(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の行動ターゲティングを用いた広告システムでは、主にインターネット上でのユーザの行動のみがその分析の対象となっている。そのため、ユーザが実際にどのような行動をしているか、それを反映させることが出来ていない。
【0006】
特に、単に書籍などの商品を広告として通知する場合とは異なり、ある飲食店への来店を促すような広告を行う場合には、インターネット上での行動を分析しただけでは、不十分である。なぜならば、ユーザが実際にどのような場所を利用し、どのような時間帯に飲食店を訪れるかは、実際の飲食店の利用状況を判定しなければ特定できないからである。そのため従来の行動ターゲティングを用いた広告システムでは、飲食店を対象とした行動ターゲティングによる広告システムを行うことが出来ない。あるいは行えたとしても精度が高いものとはならない。
【0007】
そこで飲食店を対象とする場合であっても適切な広告が行えることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は上記課題に鑑み、飲食店を対象とした場合であっても行動ターゲティングを用いた電子広告を行える電子広告システムを発明した。
【0010】
本発明のように構成することで、ユーザが実際に訪れていた飲食店と、ウェブサイト上での行動履歴とを複合的に判断した上で案内する飲食店を抽出することが出来る。これによって、案内する対象が飲食店のように、ユーザの実際の行動が大きく影響する場合であっても、行動ターゲティングを用いた電子広告システムが実現可能となる。
【0012】
本発明のように実際に訪れていた飲食店に基づいて、案内する飲食店を通知しても良い。飲食店の場合には、実際の行動が大きく影響するからである。
【0016】
このように来店情報を取得し、それに基づいて案内する飲食店を通知しても良い。これによって、ユーザが実際に訪れている場所の付近の飲食店を通知できる。また、GPSによる所在地情報ではなく、来店情報によって所在地情報を取得することから、ビルの階数をも判定対象とすることが出来る。飲食店は同一ビル内に複数存在することも多いためである。
【0017】
第1の発明は、行動ターゲティングを用いた電子広告システムであって、飲食店に設置された読取装置に、ユーザが利用する可搬型通信端末を接触または近接させることで、前記飲食店への来店日時情報とユーザ識別情報と読取装置識別情報とを含む来店情報を、前記可搬型通信端末または読取装置から取得する来店情報取得部と、前記来店情報を記憶する来店情報記憶部と、前記読取装置識別情報に対応付けて該読取装置識別情報により特定される読取装置が設置された飲食店に関する情報を記憶する飲食店情報記憶部と、前記来店情報記憶部に記憶する来店情報及び前記飲食店情報記憶部に記憶する飲食店に関する情報に基づいて、前記ユーザの興味のある飲食店の属性を分析し、前記分析結果に基づいて該当する飲食店を前記飲食店情報記憶部から抽出する分析部と、前記抽出した飲食店に関する案内を通知する通知部と、を有し、前記飲食店情報記憶部には、各飲食店の業態及び該業態での平均滞在時間が記憶されており、前記通知部は、前記飲食店情報記憶部を参照して
ユーザが現在訪れている飲食店の業態を特定し、前記来店情報取得部で取得した新たな来店情報における前記来店日時情報から
、前記記憶されている前記特定した飲食店の業態の平均滞在時間を用いて算出される所定のタイミングの経過後、前記分析部で抽出した飲食店に関する案内を通知する、電子広告システムである。
また、第2の発明は、行動ターゲティングを用いた電子広告システムであって、飲食店に設置された読取装置に、ユーザが利用する可搬型通信端末を接触または近接させることで、前記飲食店への来店日時情報とユーザ識別情報と読取装置識別情報とを含む来店情報を、前記可搬型通信端末または読取装置から取得する来店情報取得部と、前記来店情報を記憶する来店情報記憶部と、前記読取装置識別情報に対応付けて該読取装置識別情報により特定される読取装置が設置された飲食店に関する情報を記憶する飲食店情報記憶部と、前記来店情報記憶部に記憶する来店情報及び前記飲食店情報記憶部に記憶する飲食店に関する情報に基づいて、前記ユーザの興味のある飲食店の属性を分析し、前記分析結果に基づいて該当する飲食店を前記飲食店情報記憶部から抽出する分析部と、前記抽出した飲食店に関する案内を通知する通知部と、を有し、前記通知部は、前記来店情報取得部で新たな来店情報における前記来店日時情報から所定のタイミングの経過後、前記分析部で抽出した飲食店に関する案内を通知するようになっており、
