法を応用可能な前記電気駆動無人機をさらに提供する。
【0055】
電気駆動無人機であって、位置センサと、メモリと、コントローラとを含み、
前記位置センサは、電気駆動無人機の現在位置の座標情報をリアルタイムに取得することに用いられており、
前記メモリは、前記電気駆動無人機の予め定められた位置の座標情報を記憶することに用いられており、
前記コントローラは、前記位置センサ及び前記メモリと通信可能に接続されており、前記電気駆動無人機の前記現在位置の座標情報、及び前記予め定められた位置の座標情報に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置で安全保護指令を実行するのに必要な安全電力量を算出し、電池の現在の電力残量と比較することに用いられており、
前記電池の前記現在の電力残量が前記安全電力量以下であるとき、前記コントローラは相応する安全保護指令を実行する。
【0056】
前記電気駆動無人機は、少なくとも以下のような利点を有する。
(1)前記電気駆動無人機の位置センサは電気駆動無人機の現在位置の座標情報をリアルタイムに取得することができ、コントローラは電気駆動無人機の現在位置の座標情報をリアルタイムに取得して、電気駆動無人機が前記現在位置で安全保護指令を実行するのに必要な安全電力量を算出することができる。電池の現在の電力残量が安全電力量以下であるとき、コントローラは相応する前記安全保護指令を直ちに実行することによって、電気駆動無人機をリアルタイムに保護して、電気駆動無人機について電力不足による事故を回避する。
【0057】
(2)前記電気駆動無人機のコントローラは、現在位置の安全電力量及び電池の現在の電力残量に基づき、安全保護指令を実行する必要があるか否かを自動的に判断することができるため、ユーザーは自身の経験に基づく判断をしなくてもよく、これにより前記電気駆動無人機を自動的に保護することができ、スマート保護機能を有する。
【0058】
(3)前記電気駆動無人機の位置センサは、電気駆動無人機の現在位置の座標情報をリアルタイムに取得することができ、安全電力量が現在位置の座標情報の変化に従ってリアルタイムに変化するので、電気駆動無人機が予定より早く戻り又は着陸する必要がなく、これによって電池の利用率を向上させる。
【0059】
(4)前記電気駆動無人機のコントローラは、2つの異なるレベルの警報電力量を実行することができる。電池の現在の電力残量が予め定められた位置まで帰航することしか満足できないとき、前進飛行を続けると電気駆動無人機が帰航できなくなるため、コントローラはユーザー設定に応じて、自動的に帰航機能を実行し、または通常の飛行を続けることができる。電池の現在の電力残量が地面まで着陸することしか満足できないとき、コントローラは自動的な着陸機能を実行する。
【0060】
1つの実施例では、前記位置センサはGPSセンサ及び高度センサのうちの少なくとも1つのセンサを含む。
【0061】
1つの実施例では、前記高度センサは気圧高度計、レーザー高度計、電波高度計、超音波高度計、及び画像距離測定センサのうちの少なくとも1つを含む。
【0062】
1つの実施例では、前記コントローラは、前記電気駆動無人機の前記現在位置の座標情報及び前記予め定められた位置の座標情報に基づき前記電気駆動無人機の安全保護に必要な安全電力量を算出するための算出ユニットと、前記電池の現在の電力残量と前記安全電力量との大小関係を判断するための比較器とを含む。
また、前記コントローラは、前記電気駆動無人機の前記現在位置の座標情報及び前記予め定められた位置の座標情報に基づき前記電気駆動無人機の安全保護に必要な安全電力量を算出して、前記電池の現在の電力残量と前記安全電力量との大小関係を判断するためのマイクロプロセッサを含む。
【0063】
1つの実施例では、前記コントローラは、前記電池の現在の電力残量をリアルタイムに検出するための電力量検出回路をさらに含み、前記コントローラは前記電力量検出回路によって前記電池の前記現在の電力残量を得る。
【0064】
1つの実施例では、前記電力量検出回路はAD収集回路又は/及び電流計である。
【0065】
1つの実施例では、前記電池は自体の電力残量を自動検出するスマート電池であり、前記コントローラは前記スマート電池と通信可能に接続されていることによって前記スマート電池の現在の電力残量を得る。
【0066】
1つの実施例では、前記安全電力量は、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量、前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量、及び前記電気駆動無人機が安全装置を開くのに必要な電力量のうちの少なくとも1つの電力量を含む。
それによって、前記安全保護指令は、直ちに前記予め定められた位置まで帰航する指令、直ちに前記現在位置から直接着陸する指令、及び直ちに前記安全装置を開く指令のうちの少なくとも1つの指令を含む。
【0067】
1つの実施例では、前記安全電力量は、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量を含む。
【0068】
1つの実施例では、前記電池の前記現在の電力残量が前記電気駆動無人機について前記現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量以下であるとき、前記コントローラは前記現在位置から直接着陸する指令を自動的に実行する。
【0069】
1つの実施例では、前記安全電力量は、前記電気駆動無人機が前記現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量をさらに含む。前記電池の前記現在の電力残量が前記電気駆動無人機について前記現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量より大きいとともに、前記電気駆動無人機について前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量より大きいとき、前記コントローラは前記電気駆動無人機を通常の飛行を続けるように制御する。
【0070】
1つの実施例では、前記電池の前記現在の電力残量が前記電気駆動無人機について前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量より大きいとともに、前記電気駆動無人機について前記現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量以下であるとき、前記コントローラは前記予め定められた位置まで帰航する指令を自動的に実行する。
【0071】
1つの実施例では、提示モジュールがさらに含まれ、前記コントローラは前記提示モジュールと通信可能に接続されている。前記電池の前記現在の電力残量が前記電気駆動無人機について前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量より大きいとともに、前記電気駆動無人機について前記現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量以下であるとき、前記コントローラは前記提示モジュールを、前記予め定められた位置まで帰航するか否かの提示信号を送信するように制御する。
【0072】
1つの実施例では、前記電気駆動無人機は、前記電気駆動無人機の周りの予め定められた範囲内に障害物があるか否かを検出するためのセンサをさらに含む。前記センサが前記電気駆動無人機の前記周りの予め定められた範囲内に障害物の存在を検出するとき、前記コントローラは帰航経路を自動計画する。
【0073】
1つの実施例では、前記センサは赤外距離測定センサ、超音波距離測定センサ、画像距離測定センサ、レーザー距離測定センサ、及びマイクロ波レーダー距離測定センサのうちの少なくとも1つのセンサを含む。
【0074】
1つの実施例では、前記予め定められた位置まで帰航する指令を実行するとき、前記コントローラは前記電気駆動無人機を元飛行経路に沿って戻り、又は前記コントローラにより自動計画された帰航経路に沿って戻るように制御する。
【0075】
1つの実施例では、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航する経路は、元飛行経路、前記現在位置と前記予め定められた位置の水平方向における直線経路及び鉛直方向における直線経路、並びに前記現在位置と前記予め定められた位置との間の直線経路のうちの1つの経路である。
