(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記イベント処理手段は、前記データ記憶手段に記憶された前記別のユーザのアプリケーション用データが所定の条件を満たす場合に前記第2イベント処理を実行する、請求項1に記載の情報処理プログラム。
前記所定の条件は、以前に前記第2イベント処理が実行されたときに用いられた前記別のユーザのアプリケーション用データの少なくとも一部が更新された場合である、請求項2に記載の情報処理プログラム。
前記イベント処理に用いられる前記別のユーザのアプリケーション用データは、当該別のユーザが前記所定のアプリケーションプログラムを実行した場合に内部的に更新されるデータである、請求項1に記載の情報処理プログラム。
前記所定のアプリケーションプログラムは、身体の能力向上を促すトレーニング処理を実行するアプリケーションプログラムである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の情報処理プログラム。
前記イベント処理手段は、ユーザの自己のアプリケーション用データと、前記受信したアプリケーション用データおよび前記別のユーザのアプリケーション用データの少なくとも一方のデータとの比較に基づく勝敗判定処理を実行する判定手段を含む、請求項6記載の情報処理プログラム。
前記データ記憶手段は、ユーザが前記所定のアプリケーションプログラムを所定回数実行する毎に、当該ユーザの入力に応じて前記アプリケーション用データを記憶する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の情報処理プログラム。
前記データ通信手段は、前記複数のユーザそれぞれのアプリケーション用データを前記他の情報処理装置に対してまとめて送信する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の情報処理プログラム。
【発明を実施するための形態】
【0022】
この実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0023】
本例においては、情報処理装置の一例として携帯型の携帯ゲーム装置を例に挙げて説明する。
【0024】
<携帯ゲーム装置の構成>
図1は、本実施の形態に従う携帯ゲーム装置10の構成の概略ブロック図である。なお、他の携帯ゲーム装置についても同様の構成であるためその詳細な説明は省略する。
【0025】
図1を参照して、携帯ゲーム装置10は、入力装置11と、表示装置12と、プロセッサ13と、内部記憶装置14と、メインメモリ15と、および無線通信装置16とを含む。
【0026】
入力装置11は、携帯ゲーム装置10のユーザによって操作され、ユーザの操作に応じた信号をプロセッサ13へ出力する。入力装置11は、例えば、十字スイッチや押しボタンやタッチパネルである。
【0027】
表示装置12は、携帯ゲーム装置10において生成された画像を画面に表示する。表示装置12は、一例として液晶表示装置(LCD)を用いることができる。
【0028】
プロセッサ13は、コンピュータプログラムを実行するための演算処理手段である。
内部記憶装置14には、プロセッサ13によって実行されるコンピュータプログラムが格納されている。また、内部記憶装置14には、後述する交換用近距離通信において交換されるデータも格納される。内部記憶装置14は、一例として、NAND型フラッシュメモリを用いることができる。なお、プロセッサ13によって実行されるコンピュータプログラムは、予め記録されていてもよいし、他の機器との通信によって他の機器から取得されてもよい。
【0029】
メインメモリ15は、コンピュータプログラムや情報を一時的に記憶する。メインメモリ15は、一例としてPSRAM(Pseudo-SRAM)を用いることができる。
【0030】
無線通信装置16は、無線通信によって他の携帯ゲーム装置へ信号を送信したり、他の携帯ゲーム装置から信号を受信したりする。
【0031】
<交換用近距離通信の概要>
以下、本実施の形態に従う携帯ゲーム装置同士のデータ通信について説明する。
【0032】
