【実施例1】
【0041】
図1に、入力補助デバイス10の構成を示す。入力補助デバイス10は、ユーザが主デバイスを操作するのとは独立に操作して、制御対象を制御する別の信号を生成する操作部型の補助デバイスであり、本体1、軸体2、第1センサ5、回転体3、第2センサ6、スイッチ4、スイッチ検出部7、USBケーブル8、及び信号生成部9を含んで構成される。なお、
図1における図面前側、後側、左側、及び右側をそれぞれ前、後、左、及び右とする。
【0042】
本体1は、軸体2を傾倒可能に支持する筐体である。本体1は、例えば樹脂等の素材を用いて高さに対して幅の大きい円筒形状に成形され、上面中央に凹部1aが形成されている。本体1は、その内部に支持手段(不図示)を有する。支持手段(不図示)は、軸体2を凹部1a内で傾倒可能に支持する部材の集合であり、支持部材(不図示)、付勢部材(不図示)、及び規制部材1bを有する。
【0043】
支持部材は、軸体2の基端を、本体1の底面中心で傾動可能に支持する部材である。支持部材として、例えば、軸体2の基端を受ける凹部、球座等が形成された板状部材を採用することができる。
【0044】
付勢部材は、軸体2を中立位置に向けて付勢する部材である。なお、中立位置は、軸体2が、本体1の凹部1a内で鉛直方向に立つ位置とする。付勢部材として、例えば、スプリングを採用することができる。
【0045】
図2に、規制部材1bの構成を示す。規制部材1bは、軸体2の傾倒方向を制限するとともに、前後左右の4方向(後述するように信号の種類に対応する)以外の方向に閾角度以上は傾倒不可能に、軸体2の傾倒を規制する部材である。規制部材1bは、本体1の内幅と同程度の直径を有する円板であり、その中央に十字状の開口1b
0が形成されている。規制部材1bは、開口1b
0内に軸体2を通して、支持部材(不図示)から上側に離間して本体1内に固定されている。なお、軸体2の傾倒の閾角度は、開口1b
0の内接円1b
1の大きさと規制部材1b及び支持部材(不図示)の離間距離とから定まる。
【0046】
これにより、軸体2は、
図2(A)に示す中立位置から例えば
図2(B)に示すように図面上側(すなわち、後側)に傾倒されると、開口1b
0内を、内接円1b
1を超えて(すなわち、閾角度を超えて)、規制部材1bの上縁に当接するまで移動する。軸体2が図面下側(すなわち、前側)、図面左側(すなわち、左側)、及び図面右側(すなわち、右側)に傾倒される場合も同様である。これに対して、軸体2は、
図2(A)に示す中立位置から例えば
図2(C)に示すように図面右斜め上(すなわち、右後側)に傾倒されると、開口1b
0内を、内接円1b
1(すなわち、閾角度)を超えることなく、規制部材1bの右斜め上の縁に当接するまで移動する。規制部材1bが、
図3(A)に示すように前後左右の4方向に閾角度以上に傾倒可能に、且つ、それ以外の方向に閾角度以上は傾倒不可能に、軸体2の傾倒を規制することで、ユーザは、軸体2の傾倒方向により信号の種類を誤ることなく選択することができる。
【0047】
以上、90度間隔に前後左右の4方向が信号の種類に対応するものとして説明した。どの方向を信号の種類に対応させるかは、任意に設計してよい。例えば45度間隔に8方向が信号の種類に対応するものとしてもよい。また、60度間隔に6方向、30度間隔に12方向等、任意に決定できる。
【0048】
軸体2は、中立位置から複数の方向(ここでは、
図3(A)に示す前後左右の4方向)に傾倒する部材である。軸体2は、例えば樹脂等の素材を用いて幅に対して十分に軸長の大きい円筒形状に成形されている。
【0049】
第1センサ5は、軸体2の傾倒方向(第1の検出結果)及び傾倒角(第3の検出結果)を検出するセンサであり、本体1内に設けられている。第1センサ5として、例えば、静電容量センサ、光学式センサ等を採用し、前後左右の4方向に関する軸体2と本体1の内壁との離間距離を測定することで、軸体2の傾倒方向及びそれぞれの方向に関する傾倒角を測定することができる。第1センサ5の検出結果は、信号生成部9に送信される。
【0050】
軸体2と第1センサ5とにより、ジョイスティックの機能が実現される。
【0051】
回転体3は、軸体2の上端に固定され、
図3(B)に示すように軸体2に対して回転する部材である。回転体3は、例えば樹脂等の素材を用いて軸体2より幅広の円筒形状に成形され、上面に円形状の凹部3aが形成されている。