【0076】
1つの実施例では、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航する経路は、前記コントローラにより自動設定されてもよく、ユーザーにより設定されてもよい。
【0077】
1つの実施例では、前記コントローラが帰航経路を自動設定するとき、前記コントローラは、前記電気駆動無人機が前記現在位置から異なる経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な消費電力量をそれぞれ算出して、そのうち消費電力量が最も少ない経路を帰航経路として自動的に選択する。
【0078】
1つの実施例では、前記電池の現在の電力残量は、前記電池の実際の電力残量から予め定められた電力量を差し引いた後の電力量であり、前記予め定められた電力量が前記安全電力量の算出誤差の補償とされている。
【図面の簡単な説明】
【0079】
図1図1は、本発明の実施形態1に係る電気駆動無人機のスマート電力量保護方法のフロー図である。
図2図2は、図1に示された電気駆動無人機のスマート電力量保護方法において安全に戻るのに必要な電力量を算出するフロー図である。
図3図3は、図1に示された電気駆動無人機のスマート電力量保護方法において安全に着陸するのに必要な電力量を算出するフロー図である。
図4図4は、本発明の実施形態2に係る電気駆動無人機のスマート電力量保護方法のフロー図である。
図5図5は、本発明の実施形態2に係る電気駆動無人機のスマート電力量保護方法における算出と判断の過程を示すフロー図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る電気駆動無人機の原理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0080】
以下では、本発明の実施例に係る添付図面を参照しながら、本発明の実施例に含む技術方案を明確かつ完全に説明する。当然のことながら、ここで説明する実施例は本発明の諸実施例の全てではなく一部にすぎない。当業者が創造的な作業なしに本発明の諸実施例に基づいて得る他の全ての実施例は、本発明の保護範囲に入る。
【0081】
本発明における電気駆動無人機のスマート電力量保護方法は、電池の電圧又は/及び電流などの情報に基づき無人機について飛行を続ける可能な時間(電池の現在の電力残量)を算出するとともに、電気駆動無人機の現在状態に基づき、電気駆動無人機が現在位置で安全保護指令を実行するのに必要な時間(安全電力量)を算出しており、両方の情報を合わせて、相応する保護措置を自動的に実行し、飛行中に電池の電力量不足による事故を回避する。
【0082】
幾つかの実施例において、前記電気駆動無人機は、単一回転翼無人航空機であってもよく、多重回転翼無人航空機であってもよい。例えば、4個の回転翼の無人航空機、6個の回転翼の無人航空機、固定翼の無人航空機などであってもよい。
【0083】
幾つかの実施例では、前記安全電力量は、電気駆動無人機が現在位置から直接着陸するのに必要な電力量であってもよく、電気駆動無人機が現在位置から目的地(HOMEスポット)まで帰航するのに必要な電力量であってもよく、前記電気駆動無人機が安全装置を開くのに必要な電力量であってもよい。例えば、落下傘を開き、エアバックを開き、または様々な方式の組み合わせであってもよい。当然のことながら、本発明において、前記方式に限定されず、他の方式であってもよく、例えば、前記安全電力量は電気駆動無人機が現在位置から安全高度まで降下するのに必要な電力量であってもよい。
【0084】
前記安全電力量の異なる定義に対して、相応する前記安全保護指令を実行する。例えば、前記安全電力量は電気駆動無人機が現在位置から直接着陸するのに必要な電力量であれば、前記安全保護指令は直ちに現在位置から直接着陸する指令である。前記安全電力量は電気駆動無人機が現在位置から予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量であれば、前記安全保護指令は直ちに現在位置から予め定められた位置まで戻る指令である。前記安全電力量は前記電気駆動無人機が安全装置を開くのに前記必要な電力量であれば、前記安全保護指令は直ちに前記安全装置を開く指令である。
【0085】
なお、前記安全電力量の判断方式は単独で用いてもよく、前記多種類の方式を組み合わせて用いてもよい。例えば、前記安全電力量は、電気駆動無人機が現在位置から直接着陸するのに必要な電力量、及び電気駆動無人機が現在位置から予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量を含み、判断方式は下記の通りである。
(a)電池の現在の電力残量が電気駆動無人機について現在位置から直接着陸するのに必要な電力量以下であるとき、現在位置から直接着陸する指令を直ちに実行する。
(b)電池の現在の電力残量が電気駆動無人機について現在位置から直接着陸するのに必要な電力量より大きいとともに、電気駆動無人機について現在位置から予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量以下であるとき、予め定められた位置まで帰航する指令を直ちに実行する。
(c)電池の現在の電力残量が電気駆動無人機について現在位置から予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量より大きいとき、通常の飛行を続ける。
【0086】
幾つかの実施例では、電気駆動無人機の予め定められた帰航位置は、出発スポットであってもよく、ユーザーにより指定された地点であってもよい。当然のことながら、本発明では、電気駆動無人機の予め定められた帰航位置は前記地点に限定されず、他の地点であってもよい。例えば、電気駆動無人機には地形表面を測定するセンサが設けられているとき、電気駆動無人機の予め定められた帰航位置は自動的に選択された最適な着陸点であってもよい。
【0087】
幾つかの実施例では、前記電気駆動無人機の前記安全電力量は、安全保護指令を実行するまで「連続的に」繰り返して取得され、判断されてもよい。前記電気駆動無人機の前記安全電力量は、安全保護指令を実行するまで「所定時間間隔で」繰り返して取得され、判断されてもよく、例えば、5秒間隔で1回繰り返す。
【0088】
幾つかの実施例では、「安全保護指令を実行する」とは、電気駆動無人機が該保護指令を自動的に実行してもよく、提示モジュールによってユーザーに提示して、ユーザーが電気駆動無人機を該保護指令を実行するように制御してもよい。
【0089】
幾つかの実施例では、電池の現在の電力量は、実際に測定して得られた電力量値であってもよく、実際に測定して得られた電力量値からリザーブ電力量を差し引いた後の電力量値であってもよい。
【0090】
幾つかの実施例では、電池の現在の電力量は、電圧測定法によって測定されてもよく、電流測定法によって測定されてもよい。当然のことながら、本発明において、電池の現在の電力量の測定方法は前記測定方法に限定されず、他の測定方法であってもよく、例えば、電圧と電流の合成測定法であってもよい。
【0091】
幾つかの実施例では、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航する経路は、元飛行経路、前記現在位置と前記予め定められた位置との水平方向における直線経路及び鉛直方向における直線経路、並びに前記現在位置と前記予め定められた位置との間の直線経路のうちの1つの経路である。
【0092】
前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航する経路は、自動設定されてもよく、ユーザーにより設定されてもよい。
【0093】
幾つかの実施例では、電気駆動無人機が現在位置から直接着陸するのに必要な電力量、及び電気駆動無人機が現在位置から予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量は、電池の平均電力量消費速度と現在位置から直接着陸するのに必要な時間に基づき、現在位置から予め定められた位置まで帰航するのに必要な時間から算出して取得してもよく、他の方式によって取得してもよい。例えば、現在の飛行状況で単位高度あたりに消費された平均電力量、単位水平距離あたりに消費された平均電力量と現在位置から予め定められた位置まで帰航する水平距離及び対地高度、並びにリザーブ電力量から算出して取得してもよい。
【0094】
以下では、図面を参照しながら、本発明の幾つかの実施形態について詳細に説明する。
