(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の内視鏡では、各LEDから出射した光を、それぞれロッドレンズを用いて内視鏡内のライトガイドに集光する構成が開示されている。このような構成では、各LEDとライトガイドとの間に、照明光を集光するためのスペースが必要であることから、光源装置が大型化するという課題があった。また、LED毎にロッドレンズを設けているため、光学系が複雑化し、コストが上がり、また、携行時のロバスト性が低いという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の事情を鑑みてなされたものであり、複数のLEDを光源として用いた内視鏡用照明システムであって、光源装置を簡素化および小型化し、携行し易い内視鏡用照明システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明により、光源装置と、当該光源装置に着脱可能に接続される内視鏡とを備える内視鏡用照明システムであって、光源装置は、照明光を出射する複数の固体発光素子を有する少なくとも一つの出射面を備える光源部を備え、内視鏡は、少なくとも一つの出射面にそれぞれ対応する少なくとも一つの受光面を備え、複数の固体発光素子から出射した照明光を受光する受光部と、受光部で受光した照明光を導波するライトガイドと、ライトガイドで導波された照明光を出射する配光窓と、を備え、少なくとも一つの出射面と少なくとも一つの受光面とを合わせることによって、光源装置と内視鏡とを接続する、ことを特徴とする内視鏡用照明システムが提供される。
【0008】
このような構成によれば、光源として固体発光素子を用いることで光源の寿命を伸ばすことができると共に、光源の交換にかかる手間を減らすことができる。また、複数の固体発光素子を用いることで、明るい照明光を得ることができる。また、光源として複数の固体発光素子を用いた場合においても、光源装置と内視鏡とは、出射面と受光面とを対応するように配置するのみで接続可能であり、両者の接続部の構成を簡素化できる。これにより、接続部の小型化と内視鏡用照明システムのロバスト性の向上が可能になる。また、この小型化とロバスト性の向上により、内視鏡用照明システムの可搬性を向上できる。
【0009】
内視鏡用照明システムの受光部は、照明光を透過させる光学材料から構成され、少なくとも一つの受光面は、それぞれ光学材料の表面の一部によって定義されていても良い。
【0010】
このような構成によれば、受光部を一つの光学材料から構成することができ、接続部の構成を簡素化することができる。
【0011】
内視鏡用照明システムの受光部は、内側に照明光を反射する反射要素を備えた反射板で囲われた中空状であり、少なくとも一つの受光面は、それぞれ反射板の一部に設けられた開口によって定義されていても良い。
【0012】
このような構成によれば、受光部を一つの中空の形状とすることができ、接続部の構成を簡素化および軽量化することができる。
【0013】
内視鏡用照明システムの少なくとも一つの出射面の形状および少なくとも一つの受光面の形状は、互いに嵌合するように構成されていても良い。
【0014】
このような構成によれば、光源装置と内視鏡とを、両者を嵌合させることで接続することができるため、両者の接続が容易となる。
【0015】
内視鏡用照明システムの光源部は、複数の固体発光素子が配置された少なくとも一つの配置面と、照明光を透過させ、複数の固体発光素子および少なくとも一つの配置面を覆うように設けられた保護層と、を備え、少なくとも一つの出射面は、保護層の配置面とは反対の側の面であっても良い。
【0016】
このような構成によれば、保護層によって出射面を平坦にすることができるため、出射面と受光面との接続が容易となる。また、保護層によって固体発光素子を保護することができる。
【0017】
受光部は、互いに向かい合う一対の面同士の間隔がライトガイドの側に向うに従って大きくなるように構成された板状の部分を有し、一対の面のうちの少なくとも一つの面が、少なくとも一つの受光面であっても良い。
【0018】
このような構成によれば、受光面から受光部に入射した照明光の進行方向が、受光部内で反射する度に、ライトガイドの側を向くように変換されるため、受光部とライトガイドとの間の照明光の結合効率を向上でき、配光窓から出射する照明光の明るさを向上できる。
【0019】
光源装置は、複数の固体発光素子に駆動電流を供給する電源部を更に備えも良い。
【0020】