前記所定のタイミングは、前記ユーザの過去の来店情報のうち、同日における一店目と二店目との間の時間差の平均を算出し、算出した時間よりも所定時間前のタイミングである、電子広告システムである。
【0018】
このように構成することで、ユーザが次のお店を選ぶタイミングで案内を通知することも可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によって、飲食店を対象とした場合であっても行動ターゲティングを用いた電子広告を行える電子広告システムが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の電子広告システム1のシステム構成の概念図の一例を
図1に模式的に示す。本発明の電子広告システム1では、電子広告を行う飲食店情報提供会社が運営する管理サーバ2と、ユーザが利用するユーザ端末4と、各飲食店に設置される読取端末と、が用いられる。
【0022】
管理サーバ2は、プログラムの演算処理を実行するCPUなどの演算装置70と、情報を記憶するRAMやハードディスクなどの記憶装置71と、ディスプレイ(画面)などの表示装置72と、キーボードやポインティングデバイス(マウスやテンキーなど)などの入力装置73と、演算装置70の処理結果や記憶装置71に記憶する情報をインターネットやLANなどのネットワークを介して送受信する通信装置74とを有している。コンピュータ上で実現する各機能(各手段)は、その処理を実行する手段(プログラムやモジュールなど)が演算装置70に読み込まれることでその処理が実行される。各機能は、記憶装置71に記憶した情報をその処理において使用する場合には、該当する情報を当該記憶装置71から読み出し、読み出した情報を適宜、演算装置70における処理に用いる。
図2にコンピュータ端末やサーバのハードウェア構成の一例を模式的に示す。また、コンピュータ端末やサーバにおける処理は、複数のコンピュータ端末やサーバに、その機能が分散配置されていても良い。
【0023】
本発明における各手段は、その機能が論理的に区別されているのみであって、物理上あるいは事実上は同一の領域を為していても良い。
【0024】
ユーザ端末4は、ユーザが利用するコンピュータ端末や可搬型通信端末であり、管理サーバ2が電子広告の通知を行う端末である。可搬型通信端末は、携帯電話(スマートフォンも含む)、PHSなどの通信機能を備えた端末である。また可搬型通信端末の記憶装置には、当該ユーザを識別するための識別情報(ユーザ識別情報)が記憶されていることが好ましい。さらに可搬型通信端末には、所定のアプリケーションソフトウェアが記憶されていると良い。
【0025】
読取装置3は、各飲食店に設置される端末であって、可搬型通信端末と接触または近接することによって、当該可搬型通信端末を利用するユーザが当該飲食店に来店したことを示す来店情報を管理サーバ2に通知する。読取装置3には店舗または読取装置3を識別可能な情報(以下、総称して「読取装置識別情報」という)が記憶されている。読取装置3と可搬型通信端末との間で接触または非接触で通信を行う場合の通信方式にはさまざまなものがあるが、たとえばNFC方式(Near Field Communication)などのRFIDが一例としてある。なお、これには限定されない。また、読取装置3には、インターネットなどのネットワークでの通信が可能な装置と、ネットワークでの通信が行えない装置のいずれも用いることができる。
【0026】
ネットワークでの通信が可能な読取装置3の場合、可搬型通信端末に記憶されたユーザ識別情報を読み取り、読み取ったユーザ識別情報と読取装置識別情報と来店日時情報とを管理サーバ2に送信する。ネットワークでの通信が可能な読取装置3とは、読取装置3そのものに通信機能が内蔵されているほか、読取装置3と接続された、ネットワークでの通信が可能な装置(たとえばPOSレジやコンピュータ端末など)の場合も含む。
