(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
さらに、(F)成分:アミノカルボン酸及びその塩、ならびにホスホン酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1つの成分を含有する、請求項1に記載の液体洗浄剤。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の液体洗浄剤は、下記(A)〜(E)成分を含有する。また、本発明の液体洗浄剤は、(F)成分をさらに含有することが好ましい。
【0013】
<(A)成分>
(A)成分は、ノニオン界面活性剤である。(A)成分は、液体洗浄剤に洗浄力を付与するために用いられる界面活性剤である。
(A)成分としては特に限定されないが、例えばポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤、アルキルフェノール、炭素数8〜22の脂肪酸又は炭素数8〜22のアミン等のアルキレンオキサイド付加体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、炭素数10〜20の脂肪酸アルカノールアミン、炭素数10〜20の脂肪酸アルカノールアミド、炭素数10〜20の多価アルコール脂肪酸エステル又はそのアルキレンオキサイド付加体、炭素数10〜20の多価アルコール脂肪酸エーテル、炭素数10〜20のアルキル(又はアルケニル)アミンオキサイド、硬化ヒマシ油のアルキレンオキサイド付加体、糖脂肪酸エステル、炭素数10〜20のN−アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、炭素数8〜18のアルキルグリコシド等が挙げられる。これらはいずれか1種類の成分を単独で用いてもよく、2種類以上の成分を併用してもよい。
【0014】
(A)成分としては、上記の中でも、液体洗浄剤の粘度及び外観安定性が向上する点で、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤が好ましい。
ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物(以下、「化合物(1)」という。)が挙げられる。
【0015】
R
1−X−(EO)
s(PO)
t−R
2 ・・・(1)
[式(1)中、R
1は炭素数8〜22の炭化水素基であり;−X−は2価の連結基であり;R
2は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基であり;EOはエチレンオキシド基であり;sはEO平均繰り返し数(即ち、エチレンオキシドの平均付加モル数)を表し、3〜20の整数であり;POはプロピレンオキシド基であり;tはPOの平均繰り返し数(即ち、プロピレンオキシドの平均付加モル数)を表し、0〜6の整数である。]
【0016】
式(1)中、R
1の炭化水素基の炭素数は、8〜22であり、10〜18が好ましく、12〜18がより好ましい。前記炭化水素基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。また、不飽和結合を有していてもよいし、有していなくてもよい。
−X−の2価の連結基としては、−O−、−COO−、−CONH−等が挙げられる。
R
2におけるアルキル基の炭素数は、1〜6であり、1〜3が好ましい。
R
2におけるアルケニル基の炭素数は、2〜6であり、2〜3が好ましい。
−X−が−O−、−COO−又は−CONH−である化合物(1)は、1級又は2級の炭素数8〜22のアルコール(即ち、R
1−OH、又は(R
1)
2−CH−OH)、炭素数8〜22の脂肪酸(即ち、R
1−COOH)、又は炭素数8〜22の脂肪酸アミド(即ち、R
1−CONH)を原料として得ることができる。
【0017】
EOはエチレンオキシド基であり、POはプロピレンオキシド基である。
s、tはそれぞれEO、POの平均繰り返し数(平均付加モル数)を表す。
sは3〜20の整数であり、5〜18の整数が好ましい。EOの平均繰り返し数sが20を超えると、HLB値が高くなりすぎて皮脂洗浄に不利となるために洗浄機能が低下する傾向にある。一方、EOの平均繰り返し数sが3未満であると臭気の劣化防止の効果が低下する傾向にある。
tは0〜6の整数であり、0〜3の整数が好ましい。POの平均繰り返し数tが6を超えると、液体洗浄剤の高温下での保存安定性が低下する傾向にある。
tが1以上の場合、つまり化合物(1)が、EO及びPOの両方が付加された付加体である場合、EO及びPOの付加方法は、特に限定されず、例えばランダム付加であってもよく、ブロック付加でもよい。ブロック付加方法としては、例えば、EOを付加した後、POを付加する方法;POを付加した後、EOを付加する方法;EOを付加した後、POを付加し、さらにEOを付加する方法等が挙げられる。
ここで、「平均繰り返し数」とは、使用するアルコール1モルに対して反応させるエチレンオキシド又はプロピレンオキシドのモル数を意味する。
【0018】
EO及びPOの付加モル数分布は特に限定されない。
前記付加モル数分布は、ノニオン界面活性剤を製造する際の反応方法によって変動しやすい。例えば、一般的な水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ触媒を用いて、酸化エチレンや酸化プロピレンを疎水性原料に付加させた際には、EO又はPOの付加モル数分布が比較的広い分布となる傾向にある。また、特公平6−15038号公報に記載のAl
3+、Ga
3+、In
3+、Tl
3+、Co
3+、Sc
3+、La
3+、Mn
2+等の金属イオンを添加した酸化マグネシウム等の特定のアルコキシル化触媒を用いて、酸化エチレンや酸化プロピレンを疎水基原料に付加させた際には、EO又はPOの付加モル数分布が比較的狭い分布となる傾向にある。
【0019】
化合物(1)としては、特に、−X−が−O−である化合物(アルキル(アルコーケニル)エーテル型界面活性剤);−X−が−COO−であり、R
2が炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基である化合物(脂肪酸アルキル(アルケニル)エステル型界面活性剤)が好ましい。
式(1)中の−X−が−O−である場合、R
1の炭素数は10〜22が好ましく、10〜20がより好ましく、10〜18が特に好ましい。
−X−が−O−である場合のR
2は、水素原子であることが好ましい。
式(1)中の−X−が−COO−である場合、R
1の炭素数は9〜21が好ましく、11〜21がより好ましい。
−X−が−COO−である場合のR
2は、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基が好ましく、炭素数1〜3のアルキル基がより好ましい。
【0020】
−X−が−O−又は−COO−である化合物の具体例としては、
三菱化学社製:商品名Diadol(C13、Cは炭素数を示し、以下同様である)、Shell社製:商品名Neodol(C12/C13)、Sasol社製:商品名Safol23(C12/C13)等のアルコールに対して、12モル相当又は15モル相当の酸化エチレンを付加したノニオン界面活性剤;
P&G社製:商品名CO−1214やCO−1270等の天然アルコールに対して、12モル相当又は15モル相当の酸化エチレンを付加したノニオン界面活性剤;
ブテンを3量化して得られるC12アルケンをオキソ法に供して得られるC13アルコールに対して、7モル相当の酸化エチレンを付加したノニオン界面活性剤(BASF社製:商品名LutensolTO7);
ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに対して、7モル相当の酸化エチレンを付加したノニオン界面活性剤(BASF社製:商品名Lutensol XL70);
ペンタノールをガーベット反応に供して得られるC10アルコールに対して、6モル相当の酸化エチレンを付加したノニオン界面活性剤(BASF社製:商品名Lutensol XA60);
C12〜14の第2級アルコールに対して、9モル相当又は15モル相当の酸化エチレンを付加したノニオン界面活性剤(日本触媒社製:商品名ソフタノール90やソフタノール150);
ヤシ脂肪酸メチル(ラウリン酸/ミリスチン酸=8/2)に対して、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当の酸化エチレンを付加したノニオン界面活性剤(ポリオキシエチレンヤシ脂肪酸メチルエステルEO15モル);等が挙げられる。
【0021】
化合物(1)としては、上記の中でも、−X−が−COO−であり、R
2が炭素数1〜6のアルキル基であり、tが0である化合物、すなわちポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルが好ましく、R
2がメチル基であるポリオキシエチレン脂肪酸メチルエステル(以下、「MEE」と記載することがある。)が特に好ましい。
ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルを含有することにより、本発明の液体洗浄剤は、水への溶解性に優れ、高い洗浄力が得られやすいものとなる。また、高濃度の界面活性剤を含有しても粘度の著しい増大(ゲル化)が生じにくく、良好な流動性を有する濃縮型の液体洗浄剤とすることができる。
ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステル、特にMEEは、水溶液系中で分子どうしの配向性が弱く、ミセルが不安定なノニオン界面活性剤であるため、高濃度でゲル化等が生じず、1種単独で多量に液体洗浄剤中に配合することができると推測される。また、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルを配合することにより、液体洗浄剤の水への溶解性が向上すると推測される。さらに、高濃度で配合されたポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルは、液体洗浄剤の良好な流動性に寄与していると考えられる。したがって、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルが洗濯機槽内の水中へ投入された場合、洗濯液中のポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルの濃度は早く均一となり、洗浄初期から所定の濃度で被洗物と接することができるため、高い洗浄力が得られると考えられる。
【0022】
