(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について説明する。
(第一実施形態)
先ず、第一実施形態について
図1〜
図6に基づいて説明する。
図1において、保持具1は、超音波診断装置100の超音波プローブ101の位置を検出するための磁場発生部102を保持している。この磁場発生部102は、本発明における被保持体の実施の形態の一例である。ただし、本発明における被保持体は磁場発生部102に限られるものではない。本発明における被保持体は、その位置を調節可能であることが要求される一方で、その位置を固定することも要求されるものであればよい。
【0011】
前記磁場発生部102は、例えば磁場発生コイルである。この磁場発生部102によって発生する磁場により、座標空間が形成される。前記超音波プローブ101には、前記磁場発生部102で発生する磁場を検出する磁気センサー(sensor)103が設けられている。この磁気センサー103は、例えばホール(Hall)素子で構成される。前記磁気センサー103の検出信号は、前記超音波診断装置100の装置本体100aへ入力される。この装置本体100aに入力された前記磁気センサー103の検出信号に基づいて、前記磁場発生部102によって形成される座標空間における前記超音波プローブ101の位置が算出される。
【0012】
ちなみに、前記超音波診断装置100には、他の医用画像装置において取得されたX線CT画像のデータ(data)やMRI画像のデータが記憶されている。そして、前記超音波プローブ101の位置に基づいて、リアルタイムの超音波画像と被検体において同一断面のX線CT画像やMRI画像が、前記超音波診断装置100の表示部104に表示される。
【0013】
前記保持具1について
図2〜
図4に基づいて説明する。なお、
図1に示された保持具1は、
図2〜
図4に示されたものが簡略化して図示されている。
【0014】
図2において、前記保持具1は、前記磁場発生部102を保持する保持アーム2、この保持アーム2が取り付けられている支柱3、この支柱3が設けられている基台4、この基台4に設けられたキャスター5,5を備えている。これらキャスター5,5により、前記保持具1を移動させることができるようになっている。
【0015】
前記保持アーム2の基端側は、前記支柱3に設けられた取付部6に対して取り付けられている。また、前記保持アーム2の先端部には、前記磁場発生部102が固定された固定台7が設けられている。
【0016】
前記保持アーム2は、基端側の第一アーム部材10と先端側の第二アーム部材11とを含んで構成される。前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11は、一対のアーム構成体12,13で構成されている。前記第一アーム部材10の前記アーム構成体12,13は、前記取付部6を挟み込むようにしてこの取付部6に取り付けられている。また、前記第二アーム部材11の前記アーム構成体12,13によって前記固定台7が挟持されている。
【0017】
前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11は、接続部14において回動可能な状態で接続されている。この接続部14は、接続体15、回動軸16、保持板17、押圧ボルト18、回動規制部材19を含んで構成される。
【0018】
前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11は、前記接続体15を介して接続されている。より詳細に説明すると、第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11は、前記アーム構成体12,13が前記回動軸16,16によって前記接続体15の対向面に回動可能に設けられることにより、前記接続部14において回動可能に接続されている。
【0019】
前記回動軸16は、前記接続体15及び前記保持板17に対して固定されていてもよい。この場合、前記回動軸16は、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11に、ベアリング(bearing)等を介して回動可能に設けられる。また、前記回動軸16は、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11に対して固定されていてもよい。この場合、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11の回動に伴って前記回動軸16が回動できるよう、前記回動軸16は、前記接続体15及び前記保持板17に、ベアリング等を介して回動可能に設けられる。また、前記回動軸16は、回動規制部材19に対して、回動可能な状態で貫通している。
【0020】
前記回動軸16,16には、前記保持板17が設けられている。この保持板17には、前記押圧ボルト18が保持される。前記押圧ボルト18は、前記保持板17に螺合して保持されるようになっている。前記押圧ボルト18により、前記回動規制部材19が前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11に対して押圧され、また押圧が解除される。前記押圧ボルト18は、本発明における押圧部材及び操作部の実施の形態の一例である。
【0021】
前記回動規制部材19は、平板状に形成されており、前記回動軸16,16が貫通している。前記回動規制部材19は、回動軸16,16をガイドにして、この回動軸16,16の軸方向に移動可能な状態になっている(
図4参照)。そして、
図3に示すように、前記回動規制部材19は、前記押圧ボルト18の先端部分によって前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11に対して押圧される。より詳細には、前記回動規制部材19は、前記押圧ボルト18によって押圧されることにより、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11のアーム構成体13に対して押圧状態で接触する。前記回動規制部材19は、前記アーム構成体13と対向する押圧面19aが、同一平面上に位置する前記アーム構成体13,13の被押圧面13a,13aと押圧状態で接触する。そして、前記被押圧面13a,13aに対して前記押圧面19aが押圧状態で接触することによって、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11の回動が規制される。
