特許第6183982号(P6183982)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6183982編成内ネットワークシステム、編成内ネットワーク管理方法、および管理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6183982
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】編成内ネットワークシステム、編成内ネットワーク管理方法、および管理装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/44 20060101AFI20170814BHJP
【FI】
   H04L12/44 Z
【請求項の数】8
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-510233(P2016-510233)
(86)(22)【出願日】2015年3月13日
(86)【国際出願番号】JP2015057507
(87)【国際公開番号】WO2015146641
(87)【国際公開日】20151001
【審査請求日】2017年1月20日
(31)【優先権主張番号】特願2014-65868(P2014-65868)
(32)【優先日】2014年3月27日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(72)【発明者】
【氏名】武田 隆史
(72)【発明者】
【氏名】伊従 潔
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 哲也
【審査官】 大石 博見
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−255177(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/114543(WO,A1)
【文献】 特開2006−311139(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の車両で構成される編成の編成内ネットワークシステムであって、
ネットワーク機器と、前記ネットワーク機器を制御する少なくとも1台の管理装置と、がネットワークを介して接続され、
前記編成内ネットワークシステムは、編成の運行を司る上位ネットワークと、前記ネットワーク機器を含む下位ネットワークとから構成され、
前記上位ネットワークと前記下位ネットワークとが前記管理装置を介して接続され、
前記管理装置は、編成内のネットワークに関する第一の情報を前記上位ネットワークから取得し、当該第一の情報に関連して自身がメインとなる管理装置であるか否かを判断し、メインとなったメイン管理装置が前記ネットワーク機器を制御することを特徴とする記載の編成内ネットワークシステム。
【請求項2】
前記メイン管理装置は、前記第一の情報に基づいて、前記ネットワーク機器に対して前記ネットワーク機器の動作に必要な管理情報を送信することを特徴とする請求項1記載の編成内ネットワークシステム。
【請求項3】
前記管理装置は、編成内ネットワークシステムが起動してから、他の管理装置から前記管理情報を受信したか否かを判断し、受信していない場合に、自身がメイン管理装置として、前記ネットワーク機器を制御することを特徴とする請求項2に記載の編成内ネットワークシステム。
【請求項4】
前記ネットワーク機器は、自身の状態に関する情報を前記管理装置へ送信し、前記管理装置は、前記ネットワーク機器の状態に関する情報を受信すると、前記ネットワーク機器に関する状態情報を集計し、第二の情報として前記上位ネットワークへ送信することを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の編成内ネットワークシステム。
【請求項5】
前記管理装置は少なくとも2台であり、前記メイン管理装置以外の管理装置はサブ管理装置であり、前記メイン管理装置から前記サブ管理装置へ送信されるはずの前記第二の情報を所定期間受信しなかった場合、または前記メイン管理装置から前記サブ管理装置へ送信された前記第二の情報に前記メイン管理装置の異常を示す情報が含まれていた場合に、前記サブ管理装置が前記メイン管理装置の役割を果たし、前記メイン管理装置は前記サブ管理装置の役割を果たすように役割を変更することを特徴とする請求項4に記載の編成内ネットワークシステム。
【請求項6】
前記管理装置は少なくとも2台であり、前記メイン管理装置以外の管理装置はサブ管理装置であり、前記メイン管理装置から前記サブ管理装置へ送信された第二の情報に、一部の前記ネットワーク機器からは状態情報の送信があり、その他の前記ネットワーク機器からは状態情報の送信がないことを示す情報が含まれていた場合に、前記サブ管理装置が前記メイン管理装置と同じ役割を果たすように役割を変更することを特徴とする請求項4に記載の編成内ネットワークシステム。
【請求項7】
1以上の車両で構成され、ネットワーク機器と前記ネットワーク機器を管理する少なくとも管理装置とが搭載される編成の編成内ネットワークシステムにおいて、前記編成内ネットワークシステムは、編成の運行を司る上位ネットワークと、前記ネットワーク機器を含む下位ネットワークとから構成され、前記上位ネットワークと前記下位ネットワークとが前記管理装置を介して接続され、
前記管理装置は、編成内のネットワークに関する第一の情報を上位ネットワークから取得し、当該第一の情報に関連して自身がメインとなる管理装置であるか否かを判断し、メインとなったメイン管理装置が前記ネットワーク機器を制御することを特徴とする編成内ネットワーク管理方法。
【請求項8】
1以上の車両で構成され、各車両にネットワーク機器が搭載される編成の編成内ネットワークシステムに搭載される、前記ネットワーク機器を管理する管理装置であって、
前記編成内ネットワークシステムを構成する、編成の運行を司る上位ネットワークと、前記ネットワーク機器を含む下位ネットワークと接続し、
編成内のネットワークに関する第一の情報を前記上位ネットワークから取得し、当該第一の情報に関連して自身がメインとなる管理装置であるか否かを判断し、メインとなった場合に前記ネットワーク機器を制御することを特徴とする管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両などに搭載されるネットワーク機器間の通信に関し、特に、システムを管理する制御装置の多重化と切り替え運用に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、列車に代表される鉄道車両や、バス、タクシーなどの公共交通機関における車両内や車両外に対し、監視カメラなどで構成される監視システムが運用されており、車内の防犯、迷惑行為の未然防止などのために、車内の状況を映像を用いて監視や記録(記憶)することが一般的になってきている。鉄道車両内への監視システムの導入により、監視カメラによる列車内のリアルタイム監視が可能となり、更に、列車内の様子を映像として記録や蓄積することができるようになっている。
【0003】
