特許第6183956号(P6183956)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6183956
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】フルオレノン誘導体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 41/30 20060101AFI20170814BHJP
   C07C 43/295 20060101ALI20170814BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20170814BHJP
【FI】
   C07C41/30
   C07C43/295 A
   !C07B61/00 300
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-59441(P2014-59441)
(22)【出願日】2014年3月24日
(65)【公開番号】特開2015-182970(P2015-182970A)
(43)【公開日】2015年10月22日
【審査請求日】2016年10月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000216243
【氏名又は名称】田岡化学工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 崇史
(72)【発明者】
【氏名】北川 雅人
(72)【発明者】
【氏名】菅野 英生
【審査官】 鈴木 雅雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−208930(JP,A)
【文献】 特開平09−100331(JP,A)
【文献】 特開平10−225638(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/052001(WO,A1)
【文献】 米国特許第4467122(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 41/30
C07C 43/295
C07B 61/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸存在下、フルオレノンとp−フェノキシフェノールとを反応させる9,9−ビス(4−(4−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル)フルオレンの製造方法。
【請求項2】
使用する酸がルイス酸である請求項1記載の9,9−ビス(4−(4−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル)フルオレンの製造方法。
【請求項3】
使用する酸が塩化亜鉛である請求項1または2記載の9,9−ビス(4−(4−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル)フルオレンの製造方法。
【請求項4】
溶媒非存在下、80℃〜120℃で反応させる請求項1〜3いずれか一項に記載の9,9−ビス(4−(4−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル)フルオレンの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、変性アクリル樹脂等の原料として有用なフルオレン誘導体、9,9−ビス(4−(4−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル)フルオレンの製造法の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、9,9−ビス(4−(4−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル)フルオレンなどのフルオレン誘導体は、耐熱性、透明性に優れ、高屈折率を備えたポリマー原料として有望であり、光学レンズ、フィルム、プラスチック光ファイバー、光ディスク基盤、耐熱性樹脂やエンジニヤリングプラスチックなどの原料として期待されている。特に9,9−ビス(4−(4−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル)フルオレンは光学フィルムの原料として知られている化合物であり(例えば特許文献1)、その工業的な製造方法の開発が望まれている。
【0003】
一方、9,9−ビス(4−(4−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル)フルオレンの製造法としては、4−ヨードフェノールと2,3−ジヒドロキシピランを反応させ4−ヨードフェノールテトラヒドロピラニルエーテルを得、その後、得られた4−ヨードフェノールテトラヒドロピラニルエーテルと9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンとを反応させる方法が知られているのみである(特許文献1)。