(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記初期参照レイヤの映像は、前記参照視点映像と前記ホールマップとの間の論理積演算を行うことによって生成されることを特徴とする請求項4に記載の映像処理方法。
第1ピクセルの第1視差が前記第1ピクセルに左側に隣接する第2ピクセルの第2視差よりも第1閾値以上に大きい場合、前記第1ピクセルから右側に前記第1視差と前記第2視差との間の差に比例する数だけのピクセルが前記ホールに設定され、
第1ピクセルの第1視差が前記第1ピクセルに右側に隣接する第3ピクセルの第3視差よりも第2閾値以上に大きい場合、前記第1ピクセルから左側に前記第1視差と前記第3視差との間の差に比例する数だけのピクセルが前記ホールに設定されることを特徴とする請求項4に記載の映像処理方法。
前記初期参照レイヤの映像は、前記参照視点映像と前記ホールマップとの間の論理積演算を行うことによって生成されることを特徴とする請求項15に記載の映像処理装置。
第1ピクセルの第1視差が前記第1ピクセルに左側に隣接する第2ピクセルの第2視差よりも第1閾値以上に大きい場合、前記第1ピクセルから右側に前記第1視差と前記第2視差との間の差に比例する数だけのピクセルが前記ホールに設定され、
第1ピクセルの第1視差が前記第1ピクセルに右側に隣接する第3ピクセルの第3視差よりも第2閾値以上で大きい場合、前記第1ピクセルから左側に前記第1視差と前記第3視差との間の差に比例する数だけのピクセルが前記ホールに設定されることを特徴とする請求項15に記載の映像処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付する図面を参照しながら実施形態を詳細に説明する。しかし、発明の範囲が説明された実施形態によって制限されたり限定されることはない。各図面に提示された同一の参照符号は同一の部材を示す。
【0023】
下記において、用語「ビュー」は映像及び前記映像に関連する視差情報を含む。ビューは視差情報を有する映像を意味する。
【0024】
ビューの映像は(例えば、2次元)ピクセルから構成されてもよい。視差情報は、ピクセルそれぞれの視差(または、視差値)を含む。視差情報は映像内のピクセルの視差を意味する。
【0025】
入力ビューは、入力情報として用いられるビューを意味する。出力ビューは入力ビューに基づいて生成されたビューを意味する。入力ビューのうち、特定の出力ビューを生成するために用いられるビューを参照ビューのように命名する。内挿は参照ビューの間の映像を生成することを意味し、外挿は参照ビューの外側の映像を生成することを意味する。参照ビューの映像を前記映像の視差情報を用いて出力ビューの視点に応じてワーピング(warping)することで出力ビュー映像が生成される。
【0026】
ここで、ワーピングは映像内のピクセルそれぞれの座標を、前記映像の視差情報を用いてシフトすることを意味する。視差が大きいピクセルであるほど視差が小さいピクセルに比べて多くシフトされる。
【0027】
深度及び視差は、相互間に定数項(constant term)によって逆相関されてもよい。したがって、下記の実施形態において用語「深度」及び「視差」は相互交換されて用いられる。
【0028】
また、深度を視差に変換したり視差を深度に変換するステップまたは動作が下記の実施形態に付加される。
【0029】
図1は、一実施形態に係る映像処理方法のフローチャートである。ステップS110において、参照視点が決定される。
【0030】
参照視点は、後述される参照視点映像、参照視点視差情報、ホールマップ及び参照レイヤの視点であってもよい。すなわち、参照視点は、ホールマップ及び参照レイヤを生成する参照になる視点であり得る。参照視点を決定する方法の一実施形態について
図2及び
図3を参照して下記で詳細に説明する。
【0031】
ステップS122〜ステップS128において、1つ以上の入力ビューを用いて参照視点に対する参照レイヤ(すなわち、参照レイヤの映像及び参照レイヤの視差情報)が生成される。1つ以上の入力ビューそれぞれは映像及び前記映像に関連される視差情報を含んでもよい。ステップS122において、1つ以上の入力ビューを用いて参照視点映像及び参照視点視差情報が生成される。
【0032】
参照視点映像及び参照視点視差情報は、後述するホールマップ及び参照レイヤを生成するために用いられる。
【0033】
1つ以上の入力ビューそれぞれの視点のうち、中間の視点が参照視点として選択されてもよい。すなわち、少なくとも1つの入力ビューのうち他の入力ビューの間に位置する視点を参照視点として選択する。