例えば、各車両に搭載されたネットワークスイッチを介して車両間で映像などの情報を通信し、各車両に搭載された監視カメラからの映像によって各車両の混雑率を判定するシステムが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−025523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したシステムにおいては、各車両に搭載されたネットワーク監視機器が各ネットワークスイッチを介して監視ネットワークを構成し車両間の通信を実現するが、通常、この監視ネットワークを制御する制御装置が搭載される。列車という性質上、運転車両や客室車両などの複数種類の車両が複数連結することで1編成が構成され、車両ごとにそれぞれ必要なネットワーク機器が異なる場合がある。そのような場合、制御装置が搭載される車両もあれば、搭載されない車両もあり、また、1編成内に搭載される制御装置が1つの場合や2つ以上の場合が想定される。制御装置が1つの場合は特に問題ないが、2つ以上の場合には制御系統が複数存在することになり、制御系統を画一的に決定する必要がある。
【0006】
本発明は、このような従来の事情に鑑み為されたものであり、鉄道車両の編成の仕方の如何にかかわらず、編成内ネットワークを安定して制御または管理できるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係るシステムでは、一構成例として次のような構成とした。
本発明に係る編成内ネットワークシステムまたは編成内ネットワークシステム管理方法では、1以上の車両で構成され、ネットワーク機器と前記ネットワーク機器を管理する少なくとも管理装置とが搭載される編成の編成内ネットワークシステムにおいて、前記管理装置は、編成内のネットワークに関する第一の情報を取得し、当該第一の情報に関連して自身がメインとなる管理装置であるか否かを判断し、メインとなったメイン管理装置が前記ネットワーク機器を制御する。
【0008】
また、本発明に係る編成内ネットワークシステムまたは編成内ネットワークシステム管理方法では、前記編成内ネットワークは、編成の運行を司る上位ネットワークと、前記ネットワーク機器を含む下位ネットワークとから構成され、前記上位ネットワークと前記下位ネットワークとが前記管理装置を介して接続され、前記管理装置は、前記第一の情報を、上位ネットワークから取得する。
【0009】
また、本発明に係る編成内ネットワークシステムまたは編成内ネットワークシステム管理方法では、前記ネットワーク機器は、自身の状態に関する情報を前記管理装置へ送信し、前記管理装置は、前記ネットワーク機器の状態に関する情報を受信すると、前記ネットワーク機器に関する状態情報を集計し、第二の情報として前記上位ネットワークへ送信する。
【0010】
また、本発明に係る編成内ネットワークシステムまたは編成内ネットワークシステム管理方法は、前記メイン管理装置は、前記第一の情報に基づいて、前記ネットワーク機器に対して前記ネットワーク機器の動作に必要な管理情報を送信する。
【0011】
また、本発明に係る編成内ネットワークシステムまたは編成内ネットワークシステム管理方法では、前記管理装置は、編成内ネットワークシステムが起動してから、他の管理装置から前記管理情報を受信したか否かを判断し、受信していない場合に、自身がメイン管理装置として、前記ネットワーク機器を制御することを特徴とする請求項11に記載の編成内ネットワーク管理方法。
【0012】
また、本発明に係る編成内ネットワークシステムまたは編成内ネットワークシステム管理方法では、前記管理装置は少なくとも2台であり、前記メイン管理装置以外の管理装置はサブ管理装置であり、前記メイン管理装置から前記サブ管理装置へ送信されるはずの前記第二の情報を所定期間受信しなかった場合、または前記メイン管理装置から前記サブ管理装置へ送信された前記第二の情報に前記メイン管理装置の異常を示す情報が含まれていた場合に、前記サブ管理装置が前記メイン管理装置の役割を果たし、前記メイン管理装置は前記サブ管理装置の役割を果たすように役割を変更する。
【0013】
また、本発明に係る編成内ネットワークシステムまたは編成内ネットワークシステム管理方法では、前記管理装置は少なくとも2台であり、前記メイン管理装置以外の管理装置はサブ管理装置であり、前記メイン管理装置から前記サブ管理装置へ送信された第二の情報に、一部の前記ネットワーク機器からは状態情報の送信があり、その他の前記ネットワーク機器からは状態情報の送信がないことを示す情報が含まれていた場合に、前記サブ管理装置が前記メイン管理装置と同じ役割を果たすように役割を変更する。
【0014】
本発明に係る管理装置は、1以上の車両で構成され、各車両にネットワーク機器が搭載される編成の編成内ネットワークシステムに搭載される、前記ネットワーク機器を管理する管理装置であって、編成内のネットワークに関する第一の情報を取得し、当該第一の情報に関連して自身がメインとなる管理装置であるか否かを判断し、メインとなった場合に前記ネットワーク機器を制御する。
【0015】
また、本発明に係る管理装置は、前記編成内ネットワークを構成する、編成の運行を司る上位ネットワークと、前記ネットワーク機器を含む下位ネットワークと接続し、前記第一の情報を、上位ネットワークから取得する。
【0016】
また、本発明に係る管理装置は、メイン管理装置となった場合に、前記第一の情報に基づいて、前記ネットワーク機器に対して前記ネットワーク機器の動作に必要な管理情報を送信する。
【0017】
また、本発明に係る管理装置は、前記編成内ネットワークシステムが起動してから、他の管理装置から前記管理情報を受信したか否かを判断し、受信していない場合に、自身がメイン管理装置として、前記ネットワーク機器を制御する。
【0018】
また、本発明に係る管理装置では、メイン管理装置とならなかった場合にはサブ管理装置となり、前記メイン管理装置から送信されるはずの前記ネットワーク機器の状態情報を集計した第二の情報を所定期間受信しなかった場合、または前記メイン管理装置から送信された前記第二の情報に前記メイン管理装置の異常を示す情報が含まれていた場合に、前記メイン管理装置の役割を果たすように役割を変更する。
【0019】
また、本発明に係る管理装置では、メイン管理装置とならなかった場合にはサブ管理装置となり、前記メイン管理装置から前記サブ管理装置へ送信された前記ネットワーク機器の状態情報を集計した第二の情報に、一部の前記ネットワーク機器からは状態情報の送信があり、その他の前記ネットワーク機器からは状態情報の送信がないことを示す情報が含まれていた場合に、前記メイン管理装置と同じ役割を果たすように役割を変更する。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように、本発明に係るシステムによると、鉄道車両の編成の仕方の如何にかかわらず、編成内ネットワークを安定して制御または管理できるシステムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の一実施例に係る編成内ネットワークの構成例を示す図である。
図2】列車起動時および運行時の編成内監視ネットワークの管理方法を示すフローチャートである。
図3】正常時の上位ネットワークにおける信号のやり取りを示す図である。
図4】正常時の監視ネットワークにおける信号のやり取りを示す図である。
図5】メイン管理サーバ電源停止時の上位ネットワークにおける信号のやり取りを示す図である。