【0095】
図1に示すように、本発明の実施形態1に係る電気駆動無人機のスマート電力量保護方法は、下記ステップ11〜ステップS14を含む。
ステップS11には、電池の現在の電力残量をリアルタイムに取得する。
【0096】
様々な電池の現在の電力残量の検出方式が存在し、例えば、電池の現在の電力残量は、AD収集回路により電圧を収集する方法又は/及び電流計により電流を測定する方法によって得られる。
【0097】
1つの実施例では、電圧収集法を用いている。電池の電力量は、電池による出力可能な電荷の総和を意味し、通常、AHの単位で表される。電池の負極線路に電気的に接続されているサンプリングデバイスの両端の電圧をAD収集回路により収集し、電圧と電流との関係I=U/Rに基づき現在の電流の大きさを算出することができる。電力量と電流との関係はQ=I×Tである。コントローラは該信号を定期的に収集し、例えば、t時間おきに一回ずつ収集すると、放電又は充電過程中の電力量の変化量がQ=ΣI×tであり、電池の元の電力量がQであると仮定し、現在の電力量がQ=Q+Qである。電池の総容量はQALLであれば、現在の電力量のパーセンテージはP=Q/QALLである。
【0098】
他の実施例では、電流収集法を用いてもよい。電流収集法は、電流計によりサンプリングデバイスにおける電流を直接収集し、電力量と電流との関係に基づき電池の現在の電力量を算出することができる。
【0099】
他の実施例では、電流・電圧総合収集法を用いてもよい。AD収集回路により電池の出力側における電圧を収集し、かつ電流計によりサンプリングデバイスにおける電流を収集し、Q=Pt=UItの関係に基づき電池の現在の電力量を算出する。
【0100】
ステップS12には、電気駆動無人機の現在位置の座標情報をリアルタイムに取得して、電気駆動無人機の現在位置の座標情報及び予め定められた位置の座標情報に基づき、電気駆動無人機が現在位置で安全保護指令を実行するのに必要な安全電力量を算出する。
【0101】
安全電力量は異なる定義のあることが可能であり、例えば、安全電力量は電気駆動無人機が現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量であってもよく、電気駆動無人機が現在位置から直接着陸するのに必要な電力量であってもよく、現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量と電気駆動無人機が現在位置から直接着陸するのに必要な電力量との総和であってもよい。
【0102】
異なる定義による安全電力量に対して、相応する安全保護指令を実行する。例えば、安全電力量が電気駆動無人機について現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量であるとき、安全保護指令は直ちに予め定められた位置まで帰航する指令であり、安全電力量が電気駆動無人機について現在位置から直接着陸するのに必要な電力量であるとき、安全保護指令は直ちに現在位置から直接着陸する指令である。
【0103】
安全電力量については、異なる定義に基づき異なる算出方式がある。例えば、図2に示すように、安全電力量が電気駆動無人機について現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量であるとき、電気駆動無人機が現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量ステップは下記ステップS12a〜ステップS12dをさらに含む。
ステップS12aには、電池の総電力量及び飛行時間を取得し、電池について現在の飛行状況における電力量消費速度を算出する。
【0104】
電気駆動無人機のメモリには、一般的に電池の総電力量、飛行時間及び出発スポットの座標情報を記憶し、電池の総電力量及び飛行時間に基づき電池の消費電力量を算出可能である。電池の消費電力量と飛行時間とは互いに対応する関係を有し、例えば、所定時間間隔ごとに、相応する消費電力量を算出する。
【0105】
具体的には、本実施例において、「複数回測定して得られた数値の平均値を取得する」の方式を用いて電池の電力量消費速度を算出することによって、電池について現在の飛行状況における電力量消費速度を比較的正確に得ることができる。例えば、前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度は、予め定められた時間△tの間隔をおいて、複数回測定して得られた数値の平均値を取得することによって獲得される。ここで、第n個目の予め定められた時間△tにおける電力量消費速度は(Q1−Qn)/n*△tであって、Q1が電池の総電力量であり、Qnが第n回目の予め定められた時間△tの間隔をおいた後に検出される前記電池の現在の電力残量である。言い換えると、第1回目の予め定められた時間△tの間隔の電力量消費速度は(Q1−Q2)/△tであり、Q1が電池の総電力量であり、Q2が第1回目の予め定められた時間△tの間隔をおいた後に検出された電池の現在の電力残量である。第2回目の予め定められた時間2△tの間隔の電力量消費速度は(Q1−Q3)/2△tであり、第3回目の予め定められた時間3△tの間隔及びそれ以上の電力量消費速度はこのように得られる。予め定められた時間△tは異なる状況によって設定してもよく、例えば、予め定められた時間△tは5秒であってもよい。
【0106】
ステップS12bには、現在位置及び予め定められた位置の座標情報に基づき、電気駆動無人機が現在位置から予め定められた位置まで帰航する水平距離及び対地高度を算出する。
【0107】
現在位置及び予め定められた位置の座標情報はGPSセンサや、高度センサなどにより得られる。現在位置及び予め定められた位置の座標情報を得たので、座標情報に基づき現在位置から予め定められた位置まで帰航する水平距離及び対地高度を算出することができる。
【0108】
例えば、1つの実施例では、予め定められた位置の座標情報は、電気駆動無人機のメモリ内に予め記憶されてもよく、ユーザーにより直接入力されてもよい。現在位置について水平面上の平面座標は、GPSセンサによって得られ、予め定められた位置及び現在位置について水平面上の平面座標に基づき、電気駆動無人機が現在位置から予め定められた位置まで帰航する水平距離を算出する。現在位置について鉛直方向における高度座標はレーザー距離測定センサなどの距離測定センサによって得られ、予め定められた位置及び現在位置について鉛直方向における高度座標に基づき、電気駆動無人機が現在位置から予め定められた位置まで帰航する対地高度を得ることができる。
【0109】
他の1つの実施例では、予め定められた位置の座標情報は、電気駆動無人機のメモリ内に予め記憶されてもよく、ユーザーにより直接入力されてもよい。現在位置について水平面上の平面座標は、GPSセンサによって得られ、現在位置及び予め定められた位置について水平面上の平面座標に基づき、電気駆動無人機が現在位置から予め定められた位置まで帰航する水平距離を算出する。現在位置について鉛直方向における高度座標は気圧高度計や電波高度計などの高度センサによって得られ、現在位置及び予め定められた位置について鉛直方向における高度座標に基づき、現在位置から予め定められた位置までの対地高度を得ることができる。予め定められた位置が出発スポットでないとき、例えば、予め定められた位置がユーザーにより再設定された位置であるとき、現在位置から出発スポットまでの対地高度を現在位置からユーザーにより再設定された位置までの対地高度としてもよい。
【0110】
ステップS12cには、水平距離及び対地高度に基づき、電気駆動無人機が現在位置から予め定められた位置まで帰航するのに必要な時間を算出する。
【0111】
電気駆動無人機が前記水平距離を飛行するのに必要な時間は、前記水平距離及び電気駆動無人機の水平飛行中における速度に基づき算出され得、即ち、水平距離について必要な時間=水平距離/水平飛行速度。電気駆動無人機は水平飛行するとき、通常、等速度飛行し、例えば、電気駆動無人機は8m/秒の速度で水平飛行してもよい。
【0112】
電気駆動無人機が前記対地高度まで降下するのに必要な時間は、前記対地高度と電気駆動無人機の降下中における速度に基づき算出し得、即ち、対地高度について必要な時間=対地高度/降下飛行速度である。電気駆動無人機が降下するとき、複数の予め定められた高度で変速する。例えば、1つの実施例では、前記複数の予め定められた高度は第1の予め定められた高度及び第2の予め定められた高度を含み、まず前記第1の予め定められた高度まで等速度降下し、次に徐々に減速して前記第2の予め定められた高度まで降下し、最後に等速度着陸する。例えば、電気駆動無人機が降下するとき、まず2m/秒の速度で15メートルの高度まで降下し、次に5メートルの高度まで降下しながら、徐々に0.5m/秒まで減速し、最後に0.5m/秒で等速度着陸する。