【0034】
ステップS124において、参照視点に対するホールマップが生成される。
【0035】
ホールマップは、各視点における映像内で発生するホールに関する情報を参照視点映像で集めたでものである。複数の異なる視点それぞれで取得されたホール情報が参照視点映像に総合(aggregate)される。ここで、各視点における映像は後述する出力映像を意味する。
【0036】
ステップS126において、ホールマップ、参照視点映像及び参照視点視差情報を用いて初期参照レイヤが生成される。すなわち、複数の異なる視点それぞれで取得されたホール情報が参照視点映像に総合されてもよい。
【0037】
初期参照レイヤは、参照視点映像(または、参照視点映像及び参照視点視差情報)内にホール成分が生成されたものある。
【0038】
ステップS128において、初期参照レイヤ内のホールに対するホール復元を行うことによって参照レイヤ(すなわち、参照レイヤの映像及び参照レイヤの視差情報)が生成される。すなわち、初期参照レイヤのホールは参照レイヤを生成することによって復元されてもよい。
【0039】
参照視点映像及び参照視点視差情報を用いて参照レイヤが生成される過程について
図4を参照して下記で詳細に説明する。
【0040】
ステップS126及びステップS128によって、ホールマップ、参照視点映像及び参照視点視差情報を用いて各出力映像内のホールに対するホール復元を行うために必要な情報を復元(または生成)する。
【0041】
ステップS130において、1つ以上の入力ビューを用いて出力視点(または、目的(target)視点)の映像が生成される。出力視点は、視聴者に提供されるためのターゲット視点を意味する。出力視点の映像はホールを含んでもよい。ステップS140において、参照レイヤ及び参照レイヤの視差情報を用いて出力視点の映像内のホールに対するホール復元を行う。ステップS150において、ホール復元が行われた後の出力視点の映像を出力する。ホールの復元された複数の出力視点映像が提供されてもよい。
【0042】
図2は、一実施形態に係る2つの入力ビューに基づいて参照視点を決定し、参照視点に対する映像及び視差を生成する方法を説明する。
図2に示す入力ビューは、第1入力ビュー210及び第2入力ビュー220である。
【0043】
第1入力ビュー210及び第2入力ビュー220はそれぞれステレオ(すなわち、2way)ビュー入力の左側入力ビュー及び右側入力ビューであってもよい。第1入力ビュー210及び第2入力ビュー220はそれぞれマルチビュー機器の2n個の入力ビューのうち、n番目の入力ビュー及びn+1番目の入力ビューであってもよい。ここで、nは「1」以上の整数であってもよい。第1入力ビュー210及び第2入力ビュー220は、1つ以上の入力ビューのうち中心に位置する2つの入力ビューであってもよい。すなわち、第1入力ビュー210及び第2入力ビュー220は他の入力ビューの間に位置する。
【0044】
第1入力ビュー210は、映像212及び視差情報214を含む。第2入力ビュー220は、映像222及び視差情報224を含む。
【0045】
参照視点は、第1入力ビュー210の視点及び第2入力ビュー220の視点の中心であってもよい。参照視点は全ての1つ以上の入力ビューのうち2つの選択された入力ビュー視点の中心であってもよい。
【0046】
参照視点ビュー230(すなわち、参照視点映像232及び参照視点視差情報234)は第1入力ビュー210及び第2入力ビュー220に基づいて生成される。例えば、参照視点ビュー230(すなわち、参照視点映像232及び参照視点視差情報234)は、第1入力ビュー210及び第2入力ビュー220のカラー/視差内挿によって生成される。
【0047】
例えば、参照視点ビュー230(すなわち、参照視点映像232及び参照視点視差情報234)は、第1入力ビュー210の映像212、第1入力ビュー210の視差情報214、第2入力ビュー220の映像222、及び第2入力ビュー220の視差情報224を使用するワーピングを行うことによって生成される。
【0048】
図3は、一実施形態に係る2n+1個の入力ビューに基づいて参照視点を決定し、参照視点に対する映像及び視差を生成する方法を説明する。
図3に示す入力ビューは奇数個の入力ビュー310、320、330である。
【0049】