【0027】
ネットワークでの通信が行えない読取装置3の場合、読取装置3に記憶された読取装置識別情報を可搬型通信端末に送り、可搬型通信端末から、ユーザ識別情報と読取装置識別情報と来店日時情報とを管理サーバ2に送信する。
【0028】
さらに、可搬型通信端末には読取装置3と通信を行うための通信機能を備えていない場合もある。その場合、読取装置3から所定の音(読取装置3または飲食店ごとにユニークな音)を再生する。そして可搬型通信端末で所定のアプリケーションソフトウェア(後述の処理を行うアプリケーションソフトウェア)を起動させた状態で、可搬型通信端末を近接させると、当該アプリケーションソフトウェアでその音を認識することで読取装置3または飲食店を特定し、対応する読取装置識別情報を特定する。そして可搬型通信端末のアプリケーションソフトウェアが認識した読取装置識別情報とユーザ識別情報と来店日時情報とを管理サーバ2に送る。
【0029】
以上のような処理を行うことで、読取装置3または可搬型通信端末から管理サーバ2に来店したことを示す情報(来店情報)を送る。
【0030】
管理サーバ2は、来店情報取得部20と来店情報記憶部21とウェブサイト行動履歴情報取得部22とウェブサイト行動履歴情報記憶部23と分析部24と飲食店情報記憶部25と通知部26とを有している。
【0031】
来店情報取得部20は、読取装置3または可搬型通信端末から来店情報(ユーザ識別情報、読取装置識別情報、来店日時情報)を取得し、後述する来店情報記憶部21に記憶させる。
【0032】
来店情報記憶部21は、ユーザごとに、いつどの飲食店を訪れたかを記憶しており、具体的にはユーザ識別情報に対応づけて、読取装置識別情報と来店日時情報とを記憶させている。
図4に来店情報記憶部21の一例を模式的に示す。なお
図4では、ユーザ識別情報「11111」のユーザの来店情報の場合を示したが、ほかのユーザの来店情報も同様に記憶されている。
【0033】
ウェブサイト行動履歴情報取得部22は、管理サーバ2が運営する飲食店に関する情報を提供する情報提供サーバ(図示せず)において、当該ユーザがユーザ端末4からどのようなウェブサイトを閲覧したか、の情報(ウェブサイト行動履歴情報)を記録しているので、情報提供サーバからウェブサイト行動履歴情報を取得し、後述するウェブサイト行動履歴情報記憶部23に記憶させる。
【0034】
ウェブサイト行動履歴情報としては、たとえば情報提供サーバで提供している飲食店の特集情報のうち、特定の地域や料理に関するウェブサイトを閲覧した記録(特集を示す情報やURLなどの記録)、検索キーワードとして入力した単語(検索キーワードとした、たとえば地域や料理などの単語)の記録がある。
【0035】
ウェブサイト行動履歴情報記憶部23は、ウェブサイト行動履歴情報取得部22で取得したウェブサイト行動履歴情報を、ユーザ識別情報ごとに記憶している。
図5にウェブサイト行動履歴情報記憶部23の一例を模式的に示す。なお
図5では、ユーザ識別情報「11111」のユーザのウェブサイト行動履歴情報の場合を示したが、ほかのユーザのウェブサイト行動履歴情報も同様に記憶されている。
【0036】
分析部24は、所定のタイミングで(たとえば定期的にあるいはユーザがある飲食店を訪れた時点)、来店情報記憶部21に記憶している来店情報および/またはウェブサイト行動履歴情報記憶部23に記憶しているウェブサイト行動履歴情報に基づいて、当該ユーザの行動履歴、ユーザの興味があると推定される飲食店の属性を分析し、その属性を有する飲食店を後述の飲食店情報記憶部25から抽出する。
【0037】
この分析にはさまざまな方法を採ることが出来るが、たとえば以下のような方法がある。ウェブサイト行動履歴情報記憶部23に、当該ユーザのウェブサイト行動履歴情報として、バーの特集のウェブサイトを閲覧した情報とがあり、さらに来店情報として銀座のA店を訪れた来店情報が記憶された場合、ユーザの現在いる場所が銀座であることを特定できるので、銀座周辺(特にA店から所定範囲内)のバーの情報を飲食店情報記憶部25から抽出する。これを模式的に
図7に示す。
【0038】