エチレンオキシドの付加モル数が異なるエチレンオキシド付加体の分布の割合を示すナロー率は、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルの総質量に対して20質量%以上であることが好ましく、上限値としては実質的にはポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルの総質量に対して、80質量%であることが好ましい。即ち、ナロー率としては、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルの総質量に対して、20〜80質量%であることが好ましい。このナロー率は、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルの総質量に対して、20〜50質量%であることがより好ましく、保存安定性と溶解性が向上するため、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルの総質量に対して、30〜45質量%であることがさらに好ましい。
このナロー率は高いほど、良好な洗浄力が得られる。また、このナロー率が20質量%以上、特に30質量%以上であると、界面活性剤の原料臭気の少ない液体洗浄剤が得られやすくなる。さらには、所望の成分(所望とするエチレンオキシドの付加モル数を有するエチレンオキシド付加体)が多くなることにより洗浄力も向上する。これは、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルの製造後に、原料の脂肪酸エステル(sが0である化合物)や、副生成物である前記一般式(1)中のsが1又は2であるエチレンオキシド付加体が少なくなるためであると考えられる。
ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステル中に不純物として含まれる化合物のうち、エチレンオキシドの付加モル数sが0である脂肪酸エステルと、sが1又は2であるエチレンオキシド付加体との合計質量のポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルの全質量に対する割合(以下、前記割合を「Y0−2」と表す。)は、0.5質量%以下であることが好ましく、0.2質量%以下であることがより好ましい。Y0−2が0.5質量%以下であると、界面活性剤の原料臭気のより少ない液体洗浄剤が得られる。
【0023】
なお、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステル等のポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤のナロー率は、下記の数式(S)で求められる値である。
式(S)において、S
maxは、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤中に最も多く存在するアルキレンオキシド付加体におけるアルキレンオキシドの付加モル数(s+tの値)を示す。
iはアルキレンオキシドの付加モル数を示す。
Yiはポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤中に存在するアルキレンオキシドの付加モル数がiであるアルキレンオキシド付加体のポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤全量に対する割合(質量%)を示す。
【0025】
前記ナロー率は、例えばポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルの製造方法等によって制御することができる。
ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステルの製造方法としては、特に制限されるものではないが、例えば表面改質された複合金属酸化物触媒を用いて、脂肪酸アルキルエステルに酸化エチレンを付加重合させる方法(特開2000−144179号公報参照)により容易に製造することができる。
かかる表面改質された複合金属酸化物触媒の好適な例としては、具体的には、金属水酸化物等により表面改質された、金属イオン(Al
3+、Ga
3+、In
3+、Tl
3+、Co
3+、Sc
3+、La
3+、Mn
2+等)が添加された酸化マグネシウム等の複合金属酸化物触媒;及び金属水酸化物及び金属アルコキシド等からなる群から選択された少なくとも1つの化合物により表面改質されたハイドロタルサイトの焼成物触媒等が挙げられる。
また、前記複合金属酸化物触媒の表面改質においては、複合金属酸化物と、金属水酸化物及び金属アルコキシドからなる群から選択された少なくとも1つの化合物と、の混合割合を、複合金属酸化物100質量部に対して、金属水酸化物及び金属アルコキシドからなる群から選択された少なくとも1つの化合物の割合を0.5〜10質量部とすることが好ましく、1〜5質量部とすることがより好ましい。
【0026】
(A)成分としては、単一種類のノニオン界面活性剤を単独で用いてもよく、複数種類のノニオン界面活性剤を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分を高配合することにより、少量の使用量で洗濯が行える、及び洗剤容器をコンパクトに出来るといった利点が得られるが、このような場合、高濃度においてもゲル化領域が小さく、高配合しやすい点で、第2級アルコールに酸化エチレンを付加した第2級アルコールエトキシレート(例えば日本触媒社製のソフタノールシリーズ)や、脂肪酸メチルに酸化エチレンを付加したMEEが好ましい。これらは、高濃度においてもゲル化領域が小さいため、高配合時にゲル化が生じにくい。
これらを、第1級アルコールに酸化エチレンを付加した第1級アルコールエトキシレートと併用してもよい。
特に、(A)成分中、第2級アルコールエトキシレート又はMEEと、第1級のアルコールエトキシレートとの配合比率(質量比;第2級アルコールエトキシレート又はMEE/第1級のアルコールエトキシレート)は3/7〜10/0であることが好ましく、5/5〜10/0であることがより好ましく、7/3〜10/0であることがさらに好ましい。
【0027】
(A)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、20質量%以上が好ましく、30〜60質量%がより好ましく、30〜55質量%がさらに好ましく、35〜50質量%が特に好ましい。(A)成分の含有量が液体洗浄剤の総質量に対して20質量%以上であれば、本発明の効果が得られやすくなる。一方、(A)成分の含有量が液体洗浄剤の総質量に対して60質量%以下、さらに好ましくは55質量%以下であれば、低温での液体洗浄剤の粘度の増大が抑制される。
【0028】
<(B)成分>
(B)成分は、アニオン界面活性剤である。(B)成分は、液体洗浄剤に洗浄力を付与するために用いられる界面活性剤である。特に、(A)成分と併用することで、液体洗浄剤を放置して水分が揮発した状態でも、(A)成分の結晶化を乱すことでゲル化を防ぐことができる。
【0029】
(B)成分としては、公知のアニオン界面活性剤の中から適宜選択して用いることができ、例えば、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩;α−オレフィンスルホン酸塩;直鎖状又は分岐鎖状のアルキル硫酸エステル塩;アルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩;アルキル基を有するアルカンスルホン酸塩;α−スルホ脂肪酸エステル塩等が挙げられる。これらのアニオン界面活性剤における塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム等のアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
【0030】
これらのうち、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩としては、直鎖アルキル基の炭素数が8〜16の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩が好ましく、炭素数10〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩が特に好ましい。
α−オレフィンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩が好ましい。
アルキル硫酸エステル塩としては、アルキル基の炭素数が10〜20のアルキル硫酸エステル塩が好ましい。
アルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩としては、炭素数10〜20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基もしくは炭素数10〜20のアルケニル基を有し、平均1〜10モルのエチレンオキシドドを付加した アルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルケニルエーテル硫酸エステル塩(すなわち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩又はポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸エステル塩)が好ましい。
アルカンスルホン酸塩としては、アルキル基の炭素数が10〜20のアルカンスルホン酸塩が好ましく、14〜17のアルカンスルホン酸塩がより好ましい。中でも、前記アルキル基が2級アルキル基であるアルカンスルホン酸塩(すなわち2級アルカンスルホン酸塩)が特に好ましい。
α−スルホ脂肪酸エステル塩としては、脂肪酸残基の炭素数が10〜20の α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩が好ましい。
これらの中でも、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルカンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、及びα−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の界面活性剤が特に好ましい。
【0031】
(B)成分として、上記以外の他のアニオン界面活性剤を用いてもよい。前記他のアニオン界面活性剤としては、例えば、炭素数10〜20の高級脂肪酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸塩、アルキル(又はアルケニル)アミドエーテルカルボン酸塩、アシルアミノカルボン酸塩等のカルボン酸型アニオン界面活性剤;アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル塩等のリン酸エステル型アニオン界面活性剤等が挙げられる。