1つ以上の入力ビューは2n+1個である。ここで、nは「0」以上の整数である。中心入力ビュー320(すなわち、n番目の入力ビュー)は映像322及び視差情報324を含む。参照視点は、1つ以上の入力ビューのうち中間に位置する入力ビューの視点であってもよい。2n+1個の入力ビューのうち、n番目の中心入力ビュー320の視点が参照視点になり得る。参照視点が1つ以上の入力ビューのうち特定のビューの視点と同一である場合、特定のビューが参照視点ビュー340に設定(または使用)される。また、特定のビューの映像が参照視点映像342に設定されてもよく、特定のビューの視差情報が参照視点視差情報344に設定されてもよい。例えば、参照視点が中心入力ビュー320の視点である場合、中心入力ビュー320が参照視点ビュー340に設定される。1つ以上の入力ビューが奇数個(すなわち、2n+1個)である場合、中心(すなわち、n番目の)入力ビュー320の映像322が参照視点映像342に設定され、中心入力ビュー320の視差情報324が参照視点視差情報344に設定される。
【0050】
図4は、一実施形態に係る参照視点映像及び参照視点視差情報を用いて初期参照レイヤ、初期参照レイヤの視差情報、参照レイヤ及び参照レイヤの視差情報を生成する過程を説明する。
図4に示す過程はマルチビューの生成にも用いられてもよい。
【0051】
図1〜
図3を参照して前述したように、1つ以上の入力ビュー410及び415に基づいて参照視点映像430及び参照視点視差情報435を生成する。
【0052】
参照視点ビュー420は参照視点映像430及び参照視点視差情報435を含む。参照視点映像430は前景432及び背景434を含む。一般に、前景432は背景434に比べて大きい視差(すなわち、さらに小さい深度)を有する。
【0053】
参照視点視差情報435は、前景432に関連する景視差情報436及び背景434に関連する背景視差情報438を含む。
【0054】
ホールマップ440は、各マルチビュー映像内で生成されたホールを参照視点に総合することによって取得されたデータに対応する。ホールマップ440は、ホールの部分442及び444及びホールではない部分446を含む。
【0055】
ホールマップ400はホールの部分442及び444は「0」と表現され、ホールではない部分446は「1」と表現される2進(binary)マップであってもよい。
【0056】
ホールマップ440を生成する具体的な方法の一実施形態については
図5〜
図8を参照して下記で詳細に説明する。
【0057】
初期参照レイヤ450は、ホールマップ440上のホールとして、示される領域を処理することによって取得されるイメージに対応する。初期参照レイヤ450は映像460及び視差情報470を含む。初期参照レイヤ450の映像460は、前景462、背景464及びホール466及び468を含む。
【0058】
初期参照レイヤ450の映像460は、参照視点映像430及びホールマップ440に基づいて生成される。例えば、参照視点映像430のうち、ホールの部分442及び444に対応する部分はホール466及び468である。参照視点映像430のうちホールではない部分446に対応する部分は前景462または背景464である。
【0059】
初期参照レイヤ450の視差情報470は参照視点視差情報435であってもよい。または、初期参照レイヤ450の視差情報470は参照視点視差情報435及びホールマップ440に基づいて生成される。例えば、視差情報470は、前景462に対応する前景視差情報472、背景464に対応する背景視差情報474及びホール476及び478を含んでもよい。
【0060】
初期参照レイヤ450の映像460は、参照視点映像430とホールマップ440との間の論理積(AND)演算を行うことにより生成される。参照視点映像430のうちホールマップ440の「0」(すなわち、ホールの部分442及び444)に対応する部分はAND演算を行うことによってホール466及び468である。参照視点映像430のうちホールマップ440の「1」(すなわち、ホールではない部分446)に対応する部分はAND演算によってその影響を受けることない。したがって、前記の部分は、AND演算が行われた後にも、前景462または背景464として続けて維持され得る。
【0061】
すなわち、参照視点映像430は、初期参照レイヤ450の映像460内のホールではない部分446に対応する前景462及び背景464に対してはそのまま用いられる。一方、映像内のホール466及び468はホールの部分442及び444に対応する。また、参照視点視差情報435は、初期参照レイヤ450の視差情報470内のホールではない領域446に対応する前景視差情報472及び背景視差情報474に対してはそのまま用いられる。ホールの部分442及び444に対応する視差情報470内の領域はホール476及び478である。