しかしながら本方法は特殊かつ高価な原料や触媒を必要とし、保護・脱保護の操作も必要とする上に、その収率も十分なものでなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2006/052001号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、高収率かつ工業的な実施に好適な9,9−ビス(4−(4−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル)フルオレンの製造法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、前記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、酸存在下、フルオレノンとp−フェノキシフェノールとを反応させることにより9,9−ビス(4−(4−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル)フルオレンを良好な収率かつ工業的優位に製造可能であることを見出した。具体的には以下の〔1〕〜〔3〕の発明を含む。
【0007】
〔1〕
酸存在下、フルオレノンとp−フェノキシフェノールとを反応させる9,9−ビス(4−(4−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル)フルオレンの製造方法。
【0008】
〔2〕
使用する酸がルイス酸である〔1〕記載の9,9−ビス(4−(4−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル)フルオレンの製造方法。
【0009】
〔3〕
使用する酸が塩化亜鉛である〔1〕または〔2〕記載の9,9−ビス(4−(4−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル)フルオレンの製造方法。
【0010】
〔4〕
溶媒非存在下、80℃〜120℃で反応させる〔1〕〜〔3〕いずれか一項に記載の9,9−ビス(4−(4−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル)フルオレンの製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、一般的に入手可能なフルオレノンとp−フェノキシフェノールから高純度な9,9−ビス(4−(4−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル)フルオレンを工業的な実施に好適な方法で、かつ、良好な収率で製造することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は酸存在下、フルオレノンとp−フェノキシフェノールを反応させることにより9,9−ビス(4−(4−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル)フルオレンを製造することを第1の特徴とする。本発明においてフルオレノンとp−フェノキシフェノールの使用比率は特に限定されないが、フルオレノン1モルに対し通常p−フェノキシフェノールを2〜6倍モル、好ましくは3〜5倍モル、更に好ましくは4〜5倍モル使用する。p−フェノキシフェノールの使用量が2倍モル未満の場合、モノ付加体が主に生成し、目的化合物の収率が低下する場合がある。6倍モル以上使用した場合、反応時に溶媒を使用しない場合は反応液の粘性が増加し、撹拌効率が低下、反応が遅延する場合がある。なお、溶媒を使用する場合は、6倍モル以上使用しても反応性に影響はないが、経済性の点から上述の範囲が望ましい。
【0013】
本発明で使用する酸はどのようなものでも良く、例えば塩化亜鉛や塩化アルミニウム、塩化鉄(III)、塩化錫、三フッ化ほう素、三フッ化ほう素エーテル錯体のようなルイス酸、硫酸、ホウ酸、等の無機酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シュウ酸、ギ酸、酢酸等の有機酸が使用可能である。この中でも反応性の観点から塩化亜鉛や塩化アルミニウム、塩化鉄等のルイス酸が好ましく、塩化亜鉛が最も好ましい。酸の使用量は特に限定されないが、フルオレノン1モルに対して、通常0.5〜2倍モル、好ましくは0.8〜1.5倍モル、さらに好ましくは1.0〜1.2倍モルである。0.5倍モル未満であった場合、反応率が低下し、目的化合物の収率が低下する場合がある。2倍モル以上使用した場合、不純物が増加し、目的化合物の純度および収率が低下する場合がある。また、使用する酸は反応性の観点から低含水(例えば酸に含まれる水分が5重量%以下)のものが好ましい。なお、水を含む酸を使用する場合は、反応時に反応系から共沸脱水等定法により酸に含まれる水を除去すればよい。
【0014】
反応温度は特に限定されないが、通常50〜300℃、好ましくは80〜250℃、更に好ましくは80〜120℃とする。50℃より低い場合、反応が完結せず、収率が低下する場合がある。300℃より高い場合、不純物が増加し、純度が低下する場合がある。
【0015】
反応時、反応性向上の観点からチオール類を添加することが好ましい。本発明で使用可能なチオール類は、公知のチオール類を使用することができる。例えば、チオ酢酸、β−メルカプトプロピオン酸、α−メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸、チオシュウ酸、メルカプトコハク酸、メルカプト安息香酸などのメルカプトカルボン酸、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、プロピルメルカプタン、イソプルピルメルカプタン、ブチルメルカプタン、オクチルメルカプタン、デシルメルカプタン、ドデシルメルカプタンなどのアルキルメルカプタン、ベンジルメルカプタンなどのアラルキルメルカプタンやそれらのアルカリ金属塩が挙げられる。チオール類は単独または二種類以上の組み合わせで使用できる。これらの中でもメルカプトカルボン酸が好ましく、更には、β−メルカプトプロピオン酸が好ましい。チオール類の使用量は特に限定されるものではないが、例えば、フルオレノン類1モルに対して0.01〜0.3モル、好ましくは0.01〜0.1モルである。