【0052】
第2センサ6は、軸体2に対する回転体3の回転角(第2の検出結果)を検出するセンサであり、軸体2の先端に設けられている。第2センサとして、例えばロータリーエンコーダのセンサを採用することができる。第2センサ6の検出結果は、信号生成部9に送信される。
【0053】
回転体3と第2センサ6とにより、ロータリーエンコーダの機能が実現される。
【0054】
第1センサ5と第2センサ6とを合わせて、検出部が構成される。
【0055】
スイッチ4は、一例として円形状の押しボタン式スイッチであり、回転体3の凹部3a内に設けられている。ユーザは、
図3(C)に示すように、操作部を握持する手指(特に親指)でスイッチ4を押下することで回路接点を閉じ(オンし)、手指を離すことでスイッチ4が付勢部材(不図示)により上向きに戻って回路接点を開く(オフする)。
【0056】
スイッチ検出部7は、スイッチ4の開閉(オンオフ)を検出する機器であり、回転体3の内部に設けられている。スイッチ検出部7は、例えば、スイッチ4により電気接点が開閉されることで流れる電流又は電圧を検出することでスイッチ4のオンオフを検出する。スイッチ検出部7の検出結果は、信号生成部9に送信される。
【0057】
以上のジョイスティック、ロータリーエンコーダ及びスイッチの機能は、回転体3を把持したままで、全て操作することが可能である。すなわち、手を回転体3から離す操作を必要としない。効率的な操作が可能となる。
【0058】
USBケーブル8は、コンピュータに接続し、これから電源を第1センサ5、第2センサ6、スイッチ検出部7、及び信号生成部9に供給するとともに、信号生成部9により生成された信号をコンピュータに送信する配線である。なお、USBケーブル8に代えて、本体1内に電源を設け、これから電源を第1センサ5、第2センサ6、スイッチ検出部7、及び信号生成部9に供給することとしてもよい。また、USBケーブル8に代えて、無線方式により、信号生成部9により生成された信号をコンピュータ本体に送信することとしてもよい。
【0059】
図4に、制御系の構成を示す。制御系は、第1センサ5、第2センサ6及びスイッチ検出部7の検出結果を用いて信号を生成する信号生成部9を中心に構成されている。
【0060】
信号生成部9は、第1センサ5の検出結果に応じて信号の種類を選択し、第2センサ6の検出結果に応じて信号の程度を調整する。ここで、コンピュータ上でイラスト等のオブジェクトを作成する場合に、一例として、オブジェクトの拡大及び縮小、オブジェクトの回転、ブラシのサイズ変更、の4つの操作を実装することとする。
【0061】
信号生成部9はまた、第1センサ5の検出結果に応じて信号の種類を選択し、第3センサ7の検出結果に応じて信号を送信する。ここで、コンピュータ上でイラスト等のオブジェクトを作成する場合に、一例として、取消(UNDO)、やり直し(REDO)、色の選択、印刷の4つの操作を実装することとする。
【0062】
図5に、信号決定の手順を示すフローチャートを示す。信号生成部9は、第1センサ5の検出結果に対応する処理91、第2センサ6の検出結果に対応する処理92、及びスイッチ検出部7の検出結果に対応する処理93を備えている。
【0063】
第2センサ6の検出結果に対応する処理92及びスイッチ検出部7の検出結果に対応する処理93は、共に、検出された信号を、信号種類と共に送信する。すなわち、回転角である第2センサ6の検出結果及びスイッチ操作を示すスイッチ検出部7の検出結果は共に、ユーザが第1センサ5の検出結果に対応するものとして送信したい信号種類を選択したものとし、第2センサ6の検出結果については信号の程度(数値)を表すもの、スイッチ検出部7の検出結果については数値を有さない信号種類のみのものとして処理される。
【0064】
第2センサ6の検出結果信号が、オブジェクトの拡大及び縮小、オブジェクトの回転、ブラシのサイズ変更、ブラシの濃度変更のいずれであるか、及び、スイッチ検出部7の検出結果信号が、取消(UNDO)、やり直し(REDO)、色の選択、印刷のいずれであるかは、第1センサ5により検出される軸体2の傾倒方向より信号の種類を選択する、例えば、第2センサ6の検出結果信号については、軸体2が前側に傾倒された場合にオブジェクトの拡大及び縮小を、後側に傾倒された場合にオブジェクトの回転を、左側に傾倒された場合にブラシのサイズ変更を、右側に傾倒された場合にブラシのサ濃度変更を、それぞれ選択する。スイッチ検出部7の検出結果信号については、軸体2が前側に傾倒された場合に取消(UNDO)を、後側に傾倒された場合にやり直し(REDO)を、左側に傾倒された場合に色の選択を、右側に傾倒された場合に印刷を、それぞれ選択する。