【0113】
なお、前記第1の予め定められた高度、及び前記第2の予め定められた高度は、電気駆動無人機自体が備えている電波距離測定センサやレーザー距離測定センサなどの距離測定センサの感知によって取得されてもよく、ユーザーにより降下の総高度に基づき予め設定されてもよい。
【0114】
ステップS12dには、電池について現在の飛行状況における電力量消費速度及び電気駆動無人機が現在位置から予め定められた位置まで帰航するのに必要な時間に基づき、電気駆動無人機が現在位置から予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量を算出する。
【0115】
電池について現在の飛行状況における電力量消費速度と電気駆動無人機が現在位置から予め定められた位置まで帰航するのに必要な時間との積により、電気駆動無人機が現在位置から予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量を得ることができ、即ち、帰航に必要な電力量=電力量消費速度*(対地高度について必要な時間+水平距離について必要な時間)である。
【0116】
図3に示すように、安全電力量は電気駆動無人機が現在位置から直接着陸するのに必要な電力量であるとき、電気駆動無人機が現在位置から直接着陸するのに必要な電力量ステップは下記ステップS12a'〜ステップS12d'をさらに含む。
ステップS12a'には、電池の総電力量、飛行時間、及び出発スポットの座標情報を取得し、電池について現在の飛行状況における電力量消費速度を算出する。
【0117】
電気駆動無人機のメモリには、一般的に電池の総電力量、飛行時間及び出発スポットの座標情報を記憶し、電池の総電力量及び飛行時間に基づき電池の消費電力量を算出可能である。電池の消費電力量と飛行時間とは互いに対応する関係を有し、例えば、所定時間間隔ごとに、相応する消費電力量を算出する。
【0118】
具体的には、本実施例において、「複数回測定して得られた数値の平均値を取得する」の方式を用いて電池の電力量消費速度を算出することによって、電池について現在の飛行状況における電力量消費速度を比較的正確に得ることができる。例えば、前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度は、予め定められた時間△tの間隔をおいて、複数回測定して得られた数値の平均値を取得することによって獲得される。ここで、第n個目の予め定められた時間△tにおける電力量消費速度は(Q1−Qn)/n*△tであって、Q1が電池の総電力量であり、Qnが第n回目の予め定められた時間△tの間隔をおいた後に検出される前記電池の現在の電力残量である。言い換えると、第1回目の予め定められた時間△tの間隔の電力量消費速度は(Q1−Q2)/△tであり、Q1が電池の総電力量であり、Q2が第1回目の予め定められた時間△tの間隔をおいた後に検出された電池の現在の電力残量である。第2回目の予め定められた時間2△tの間隔の電力量消費速度は(Q1−Q3)/2△tであり、第3回目の予め定められた時間3△tの間隔及びそれ以上の電力量消費速度はこのように得られる。予め定められた時間△tは異なる状況によって設定してもよく、例えば、予め定められた時間△tは5秒であってもよい。
【0119】
ステップS12b'には、現在位置及び出発スポットの座標情報に基づき、電気駆動無人機が現在位置から出発スポットまでの対地高度を算出する。
【0120】
具体的には、本実施例において、現在位置から出発スポットまでの対地高度を気圧高度計のような高度センサによって得ることができ、かつ現在位置から出発スポットまでの対地高度を現在位置から地面までの対地高度とする。
【0121】
ステップS12c'には、対地高度に基づき、電気駆動無人機が現在位置から直接着陸するのに必要な時間を算出する。
【0122】
電気駆動無人機が前記対地高度まで降下するのに必要な時間は、前記対地高度と電気駆動無人機の降下中における速度に基づき算出し得、即ち、対地高度について必要な時間=対地高度/降下飛行速度。電気駆動無人機が降下するとき、複数の予め定められた高度で変速する。例えば、1つの実施例では、前記複数の予め定められた高度は第1の予め定められた高度及び第2の予め定められた高度を含み、まず前記第1の予め定められた高度まで等速度降下し、次に徐々に減速して前記第2の予め定められた高度まで降下し、最後に等速度着陸する。例えば、電気駆動無人機が降下するとき、まず2m/秒の速度で15メートルの高度まで降下し、次に5メートルの高度まで降下しながら、徐々に0.5m/秒まで減速し、最後に0.5m/秒で等速度着陸する。
【0123】
なお、前記第1の予め定められた高度、及び前記第2の予め定められた高度は、電気駆動無人機自体が備えているレーザー距離測定センサのような距離測定センサの感知によって取得されてもよく、ユーザーにより降下の総高度に基づき予め設定されてもよい。
【0124】
ステップS12d'には、電池について現在の飛行状況における電力量消費速度及び電気駆動無人機が現在位置から直接着陸するのに必要な時間に基づき、電気駆動無人機が現在位置から直接着陸するのに必要な電力量を算出する。
【0125】
電池について現在の飛行状況における電力量消費速度と電気駆動無人機が現在位置から直接着陸するのに必要な時間との積により、電気駆動無人機が現在位置から直接着陸するのに必要な電力量を得ることができ、即ち、直接着陸に必要な電力量=電力量消費速度*対地高度について必要な時間である。
【0126】
なお、電気駆動無人機が現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量、及び電気駆動無人機が現在位置から直接着陸するのに必要な電力量の算出は、前記算出方法に限定されず、他の方法を用いてもよい。例えば、電気駆動無人機が現在位置から直接着陸するのに必要な電力量を算出するとき、距離測定センサを用いて現在位置から地面までの実際の高度を測定し、前記実際の高度に基づき現在位置から直接着陸するのに必要な電力量を算出してもよい。前記予め定められた位置が前記電気駆動無人機により記録されている飛行経路中の1つの位置座標であるとき、電気駆動無人機が現在位置から予め定められた位置まで帰航するについて算出を行うとき、元飛行経路に沿って戻りかつ元飛行経路に基づき実際に戻る総距離を算出してもよい。
【0127】
例えば、1つの実施例では、前記予め定められた位置が前記電気駆動無人機により記録されている飛行経路中の1つの位置座標であるとき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量を算出するステップは、
前記電池の総電力量及び飛行時間を取得し、前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度を算出するステップと、
前記現在位置及び前記予め定められた位置の座標情報、並びに元飛行経路の行程情報に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記元飛行経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航する総距離を算出するステップと、
前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記元飛行経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航する総距離に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記元飛行経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な時間を算出するステップと、
前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度、及び前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記元飛行経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な時間に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記元飛行経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量を算出するステップと、
