(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6184054
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】atrogin−1遺伝子の発現抑制剤
(51)【国際特許分類】
A61K 35/56 20150101AFI20170814BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20170814BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
A61K35/56
A61P21/00
A61P43/00 105
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-70389(P2012-70389)
(22)【出願日】2012年3月26日
(65)【公開番号】特開2013-199460(P2013-199460A)
(43)【公開日】2013年10月3日
【審査請求日】2015年3月25日
【審判番号】不服2016-9612(P2016-9612/J1)
【審判請求日】2016年6月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】000106771
【氏名又は名称】シーシーアイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】岩山 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 博宣
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 雅史
(72)【発明者】
【氏名】藤田 泰典
【合議体】
【審判長】
蔵野 雅昭
【審判官】
村上 騎見高
【審判官】
前田 佳与子
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−156294号公報(JP,A)
【文献】
特開2006−327996号公報(JP,A)
【文献】
特開2012−56935号公報(JP,A)
【文献】
特開平10−338640号公報(JP,A)
【文献】
特開2010−184879号公報(JP,A)
【文献】
特開2012−249557号公報(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K35/00-35/768
JMEDPlus(JDreamIII)
JST7580(JDreamIII)
CAplus(STN)
MEDLINE(STN)
BIOSIS(STN)
EMBASE(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カキを有効成分として含む、atrogin−1遺伝子の発現抑制剤。
【請求項2】
前記カキが、溶媒抽出物である、請求項1に記載の発現抑制剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はatrogin−1遺伝子の発現抑制剤に関する。
【背景技術】
【0002】
骨格筋細胞の形態は、構造タンパク質の合成と分解の動的な平衡により決定される。何らかの原因により、構造タンパク質の分解が亢進すると筋萎縮が生ずる。筋萎縮の原因としては、癌、糖尿病、AIDSなどの慢性疾患;寝たきりなど筋肉を使用しないことによる廃用性萎縮などが挙げられる。
【0003】
骨格筋の構成タンパク質の分解経路としては、リソソーム系、Ca
2+依存性タンパク分解(カルパイン)系およびユビキチン−プロテアソーム系などが知られている。このうち、筋萎縮が生ずる過程においてはユビキチン−プロテアソーム系が重要な役割を演じていることが明らかにされている。
【0004】
ユビキチン−プロテアソームによるタンパク質分解経路は、ユビキチンにより標識されたタンパク質をプロテアソームで分解する系である。標的タンパク質に対するユビキチンの標識は、ユビキチン活性化酵素(E1)、ユビキチン結合酵素(E2)、さらにユビキチンリガーゼ(E3)によって行われる。筋萎縮の際には、筋特異的ユビキチンリガーゼをコードするatrogin−1(MAFbx)遺伝子が過剰発現することが最近の研究から明らかとなっている(非特許文献1)。atrogin−1遺伝子の過剰発現は,脱リン酸化型のフォークヘッド転写因子であるFoxOが核内に留まることによる(非特許文献2)。
【0005】
したがって、筋萎縮を予防/治療するために、atrogin−1遺伝子の発現を抑制することは有効な手段であると考えられる。例えば、特許文献1では、atrogin−1遺伝子の発現を抑制する阻害剤としてmiRNAまたはsiRNAを用いた抗筋委縮剤が提案されている。また、特許文献2は、イソロイシン、ロイシンおよびバリンの分岐鎖アミノ酸がatrogin−1遺伝子の発現を抑制することを開示している。