本実施の形態において、携帯ゲーム装置10は、交換用近距離通信を用いることで、所定のアプリケーションプログラム(以下ではその一例として、所定のゲーム)で利用可能なアプリケーション用データを交換できる。ここで、交換用近距離通信とは、近距離に存在する他のゲーム装置10、例えば、近距離無線通信の通信範囲内に存在する不特定の他の携帯ゲーム装置10を繰り返し探索し、探索の結果、見つかった他の携帯ゲーム装置10に対して、内部記憶装置14に格納された所定のデータ(以下、交換用データ)を自動的に送信するとともに、当該他の携帯ゲーム装置10の内部記憶装置14に格納された交換用データを当該他の携帯ゲーム装置10から自動的に受信する通信をいう。当該交換用近距離通信は、例えば、携帯ゲーム装置10を所持しているユーザ同士がすれ違った際に行われる。また、上記交換用データは、ユーザの操作等に基づいて作成されて予め内部記憶装置14の所定の領域に記憶される。
【0033】
所定のゲームの例としては、一例として携帯ゲーム装置10において身体の能力向上を促すトレーニング処理を実行するものとする。たとえば、人間の身体の一部に有効な作用を及ぼすトレーニング処理が挙げられる。具体的には、記憶力等を向上させる脳のトレーニング処理や、動体視力等を向上させる目のトレーニング処理等、種々のものが挙げられる。
【0034】
交換用データの例としては、一例として、所定のゲームでトレーニング処理を実行した結果の記録データを含めることが可能である。たとえば、当該トレーニング処理に関する進捗状況を示すデータが挙げられる。具体的には、当該トレーニングの段階(レベル)、トレーニングの感想、トレーニングの期間等を含めることが可能である。
【0035】
また、本実施の形態においては、所定のアプリケーションプログラムは、1つのゲーム装置10において、複数のユーザがそれぞれ実行可能であり、交換用データにはそれぞれのユーザのデータを格納することが可能であるものとする。
【0036】
また、本実施の形態において、この交換用データを用いて送受信する通信が行われるのは、互いに同じゲームのデータが内部記憶装置14に記憶されている場合である。
【0037】
図2は、本実施の形態に従う交換用近距離通信を実行する場合を説明する図である。
図2を参照して、本例においては、一例として、ユーザが、携帯ゲーム装置10を所持して外出する場合を想定する。
【0038】
ここで、携帯ゲーム装置Pは、ユーザAおよびBの共用の装置として利用されているものとする。また、携帯ゲーム装置Qは、ユーザCが所持する装置として利用されているものとする。
【0039】
そして、所定のアプリケーションプログラムであるゲームXは、複数のユーザがそれぞれ実行可能であり、ゲーム装置PにおいてユーザAおよびBがそれぞれゲームXを実行した結果、ゲームX用の交換用データ(ユーザA,B)が内部記憶装置14に格納される。
【0040】
また、ゲーム装置QにおいてユーザCがゲームXを実行した結果、ゲームX用の交換用データ(ユーザC)が内部記憶装置14に格納される。
【0041】
そして、互いのユーザが所持しているゲーム装置PおよびQがすれ違った際に交換用近距離通信が行われた結果、互いの交換用データを用いて送受信する通信が実行される。
【0042】
本例においては、ゲーム装置PおよびQにおいて、ゲームX用の交換用データに含まれるユーザAおよびBの記録データと、ゲームX用の交換用データに含まれるユーザCの記録データとを用いて互いに送受信する通信が示されている。
【0043】
これによりゲーム装置Pには、ゲームX用の記録データ(ユーザA、ユーザB)に加えてゲーム装置Qから取得した記録データ(ユーザC)が保持された状態となる。
【0044】
一方、ゲーム装置Qには、ゲームX用の記録データ(ユーザC)に加えて、ゲームX用の記録データ(ユーザA,B)が保持された状態となる。
【0045】
そして、ゲーム装置PにおいてゲームXをユーザAが実行した場合、ゲームX内で他のユーザのデータに基づくイベント処理が実行される。
【0046】
具体的には、一例として、ゲーム装置Pにおいて、すれ違った際に交換用近距離通信の結果、ゲーム装置Qから取得したゲームX用の記録データ(ユーザC)に基づくイベント処理と、同じゲーム装置Pを利用しているユーザBのゲームX用の記録データ(ユーザB)に基づくイベント処理が実行される。
【0047】
したがって、すれ違った際に交換用近距離通信により取得した他のユーザのデータに基づくイベント処理とともに、共用している他のユーザ(たとえば家族)のデータに基づくイベント処理を実行することが可能である。