【0022】
一方、
図4に示すように、前記アーム構成体13に対する前記回動規制部材19の押圧状態が解除されると、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11の回動が可能になる。前記回動規制部材19は、本発明における回動規制部材の実施の形態の一例である。
【0023】
本例の作用を説明する。前記磁場発生部102の位置を調節したい場合には、前記アーム構成体13に対する前記回動規制部材19の押圧状態を解除する。そして、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11を回動させて、前記磁場発生部102を所望の位置に配置する。
【0024】
例えば、
図5に示すように、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11が直線状に並んだ状態から、
図6に示すように、前記第一アーム部材10に対して前記第二アーム部材11がほぼ直角になるように、前記第二アーム部材11及び前記接続体15を回動させる(前記第一アーム部材10は、前記第二アーム部材11及び前記接続体15に対して相対的に回動する)。
【0025】
前記磁場発生部102が所望の位置に配置されると、前記押圧ボルト18を回してこの押圧ボルト18を前記アーム構成体13側へ移動させる。そして、前記回動規制部材19が前記アーム構成体13に対して接触して押圧状態になり、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11の回動が規制されるまで、前記押圧部材を回す。これにより、前記磁場発生部102の位置が固定される。
【0026】
前記回動規制部材19による押圧状態を解除したい場合、押圧状態が解除される方向に前記押圧ボルト18を回し、この押圧ボルト18による前記回動規制部材19の押圧を解除する(
図4)。
【0027】
以上説明した本例によれば、前記押圧ボルト18を操作することにより、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11の回動を規制したり、規制を解除したりすることができる。これにより、前記磁場発生部102の位置を調節することができる一方で、その位置を固定することができる。
【0028】
次に、第一実施形態の変形例について
図7〜
図10に基づいて説明する。この第一変形例では、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11は、一対のアーム構成体12,13で構成されず一部材で構成されている。また、前記接続部14は、前記接続体15を有さず、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11は上下に重ねられて前記回動軸16によって回動可能に接続されている。
【0029】
前記回動軸16は一つのみである。この回動軸16は、前記第二アーム部材11及び前記保持板17に対して固定されていてもよい。この場合、前記回動軸16は、前記第一アーム部材10に、ベアリング等を介して回動可能に設けられる。また、前記回動軸16は、前記第一アーム部材10に対して固定されていてもよい。この場合、前記回動軸16は、前記第二アーム部材11及び前記保持板17に、ベアリング等を介して回動可能に設けられる。
【0030】
前記回動規制部材19は、段部19bを有するように形成されており、前記第一アーム部材10の前記被押圧面13aと当接する押圧面19a−1と前記第二アーム部材11の前記被押圧面13aと当接する押圧面19a−2とが異なる平面に位置している。これにより、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11において、異なる平面に位置している前記被押圧面13aに対し、前記回動規制部材19が押圧状態で接触することができるようになっている。
【0031】
前記回動規制部材19の押圧面19a−2には、突部20が設けられている。この突部20は、前記第二アーム部材11の被押圧面13aに設けられた穴部21に挿入可能となっている。前記突部20の大きさと穴部21との大きさは、
図8に示すように、前記回動規制部材19が前記回動軸16の軸方向に移動できる関係に設定されている。
【0032】
前記保持板17は、前記第二アーム部材11に対して固定柱22によって固定されている。固定柱22は、前記保持板17において前記回動軸16が設けられた側とは反対側の端部に設けられている。
【0033】
本例では、
図9に示すように、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11が直線状に並んだ状態から前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11を回動させる場合、
図8に示すように前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11に対する前記回動規制部材19の押圧状態を解除する。この時、前記回動規制部材19の突部20が前記穴部21に挿入された状態を維持する。
【0034】
次に、前記磁場発生部102(図示省略)が所望の位置に配置されるよう、
図10に示すように前記第二アーム部材11を回動させる。前記第二アーム部材11の回動に伴って、前記保持板17及び前記回動規制部材19も前記回動軸16を中心にして回動する。
【0035】