図6】メイン管理サーバ電源停止時の監視ネットワークにおける信号のやり取りを示す図である。
図7】上位ネットワーク内でのメイン管理サーバ孤立時の上位ネットワークにおける信号のやり取りを示す図である。
図8】上位ネットワーク内でのメイン管理サーバ孤立時の監視ネットワークにおける信号のやり取りを示す図である。
図9】監視ネットワーク内でのメイン管理サーバ孤立時の上位ネットワークにおける信号のやり取りを示す図である。
図10】監視ネットワーク内でのメイン管理サーバ孤立時の監視ネットワークにおける信号のやり取りを示す図である。
図11】監視ネットワーク分断時の上位ネットワークにおける信号のやり取りを示す図である。
図12】監視ネットワーク分断時の監視ネットワークにおける信号のやり取りを示す図である。
図13】本発明の一実施例に係る車両連結した場合の編成内ネットワークの構成例を示す図である。
図14】車両連結した場合の編成内監視ネットワークの管理方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明に係る実施例を、以下に図面を参照して説明する。本明細書内において、車両とは編成を構成する1つの車両を意味し、列車とは車両が連結した態様を意味し、編成とは車両が実際に運行する形態を意味し、車両単独の場合や車両が複数連結した場合が想定される。
【0023】
(第一の実施例) 本発明に係る第一の実施例においては、列車を起動し運行させる際に、編成内ネットワークを構築し、制御装置(管理サーバ)による制御および管理の様子について説明する。本実施例では、1編成に2台の管理サーバがある場合を例に説明するが、編成内に管理サーバが単数である場合も複数である場合も、基本的に同様の処理にて運用可能である。
【0024】
図1は本発明の第一の実施例に係る編成内ネットワークの構成例を示す図である。
図1において、1〜4は車両であり1編成の列車を構成する。なお、ここでは図1中の矢印の方向を進行方向とする。1−1〜4−1は各ネットワーク機器を接続し車両間の監視ネットワークを接続するネットワークスイッチ、1−2,4−2は列車の運行を管理する上位サーバ、1−3,4−3は編成内の各ネットワーク機器を制御する管理サーバ、1−4〜4−4は車両の進行方向を向いて右側の乗降ドア付近を撮影するカメラA、1−5〜4−5は車両の進行方向を向いて左側の乗降ドア付近を撮影するカメラB、1−6〜4−6は各車両のカメラが取得した映像を記録する記録装置、1−7,4−7は編成内の映像などを表示するモニタ、1−8〜4−8は車両間の上位ネットワークを接続するネットワークスイッチであり、それぞれLAN(Local Area Network)などのネットワークによって接続されている。ここでは進行方向の先頭車両に搭載されるモニタであるモニタ1−7にカメラA4またはカメラB5の映像を表示させることとするが、後尾車両モニタ4−7にも表示させるようにしてもいい。また、ネットワークスイッチは、パケット転送機能とSNMP(Simple Network Management Protocol)クライアント機能が備わっていればL2スイッチやスイッチングハブやルータなどどのようなタイプを用いてもよい。
【0025】
なお、図中の各ネットワーク機器の番号は「機器名称+車両番号+機器番号」としており、各ネットワーク機器を車両ごとに区別して説明する必要がある場合には「機器名称+車両番号+機器番号」とし、区別せずに呼ぶ場合には「機器名称+機器番号」とする。例えばカメラAの場合、車両ごとに区別する場合はカメラA1−4とし、区別しない場合はカメラA4として説明する。
【0026】
特に車両1および車両4は運転席を備える車両であり、それぞれネットワークスイッチ1−1,4−1、上位サーバ1−2,4−2、管理サーバ1−3,4−3、カメラA1−4,4−4、カメラB1−5,5−5、記録装置1−6,4−6、モニタ1−7,4−7、ネットワークスイッチ1−8,4−8を搭載し、監視ネットワークでは各ネットワーク機器がネットワークスイッチ1−1,1−4を介して接続され、上位ネットワークでは上位サーバ1−2,4−2と管理サーバ1−3,4−3がネットワークスイッチ1−8,4−8を介して接続されている。また、車両2および車両3は運転席を備えない車両であり、それぞれネットワークスイッチ2−1,3−1、カメラA2−4,3−4、カメラB2−5,3−5、記録装置2−6,3−6、ネットワークスイッチ2−8,3−8を搭載し、監視ネットワークでは各ネットワーク機器がネットワークスイッチ1−1,4−1を介して接続され、上位ネットワークでは隣接車両の機器とネットワークスイッチ2−8,3−8を介して接続されている。また、隣接車両間はネットワークスイッチ1,8同士が接続されることで、編成内ネットワークを構築している。なお、上位サーバ2と管理サーバ3は先頭車両および後尾車両にそれぞれ搭載されるが、それぞれいずれかがメインとなり、いずれかがサブとなって動作するものである。基本的にメインが各ネットワーク機器を制御,管理し、サブは他の機器を制御するような動作はしない。管理サーバ3のメインの決定の仕方と運用については後述する。本実施例においては、上位サーバ1−2および管理サーバ1−3がメインとして動作することとする。
【0027】
本実施例においては、破線より上側のカメラを含むネットワークを監視ネットワークとし、破線より下側の上位サーバを含むネットワークを上位ネットワークとする。上位ネットワークは、鉄道車両のシステム全体に関するネットワークであり、監視ネットワークは、鉄道車両の映像を用いた監視システムに関するネットワークである。上位ネットワークと監視ネットワークとはサブネットマスクによりネットワークが分割され、管理サーバを介して接続されている。すなわち管理サーバ3は、監視ネットワーク側のポートと上位ネットワーク側のポートとを有し、VLAN(Virtual Local Area Network)によって双方のネットワークを区別して管理しており、上位ネットワークと監視ネットワークの間の通信は、全て管理サーバ3によってなされる。上位ネットワークには、上位サーバ2と管理サーバ3を含む主に図示しない車両の運行に関する機器が接続され、監視ネットワークには、管理サーバ3、ネットワークスイッチ1、カメラA4、カメラB5、記録装置6、およびモニタ7を含む映像監視に関する機器が接続される。
【0028】
まず、図2を用いて、列車起動時および運行時の編成内監視ネットワークの管理方法、特に管理サーバのメインとサブの決定の仕方について説明する。
図2は、列車起動時および運行時の管理サーバによる編成内監視ネットワークの管理方法を示すフローチャートである。
【0029】
列車の電源がオンになると、列車内の各ネットワーク機器に電力が供給され起動する(起動)。まず上位ネットワークが運行のための機器の準備を開始し、その過程で、メインに決まった上位サーバ1−2がDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)を用いて管理サーバ1−3および管理サーバ4−3に対して上位ネットワーク側のIPアドレスを付与する(S1)。続いて、上位サーバ1−2は管理サーバ1−3および管理サーバ4−3に対して運行情報をマルチキャストで通知する(S2)。
【0030】
ここで、本実施例において、運行情報とは、車両ID、先頭車両(進行方向)、速度、現在位置、ドア開閉、連結フラグ、分離フラグなどの情報であり、車両IDとは、各車両の動力種別、車両種別、編成の車両数、号車番号などを示す数桁の番号の組み合わせである。