【0062】
初期参照レイヤ450の映像460に対するホール復元過程を介してホールの全てが充填された参照レイヤ480を生成する。参照レイヤ480は映像490及び視差情報495を含む。一般に、ホール復元過程を介してホールが充填されるために、映像490及び視差情報495はホールを有しなくてもよい。
【0063】
初期参照レイヤ450内のホールは、例えば、修復(inpainting)のような様々なホール充填(hole filling)方法を用いて充填されてもよい。
【0064】
例えば、初期参照レイヤ450内のホールに対するホール復元は、前記ホールに隣接する背景一部を用いて行われてもよい。初期参照レイヤ450の映像460内のホール466または468は、背景464のうちホール466または468に隣接する部分の情報(例えば、カラー)を用いて充填されてもよい。初期参照レイヤ450の視差情報470内のホール476または478は、背景視差情報474のうちホール476または478に隣接する部分の視差を用いて充填される。
【0065】
例えば、初期参照レイヤ450内のホールに対するホール復元は他の視点の入力ビュー(すなわち、他の入力ビューの映像及び視差情報)を使用して行われてもよい。
【0066】
参照レイヤは連続的に格納されるため、初期参照レイヤ450内のホールに対する復元は、時間的に先行する参照レイヤ(例えば、時間的に先行する参照レイヤの映像及び視差情報)を用いて行われる。例えば、時間的に先行する参照レイヤは映像データの以前フレームに対応する。
【0067】
初期参照レイヤ450の視差情報495内のホールに対するホール復元は、ホールの領域周囲の背景の視差を広めることによって行われる。
【0068】
図5は、一実施形態に係るホールマップの生成原理を説明する。出力映像内のホールは参照視点映像内の隣接する領域(例えば、互いに隣接する左側ピクセル及び右側ピクセル)の視差間の差によって発生する。
【0069】
ピクセルが自身の左側ピクセルに比べて大きい視差を有する場合(すなわち、ピクセルの視差からピクセルの左側ピクセルの視差を差し引いた値であるΔd
Lが「0」よりも大きい場合)、参照視点から左側方向にワーピングされた出力映像内でピクセルの左側にホールが発生することがある。
【0070】
ピクセルの自身の右側ピクセルに比べてより大きい視差を有する場合(すなわち、ピクセルの視差からピクセルの右側ピクセルの視差を差し引いた値であるΔd
Rが「0」よりも大きい場合)、参照視点から右側方向にワーピングされた出力映像内でピクセルの右側にホールが発生することがある。
【0071】
第1出力映像510は、参照視点ビュー420(または、参照視点映像430)が左側方向にワーピングされることによって生成される。第1出力映像510内では前景512の左側にΔd
L(例えば、20ピクセル)だけのホール516が発生する。第2出力映像520は参照視点ビュー420が右側方向にワーピングされることによって生成される。第2出力映像520内では前景522の右側にΔd
R(例えば、20ピクセル)だけのホール526が発生する。
【0072】
したがって、参照視点ビュー420内の隣接するピクセル間の視差を分析することによって、特定の視点の出力映像内で発生するホール領域を予測することができる。
【0073】
ホールマップ440は、参照視点ビュー420を特定の視点にワーピングすることによって生成されるホールを参照視点映像に集めたり総合させたもの見なすことができる。
【0074】
図6は、一実施形態に係るホールマップの生成方法を説明する。例えば、マルチビュー映像内における1つ以上の出力ビューが生成されるとき発生するホール領域を予測するために参照視点ビュー420内の各ピクセルの視差の差分(difference)を算出する。
【0075】
視差の差分は左側差分Δd
L及び右側差分Δd
Rを含む。左側差分は、ピクセルの左側に隣接するピクセル(以下、左側ピクセル)に対する差分である。右側差分は、ピクセルの右側に隣接するピクセル(以下、右側ピクセル)に対する差分である。
【0076】
参照視点視差情報435内の特定の水平線610の視差がグラフ620のように示される。
【0077】
グラフ620に示すような視差の差を用いて、参照視点映像430内の前景432によって隠された領域がホール領域として判断される。
【0078】
前景432によって隠された領域は、1)視差の左側差分、2)視差の右側差分、3)入力ビュー間の入力ベースライン、及び4)最外角出力ビューの視点間の距離に基づいて算出される。
【0079】