すなわち、ユーザがある飲食店に来店した場合、その来店した飲食店の所在地の情報を飲食店情報記憶部25から特定する。またウェブサイト行動履歴情報に基づいて、ユーザが検索キーワードとしたキーワードに関連する飲食店の属性を特定する。そしてその特定した飲食店の属性と、ユーザが来店している飲食店の所在地の情報に基づいて、該当する飲食店を抽出し、好ましくはユーザの来店している飲食店の所在地から近い飲食店の順番に並び替える。
【0039】
また、分析の方法としては以下のような方法もある。これを模式的に
図8に示す。ユーザがある飲食店に来店した場合、その来店した飲食店の所在地の情報を飲食店情報記憶部25から特定する。またウェブサイト行動履歴情報に基づいて、ユーザが閲覧していたウェブサイトのうち、最も閲覧回数の多いウェブサイトの飲食店の属性を特定する。そしてその特定した飲食店の属性と、ユーザがユーザが来店している飲食店の所在地の情報に基づいて、該当する飲食店を抽出し、好ましくはユーザの来店している飲食店の所在地から近い飲食店の順番に並び替える。
【0040】
さらに分析の方法としては以下のような方法もある。これを模式的に
図9に示す。ユーザがある飲食店に来店した場合、その来店した飲食店の所在地の情報を飲食店情報記憶部25から特定する。またウェブサイト行動履歴情報に基づいて、ユーザが閲覧していたウェブサイトのうち、最も閲覧回数の多い飲食店の属性を特定する。たとえば、イタリア料理の飲食店を最もよく閲覧している、フランス料理の飲食店を最もよく閲覧しているなどを特定する。そしてその特定した飲食店の属性と、ユーザがユーザが来店している飲食店の所在地の情報に基づいて、該当する飲食店を抽出し、好ましくはユーザの来店している飲食店の所在地から近い飲食店の順番に並び替える。
【0041】
加えて分析の方法としては以下のような方法もある。これを模式的に
図10に示す。ユーザがある飲食店に来店した場合、その来店した飲食店の所在地の情報を飲食店情報記憶部25から特定する。またウェブサイト行動履歴情報に基づいて、ユーザが閲覧していたウェブサイトのうち、最も閲覧回数の多い飲食店の属性を特定する。また来店情報記憶部21における読取装置識別情報から、ユーザが実際に訪れている飲食店の属性情報を特定する。そしてウェブサイト行動履歴情報に基づく飲食店の属性と、来店情報に基づく飲食店の属性とのうち、最も多い飲食店の属性を特定する。そしてその特定した飲食店の属性と、ユーザがユーザが来店している飲食店の所在地の情報に基づいて、該当する飲食店を抽出し、好ましくはユーザの来店している飲食店の所在地から近い飲食店の順番に並び替える。なお、ウェブサイト行動履歴情報に基づく飲食店の属性と、来店情報に基づく飲食店の属性とを用いて最も多い飲食店の属性を特定する際に、ウェブサイト行動履歴情報に基づく飲食店の属性に係数を乗算し、来店情報に基づく飲食店の属性に別の係数を乗算した上で、飲食店の属性を特定しても良い。
【0042】
また、分析の方法としては以下のような方法もある。これを模式的に
図11に示す。ユーザがある飲食店に来店した場合、その来店した飲食店の所在地の情報を飲食店情報記憶部25から特定する。またウェブサイト行動履歴情報に基づいて、ユーザが閲覧していたウェブサイトのうち、直近の特集のウェブサイト、最も閲覧回数の多い特集のウェブサイトに関連する飲食店の属性を特定する。たとえば飲食店の属性としては、飲食店の場所、料理の種類(和食、中華料理、イタリア料理、フランス料理、スペイン料理、アジア料理など)、飲食店の形態(レストラン、居酒屋、バー、カラオケ、ファミレスなど)、予算、利用シーン(記念日、新年会、忘年会など)を特定する。そしてその特定した飲食店の属性と、ユーザが来店している飲食店の所在地の情報に基づいて、該当する飲食店を抽出し、好ましくはユーザの来店している飲食店の所在地から近い飲食店の順番に並び替える。
【0043】
分析方法としては上述に限られず、如何なる方法であっても良い。つまり、ウェブサイト行動履歴情報および/または来店情報を用いて分析を行っていればよい。また分析方法としては公知の方法を用いることも出来る。さらに、ウェブサイト行動履歴情報のみ、来店情報のみで分析を行っても良い。
【0044】
