【文献】
NTT DOCOMO,Correction of CSFB Paging to avoid the use of TMSI [online],3GPP TSG-SA WG2 Meeting #85 S2-112638,2011年 5月23日,第7.2節,[retrieved on 2017.06.16], Retrieved from the Internet: <URL: http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_85_XiAN/Docs/S2-112638.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1を用いて本発明の実施の形態1にかかる通信システムの構成例について説明する。
図1の通信システムは、3GPPにおいて規定されたノード装置によって構成されている。
図1の通信システムは、移動管理装置10、SGSN20、移動通信装置30及び交換機40を有している。
【0017】
移動管理装置10とSGSN20とは、連携してISR機能を動作している。ISR機能を動作しているとは、言い換えると、移動管理装置10及びSGSN20は、それぞれに搭載しているISR機能を活性化している。SGSN20は、位置登録エリア50を管理している。移動管理装置10は、位置登録エリア60を管理している。位置登録エリア50は、位置登録エリア60を含んでいる。つまり、位置登録エリア50の一部のエリアと、位置登録エリア60とは重複したエリアである。
【0018】
図1においては、移動通信装置30が、位置登録エリア60から、位置登録エリア60の外であって、位置登録エリア50内に移動している様子を示している。
【0019】
交換機40は、移動通信装置30に対する音声着信を、移動管理装置10を介して移動通信装置30へ通知する。ここで、交換機40は、移動通信装置30が位置登録エリア60内に在圏する場合は、移動管理装置10を介して移動通信装置30へ音声着信を通知する。交換機40は、移動通信装置30が位置登録エリア60外かつ位置登録エリア50内に在圏している場合、移動管理装置10及びSGSN20を介して移動通信装置30へ音声着信を通知する。
【0020】
次に、移動管理装置10の構成例について説明する。移動管理装置10は、音声着信制御部11を有している。ここで、移動通信装置30が位置登録エリア60から、位置登録エリア60外かつ位置登録エリア50内に移動している最中に移動通信装置30に対して音声着信が発生した場合について説明する。移動している最中とは、移動管理装置10及びSGSN20において、移動通信装置30の移動処理が完了していない状態であり、例えば、移動通信装置30のハンドオーバ処理が完了していない状態である。
【0021】
音声着信制御部11は、交換機40から音声着信メッセージが通知された場合に、移動通信装置30が位置登録エリア60外へ移動したことを検出した場合、移動通信装置30が移動中であることを示す応答メッセージを交換機40へ送信する。例えば、音声着信制御部は、移動管理装置30に対して着信処理を行った際に、移動通信装置30を管理していた基地局から、移動通信装置30へ音声着信通知メッセージを送信することが出来なかったことを通知された場合に、前記移動通信装置30が、位置登録エリア60外へ移動したことを検出してもよい。ここで、交換機40は、移動管理装置10を介して音声着信が正常に移動通信装置30へ通知されなかった場合、所定期間経過後に音声着信メッセージを再送する。
【0022】
音声着信制御部11は、所定期間経過後に交換機40から音声着信メッセージが再送されてきた時には移動通信装置30が位置登録エリア60外かつ位置登録エリア50内へのハンドオーバを完了しているため、SGSN20へ移動通信装置30の呼び出しを指示するメッセージを送信する。つまり、移動管理装置10は、SGSN20を介して移動通信装置30の呼び出し処理を行う。
【0023】
以上説明したように、
図1の通信システムを用いることにより、移動管理装置10とSGSN20とにおいてISR機能が動作しており、移動通信装置30が位置登録エリア60から、位置登録エリア60外かつ位置登録エリア50内に移動している最中に、移動通信装置30へ音声着信が発生した場合にも、交換機40は、移動通信装置30へ音声着信を通知することが出来る。
【0024】
一般的に、移動管理装置10とSGSN20とにおいてISR機能が動作している場合、移動通信装置30が、位置登録エリア60から、位置登録エリア60外かつ位置登録エリア50内へ移動した場合においても、移動通信装置30の位置登録処理は実行されない。例えば、移動通信装置30の移動処理が完了する前、つまりハンドオーバ処理が完了する前に、移動通信装置30に対する音声着信が発生した場合、移動管理装置10は、位置登録エリア60内に移動通信装置30が在圏するとして、移動通信装置30の呼び出し処理を行う。この時、移動管理装置10が交換機40から通知された音声着信メッセージを受け入れた場合、交換機40は、音声着信メッセージの再送タイマを停止するため、移動管理装置10に対して音声着信メッセージを再送することはない。このような場合、ISR機能が動作していることによって、移動通信装置30は、交換機40に対して位置登録処理を行わない。そのため交換機40は、位置登録エリア60の外へ移動した移動通信装置30へ再度音声着信メッセージを送信する機会を得ることが出来ない。
【0025】
