(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ブレードは、流体が流入する入口側である前縁部の流れ方向位置を0%とし且つ流体が流出する出口側である後縁部の流れ方向位置を100%とした場合、前記部分漸減領域が、20%以上、50%以下の範囲内に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインペラ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、遠心圧縮機などの回転機械には、高揚程化と共に高効率化が求められている。
特許文献1の回転機械にあっても、高揚程化と高効率化とを満足のゆくレベルで両立するのは困難である。従来は、これを解決することのできる適切な技術も存在しなかった。
【0006】
本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、高揚程化と高効率化とを両立することのできるインペラ及びそれを備えた回転機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者がインペラの高性能化について鋭意検討した結果、従来、特許文献1のようにブレード間の流路面積に着目して羽根角度を形成していたが、高揚程化と高効率化とを両立するためには、二次流れの抑制に着目して羽根角度を形成することが有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち、前記目的を解決するために本発明に係るインペラは、ディスクと、複数のブレードと、を備え、ブレード間に流路が形成され、ディスクの回転によってブレードに沿って回転中心から径方向外方へ流体を送り出すインペラであって、
ブレードの厚さの中心曲線を回転軸の軸線方向からディスクに投影した投影曲線における接線と、投影曲線と接線との接点と軸線を結ぶ直線に対して直交する想像直線とがなす角度のうち、ディスクの回転方向の後側かつ外周側に形成される角度をブレードの羽根角度と定義した場合、
ブレードの羽根角度は、中心から外方へ向かって所定の漸増領域と漸減領域とを有し、かつ漸増領域と漸減領域との変曲領域より中心側に、漸増領域の羽根角度増加量よりも小さな部分漸減領域を設けられ
、前記ブレードの羽根角度が、前記ブレードのハブ側の羽根角度であり、前記部分漸減領域と前記漸減領域との間に、部分漸増領域が設けられており、前記羽根角度が大きくなる位置の第一極大点と、前記羽根角度が小さくなる位置の極小点と、前記羽根角度が大きくなる位置の第二極大点と、が入口側から出口側へ順に設けられていることを特徴とする。
ここで、ディスクは、回転軸に支持され、回転軸の軸線を中心に回転する。
また、複数のブレードは、ディスク上に略放射状に設けられたものとする。
【0009】
本発明にかかるインペラによれば、高揚程を得るために漸増領域で流体に高負荷を段階的に与えても、その途中の部分漸減領域で負荷を一旦緩和することが可能となる。これにより、負荷を高めながら、二次流れの巻き上がり傾向を大幅に抑制することができる。このため、二次流れと主流とが干渉することによるエネルギー損失を、大幅に低減することが可能となる。
しかも、部分漸減領域の羽根角度減少量を、漸増領域の羽根角度増加量よりも小さくすることにより、部分漸減領域と後続の領域との角度変化を小さくすることができる。これにより、部分漸減領域の減少量を漸増領域の羽根角度増加量よりも大とした場合に比較し、二次流れの巻き上がり傾向を大幅に抑制することが可能となる。このため、二次流れと主流とが干渉することによるエネルギー損失を、より大幅に低減することが可能となる。
また、本発明にかかるインペラによれば、前述したように部分漸減領域と漸減領域との間に、部分漸増領域を設けることにより、部分漸減領域と漸減領域とをより滑らかに接続することが可能となる。これにより、二次流れの巻き上がりを、より大幅に低減することが可能となる。このため、二次流れと主流とが干渉することによるエネルギー損失を、より大幅に低減することが可能となる。
また、本発明にかかるインペラによれば、前述したようにブレードの羽根角度をブレードのハブ側の羽根角度とすることにより、ブレードのハブ側でも流体に高負荷を与えることが可能となるので、更なる高揚程をかせぐことができる。
即ち、本発明の部分漸減領域が考慮されていない場合、ブレードのハブ側で流体に高負荷を与えると、ブレードのハブ側からシュラウド側に向かう二次流れの巻き上がり傾向が強くなるので、更なる高揚程化は困難であった。