をさらに含む。
【0128】
他の1つの実施例では、戻り経路が前記現在位置と前記予め定められた位置との間の直線経路であるとき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量を算出するステップは、
前記電池の総電力量及び飛行時間を取得し、前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度を算出するステップと、
前記現在位置及び前記予め定められた位置の座標情報を基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置までの直線距離を算出するステップと、
前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置までの直線距離に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から直線経路に沿って前記予め定められた位置まで至るのに必要な時間を算出するステップと、
前記電池について現在の飛行状況における電力量消費速度及び前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記直線経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な時間に基づき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記直線経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量を算出するステップと、
をさらに含む。
【0129】
また、電気駆動無人機が現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するとき、電気駆動無人機は予め定められた基準に基づき自動的に帰航経路を選択して、選択された帰航経路に基づき電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量を算出する。前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航する経路は、元飛行経路や、前記現在位置と前記予め定められた位置との水平方向における直線経路及び鉛直方向における直線経路や、前記現在位置と前記予め定められた位置との間の直線経路などである。予め定められた基準は、消費電力量が最も少ないことや、帰航の行程が最も短いことや、変速回数が最も少ないことなどである。予め定められた基準は1つであってもよく、2つ以上であってもよい。
【0130】
例えば、1つの実施例では、前記予め定められた基準は消費電力量が最も少ないことであり、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量を算出するステップは、
前記電気駆動無人機が前記現在位置から異なる経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な消費電力量をそれぞれ算出するステップと、
前記異なる経路に相応する必要な帰航電力量を算出し、かつ自動的に前記帰航電力量が最も少ない経路を帰航経路として選択するステップとをさらに含み、
ここで前記帰航電力量が前記帰航経路に相応する消費電力量を含む。
【0131】
さらに、算出過程における誤差量を補償するために、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量は、前記帰航経路に対応する消費電力量に加えて、リザーブ電力量をさらに含む。
【0132】
電気駆動無人機が現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量、及び電気駆動無人機が現在位置から直接着陸するのに必要な電力量を算出する過程に生じる誤差については、リザーブ電力量を用いて補償してもよい。言い換えると、電気駆動無人機が現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量に対して、所定電力量をリザーブしてもよく、即ち、帰航に必要な電力量=算出された電力量+リザーブ電力量としてもよい。電気駆動無人機が現在位置から直接着陸するのに必要な電力量に対しても、所定電力量をリザーブしてもよく、即ち、直接着陸に必要な電力量=算出された電力量+リザーブ電力量としてもよい。
【0133】
例えば、1つの実施例では、電気駆動無人機が現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量を算出するとき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量は、算出された前記水平距離について必要な電力量及び算出された前記対地高度について必要な電力量を含み、前記水平距離について必要な電力量が第1のリザーブ電力量を含み、前記対地高度について必要な電力量が第2のリザーブ電力量を含む。例えば、水平距離について必要な電力量には2%の電力量をリザーブしてもよく、即ち、第1のリザーブ電力量が2%の電力量であり、対地高度について必要な電力量には2%の電力量をリザーブしてもよく、即ち、第2のリザーブ電力量が2%の電力量である。
【0134】
他の1つの実施例では、前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量を算出するとき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から直接着陸するのに必要な電力量はリザーブ電力量を含む。例えば、該リザーブ電力量は2%の電力量であってもよい。
【0135】
他の1つの実施例では、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記元飛行経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量を算出するとき、前記電気駆動無人機が前記現在位置から前記元飛行経路に沿って前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量はリザーブ電力量を含む。例えば、該リザーブ電力量は2%の電力量であってもよい。
【0136】
また、電池の実際の電力残量から予め定められた電力量を差し引いた後の電力量を前記現在の電力残量とし、前記予め定められた電力量を前記安全電力量の算出誤差の補償とし、即ち、前記電池の現在の電力残量=実際の電力残量−前記予め定められた電力量とする。例えば、電池の実際の電力残量には10%の電力量をリザーブしてもよい。
【0137】
ステップS13では、電池の現在の電力残量は安全電力量より大きいか否かを判断する。
【0138】
1つの実施例では、安全電力量が電気駆動無人機について現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量であるとき、電気駆動無人機が現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量と電池の現在の電力残量との大小関係を判断する。
【0139】
もう一つの実施例では、安全電力量が電気駆動無人機について現在位置から直接着陸するのに必要な電力量であるとき、電気駆動無人機が現在位置から直接着陸するのに必要な電力量と電池の現在の電力残量との大小関係を判断する。
【0140】
他の1つの実施例では、安全電力量が電気駆動無人機について現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量、及び電気駆動無人機について現在位置から直接着陸するのに必要な電力量を含むとき、電池の現在の電力残量と電気駆動無人機について現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量、及び電気駆動無人機について現在位置から直接着陸するのに必要な電力量とそれぞれの間の大小関係を判断する。
【0141】
ステップS14では、電池の現在の電力残量が安全電力量以下であれば、相応する安全保護指令を直ちに実行する。
【0142】