そのため、移動管理装置10が移動通信装置30の呼び出し処理に失敗した場合、交換機40は、移動通信装置30に対して音声着信通知メッセージを送信することが出来なくなる。
【0026】
これに対して、
図1の通信システムを用いることにより、移動管理装置10は、交換機から通知される音声着信メッセージに対して、音声着信メッセージを受け入れたことを示すメッセージを送信する代わりに、移動通信装置30が移動中であることを示す応答メッセージを交換機40へ送信する。これによって、交換機40における再送タイマを停止させることを防止することが出来るため、交換機40における再送タイマが満了した後に、移動管理装置10は、音声着信メッセージを再度受信する。
【0027】
移動管理装置10が、再度音声着信メッセージを受信した際には、所定期間経過することによって、移動通信装置30のハンドオーバ処理は完了しているため、SGSN20を介して移動通信装置30へ呼び出し処理を行うことが出来る。交換機40における音声着信メッセージの再送タイマは、移動通信装置30のハンドオーバ処理の実行時間を考慮して定められてもよい。このようにして、
図1の通信システムを用いることにより、移動通信装置30に確実に音声着信メッセージを通知することができる。
【0028】
(実施の形態2)
続いて、
図2を用いて本発明の実施の形態2にかかる通信システムの構成例について説明する。
図2の通信システムは、MME15、SGSN20、UE35、MSC/VLR45、eNB(evolved Node B)70及び2G/3G無線制御装置80を有している。MSC/VLR45は、外部ネットワークと接続している。
【0029】
MME15は、
図1の移動管理装置10に相当する。MSC/VLR45は、
図1の交換機40に相当する。UE35は、
図1の移動通信装置30に相当する。eNB70は、LTE無線エリアを管理する基地局装置である。2G/3G無線制御装置80は、2Gもしくは3G無線エリアを管理する無線制御装置である。2G/3G無線制御装置80は、例えば、3GPPにおいて規定されているRNC(Radio Network Controller)であってもよい。
【0030】
UE35は、3GPPにおいて移動通信装置として規定されている通信装置である。UE35は、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末もしくは通信機能を有するパーソナルコンピュータ等であってもよい。さらに、UE35は、自律的に通信を行うM2M(Machine To Machine)デバイスであってもよい。M2Mデバイスは、例えば、通信機能を有する自動販売機、電気製品等のように移動する頻度が少ない装置であってもよく、ユーザが身に付ける時計等であってもよい。
【0031】
続いて、
図3を用いてUE35のネットワークへの接続処理の流れについて説明する。はじめに、UE35は、回線結合位置登録要求を行うためにMME15へCombined Attach Requestメッセージを送信する(S11)。MME15は、Combined Attach Requestメッセージを受信すると、UE35の位置登録情報を生成する。位置登録情報とは、例えば、UE35がMME15の管理する位置登録エリア内に在圏することを示す情報もしくはUE35の加入者情報を含む。UE35の加入者情報は、移動通信システム内に配置されている加入者情報管理装置(図示せず)から取得してもよい。加入者情報管理装置は、例えば、3GPPにおいてHSS(Home Subscriber Server)として規定されている。
【0032】
次に、MME15は、MSC/VLR45との間においてSGs Associationを確立する(S12)。SGs Associationは、MME15とMSC/VLR45との間において音声着信用メッセージ(CS(Call Switch)制御信号)を送受信するために用いられる。MME15は、MSC/VLR45との間にSGs Associationを確立すると、UE35へCombined Attach Acceptメッセージを送信する(S13)。
【0033】
次に、UE35は、SGSN20へRouting Area Update Requestメッセージを送信する(S14)。SGSN20は、Routing Area Update Requestメッセージを受信すると、UE35の位置登録情報を生成する。
【0034】
次に、SGSN20とMME15との間において、位置登録情報の同期を行い、ISRを有効化する(S15)。次に、SGSN20は、UE35へRouting Area Update Acceptメッセージを送信する(S16)。ステップS11〜S16の処理を実行後、UE35とMME15とはECM-CONNECTED状態となる(S17)。ECM-CONNECTED状態とは、ネットワークとUE35の間にユーザデータ用の通信路が確立されている状態である。
【0035】
続いて、
図4を用いて、UE35に対する音声着信処理の流れについて説明する。なお、
図4の処理を実行するに当たり、
図3の処理は既に実施されており、UE35とMME15とがECM-CONNECTED状態であるとする。
【0036】
はじめに、MSC/VLR45は、音声ネットワークから送信された音声着信メッセージを受信する(S21)。次に、MSC/VLR45は、MME15へPaging Requestメッセージを送信する(S22)。ここで、MSC/VLR45は、Paging Requestメッセージを送信すると、Pagingメッセージの再送タイミングを規定する再送タイマを起動する(S23)。
【0037】