これに対し、本発明にかかるインペラは、部分漸減領域を設けたので、ブレードのハブ側でも流体に高負荷を与えながら、部分漸減領域で二次流れの巻き上がり傾向を大幅に抑制することができる。これにより、より高い揚程をかせぐことが可能となる。
【0012】
本発明において、前記ブレードは、流体が流入する入口側である前縁部の流れ方向位置を0%とし且つ流体が流出する出口側である後縁部の流れ方向位置を100%とした場合、前記部分漸減領域が、20%以上、50%以下の範囲内に形成されていてもよい。
【0013】
本発明にかかるインペラによれば、二次流れの巻き上がりが起き始める位置に、本発明の部分漸減領域を、より適切に位置決めすることが可能となる。このため、本発明の部分漸減領域の位置決めが考慮されていない場合に比較し、より確実に、二次流れの巻き上がり傾向を抑制することが可能となる。
【0016】
また、前記目的を解決するために本発明に係る回転機械は、軸線に沿って延びる回転軸と、前記回転軸に支持され、該回転軸とともに前記軸線を中心に回転し、回転によって回転中心から径方向外方へ流体を送り出す上記のインペラと、を備えたことを特徴とする。
【0017】
本発明にかかる回転機械は、本発明に係るインペラを備えることとしたので、回転機械として効率を高めると共に、揚程を高めることが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明にかかるインペラ及びそれを備えた回転装置によれば、従来極めて困難であった、高揚程化と高効率化との両立を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明において特徴的なことは、高揚程化と高効率化とを両立することのできるインペラを備えたことにある。
以下、本発明の一実施形態に係るインペラを備えた遠心圧縮機について
図1から
図5を参照して説明する。
本実施形態にかかる回転機械は遠心圧縮機10であり、本実施形態では多段圧縮機となっている。そして、
図1に示すように、遠心圧縮機10は、ケーシング2と、ケーシング2を貫通するように配置された軸線Oを中心に延在する回転軸3と、キーを介して回転軸3に一体に回転可能に固定された複数のインペラ1と、を主に備えている。
【0021】
ケーシング2は、略円柱状の外郭をなすように形成されたもので、中心を貫くようにして回転軸3を配置している。ケーシング2のうち回転軸3の軸線Oの延びる方向である軸線O方向の両端には、ジャーナル軸受21が設けられ、一端には、スラスト軸受22が設けられている。
【0022】
ケーシング2は、軸線O方向の一方側(
図1における紙面左側)の端部には、ガス等の流体Fを外部から流入させる吸込口23が設けられ、他方側(
図1における紙面右側)の端部には、流体Fを外部に吐出する吐出口24が設けられている。ケーシング2は、吸込口23及び吐出口24にそれぞれ連通して、縮径及び拡径を繰り返す内部空間が設けられている。この内部空間にはインペラ1が収容される。そして、インペラ1を収容した際にインペラ1同士の間となる位置にインペラ1を流通する流体Fを上流側から下流側に流通させるケーシング流路4が形成されており、吸込口23と吐出口24とはインペラ1及びケーシング流路4を介して連通している。
【0023】
回転軸3は、ケーシング2に収容されたインペラ1が外嵌されて、これらと共に軸線Oを中心に回転する。また回転軸3はジャーナル軸受21及びスラスト軸受22によってケーシング2に対して回転自在に支持されており、また図示しない原動機によって回転駆動される。
【0024】
複数のインペラ1は、
図2に示すように、ケーシング2の内部に、回転軸3の軸線Oの延在する方向である軸線O方向に間隔を空けて複数配列されて収容されている。
また、各々のインペラ1は、流出側に進むにつれて漸次拡径した略円盤状のディスク11と、ディスク11の表面から回転軸3の軸線Oの一方側に向かって立ち上がるように、ディスク11に放射状に取り付けられて周方向に並んだ複数のブレード12と、を有している。さらに、このインペラ1は、軸線O方向の一方側からこれら複数のブレード12を周方向に覆うように取り付けられたカバー13を有している。インペラ1は、このカバー13とケーシング2との間に、インペラ1とケーシング2とが接触しないように間隙が画成されている。
【0025】