1つの実施例では、電池の現在の電力残量が現在位置から予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量以下であるとき、予め定められた位置まで帰航する指令を直ちに実行する。
【0143】
他の1つの実施例では、電池の現在の電力残量が電気駆動無人機について現在位置から直接着陸するのに必要な電力量以下であるとき、現在位置から直接着陸する指令を直ちに実行する。
【0144】
前記電気駆動無人機のスマート電力量保護方法は、少なくとも以下のような利点を有する。
(1)前記電気駆動無人機のスマート電力量保護方法は、電気駆動無人機の現在位置の座標情報をリアルタイムに取得して、電気駆動無人機が前記現在位置で安全保護指令を実行するのに必要な安全電力量を算出しており、電池の現在の電力残量が安全電力量以下であるとき、相応する前記安全保護指令を直ちに実行することによって、電気駆動無人機をリアルタイムに保護して、電気駆動無人機について電力不足による事故を回避する。
【0145】
(2)前記電気駆動無人機のスマート電力量保護方法は、現在位置の安全電力量及び電池の現在の電力残量に基づき、安全保護指令を実行する必要があるか否かを自動的に判断することができるため、ユーザーは自身の経験に基づく判断をしなくてもよく、これにより前記スマート電力量保護方法がさらに効果的かつスマートに電気駆動無人機を保護するようにしている。
【0146】
(3)前記電気駆動無人機のスマート電力量保護方法に用いられている安全電力量は、現在位置の座標情報の変化に従ってリアルタイムに変化するので、電気駆動無人機が予定より早く戻り又は着陸する必要がなく、これによって電池の利用率を向上させる。
【0147】
図4及び図5に示すように、本発明の実施形態2に係る電気駆動無人機のスマート電力量保護方法は、下記ステップS21〜ステップS27を含む。
ステップS21には、電池の現在の電力残量をリアルタイムに取得する。
【0148】
様々な電池の現在の電力残量の検出方式が存在し、例えば、電池の現在の電力残量は、AD収集回路により電圧を収集する方法又は/及び電流計により電流を測定する方法によって得られる。
【0149】
1つの実施例では、電圧収集法を用いている。電池の電力量は、電池による出力可能な電荷の総和を意味し、通常、AHの単位で表される。電池の負極線路に電気的に接続されているサンプリングデバイスの両端の電圧をAD収集回路により収集し、電圧と電流との関係I=U/Rに基づき現在の電流の大きさを算出することができる。電力量と電流との関係はQ=I×Tである。コントローラは該信号を定期的に収集し、例えば、t時間おきに一回ずつ収集すると、放電又は充電過程中の電力量の変化量がQ=ΣI×tであり、電池の元の電力量がQであると仮定すると、現在の電力量はQ=Q+Qである。電池の総容量はQALLであれば、現在の電力量のパーセンテージはP=Q/QALLである。
【0150】
他の実施例では、電流収集法を用いてもよい。電流収集法は、電流計によりサンプリングデバイスにおける電流を直接収集し、電力量と電流との関係に基づき電池の現在の電力量を算出することができる。
【0151】
他の実施例では、電流・電圧総合収集法を用いてもよい。AD収集回路により電池の出力側における電圧を収集し、かつ電流計によりサンプリングデバイスにおける電流を収集し、Q=Pt=UItの関係に基づき電池の現在の電力量を算出する。
【0152】
ステップS22には、電気駆動無人機の現在位置の座標情報をリアルタイムに取得して、電気駆動無人機の現在位置の座標情報及び予め定められた位置の座標情報に基づき、電気駆動無人機が現在位置から直接着陸するのに必要な電力量、及び電気駆動無人機が現在位置から予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量を算出する。
【0153】
電気駆動無人機が現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量を算出する方法、及び電気駆動無人機が現在位置から直接着陸するのに必要な電力量を算出する方法については、実施形態1に係るスマート電力量保護方法における方法と同じ方法を用いてもよく、ここで詳細には再度説明しない。
【0154】
なお、予め定められた位置は、電気駆動無人機の出発スポットであってもよく、ユーザーにより指定された目標スポットであってもよい。
【0155】
ステップS23には、現在の電力残量が電気駆動無人機について現在位置から直接着陸するのに必要な電力量より大きいか否かを判断する。
【0156】
この場合、電気駆動無人機について現在位置から直接着陸するのに必要な電力量を電気駆動無人機の安全電力量の第1レベルの警報電力量としている。そのため、先に現在の電力残量が電気駆動無人機について現在位置から直接着陸するのに必要な電力量より大きいか否かを判断して、緊急時間内に電気駆動無人機を効果的に保護することを容易にする。
【0157】
ステップS24には、現在の電力残量が電気駆動無人機について現在位置から直接着陸するのに必要な電力量以下であれば、現在位置から直接着陸する指令を自動的に実行する。
【0158】
電気駆動無人機が現在位置から直接着陸するのに必要な電力量を電気駆動無人機の安全電力量の第1レベルの警報電力量としているため、電池の現在の電力残量が第1レベルの警報電力量以下であるとき、一般的に電気駆動無人機を「自動的に」安全保護指令を実行するように設定し、これによって電気駆動無人機をさらに効果的に保護する。
【0159】
ステップS25では、現在の電力残量が電気駆動無人機について現在位置から直接着陸するのに必要な電力量より大きいとき、現在の電力残量が電気駆動無人機について現在位置から予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量より大きいか否かを判断する。
【0160】
このとき、電気駆動無人機について現在位置から予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量を電気駆動無人機の安全電力量の第2レベルの警報電力量としている。そのため、第1レベルの警報電力量を満たしていない場合に、現在の電力残量が電気駆動無人機について現在位置から予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量より大きいか否か再判断し、これによって電池の利用率をさらに向上させるのを容易にする。
【0161】
ステップS26では、現在の電力残量が電気駆動無人機について現在位置から予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量より大きいとき、通常の飛行を続ける。
【0162】
電気駆動無人機について現在位置から予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量を電気駆動無人機の安全電力量の第2レベルの警報電力量として、電池の現在の電力残量が第2レベルの警報電力量より大きいとき、電気駆動無人機は通常の飛行を続けることができる。
【0163】
さらに、前記方法はステップS27を含む。前記現在の電力残量が前記電気駆動無人機について前記現在位置から前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量以下であれば、前記予め定められた位置まで帰航する指令を自動的に実行し、又は、ユーザーに前記予め定められた位置まで帰航する指令を実行するか提示する。
【0164】
電気駆動無人機について現在位置から予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量を電気駆動無人機の安全電力量の第2レベルの警報電力量としているため、このとき、電気駆動無人機は、第1レベルの警報電力量を満たしていない場合に、第2レベルの警報電力量を無視して、通常の飛行を続けてもよく、これによって電池の利用率をさらに向上させるのを容易にする。例えば、現在の電力残量が電気駆動無人機について現在位置から予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量以下であれば、ユーザーに予め定められた位置まで帰航する指令を実行するか提示し、これによってユーザーが実際の状況に合わせて選択するのを容易にする。
【0165】
前記電気駆動無人機のスマート電力量保護方法は、少なくとも以下のような利点を有する。