これらのアニオン界面活性剤は、市場において容易に入手することができる。
(B)成分としては、単一種類のアニオン界面活性剤を単独で用いてもよく、複数種類のアニオン界面活性剤を組み合わせて用いてもよい。
【0032】
(B)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、4質量%以上であり、4〜25質量%が好ましく、4〜20質量%がより好ましく、5〜10質量%がさらに好ましい。(B)成分の含有量が上記範囲内であれば液体洗浄剤のゲル化を防止しやすくなる。また、液体洗浄剤の低温安定性が高まる。
【0033】
また、液体洗浄剤中、(A)成分と(B)成分の質量比((A)成分/(B)成分)が0.8〜15であることが好ましく、より好ましくは1.5〜15であり、特に好ましくは3.5〜10である。
また、液体洗浄剤の総質量に対して、全ての界面活性剤の含有量の合計(以下、「総界面活性剤量」という。)は、45質量%以上であり、好ましくは50質量%以上である。総界面活性剤量が45質量%以上であれば、液体洗浄剤に高い洗浄性能を付与することができる。
総界面活性剤量は、液体洗浄剤がゲル化しにくく、安定性を良好に維持できる点で、液体洗浄剤の総質量に対して、80質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましく、60質量%以下であることがさらに好ましい。
即ち、総界面活性剤量は、液体洗浄剤の総質量に対して、45質量%以上、80質量%以下であることが好ましく、45質量%以上、70質量%以下であることがより好ましく、50質量%以上、70質量%以下であることがさらに好ましく、50質量%以上、60質量%以下であることが特に好ましい。
なお、本発明の液体洗浄剤が後述する任意界面活性剤を含有する場合、総界面活性剤量は(A)成分及び(B)成分と任意界面活性剤の含有量の合計を意味し、本発明の液体洗浄剤が任意界面活性剤を含有しない場合は、総界面活性剤量は(A)成分及び(B)成分の含有量の合計を意味する。
【0034】
<(C)成分>
(C)成分は、プロテアーゼである。(C)成分は、洗浄補助剤として用いられる酵素である。
なお、本発明において「酵素」とは、酵素製剤のことを示す。
【0035】
プロテアーゼとしては、セリンプロテアーゼのように、分子内にセリン、ヒスチジン、及びアスパラギン酸を有するプロテアーゼが好ましい。
具体的には、プロテアーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Savinase16L、Savinase Ultra 16L、Savinase Ultra 16XL、Everlase 16L TypeEX、Everlase Ultra 16L、Esperase 8L、Alcalase 2.5L、Alcalase Ultra 2.5L、Liquanase 2.5L、Liquanase Ultra 2.5L、Liquanase Ultra 2.5XL、Coronase 48L;ジェネンコア社から入手できる商品名Purafect L、Purafect OX、Properase L等が挙げられる。
【0036】
(C)成分としては、上記の中でも、商品名Savinase16L、Savinase Ultra 16L、Savinase Ultra 16XL、Everlase 16L TypeEX、Everlase Ultra 16L、Liquanase 2.5L、Liquanase Ultra 2.5L、Liquanase Ultra 2.5XL、及びCoronase 48Lが好ましく、Everlase 16L TypeEX、Savinase 16L、及びCoronase 48Lが特に好ましい。
(C)成分は、いずれか1種のプロテアーゼを単独で用いてもよく、2種以上のプロテアーゼを併用してもよい。
【0037】
(C)成分の含有量は、保存安定性の面では特に限定はされないが、洗浄性能向上の面から、液体洗浄剤の総質量に対して、0.01質量%以上が好ましく、0.03質量%以上がより好ましい。また、水分量の少ない組成における酵素析出の抑制及び性能飽和という点から、液体洗浄剤の総質量に対して、2質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.8質量%以下がさらに好ましい。
即ち、(C)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.01質量%以上、2質量%以下が好ましく、0.01質量%以上、1質量%以下がより好ましく、0.03質量%以上、1質量%以下がさらに好ましく、0.03質量%以上、0.8質量%以下が特に好ましい。
【0038】
<(D)成分>
(D)成分は、アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群から選択される少なくとも1つの単位と、オキシアルキレン単位及びポリオキシアルキレン単位からなる群から選択される少なくとも1つの単位とを有する水溶性ポリマーである。
(D)成分は、液体洗浄剤に再汚染防止性を付与するために用いられる再汚染防止剤(ソイルリリースポリマー)である。(D)成分は、後述の(E)成分との併用により、界面活性剤が高濃度に含まれる液体洗浄剤、特にアニオン界面活性剤を液体洗浄剤の総質量に対して、4質量%以上の高濃度に含有する液体洗浄剤の中で(C)成分の安定性を保つ効果がある。
なお、本発明において「水溶性」とは、10gのこのポリマーを、水温が40℃の条件で1000gの水に添加し、スターラー(太さ8mm、長さ50mm、直径12cmの1Lビーカー)で12時間攪拌(200rpm)したときに完全に溶解することを意味する。
【0039】
(D)成分の水溶性ポリマーを構成するアルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群から選択される少なくとも1つの単位(以下、これらを総称して「d1単位」ともいう。)のうち、アルキレンテレフタレート単位は下記一般式(2)で示される単位である。
【0040】
【化1】
[R
3は低級アルキレン基である。]
【0041】
R
3の炭素数は1〜4であり、好ましくは2〜4である。
【0042】
アルキレンテレフタレート単位の具体例としては、例えばエチレンテレフタレート単位、n−プロピレンテレフタレート単位、イソプロピレンテレフタレート単位、n−ブチレンテレフタレート単位、イソブチレンテレフタレート単位、sec−ブチレンテレフタレート単位、tert−ブチレンテレフタレート単位等が挙げられる。これらの中ではイソプロピレンテレフタレート単位が好ましい。
即ち、 R
3としては、具体的には、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、イソブチレン、sec−ブチレンが挙げられ、イソプロピレンが好ましい。
【0043】
d1単位として、単一種類のアルキレンテレフタレート単位を単独で用いてもよく、複数種類のアルキレンテレフタレート単位を組み合わせて用いてもよい。
【0044】
水溶性ポリマーを構成するd1単位のうち、アルキレンイソフタレート単位は下記一般式(3)で示される単位である。
【0045】
【化2】
[R
4は低級アルキレン基である。]
【0046】
R
4の炭素数は1〜4であり、好ましくは2〜4である。
【0047】
アルキレンイソフタレート単位の具体例としては、例えば、エチレンイソフタレート単位、プロピレンイソフタレート単位、n−ブチレンイソフタレート単位、sec−ブチレンイソフタレート単位、tert−ブチレンイソフタレート単位等が挙げられる。これらの中ではプロピレンイソフタレート単位が好ましい。
即ち、R
4としては、具体的には、エチレン、プロピレン、n−ブチレン、sec−ブチレン、及びtert−ブチレンが挙げられ、プロピレンが好ましい。
【0048】
d1単位として、単一種類のアルキレンイソフタレート単位を単独で用いてもよく、複数種類のアルキレンイソフタレート単位を組み合わせて用いてもよい。
【0049】
d1単位は、上記アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位から選択される単位を、単独で、又は2種以上の単位を組み合わせて使用することができる。すなわち、d1単位は、アルキレンテレフタレート単位のみを有していてもよく、アルキレンイソフタレート単位のみを有していてもよく、アルキレンテレフタレート単位とアルキレンイソフタレート単位とが混在していてもよい。
【0050】
(D)成分の水溶性ポリマーを構成するオキシアルキレン単位及びポリオキシアルキレン単位(以下、「d2単位」ともいう。)は下記一般式(4)で示される単位である。
【0051】
−(R
5O)
u− ・・・(4)
[R
5は低級アルキレン基であり、uはR
5Oの平均繰り返し数を表し、1〜100の整数である。]
【0052】
R
5の炭素数は1〜4であり、好ましくは2〜4である。
式(4)において、uが1の場合はオキシアルキレン単位となり、uが2以上の場合はポリオキシアルキレン単位となる。uは1〜100の整数であり、好ましくは1〜80の整数であり、特に好ましくは1〜50の整数である。
【0053】
d2単位の具体例としては、オキシエチレン単位及びポリオキシエチレン単位;オキシプロピレン単位及びポリオキシプロピレン単位;ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン単位等が挙げられ、これらの中でもオキシエチレン単位及びポリオキシエチレン単位が好ましい。
d2単位は、上記オキシアルキレン単位及びポリオキシアルキレン単位から選択される単位を、単独で、又は2種以上の単位を組み合わせて使用することができる。すなわち、d2単位は、オキシアルキレン単位のみを有していてもよく、ポリオキシアルキレン単位のみを有していてもよく、オキシアルキレン単位とポリオキシアルキレン単位とが混在していてもよい。
【0054】
(D)成分は、上述のd1単位とd2単位とが、ランダム又はブロックで重合している高分子化合物であることが好ましく、特にブロックで重合している高分子化合物であることが好ましい。
(D)成分は、上述のd1単位及びd2単位以外の単位(例えば、重合開始剤や重合停止剤等に由来する単位や、その他共重合可能な単位)を含んでいてもよい。その場合、d1単位とd2単位の合計が、(D)成分を構成する全単位の80モル%以上であることが好ましく、90モル%以上であることがより好ましい。
【0055】
(D)成分として好適な具体例として、下記一般式(5)又は下記一般式(6)で示される化合物が挙げられる。
【0056】
【化3】
[式中、A
1及びB
1はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり;R
6及びR