【0048】
このイベント処理の例としては、例えば、ゲームXの起動直後において、キャラクタを登場させて、当該キャラクタが他のユーザの記録データに含まれる自己紹介やゲームXの感想等に関するコメントを語ったりすること等が挙げられる。また、ゲーム内で他のユーザの記録データと自己のユーザの記録データとに基づいて対戦したりすること等が挙げられる。
【0049】
図3は、本実施の形態に従う交換用近距離通信を実行しない場合を説明する図である。
図3を参照して、携帯ゲーム装置Pは、ユーザAおよびBの共用の装置として利用されているものとする。また、携帯ゲーム装置Qは、ユーザCが所持する装置として利用されているものとする。
【0050】
そして、所定のアプリケーションプログラムであるゲームXは、複数のユーザがそれぞれ実行可能であり、ゲーム装置PにおいてユーザAおよびBがそれぞれゲームXを実行した結果、ゲームX用の交換用データ(ユーザA,B)が内部記憶装置14に格納される。
【0051】
一方、ゲーム装置Qにおいて、ユーザCがゲームXと異なるゲームYを実行した結果、ゲームY用の交換用データ(ユーザC)が内部記憶装置14に格納される。ここで、ゲーム装置Qには、ゲームX用の交換用データは格納されていないものとする。
【0052】
そして、互いのユーザが所持しているゲーム装置PおよびQがすれ違った際、交換用近距離通信は発生しても、同一のゲームではないためゲームXあるいはゲームYの交換用データに含まれている記録データの送受信は行われない。つまり、交換用近距離通信は発生したが、ゲーム装置Pは、ゲーム装置Qから記録データを取得しない。ゲーム装置Qについても同様である。
【0053】
本例においては、当該処理においても、ゲーム装置PにおいてゲームXをユーザAが実行した場合、ゲームX内で他のユーザのデータに基づくイベント処理が実行される。
【0054】
具体的には、一例として、ゲーム装置Pにおいて、すれ違った際に交換用近距離通信の結果、ゲーム装置Qからは取得しなかったが、同じゲーム装置Pを利用しているユーザBのゲームX用の記録データ(ユーザB)に基づくイベント処理が実行される。
【0055】
したがって、すれ違った際に交換用近距離通信によりデータを取得しない場合であったとしても共用している他のユーザ(たとえば家族)のデータに基づくイベント処理を実行することが可能である。すなわち、交換用近距離通信によりデータを取得した場合、あるいは取得しなかった場合のいずれの場合においても他のユーザのデータに基づくイベント処理を実行することが可能であるためイベント処理の機会が増えアプリケーションプログラムの興趣性を高めることが可能である。
【0056】
なお、後述するが同じゲーム装置Pを利用しているユーザBのゲームX用の記録データ(ユーザB)に基づくイベント処理は所定条件を満たす場合とすることが可能である。所定条件としては更新フラグのオンオフに基づいて判断する。当該更新フラグのオンオフについては後述するが、当該更新フラグは、他のユーザが所定のアプリケーションプログラムであるゲームXを実行することにより他のユーザの記録データが更新されたことを示すものである。
【0057】
当該イベント処理は、他のユーザと擬似的に接触する機会であり、当該機会が増加することにより所定のアプリケーションプログラムを実行する仲間意識を高めて継続的に当該所定のアプリケーションプログラムの実行を促すことが可能であり、継続的な使用が望ましいトレーニング処理において有用である。
【0058】
図4は、本実施の形態に従う携帯ゲーム装置10のメインメモリ15に格納されるプログラムおよび情報の一例を説明する図である。
【0059】
図4を参照して、交換用近距離通信用データ201は、交換用近距離通信プログラム202、交換用データ203を含む。
【0060】
交換用近距離通信用データ201は、必要に応じて内部記憶装置14からメインメモリ15へロードされる。
【0061】
交換用近距離通信プログラム202は、交換用近距離通信を実行するためのプログラムである。
【0062】
交換用データ203は、当該データに関連する所定のアプリケーションプログラム(ゲーム)を示すデータである関連アプリID204、交換用近距離通信において送信対象となる記録データ等である送信データ205、および、交換用近距離通信において他の携帯ゲーム装置10から受信した記録データ等である受信データ206から構成される。