また、管理情報とは、映像とともに記録するメタデータである時刻や位置情報や車両番号などといった情報を含んでおり、送信元管理サーバ3がメインである旨のフラグなどを含んでもよい。
【0031】
管理サーバ1−3および管理サーバ4−3は、自身が予め記憶している車両IDの構成情報に基づいて受信した運行情報の中の車両IDを解析し、予め記憶している車両種別ごとの機器構成情報を参照して、各ネットワーク機器のIPアドレスを算出し、ネットワーク機器の管理表であるアドレス管理表を作成する(S3)。
【0032】
管理サーバ1−3および管理サーバ4−3は、それぞれ自身以外の管理サーバ3からブロードキャストの管理情報を受信したか否かを判断し(S4)、受信していなければ(No)自身がメイン管理サーバであると認識して(S5)運行情報に基づいて作成した管理情報を監視ネットワーク内へブロードキャストで送信し(S6)、受信していれば(Yes)自身がサブ管理サーバであると認識して(S11)待機する(S12)。
【0033】
管理サーバ1−3および管理差^場4−3は、各ネットワーク機器のIPアドレスの設定が完了すると、自身のIPアドレスを含む管理情報パケットを監視ネットワークの各ネットワーク機器に向けてブロードキャストで送信する(S6)。なお、本実施例では、IPアドレスの値が小さくより処理の早い管理サーバ1−3が先に管理情報をブロードキャスト送信したものとし、管理サーバ1−3がメイン、管理サーバ4−3がサブとなるものとする。
【0034】
カメラA4,カメラB5,管理サーバ4−6,記録装置6,モニタ7といった各ネットワーク機器は、メイン管理サーバ1−3からブロードキャストパケットの管理情報パケットを受信すると、当該パケット内の送信元IPアドレス情報を応答パケットの送信先情報として登録し、自身の状態に関する情報をメイン管理サーバ1−3に対して応答する。この応答は、例えばSNMPのTrapなどを用いることができる。
【0035】
そして、メイン管理装置1−3は、全てのネットワーク機器から応答を受信したか判断する(S7)。全てのネットワーク機器から応答を受信していれば(Yes)、各ネットワーク機器の状態情報を含めて上位サーバ1−2へマルチキャストで応答し(S8)、上位サーバから運行情報を受信したかを判断する(S9)。運行情報を受信していれば(Yes)S6へ進み、受信していなければ(No)受信するまでS9を繰り返す。また、S7で全てのネットワーク機器から応答を受信していなければ(No)S10へ進み、所定時間経過したか判断し(S10)、所定時間経過していれば(Yes)応答がなかったものとしてS8へ進んで上位サーバ1−2へ応答し、所定時間経過していなければ(No)S7へ進み、未応答のネットワーク機器からの応答を待つ。
【0036】
これにより編成内の各ネットワーク機器は、監視ネットワーク内で通信可能な状態となる。管理サーバ1−3は、監視ネットワーク内で通信可能な状態が確立できたら、上位サーバ1−2に対して通信可能な状態であることを通知する。そして、監視ネットワーク以外の列車内システムの準備が完了すると、列車の運行が開始する(運行)。
【0037】
なお、上位ネットワーク内では上位サーバ2と管理サーバ3はマルチキャストで通信し、監視ネットワーク内ではメインとなったメイン管理サーバ1−3が管理情報をブロードキャストで送信する。従って、上位ネットワーク内では、上位サーバ2が送信したマルチキャストパケットはメイン管理サーバ1−3およびサブ管理サーバ4−3の双方に届き、メイン管理サーバ1−3が応答送信するマルチキャストパケットは上位サーバ2にもサブ管理サーバ4−3にも届くことになる。また、監視ネットワーク内では、メイン管理サーバ1−3が送信したブロードキャストパケットはサブ管理装置4−3にも届き、サブ管理装置4−3はネットワーク機器の1つとしてメイン管理サーバ1−3に対して自身の状態情報を応答する。管理上の混乱を避けるために、管理サーバ3から上位サーバ2への応答は、メインとなったメイン管理サーバ1−3のみから送信することとする。
【0038】
メイン管理サーバ1−3から管理情報がブロードキャスト送信されると、各ネットワーク機器はメイン管理サーバ1−3に対して自身の状態情報を応答するが、直接メイン管理サーバ1−3に応答してもいいし、ネットワークの輻輳を考慮して、カメラA4およびカメラB5は記録装置6へ状態情報を送信し、記録装置6はカメラA4とカメラB5の状態情報とまとめて自身の状態情報をネットワークスイッチ1へ送信し、ネットワークスイッチ1はカメラA4とカメラB5と記録装置6の状態情報をまとめてメイン管理サーバ1−3へ応答するようにしてもいい。
【0039】
なお、車両の組み合わせによっては、1編成に管理サーバ3が1台となる場合や3台以上となる場合が想定されるが、上述のフローに則れば、どのような車両の組み合わせ方によっても統一したシステム管理が可能である。
【0040】
次に、列車の通常の運行時の各装置の動作について説明する。
列車が進行方向に向かって運行を開始すると、上位サーバ1−2は管理サーバ1−3および管理サーバ4−3に対して定期的に運行情報を送信し、メイン管理サーバ1−3はこの運行情報に基づいて管理情報を各ネットワーク機器に対して送信する。各ネットワーク機器は管理情報に返信する形で、自身の状態情報をSNMPのTrapでメイン管理サーバ1−3へ直接的または間接的に返信する。メイン管理サーバ1−3は各ネットワーク機器のTrapに基づいて上位サーバ1−2へ応答する。
【0041】
メイン管理サーバ1−3は、運行情報に基づいて各ネットワーク機器を制御する。列車が駅に停車して旅客を乗降させる際には、メイン管理サーバ1−3は、上位サーバ1−2から受信した運行情報の中のドア開閉情報に基づいて、カメラA4またはカメラB5の映像を記録開始または記録停止するよう記録装置6を制御する。記録装置6は、受信したドア開閉情報に基づいて、ドア開であれば、カメラAまたはカメラBの映像の記録を開始し、ドア閉であれば、カメラAまたはカメラBの映像の記録をドア閉から所定時間経過後に停止する。例えば、右側のドア開であれば、記録装置6は管理サーバからの制御に基づいて同一車両に搭載されるカメラA4の映像の記録を開始し、右側ドア閉となるとカメラ4Aの映像の記録を30秒後に停止する。
【0042】
また、管理サーバ1−3は、上位サーバ1−2から受信した速度情報とドア開閉情報に基づいて、モニタ1−7にカメラA4またはカメラB5の映像の表示をONまたはOFFにするよう制御する。モニタ1−7は、受信した速度情報およびドア開閉情報に基づいて、速度が所定値以下、且つ、ドア開であれば、カメラAまたはカメラBの映像の表示を開始し、速度が所定値より大きければ、カメラAまたはカメラBの映像の表示を停止する。例えば、速度が5km/h以下、且つ、左側のドア開であれば、モニタ1−7は管理サーバからの制御に基づいてカメラB5の映像の表示を開始し、速度が5km/hより大きくなるとカメラ5Bの映像の表示を停止する。
【0043】