7はそれぞれ独立して、炭素数2〜4のアルキレン基であり;x
1は0〜10であり、y
1はそれぞれ独立して1〜100である。]
【0057】
式(5)中、A
1及びB
1はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基、好ましくは共にメチル基である。
R
6及びR
7は、それぞれ独立して、炭素数2〜4のアルキレン基であり、好ましくは炭素数2〜3のアルキレン基である。
x
1は、0〜10であり、好ましくは0.5〜5であり、特に好ましくは0.5〜2.5である。
y
1は、それぞれ独立して1〜100であり、好ましくは1〜80であり、より好ましくは1〜50であり、さらに好ましくは10〜50であり、特に好ましくは20〜30である。
【0058】
【化4】
[式中、A
2及びB
2はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり;R
8及びR
9はそれぞれ独立して、炭素数2〜4のアルキレン基であり;x
2は0〜10であり;y
2はそれぞれ独立して、1〜100である。]
【0059】
式(6)中、A
2及びB
2はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり、好ましくは共にメチル基である。
R
8及びR
9は、それぞれ独立して、炭素数2〜4のアルキレン基であり、好ましくは炭素数2〜3のアルキレン基である。
x
2は、0〜10であり、好ましくは0.5〜5であり、特に好ましくは0.5〜2.5である。
y
2は、それぞれ独立して、1〜100であり、好ましくは1〜80であり、より好ましくは11〜50であり、さらに好ましくは10〜50であり、特に好ましくは20〜30である。
【0060】
式(5)において、x
1とy
1との比率は、x
1:y
1が1:5〜1:20であることが好ましく、1:8〜1:18であることがより好ましい。
また、式(6)において、x
2とy
2との比率は、x
2:y
2が1:5〜1:20であることが好ましく、1:8〜1:18であることがより好ましい。
x
1とy
1との比率、及びx
2とy
2との比率が上記範囲内であれば、ソイルリリース性能が十分に発揮され、かつ水に対する溶解性が向上する。
【0061】
(D)成分の質量平均分子量は500〜10000であることが好ましい。質量平均分子量が上記範囲内であれば、水への溶解分散性が向上し、かつ疎水性繊維(特にポリエステル)の吸水性向上効果が十分に発現し、しかも液体洗浄剤の液外観が良好になる。質量平均分子量の下限値は、800であることがより好ましく、1000であることが特に好ましい。一方、質量平均分子量の上限値は、9000であることがより好ましく、8000であることが特に好ましい。したがって、(D)成分の質量平均分子量は800〜9000であることがより好ましく、1000〜8000であることが特に好ましい。
(D)成分の質量平均分子量は、溶媒としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いてGPC(ゲルパーミネーションクロマトグラフィー)により測定した値を、PEG(ポリエチレングリコール)を較正曲線に用いて換算した値をいう。
【0062】
(D)成分は市場において容易に入手することができる。また、文献等に開示の合成方法:例えば、Journal of Polymer Science , 第3巻,609〜630ページ(1948年)、Journal of Polymer Science,第8巻,1〜22ページ(1951年)、特開昭61−218699号公報記載の方法等により製造することができる。
【0063】
(D)成分の具体例としては、商品名:TexCare SRN−100(クラリアントジャパン社製、質量平均分子量:2000〜3000)、商品名:TexCare SRN−300(クラリアントジャパン社製、質量平均分子量:7000)、商品名:Repel−O−Tex Crystal(ローディア社製、質量平均分子量:未定)、商品名:Repel−O−Tex QCL(ローディア社製、質量平均分子量:未定)として市販されている成分が挙げられる。これらの中では、水への溶解性が高く、保存後の洗浄性能の低下が少ないTexCare SRN−100が好ましい。特に好ましくは、TexCare SRN−100の70質量%水溶液であり、商品名:TexCare SRN−170及びTexCare SRN−170C(クラリアントジャパン社製)として市販されている成分を用いることができる。
【0064】
(D)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.1〜5質量%が好ましく、0.5〜3質量%がより好ましく、0.5〜1質量%が特に好ましい。(D)成分の含有量が液体洗浄剤の総質量に対して0.1質量%以上であれば、酵素、特に(C)成分の保存安定性がより向上する。一方、(D)成分の含有量が液体洗浄剤の総質量に対して5質量%以下であれば、液体洗浄剤の外観の安定性を良好に維持することができる。
【0065】
<(E)成分>
(E)成分は、α−ヒドロキシ−モノカルボン酸及びその塩からなる群から選択される少なくとも1つの成分である。(E)成分は、(D)成分との併用により、(C)成分の保存安定性を高める目的で用いられる。
【0066】
α−ヒドロキシ−モノカルボン酸としては、下記一般式(7)で表される化合物が挙げられる。
【0067】
R
10−C(OH)(R
11)−COOH ・・・(7)
[式中、R
10及びR
11はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基、ニトロ基、炭素数2〜6のエステル基、炭素数2〜6のエーテル基、置換基を有していてもよいアミノ基、又はアミン誘導体基である。]
【0068】
R
10及びR
11における、アルキル基又はアリール基が有してもよい置換基としては、炭素数1〜10のアリール基、炭素数1〜6のアルキル基、ニトロ基、ニトロ誘導体基、ヒドロキシル基、炭素数2〜6のエステル基、炭素数2〜6のエーテル基、置換基を有していてもよいアミノ基、アミン誘導体基、アミド基、アミド誘導体基、ハロゲン原子等が挙げられる。
R
10及びR
11における、アミノ基が有してもよい置換基としては、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ベンジル基、フェニル基、ピリジル基等が挙げられる。
【0069】
α−ヒドロキシ−モノカルボン酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、エタノールアミン等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
【0070】
(E)成分としては、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシイソ酪酸、マンデル酸、それらの光学異性体、及びそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分が好ましく;マンデル酸、乳酸及びそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分がより好ましく;乳酸及びその塩からなる群から選択される少なくとも1種の成分が特に好ましい。乳酸塩としては乳酸ナトリウムが好ましい。
(E)成分はいずれか1種の成分を単独で用いてもよいし、2種以上の成分を併用してもよい。
【0071】
(E)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.1〜5質量%が好ましく、0.15〜2質量%がより好ましく、0.2〜1.5質量%がさらに好ましい。(E)成分の含有量が上記範囲内であれば、(C)成分表面に(E)成分が十分に吸着し、製剤中での(C)成分の安定性をより高めることができる。
(E)成分の含有量が液体洗浄剤の総質量に対して0.1質量%未満であると、(C)成分の安定化効果が不十分となる場合がある。一方、(E)成分の含有量が液体洗浄剤の総質量に対して5質量%を超えると、製剤化した時に沈殿を生じるおそれがある。
【0072】
また、(C)成分の保存安定性の向上効果が期待できる配合としては、(D)成分と(E)成分との質量比((D)成分/(E)成分)が0.02〜50であることが好ましく、より好ましくは0.16〜6であり、特に好ましくは0.5〜2である。
さらに、(C)成分と、(D)成分及び(E)成分の含有量の合計との質量比((C)成分/(D)成分+(E)成分)が0.001〜10であることが好ましく、より好ましくは0.006〜1.5であり、特に好ましくは0.012〜1.1である。
【0073】
<(F)成分>
(F)成分は、アミノカルボン酸及びその塩、ならびにホスホン酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分である。
(F)成分を配合することで、(C)成分の安定性を損なうことなく、(C)成分の性能を向上させることができる。これにより、(C)成分が寄与する洗浄性能(例えばタンパク汚れに対する洗浄性能)も向上する。
【0074】
アミノカルボン酸としては、カルボキシ基を複数含むポリカルボン酸が好ましい。一分子中のカルボキシ基の数は、2〜5が好ましく、2又は3がより好ましい。
アミノカルボン酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、エタノールアミン等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
【0075】
アミノカルボン酸又はその塩としては、下記一般式(8)で表される化合物が好ましい。
【0076】
【化5】
[式中、R
12は−(CH
2)
n−Zであり;ZはH、OH又はCOOMであり;MはH、Na、K、NH
4又はアルカノールアミンであり;nは0〜5の整数である。]
【0077】
式(8)中、R
12は−(CH
2)
n−Zであり、ZはH、OH又はCOOMであり、MはH、Na、K、NH
4又はアルカノールアミンであり、nは0〜5の整数である。
【0078】
アミノカルボン酸又はその塩として具体的には、メチルグリシン二酢酸三ナトリウム(MGDA)等のメチルグリシン二酢酸又はその塩、エチルグリシン二酢酸三ナトリウム等のエチルグリシン二酢酸又はその塩、ニトリロ三酢酸又はその塩、イミノジコハク酸又はその塩、アスパラギン酸−N,N−二酢酸四ナトリウム、セリン二酢酸三ナトリウム、グルタミン酸二酢酸四ナトリウム等が挙げられる。これらの中でも、メチルグリシン二酢酸又はその塩、エチルグリシン二酢酸又はその塩が好ましく、メチルグリシン二酢酸三ナトリウム(MGDA)が特に好ましい。
【0079】
ホスホン酸としては、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸《CH