さらに、インペラ1には、径方向に流体Fが流通するように画成された空間である流路14が画成される。この流路14は、互いに隣り合う一対のブレード12の二つの面と共に、ブレード12の軸線O方向の両側にそれぞれ設けられるディスク11及びカバー13の面によって画成されている。そして、流路14は、ブレード12がディスク11と一体に回転することで流体Fを取り込んで排出する。具体的には、流路14は、内部を流通する流体Fがブレード12における軸線O方向の一方側、即ち、径方向内側を流体Fの流入する入口として流体Fを取り込む、そして、流路14は、径方向外側を流体Fが流出する出口として案内して流体Fを排出する。
【0026】
ディスク11は、軸線O方向の一方側を向く端面が小径とされ、他方側を向く端面が大径とされている。そして、ディスク11は、これら二つの端面が軸線O方向の一方側から他方側に向かうにしたがって漸次拡径している。即ち、ディスク11は、軸線O方向視で略円盤状をなし、全体として略傘形状をなしている。
【0027】
また、このディスク11の径方向内側には、ディスク11を軸線O方向に貫く貫通孔が形成されている。この貫通孔に回転軸3が挿入されて嵌合されることで、インペラ1が回転軸3に固定されて、一体として回転可能となっている。
【0028】
カバー13は、複数のブレード12を軸線O方向の一方側から覆うようにこれらブレード12と一体に設けられた部材である。カバー13は、軸線O方向の一方側から他方側に向かうに従って漸次拡径する略傘形状をなしている。即ち、本実施形態ではインペラ1は、カバー13を有するクローズインペラとなっている。
【0029】
ブレード12は、軸線Oを中心としてディスク11から軸線O方向の一方側にカバー13に向かって立ち上がるように、軸線Oの周方向、即ち、回転方向Rに一定間隔をあけて複数配置されている。ここで、ブレード12のディスク11側でありディスク11に接続されている根元端部をハブ12bとして、ブレード12のカバー13側(シュラウド側)である先端部をチップ12aとする。
図3に示すように、ブレード12は、それぞれディスク11の径方向内側から外側に向かうにしたがって、回転方向Rの後方側に向かって三次元的に湾曲するように形成されている。なお、
図3では、カバー13を省略している。
【0030】
羽根角度βとは、ブレード12の流体Fが流入してくる入口(軸線O方向の一方側)から流体Fが流出する出口(軸線O方向の径方向外側)にかけて、ブレード12の曲面形状を決定する角度である。具体的には、羽根角度βは、
図3及び
図4に示すように、(シュラウド側)チップ12aとハブ12bにおいて、ブレード12の厚み方向の中間を結ぶことで描かれる仮想曲線である中心曲線CLを、軸線O方向の一方側からディスク11に投影して投影曲線PLを描くことで導かれる。即ち、この投影曲線PLにおける接線TLと、投影曲線PLと接線TLとの接点Tpと軸線Oとを結ぶ直線に対して直交する想像直線ILと、が形成する角度のうち、ディスク11の回転方向Rの後側かつディスク11の外周側に形成される角度を羽根角度βと定義している。本実施形態においては、ブレード12のハブ12bの羽根角度を羽根角度βと定義する。
【0031】
そして、このブレード12のハブ12bの羽根角度βの分布を示したものが
図5である。
ブレード12のハブ12bは、入口側(ブレードの前縁部)から出口側(ブレードの後縁部)に向かって羽根角度βが漸次大きくなる漸増領域Aと、出口側に向かって羽根角度βが漸次小さくなる漸減領域Bと、が形成されている。
ブレードのハブ12bは、漸増領域Aと漸減領域Bとの変曲領域より中心側に、漸増領域Aの羽根角度増加量よりも小さな部分漸減領域Cが形成されている。
【0032】
ブレード12のハブ12bは、部分漸減領域Cと漸減領域Bとの間に、出口側に向かって羽根角度βが漸次大きくなる部分漸増領域Dが形成されている。
【0033】
ブレード12のハブ12bは、羽根角度βが最大となる位置P
1の第一極大点と、羽根角度βが最小となる位置P
2の極小点と、羽根角度βが最大となる位置P
3の第二極大点と、を入口側から出口側へ順に有している。
【0034】
ブレード12のハブ12bは、流体が流入する入口側である前縁部の流れ方向位置を0%とし且つ流体が流出する出口側である後縁部の流れ方向位置を100%とした場合、部分漸減領域Cが、20%以上、50%以下の範囲内に形成されている。
【0035】
また、各々のインペラ1の間を繋いで流体Fが段階的に昇圧されるように上述したケーシング流路4は形成されている。そして、吸込口23が軸線O方向の一方側の端部に設けられた最前段のインペラ1の入口に接続され、各々のインペラ1の出口は隣接するインペラ1の入口にケーシング流路4を介して接続されている。また、軸線O方向の他方側の端部に設けられた最後段のインペラ1の出口は吐出口24に接続されている。