(1)前記電気駆動無人機のスマート電力量保護方法は、電気駆動無人機の現在位置の座標情報をリアルタイムに取得して、電気駆動無人機が前記現在位置で安全保護指令を実行するのに必要な安全電力量を算出しており、電池の現在の電力残量が安全電力量以下であるとき、相応する前記安全保護指令を直ちに実行することによって、電気駆動無人機をリアルタイムに保護して、電気駆動無人機について電力不足による事故を回避する。
【0166】
(2)前記電気駆動無人機のスマート電力量保護方法は現在位置の安全電力量及び電池の現在の電力残量に基づき、安全保護指令を実行する必要があるか否かを自動的に判断することができるため、ユーザーは自身の経験に基づく判断をしなくてもよく、これにより前記スマート電力量保護方法がさらに効果的かつスマートに電気駆動無人機を保護するようにしている。
【0167】
(3)前記電気駆動無人機のスマート電力量保護方法に用いられている安全電力量は、現在位置の座標情報の変化に従ってリアルタイムに変化するので、電気駆動無人機が予定より早く戻り又は着陸する必要がなく、これによって電池の利用率を向上させる。
【0168】
(4)前記電気駆動無人機のスマート電力量保護方法については、2つの異なるレベルの警報電力量を設定している。電気駆動無人機が現在位置から直接着陸するのに必要な電力量を第1レベルの警報電力量とし、電気駆動無人機を現在位置から前記予め定められた位置まで帰航するのに必要な電力量は第2レベルとしており、異なるレベルの警報電力量に基づき、異なる安全保護措置を選択する。例えば、電池の現在の電力残量が第1レベルの警報電力量に至ると、電気駆動無人機を直接現在位置から着陸するように自動的に制御することによって、電気駆動無人機に対して緊急防護措置を行い、電池の現在の電力残量が第2レベルの警報電力量に至ると、電気駆動無人機を直ちに戻る、又は通常の飛行を続けるように自動的に制御することによって、電池の利用率をさらに向上させる。
【0169】
(5)前記電気駆動無人機のスマート電力量保護方法については、2つの異なるレベルの警報電力量を設定している。電気駆動無人機が現在位置から直接着陸するのに必要な電力量を第1レベルの警報電力量とし、かつ電気駆動無人機の電池の電力量が第1レベルの警報電力量に至ったか否かを優先的に判断することによって、電気駆動無人機の電力量の制御効率を向上させる。
【0170】
前記スマート電力量保護方法に基づき、本発明は前記スマート電力量保護方法を応用可能な電気駆動無人機をさらに提供する。以下では、図面を参照しながら、本発明実施形態に係る電気駆動無人機の具体的な構造について詳細に説明する。
【0171】
図6に示すように、本発明の実施形態に係る電気駆動無人機100は、位置センサ110、メモリ120、及びコントローラ130を含む。
【0172】
位置センサ110は、電気駆動無人機100の現在位置の座標情報をリアルタイムに取得することに用いられている。位置センサ110は、GPSセンサ、及び高度センサのうちの少なくとも1つのセンサを含む。高度センサは、気圧高度計、レーザー高度計、電波高度計、超音波高度計、及び画像距離測定センサのうちの少なくとも1つを含む。
【0173】
例えば、具体的に、本実施例において、位置センサ110はGPSセンサ111及び気圧高度計113を含み、GPSセンサ111によって現在位置の水平座標を得、気圧高度計113によって現在位置の高度座標を得る。他の実施例では、位置センサ110はGPSセンサを含み、該GPSセンサが現在位置の水平座標及び高度座標を同時に検知することができる。
【0174】
メモリ120は、電気駆動無人機100の予め定められた位置の座標情報を記憶することに用いられている。例えば、メモリ120はSDメモリカードや、メモリーハードディスクなどである。
【0175】
なお、予め定められた位置が出発スポットでないとき、メモリはさらに電気駆動無人機100の出発スポットの座標情報を記憶することに用いられる。
【0176】
コントローラ130は、前記位置センサ110及びメモリと通信可能に接続されており、前記電気駆動無人機100の前記現在位置の座標情報、及び前記予め定められた位置の座標情報に基づき、前記電気駆動無人機100が前記現在位置で安全保護指令を実行するのに必要な安全電力量を算出し、電池140の現在の電力残量と比較することに用いられている。
【0177】
ここで、電池140の現在の電力残量が前記安全電力量以下であるとき、コントローラ130は相応する安全保護指令を実行する。
【0178】
安全電力量は、電気駆動無人機100が現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量、電気駆動無人機100が現在位置から直接着陸するのに必要な電力量、及び電気駆動無人機100が安全装置を開くのに必要な電力量のうちの少なくとも1つの電力量を含む。それによって、安全保護指令は、直ちに予め定められた位置まで帰航する指令、直ちに現在位置から直接着陸する指令、直ちに安全装置を開く指令のうちの少なくとも1つの指令を含む。
【0179】
例えば、図面に示された実施例において、安全電力量は、電気駆動無人機100について現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量を含む。電池140の現在の電力残量が電気駆動無人機100について現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量以下である時、コントローラ130は現在位置から直接着陸する指令を自動的に実行する。
【0180】
なお、前記電池140の現在の電力残量は前記電池140の実際の電力残量から予め定められた電力量を差し引いた後の電力量であってもよく、前記予め定められた電力量が前記安全電力量の算出誤差の補償とされている。
【0181】
さらに、安全電力量は、電気駆動無人機100について現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量をさらに含み、電池140の現在の電力残量が電気駆動無人機100について現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量より大きいとともに、電気駆動無人機100について現在位置から直接着陸するのに必要な電力量よりも大きいとき、コントローラ130は電気駆動無人機100を通常の飛行を続けるように制御する。
【0182】
電池140の現在の電力残量が電気駆動無人機100について現在位置から直接着陸するのに必要な電力量より大きいとともに、電気駆動無人機100について現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量以下であるとき、コントローラ130は相応する安全保護指令を選択的に実行してもよく、或いは、相応する安全保護指令を自動的に実行してもよい。
【0183】
例えば、図面に示された実施例において、さらに、電池140の現在の電力残量が電気駆動無人機100について現在位置から直接着陸するのに必要な電力量より大きいとともに、電気駆動無人機100について現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量以下であるとき、コントローラ130は予め定められた位置まで帰航する指令を自動的に実行する。
【0184】
他の実施例では、電気駆動無人機100は提示モジュールをさらに含み、コントローラ130は提示モジュールと通信可能に接続されている。電池140の現在の電力残量が電気駆動無人機100について現在位置から直接着陸するのに必要な電力量より大きいとともに、電気駆動無人機100について現在位置から予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量以下であるとき、コントローラ130は提示モジュールを、予め定められた位置まで帰航するか否かの提示信号を送信するように制御する。
【0185】
このとき、ユーザーは提示モジュールによる提示信号に基づいて、直ちに予め定められた位置まで帰航する指令を実行すること、或いは予め定められた位置まで帰航する指令をキャンセルし、通常の飛行を続けることを選択する。
【0186】
提示モジュールの構造は異なる要求に応じて設計されてもよい。例えば、提示モジュールは、リモートコントローラ上の表示画面であり、提示情報を表示画面に直接表示してもよく、又は、提示モジュールは赤色LEDなどの警告ランプであり、警告ランプの点滅により提示の機能を実現してもよい。
【0187】