次に、図3図4図5図6図7図8図9、および図10を用いて、上位ネットワークと監視ネットワークにおける正常時と異常発生時の管理体制の再構築について説明する。図3および図4は正常時、図5および図6はメイン管理サーバの電源が停止した場合、図7および図8はメイン管理サーバがシステム内で孤立した場合、図9および図10は監視ネットワークが分断された場合のそれぞれ上位ネットワークと監視ネットワークの通信内容を示す。なお、矢印の実線は実際の信号が正常に送受信できていることを示し、破線は送信されたが受信できないまたは受信されたか不明であることを示し、一点鎖線は正常時であれば処理や送信されたが異常によりできないことを示す。
【0044】
図3は、正常時の上位ネットワークの通信の様子である。上位サーバ1−2は、運行情報を上位ネットワーク内へマルチキャスト送信する。メイン管理サーバ1−3は、運行情報に基づいて監視ネットワーク内で管理情報の通知と状態情報の収集および集計を実施する。メイン管理サーバ1−3は、必要な処理が完了すると、上位ネットワーク内へ上位サーバへの応答をマルチキャスト送信する。サブ管理サーバ4−3は、上位サーバ1−2から運行情報を受信すると、監視ネットワーク内へ対して特別な処理をすることなく待機する。また、サブ監視サーバ4−3は、メイン管理サーバ1−3から上位サーバへの応答を受信しても、特別な処理をすることなく待機する。
【0045】
図4は、正常時の監視ネットワークの通信の様子である。メイン管理サーバ1−3は、運行情報を受信すると、管理情報を作成して監視ネットワーク内へブロードキャスト送信する。サブ管理サーバ4−3を含むネットワーク機器は、管理情報を受信すると、Trap先であるIPアドレスを管理情報内の送信元情報からメイン管理サーバ1−3に更新し、自身の状態情報をTrap先アドレスに向けて送信する。メイン管理サーバ1−3は、全てのネットワーク機器のTrapを受信すると、各ネットワーク機器の状態情報を集計して更新し、上位ネットワーク内へネットワーク機器の異常情報を含む上位サーバへの応答をマルチキャスト送信する。サブ管理サーバ4−3は、運行情報を受信しても特別な処理をすることなく待機する。
【0046】
図5は、メイン管理サーバの電源が停止した場合の上位ネットワークの通信の様子である。上位サーバ1−2は、運行情報を上位ネットワーク内へマルチキャスト送信する。メイン管理サーバ1−3は、電源が停止しているため、監視ネットワーク内の処理を実施できず、上位ネットワーク内への応答もできない。サブ管理サーバ4−3は、運行情報を受信してから所定時間経過してもメイン管理サーバ1−3からの通知(監視ネットワーク内の管理情報通知および/または上位ネットワーク内の上位サーバへの応答)が届かない場合、メイン管理サーバ1−3に異常が発生したと判断し、サブ管理サーバ4−3がメイン管理サーバ1−3の代わりにメインとなり、メイン管理サーバ4−3として、運行情報に基づいて監視ネットワーク内で管理情報の通知と状態情報の収集および集計を実施する。そして、メイン管理サーバ4−3は、上位ネットワーク内へ上位サーバへの応答をマルチキャスト送信する。ただし、元管理サーバ1−3が復旧しても、メインの変更はしない、すなわち、メインは管理サーバ4−3として運用される。なお、ここでの所定時間は、メイン管理サーバが各ネットワーク機器へ管理情報を送信してからその応答を受信するまでの待機時間である所定時間(図2のS10)より長いものとする。
【0047】
図6は、メイン管理サーバの電源が停止した場合の監視ネットワークの通信の様子である。メイン管理サーバ1−3は、電源の停止により、信号の受信および処理を実施できない。サブ管理サーバ4−3は、運行情報を受信し、受信してからメイン管理サーバからの通知が所定時間届かない場合に、メイン管理サーバ1−3に異常が発生したと判断し、サブ管理サーバ4−3がメイン管理サーバ1−3の代わりにメインとなり、メイン管理サーバ4−3として、運行情報に基づいて管理情報を作成し、管理情報を監視ネットワーク内へブロードキャスト送信する。ネットワーク機器は、管理情報を受信すると、Trap先であるIPアドレスを管理情報内の送信元情報からメイン管理サーバ4−3に更新し、自身の状態情報をTrap先アドレスに向けて送信する。メイン管理サーバ4−3は、全てのネットワーク機器のTrapを受信すると、各ネットワーク機器の状態情報を集計して更新し、上位ネットワーク内へネットワーク機器の異常情報を含む上位サーバへの応答をマルチキャスト送信する。
【0048】
図7は、メイン管理サーバが上位ネットワーク側のポートまたは通信経路異常により上位ネットワーク内で孤立した場合の上位ネットワークの通信の様子を示す。上位サーバ1−2は、運行情報を上位ネットワーク内へマルチキャスト送信する。メイン管理サーバ1−3は、上位サーバ1−2からの運行情報が届かないため、監視ネットワーク内の処理を実施できず、上位ネットワーク内への応答もできない。サブ管理サーバ4−3は、運行情報を受信してから所定時間経過してもメイン管理サーバ1−3からの通知(監視ネットワーク内の管理情報通知および/または上位ネットワーク内の上位サーバへの応答)が届かない場合、メイン管理サーバ1−3に異常が発生したと判断し、サブ管理サーバ4−3がメイン管理サーバ1−3の代わりにメインとなり、メイン管理サーバ4−3として、運行情報に基づいて監視ネットワーク内で管理情報の通知と状態情報の収集および集計を実施する。そして、メイン管理サーバ4−3は、上位ネットワーク内へ上位サーバへの応答をマルチキャスト送信する。
【0049】
図8は、メイン管理サーバが上位ネットワーク側のポートまたは通信経路異常により上位ネットワーク内で孤立した場合の監視ネットワークの通信の様子を示す。メイン管理サーバ1−3は、上位サーバ1−2から運行情報を受信できないため、管理情報を作成できず、監視ネットワーク内へ管理情報をブロードキャスト送信できない。そして、サブ管理サーバ4−3を含むネットワーク機器は、管理情報を受信しないので、Trapを返信しない。サブ管理サーバ4−3は、運行情報を受信し、受信してからメイン管理サーバからの通知が所定時間届かない場合に、メイン管理サーバ1−3に異常が発生したと判断し、サブ管理サーバ4−3がメイン管理サーバ1−3の代わりにメインとなり、メイン管理サーバ4−3として、運行情報に基づいて管理情報を作成し、管理情報を監視ネットワーク内へブロードキャスト送信する。サブとなった管理サーバ1−3を含むネットワーク機器は、管理情報を受信すると、Trap先であるIPアドレスを管理情報内の送信元情報からメイン管理サーバ4−3に更新し、自身の状態情報をTrap先アドレスに向けて送信する。メイン管理サーバ4−3は、全てのネットワーク機器のTrapを受信すると、各ネットワーク機器の状態情報を集計して更新し、上位ネットワーク内へネットワーク機器の異常情報を含む上位サーバへの応答をマルチキャスト送信する。
【0050】
図9は、メイン管理サーバが監視ネットワーク側のポートまたは通信経路異常により監視ネットワーク内で孤立した場合の上位ネットワークの通信の様子を示す。上位サーバ1−2は、運行情報を上位ネットワーク内へマルチキャスト送信する。メイン管理サーバ1−3は、運行情報に基づき監視ネットワーク内処理を実施するが、ネットワーク機器からの応答がなく孤立と判断し、異常の旨の応答を上位ネットワーク内へマルチキャスト送信して、メインを降格する。サブ管理サーバ4−3は、メイン管理サーバ1−3から異常の旨の応答を受信すると、サブ管理サーバ4−3がメイン管理サーバ1−3の代わりにメインとなり、メイン管理サーバ4−3として、運行情報に基づいて監視ネットワーク内で管理情報の通知と状態情報の収集および集計を実施する。そして、メイン管理サーバ4−3は、上位ネットワーク内へ上位サーバへの応答をマルチキャスト送信する。