【0036】
そして、ケーシング流路4は、流路14から流体Fが導入されるディフューザ流路41と、ディフューザ流路41から流体Fが導入されるリターン流路42とを有している。
【0037】
ディフューザ流路41は、径方向内方側が流路14に連通しており、インペラ1によって昇圧された流体Fを径方向外側に向かって流通させる。
【0038】
リターン流路42は、一端側がディフューザ流路41に連通し、他端側がインペラ1の入口に連通するようになっている。このリターン流路42は、ディフューザ流路41を通って径方向外側に向かって流れてきた流体Fの向きを径方向内側に向くように反転させるコーナ部43と、径方向外方から径方向内方に向かって延出するストレート部44とを有している。
【0039】
ストレート部44は、ケーシング2に一体的に取り付けられた隔壁部材の下流側側壁と、ケーシング2に一体的に取り付けられて径方向内方に延伸した延伸部の上流側側壁とで囲まれた流路14である。また、ストレート部44には、回転軸3の軸線Oを中心として周方向に等間隔に配置された複数のリターンベーン52が設けられている。
【0040】
次に、上記構成のインペラ1を備えた回転機械である遠心圧縮機10の作用について説明する。
上記のような遠心圧縮機10では、吸込口23から流入した流体Fは、一段目のインペラ1の流路14、ディフューザ流路41、リターン流路42の順に流れた後、二段目のインペラ1の流路14、ディフューザ流路41、リターン流路42という順に流れていく。
そして、最後段のインペラ1のディフューザ通路まで流れた流体Fは、吐出口24から外部に流出するようになっている。
そして、流体Fは、前述した順で流れる途中、各インペラ1によって圧縮される。つまり、本実施形態の遠心圧縮機10では、流体Fを複数のインペラ1によって段階的に圧縮し、これによって大きな圧縮比を得るようになっている。
【0041】
ここで、従来のインペラでは、ブレード間の流路面積に着目してインペラの入口から出口までの羽根角度を形成していたため、流体の圧縮には限界があり、より高い揚程をかせぐのは困難であった。即ち、従来のインペラを用いたのでは、揚程をかせぐために流体の圧縮を高めると、二次流れが発生しやすくなる。二次流れと主流れとが干渉すると、エネルギー損失となり、効率、圧力上昇に悪影響を及ぼす。
一方、従来のインペラでは、効率を上げるために流体に与える圧力を下げることも考えられるが、高い揚程をかせぐことができない。
このように従来のインペラを用いたのでは、高揚程化と高効率化とを満足のゆく高いレベルで実現するのは困難であった。
【0042】
これに対し、本実施形態においては、高揚程化と高効率化とを、より高いレベルで実現するため、二次流れの抑制に着目し、ブレードのハブ側でも流体に高負荷を与えて揚程をかせぎつつ、ハブ側からシュラウド側に向かう二次流れを緩和するような負荷分布を与えている。
このために本実施形態のブレード12のハブ12bは、羽根角度βが、中心から外方へ向かって所定の漸増領域Aと漸減領域Bとを有し、かつ漸増領域Aと漸減領域Bとの変曲領域より中心側に、漸増領域Aの羽根角度増加量よりも小さな部分漸減領域Cを設けている。このため高い揚程を得るために漸増領域Aで次第に負荷を高めても、その途中である部分漸減領域Cで負荷を一旦緩和することが可能となる。これにより、流体に与える負荷を高めながら、二次流れの巻き上がり傾向を良好に抑制することができる。このため、二次流れと主流とが干渉することによるエネルギー損失を、大幅に低減することができる。
しかも、部分漸減領域Cの羽根角度減少量を、漸増領域Aの羽根角度増加量よりも小さくしている。このため、部分漸減領域Cと後続の領域との角度変化を小さくすることができる。これにより、部分漸減領域Cの減少量を漸増領域の羽根角度増加量よりも大とした場合に比較し、二次流れの巻き上がり傾向を大幅に抑制することが可能となる。このため、二次流れと主流とが干渉することによるエネルギー損失を、より大幅に低減することができる。
【0043】
また、ブレード12のハブ12bは、部分漸減領域Cと漸減領域Bとの間に、部分漸増領域Dが形成されている。そのため部分漸減領域Cと漸減領域Bとを、より滑らかに接続することが可能となる。これにより、二次流れの巻き上がりを、より大幅に低減することが可能となる。このため、二次流れと主流とが干渉することによるエネルギー損失を、より大幅に低減することができる。
【0044】