前記磁場発生部102が所望の位置に配置されると、前記回動規制部材19を前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11に対して接触させて押圧状態とし、これら第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11の回動を規制する(
図7)。
【0036】
(第二実施形態)
次に、第二実施形態について
図11〜
図14に基づいて説明する。なお、第一実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0037】
本例では、レバー(lever)25によって前記回動規制部材19が移動し、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11に対する回動規制部材19の押圧と押圧解除とが行われるようになっている。前記レバー25及び後述するワイヤー27は、本発明における操作部の実施の形態の一例である。
【0038】
詳細に説明すると、前記レバー25は、前記固定台7に設けられたレバー取付部26に回動可能に設けられている。前記レバー25には、ワイヤー(wire)27が接続されている。ワイヤー27は、前記固定台7に設けられたガイド部28を通って前記レバー25と接続されている。
【0039】
次に、
図12に基づいて、本例における前記接続部14′の構成について説明する。前記回動規制部材19における前記押圧面19aと反対側の面には、前記ワイヤー27が固定されている。このワイヤー27は、前記保持板17を貫通し、後述する収納箱31内のローラー32を通って、前記レバー25と接続されている(
図11)。
【0040】
前記回動規制部材19には、前記ワイヤー27の近傍に軸29が設けられている。この軸29は、前記保持板17を貫通して、前記収納箱31内に達している。前記軸29は、前記回動規制部材19の移動とともに、前記保持板17及び前記収納箱31内を軸方向に移動可能になっている。
【0041】
前記軸29の周囲には、ばね30が設けられている(
図11及び
図13では図示省略)。このばね30は、前記回動規制部材19と前記保持板17との間に設けられており、弾発力によって、前記回動規制部材19を前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11に対して押圧するようになっている。これにより、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11の回動が規制される。前記ばね30は、本発明における押圧部材の実施の形態の一例である。
【0042】
前記保持板17における前記回動規制部材19とは反対側の面には、収納箱31が設けられている。この収納箱31内には、ローラー(roller)32が回動可能に設けられている。
【0043】
本例の作用を説明する。前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11に対する前記回動規制部材19の押圧状態を解除する場合、
図13に示すように、前記レバー25を下方へ回動させ、前記ワイヤー27によって前記回動規制部材19を下方へ引っ張る。これにより、
図13及び
図14に示すように、前記回動規制部材19は前記ばね30の弾発力に抗して下方へ移動し、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11に対する前記回動規制部材19による押圧状態が解除される。そして、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11の回動が可能になる。
【0044】
一方、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11の回動を規制したい場合は、
図13に示す状態から
図11に示す状態のように、前記レバー25を上方に回動させて元の位置に戻す。これにより、前記ばね30の弾発力によって前記回動規制部材19が前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11に対して押圧状態で接触して回動が規制される。
【0045】
以上説明した本例によっても、前記レバー25を操作することにより、第一実施形態と同様に、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11の回動を規制したり、規制を解除したりすることができる。これにより、前記磁場発生部102の位置を調節することができる一方で、その位置を固定することができる。
【0046】
次に、第二実施形態の変形例について
図15〜
図17に基づいて説明する。本例では、前記接続部14′はソレノイド(solenoid)35を有している。そして、前記レバー25及び前記ワイヤー27の代わりに、前記ソレノイド35によって前記回動規制部材19が移動するようになっている。
【0047】
詳細に説明する。前記ソレノイド35は、前記保持板17に固定された筐体36とこの筐体36から突出して前進及び後退運動するプランジャ(plunger)37とを有している。このプランジャ37は、前進及び後退運動可能な状態で前記保持板17を貫通している。
【0048】
前記プランジャ37の先端部には前記回動規制部材19が設けられている。本例では、前記回動規制部材19は、プランジャ37によって前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11に対して押圧され、また押圧状態が解除されるようになっている。前記プランジャ37によって前記回動規制部材19が前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11に対して押圧されることにより、これら第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11の回動が規制される。前記プランジャ37は、本発明における押圧部材の実施の形態の一例である。
【0049】
前記筐体36には、前記固定台7と接続されたケーブル38が接続されている。固定台7には前記ソレノイド35を駆動する電力を供給する電源部39が設けられている。この電源部39の電力は、前記ケーブル38を介して前記ソレノイド35へ供給される。