3C(OH)〔PO(OH)
2〕
2》(略:HEDP)等のヒドロキシホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)《N〔CH
2PO(OH)
2〕
3》(略:ATMP)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)《N
2(CH
2)
2〔CH
2PO(OH)
2〕
4》、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)《N
3(CH
2)
2〔CH
2PO(OH)
2〕
5》、2−ホスホノ−1,2,4−ブタントリカルボン酸《PO(OH)
2CH
2CCH
2CH
2(COOH)
3》(略:PBTC)等が挙げられる。
ホスホン酸の塩としては、上記ホスホン酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、エタノールアミン等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
ホスホン酸又はその塩としては、上記の中でも、ヒドロキシホスホン酸が好ましく、HEDPが特に好ましい。
【0080】
(F)成分は、いずれか1種の成分を単独で用いてもよく、2種以上の成分を併用してもよい。
(F)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.1〜5質量%が好ましく、0.15〜2質量%がより好ましく、0.2〜1.5質量%がさらに好ましい。(F)成分の含有量が上記範囲内であれば、酵素((C)成分や後述の任意酵素)の活性を十分に上げることができる。また、製剤の経時での安定性(沈殿等)を高めることができる。酵素の活性が向上する理由は、詳細は明らかではないが、洗浄中に酵素の活性中心に作用し、その触媒作用を向上させるためと考えられる。
(F)成分の含有量が液体洗浄剤の総質量に対して0.1質量%未満であると、酵素の性能向上効果が不十分となる場合がある。一方、(F)成分の含有量が液体洗浄剤の総質量に対して5質量%を超えると、製剤化した時に沈殿を生じるおそれがある。
また、(D)成分と(F)成分との質量比((D)成分/(F)成分)が0.02〜50であることが好ましく、より好ましくは0.25〜20であり、特に好ましくは0.3〜5である。
【0081】
<水>
本発明の液体洗浄剤は、上記(A)〜(E)成分と、必要に応じて(F)成分及び後述する任意成分とを、水に混合することにより調製される。
水としては、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、超純水等が挙げられる。
水は、液体洗浄剤の全量が100質量%となる量であればよく、特に限定されないが、液体洗浄剤の総質量に対して、15〜55質量%が好ましく、30〜45質量%がより好ましい。
【0082】
<任意成分>
本発明の液体洗浄剤は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、上記(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分及び(F)成分以外の他の成分を含有してもよい。前記他の成分としては、液体洗浄剤に通常用いられる成分を配合することができ、例えば以下に示す成分が挙げられる。
【0083】
(水混和性有機溶媒)
水混和性有機溶媒としては、例えばエタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、平均分子量約200のポリエチレングリコール、平均分子量約400のポリエチレングリコール、平均分子量約1000のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のポリグリコール類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のアルキルエーテル類等が挙げられる。
水混和性有機溶剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.1〜15質量%が好ましい。
【0084】
(任意界面活性剤)
任意界面活性剤としては、(A)成分及び(B)成分を除く界面活性剤であればよく、例えばカチオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
任意界面活性剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、10質量%以下が好ましい。
【0085】
カチオン界面活性剤としては、例えば炭素数4〜22のアルキルトリメチルアンモニウム塩、炭素数4〜22のジアルキルジメチルアンモニウム塩、炭素数10〜22のアルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、炭素数6〜22のアルキルピリジニウム塩の陽イオン性界面活性剤等が挙げられる。
これらの塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;マグネシウム等のアルカリ土類金属塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。また塩化ベンザルコニウム、塩化ジデシルジメチルアンモニウム等が挙げられる。
【0086】
両性界面活性剤としては、例えば炭素数4〜22のアルキルベタイン型、炭素数4〜22のアルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、炭素数4〜22のアルキルアミノスルホン型、炭素数4〜22のアルキルアミノカルボン酸型、炭素数4〜22のアルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型、リン酸型両性界面活性剤等が挙げられる。
【0087】
(減粘剤及び可溶化剤)
減粘剤及び可溶化剤としては、芳香族スルホン酸又はその塩が挙げられ、具体的には、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、クメンスルホン酸、置換若しくは非置換ナフタレンスルホン酸、トルエンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、クメンスルホン酸塩、置換若しくは非置換ナフタレンスルホン酸塩が挙げられる。
芳香族スルホン酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、又はアルカノールアミン塩等が挙げられる。
これらの芳香族スルホン酸又はその塩は、いずれか1種の成分を単独で用いてもよく、2種以上の成分を併用してもよい。
減粘剤及び可溶化剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.01〜15質量%が好ましい。減粘剤及び可溶化剤の含有量が上記範囲内であれば、液体洗浄剤の液表面において、液体洗浄剤がゲル化することにより形成される皮膜の生成抑制効果が向上する。
【0088】
(アルカリ剤)
アルカリ剤としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。アルカリ剤は、1種又は2種以上の成分を混合して用いることできる。
アルカリ剤の含有量としては、液体洗浄剤の総質量に対して、0.5〜5質量%が好ましい。
【0089】
(任意酵素)
(C)成分以外の酵素(任意酵素)としては、セルラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、マンナナーゼ等が挙げられる。
任意酵素の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.01〜1.0質量%が好ましい。
【0090】
(金属イオン捕捉剤)
(F)成分以外の金属イオン捕捉剤(キレート剤)としては、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、ジグリコール酸、酒石酸、クエン酸等が挙げられる。
金属イオン捕捉剤((F)成分を除く)の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.01〜20質量%が好ましい。
【0091】
(酸化防止剤)
酸化防止剤としては特に限定されないが、洗浄力と液安定性とが良好であることから、フェノール系酸化防止剤が好ましく;ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等のモノフェノール系酸化防止剤、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール等のビスフェノール系酸化防止剤、dl−α−トコフェロール等の高分子型フェノール系酸化防止剤がより好ましく;モノフェノール系酸化防止剤、高分子型フェノール系酸化防止剤が更に好ましい。
モノフェノール系酸化防止剤のなかでは、ジブチルヒドロキシトルエンが特に好ましい。
高分子型フェノール系酸化防止剤のなかでは、dl−α−トコフェロールが特に好ましい。
酸化防止剤は、いずれか1種の成分を単独で用いてもよく、2種以上の成分を併用してもよい。
酸化防止剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.01〜2質量%が好ましい。
【0092】
(防腐剤)
防腐剤としては、例えばローム・アンド・ハース社製:商品名ケーソンCG等が挙げられる。
防腐剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.001〜1質量%が好ましい。
【0093】
(その他)
本発明の液体洗浄剤は、保存安定性向上を目的として安息香酸又はその塩(防腐剤としての効果もある)を含有してもよい。塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、又はアルカノールアミン塩等が挙げられる。
安息香酸又はその塩の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.1〜5質量%が好ましく、0.15〜2.0質量%がより好ましい。
【0094】
また、本発明の液体洗浄剤は、酵素安定化を目的としてホウ酸、ホウ砂、ギ酸又はその塩;塩化カルシウム、硫酸カルシウム等のカルシウム塩類を、液体洗浄剤の総質量に対して、0.01〜2質量%含有してもよい。
また、本発明の液体洗浄剤は、風合い向上を目的としてジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等のシリコーンを、液体洗浄剤の総質量に対して、0.01〜5質量%含有してもよい。