【0063】
当該交換用データ203は、後述する交換用データ設定処理の際に設定される。
また、本例においては送信データ205には、ユーザAおよびBの記録データがそれぞれ含まれている。
【0064】
また、ゲームデータ208は、ゲーム処理を実行するためのゲームプログラム209および各ユーザ用保存記録データ211,212を含む。当該ゲームデータ208は、内部記憶装置14からメインメモリ15へロードされてもよいし、外部記憶装置から読み込まれてメインメモリ15にロードされてもよいし、他の携帯ゲーム装置10またはサーバ装置から受信されてメインメモリ15にロードされてもよい。
【0065】
ゲームプログラム209は、後述するようなゲーム処理を実行するためのプログラムである。
【0066】
ユーザA用保存記録データ211およびユーザB用保存記録データ212は、ゲームのセーブデータの一部としてユーザAおよびBがそれぞれ当該ゲームを実行した結果である記録データ等を含む。なお、ユーザA用保存記録データ211(ユーザB用保存記録データ212)は、ユーザA(ユーザB)がゲームを実行するのに先立って登録を行った場合に作成され、ユーザA(ユーザB)でゲームを実行する場合に用いられる。
【0067】
図5は、本実施の形態に従うユーザ用保存記録データを説明する図である。
図5を参照して、ここでは、ユーザA用保存記録データ211およびユーザB用保存記録データ212が示されている。
【0068】
具体的には、ユーザ用保存記録データは、ユーザ名、レベル、所定のアプリケーションプログラムに対するコメント、更新フラグおよび実行回数に関する情報を含む。
【0069】
レベルは、所定のアプリケーションプログラムに従うゲーム処理の段階(レベル)を示すものである。
【0070】
更新フラグは、他のユーザ(たとえば家族)のデータに基づくイベント処理の実行の有無を判断するために用いられるフラグであり、当該更新フラグは、必要に応じてオンあるいはオフとされる。すなわち、更新フラグがオンの場合に他のユーザのデータに基づくイベント処理が実行され、イベント処理後に当該更新フラグはオフとされる。
【0071】
当該更新フラグに関して、具体的には、他のユーザ毎にオン/オフの情報が格納される。
【0072】
一例として、本例においては、ユーザA用保存記録データ211には、ユーザBに関する更新フラグのオン/オフの情報が格納される。また、ユーザB用保存記録データ212には、ユーザAに関する更新フラグのオン/オフの情報が格納される。さらに別のユーザが存在する場合には当該別のユーザに関する更新フラグがそれぞれのユーザ用保存記録データに格納される。
【0073】
実行回数は、ゲーム処理を実行した回数である。なお、当該実行回数はクリアされた場合に初期値に戻るものとする。
【0074】
図6は、本実施の形態に従う交換用近距離通信処理を説明するフロー図である。
図6を参照して、当該交換用近距離通信処理は、携帯ゲーム装置10のプロセッサ13および無線通信装置16等が協働することによって実行される。この処理は、例えば携帯ゲーム装置10がいわゆるスリープ状態(スタンバイ状態などと呼ばれることもある)のときに、バックグラウンド処理として実行される処理である。
【0075】
例えば、スリープ中は、基本的には無線通信装置16が主体となって動作し、必要に応じて一時的にプロセッサ13のスリープが解除され、プロセッサ13が一時的に実行主体となる等の制御が行われる(例えば、他の携帯ゲーム装置の探索処理は無線通信装置16で行い、データの送受信はプロセッサ13で行う等)。その他、例えば、プロセッサ13とは別に低消費電力で動作可能な第2のプロセッサを備えるようにし、スリープ中は当該第2のプロセッサが実行主体となるようにしてもよい。また、本処理は、スリープ状態でない場合でも、ユーザの指示操作などによって適宜実行されても良い。
【0076】
まず、他の携帯ゲーム装置10の探索処理が実行される(ステップS1)。これは、例えば、携帯ゲーム装置10がそれぞれ、接続要求を示すビーコンの送信処理、および、このビーコンの受信処理を繰り返すことにより実行される。
【0077】