飲食店情報記憶部25は、飲食店に関する情報を記憶している。たとえば飲食店を識別する飲食店識別情報、読取装置識別情報、飲食店名、ウェブサイトのURL、所在地情報、電話番号、飲食店で提供するサービス(メニュー、金額など)、クーポンなどに関する情報を記憶している。なお、所在地情報としては、住所、最寄り駅、地図情報における情報、緯度・経度情報などの情報がある。また住所として、本願発明では読取装置3を各飲食店に設置することから、ビルの階数までをも特定することが出来る。そのため、ビル内の飲食店の場合、その階数までが情報として含まれていることが好ましい。
図6に飲食店識別情報記憶部の一例を模式的に示す。
【0045】
通知部26は、分析部24で抽出した結果の飲食店の情報を当該ユーザ端末4に送る。この通知を送るタイミングは如何様なタイミングであっても良い。たとえば分析部24で分析後、すぐに送っても良いし、あるいは当該ユーザの来店情報における来店日時情報から所定時間(たとえば1時間半、2時間など)のタイミングで送っても良い。来店日時情報から所定時間経過したタイミングで送ることによって、ユーザが次のお店を検討し始めるタイミングで広告を行うことが出来る。これによって、広告効果が高まる。
【0046】
タイミングの算出としては、たとえば
図12に示す方法がある。
図12の場合、来店情報記憶部21に記憶している、当該ユーザの過去の来店情報のうち、同日における一店目と二店目との間の時間差(来店日時情報の時間差)の平均を算出し、算出した時間よりも所定タイミングだけ前のタイミング(たとえば来店日時情報の時間差の平均が1時間50分であった場合、そこから30分前のタイミング(来店日時情報から1時間20分後のタイミング)、あるいは7割のタイミング(来店日時情報から1時間17分後のタイミング))で通知を行うようにしても良い。従って、来店日時情報が18時30分であれば、19時50分に通知が行われる。
【0047】
さらにほかの方法としては、ユーザが現在訪れている飲食店の業態を飲食店情報記憶部25を参照することで特定し、当該飲食店の業態での平均滞在時間(あらかじめ記憶しておく)に基づいて、平均滞在時間よりも所定タイミング前のタイミングで通知を行っても良い。さらに、当該飲食店の平均滞在時間がある場合には、その平均滞在時間よりも所定タイミング前のタイミングで通知を行っても良い。
【0048】
なおこの通知は電子メールで行っても良いし、あるいは、ユーザが閲覧する飲食店情報提供サーバのウェブサイト上で表示を行っても良い。前者の場合には、あらかじめユーザ識別情報に対応づけて電子メールを記憶しておき(たとえば来店情報記憶部21やそれ以外のユーザに関する情報を記憶する記憶部に記憶しておき)、それを参照することで通知を行う。一方、後者の場合には、当該通知を管理サーバ2から情報提供サーバに行い、ユーザが通知部26における通知を行うタイミング以降に、ユーザ端末4から情報提供サーバにアクセスしてウェブサイトを閲覧した場合、ウェブサイトの所定欄に表示をさせることでもよい。
【実施例1】
【0049】
次に本発明の処理プロセスの一例を
図3のフローチャートを用いて説明する。
【0050】
まずユーザは、ユーザ端末4からユーザ識別情報および認証情報を入力してログインをした上で、情報提供サーバが提供するウェブサイトを閲覧する。この際には、興味を惹いた飲食店のウェブサイト、特集に関するウェブサイトなどを閲覧することとなる。なお、特集に関するウェブサイトとは、飲食店の情報提供会社が期間を定めて、たとえばスペイン料理特集、銀座特集など、特別に、あるテーマについての情報提供を行うウェブサイトである。そして情報提供サーバでユーザが閲覧したウェブサイトの記録は、情報提供サーバでユーザ識別情報ごとに記録をしておく。また、情報提供サーバでユーザが検索を行いたい場合には、ユーザは検索キーワードの入力を行う。この検索キーワードも情報提供サーバでユーザ識別情報ごとに記録をしておく。
【0051】
以上のようにして情報提供サーバで記録しているウェブサイト行動履歴情報を、管理サーバ2のウェブサイト行動履歴情報取得部22は、情報提供サーバから取得し(S100)、ウェブサイト行動履歴情報記憶部23にユーザ識別情報に対応づけて記憶させる(S110)。
【0052】