【0065】
上記の選択項目、例えば「オブジェクトの拡大及び縮小」は、信号生成部9(入力補助デバイス10)にとって意味を持たない。信号を受信したコンピュータが定めればよい。信号生成部9(入力補助デバイス10)は、前側に傾倒された場合に信号が第1の種類であることを、後側に傾倒された場合に信号が第2の種類であることを、左側に傾倒された場合に信号が第3の種類であることを、右側に傾倒された場合に信号が第4の種類であることを、それぞれ送信すればよい。
【0066】
以下、第1センサ5の検出結果に応じた信号の種類の選択に係る処理91について説明する。
【0067】
信号生成部9は、第1センサ5による傾倒角の検出結果が閾角度を超えているか否かを判定する(91a)。傾倒角の検出結果が閾角度を超えている場合には、傾倒方向の検出結果によって、信号の種類を決定する(91b)。
【0068】
傾倒角の検出結果が閾角度以下である場合には、信号の種類を「無傾倒のもの」すなわち、第5の種類とする(91c)。これにより、5種類の信号を送信することができる。
【0069】
一方、信号の種類を「無傾倒のもの」とする必要は必ずしもない。直前に傾倒していた方向に基づく信号の種類を保ってもよい。この場合には4種類の信号となるが、傾倒させずに回転体及びスイッチを操作して、各種類の信号が送信できる。
【0070】
以上、信号の種類によって機能を定め、回転体3の回転角に対応する大きさの数値情報(又は回転角に対応する数の複数の信号(所定の単位回転角毎に信号送信))ものとして説明した。この点、他の方法も可能である。
【0071】
例えば「色の選択」をスイッチ操作に割り当てていたが、回転体操作に割り当ててもよい。1の傾倒方向を「色の選択」に割り当て、回転体の回転角によって色を選択するものである。色は必ずしも連続量として数値化された情報ではなく、「赤色」「橙色」「黄色」「緑色」「青色」「藍色」「紫色」等の多値のうちの1値を選択する情報であると考えられるが、回転角の値に対応して色を選択することができる。
【0072】
この場合、色の選択という信号の種類と、回転角の大きさを送信し、受信したコンピュータにおいて何色が選択されたかを定めてもよい。一方、回転角の大きさを送信せず、信号選択部9において「赤色の選択」「橙色の選択」等の選択された色に対応する種類の信号を送信することもできる。
【0073】
以上のように、回転角の大きさに対応して信号の種類を変化させることは、多値のうち1値を選択する情報について有効であり、「色の選択」以外にも活用できる。
【0074】
以上詳細に説明したように、本実施例の入力補助デバイス10は、回転体から手を放すことなく複数の信号を生成することができる。イラストの作成が効率的になる。
【0075】
なお、軸体2は、湾曲していてもよい。回転体3の回転方向を任意に設計することができる。また、円柱、角柱等の柱状の形状でなくともよい。例えば、信号の種類に対応する方向に向けて放射状の形状としてもよい。
【実施例2】
【0076】
本実施例は、信号決定の手順が実施例1と異なるものである。他の箇所は実施例1と同様であり、詳細な説明を省略する。
【0077】
図6に、信号決定の手順を示すフローチャートを示す。実施例1において
図5に示したフローチャートに替えて、
図6のフローチャートを用いる。
【0078】
信号生成部9は、第1センサ5の検出結果に対応する処理91、第2センサ6の検出結果に対応する処理92、及びスイッチ検出部7の検出結果に対応する処理93を備えている。
【0079】
第2センサ6の検出結果に対応する処理92及びスイッチ検出部7の検出結果に対応する処理93は、共に、検出された信号を、信号種類と共に送信する。実施例1と同様の処理である。
【0080】