次に、上記探索の結果、通信可能範囲内に他の携帯ゲーム装置10が存在しているか否かが判定される(ステップS2)。例えば、上記送信したビーコンに対して所定時間内に他の携帯ゲーム装置10からの応答信号を受信した場合や、他の携帯ゲーム装置10からの上記ビーコンを受信した場合に、肯定と判定される。
【0078】
ステップS2において、通信可能範囲内に他の携帯ゲーム装置10が存在していなかったと判断した場合(ステップS2においてNO)には、上記ステップS1に戻り処理が繰り返される。
【0079】
一方で、ステップS2において、通信可能範囲内に他の携帯ゲーム装置10が存在していたと判断した場合(ステップS2においてYES)には、交換用近距離通信を行うための通信路を確立する処理が実行される(ステップS3)。
【0080】
そして、次に、通信路が確立した場合に、上記関連アプリID204の送受信が行われ、お互いに同じ関連アプリID204を有しているか否かが判定される(ステップS4)。つまり、双方とも、同じゲームの交換用データ203が準備されているか否かが判定されることになる。
【0081】
ステップS4において、双方が同じ関連アプリID204を有していると判定した場合(ステップS4においてYES)には、送信データ205の送信処理、および、他の携帯ゲーム装置から送られたデータを受信データ206として受信して格納する処理を実行する(ステップS5)。具体的には、送信データ205としてユーザAおよびBの記録データが含まれている場合には、当該記録データを一括して送信する処理が実行される。すなわち、たとえば家族分の記録データがまとめて送信される。また、受信データ206としてユーザCの記録データを受信する。
【0082】
そして、交換用近距離通信を切断するための処理が実行される(ステップS7)。その後、上記ステップS1に戻り、例えばスリープ状態が解除されるまで、上記処理が繰り返される。
【0083】
一方、双方が同じ関連アプリID204を有していないと判定した場合(ステップS4においてNO)には、上記ステップS5の処理はスキップされてステップS7に進み、交換用近距離通信を切断するための処理が実行される(ステップS7)。その後、上記ステップS1に戻り、例えばスリープ状態が解除されるまで、上記処理が繰り返される。したがって、同一のゲームではない場合には、交換用データを用いた送受信は行われない。
【0084】
図7は、本実施の形態に従う携帯ゲーム装置10のゲーム処理の流れについて説明するフロー図である。
【0085】
図7を参照して、当該ゲーム処理は、携帯ゲーム装置10のプロセッサ13によって実行される。このゲームは、一例として例えば身体の能力向上を促すトレーニング処理を実行するものであり、たとえばクイズや、パズル等の問題を提示する脳のトレーニング処理等が挙げられる。当該トレーニング処理は、問題の難しさ、複雑さ等に基づいて複数段階のレベルが設けられており、ユーザがトレーニング処理の所定の条件を満たすことによりユーザのレベルが上昇するものとする。なお、所定の条件を満たさない場合には、ユーザのレベルを下降させるようにしても良い。
【0086】
まず、特定のユーザでゲームプログラム209の実行が開始されると、まず、ゲーム処理の実行回数をインクリメントする(ステップS9)。ゲーム処理の実行回数は、後の実行回数の判断の際に用いられる。
【0087】
次に、交換用データ203の受信データ206が参照され、交換用データ203に交換用近距離通信で得られた記録データが有るかどうかが判断される(ステップS10)。
【0088】
次に、ステップS10において交換用データ203の受信データ206に取得した記録データが有ると判断した場合(ステップS10においてYES)には、交換用近距離通信で得られた記録データを取得する(ステップS12)。
【0089】
そして、次に、取得した記録データに基づくイベント処理を実行する(ステップS14)。当該イベント処理については後述する。なお、当該イベント処理を実行した場合には、交換用データ203の受信データ206から取得した記録データを削除するようにしても良い。
【0090】
また、受信データ206に複数の取得した記録データが有る場合には、それぞれについて記録データに応じたイベント処理を実行するものとする。
【0091】
次に、ユーザ用保存記録データに格納されている他のユーザの更新フラグがオンしているかどうかを判断する(ステップS16)。当該更新フラグは他のユーザ毎に設けられており、それぞれ他のユーザ毎に判断される。