【0006】
一方、これまでに数々の植物由来、動物由来の生薬が種々の有用な機能を有していることが見出され、またその安全性の高さから、医薬品、食品、化粧品などに含有されている。しかしながら、これまでにatrogin−1遺伝子の発現を抑制する生薬成分についての報告はなされていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−184879号公報
【特許文献2】国際公開第2008/072663号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Sandri M. Signaling in Muscle Atrophy and Hypertrophy. Physiology 23:160-170,2008
【非特許文献2】Sandri M. et al. Foxo transcription factors induce the atrophy-related ubiquitin ligase atrogin-1 and cause skeletal muscle atrophy. Cell. 117, 399-412, 2004
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、安全で有効性の高いatrogin−1遺伝子を抑制できる物質を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、種々の生薬成分を鋭意検討した結果、カキが、atrogin−1遺伝子の発現を抑制する効果を有することを見出し、本発明を完成させた。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、種々の疾患や廃用性萎縮に起因するatrogin−1遺伝子の過剰発現を抑制することができる。このため、atrogin−1遺伝子の過剰発現に起因する疾患や病態(例えば、筋萎縮)を予防又は治療することができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の有効成分であるカキについて説明する。カキは生薬として用いられ、原料の乾燥粉末等を用いてもよいが、使用性、製剤化等の点から(溶媒)抽出物として用いることが好ましい。
【0014】
ここで、抽出物とは、抽出によって得られる抽出液、該抽出液の希釈液、該抽出液を乾燥して得られる乾燥物、又はこれらの粗精製物もしくは精製物のいずれもが含まれる。溶媒で抽出することにより得られる抽出液は、抽出溶媒が安全性の高いものであればそのまま配合して用いることができるが、濃縮液又はその乾燥物としたもののほうが利用しやすい。
【0015】
[カキ]
カキは軟体動物、弁鰓綱に属する二枚貝であり、ベッコウガキ科、マガキ科、イタボガキ科がある。これらのカキの生鮮物のむき身または冷凍物のむき身を、そのまままたは酵素分解して用いることができる。抽出前に必要により乾燥させてもよい。また、ヘキサン等の非極性溶媒によって洗浄等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。
【0016】
抽出物の調製に用いられる溶媒としては、水;メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級アルコール、アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコールなどの親水性有機溶媒;またはこれらの混合溶媒が挙げられる。中でも、水、低級アルコール(好ましくはエタノール)およびこれらの混合溶媒などが好ましい。なお、水と親水性有機溶媒との混合溶媒を使用する場合には、低級アルコールの場合は水100質量部に対して10〜900質量部、低級脂肪族ケトンの場合は水100質量部に対して10〜400質量部、多価アルコールの場合は水100質量部に対して100〜900質量部添加することが好ましい。
【0017】
抽出溶媒量は通常、抽出原料の5〜15倍量(質量比)であり、抽出条件は、抽出溶媒として水を用いた場合には、通常50〜95℃で1〜4時間程度である。また、抽出溶媒として水と親水性有機溶媒との混合溶媒を用いた場合には、通常40〜100℃で30分〜4時間程度である。
【0018】
なお、抽出前に、原料に対して裁断処理や乾燥処理を施してもよい。また、ヘキサン、ベンゼン等の非極性溶媒によって脱脂等の前処理を施してから抽出原料として使用してもよい。脱脂等の前処理を行うことにより、極性溶媒による抽出処理を効率よく行うことができる。
【0019】
[atrogin−1遺伝子の発現抑制剤]
カキは、atrogin−1の発現抑制作用を有するため、atrogin−1遺伝子の発現抑制剤の有効成分として用いることができる。筋萎縮においては、atrogin−1遺伝子が過剰発現していることが知られており、したがって、該atrogin−1遺伝子発現抑制剤は、筋萎縮の予防および治療のために用いることができる。すなわち、本発明は、該atrogin−1遺伝子発現抑制剤を含む、抗筋萎縮剤にも関する。