また、本発明の液体洗浄剤は、白色衣類の白度向上を目的としてジスチリルビフェニル型等の蛍光増白剤を、液体洗浄剤の総質量に対して、0.01〜1質量%含有してもよい。
また、本発明の液体洗浄剤は、移染防止剤、再汚染防止を目的としてポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース等の再汚染防止剤を、液体洗浄剤の総質量に対して、0.01〜2質量%含有してもよい。
また、本発明の液体洗浄剤は、パール剤等を含有してもよい。
【0095】
また、本発明の液体洗浄剤は、商品の付加価値向上等を目的として、着香剤、着色剤や乳濁化剤、天然物等のエキス等を含有してもよい。
着香剤としては、代表的な例として特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A、B、C、D等が使用できる。着香剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.1〜1質量%が好ましい。
【0096】
着色剤としては、アシッドレッド138、Polar Red RLS、アシッドイエロー203、アシッドブルー9、青色1号、青色205号、緑色3号、ターコイズP−GR(いずれも商品名)等の汎用の色素や顔料が挙げられる。着色剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.00005〜0.005質量%程度が好ましい。
【0097】
乳濁化剤としては、ポリスチレンエマルション、ポリ酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられ、通常、固形分30〜50質量%のエマルションが好適に用いられる。具体例としては、ポリスチレンエマルション(サイデン化学社製:商品名サイビノールRPX−196 PE−3、固形分40質量%)等が挙げられる。乳濁剤の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.01〜0.5質量%が好ましい。
【0098】
天然物等のエキスとしては、イヌエンジュ、ウワウルシ、エキナセア、コガネバナ、キハダ、オウレン、オールスパイス、オレガノ、エンジュ、カミツレ、スイカズラ、クララ、ケイガイ、ケイ、ゲッケイジュ、ホオノキ、ゴボウ、コンフリー、ジャショウ、ワレモコウ、シャクヤク、ショウガ、セイタカアワダチソウ、セイヨウニワトコ、セージ、ヤドリギ、ホソバオケラ、タイム、ハナスゲ、チョウジ、ウンシュウミカン、ティーツリー、バーベリー、ドクダミ、ナンテン、ニュウコウ、ヨロイグサ、シロガヤ、ボウフウ、オランダヒユ、ホップ、ホンシタン、マウンテングレープ、ムラサキタガヤサン、セイヨウヤマハッカ、ヒオウギ、ヤマジソ、ユーカリ、ラベンダー、ローズ、ローズマリー、バラン、スギ、ギレアドバルサムノキ、ハクセン、ホウキギ、ミチヤナギ、ジンギョウ、フウ、ツリガネニンジン、ヤマビシ、ヤブガラシ、カンゾウ、セイヨウオトギリソウ等の植物エキスが挙げられる。
天然物等のエキスの含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.01〜0.5質量%程度が好ましい。
【0099】
<物性>
本発明の液体洗浄剤は、25℃におけるpHが4〜9であることが好ましく、pH6〜9であることがより好ましい。pHが上記範囲内であれば、液体洗浄剤の保存安定性を良好に維持できる。
なお、本明細書における「25℃におけるpH」とは、本明細書に規定の範囲外のpH値であっても、25℃におけるpH値に補正したとき本明細書に規定した範囲のpH値となるのであれば、それらは本発明の範囲に含まれる。
液体洗浄剤のpHは、必要に応じて、pH調整剤を配合することにより調整できる。pH調整剤としては、本発明の効果を損なわない限りにおいて随意であるが、例えば硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミン(モノエタノールアミン等)等が、(C)成分の安定性の面から好ましい。
【0100】
<製造方法>
本発明の液体洗浄剤は、上記(A)〜(E)成分と、必要に応じて(F)成分や任意成分とを、水に混合することにより調製される。
混合条件は特に限定されないが、(C)成分を添加する際のpH(25℃)は7付近が好ましい。また(C)成分を添加する際の温度は、20℃以上、40℃以下が好ましい。
また、(A)成分を所定量含有する溶液に(C)成分を配合した場合、水分が少ないため凝集して濁りが生じるおそれがある。したがって、(C)成分は予め、水、(E)成分、又は安息香酸ナトリウム等を添加した水溶液と混合し、その後、他の成分と混合することが好ましい。
【0101】
<使用方法>
本発明の液体洗浄剤の使用方法は、通常の液体洗浄剤の使用方法と同様であってよい。すなわち本発明の液体洗浄剤(以下、本発明品ということがある。)を、洗濯時に洗濯物と一緒に水に投入する方法、泥汚れや皮脂汚れに本発明品を直接塗布する方法、本発明品を予め水に溶かして衣類を浸漬する方法等が挙げられる。また、本発明品を洗濯物に塗布後、適宜放置し、その後、通常の洗濯液を用いて通常の洗濯を行う方法も好ましい。その際、本発明品の使用量は、従来の液体洗浄剤の使用量よりも、実質上少なくすることができる。
【0102】
<作用効果>
以上説明した本発明の液体洗浄剤は、上記(A)〜(E)成分を含有するので、界面活性剤を高濃度に含有しても、酵素の保存安定性に優れる。しかも、本発明の液体洗浄剤は(A)成分であるノニオン界面活性剤と、(B)成分であるアニオン界面活性剤とを併用しているので、界面活性剤が高濃度であってもゲル化しにくい。
【0103】
本発明の液体洗浄剤のその他の態様としては、
(A)成分:ノニオン界面活性剤と、
(B)成分:アニオン界面活性剤と、
(C)成分:プロテアーゼと、
(D)成分:アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群から選択される少なくとも1つの単位と、オキシアルキレン単位及びポリオキシアルキレン単位からなる群から選択される少なくとも1つの単位とを有する水溶性ポリマーと、
(E)成分:α−ヒドロキシ−モノカルボン酸及びその塩からなる群から選択される少なくとも1つの成分と、
(F)成分:アミノカルボン酸及びその塩、ならびにホスホン酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1つの成分と、
水と、を含有し、
全ての界面活性剤の含有量の合計が、液体洗浄剤の総質量に対して、45質量%以上、60質量%以下であり、かつ、
前記(B)成分の含有量が、液体洗浄剤の総質量に対して、4質量%以上である、液体洗浄剤。
【0104】
本発明の液体洗浄剤のその他の態様としては、
(A)成分:ノニオン界面活性剤と、
(B)成分:アニオン界面活性剤と、
(C)成分:プロテアーゼと、
(D)成分:アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群から選択される少なくとも1つの単位と、オキシアルキレン単位及びポリオキシアルキレン単位からなる群から選択される少なくとも1つの単位とを有する水溶性ポリマーと、
(E)成分:α−ヒドロキシ−モノカルボン酸及びその塩からなる群から選択される少なくとも1つの成分と、
(F)成分:アミノカルボン酸及びその塩、ならびにホスホン酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1つの成分と、
所望によりその他の成分と、
水と、を含有し、
全ての界面活性剤の含有量の合計が、液体洗浄剤の総質量に対して、45質量%以上、60質量%以下であり、かつ、
前記(B)成分の含有量が、液体洗浄剤の総質量に対して、4質量%以上である、液体洗浄剤。
【0105】
(A)成分:ノニオン界面活性剤と、
(B)成分:アニオン界面活性剤と、
(C)成分:プロテアーゼと、
(D)成分:アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群から選択される少なくとも1つの単位と、オキシアルキレン単位及びポリオキシアルキレン単位からなる群から選択される少なくとも1つの単位とを有する水溶性ポリマーと、
(E)成分:α−ヒドロキシ−モノカルボン酸及びその塩からなる群から選択される少なくとも1つの成分と、
水と、を含有する液体洗浄剤であり、
前記の液体洗浄剤の総質量に対し、
前記(A)成分が、20〜60質量%、
前記(B)成分が、4〜25質量%、
前記(C)成分が、0.01〜2質量%、
前記(D)成分が、0.1〜5質量%、
前記(E)成分が、0.1〜5質量%、
前記水が、15〜55質量%であり、かつ
前記各成分の合計量が100質量%を超えず、かつ
全ての界面活性剤の含有量の合計が、液体洗浄剤の総質量に対して、45質量%以上、60質量%以下である液体洗浄剤が挙げられる。
【0106】
(A)成分:ノニオン界面活性剤と、
(B)成分:アニオン界面活性剤と、
(C)成分:プロテアーゼと、
(D)成分:アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群から選択される少なくとも1つの単位と、オキシアルキレン単位及びポリオキシアルキレン単位からなる群から選択される少なくとも1つの単位とを有する水溶性ポリマーと、
(E)成分:α−ヒドロキシ−モノカルボン酸及びその塩からなる群から選択される少なくとも1つの成分と、
(F)成分:アミノカルボン酸及びその塩、ならびにホスホン酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1つの成分と、
所望により他の成分と、
水と、を含有する液体洗浄剤であり、
前記の液体洗浄剤の総質量に対し、
前記(A)成分が、20〜60質量%、
前記(B)成分が、4〜25質量%、
前記(C)成分が、0.01〜2質量%、
前記(D)成分が、0.1〜5質量%、
前記(E)成分が、0.1〜5質量%、
前記(F)成分が、0.1〜5質量%、
前記水が、15〜55質量%であり、かつ
前記各成分の合計量が100質量%を超えず、かつ
全ての界面活性剤の含有量の合計が、液体洗浄剤の総質量に対して、45質量%以上、60質量%以下である液体洗浄剤が挙げられる。
【0107】
本発明の液体洗浄剤のその他の態様としては、
(A)成分:下記一般式(1)で表される化合物を含むノニオン界面活性剤と:
R
1−X−(EO)
s(PO)
t−R
2 ・・・(1)
[式(1)中、R
1は炭素数8〜22の炭化水素基であり;−X−は2価の連結基であり;R
2は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基であり;EOはエチレンオキシド基であり;sはEO平均繰り返し数(即ち、エチレンオキシドの平均付加モル数)を表し、3〜20の整数であり;POはプロピレンオキシド基であり;tはPOの平均繰り返し数(即ち、プロピレンオキシドの平均付加モル数)を表し、0〜6の整数である。];