このような構成によれば、内視鏡用照明システムを駆動するための電源を別途用意する必要が無いため、内視鏡用照明システムの可搬性を向上できる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の内視鏡によれば、複数のLEDを光源として用いることで光源の寿命を長くし、また、光源装置を簡素化および小型化可能で、携行し易い内視鏡用の照明システムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(内視鏡の構成)
以下、図面を参照して、本発明の内視鏡用照明システムの実施形態について説明する。本発明の内視鏡用照明システムは、内視鏡110と、内視鏡110と接続される光源装置120とから構成される。
【0024】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態における内視鏡用照明システムの内視鏡110の外観図である。
図1に示されるように、内視鏡110は、可撓性を有するシースによって外装されたチューブ状の挿入部101と、オペレータが挿入部101を操作するための操作部102、オペレータが観察対象領域を観察するための接眼レンズ103、後述の光源装置120へ接続するための接続部104を備えている。
【0025】
挿入部101の先端には、硬質性を有する樹脂製筐体によって外装された先端部105が設けられている。挿入部101の先端部105の手前にある湾曲部106は、挿入部101の基端に連結された操作部102からの遠隔操作によって屈曲自在に構成されている。この屈曲機構は、一般的な内視鏡に組み込まれている周知の機構であり、操作部102の回転操作に連動した操作ワイヤの牽引によって湾曲部106を屈曲させるように構成されている。先端部105の方向が上記操作による屈曲動作に応じて変わることにより、内視鏡110による撮影領域が移動する。
【0026】
内視鏡110は、接続部104から先端部105までの間の内部にライトガイド4を備えており、光源装置120から供給された照明光が、ライトガイド4により接続部104から先端部105まで導波されるよう構成されている。ライトガイド4内を導波した照明光は、先端部105の先端面上に設けられた図示しない配光窓から出射して、観察対象領域に照射される。観察対象領域に照射された照明光は、物体光として反射し、先端部105の先端面上に設けられている図示しない観察窓で取り込まれる。観察窓と接眼レンズ103とは、図示しないイメージガイドで接続されており、観察窓で取り込まれた物体光は、イメージガイドを通って接眼レンズ103まで導波される。これにより、オペレータは、接眼レンズ103を通して観察対象領域を観察することができる。
【0027】
(接続部の構成)
図2に、本発明の第1の実施形態における内視鏡110の接続部104の外観図を示す。
【0028】
接続部104は、光源装置120から出射した照明光を受光する受光部1と、受光部1に入射した光をライトガイド4に導波するガイド部3を備えている。受光部1は、照明光に対して透過性を有する材料から構成されており、例えば、アクリル樹脂やガラスなどが用いられる。受光部1は平坦な受光面2を備えており、受光面2で光源装置120から出射した照明光を受光する。受光面2から受光部1内に入射した照明光は、受光部1内でフレネル反射による多重反射を繰り返してガイド部3に伝搬する。ガイド部3は、受光部1と同様に照明光に対して透過性を有する材料から構成されており、例えば、アクリル樹脂やガラスなどが用いられる。ガイド部3は、ライトガイド4に近くなるほど細くなるように構成されており、ガイド部3に入射した照明光は、ガイド部3内でフレネル反射による多重反射を繰り返してライトガイド4内に入射する。ライトガイド4内に入射した照明光は、ライトガイド4内を通って、挿入部101の先端部105まで伝搬され、先端部105の配光窓から出射する。
【0029】
ここで、受光部1とガイド部3とは、受光部1とガイド部3とに用いられている材料の屈折率に近い屈折率を有する光学ジェルや透明な接着剤などによって接続されている。あるいは、受光部1とガイド部3は、同一の部材を用いて一体的に成形されていてもよい。
【0030】
図3に、接続部104の断面図を示す。接続部104の受光部1は、板状の形状をしており、受光面2に傾斜を設けることで、ライトガイドに近づくに従って厚さdが厚くなるように構成されている。このように、厚さdを変化させることで、受光部1内に入射した照明光は、受光部1の境界で反射する度に進行方向がライトガイド4の側を向くように変換され、照明光をライトガイド4に入射し易くなる。これにより、受光部1とライトガイド4との間の照明光の結合効率を向上し、内視鏡用照明システムの照明光として、明るい照明光を得ることができる。
【0031】