【0016】
反応時、必要に応じ溶媒を使用することも可能であるが、好ましくは溶媒非存在下で反応を行う。溶媒を使用する場合、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、1,1,2,2−テトラクロロエチレン、1,2−ジクロロエタンのようなハロゲン化炭化水素類、ニトロメタン、ニトロベンゼンのようなニトロ基を有する炭化水素類や芳香族炭化水素類、ジクロロベンゼン、ペンタフルオロベンゼン、テトラフルオロベンゼン、トリフルオロベンゼンのようなハロゲン化芳香族炭化水素類等が使用可能である。溶媒を使用する場合、その使用量は特に限定されないが、フルオレノンに対し通常0.5〜5重量倍使用し、好ましくは1〜3重量倍使用する。
【0017】
本発明の実施方法は特に限定されないが、例えば、原料のフルオレノンとp−フェノキシフェノール、酸及び溶媒を使用する場合は溶媒を反応装置に仕込み、空気中又は窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で加熱攪拌することにより行うことができる。また、必要に応じて、脱水しながら反応してもよい。反応はバッチ方式でも連続方式でもよい。
【0018】
上述した方法により得られた9,9−ビス(4−(4−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル)フルオレンを含む反応混合物は、必要に応じ中和、水洗等定法により無機分を除去し、晶析等を行うことで高純度な9,9−ビス(4−(4−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル)フルオレンを得ることができる。以下、これらの後処理法について例示する。
【0019】
上述した反応の終了後、必要に応じ反応混合物に、水と、この水と分液可能な有機溶剤を加えて溶解、洗浄する工程を実施する。具体的には、前記反応混合物に水と、この水と分液可能な有機溶剤を添加し、必要に応じて攪拌下に、好ましくは高められた温度、具体的には有機層が均一になる温度に加温し、攪拌することにより有機層を洗浄する。水と、この水と分液可能な有機溶剤の添加は、同時でも良いし、何れか一方を後から添加してもよい。この洗浄操作は1回でもよく、複数回行うこともできる。
【0020】
本発明に用いられる水と分液可能な有機溶剤としては、特に限定されるものではないが、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジ−iso−プロピルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジフェニルエーテルなどの脂肪族エーテル類、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどのエステル類などが挙げられ、その中でもトルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンが好ましい。その使用量は、特に限定されるものではないが、経済性の点から、フルオレノンの重量に対して、通常0.1重量倍以上、好ましくは0.5〜100重量倍、更に好ましくは1〜20重量倍程度である。これらの有機溶媒は単独で使用もよく、また2種以上の混合物で使用してもよい。また反応溶媒をそのまま使用することもできる。
【0021】
前記水洗工程後、有機層から目的物を回収する方法については、有機層を適当な温度(例えば、−10〜30℃、特に0〜30℃程度)に冷却し、目的とする9,9−ビス(4−(4−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル)フルオレンを晶析させて回収することができる。更に、本発明者らは、有機層より有機溶媒およびp−フェノキシフェノールの全部または一部を留去した後、晶析溶媒または晶析溶媒と水を添加して溶解させた後、冷却して目的とする9,9−ビス(4−(4−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル)フルオレンを晶析させて回収することにより、本発明の目的とする高純度の9,9−ビス(4−(4−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル)フルオレンを容易に得ることができることを見出した。なお、析出した目的物は、必要に応じて濾過・乾燥などして製品とすることができる。
【0022】
晶析溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−プタンジオール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、などの一価もしくは多価アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素類、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジ−iso−プロピルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジフェニルエーテルなどの脂肪族エーテル類、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどのエステル類などが挙げられ、その中でもメタノール、エタノール、2−プロパノール、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンが好ましい。その使用量は、特に限定されるものではないが、経済性の点から、フルオレノンの重量に対して、通常0.1重量倍以上、好ましくは0.5〜100重量倍、更に好ましくは1〜10重量倍程度である。