(B)成分:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルカンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、及びα−オレフィンスルホン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のアニオン界面活性剤と;
(C)成分:分子内にセリン、ヒスチジン、及びアスパラギン酸を有するプロテアーゼと、
(D)成分:下記一般式(2)で示されるアルキレンテレフタレート単位及び下記一般式(3)で示されるアルキレンイソフタレート単位からなる群から選択される少なくとも1つの単位と、下記一般式(4)で示される単位からなる群から選択される少なくとも1つの単位とを有する水溶性ポリマーと:
【化6】
[R
3は低級アルキレン基である。]
【化7】
[R
4は低級アルキレン基である。]
−(R
5O)
u− ・・・(4)
[R
5は低級アルキレン基であり、uはR
5Oの平均繰り返し数を表し、1〜100の整数である。];
(E)成分:、下記一般式(7)で表されるα−ヒドロキシ−モノカルボン酸及びその塩からなる群から選択される少なくとも1つの成分と:
R
10−C(OH)(R
11)−COOH ・・・(7)
[式中、R
10及びR
11はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基、ニトロ基、炭素数2〜6のエステル基、炭素数2〜6のエーテル基、置換基を有していてもよいアミノ基、又はアミン誘導体基である。];
(F)成分:下記一般式(8)で表されるアミノカルボン酸及びその塩、ならびにヒドロキシホスホン酸、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、及び2−ホスホノ−1,2,4−ブタントリカルボン酸及びその塩からなる群より選ばれる少なくとも1つの成分と:
【化8】
[式中、R
12は−(CH
2)
n−Zであり;ZはH、OH又はCOOMであり;MはH、Na、K、NH
4又はアルカノールアミンであり;nは0〜5の整数である。];
水と、を含有し、
全ての界面活性剤の含有量の合計が、液体洗浄剤の総質量に対して、45質量%以上、60質量%以下であり、かつ、
前記(B)成分の含有量が、液体洗浄剤の総質量に対して、4質量%以上である、液体洗浄剤。
【0108】
本発明の液体洗浄剤のその他の態様としては、
(A)成分:下記一般式(1)で表される化合物を含むノニオン界面活性剤と:
R
1−X−(EO)
s(PO)
t−R
2 ・・・(1)
[式(1)中、R
1は炭素数8〜22の炭化水素基であり;−X−は2価の連結基であり;R
2は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数2〜6のアルケニル基であり;EOはエチレンオキシド基であり;sはEO平均繰り返し数(即ち、エチレンオキシドの平均付加モル数)を表し、3〜20の整数であり;POはプロピレンオキシド基であり;tはPOの平均繰り返し数(即ち、プロピレンオキシドの平均付加モル数)を表し、0〜6の整数である。];
(B)成分:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩、アルカンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、及びα−オレフィンスルホン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも1種のアニオン界面活性剤と;
(C)成分:分子内にセリン、ヒスチジン、及びアスパラギン酸を有するプロテアーゼと、
(D)成分:下記一般式(5)又は下記一般式(6)で示される化合物と:
【化9】
[式中、A
1及びB
1はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり;R
6及びR
7はそれぞれ独立して、炭素数2〜4のアルキレン基であり;x
1は0〜10であり、y
1はそれぞれ独立して1〜100である。]
【化10】
[式中、A
2及びB
2はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基であり;R
8及びR
9はそれぞれ独立して、炭素数2〜4のアルキレン基であり;x
2は0〜10であり;y
2はそれぞれ独立して、1〜100である。];
(E)成分:グリコール酸、乳酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシイソ酪酸、マンデル酸、それらの光学異性体、及びそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1種の成分と;
(F)成分:メチルグリシン二酢酸三ナトリウムと;
水と、を含有し、
全ての界面活性剤の含有量の合計が、液体洗浄剤の総質量に対して、45質量%以上、60質量%以下であり、かつ、
前記(B)成分の含有量が、液体洗浄剤の総質量に対して、4質量%以上である、液体洗浄剤。
【実施例】
【0109】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0110】
「使用原料」
(A)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・a−1:C
11H
23CO(OCH
2CH
2)
mOCH
3とC
13H
27CO(OCH
2CH
2)
mOCH
3との質量比で8/2の混合物、m=平均15、ナロー率33質量%、合成品。
・a−2:C
11H
23CO(OCH
2CH
2)
mOCH
3、m=平均15、ナロー率33質量%、合成品。
・a−3:C
11H
23CO(OCH
2CH
2)
mOCH
3とC
13H
27CO(OCH
2CH
2)
mOCH
3とC
15H
31CO(OCH
2CH
2)
mOCH
3の質量比で7.2/1.8/1.0の混合物、m=平均15、ナロー率33質量%、合成品。
・a−4:P&G社製の天然アルコールCO−1217(商品名)に対して平均15モル相当の酸化エチレンを付加したノニオン界面活性剤。
・a−5:P&G社製の天然アルコールCO−1217(商品名)に対して平均12モル相当の酸化エチレンを付加したノニオン界面活性剤。
・a−6:天然アルコール(C12/C14=7/3)に、8モルのエチレンオキサイド、2モルのプロピレンオキサイド、8モルのエチレンオキサイドの順にブロック付加させて得られたノニオン界面活性剤。
・a−7:商品名「ソフタノール90」、日本触媒社製。
【0111】
前記a−1〜a−3のナロー率は下記の手順で測定した。
下記測定条件により、酸化エチレンの付加モル数が異なる酸化エチレン付加体の分布を測定し、前記数式(S)によりナロー率(質量%)を算出した。
<HPLCによる酸化エチレン付加体の分布の測定条件>
・装置:LC−6A(島津製作所社製)、
・検出器:SPD−10A、
・測定波長:220nm、
・カラム:Zorbax C8(Du Pont社製)、
・移動相:アセトニトリル/水=60/40(体積比)、
・流速:1mL/分間、
・温度:20℃。
【0112】
前記a−1〜a−6はそれぞれ以下の手順で合成した。
a−1の合成:
特開2000−144179号公報に記載の実施例における製造例1に準じて合成した。
すなわち、化学組成が2.5MgO・Al
2O
3・nH
2Oである水酸化アルミナ・マグネシウム(協和化学工業社製、商品名:キョーワード300)を、600℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成して得られた焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒2.2gと、0.5規定の水酸化カリウムエタノール溶液2.9mLと、ラウリン酸メチルエステル280g及びミリスチン酸メチルエステル70gとを4リットルオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内で触媒の改質を行った。次いで、オートクレーブ内を窒素で置換した後、昇温を行い、温度を180℃、圧力を3atmに維持しつつ、酸化エチレン1052gを導入し、撹拌しながら反応させた。さらに、反応液を80℃に冷却し、水159gと、濾過助剤として活性白土及び珪藻土をそれぞれ5g添加した後、触媒を濾別して、a−1を得た。
触媒に対するアルカリ添加量は、a−1のナロー率が33質量%となるように調節した。
【0113】
a−2の合成:
ラウリン酸メチルエステル280g及びミリスチン酸メチルエステル70gの代わりに、ラウリン酸メチルエステル350gを用い、酸化エチレン1079gを導入し、触媒に対するアルカリ添加量をナロー率が33質量%となるように調整した以外は、上記a−1の合成方法と同様にしてa−2を製造した。
【0114】
a−3の合成:
ラウリン酸メチルエステル252g、ミリスチン酸メチルエステル63g及びパルミチン酸メチルエステル35gを用い、酸化エチレン1023gを導入し、触媒に対するアルカリ添加量をナロー率が33質量%となるように調整した以外は、上記a−1の合成方法と同様にしてa−3を製造した。
【0115】
a−4の合成:
P&G社製の天然アルコールCO−1270を224.4g、30質量%NaOH水溶液2.0gを耐圧型反応容器中に採取し、容器内を窒素置換した。次に温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水してから、温度を160℃まで昇温した。アルコールを攪拌しながら酸化エチレン(ガス状)760.4gを、吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調整しながらアルコールの液中に徐々に加えて反応させた。
酸化エチレンの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間未反応の酸化エチレンを留去した。
次に温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1%水溶液のpHが約7になるように、70%p−トルエンスルホン酸を加えて中和し、a−4を得た。
【0116】
a−5の合成:
酸化エチレンの量を610.2gに変更した以外は、上記a−4の合成方法と同様にしてa−5を製造した。
【0117】
a−6の合成:
P&G社製の天然アルコールCO−1270を224.4g、30質量%NaOH水溶液2.0gを耐圧型反応容器中に採取し、容器内を窒素置換した。次に温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水してから、温度を160℃まで昇温した。アルコールを攪拌しながら酸化エチレン(ガス状)405gを、吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調整しながらアルコールの液中に徐々に加えて反応させた。