ここで、MME15は、Paging Requestメッセージを受信した場合においても、音声着信を受け付けたことを示す応答メッセージ(Service Requestメッセージ)をMSC/VLR45へ送信しない。MSC/VLR45は、MME15において音声着信が受け付けられると、音声着信メッセージ(Paging Requestメッセージ)を再送するために起動していたタイマを停止してしまう。そのため、MME15は、再送タイマが停止することを防ぐために、Service RequestメッセージをMSC/VLR45へ送信しない。
【0038】
次に、MME15は、eNB70を経由してUE35へ音声着信を通知するために、CS Service Notificationメッセージを送信する(S24)。ここで、UE35は、eNB70からCS Service Notificationメッセージが送信される前に位置登録エリア60外へ移動を開始する(S25)。この場合、eNB70は、UE35は既に位置登録エリア60外へ移動を開始している事より、UE35に対してCS Service Notificationメッセージの送信(S26)を断念する。なお、以降の説明においては、UE35に対してCS Service Notificationメッセージの送信(S26)を断念した場合について記載するが、eNB70が、UE35に対してCS Service Notificationメッセージを送信し、その後UE35からMME15へ応答メッセージ(NAS Extended Service Requestメッセージ)が送信された場合、MME15は、NAS Extended Service Requestメッセージの受信を契機に、MSC/VLR45へService Requestメッセージを送信する。
【0039】
次に、eNB70は、UE35にCS Service Notificationメッセージを送信できなかったことを示すNAS Non Delivery IndicationメッセージをMME15へ送信する(S27)。次に、MME15は、NAS Non Delivery Indicationメッセージを受信すると、UE35が移動しており、CS Service NotificationメッセージをUE35へ通知することが出来なかったことを示すCauseを設定したPaging RejectメッセージをMSC/VLR45へ送信する(S28)。
【0040】
次に、eNB70は、UE35のハンドオーバ処理を開始するために、Handover RequiredメッセージをMME15へ送信する(S29)。MME15は、SGSN20との間においてハンドオーバ処理を実行する(S30)。次に、SGSN20は、ハンドオーバ処理においてUE35の登録処理を完了すると、Forward Relocation Complete NotificationメッセージをMME15へ送信する(S31)。次に、MME15は、SGSN20へ、Forward Relocation Complete Notificationメッセージの応答メッセージとしてForward Relocation Complete Acknowledgeメッセージを送信する(S32)。このようにして、UE35のハンドオーバ処理が完了すると、UE35とSGSN20とはPMM-CONNECTED状態となる。PMM-CONNECTED状態とは、ネットワークとUE35の間にユーザデータ用の通信路が確立されている状態である。
【0041】
次に、MSC/VLR45は、Paging Requestメッセージの再送タイマが満了すると、MME15へPaging Requestメッセージを再送する(S35)。次に、MME15は、UE35が、既にSGSN20配下への移動が完了しているため、SGSN20へUE35の呼び出し処理を行うことを指示するCS Paging Indicationメッセージを送信する(S36)。次に、SGSN20は、UE35の呼び出し処理を行う(S37)。
【0042】
以上説明したように、
図4における音声着信処理を実行することにより、MSC/VLR45において再送タイマが停止することを防止することが出来る。これによって、MSC/VLR45は、再度Paging RequestメッセージをMME15へ送信することが出来るため、ハンドオーバ処理が完了した後のUE35へ音声着信を通知することが出来る。
【0043】
(実施の形態3)
続いて、
図5を用いて本発明の実施の形態3にかかるUE35に対する音声着信処理の流れについて説明する。なお、
図5の処理を実行するに当たり、
図3の処理は既に実施されており、UE35とMME15とがECM-CONNECTED状態であるとする。
【0044】
はじめに、UE35は、位置登録エリア60外かつ位置登録エリア50内へ移動を開始する(S41)。次に、eNB70は、UE35のハンドオーバ処理を開始するために、Handover RequiredメッセージをMME15へ送信する(S42)。EPC、つまりネットワークにおいては、Handover Requiredメッセージが、ハンドオーバ処理の最初のメッセージとなる。ここで、MSC/VLR45は、音声ネットワークから送信された音声着信メッセージを受信する(S43)。次に、MSC/VLR45は、MME15へPaging Requestメッセージを送信する(S44)。ここで、MSC/VLR45は、Paging Requestメッセージを送信すると、Pagingメッセージの再送タイミングを規定する再送タイマを起動する(S45)。