また、接続部104の表面のうち、受光部1の受光面2以外の領域は、接続部104を保護するために、カバー5によって覆われている。なお、カバー5の内側、すなわち受光部1の側の反射率は高く設定されていることが望ましい。接続部104内に入射し、接続部104の界面に臨界角以下の入射角度で入射した照明光や、接続部104のエッジに入射した照明光は、接続部104の外側に出射し、ライトガイド4に入射させることが出来ない。しかしながら、カバー5の内側の反射率を高く設定しておくことで、接続部104の外側に出射した光は、カバー5の内側で反射して再度接続部104内に入射される。これにより、ライトガイド4内を伝搬する照明光の光量を増加させることができ、明るい照明光を得ることができる。なお、カバー5の内側の反射率を高く設定するために、カバー5の内側に金属ミラーを設けても良く、あるいは、白色の塗料(例えば、硫酸バリウムを含む塗料)を塗布しても良い。
【0032】
カバー5と接続部104とが密着していると、接続部104内から接続部104の界面に入射した照明光は、界面でフレネル反射を起こさず、カバー5の内側の反射率に従って反射し、一部がカバー5で吸収されてしまう。この、カバー5での照明光の吸収を抑制するために、カバー5は、接続部104の界面と接しないように、少なくとも部分的に隙間を空けて配置されることが望ましい。
【0033】
また、受光部1の受光面2以外の界面およびガイド部3の界面に、アルミニウムや銀などの金属薄膜をコーティングしてもよく、あるいは、白色の塗料(例えば、硫酸バリウムを含む塗料)を塗布しても良い。これにより、照明光が接続部104内で反射する時の反射率は、コーティングまたは塗料の反射率によって決まり、カバー5と接続部104との間に隙間を空けておく必要がなくなる。これにより、接続部104の製造時の組み立てが容易となる。
【0034】
(光源装置の構成)
図4に本発明の第1の実施形態における内視鏡用照明システムの光源装置120の概略図を示し、
図5に光源部107の斜視図を示す。
【0035】
光源装置120は、把手6を備える可搬性を有するケース状をしており、ケース内に光源部107および光源部107を駆動するための図示しない電源部を備える。電源部は外部電源に接続可能に構成されている、あるいは、電池により駆動可能に構成されている。光源装置120のケースは可搬性を有しているため、病院の処置室などの決まった位置に据え置いて使用される以外に、例えば、病室や一般家庭などの病院の処置室以外でも使用することができる。また、内視鏡用照明システムの搬送時および未使用時は、ケース内に内視鏡110を収納可能とすることが望ましい。このような構成により、一つのケース内に、内視鏡用照明システムによる観察に必要な器具が全て収まるため、内視鏡用照明システムの可搬性を更に向上させることができる。
【0036】
光源部107は、複数の固体発光素子7を備えた出射面11と、電源部に接続され、固体発光素子7に駆動電流を供給するための電源接続部9とを備える。ここで、固体発光素子7として、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)やレーザダイオード、有機発光ダイオードなどが用いられる。以下では、固体発光素子7としてLED7を用いるとして説明する。
【0037】
図6に、光源部107の断面図を示す。光源部107の配置面8上には、複数のLED7が配置されており、各LED7は光源部107内に設けられた図示しない配線を通って電源接続部9と接続されている。配置面8上には、LED7を覆うように、透明な保護層10が設けられており、保護層10の出射面11(配置面8とは反対側の面)は平坦面となっている。出射面11の大きさは、受光部1の受光面2と略同じ大きさになるよう構成されており、内視鏡110を使用する場合は、光源部107の出射面11と受光部1の受光面2との面内位置を合わせ、所定の間隔を空けた状態で固定して使用する。ここで、光源部107と、受光部1あるいは受光部1のカバー5には、出射面11と受光面2とを所定の間隔を空けて固定できるように、図示しない着脱可能な固定機構を備えている。
【0038】
また、LED7の配置面8および出射面11には傾斜が設けられており、光源部107の出射面11と接続部104の受光面2とを接続した時に、LED7から出射した照明光の出射方向が、ライトガイド4の側に傾くように構成されていることが望ましい。このように、配置面8および出射面11に傾斜を設けることにより、照明光が傾斜で反射する度に、進行方向がライトガイド4の側を向くように変換される。これにより、照明光がライトガイド4に入射しやすくなり、接続部104における照明光の結合効率を向上することができる。
【0039】
また、光源部107のLED7の配置面8の反射率は、高く設定されていることが望ましい。これにより、LED7から出射し、出射面11で配置面8の側に反射した照明光や、一度接続部104に入射し、接続部104の界面で反射されて配置面8に入射した照明光が、配置面8で吸収されて、照明光の利用効率が低下するのを防ぐことができる。なお、配置面8の反射率を高くするために、配置面8上に金属ミラーを設けてもよく、あるいは、白色の塗料(例えば、硫酸バリウムを含む塗料)を塗布しても良い。