【0051】
図10は、メイン管理サーバが監視ネットワーク側のポートまたは通信経路異常により監視ネットワーク内で孤立した場合の監視ネットワークの通信の様子を示す。メイン管理サーバ1−3は、運行情報を受信すると、運行情報に基づき管理情報を作成し、監視ネットワーク内へブロードキャスト送信する。しかし、メイン管理サーバ1−3は、ポートまたはネットワークの異常により他のネットワーク機器から孤立しているため、他のネットワーク機器へ管理情報が到達しない。サブ管理サーバ4−3を含むネットワーク機器から所定期間Trapを受信しないと、各ネットワークスイッチ1に対してPingを送信し、通信可能か確認する。この場合、ネットワークスイッチ1からの応答がないため、メイン管理サーバ1−3は、監視ネットワーク内で孤立していると判断し、異常が発生しメインを降格することを上位ネットワーク内へ応答通知する。メイン管理サーバ1−3は、メインを降格しサブ管理サーバ1−3となる。一方、サブ管理サーバ4−3は、メイン管理サーバ1−3から異常の旨の応答を受信すると、自身がメイン管理サーバ1−3の代わりにメインとなり、メイン管理サーバ4−3として、運行情報に基づいて管理情報を作成し、管理情報を監視ネットワーク内へブロードキャスト送信する。サブとなった管理サーバ1−3を除くネットワーク機器は、管理情報を受信すると、Trap先であるIPアドレスを管理情報内の送信元情報からメイン管理サーバ4−3に更新し、自身の状態情報をTrap先アドレスに向けて送信する。メイン管理サーバ4−3は、サブ管理サーバ1−3を除く全てのネットワーク機器のTrapを受信すると、各ネットワーク機器の状態情報を集計して更新し、上位ネットワーク内へネットワーク機器の異常情報を含む上位サーバへの応答をマルチキャスト送信する。
【0052】
図11は、ネットワークスイッチ1または通信経路の異常により監視ネットワークが分断された場合の上位ネットワークの通信の様子を示す。上位サーバ1−2は、運行情報を上位ネットワーク内へマルチキャスト送信する。メイン管理サーバ1−3およびサブ管理サーバ4−3は、監視ネットワークが分断されていることを検出して認識しているため、それぞれが独立して監視ネットワーク内の処理を実施し、それぞれが上位ネットワーク内へ上位サーバへの応答をマルチキャスト送信する。
【0053】
図12は、ネットワークスイッチ1または通信経路の異常により監視ネットワークが分断された場合の監視ネットワークの通信の様子を示す。メイン管理サーバ1−3は、運行情報を受信すると、運行情報に基づき管理情報を作成し、監視ネットワーク内へブロードキャスト送信する。監視ネットワークが分断しているため、メイン管理サーバ1−3が含まれる分断された監視ネットワーク内のネットワーク機器には管理情報が到達するが、メイン管理サーバ1−3が含まれない分断された監視ネットワーク内のネットワーク機器には管理情報が到達しない。管理情報を受信したネットワーク機器は、管理情報を受信すると、Trap先であるIPアドレスを管理情報内の送信元情報からメイン管理サーバ4−3に更新し、自身の状態情報をTrap先アドレスに向けて送信する。サブ管理サーバ4−3を含む管理情報を受信していないネットワーク機器は、管理情報を受信していないためTrap応答ができない。メイン管理サーバ4−3は、一部のネットワーク機器のTrapを受信すると、残りのネットワーク機器のTrapを受信していないため、Trapを受信したネットワーク機器の状態情報を集計して更新し、Trapを受信していないネットワーク機器の状態をTrap応答なしと更新し、ネットワークが分断していると判断する。このとき、再度確認のためにPingを各ネットワークスイッチ1へ送信してもよい。ネットワークの分断を検出すると、上位ネットワーク内へ監視ネットワーク分断の旨を含む上位サーバへの応答をマルチキャスト送信する。サブ管理サーバ4−3は、監視ネットワーク分断の旨を受信すると、自身が含まれる分断された監視ネットワーク内を制御するために、メインの役割を果たす。すなわち、監視ネットワークの分断が復旧するまでの間、サブのまま、メイン管理サーバ1−3と同じ役割を果たす。従って、メイン管理サーバ1−3およびサブ管理サーバ4−3は、運行情報を受信すると、それぞれ管理情報を作成し、監視ネットワーク内へブロードキャスト送信する。メイン管理サーバ1−3が含まれる分断された監視ネットワーク内のネットワーク機器は、メイン管理サーバ1−3から送信された管理情報を受信し、Trap先であるIPアドレスを管理情報内の送信元情報からメイン管理サーバ1−3に更新し、自身の状態情報をTrap先アドレスであるメイン管理サーバ1−3に向けて送信する。一方、サブ管理サーバ4−3が含まれる分断された監視ネットワーク内のネットワーク機器は、サブ管理サーバ4−3から送信された管理情報を受信し、Trap先であるIPアドレスを管理情報内の送信元情報からサブ管理サーバ4−3に更新し、自身の状態情報をTrap先アドレスであるサブ管理サーバ4−3に向けて送信する。メイン管理サーバ1−3およびサブ管理サーバ4−3は、それぞれネットワーク機器のTrapを受信すると、各ネットワーク機器の状態情報を集計して更新し、上位ネットワーク内へ上位サーバへの応答をそれぞれマルチキャスト送信する。
【0054】
分断が復旧すると、メイン管理サーバ1−3およびサブ管理サーバ4−3はそれぞれ監視ネットワーク内へ管理情報をブロードキャスト送信するが、メイン管理サーバ1−3が送信した管理情報がサブ管理サーバ4−3に到達するため、サブ管理サーバ4−3はネットワークの分断が復旧したと判断し、各ネットワーク機器からTrapが返ってきても、上位サーバへの応答は控える。一方、メイン管理サーバ1−3は、変わらず、各ネットワーク機器からのTrapを受信して、状態情報を集計して更新し、上位ネットワークへ上位サーバへの応答をブロードキャスト送信する。
【0055】
なお、サブ管理サーバ4−3がメインにならないのは、監視ネットワークの分断が復旧した後に、またメイン管理サーバ1−3がメインとして動作し、サブ管理サーバ4−3はサブとして動作する当初の状態に戻るためにスムーズだからである。
ネットワークスイッチには、異常が発生したり電源が停止したりすると、ポートを短絡させる機能を有しているものが存在するが、そういったネットワークスイッチを用いる場合には、特定の車両のネットワーク機器のみTrapの応答が無くなる。このような場合には、メイン管理サーバ1−3は、特定の車両のTrap応答がない旨を、上位サーバへの応答に含めて上位ネットワーク内へマルチキャスト送信する。
【0056】
以上に詳述したように、第一の実施例によれば、鉄道車両の編成が、どのような車両の組み合わせ方であってもよっても統一したシステム管理が可能であり、また、ネットワーク機器やネットワークに異常が発生した場合でも、監視システムを停止させることなく継続して運用することができる。これにより、より安全で信頼性の高い鉄道車両の運行をサポートすることができる。
【0057】
(第二の実施例) 次に、本発明に係る第二の実施例において、列車が新たに連結する際に、監視ネットワークを再構築し、管理体制を設定する様子について、図13および図14を用いて説明する。
【0058】