ホールマップ440は、参照視点映像430内のピクセルの視差間の差分(すなわち、Δd
L及びΔd
R)に基づいて生成される。前景によって隠された領域(すなわち、単独で設定されるピクセル)を判断する方法の一実施形態について下記で説明する。
【0080】
第1ピクセルの第1視差が第1ピクセルに左側に隣接する第2ピクセルの第2視差よりも閾値以上に大きい場合(すなわち、第1ピクセルのΔd
Lが閾値よりも大きい場合)、第1ピクセルから右側にα・Δd
L個だけのピクセルが単独に設定される。単独に設定されるピクセルの個数は第1視差と第2視差との間の差に比例する。αは定数である。
【0081】
第1ピクセルの第1視差が第1ピクセルに右側に隣接する第3ピクセルの第3視差よりも閾値以上に大きい場合(すなわち、第1ピクセルのΔd
Rが閾値よりも大きい場合)、第1ピクセルから左側にα・Δd
R個だけのピクセルが単独に設定される。単独に設定されるピクセルの個数は第1視差と第3視差との間の差に比例する。
【0082】
第1領域630及び第2領域640はピクセルの視差間の差分に基づいて生成されるホール領域(すなわち、前景432によって隠されたと判断される領域)を示す。
【0083】
第2グラフ650は差分Δd
LまたはΔd
R及びαに比例して第1領域630及び第2領域640が設定される(または算出される)方法を示す。
【0084】
αを算出する方法の一実施形態については、
図7を参照して下記で詳細に説明する。1つ以上のピクセルによって重複して単独に設定された領域は、1つのホール領域で格納されてもよい。
図7は、一実施形態に係る単独で設定されるピクセルの個数を決定する方法を説明する。
【0085】
入力ベースラインは、1つ以上の入力ビューのうち最左側入力ビュー710の視点と最右側入力ビュー720の視点との間の距離である。最左側出力ビュー730は、1つ以上の入力ビューに基づいて生成された出力ビューのうち最も左側の視点を有する出力ビューである。最右側出力ビュー740は最も右側の視点を有する出力ビューである。
【0086】
下記の数式(1)はαを算出する方法の一実施形態である。
【0087】
【数1】
例えば、入力ビューの視点間の最大距離に比べて、出力ビューの視点間の最大距離が2倍であれば、αは2になる。
【0088】
図8は、一実施形態に係るホールマップ生成方法のフローチャートである。
【0089】
図1に示すステップS124は下記のホールマップを生成方法するステップS810及びステップS830を含む。
【0090】
図4〜
図6を参照して説明したように、ホールマップ440は参照視点視差情報を用いて生成することができる。
【0091】
ステップS810において、1つ以上の出力映像が生成される時に発生されるホール領域を予測するため、参照視点ビュー420内の各ピクセルの視差の差分(例えば、左側差分Δd
L及び右側差分Δd
R)が算出及び格納される。
【0092】
ステップS820において、算出された視差の差分を用いて前景によって隠された領域がホール領域であると判断する。ステップS830において、ホール領域として判断された領域を用いてホールマップ440を構成する。
【0093】
図9は、一実施形態に係る出力視点の映像を生成し、生成された出力視点の映像のホールに対するホール復元を行う原理を説明する。第1出力映像910及び第2出力映像920は1つ以上の参照ビューを用いて生成する。参照ビューは、1つ以上の入力ビューのうち特定の出力映像を生成するために選択されたビューである。例えば、内挿によって出力映像が生成される場合、出力映像の視点に左右に最も近接した2つの入力ビューが参照ビューとして選択される。外挿によって出力映像が生成される場合、出力映像の視点に最も近接した1個の入力ビュー(すなわち、最外角ビュー)が参照ビューとして選択される。
【0094】
例えば、第1出力映像910の参照ビューは
図4に示す入力ビュー410である。第2出力映像920の参照ビューは
図4に示す入力ビュー415である。
【0095】
第1出力映像910は、参照ビューの視差情報を用いて参照ビューの映像を第1出力映像910の視点にワーピングすることによって生成することができる。第2出力映像920は、参照ビューの視差情報を用いて参照ビューの映像を第2出力映像の視点にワーピングすることによって生成する。
【0096】