酸化エチレンの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、さらに酸化プロピレン(ガス状)130gを、吹き込み管を使って、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調整しながら徐々に加えて反応させた。温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、さらに酸化エチレン405gを反応させた。熟成後、未反応の酸化エチレンを留去した後、温度を100℃以下まで冷却し、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%p−トルエンスルホン酸を加えて中和し、a−6を得た。
【0118】
(B)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・b−1:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(ライオン社製、アルキル基の炭素数10〜14、平均分子量322)。
・b−2:セカンダリーアルカンスルホン酸ナトリウム(クラリアントジャパン社製)。
・b−3:炭素数12〜13の合成アルコールのエチレンオキシド平均2モル付加品の硫酸化物。
・b−4:α―スルホ脂肪酸メチルエステルのナトリウム塩(ライオン社製、C16/C18=8/2)
【0119】
前記b−3は以下の手順で合成した。
b−3の合成:
4Lのオートクレーブ中に、シェル社製の商品名「ネオドール23」400gと、水酸化カリウム触媒0.8gとを仕込み、オートクレーブ内を窒素置換し、攪拌しながら昇温した。その後、温度180℃、圧力0.3mPaに維持しながら、酸化エチレン(ガス状)181gを導入し、エチレンオキシドの平均繰り返し数2の反応物を得た。次に、上記で得られたアルコールエトキシレート280gを撹拌装置付の500mLフラスコに取り、窒素置換後、液体無水硫酸(サルファン)81gを、反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間撹拌を続け、目的とするポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。さらに、これを水酸化ナトリウム水溶液で中和することにより、b−3を得た。
【0120】
前記b−4は以下の手順で合成した。b−4の合成:
撹拌機付きの容量1kLの反応装置に、脂肪酸メチルエステル混合物(パルミチン酸メチル(ライオン株式会社製の商品名パステルM−16)と、ステアリン酸メチル(ライオン株式会社製の商品名パステルM−180)とを、8:2の質量比となるように予め混合した混合物)330kgを注入し、撹拌しながら、着色抑制剤として無水硫酸ナトリウムを、前記脂肪酸メチルエステル混合物100質量部に対して5質量部投入した。その後、撹拌を継続しながら、反応温度80℃で、窒素ガスで4容量%に希釈したSO
3ガス(スルホン化ガス)115kg(前記脂肪酸メチルエステル混合物に対して1.2倍モル)をバブリングしながら3時間かけて等速で吹き込み、引き続き、80℃に保ちながら30分間熟成を行った。その後、低級アルコールとしてメタノール14kgを供給し、温度条件80℃、熟成時間30分間でエステル化を行った。
ついで、反応装置から抜き出したエステル化物を、ラインミキサーを用いて、当量の水酸化ナトリウム水溶液を添加することにより連続的に中和した。
ついで、この中和物を漂白剤混合ラインに注入し、35容量%過酸化水素水を純分換算で、陰イオン界面活性剤濃度(α−スルホ脂肪酸メチルエステルナトリウム塩(MES−Na)とα−スルホ脂肪酸ジナトリウム塩(di−Na塩)との合計濃度)に対して1質量%を供給して混合し、80℃に保ちながら漂白を行い、ペースト状のb−4を得た。
【0121】
(C)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・c−1:Coronase 48L(商品名、ノボザイムズ製)。
・c−2:Everlase 16L TypeEX(商品名、ノボザイムズ製)。
【0122】
(D)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・d−1:TexCare SRN−170C(商品名、クラリアントジャパン社製)(質量平均分子量:2000〜3000、pH(20℃の5質量%水溶液):4、粘度(20℃):300mPa・s)。TexCare SRN−170Cは、商品名:TexCare SRN−100(クラリアントジャパン社製)(質量平均分子量:2000〜3000)の70質量%水溶液である。TexCare SRN−100は、上記一般式(5)で示される化合物に相当する。
なお、d−1は、上記水溶性ポリマーの条件(10gのポリマーを40℃の条件で1000gの水に添加し、スターラー(太さ8mm、長さ50mm、1Lビーカー)で12時間攪拌(200rpm)したときに完全に溶解する)を満たす成分であった。
【0123】
(E)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・e−1:乳酸ナトリウム(関東化学社製)。
【0124】
(F)成分として、以下に示す化合物を用いた。
・f−1:メチルグリシン二酢酸三ナトリウム(MGDA)(BASF社製、商品名「トリロンM」)。
【0125】
任意成分として、以下に示す化合物を用いた。
ヤシ脂肪酸:日本油脂社製。
MEA:モノエタノールアミン(日本触媒社製)。
クエン酸3Na:クエン酸3ナトリウム2水塩(扶桑化学工業社製、AI=100%)。
EtOH:エタノール(日本アルコール販売社製、商品名「特定アルコール95度合成」)。
ポリエチレングリコール(日本油脂株式会社製、商品名「PEG#1000」)
安息香酸Na:安息香酸ナトリウム(伏見製薬社製、商品名「安息香酸ナトリウム」)。
硫酸:東邦亜鉛(株)製。
水酸化ナトリウム:鶴見曹達(株)製。
【0126】
「実施例1〜15、比較例1〜5」
<液体洗浄剤の調製>
500mLのビーカーに、95%エタノールを6.0質量%と、任意の量の精製水及び任意成分(精製水とpH調整剤を除く)とを投入し、マグネットスターラー(MITAMURA KOGYO INC.製)で十分に攪拌した。次いで、モノエタノールアミンを1.0質量%と、表1〜2に示す種類と配合量(質量%)の(B)成分を投入し、これらの成分を溶解させた。次いで、表1〜2に示す種類と配合量(質量%)の(F)成分を投入した後、(A)成分を投入し、全体量が96質量部になるように精製水を入れ、さらによく攪拌した。25℃でのpHが7.0になるように、pH調整剤(硫酸、モノエタノールアミン、又は水酸化ナトリウム)を適量添加した後、(D)成分と、予め(E)成分で希釈しておいた(C)成分とを添加し、全体量が100質量部になるように精製水を加えて、液体洗浄剤を得た。pHは、25℃における値をpHメーター(製品名:HM−30G、東亜ディーケーケー社製)を用いて測定した。
得られた液体洗浄剤について、以下の評価を行った。結果を表1〜2に示す。
なお、表1〜2中、水の「バランス」は、液体洗浄剤の全量が100質量部となる量である。
【0127】
<評価方法>
(酵素安定性(プロテアーゼの活性安定性)の評価)
各例の液体洗浄剤を37℃で4週間保存したもの(37℃保存品)、及び4℃で4週間保存したもの(4℃保存品)について、下記の手順でプロテアーゼ活性を測定した。
ミルクカゼイン(Casein、Bovine Milk、Carbohydrate and Fatty Acid Free/Calbiochem(登録商標))を1N水酸化ナトリウム水容液(1mol/L水酸化ナトリウム溶液(1N)、関東化学社製)に溶解し、pHを10.5とした。これを0.05Mホウ酸(ホウ酸(特級)、関東化学社製)水溶液で、ミルクカゼインの濃度が0.6質量%になるよう希釈して、プロテアーゼ基質とした。
各例の37℃保存品、及び4℃保存品1gをそれぞれ3°DH硬水(塩化カルシウム(特級、関東化学社製)で硬度を調整)で25倍(質量比)に希釈した溶液を各サンプル溶液とした。
各サンプル溶液1gに、プロテアーゼ基質5gを添加し、ボルテックスミキサーで10秒間攪拌した後、37℃、30分間静置した。その後、TCA(トリクロロ酢酸(特級)、関東化学社製)の0.44mol/L水溶液5gを添加し、ボルテックスミキサーで10秒間攪拌した後、20℃、30分間静置して、酵素反応を停止した。次いで、析出物を0.45μmフィルターで除去し、ろ液を回収した。
回収したろ液について、波長275nmにおける吸光度(吸光度A)を、島津製作所社製の紫外可視分光光度計UV−160で測定した。吸光度Aが大きいほど、ろ液中に存在するチロシン(プロテアーゼがプロテアーゼ基質を分解することにより産生)の量が多かったことを示す。
別途、各サンプル溶液1gに、TCAの0.44mol/L水溶液5gを添加し、ボルテックスミキサーで10秒間攪拌した後、プロテアーゼ基質5gを添加し、ボルテックスミキサーで10秒間攪拌した。次いで、析出物を0.45μmフィルターで除去し、ろ液を回収した。回収したろ液について、波長275nmの吸光度(吸光度B)を、紫外可視分光光度計UV−160で測定した。
得られた吸光度に基づき、下記式により、酵素(プロテアーゼ)活性残存率(%)を求めた。なお、下記式に代入した各試料の275nmにおける吸光度の値は、気泡等の散乱光を吸光度から除外するため、同時に測定した600nmの吸光度値を除した値である。
酵素活性残存率(%)={(37℃保存品の吸光度A)−(37℃保存品の吸光度B)}/{(4℃保存品の吸光度A)−(4℃保存品の吸光度B)}×100
【0128】
(外観安定性の評価)
透明のガラス瓶(広口規格びんPS−NO.11)に、得られた液体洗浄剤100mLを加え、蓋を閉めて密封した。この状態で37℃の恒温槽中に置いて1ヵ月保存した後、液の外観を目視で観察し、下記基準により評価した。B以上であるものを合格とした。
A:瓶底部に沈殿物質が認められなかった。
B:瓶底部に沈殿物が認められたが、軽く振ることで沈殿が消失(溶解)した。
C:瓶底部に沈殿物質が認められ、軽く振っても沈殿は消失しなかった。
【0129】
【表1】
【0130】
【表2】
【0131】
表1〜2から明らかなように、各実施例で得られた液体洗浄剤は、酵素安定性が良好であった。また、外観安定性も良好であった。
一方、(D)成分及び(E)成分を含まない比較例1〜2の液体洗浄剤、(E)成分を含まない比較例3の液体洗浄剤、(D)成分を含まない比較例4〜5の液体洗浄剤は、それぞれ酵素安定性が悪かった。