【0045】
図5においては、MME15が、Handover Requiredメッセージを受信した後に、Paging Requestメッセージを受信することが
図4と異なる。MME15は、このような順番でメッセージを受信した場合、Paging Requestメッセージを受信したことに伴う処理を実行しない。つまり、
図5において、MME15は、
図4におけるステップS24〜S28の処理を実行しない。言い換えると、MME15は、Paging Requestメッセージ受信に対する処理であるCS Service NotificationメッセージをUE35に送信する動作は行わずPaging Requestメッセージを破棄する。その一方で、MME15は、Paging Requestメッセージを受信したことに伴う処理ではなく、Handover Requiredメッセージを受信したことに伴う処理を優先して実行する。
【0046】
ステップS46〜S53は、
図4のステップS30〜S37と同様であるため詳細な説明を省略する。本図においては、MME15は、ステップS44においてはじめにMSC/VLR45から送信されたPaging Requestメッセージを受信した際にはCS Service NotificationメッセージをeNB70へ送信しない。MME15は、MSC/VLR45における再送タイマ満了に伴いステップS51においてPaging Requestメッセージが送信された際に、SGSN20を介してUE35の呼び出し処理を実行する。
【0047】
以上説明したように、
図5の音声着信処理の流れを実行することによって、UE35がハンドオーバ処理を実行中にUE35に対する音声着信が発生した場合においても、UE35のハンドオーバ処理が完了した後に、UE35へ音声着信を通知することが出来る。
【0048】
さらに、MME15は、最初に受信したPaging Requestメッセージに伴う音声着信処理を実行せず、Paging Requestメッセージが再送されてきた際にUE35の呼び出し処理を行うことによって、
図4と比較してネットワーク内の信号数を削減することが出来る。これによって、音声着信処理の流れを簡素化することができ、さらに、ネットワークの処理負荷を軽減させることが出来る。
【0049】
(実施の形態4)
続いて、
図6を用いて本発明の実施の形態3にかかる音声着信処理の流れについて説明する。なお、
図6の処理を実行するに当たり、
図3の処理は既に実施されており、UE35とMME15とがECM-CONNECTED状態であるとする。ステップS61〜S69は、
図5のステップS41〜49と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0050】
図6においては、ハンドオーバ処理の完了後、UE35とSGSN20とがPMM-CONNECTED状態(S69)となった際に、MME15は、ハンドオーバ処理中にPaging Requestメッセージを受信していた場合、CS Paging IndicationメッセージをSGSN20へ送信する(S70)。なお、MME15は、ステップS68において、SGSN20にForward Relocation Complete Acknowledgeメッセージを送信することによって、UE35とSGSN20とがPMM-CONNECTED状態(S69)となったと判断し、CS Paging IndicationメッセージをSGSN20へ送信している(S70)。
【0051】
図5においては、MME15は、MSC/VLR45からPaging Requestメッセージが送信されてきたことを契機にCS Paging IndicationメッセージをSGSN20へ送信していた。これに対して、本図においてはハンドオーバ処理の終了とともにMME15がPaging Requestメッセージの再送を待つことなくCS Paging IndicationメッセージをSGSN20へ送信することが
図5の処理と異なる。
【0052】
本図の処理を実行するために、MME15の音声着信制御部11は、ステップS64においてMSC/VLR45からPaging Requestメッセージを受信していたことを把握しておく必要がある。例えば、音声着信制御部11は、Paging Requestメッセージ受信フラグ等を有し、Paging Requestメッセージを受信するとフラグをONに設定してもよい。
【0053】
以上説明したように、
図6の音声着信処理の流れを実行することによって、UE35がハンドオーバ処理を実行中にUE35に対する音声着信が発生した場合においても、UE35のハンドオーバ処理が完了した後に、UE35へ音声着信を通知することが出来る。
【0054】
さらに、MME15は、Paging Requestメッセージの再送を待つことなくCS Paging IndicationメッセージをSGSN20へ送信することが出来るため、
図5と比較して早くUE35の呼び出し処理を実行することが出来る。
【0055】
(実施の形態5)
続いて、
図7を用いて本発明の実施の形態4にかかる音声着信処理の流れについて説明する。なお、
図7の処理を実行するに当たり、
図3の処理は既に実施されており、UE35とMME15とがECM-CONNECTED状態であるとする。ステップS81〜S87は、
図5のステップS41〜47と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0056】