【0092】
ステップS16において、他のユーザの更新フラグがオンしていると判断した場合(ステップS16においてYES)には、装置を利用している更新フラグがオンしている他のユーザ(たとえば家族)の記録データを取得する(ステップS18)。一例として交換用データ203の送信データ205に含まれている更新フラグがオンしている他のユーザ(たとえば家族)の記録データを取得する。
【0093】
そして、次に、取得した記録データに基づくイベント処理を実行する(ステップS20)。当該イベント処理は、ステップS14で実行するイベント処理と同一のイベント処理である。
【0094】
次に、オンしている他のユーザの更新フラグをオフする(ステップS22)。具体的には、ユーザ用保存記録データに含まれている更新フラグをオフにする。
【0095】
なお、ユーザ用保存記録データに格納されている複数の他のユーザの更新フラグがオンしている場合には、更新フラグがオンしているものについてステップS16〜S22の処理を繰り返すものとする。
【0096】
なお、ステップS10〜14の処理と、ステップS16〜S22の処理との順番を入れ替えるようにすることも可能である。
【0097】
なお、本例においては、イベント処理として、送信データ205に含まれている他のユーザの記録データを用いる場合について説明するが、当該記録データは、ユーザ用保存記録データに基づいて作成されるものであり、他のユーザのユーザ用保存記録データに含まれている記録データを用いてイベント処理を実行することも可能である。
【0098】
次に、ゲーム処理を所定回実行したかどうかを判断する(ステップS24)。たとえば、本例においては、所定回数として5回に設定されているものとする。
【0099】
ステップS24において、ゲーム処理を所定回数実行したと判断した場合(ステップS24においてYES)には、回数をクリアする(ステップS26)。たとえば、初期値0に戻すようにしても良い。
【0100】
そして、次に、交換用データを設定する交換用データ設定処理を実行する(ステップS28)。本例においては、一例として5回ゲーム処理を実行した場合に交換用データを設定する処理が実行される。交換用データ設定処理の詳細については後述する。
【0101】
そして、次に、その他の各種ゲーム処理を実行する(ステップS30)。たとえば、ゲーム処理として、クイズや、パズル等の問題を提示する脳のトレーニング処理等が実行される。
【0102】
一方、ステップS24において、ゲーム処理を所定回数実行していないと判断した場合(ステップS24においてNO)には、ステップS26およびS28をスキップしてステップS30に進む。次に、ステップS30においてその他の各種ゲーム処理を実行する。
【0103】
そして、次に、記録データが所定条件を満たしたかどうかを判断する(ステップS32)。具体的には、所定条件として、ゲーム処理であるトレーニング処理の結果である記録データが前回の記録を更新したかどうかが判断される。たとえば、トレーニング処理の段階(レベル)が上がった場合等が挙げられる。
【0104】
ステップS32において、記録データが所定条件を満たしたと判断した場合(ステップS32においてYES)には、交換用データ設定処理を実行する(ステップS34)。本例においては、一例として所定回数ゲーム処理を実行した場合以外に、記録データが所定条件を満たした場合にも交換用データを設定する処理が実行される。交換用データ設定処理の詳細については後述するが、当該交換用データ設定処理においては、後述するステップS50(
図10参照)のコメント設定処理を行わないものとする。なお、ステップS28と同様の処理を実行するようにしても良い。
【0105】
ステップS32において、記録データが所定条件を満たしていないと判断した場合(ステップS32においてNO)には、ステップS34をスキップして、ゲームを終了するかどうかを判断する(ステップS36)。たとえば、ユーザが終了を指示したかどうかに基づいて判断することが可能である。
【0106】
ステップS36において、ゲームを終了すると判断した場合(ステップS36においてYES)には、処理を終了する(エンド)。
【0107】
一方、ステップS36において、ゲームを終了しないと判断した場合(ステップS36においてNO)には、ステップS30に戻り、他の各種ゲーム処理を実行する。そして、上記の処理を繰り返す。