一方、ユーザは、飲食店を訪れたら当該飲食店に設置されている読取装置3に、当該ユーザの可搬型通信端末を接触または近接させ、読取装置3または可搬型通信端末から来店情報を管理サーバ2に送る。読取装置3または可搬型通信端末から送られた来店情報は、管理サーバ2の来店情報取得部20で取得し(S100)、来店情報記憶部21にユーザ識別情報に対応づけて記憶させる(S110)。
【0053】
なお上記ではウェブサイト行動履歴情報と来店情報の双方を取得した場合を示したが、ウェブサイト行動履歴情報のみを取得しても良いし、来店情報のみを取得しても良い。
【0054】
そして所定のタイミングで分析部24は、来店情報記憶部21に記憶する来店情報、ウェブサイト行動履歴情報記憶部23に記憶するウェブサイト行動履歴情報をユーザ識別情報に基づいて抽出し、上述のように分析処理を実行し(S120)、ユーザに対して通知する飲食店を飲食店情報記憶部25から抽出する(S130)。
【0055】
以上のようにして抽出した飲食店について、通知部26は電子メールやウェブサイトでユーザ端末4に通知を行う(S140)。すなわち当該飲食店についての案内を含む電子メールを送ったり、情報提供サーバのウェブサイトに、当該ユーザがアクセスした場合、その飲食店をおすすめとして表示したりする方法がある。
【実施例2】
【0056】
上述の実施例ではユーザに対して任意のタイミングで通知を行う場合であったが、たとえばユーザがある飲食店を訪れた後、所定のタイミングで通知を行うこととしても良い。たとえば、ユーザが「2011年5月31日18時30分」に「A店」に入店し、読取装置3に可搬型通信端末を読み取らせたとする。この場合、来店情報として、当該ユーザのユーザ識別情報とA店の読取装置識別情報と来店日時情報「2011年5月31日18時30分」とが送られる。この来店情報は、管理サーバ2の来店情報取得部20で取得し、来店情報記憶部21に記憶される。
【0057】
そして分析部24は、来店情報におけるA店の読取装置識別情報に基づいて当該A店の所在地情報を特定する。たとえば「新宿区新宿1−2−3 ○○ビル3階」であったとする。次に、分析部24は、当該ユーザのユーザ識別情報に対応づけられたウェブサイト行動履歴情報記憶部23におけるウェブサイト行動履歴情報に基づいて、直近の特集の情報や最も閲覧回数の多い特集の情報を特定し、飲食店に関する属性を特定する。あるいはユーザが閲覧している飲食店のうち、二次会にふさわしい飲食店(たとえばバー、ダーツバー、居酒屋、カラオケなど)の業態であって、ユーザが最も閲覧している回数が多い業態を特定する。そして特定した業態(たとえば居酒屋)のうち、上記で特定したA店の所在地情報から所定範囲内(たとえば300メートル)以内の飲食店を飲食店情報記憶部25を参照することで特定し、抽出する。また抽出した際には、A店の所在地から近い順に並べ替えを行うことが好ましい。たとえば最も近い飲食店が「新宿区新宿1−2−3 ○○ビル4階」、次に近い飲食店が「新宿区新宿1−2−3 ○○ビル地下1階」、その次に近い飲食店が「新宿区新宿1−3−5」のように並べ替えをする。なお、飲食店が近いか否かは、二店間の直線距離を所在地情報に基づいて判定すればよい。
【0058】
また上述のように、本発明では、飲食店の読取装置3で来店情報を識別するため、ユーザの現在いる位置として、ビルの何階にいるかまでをも特定することが出来る。これは読取装置3に可搬型通信端末を読み取らせ、ユーザの現在いる飲食店およびその所在地を特定出来るためである。従って、ユーザが現在いる飲食店から最も近い飲食店を特定する場合、ビルの階数をも考慮することが出来る。たとえば雑居ビル内の飲食店の場合、各階ごとに複数の飲食店がある場合もある。そのため、飲食店の近さの判定にあっては、同一階の別の飲食店が最も近く、次に当該階に最も近接している階(たとえば3階であれば4階と2階、1階であれば2階と地下1階)で判定をすることが出来る。
【0059】
また業態で特定するほか、ユーザが実際に閲覧していた飲食店がある場合にはそれを優先的に抽出し、並べ替えの際の上方に優先的に表示をしても良い。
【0060】
以上のような方法で分析部24が抽出を行うと、来店日時情報から所定のタイミングの段階で、通知部26が、分析部24で抽出した各飲食店の情報を当該ユーザに対して通知を行う。