第2センサ6の検出結果信号が、オブジェクトの拡大及び縮小、オブジェクトの回転、ブラシのサイズ変更、ブラシの濃度変更のいずれであるか、及び、スイッチ検出部7の検出結果信号が、取消(UNDO)、やり直し(REDO)、色の選択、印刷のいずれであるかは、第1センサ5により検出される軸体2の傾倒方向及び傾倒角より信号の種類を選択する、例えば、第2センサ6の検出結果信号については、軸体2が前側に30度以上傾倒された場合にオブジェクトの拡大及び縮小を、前側に15度以上30度未満傾倒された場合にオブジェクトの回転を、左側に30度以上傾倒された場合にブラシのサイズ変更を、左側に15度以上30度未満傾倒された場合にブラシのサ濃度変更を、それぞれ選択する。スイッチ検出部7の検出結果信号については、軸体2が前側に30度以上傾倒された場合に取消(UNDO)を、前側に15度以上30度未満傾倒された場合にやり直し(REDO)を、左側に30度以上傾倒された場合に色の選択を、左側に15度以上30度未満傾倒された場合に印刷を、それぞれ選択する。
【0081】
このように、傾倒方向と傾倒角との組合せに基づいて信号種類を定めることにより、より多くの信号種類を処理することができる。
【0082】
以上詳細に説明したように、本実施例の入力補助デバイス10は、回転体から手を放すことなく複数の信号(実施例1と比較して多種の信号)を生成することができる。イラストの作成が効率的になる。
【0083】
なお、傾倒角と信号の対応を、15度及び30度を閾値として区別した、閾値の値は任意に設計してよい。また、より多くの閾値を設けてより多くの信号種類に対応してもよい。
【0084】
以上の点を除き、実施例1と同様の効果を得る。
【実施例3】
【0085】
本実施例は、ジョイスティックが傾倒せずに移動するものである。他の箇所は実施例1と同様であり、詳細な説明を省略する。
【0086】
入力補助デバイス10の外観は、実施例1と同様に、
図1に示すものとなる。ただし、軸体2は、下端が肯定されて傾倒するものではなく、傾倒せずに下端を含めて水平に移動するものである。軸体2は、中心位置から、
図7(A)に示すように前後左右の4方向を含む方向に移動可能である。
【0087】
第1センサ5は、実施例1と相違し、軸体2の移動方向(第4の検出結果)及び移動距離(第5の検出結果)を検出するセンサであり、本体1内に設けられている。第1センサ5として、例えば、静電容量センサ、光学式センサ等を採用し、前後左右の4方向に関する軸体2と本体1の内壁との離間距離を測定することで、軸体2の移動及びそれぞれの方向に関する移動距離を測定することができる。第1センサ5の検出結果は、信号生成部9に送信される。
【0088】
軸体2と第1センサ5とにより、ジョイスティックの機能が実現される。
【0089】
図8に、信号決定の手順を示すフローチャートを示す。信号生成部9は、第1センサ5の検出結果に対応する処理91、第2センサ6の検出結果に対応する処理92、及びスイッチ検出部7の検出結果に対応する処理93を備えている。
【0090】
第2センサ6の検出結果に対応する処理92及びスイッチ検出部7の検出結果に対応する処理93は、共に、検出された信号を、信号種類と共に送信する。すなわち、回転角である第2センサ6の検出結果及びスイッチ操作を示すスイッチ検出部7の検出結果は共に、ユーザが送信したい信号を入力したものとして処理される。
【0091】
第2センサ6の検出結果信号が、オブジェクトの拡大及び縮小、オブジェクトの回転、ブラシのサイズ変更、ブラシの濃度変更のいずれであるか、及び、スイッチ検出部7の検出結果信号が、取消(UNDO)、やり直し(REDO)、色の選択、印刷のいずれであるかは、第1センサ5により検出される軸体2の移動方向より信号の種類を選択する、例えば、第2センサ6の検出結果信号については、軸体2が前側に移送された場合にオブジェクトの拡大及び縮小を、後側に移動された場合にオブジェクトの回転を、左側に移動された場合にブラシのサイズ変更を、右側に移動された場合にブラシの濃度変更を、それぞれ選択する。スイッチ検出部7の検出結果信号については、軸体2が前側に移動された場合に取消(UNDO)を、後側に移動された場合にやり直し(REDO)を、左側に移動された場合に色の選択を、右側に移動された場合に印刷を、それぞれ選択する。
【0092】