【0020】
atrogin−1遺伝子の発現抑制剤は、例えば、糖尿病、癌、心筋梗塞、敗血症、筋萎縮性側索硬化症、脊髄性進行性筋萎縮症による筋萎縮症、廃用性筋萎縮症などの治療および予防剤として適用可能である。筋萎縮は運動能力の低下を引き起こし、生活の質を著しく減退させる。本発明の筋萎縮抑制剤によれば、筋萎縮の予防/治療により、患者の生活の質を向上させ、また、筋力低下による寝たきりや転倒を防止することができる。
【0021】
atrogin−1遺伝子は、F−boxタンパク質ファミリーであるFBXO32タンパク質をコードする遺伝子を意味する。atrogin−1の例としては、具体的にはヒト、ラットおよびマウスのatrogin−1を挙げることができる。atrogin−1のmRNAの塩基配列はGenbank Accession number NM_026346(マウス)、Genbank Accession number NM_058229としていずれも公知である。
【0022】
本発明のatrogin−1遺伝子の発現抑制剤において、所望の筋萎縮抑制効果を得るためには、上述した有効成分を、固形分換算で、成人一人の体重1kg当たり、1日に30〜6000mg投与または摂取することが好ましく、より好ましくは50〜2000mgであり、さらに好ましくは100〜1000mgである。1日の投与量もしくは摂取量が上記下限値未満であると、充分な効果が得られない虞がある。また上記上限値を超えて投与または摂取しても、それ以上の効果の増加はあまり望めない。本発明においては、この量の有効成分を1日1〜数回に分けて、阻害剤そのままの形態で、または、医薬、食品等の所望の形態とした上で、投与または摂取すればよい。
【0023】
また、本発明のatrogin−1遺伝子の発現抑制剤に含まれる有効成分は、生薬成分として知られている成分であり、安全性が高い。このため、本発明の他の実施形態としては、カキを有効成分として含むatrogin−1遺伝子の発現抑制剤を有する、医薬組成物または食品組成物が挙げられる。
【0024】
医薬組成物の一形態として、カキを有効成分として含む、抗筋萎縮剤が挙げられる。
【0025】
医薬組成物は、atrogin−1遺伝子の発現抑制剤に含まれる有効成分に加えて、製薬上許容される担体をさらに含むことができる。医薬組成物は、経口的または非経口的に患者に投与できる。また、製剤としては、錠剤、散剤(粉末)、丸剤、および顆粒剤等の固型製剤や、シロップ剤、注射剤、点眼剤等の液剤、眼軟膏剤、外皮用剤等の軟膏剤や貼付剤が挙げられる。
【0026】
医薬組成物を固型製剤とする場合には、適当な添加剤、例えば、乳糖、ショ糖、マンニット、トウモロコシデンプン、合成もしくは天然ガム、結晶セルロース等の賦形剤、デンプン、セルロース誘導体、アラビアゴム、ゼラチン、ポリビニルピロリドン等の結合剤、カルボシキメチルセルーロースカルシウム、カルボシキメチルセルーロースナトリウム、デンプン、コーンスターチ、アルギン酸ナトリウム等の崩壊剤、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム等の滑沢剤、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸ナトリウム等の充填剤または希釈剤等と適宜混合して、錠剤、散剤(粉末)、丸剤、および顆粒剤等の固型製剤にすることができる。また、硬質または軟質のゼラチンカプセル等を用いてカプセル剤としてもよい。これらの固型製剤には、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートスクシネート、セルロースアセテートフタレート、メタアクリレートコポリマー等の被覆用基剤を用いて腸溶性被覆を施してもよい。
【0027】
医薬組成物を液剤とする場合には、精製水、生理食塩水、またはオリーブオイル等の油剤等の一般的に用いられる溶解剤に有効成分を溶解/懸濁して、必要に応じて、この溶液に浸潤剤、乳化剤、分散助剤、界面活性剤、pH調製剤、等張化剤、甘味料、フレーバー、芳香物質等を適宜添加することにより、シロップ剤、注射剤、点眼剤等の液状製剤とすることもできる。
【0028】
さらに軟膏剤として使用する場合には、乳化剤や油剤(白色ワセリン、流動パラフィン)等を適宜添加することができる。
【0029】
上述したうち、好ましい投与形態や製剤等は、担当の医師によって選択される。
【0030】
また、、「食品」は、医薬以外のものであって、哺乳動物が経口摂取可能な形態のものであれば特に制限はなく、その形態も液状物(溶液、懸濁液、乳濁液など)、半液体状物、粉末、または固体成形物のいずれのものであってもよい。このため食品は、例えば飲料の形態であってもよく、また、サプリメントのような栄養補助食品の錠剤形態であってもよい。
【0031】