図13は本発明の第二の実施例に係る車両連結した場合の編成内ネットワークの構成例であり、第一の実施例で記載した車両1〜車両4に、同様の構成の編成である車両5〜車両8が連結している。上位ネットワークとしては、車両4のネットワークスイッチ4−8と車両5のネットワークスイッチ5−8とが接続され、監視ネットワークとしては、車両4のネットワークスイッチ4−1と車両5のネットワークスイッチ5−1とが接続される。各車両内のネットワーク機器の構成は、第一の実施例の場合と同様であるため、既に第一の実施例で説明した部分については説明を省略する。なお、本実施例においても、図13中の矢印の方向を進行方向とする。
【0059】
5−1〜8−1は各ネットワーク機器を接続し監視ネットワークを接続するネットワークスイッチ、5−2,8−2は列車の運行を管理する上位サーバ、5−3,8−3は編成内の各ネットワーク機器を制御する管理サーバ、5−4〜8−4は車両の進行方向を向いて右側の乗降ドア付近を撮影するカメラA、5−5〜8−5は車両の進行方向を向いて左側の乗降ドア付近を撮影するカメラB、5−6〜8−6は各車両のカメラが取得した映像を記録する記録装置、5−7,8−7は編成内の映像などを表示するモニタ、5−8〜8−8は上位ネットワークを接続するネットワークスイッチである。
【0060】
特に車両5および車両8は運転席を備える車両であり、それぞれネットワークスイッチ5−1,8−4、上位サーバ5−2,8−2、管理サーバ5−3,8−3、カメラA5−4,8−4、カメラB5−5,8−5、記録装置5−6,8−6、モニタ5−7,8−7、ネットワークスイッチ5−8,8−8を搭載し、監視ネットワーク内の各ネットワーク機器がネットワークスイッチ5−1,8−1を介して接続されている。また、車両6および車両7は運転席を備えない車両であり、それぞれネットワークスイッチ6−1,7−1、カメラA6−4,7−4、カメラB6−5,7−5、記録装置6−6,7−6、ネットワークスイッチ6−8,7−8を搭載し、各ネットワーク機器がネットワークスイッチ6−1,7−1を介してLANなどのネットワークで接続されている。また、隣接車両間は、ネットワークスイッチ1同士が接続され、車両4のネットワークスイッチ4−1と車両5のネットワークスイッチ5−1とが接続されることで、車両1から車両8で構成される監視ネットワークを構築している。また、隣接車両間は、ネットワークスイッチ8同士が接続され、車両4のネットワークスイッチ4−8と車両5のネットワークスイッチ5−8とが接続されることで、車両1から車両8で構成される上位ネットワークを構築している。 なお、上位サーバ2と管理サーバ3は車両1、車両4、車両5、および車両8にそれぞれ搭載されるが、それぞれいずれかがメインとなり、その他がサブとなって動作するものである。基本的にメインが各ネットワーク機器を制御,管理し、サブは他の機器を制御するような動作はしない。管理サーバ3のメインの決定の仕方はさまざま考えられるが、本実施例では、上位サーバ2より付与されるIPアドレスの値が最も小さく処理が速い管理サーバとする。本実施例においては、上位サーバ1−2および管理サーバ1−3がメインとして動作することとする。
【0061】
本実施例においても、第一の実施例と同様に、破線より上側のカメラを含むネットワークを監視ネットワークとし、破線より下側の上位サーバを含むネットワークを上位ネットワークとする。上位ネットワークは、鉄道車両のシステム全体に関するネットワークであり、監視ネットワークは、鉄道車両の映像を用いた監視システムに関するネットワークである。上位ネットワークと監視ネットワークとはサブネットマスクによりネットワークが分割され、管理サーバを介して接続されている。すなわち管理サーバ3は、監視ネットワーク側のポートと上位ネットワーク側のポートとを有し、VLANによって双方のネットワークを区別して管理しており、上位ネットワークと監視ネットワークの間の通信は、全て管理サーバ3によってなされる。上位ネットワークには、上位サーバ2と管理サーバ3を含む主に図示しない車両の運行に関する機器が接続され、監視ネットワークには、管理サーバ3、ネットワークスイッチ1、カメラA4、カメラB5、記録装置6、およびモニタ7を含む映像監視に関する機器が接続される。
【0062】
図14を用いて、列車の車両連結時における監視システムの編成内ネットワークの構築と管理体制の設定の流れについて説明する。
【0063】
列車が運行中、上位サーバ1−2はメイン管理サーバ1−3およびサブ管理サーバ4−3に対して定期的に運行情報をマルチキャストで通知する(S21)。管理サーバ1−3は、受信した運行情報をその都度確認し、連結フラグがあるか否かを確認する(S22)。運行情報の中に連結フラグがなければ(No)、メイン管理サーバ1−3はそのまま次の運行情報の受信を待ち、S21へ進む。一方、運行情報の中に連結フラグがあれば(Yes)、S23へ進む。メイン管理サーバ1−3は、連結フラグに応じて、車両連結の準備をする(S23)。車両連結に伴って上位サーバ1−2からの定期的な運行情報の通知が停止するが、この準備とは、メイン管理サーバ1−3およびサブ管理サーバ4−3が運行情報の通知の停止を異常事態と判断しないことである。また、上位サーバ1−2は、メイン管理サーバ1−3に対し、監視ネットワークの初期化命令を通知する(S24)。メイン管理サーバ1−3は、初期化命令に従って、監視ネットワークの各ネットワーク機器のIPアドレスを解放(消去)し、アドレス管理情報を初期化する(S25)。このとき、管理サーバ3のメイン/サブの設定も解除される。
【0064】
車両の連結が完了すると、再び上位ネットワークが運行のための機器の準備を開始し、その過程で、上位サーバ1−2がDHCPを用いて管理サーバ1−3、管理サーバ4−3、管理サーバ5−3および管理サーバ8−3に対して上位ネットワーク側のIPアドレスを付与する(S1´)。続いて、上位サーバ1−2は管理サーバ1−3、管理サーバ4−3、管理サーバ5−3および管理サーバ8−3に対して運行情報を通知する(S2´)。
【0065】
管理サーバ1−3、管理サーバ4−3、管理サーバ5−3および管理サーバ8−3は、自身が予め記憶している車両IDの構成情報に基づいて受信した運行情報の中の車両IDを解析し、予め記憶している車両種別ごとの機器構成情報を参照して、各ネットワーク機器のIPアドレスを算出し、ネットワーク機器の管理表であるアドレス管理表を作成する(S3´)。
【0066】
管理サーバ1−3、管理サーバ4−3、管理サーバ5−3および管理サーバ8−3は、それぞれ自身以外の管理サーバ3からブロードキャストの管理情報を受信したか否かを判断し(S4´)、受信していなければ(No)自身がメイン管理サーバであると認識して(S5´)運行情報に基づいて作成した管理情報を監視ネットワーク内へブロードキャストで送信し(S6´)、受信していれば(Yes)自身がサブ管理サーバであると認識して(S11´)待機する(S12´)。
【0067】
管理サーバ1−3、管理サーバ4−3、管理サーバ5−3および管理サーバ8−3は、各ネットワーク機器のIPアドレスの設定が完了すると、自身のIPアドレスを含む管理情報パケットを監視ネットワークの各ネットワーク機器に向けてブロードキャストで送信する(S6´)。なお、本実施例では、IPアドレスの値が小さくより処理の早い管理サーバ1−3が先に管理情報をブロードキャスト送信したものとし、管理サーバ1−3がメイン、管理サーバ4−3、管理サーバ5−3および管理サーバ8−3がサブとなるものとする。