【0050】
前記固定台7には、前記ソレノイド35を駆動させる操作ボタン40が設けられている。この操作ボタン40を押すごとに、前記プランジャ37の前記保持アーム2側への移動と、それとは反対側への移動とが繰り返されるようになっている。これにより、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11に対する前記回動規制部材19による押圧及び押圧状態の解除が行われる。詳細は後述する。前記操作ボタン40は、本発明における操作部の実施の形態の一例である。
【0051】
本例の作用を説明する。
図16に示すように、前記回動規制部材19が前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11に対して押圧されて回動が規制されている状態から、回動が可能な状態にする場合、前記操作ボタン40を押す。これにより、
図17に示すように前記プランジャ37が後退して前記回動規制部材19が前記アーム構成体13から離れ、押圧状態が解除される。
【0052】
一方、
図17に示す状態から、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11の回動を規制したい場合、再び前記操作ボタン40を押す。これにより、前記プランジャ37が前進して前記回動規制部材19が前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11に対して押圧状態になる。
【0053】
(第三実施形態)
次に、第三実施形態について
図18〜
図21に基づいて説明する。なお、第一、第二実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0054】
図18に示すように、本例の保持具1は、第二実施形態と同様に前記レバー25を備え、また前記接続部14′の構成も第二実施形態と同一であるが、前記基台4に支持脚50,50が設けられている。これら支持脚50,50は、前記基台4内をスライド可能な状態で設けられている。
【0055】
前記支持脚50,50には、外周面から突出するばね受け51が設けられている。このばね受け51と前記基台4の下面4aとの間には、ばね52が設けられている。このばね52の弾発力により、前記支持脚50,50が前記キャスター5,5よりも下方へ突出して、前記保持具1を床面Fにおいて支持するようになっている。この状態においては、前記キャスター5,5による前記保持具1の移動が規制され、前記支持脚50,50は、本発明における移動規制部の実施の形態の一例である。
【0056】
前記支持脚50,50には、前記床面Fとは反対側において、前記ワイヤー27が接続されている。本例では、前記ワイヤー27は、前記収納箱31を貫通して前記支柱3内を通り、前記支持脚50,50と接続されている。より詳細には、前記ワイヤー27は、
図19に示すように、前記ローラー32の近傍において前記回動規制部材19側と前記支柱3側(
図19において左側、図示省略)とに分岐する。そして、
図18に示すように、前記収納箱31から前記支柱3内に挿入されたワイヤー27は、支柱内第一ローラー53、支柱内第二ローラー54によってガイドされている。そして、前記ワイヤー27は、支柱内第二ローラー54の近傍において分岐し、さらに前記基台4上に設けられた収納部55内を収納部内ローラー56,56によってガイドされて、前記支持脚50,50と接続されている。
【0057】
前記ワイヤー27及びこのワイヤー27と接続されてワイヤー27を動かす前記レバー25により、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11に対する前記回動規制部材19による押圧と前記支持脚50,50による移動の規制とが一操作で行われ、なおかつ前記回動規制部材19による押圧状態の解除と前記支持脚50,50による移動規制の解除とが一操作で行われるようになっている。詳細は後述する。前記レバー25及び前記ワイヤー27は、本発明における操作部の実施の形態の一例である。
【0058】
本例の作用を説明する。前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11に対する前記回動規制部材19の押圧状態を解除する場合、第二実施形態と同様に、
図20に示すように、前記レバー25を下方へ回動させ、前記ワイヤー27によって前記回動規制部材19を下方へ引っ張る。これにより、
図20及び
図21に示すように、前記回動規制部材19は前記ばね30の弾発力に抗して下方へ移動し、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11に対する前記回動規制部材19による押圧状態が解除される。そして、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11の回動が可能になる。
【0059】
また、前記レバー25を下方へ回動させると、このレバー25の方向へ前記ワイヤー27が水平移動する。これにより、
図20に示すように、前記支持脚50,50が、前記ばね52の弾発力に抗して前記ワイヤー27によって上方へ引っ張られる。そして、前記支持脚50,50の接地面50a,50aが、前記キャスター5,5よりも上方に位置して、キャスター5,5が床面Fに接触する。従って、前記保持具1を移動することが可能になる。
【0060】
一方、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11の回動を規制したい場合は、
図20に示す状態から
図18に示す状態のように、前記レバー25を上方に回動させて元の位置に戻す。これにより、
図18及び
図19に示すように、第二実施形態と同様に、前記回動規制部材19が前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11に対して押圧状態で接触して回動が規制される。
【0061】