さらに、前記電気駆動無人機100は、前記電気駆動無人機100の周りの予め定められた範囲内に障害物があるか否かを検出するためのセンサ(図示せず)をさらに含む。前記センサが前記電気駆動無人機100の周りの予め定められた範囲内に障害物の存在を検出するとき、前記コントローラは帰航経路を自動計画する。例えば、前記センサは赤外距離測定センサ、超音波距離測定センサ、画像距離測定センサ、レーザー距離測定センサ、又はマイクロ波レーダー距離測定センサであってもよい。
【0188】
さらに、予め定められた位置まで帰航する指令を実行するとき、前記コントローラ130は、前記電気駆動無人機100を元飛行経路に沿って戻り、又は障害物を回避するために前記コントローラ130により自動計画された帰航経路に沿って戻るように制御する。
【0189】
なお、前記電気駆動無人機100が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航する経路は、元飛行経路、前記現在位置と前記予め定められた位置の水平方向における直線経路及び鉛直方向における直線経路、並びに前記現在位置と前記予め定められた位置との間の直線経路のうちの1つの経路である。
【0190】
前記電気駆動無人機100が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航する経路は、コントローラ130により自動設定され、或いはユーザーにより設定される。
前記コントローラ130が帰航経路を自動設定するとき、前記コントローラ130は予め定められた基準に基づき自動的に帰航経路を選択して、選択された帰航経路に基づき電気駆動無人機100が前記現在位置から前記予め定められた位置まで安全に帰航するのに必要な電力量を算出する。前記予め定められた基準は、消費電力量が最も少ないこと、帰航の行程が最も短いこと、及び変速回数が最も少ないことのうちの少なくとも1つを含む。
【0191】
コントローラ130の具体的な構造は異なる要求に応じて設計されることができる。例えば、具体的に、図面に示された実施例において、コントローラ130はマイクロプロセッサ131を含み、該マイクロプロセッサ131が電気駆動無人機100の現在位置の座標情報及び予め定められた位置の座標情報に基づき電気駆動無人機100の安全保護に必要な安全電力量を算出して、電池140の現在の電力残量と安全電力量の大小関係を判断するために用いられる。
【0192】
他の実施例では、コントローラ130は、電気駆動無人機100の現在位置の座標情報及び予め定められた位置の座標情報に基づき前記電気駆動無人機100の安全保護に必要な安全電力量を算出するための算出ユニットと、電池140の現在の電力残量と安全電力量との大小関係を判断するための比較器とを含む。例えば、算出ユニットはマイクロプロセッサや、計算機集積回路などであってもよい。
【0193】
コントローラ130は、電池140の現在の電力残量を取得するとき、内部の回路によって電池140の現在の電力残量をリアルタイムに検出してもよく、外部の回路によって電池140の現在の電力残量をリアルタイムに検出してもよい。例えば、具体的に、図面に示された実施例において、コントローラ130は電池140の現在の電力残量をリアルタイムに検出するための電力量検出回路133をさらに含み、コントローラ130は電力量検出回路133によって電池140の現在の電力残量を取得する。前記電力量検出回路133はAD収集回路又は/及び電流計であってもよい。
【0194】
他の実施例では、電池140は自体の電力残量を自動検出するスマート電池であり、コントローラ130はスマート電池と通信可能に接続されていることによってスマート電池の現在の電力残量を取得する。
【0195】
前記電気駆動無人機100は、少なくとも以下のような利点を有する。
(1)前記電気駆動無人機100の位置センサ110は電気駆動無人機100の現在位置の座標情報をリアルタイムに取得することができ、コントローラ130は電気駆動無人機100の現在位置の座標情報をリアルタイムに取得して、電気駆動無人機100が前記現在位置で安全保護指令を実行するのに必要な安全電力量を算出することができる。電池140の現在の電力残量が安全電力量以下であるとき、コントローラ130は相応する前記安全保護指令を直ちに実行することによって、電気駆動無人機100をリアルタイムに保護して、電気駆動無人機100について電力不足による事故を回避する。
【0196】
(2)前記電気駆動無人機100のコントローラ130は、現在位置の安全電力量及び電池140の現在の電力残量に基づき、安全保護指令を実行する必要があるか否かを自動的に判断することができるため、ユーザーは自身の経験に基づく判断をしなくてもよく、これにより前記電気駆動無人機100を自動的に保護することができ、スマート保護機能を有する。
【0197】
(3)前記電気駆動無人機100の位置センサ110は、電気駆動無人機100の現在位置の座標情報をリアルタイムに取得することができ、安全電力量が現在位置の座標情報の変化に従ってリアルタイムに変化するので、電気駆動無人機100が予定より早く戻り又は着陸する必要がなく、これによって電池140の利用率を向上させる。
【0198】
(4)前記電気駆動無人機100のコントローラ130は、2つの異なるレベルの電力量警報を実行することができる。電池140の現在の電力残量が予め定められた位置まで帰航することしか満足できないとき、前進飛行を続けると電気駆動無人機100が帰航できなくなるため、コントローラ130はユーザー設定に応じて、自動的に帰航機能を実行し、または通常の飛行を続けることができる。電池140の現在の電力残量が地面まで着陸することしか満足できないとき、コントローラ130は自動的な着陸機能を実行する。
【0199】
なお、本発明による幾つかの実施例では、理解されるように、開示された関連装置と方法は他の方式で実現可能である。例えば、上述の装置実施例は、例示にすぎない。例えば、前記モジュール又はユニットの分割は、論理的な機能分割のみであり、実際に実現するとき他の分割方式があってもよい。例として、複数のユニット又はアセンブリは他のシステムに組み込まれ又は一体化されてもよく、或いは幾つかの特徴は無視され又は実行されなくてもよい。一方、示された或いは説明された互いの結合、直接結合、又は通信接続は幾つかのインターフェース、装置、又はユニットを介しての間接結合又は通信接続であり、電気的、機械的又は他の形式であってもよい。
【0200】
分離部材として説明された前記ユニットは物理的に分離されたものであってもよく、またはそうでなくてもよく、ユニットとして表示された部材は物理的なユニットであってもよく、またはそうでなくてもよく、1つの箇所に位置してもよく、複数のネットワークユニットに分散されていてもよい。実際の要求に応じてそのうちの一部又は全部のユニットを選択して本実施形態の目的を実現してもよい。
【0201】
また、本発明の各実施例における各機能ユニットは1つの処理ユニットに集積されてもよく、各ユニットは個々に物理的に存在してもよく、2つ以上のユニットは1つの処理ユニットに集積されてもよい。前記集積されたユニットはハードウエアの形式で実現されてもよく、ソフトウェア機能ユニットの形式で実現されてもよい。
【0202】
前記集積されたユニットは、ソフトウェア機能ユニットの形で実現され独立した製品として販売または使用されるとき、1つのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されてもよい。このような理解に基づき、本発明の技術方案は、本質上、又は、従来の技術に貢献がある部分は、ソフトウェア製品の形で体現することができ、該コンピュータソフトウェア製品が記憶媒体に記憶され、コンピュータプロセッサ(processor)を本発明の各実施例に記載の方法の全部または一部を実行するための複数の指令を含む。前記記憶媒体は、USBメモリ、ポータブルハードディスク、リードオンリーメモリ(ROM、Read−Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク又は光ディスクなどの様々なプログラムコードを記憶できる媒体を含む。
【0203】
以上の説明は本発明に係る実施形態にすぎず、本発明の保護範囲を制限しようとするものではない。本発明の明細書及び添付図面によって作成したすべての同等構造又は同等フロー変更を、直接又は間接的に他の関連する技術分野に実施することは、いずれか同じ理由により本発明の保護範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6