上記の選択項目、例えば「オブジェクトの拡大及び縮小」は、信号生成部9(入力補助デバイス10)にとって意味を持たない。信号を受信したコンピュータが定めればよい。信号生成部9(入力補助デバイス10)は、前側に傾倒された場合に信号が第1の種類であることを、後側に傾倒された場合に信号が第2の種類であることを、左側に傾倒された場合に信号が第3の種類であることを、右側に傾倒された場合に信号が第4の種類であることを、それぞれ送信すればよい。
【0093】
以下、第1センサ5の検出結果に応じた信号の種類の選択に係る処理91について説明する。
【0094】
信号生成部9は、第1センサ5による移動距離の検出結果が閾距離を超えているか否かを判定する(91a)。移動距離の検出結果が閾距離を超えている場合には、移動方向の検出結果によって、信号の種類を決定する(91b)。
【0095】
移動距離の検出結果が閾距離以下である場合には、信号の種類を「無移動のもの」すなわち、第5の種類とする(91c)。これにより、5種類の信号を送信することができる。
【0096】
一方、信号の種類を「無移動のもの」とする必要は必ずしもない。直前に移動していた方向に基づく信号の種類を保ってもよい。この場合には4種類の信号となるが、移動させずに回転体及びスイッチを操作して、各種類の信号が送信できる。
【0097】
以上詳細に説明したように、本実施例の入力補助デバイス10は、回転体から手を放すことなく複数の信号を生成することができる。イラストの作成が効率的になる。
【0098】
なお、信号の種類が移動方向によって定まるものとして実施例1における傾倒方向を移動方向に替えて説明したが、信号の種類が移動方向及び移動距離によって定まるものとして実施例2における傾倒方向及び傾倒角を移動方向及び移動距離に替えてもよい。
【実施例4】
【0099】
本実施例は、入力補助デバイス10を用いた描画システムを示すものである。入力補助デバイス10は、実施例1のものとして説明するが、実施例2又は3のものであっても同様に描画システムを構成することができる。
【0100】
図9に、描画システム20の構成を示す。描画システム20は、コンピュータ本体11及びディスプレイ11aに接続される入力補助デバイス10及びペン入力タブレット12から構成される。
【0101】
描画システム20において、入力補助デバイス10及びペン入力タブレット12は、USBケーブル8を介してコンピュータ本体11に接続される。入力補助デバイス10及びペン入力タブレット12により生成される信号がコンピュータ本体11で処理されて、ディスプレイ11a上に表示されるイラスト等のオブジェクトの操作に用いられる。
【0102】
ユーザは、入力補助デバイス10により、効率的な操作が可能となる。
図10に、操作の対象となるオブジェクトの例を示す。
図10(A)のオブジェクトを、
図10(B)のように変形したいとする。
【0103】
ユーザが行う操作は、オブジェクトの拡大及び回転である。これらの操作をいかなる順序で行ってもよいが、先に拡大し、後に回転するものとする。
【0104】
ユーザは、回転体3を手前に引いて軸体2を前側に傾倒させる。これにより、オブジェクトの拡大及び縮小が指示される。ユーザは、次に、回転体3を時計回りに回転する(時計回りが拡大、反時計回りが縮小とする)。回転体3の回転に対応してオブジェクトの表示が拡大されるので、ユーザは、適切な拡大が得られた時に回転体3の回転を止める。
【0105】
ユーザは、次に、回転体3を奥に押して軸体2を後側に傾倒させる。これにより、オブジェクトの回転が指示される。ユーザは、次に、回転体3を反時計回りに回転する。回転体3の回転に対応してオブジェクトの表示が回転されるので、ユーザは、適切な回転が得られた時に回転体3の回転を止める。
【0106】
ユーザは、回転体3を把持したままで、手を離すことなく、以上の操作の全てを行うことができる。効率的であり、操作時間が短い。
【0107】
また、本実施例の描画システム20において、入力補助デバイス10に含まれる信号生成部9をパソコン本体11に設けてもよい。
【0108】
以上詳細に説明したように、本実施例の描画システムによれば、入力補助デバイスを活用して効率的に描画することが可能となる。
【0109】
なお、本実施例は描画システムであるが、入力補助デバイスを活用するシステム(コンピュータアプリケーション)は他にも存在する。例えば、動画再生システムにおいて、早送り、巻戻し等の操作を指定し、回転体の回転量に応じた時間だけの(あるいは回転体の回転量に応じた速度の)処理を行うことができる。