食品として具体的には、例えば、即席麺、レトルト食品、缶詰、電子レンジ食品、即席スープ・みそ汁類、フリーズドライ食品などの即席食品類;清涼飲料、果汁飲料、野菜飲料、豆乳飲料、コーヒー飲料、ジュース、茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、栄養飲料、アルコール飲料などの飲料類;パン、パスタ、麺、ケーキミックス、唐揚げ粉、パン粉などの小麦粉製品;飴、キャラメル、チューイングガム、チョコレート、クッキー、ビスケット、ケーキ、パイ、スナック、クラッカー、ようかん、和菓子、デザート菓子などの菓子類;ソース、トマト加工調味料、風味調味料、調理ミックス、たれ類、ドレッシング類、つゆ類、カレー・シチューの素類などの調味料;加工油脂、バター、マーガリン、マヨネーズなどの油脂類;乳飲料、牛乳、乳清飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料、プリン、アイスクリーム類、クリーム類などの乳製品;魚肉ハム・ソーセージ、水産練り製品などの水産加工品;畜肉ハム・ソーセージなどの畜産加工品;農産缶詰、ジャム・マーマレード類、漬け物、煮豆、シリアルなどの農産加工品;冷凍食品;栄養食品などが挙げられる。
【0032】
また、通常の食品原料として使用されているもの、すなわち、デキストリン、セルロース、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、ルブソサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料及び保存剤よりなる群から選択される1種以上を適宜配合してもよい。
【0033】
本発明において「食品」には、健康食品、機能性食品、特定保健用食品、栄養補助食品、疾病リスク低減表示が付された食品、栄養機能食品、または、病者用食品のような分類のものも包含される。さらに「食品」という用語は、ヒト以外の哺乳動物を対象として使用される場合には、飼料を含む意味で用いられうる。ここでいう特定保健用食品とは、体の生理学的機能などに影響を与える保健機能成分を含む食品で、血圧、血中のコレステロールなどを正常に保つことを助けたり、おなかの調子を整えるのに役立つなどの特定の保健の用途に資する旨を表示するものをいう。このような食品は、食品が疾病リスクを低減する可能性があること表示した食品、すなわち、疾病リスク低減表示を付した食品であってもよい。ここで、疾病リスク低減表示とは、疾病リスクを低減する可能性のある食品の表示であって、FAO/WHO合同食品規格委員会(コーデックス委員会)の定める規格に基づいて、またはその規格を参考にして、定められた表示または認められた表示でありうる。
【0034】
食品組成物の製造にあたっては、通常の食品の処方設計に用いられている糖類、香料、果汁、食品添加剤、安定剤などを適宜添加することができる。食品の製造は、当該技術分野に公知の製造技術を参照して実施することができる。
【実施例】
【0035】
以下、実施例を用いて本発明の好適な実施形態についてより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲が下記の実施例のみに限定して解釈されるべきではない。
【0036】
実施例1:カキ抽出物の調製
生牡蠣10gに対し精製水100mlを加え、80℃で2時間加温し抽出した。その後、濾過を行い、固形物を取り除き抽出液を得た。得られた抽出液を減圧濃縮した後、噴霧乾燥し、粉末状の抽出物1.1gを得た。
【0037】
評価方法
マウス筋芽細胞(C2C12)を10%ウシ胎児血清(FBS)含有DMEM培地を用い、6ウェルプレートに播種した。48時間培養後、培地を分化培地(1%ウマ血清(HS)含有DMEM培地)に交換した。その後培地は48時間ごとに交換した。分化開始から7日後、試験試料を100μg/mlの濃度(溶媒ジメチルスルホキシド(DMSO))で添加し、さらに3時間後、10μMのdexamethasone(Dex.)を添加した。dexamethasoneを添加してから18時間後、培地を除去し、細胞をPBSで洗浄した。続いて、Rneasy Mini Kitを用いてトータルRNAを抽出、精製し、PrimeScript(登録商標) RT reagent KitにてcDNAを合成した。筋萎縮の指標としてatrogin−1のmRNA発現量、内部標準としてβ−2ミクログロブリン(B2M)のmRNA発現量をリアルタイムPCR法により測定し、筋萎縮抑制効果をatrogin−1 mRNA発現量/B2M mRNA発現量で評価した。
【0038】
結果を
図1に示す。
【0039】
図1においてDMSOとあるのは、試験試料添加時に試験試料を添加する代わりに溶媒のDMSOのみを添加したサンプルである。また、Dex.10μMとあるのは、10μMのdexamethasoneを添加した試料である。
【0040】
図1より、dexamethasone10μMの添加により、atrogin−1のmRNA発現量は増加するが、カキの添加により、atrogin−1のmRNA発現量が抑制されることがわかる。