また、前記レバー25を上方へ回動させると、このレバー25とは反対側の方向へ前記ワイヤー27が水平移動する。これにより、
図18に示すように、前記支持脚50,50が下方へ移動し、前記接地面50a、50aが前記キャスター5,5よりも下方に位置して床面Fに接触する。従って、前記支持脚50,50によって前記保持具1が支持されるので、前記保持具1の移動が規制される。
【0062】
以上説明した本例によっても、第一、第二実施形態と同様の効果を得ることができるほか、前記回動規制部材19及び前記支持脚50,50と接続された前記ワイヤー27と、ワイヤー27を動かして前記回動規制部材19及び前記移動規制部を操作する操作具を構成する前記レバー25とを備えており、前記回動規制部材19による押圧と前記支持脚50,50による移動の規制、並びに前記回動規制部材19による押圧状態の解除と移動規制の解除とを、前記レバー25による一操作で行なうことができるので、操作が簡単である。
【0063】
次に、第三実施形態の変形例について
図22〜
図25に基づいて説明する。本例では、第二実施形態の変形例と同様に、前記ソレノイド35によって前記回動規制部材19が移動するようになっている。また、前記支持脚50,50は、ソレノイドで構成され、先端部に前記接地面50aを有するプランジャ50bが筐体50cから前進及び後退するようになっている。
【0064】
前記筐体36からは、ケーブル57が前記支柱3内へと延びている。そして、前記ケーブル57は、前記支柱3内から前記基台4内を通って前記支持脚50,50の筐体50c,50cと接続されている。従って、前記電源部39の電力は、前記ケーブル38、前記ケーブル57を介して前記支持脚50,50へ供給される。
【0065】
前記操作ボタン40を押すことにより、前記ソレノイド35及び前記支持脚50,50が動作して、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11に対する前記回動規制部材19による押圧と支持脚50,50による移動の規制とが行われ、なおかつ前記回動規制部材19による押圧状態の解除と前記支持脚50,50による移動規制の解除とが行われるようになっている。詳細は後述する。前記操作ボタン40は、本発明における操作部の実施の形態の一例である。
【0066】
本例の作用を説明する。前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11に対する前記回動規制部材19の押圧状態を解除する場合、第二実施形態の変形例と同様に前記操作ボタン40を押す。これにより、
図24及び
図25に示すように、前記プランジャ37が後退して前記回動規制部材19が前記アーム構成体13から離れ、押圧状態が解除される。
【0067】
また、前記ボタン40が押されて前記プランジャ37が後退すると同時に、前記支持脚50,50のプランジャ50bも後退して前記接地面50a,50aが、前記キャスター5,5よりも上方に位置する。これにより、前記キャスター5,5が床面Fに接触し、前記保持具1を移動することが可能になる。
【0068】
一方、
図24及び
図25に示す状態から、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11の回動を規制したい場合、再び前記操作ボタン40を押す。これにより、
図22及び
図23に示すように、前記プランジャ37が前進して前記回動規制部材19が前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11に対して押圧状態になる。
【0069】
また、前記ボタン40が押されて前記プランジャ37が前進すると同時に、前記支持脚50,50のプランジャも前進して前記接地面50a、50aが前記キャスター5,5よりも下方に位置する。これにより、前記接地面50a,50が床面Fに接触し、前記支持脚50,50によって前記保持具1が支持されるので、前記保持具1の移動が規制される。
【0070】
以上説明した本例によっても、第一、第二実施形態と同様の効果を得ることができるほか、前記回動規制部材19及び前記支持脚50,50を操作する操作具を構成する前記操作ボタン40により、前記回動規制部材19による押圧と前記支持脚50,50による移動の規制、並びに前記回動規制部材19による押圧状態の解除と移動規制の解除とを、一操作で行なうことができるので、操作が簡単である。
【0071】
以上、本発明を前記実施形態によって説明したが、本発明はその主旨を変更しない範囲で種々変更実施可能なことはもちろんである。例えば、前記レバー25や前記操作ボタン40は、前記保持具1において、前記固定台7以外の他の部分に設けられていてもよい。また、前記保持具1とは独立して設けられていてもよい。
【0072】
また、前記第二実施形態の変形例において、前記操作ボタン40の代わりに、前記超音波診断装置100の装置本体100aの操作部で操作することにより、前記ソレノイド35を動作させて、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11に対する前記回動規制部材19による押圧及びこの回動規制部材19による押圧状態の解除が行われるようになっていてもよい。また、前記第三実施形態の変形例において、前記操作ボタン40の代わりに、前記超音波診断装置100の装置本体100aの操作部で操作することにより、前記ソレノイド35及び前記支持脚50,50を動作させて、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11に対する前記回動規制部材19による押圧と前記支持脚50,50による移動の規制とが一操作で行なわれ、前記回動規制部材19による押圧状態の解除と前記支持脚50,50による移動規制の解除とが一操作で行われるようになっていてもよい。
【0073】
さらに、前記第二、第三実施形態において、前記第一実施形態の変形例と同様に、前記第一アーム部材10及び前記第二アーム部材11が一部材で構成されて前記被押圧面13aが異なる平面に位置し、前記回動規制部材19が前記段部19bを有するように形成されていてもよい。