また、ブレード12のハブ12bは、流体が流入する入口側の前縁部の流れ方向位置を0%とし且つ流体が流出する出口側の後縁部の流れ方向位置を100%とした場合、部分漸減領域Cが、20%以上、50%以下の範囲内に形成されている。そのため二次流れの巻き上がりが起き始める位置に、部分漸減領域Cをより適切に位置決めすることができる。この結果、部分漸減領域Cの位置が考慮されていない場合に比較し、より確実に、二次流れの巻き上がり傾向を抑制することが可能となる。
【0045】
ブレード12は、ハブ12bの羽根角度βを考慮し、ハブ12b側でも流体に与える負荷を高めることができるので、更なる高揚程をかせぐことができる。
即ち、本発明の部分漸減領域Cが考慮されていない場合、ブレードのハブ側で流体に高負荷を与えると、ブレードのハブ側からシュラウド側に向かう二次流れの巻き上がり傾向が強くなり、ブレードのハブ側で流体に対する負荷を高めるのは困難になるので、更なる高揚程をかせぐことが難しい。
これに対し、本実施形態にかかるインペラ1によれば、ブレード12は、ハブ12bの羽根角度βを考慮して部分漸減領域Cを設けたので、ブレード12のハブ12b側でも流体に高負荷を与えながら、部分漸減領域Cで二次流れの巻き上がり傾向を大幅に抑制することができる。このため、ブレード12のハブ12b側でも流体に対しより高負荷を与えることができるので、より高い揚程をかせぐことができる。
【0046】
以上のように本実施形態のインペラ1は、ブレード12のハブ12b側でも流体に高負荷を与えて揚程をかせぎつつ、ブレード12のハブ12b側からシュラウド側に向かう二次流れを緩和するような負荷分布を与えている。即ち、
図5に示されるようなブレードのハブ側の羽根角度βの分布を、前縁部でシュラウド側の羽根角度と同程度としつつ、極大点2か所、極小点1か所をもたせている。
より具体的には、
図5中、位置P
0では、入口負荷を小さくして損失を低減している。
図5中、位置P
1では、第一極大点をもたせ、流れ方向の前方でも負荷を高めている。
図5中、位置P
2において、通常は二次流れの巻き上がりが起き始まると考えられる。そこで、本実施形態においては、この二次流れの巻き上がりが起き始まる位置P
2に極小点をもたせている。つまり位置P
2を低負荷とし、二次流れの巻き上がりが起きるのを効率的に抑制している。
極小点の位置P
2は、入口(ブレードの前縁部)から20%〜50%の範囲内にある。
また、位置P
1と位置P
2との間で、流路面積が最大となる。
図5中、位置P
3では、第二極大点をもたせ、流れ方向の中方でも、流体に負荷をもたせている。
図5中、位置P
4では、出口が構造的制約を満足するように負荷を小さくしている。
【0047】
また、ブレード12のシュラウド側をアフトロードとすることにより、つまり流れ方向の後方に負荷をもたせるために羽根角度を次第に小さくして負荷を上げることにより、二次流れのシュラウド圧力面から負圧面への移動を緩和することも可能となる。
ブレード12のシュラウド側の流れ変化をスムーズにすることも可能となる。
ブレード12のハブ側の羽根角度βの分布において位置P
1,P
3に極大点を設け、位置P
2に極小点をもたせることにより、流れ変化が急となる部分があるものの、その影響を極力小さくするようにすることができる。
【0048】
したがって、本実施形態は、高揚程かつ高効率なインペラ1を実現することができる。
【0049】
さらに、本実施形態にかかるインペラ1を備えた回転機械によれば、高効率化と高揚程化とを両立することができるインペラ1を備えることとしたので、回転機械として、効率をより高めるとともに、揚程をよりかせぐことが可能となる。
【0050】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、各実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはなく、クレームの範囲によってのみ限定される。
【0051】
なお、本実施形態では、回転機械を遠心圧縮機10としてインペラ1に使用されるブレード12について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、斜流圧縮機のインペラ1、水車やガスタービンのインペラ1等に用いてもよい。
また、本実施形態では、カバー13を備えるクローズインペラを例に説明したが、ブレード12のチップ12a側がケーシング2のシュラウド面により覆われる、いわゆるオープン型のインペラ1(オープンインペラ)に適用してもよい。