【0040】
また、内視鏡110の使用時に、受光面2と出射面11とは所定の間隔を空けておらず、密着するように固定されていてもよい。これにより、出射面11と受光面2とを所定の間隔を空けて固定する必要がなくなるため、固定機構の構成を簡素化できる。また、保護層10の側面に、照明光を反射する反射部を設けても良い。この反射部は、LEDから出射して保護層10の側面に入射した光を反射し、保護層10内に再入射するよう構成されている。これにより、照明光が保護層10の側面から出射するのを抑制し、照明光の利用効率を向上することができる。
【0041】
更に、本発明の出射面11は、平坦面に限らない。例えば、LEDから出射した照明光が出射面11で全反射して、保護層10外に出射し難くなるのを抑制するために、出射面11に照明光を拡散するテクスチャ構造や、照明光を回折または屈折させる微細構造を設けても良い。
【0042】
(動作)
次に、本発明の第1の実施形態における内視鏡用照明システムの動作について説明する。
【0043】
光源装置120内の電源装置には外部電源または電池から電源が供給され、光源部107の複数のLED7に、電源接続部9を介して駆動電流を供給する。駆動電流が供給された複数のLED7は、電流値に応じて発光し照明光を出射する。ここで、駆動電流は、複数段階または無段階に調整可能であってもよく、複数のLEDのうち、何個の、あるいは、どのLED7を駆動するかを変更可能であっても良い。こうすることにより、照明光の明るさをオペレータが適宜変更することができる。LED7から出射した照明光は、保護層10を透過して、出射面11から出射し、受光部1の受光面2から受光部1内に入射する。受光部1内に入射した照明光は、受光部1またはガイド部3の境界や、受光面2の境界または配置面8、カバー5の内側で多重反射して、最終的にライトガイド4内に入射する。
【0044】
図7に、本実施形態における、接続された接続部104と光源部107の断面図を示す。
図7では、出射面11と受光面2とが所定の間隔を空けて配置されているが、本発明はこの構成に限定されないのは上述の通りである。また、
図7では、説明のためにカバー5は省略している。LED7から出射した照明光の光路の例を点線L1および破線L2で示している。LED7から出射した照明光は、受光面2を通って受光部1内に入射する。受光部1内に入射した光は、受光部1の界面で反射を繰り返しながら、ライトガイド4の側に向う。この時、受光部1の厚さはライトガイド4の側に向って次第に厚くなるように構成されており、照明光は反射を繰り返すごとに、進行方向がライトガイド4の側を向くように変換される。ライトガイド4内に入射した照明光は、ライトガイド4内を伝搬し、内視鏡110の挿入部101の先端部105に設けられた配光窓から出射する。
【0045】
内視鏡110の挿入部101は、オペレータによって人の体腔内に挿入される。挿入部101の先端部105の配光窓から出射した照明光は、体腔内の観察対象領域で反射され、物体光として先端部105に設けられた観察窓に入射する。観察窓に入射した物体光は、イメージガイドを伝搬して、接眼レンズ103から出射する。オペレータは接眼レンズ103を覗いて、照明された観察対象領域の観察を行いながら、内視鏡110の操作部102によって湾曲部106を操作する。
【0046】
なお、本実施形態では、観察窓と接眼レンズ103とがイメージガイドで接続され、オペレータが接眼レンズ103を覗くことで、観察対象領域を観察できるように構成されているが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、観察窓内に、対物レンズと撮像素子を備え、撮像素子が外部装置およびモニタと接続された構成であっても良い。この場合、観察窓から入射した物体光は撮像素子に集光され、撮像素子で電気信号に変換されて、この電気信号は外部装置に送信される。外部装置で受信した電気信号は、信号変換および画像処理が行われて画像信号に変換されてモニタに送信され、モニタは画像信号に基づいて観察画像を表示する。これにより、オペレータは接眼レンズ103を覗くことなく、観察対象領域の観察および挿入部101の操作を行うことができるため、オペレータによる内視鏡110の操作性を向上することができる。
【0047】
(効果)