1つ以上の入力ビュー410及び415の視点、及び出力映像910または920の視点間の差によって、出力視点の映像内でホール912またはホール922のようなホールが発生することがある。また、出力視点の参照レイヤ映像930及び940が各出力映像910または920のために生成される。出力視点の参照レイヤ映像930及び940は、参照レイヤ480の視差情報495を用いて参照レイヤ480の映像490をワーピングすることによって生成される。参照レイヤ480のワーピングは、参照レイヤ480内のホール復元に必要な情報を各出力視点に伝播する方式として見なすことができる。
【0097】
第1出力映像910内のホール912に対する復元は、第1出力映像910の視点にワーピングされた第1参照レイヤ映像930を用いて行われる。第1参照レイヤ映像930のうちホール912に対応する領域932がホール912に対するホール復元を行うために用いられる。
【0098】
また、第2出力映像920の視点にワーピングされた第2参照レイヤ映像940のうちホール922に対応する領域942がホール922に対するホール復元を行うために用いられる。
【0099】
ホール復元が行われた出力映像950または960は、出力映像910または920及び前記出力映像910または920の視点にワーピングされた出力視点の参照レイヤ映像930または940が合成されることによって生成される。
【0100】
ワーピングされた参照レイヤ映像930または940は、出力映像950または960の視点における背景情報として見なす。すなわち、参照レイヤ480の映像490は、ワーピングによって出力映像950または960の背景として用いられてもよい。このような特徴により参照レイヤ480は参照背景レイヤと命名する。初期参照レイヤ450は初期参照背景レイヤと命名する。
【0101】
図10は、一実施形態に係る出力視点の映像を生成し、生成された出力視点の映像のホールに対するホール復元を行う方法のフローチャートである。
図10に示すステップS1010〜ステップS1050は特定の出力視点における最終出力映像を生成するために行われる。
【0102】
ステップS130は下記のステップS1010及びステップS1020を含んでもよい。
【0103】
ステップS1010において、1つ以上の入力ビュー410及び415のいずれか1つ以上の参照ビューを選択する。
【0104】
1つ以上の参照ビューは、1つ以上の入力ビュー410及び415のうち、特定の出力映像を生成するために選択されたビューである。出力映像が外挿によって生成される場合、1つの入力ビューは出力映像が内挿によって生成される場合に2つの入力ビューが参照ビューとして選択されてもよい。
【0105】
ステップS1020において、選択された参照ビューの視差情報を用いて参照ビューの映像を出力ビューの出力視点にワーピングすることによって、出力視点の映像910または920が生成される。
【0106】
図1に示すステップS140は、下記のステップS1030、ステップS1040及びステップS1050を含む。ステップS1030において、ステップS1020で生成された出力映像910または920内のホール912または922を検出する。ステップS1040において、参照レイヤ480の視差情報495を用いて参照レイヤ480の映像490を出力視点にワーピングすることで、出力視点の参照レイヤ映像930または940が生成される。
【0107】
ステップS1050において、出力視点の参照レイヤ映像930及び940のうち、出力視点の映像910または920のホール912または922に対応する領域932及び942が前記ホール912または922にコピーされ得る。すなわち、領域932及び942の情報(すなわち、カラー)がホール912または922にコピーされることで、前記ホール912または922に対するホールの復元を行うことができる。
【0108】
2つの生成された出力映像910または920のホール912または922に対するホール復元は参照レイヤ480の情報を用いて行われてもよい。すなわち、ホール912または922に対するホール復元は各視点ごとに独立的に行われる。ホールを有しない参照レイヤ480の映像490及び視差495の情報を各出力映像910または920内のホール912または922に伝播することで、ホール912または922のホールを復元する。
【0109】
参照視点におけるビュー情報に基づいて全ての出力映像内のホールのホールを復元することによって、出力映像間の視覚的な不一致を解決することができる。また、生成された出力視点の映像数に対応する回数だけのホール復元過程が反復される代わりに、初期参照レイヤ450に基づいて参照レイヤ480を生成するステップS128のような、1回だけのホール復元を行うため演算の反復を減少することができる。
【0110】