【0068】
そして、メイン管理装置1−3は、全てのネットワーク機器から応答を受信したか判断する(S7´)。全てのネットワーク機器から応答を受信していれば(Yes)、各ネットワーク機器の状態情報を含めて上位サーバ1−2へマルチキャストで応答し(S8´)、上位サーバから運行情報を受信したかを判断する(S9´)。運行情報を受信していれば(Yes)S6´へ進み、受信していなければ(No)受信するまでS9´を繰り返す。また、S7´で全てのネットワーク機器から応答を受信していなければ(No)S10´へ進み、所定時間経過したか判断し(S10´)、所定時間経過していれば(Yes)応答がなかったものとしてS8´へ進んで上位サーバ1−2へ応答し、所定時間経過していなければ(No)S7´へ進み、未応答のネットワーク機器からの応答を待つ。
【0069】
これにより編成内の各ネットワーク機器は、監視ネットワーク内で通信可能な状態となる。管理サーバ1−3は、監視ネットワーク内で通信可能な状態が確立できたら、上位サーバ1−2に対して通信可能な状態であることを通知する。そして、監視ネットワーク以外の列車内システムの準備が完了すると、列車の運行が開始する(運行)。
【0070】
なお、車両の分離が発生する場合には、本実施例の連結フラグが分離フラグに変わるだけであり、また、車両の分離と連結が発生する場合には、連結フラグと分離フラグの両方が通知される。本実施例においては、連結フラグと分離フラグとを分けて説明したが、連結フラグと分離フラグは明確にそれぞれに分けなくても、車両再編成フラグとして通知されるようにしてもいい。
【0071】
この一連の処理において第一の実施例と異なるのは、S11からS15の車両連結に伴う処理があることと、管理するネットワーク機器が車両連結した分増加したことであり、それ以外にはS1´からS12´の処理は基本的に第一の実施例と同様である。
【0072】
第一の実施例において図3図12を用いて説明した、正常時および異常時の上位ネットワークおよび監視ネットワークの通信方法は、第二の実施例にもほぼそのまま適用可能である。第二の実施例においては、1編成内に管理サーバが4台搭載されるが、管理サーバのメインとサブが入れ替わる場合には、サブ管理サーバの3台の中で最もIPアドレスの値が小さく処理が速いサブ管理サーバがメイン管理サーバとなる。
【0073】
また、監視ネットワークが分断される場合には、2つに分断された場合、次の(a)〜(c)の3ケースが考えられる。分断される監視ネットワークが、(a)メイン管理サーバ1台の監視ネットワークとサブ管理サーバ3台監視ネットワーク、(b)メイン管理サーバ1台とサブ管理サーバ1台の監視ネットワークとサブ管理サーバ2台の監視ネットワーク、(c)メイン管理サーバ1台とサブ管理サーバ2台の監視ネットワークとサブ管理サーバ1台の監視ネットワーク、の場合である。(a)(b)の場合には、メイン管理サーバはそのままメインとして動作し、もう一方の監視ネットワーク内のサブ管理サーバは、最もIPアドレスの値が小さく処理が速いサブ管理サーバがメインの役割を代行する。(c)の場合には、メイン管理サーバはそのままメインとして動作し続け、もう一方の監視ネットワーク内では1台しかないサブ管理サーバがメインの役割を代行する。
【0074】
また、監視ネットワークが3つに分断された場合も同様に、メイン管理サーバはそのままメインとして動作し、分断された監視ネットワーク内に1台のみサブ管理サーバが存在する場合にはそのサブ管理サーバがメインの役割を代行し、複数台のサブ管理サーバが存在する場合には最もIPアドレスの値が小さく処理が速いサブ管理サーバがメインの役割を代行する。ただし、管理サーバが含まれない形で監視ネットワークが複数に分断されてしまった場合、管理サーバが含まれない監視ネットワークは切り離さざるを得ない。
【0075】
以上に詳述したように、本実施例によれば、列車の連結または分離によりネットワークを再構築する場合に、監視ネットワークを迅速に再構築し、統一したシステム管理が可能である。これにより、鉄道車両の運行を素早く再開することができる。
【0076】
また、本発明に係るシステムや装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。また、本発明は、例えば、本発明に係る処理を実行する方法或いは方式や、このような方法や方式を実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして提供することも可能であり、また、種々なシステムや装置として提供することも可能である。また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。
【0077】
例えば、第一の実施例および第二の実施例において、1編成は4車両で構成されることとしたが、実際には4車両に限られるものではなく、車両数の異なる編成同士が連結する場合も考えられる。車両数が変わったからといって各処理に特段の変更はない。
【0078】
また、カメラについては、ドア付近を撮影することとしているが、これらに限られるものではなく、例えばデッキや客室内や車両外の様子を撮影してもよく、映像は常時記録または表示されたり、運転士などの操作者の選択によって記録または表示させたりするようにしてもよい。また、カメラの台数を説明の便宜上1車両に2台としたが、1台であっても3台以上であってもいい。また、その他の記録装置やモニタに関しても台数に特に制限はなく、これら以外の他の異なる機器が搭載されていてもいい。
【0079】
また、メイン管理サーバを決定する場合や、サブ管理サーバの中からメインに入れ替わる管理サーバを決定しる場合や、サブ管理サーバの中からメインを代行するサブ管理サーバを決定する場合に、最もIPアドレスの値が小さく処理が速いサブ管理サーバに決定することとしたが、これに限られるものではなく、運行情報から先頭車両の管理サーバまたは先頭車両に最も近い管理サーバとしてもよく、また、管理番号が最も若い管理サーバとしてもよく、その他、一意に決まる方法であればどのような方法であってもよい。
【0080】
また、メイン管理サーバまたはメインを代行するサブ管理サーバが監視ネットワーク内へ送信する管理情報はブロードキャストで送信されることとしたが、マルチキャストで送信してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、鉄道車両に適用できるのはもちろんのこと、他にも、ネットワーク機器を含む所定の単位のシステムが複数連結したり分離したりするシステムにおいて適用可能であり、効果的である。
【符号の説明】
【0082】
1,2,3,4,5,6,7,8:車両、1−1,2−1,3−1,4−1,5−1,6−1,7−1,8−1:ネットワークスイッチ、1−2,4−2,5−2,8−2:上位サーバ、1−3,4−3,5−3,8−3:管理サーバ、1−4,2−4,3−4,4−4,5−4,6−4,7−4,8−4:カメラA、1−5,2−5,3−5,4−5,5−5,6−5,7−5,8−5:カメラB、1−6,2−6,3−6,4−6,5−6,6−6,7−6,8−6:記録装置、1−7,4−7,5−7,8−7:モニタ、1−8,2−8,3−8,4−8,5−8,6−8,7−8,8−8:ネットワークスイッチ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14