【0023】
なお、回収した反応生成物9,9−ビス(4−(4−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル)フルオレンを更に精製する場合の精製方法としては、再結晶する方法が挙げられる。再結晶操作は、慣用の方法、例えば、再結晶溶媒に溶解し、混合液を冷却することにより行うことができる。通常、再結晶溶媒の沸点以下の温度で加温して溶解し、精製した溶液を、適当な温度(例えば、−10〜30℃、特に0〜30℃程度)に冷却することにより結晶を析出させることができる。これらの再結晶操作は必要に応じて繰り返し行うことができる。再結晶溶媒は特に限定されるものではないが、フルオレン誘導体が溶解する溶媒であれば広く使用でき、具体的には前記晶析溶媒と同じ溶媒を使用することができる。析出した結晶は濾過などにより回収され、必要により洗浄し、乾燥することにより目的化合物フルオレン誘導体を得ることができる。
【実施例】
【0024】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
本実施例及び比較例における各測定値は、次の方法、測定条件に従った。
【0026】
〔1〕分析条件
<高速液体クロマトグラフィー>
分析装置:島津製作所(株)製 LC−20AD
測定波長:254nm
展開液:A液30%メタノール水、B液メタノール
B液30%(0min)→B液100%(25min)→B液100%(35min)→B液30%(35.1min)→STOP(45min)
逆相カラム:YMC−Pack ODS A(5μm、4.6mmφ×250mm)
カラム温度:40℃
流量1.0mL/min
【0027】
〔2〕反応率
本実施例及び比較例において記載される反応率及びLC純度は特に断りのない限り、反応生成物を上述の条件にて高速液体クロマトグラフによる分析を行い、得られた9,9−ビス(4−(4−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル)フルオレンの面積百分率の値である。
【0028】
<実施例1>
攪拌器、冷却器、温度計及び気体吹き込み管を備えた500mLのガラス製反応容器に、フルオレノン25.0g(0.14モル)、p−フェノキシフェノール103.3g(0.55モル)を加え、90℃で撹拌し、内容物を溶解させた。そこへ、β−メルカプトプロピオン酸1.47g(0.014モル)、酸として塩化亜鉛19.0g(0.14モル)を分割添加し、6時間撹拌させた。反応後、反応液を高速液体クロマトグラフィーにて分析を行ったところ、反応率は83.2%であった。この反応液にトルエン100g、水50gを加え、90度で水洗をおこなった。次いで、水100g、24%水酸化ナトリウム水溶液0.65gを投入し、中和洗浄をおこなった後、最後に水100gを投入し、水洗をおこなった。この液を室温まで徐々に冷却し、析出した結晶をろ過、乾燥することにより白色結晶9,9−ビス(4−(4−ヒドロキシフェニルオキシ)フェニル)フルオレン47.5g(0.089モル)を得た。収率はフルオレノン基準で64%であった。LC純度95.7%であった。
【0029】
<実施例2>
酸として塩化アルミニウムを用いる以外は、実施例1と同様に反応を行い、反応後の反応率を測定した。結果を表1に示す。
【0030】
<実施例3>
酸として塩化鉄(III)を用いる以外は、実施例1と同様に反応を行い、反応後の反応率を測定した。結果を表1に示す。
【0031】
<実施例4>
酸として98%濃硫酸を用いる以外は、実施例1と同様に反応を行い、反応後の反応率を測定した。結果を表1に示す。
【0032】
<実施例5>
酸としてp−トルエンスルホン酸を用いる以外は、実施例1と同様に反応を行い、反応後の反応率を測定した。結果を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
表1に示す通り、どの酸を用いても問題なく反応が進行することが確認された。この中でも塩化亜鉛を用いた場合が、最も反応率が高いことが判明した。
【0035】
<実施例6>
p−フェノキシフェノールを3モル倍用いる以外は、実施例1と同様に反応を行い、反応後の反応率を測定した。結果を表2に示す。
【0036】
<実施例7>
p−フェノキシフェノールを4モル倍用いる以外は、実施例1と同様に反応を行い、反応後の反応率を測定した。結果を表2に示す。
【0037】
<実施例8>
p−フェノキシフェノールを5モル倍用いる以外は、実施例1と同様に反応を行い、反応後の反応率を測定した。結果を表2に示す。
【0038】
<実施例9>
p−フェノキシフェノールを6モル倍用いる以外は、実施例1と同様に反応を行い、反応後の反応率を測定した。結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
表2に示す通り、p−フェノキシフェノールの使用量を変化させても問題なく反応が進行するが、とりわけ4〜5モル倍用いた場合が、最も反応率が高いことが判明した。