本発明の第1の内視鏡用照明システムでは、光源装置120の照明光の光源として、複数のLED7を用いているため、明るい照明光を得ることができる。また、LED7は、従来のキセノンランプやハロゲンランプに比べて寿命が長いため、光源装置120の光源の交換を行う手間を抑えることができる。また、光源装置120と内視鏡110とは、出射面11と受光面2との面同士で接続されているため、複数のLED7毎に、ライトガイド4に接続するためのロッドレンズなどの集光光学系を用いる必要がなく、接続部104の構成を簡素化できる。また、光源装置120と内視鏡110とは面同士で接続することにより、面同士の位置合わせ精度を厳密に合わせなくても、照明光の結合効率を高くすることができ、接続部102のロバスト性を向上することができる。また、LED7は、従来のキセノンランプやハロゲンランプに比べて発光効率が高いため、光源の発熱量が抑えられ、光源のヒートシンクを小さくすることができ、かつ、電源部を小型化できる。このように、本発明の内視鏡用照明システムは、ロバスト性が高く、小型化が可能であるため、内視鏡用照明システムに可搬性を持たせることが容易となる。
【0048】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態における内視鏡用照明システムについて説明する。第2の実施形態における内視鏡用照明システムは、内視鏡110の接続部204の構成が異なること以外は、第1の実施形態の内視鏡用照明システムと同じである。
【0049】
図8は、第2の実施形態における接続部204の外観図を示す。接続部204の受光部1およびガイド部3は、反射板12で囲われた中空の形状をしており、一部に開口13が設けられている。反射板12の内側には反射要素14が設けられており、この反射要素14は照明光に対して高い反射率を有し、例えば、金属ミラーや、コールドミラー、白色の塗料(例えば、硫酸バリウムを含む塗料)などによって構成される。開口13は、光源装置120の出射面11と同じ形および大きさになるよう構成されており、内視鏡用照明システムの使用時において、光源装置120は、出射面11が接続部204の開口13を覆うように配置される。
【0050】
光源装置120のLED7を駆動すると、LED7から出射した照明光は接続部204の反射板12、または、光源部107の配置面8で多重反射し、ライトガイド4に入射する。ライトガイド4に入射した照明光は、ライトガイド4内を伝搬し、内視鏡110の挿入部101の先端部105に設けられた配光窓から出射する。
【0051】
このように、接続部204を反射板12で囲われた中空の形状とすることで、接続部204を軽量化でき、内視鏡用照明システムの可搬性を向上することができる。
【0052】
(第3の実施形態)
図9および
図10は、それぞれ本発明の第3の実施形態における光源部307および接続部304の外観図である。第3の実施形態における内視鏡用照明システムは、光源部307および接続部304の構成が異なること以外は、第1の実施形態の内視鏡用照明システムと同じである。
【0053】
本発明の第1の実施形態における内視鏡用照明システムでは、光源部107の一面のみをLED7の配置面8としたが、本発明はこの構成に限定されない。光源部307は、
図9に示すように、一部に鋸歯状の形状を有し、LED7が配置されている複数の配置面8A、8B、8Cを備える。配置面8A、8B、8C上には、LED7を覆うように、それぞれ透明な保護層10A、10B、10Cが設けられており、保護層10A、10B、10Cの出射面11A、11B、11C(配置面8A、8B、8Cとは反対側の面)は平坦面となっている。これにより、第1の実施形態における光源部107の配置面8と同じ傾きを持ち、かつ、光源部307の厚さが薄い光源部307を得ることができる。光源部307を薄くすることにより、光源装置120が小型化できるため、内視鏡用照明システムの可搬性を向上することができる。
【0054】
また、光源部307を
図9に示す鋸歯状の形状とする場合、接続部304の受光面2A、2B、2Cの形状も、
図10に示すように出射面11A、11B、11Cの形状に対応するように鋸歯状の形状を有している。このように、出射面11A、11B、11Cと受光面2A、2B、2Cの形状がそれぞれ鋸歯状に構成され、互いに嵌合するように構成する事で、両者の接続および位置合わせが容易となる。なお、本実施形態の接続部304は、第1の実施形態の接続部104のように、照明光を透過させる材質から構成されていても良く、または、第2の実施形態の接続部204のように、反射板12で囲われた中空の形状であっても良い。また、本実施形態では、光源部307と接続部304とが3面で接触する場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、光源部307と接続部304とは複数の面で接触すればよく、2面や4面で接触する構成であっても良い。
【0055】
(第4の実施形態)
図11および
図12は、それぞれ本発明の第4の実施形態における光源部407および接続部404の外観図である。第4の実施形態における内視鏡用照明システムは、光源部407および接続部404の構成が異なること以外は、第1の実施形態の内視鏡用照明システムと同じである。