MME15は、ステップS88において、SGSN20から送信されたForward Relocation Complete Notificationメッセージに対する応答信号としてForward Relocation Complete Acknowledgeメッセージを送信する(S88)。ここで、MME15は、Forward Relocation Complete Acknowledgeメッセージに、UE35の呼び出し処理の実行を指示する情報を設定する。つまり、MME15は、
図4のステップS36におけるCS Paging Indicationメッセージに設定する情報をForward Relocation Complete Acknowledgeメッセージに設定して送信する。
【0057】
ステップS88において、MME15がCS Paging Indicationメッセージに設定する情報をForward Relocation Complete Acknowledgeメッセージに設定して送信することによって、ハンドオーバ処理の完了を通知するとともにUE35の呼び出し処理を指示することが出来る。
【0058】
次に、ハンドオーバ処理の完了に伴い、UE35とSGSN20との間はPMM-CONNECTED状態となる(S89)。次に、SGSN20は、ステップS88において通知されたUE35の呼び出し処理の指示に基づいて、UE35の呼び出し処理を行う(S90)。
【0059】
以上説明したように、
図7の音声着信処理の流れを実行することによって、UE35がハンドオーバ処理を実行中にUE35に対する音声着信が発生した場合においても、UE35のハンドオーバ処理が完了した後に、UE35へ音声着信を通知することが出来る。
【0060】
さらに、MME15は、ハンドオーバ処理の完了を通知するForward Relocation Complete AcknowledgeメッセージにUE35の呼び出し処理の実行を指示する情報を設定する。これによって、
図6のステップS70において送信しているCS Paging Indicationメッセージを送信する必要がないため、MME15とSGSN20との間のメッセージを削減することが出来る。これによって、ネットワークの処理負荷を軽減させることが出来る。
【0061】
さらに、
図6と比較してメッセージ数を削減することができるため、
図6における処理よりも早くUE35の呼び出し処理を実行することが出来る。
【0062】
続いて、
図8を用いて、UE35に対する音声着信処理の流れについて説明する。
図8は、
図4〜
図7で示される動作例と対比する事を目的に、ハンドオーバ処理と音声着信処理との競合が発生せず、UE35に対し音声着信の通知が成功した場合の動作を説明する。なお、
図8の処理を実行するに当たり、
図3の処理は既に実施されており、UE35とMME15とがECM-CONNECTED状態であるとする。
【0063】
はじめに、MSC/VLR45は、音声ネットワークから送信された音声着信メッセージを受信する(S91)。次に、MSC/VLR45は、MME15へPaging Requestメッセージを送信する(S92)。ここで、MSC/VLR45は、Paging Requestメッセージを送信すると、Pagingメッセージの再送タイミングを規定する再送タイマを起動する(S93)。
【0064】
次に、MME15は、eNB70を経由してUE35へ音声着信を通知するために、CS Service Notificationメッセージを送信する(S94)。
【0065】
CS Service Notificationメッセージを受信したUE35は、NAS Extended Service RequestメッセージをeNB70を経由してMME15へ送信する(S95)。
【0066】
NAS Extended Service Requestメッセージを受信したMME15は、音声着信を受け付けたことを示す応答メッセージ(Service Requestメッセージ)をMSC/VLR45へ送信する(S96)。この応答メッセージ(Service Requestメッセージ)には、UE35がECM-CONNECTED状態である事をMSC/VLR45に通知する事もできる。MSC/VLR45は、MME15において音声着信が受け付けられると、音声着信メッセージ(Paging Requestメッセージ)を再送するために起動していたタイマの停止する。この動作によりMSC/VLR45でのPaging Requestメッセージの再送処理が停止される(S97)。その後、UE35は、3G無線エリアに移動し2G/3G無線制御装置80やMSC/VLR45を用いた着信動作が継続される。(S98)
【0067】
上述の実施の形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、移動管理装置、交換機もしくはSGSNの処理を、CPU(Central Processing Unit)にコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0068】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0069】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、例えば、2G/3G無線制御装置80は3G無線制御装置でも良く、MSC/VLR45はMSCとVLRとが別の装置で構成されていても良いなど、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。