【0108】
図8は、本実施の形態に従うイベント処理について説明するフロー図である。
図9は、本実施の形態に従う記録データに基づく表示処理の一例を説明する図である。
【0109】
図8を参照して、まず、記録データに基づく表示処理を実行する(ステップS40)。
図9(A)を参照して、ここでは、たとえば、記録データに基づいて当該記録データに含まれているユーザ名等を用いたキャラクタの自己紹介の画面が示されている。当該キャラクタが登場することにより他のユーザも当該所定のアプリケーションプログラムを実行するユーザとして擬似的に登場させて仲間意識を強めることが可能である。
【0110】
図9(B)を参照して、次に、たとえば、記録データに基づいて当該記録データに含まれているユーザの当該ゲームの感想等のコメントを表示した画面が示されている。当該コメントを表示することにより他のユーザの当該所定のアプリケーションプログラムに対する感想を見ることが可能であり、仲間意識を強めたり、あるいは当該所定のアプリケーションプログラムに対する満足度や、ゲームに対するやる気を高めたりすることが可能である。
【0111】
再び、
図8を参照して、次に、記録データの比較処理の指示が有ったかどうかを判断する(ステップS42)。
【0112】
ステップS42において、記録データの比較処理の指示が有ったと判断した場合(ステップS42においてYES)には、記録データの比較判定処理を実行する(ステップS44)。そして、次に、比較判定処理に基づく勝敗表示処理を実行する(ステップS46)。
【0113】
そして、処理を終了する(リターン)。
一方、ステップS42において、記録データの比較処理の指示が無かったと判断した場合(ステップS42においてNO)には、スキップして処理を終了する(リターン)。
【0114】
図9(C)を参照して、ここでは、記録データの比較処理を促すすなわち、対戦を促す画面が表示されている。具体的には、「対決します?」との問いかけに対して比較処理の指示を意味する「YES」または比較処理の拒絶を意味する「NO」の選択が可能な場合が示されている。
【0115】
当該「対決します?」との問いかけに対して「YES」または「NO」の選択に従い、たとえば、「YES」を選択した場合には、自己の記録データと他のユーザの記録データとのデータ比較に基づく勝敗判定処理が実行される。
【0116】
図9(D)を参照して、ここでは、比較判定処理に基づく勝敗表示処理の画面が示されている。
【0117】
具体的には、自己の記録データと他のユーザの記録データとを比較して勝ち負けを示す場合が示されている。本例においては、自己の記録データとして、レベルがLV4であり、他のユーザの記録データとしてLV3である場合が示されている。自己の記録データの方が他のユーザの記録データよりもレベルが高いため自己(あなた)の勝ちとして示されている。
【0118】
当該他のユーザとの対戦処理により所定のアプリケーションプログラムに対するやる気を起こさせたり、ゲームの興趣性を高めたりすることが可能である。
【0119】
次に、交換用データ設定処理について説明する。
図10は、本実施の形態に従う交換用データ設定処理のフロー図である。
【0120】
図10を参照して、まず、コメント設定処理を実行する(ステップS50)。
図11は、本実施の形態に従うコメント設定処理の画面を説明する図である。
【0121】
図11を参照して、ここでは、ユーザが所定のアプリケーションプログラム(ゲーム)に対する感想をコメントとして設定可能な画面が示されている。
【0122】
具体的には、トレーニング処理の感想として「すごく楽しい」、「楽しい」、「普通」との3つの選択肢の中からいずれかのコメントを設定可能な場合が示されている。なお、一例として3つの選択肢を例に挙げて説明したが、特にこれに限られる訳ではなく、さらに2つでもよいし、さらに複数の選択肢を設けるようにすることも当然に可能である。
【0123】
また、ここでは、予め選択肢の候補をデフォルトで決めておく場合について説明しているが、特に当該方式に限られず、ユーザが入力によりコメントを自由に作成できるようにしてもよい。感想には、トレーニング処理の効果等、ユーザが他のユーザに伝達したい情報等も含まれる。
【0124】
当該設定されたコメント内容は、ユーザ用保存記録データに含められる。