【0056】
本発明の第1ないし第3の実施形態における内視鏡用照明システムでは、光源の一方向の向きの面のみをLED7の配置面8としたが、本発明はこの構成に限定されない。光源部407では、
図11に示すように、向きの異なる複数の配置面8D、8EにLED7が配置されている。配置面8D、8E上には、LED7を覆うように、それぞれ透明な保護層10D、10Eが設けられており、保護層10D、10Eの出射面11D、11E(配置面8D、8Eとは反対側の面)は平坦面となっている。これにより、第1ないし第3の実施形態に比べて、同じ数のLED7を配置する場合に、光源部407を細くすることができる。光源部407を細くすることにより、光源装置120を小型化できるため、内視鏡用照明システムの可搬性を向上することができる。また、
図11に示すように、光源部407が、向きの異なる複数の出射面11D、11Eを有する場合、接続部404の受光面2D、2Eも、
図12に示すように、出射面11D、11Eに対応する形状となっている。なお、本実施形態の接続部404は、第1の実施形態の接続部104のように、照明光を透過させる材質から構成されていても良く、または、第2の実施形態の接続部204のように、反射板12で囲われた中空の形状であっても良い。また、本実施形態では、光源部407と接続部404とが向きの異なる2面で接触する場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、光源部407と接続部404とは複数の面で接触すればよく、3面や4面で接触する構成であっても良い。
【0057】
(第5の実施形態)
図13は、本発明の第5の実施形態における光源部507および接続部504の外観図である。第5の実施形態における内視鏡用照明システムは、光源部507および接続部504の構成が異なること以外は、第1の実施形態の内視鏡用照明システムと同じである。
【0058】
本発明の第1ないし第3の実施形態における内視鏡用照明システムでは、光源部107、307の出射面11がライトガイド4の側を向くように斜めに配置されていたが、本発明はこの構成に限定されない。本実施形態では、
図13に示すように、光源部507と接続部504とを接続した時に、ライトガイド4の軸線方向が、出射面11と垂直となるように構成されている。本実施形態では、LED7から出射した照明光の出射方向は、ライトガイド4の側を向いているため、第1ないし第3の実施形態に比べて、光源部507と接続部504との間での照明光の結合効率が向上し、明るい照明光を得ることができる。
【0059】
(第6の実施形態)
図14は、本発明の第6の実施形態における光源部607および接続部604の概略図である。第6の実施形態における内視鏡用照明システムは、光源部607および接続部604の構成が異なること以外は、第1の実施形態の内視鏡用照明システムと同じである。
【0060】
本発明の第1ないし第5の実施形態における内視鏡用照明システムでは、光源部は1つのみであったが、本発明はこの構成に限定されない。本実施形態では、
図14に示すように、光源装置120は2つの光源部607F、607Gを有し、接続部604は、2つの光源部607F、607Gの出射面11F、11Gにそれぞれ対応した2つの受光面2F、2Gを有している。これにより、LED7の数を増やすことができ、明るい照明光を得ることができる。また、本実施形態では、2つの光源部607F、607Gを有する場合について説明したが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、本発明の内視鏡用照明システムは、3つ以上の光源部を有する構成であっても良い。
【0062】
図15は、本発明の第7の実施形態における光源部707の断面図である。第7の実施形態における内視鏡用照明システムは、光源部707の配置面8Hの形状が異なること、および保護層10を有していないこと以外は、第1の実施形態の内視鏡用照明システムと同じである。本発明の第1の実施形態における光源部107は、LED7が配置された配置面8上に、配置面8及びLED7を覆うように保護層10が設けられた構成であるが、本発明はこの構成に限定されない。光源部707は、
図15に示すように、配置面8H上に部分的に複数の窪みを設け、この窪みにそれぞれLED7が設けられている。これにより、LED7が面から突出しない構成とすることができ、保護層10を設けなくても外部からの衝撃などからLED7を保護することができる。
【0063】
以上が本発明の実施形態の説明である。本発明は、上記の構成に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。