なお、当該コメントのパターンを複数用意しておいて、コメント設定処理の回数に従って順番にコメントのパターンを切り替えるようにしても良い。
【0125】
再び、
図10を参照して、次に、交換用データを設定する(ステップS52)。
具体的には、ユーザ用保存記録データを参照して、上記設定したコメントおよびゲームを実行した結果である記録データ等を交換用データの送信データに設定する。なお、前回設定したデータが有る場合には上書き更新することが可能である。
【0126】
次に、他のユーザのユーザ用保存記録データに含まれている更新フラグをオンに設定する(ステップS54)。
【0127】
具体的には、他のユーザのユーザ用保存記録データに含まれる自己のユーザに対応する更新フラグをオンに設定する。たとえば、ユーザAが所定のアプリケーションプログラムを実行して、交換用データ設定処理が実行された場合にユーザB用保存記録データに含まれているユーザAの更新フラグをオンに設定する。
【0128】
当該処理により他のユーザ(たとえばユーザB)が当該所定のアプリケーションプログラムを実行した場合には、当該他のユーザ以外のユーザ(たとえばユーザA)の更新フラグがオンになっているため装置を利用している当該他のユーザ以外のユーザ(たとえばユーザA)の記録データに基づいてイベント処理が実行されることになる。
【0129】
そして、処理を終了する(リターン)。
このように、本実施の形態では、ゲーム処理を所定回数実行した場合(一例として5回)あるいは記録データが所定条件を満たした場合(前回の記録を更新)に交換用データ設定処理が実行される。そして、設定された交換用データの記録データについて他の携帯ゲーム装置との間で送受信することにより他の携帯ゲーム装置から取得した交換用データを用いたイベント処理を実行することが可能である。また、所定条件が満たされた場合(他のユーザの更新フラグがオン)に同じ携帯ゲーム装置を利用する他のユーザの交換用データを用いたイベント処理を実行することが可能である。すなわち、他のユーザが前回の記録を更新あるいはコメントを設定等してユーザ用保存記録データの一部が内部的に更新された場合に当該データを用いたイベント処理が実行されることになる。
【0130】
これにより、すれ違った際に交換用近距離通信によりデータを取得したか否かに関わらず、所定条件が満たされているか否かに応じて共用している他のユーザ(たとえば家族)の交換用データに基づくイベント処理を実行することが可能であるためイベント処理の機会が増えアプリケーションプログラムの興趣性を高めることが可能である。
【0131】
また、上記実施形態では、
図6〜8および
図10に示した複数の処理を1台の情報処理装置(携帯ゲーム装置10)において実行しているが、他の実施形態では、これらの複数の処理を複数の情報処理装置(例えば、携帯ゲーム装置10とサーバ装置)が分担して実行してもよい。また、
図6〜8および
図10に示した複数の処理は、1つのコンピュータ(プロセッサ13)で実行されてもよいし、複数のコンピュータで分担して実行されてもよい。さらには、これらの複数の処理の一部または全部を専用回路によって実現してもよい。
【0132】
なお、上記の交換用近距離通信処理については、互いに近距離に存在する携帯ゲーム装置10同士の直接的な接続による通信の他、次のような手法で互いに近距離に存在する携帯ゲーム装置10同士の通信を行うようにしても良い。例えば、携帯ゲーム装置10がGPSを搭載しているとする。ゲーム装置は、GPSで取得した位置情報データ、位置情報データを取得したときの日時情報データ、およびアプリケーション用データを所定のサーバに送信する。サーバでは、複数の携帯ゲーム装置から送信された位置情報データ日時情報データを用いて、ある時間帯において、所定距離以内まで接近した携帯ゲーム装置10を判定、抽出する。つまり、サーバ上において、各携帯ゲーム装置10からの位置情報を用いて各携帯ゲーム装置10がすれちがったか否かを判別する。そして、すれちがったと判別された携帯ゲーム装置10に対してアプリケーション用データが互いに交換されるように、サーバから各携帯ゲーム装置に対してアプリケーション用データを送信するようにしてもよい。
【0133】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。