図11は、一実施形態に係る映像処理装置の構造図である。映像処理装置1100は、参照視点決定部1110、参照レイヤ生成部1120、出力視点映像生成部1170、ホール復元部1180、及び出力部1190を備える。
【0111】
映像処理装置1100の入力は、1つ以上の入力ビュー410及び415である。映像処理装置1100は1つ以上の出力ビュー(または、1つ以上の出力視点の映像)を出力する。
【0112】
参照視点決定部1110はステップS110を行う。参照視点決定部1110は参照視点を決定する。参照視点決定部110の入力は1つ以上の入力ビュー410及び415を含む。
【0113】
参照レイヤ生成部1120は、ステップS122〜ステップS128を行う。参照レイヤ生成部1120は、1つ以上の入力ビュー410及び415を用いて参照視点に対する参照レイヤ480を生成する。
【0114】
出力視点映像生成部1170はステップS130を行う。出力視点映像生成部1170は、1つ以上の入力ビュー410及び415を用いて出力視点の映像910または920を生成する。
【0115】
ホール復元部1180はステップS140を行う。ホール復元部1180は、参照レイヤ480を用いて出力視点の映像910または920内のホール912または922に対するホール復元を行う。
【0116】
参照レイヤ生成部1120は、参照視点映像/視差情報生成部1130、ホールマップ生成部1140、初期参照レイヤ生成部1150、及び参照レイヤ生成部1160を備える。
【0117】
参照視点映像/視差情報生成部1130はステップS122を行う。参照視点映像/視差情報生成部1130は、1つ以上の入力ビュー410及び415を用いて参照視点映像430及び参照視点視差情報435を生成する。
【0118】
ホールマップ生成部1140はステップS124を行う。ホールマップ生成部1140は参照視点に対するホールマップ440を生成する。ホールマップ生成部1140の入力は参照視点視差情報435である。ホールマップ生成部1140はホールマップ440を出力する。
【0119】
初期参照レイヤ生成部1150はステップS126を行う。初期参照レイヤ生成部1150は、ホールマップ440、参照視点映像430、及び参照視点視差情報435を用いて初期参照レイヤ450を生成する。
【0120】
参照レイヤ生成部1160はステップS128を行う。参照レイヤ生成部1160は、初期参照レイヤ450内のホール466、468、476または478を復元することによって参照レイヤ480を生成する。
【0121】
ホールマップ生成部1140は、差分算出部1142、ホール領域算出部1144、及びホールマップ構成部1146を備える。
【0122】
差分算出部1142はステップS810を行う。差分算出部1142は、1つ以上の出力映像(例えば、第1出力映像910及び第2出力映像920)が生成されるとき発生されるホール領域を予測するために参照視点ビュー420内の各ピクセルの視差の差分(例えば、左側差分Δd
L及び右側差分Δd
R)を算出及び格納する。
【0123】
ホール領域算出部1144はステップS820を行う。ホール領域算出部1144は、算出された視差の差分を用いて前景によって隠された領域をホール領域として判断する。
【0124】
ホールマップ構成部1146はステップS830を行う。ホールマップ構成部1146は、ホール領域と判断された領域を用いてホールマップ440を構成する。
【0125】
出力視点映像生成部1170は、参照ビュー選択部1172及び参照ビューワーピング部1174を含む。
【0126】
参照ビュー選択部1172はステップS1010を行う。参照ビュー選択部1172は、1つ以上の入力ビュー410及び415のうち1つ以上の参照ビューを選択する。
【0127】
参照ビューワーピング部1174は、選択された参照ビューの視差情報を用いて参照ビューの映像を出力ビューの出力視点にワーピングすることで、出力視点の映像910または920を生成する。参照ビューワーピング部1174の入力は参照ビュー(または、1つ以上の入力ビューの全てまたは一部)を含む。参照ビューワーピング部1174は出力視点の映像910または920を出力する。
【0128】
ホール復元部1180は、参照レイヤワーピング部1182、ホール領域検出部1184、及びホール領域コピー部1186を備える。
【0129】
参照レイヤワーピング部1182はステップS1040を行う。参照レイヤワーピング部1182は、参照レイヤ480の視差情報495を用いて参照レイヤ480の映像495を出力視点にワーピングすることで出力視点の参照レイヤ映像930または940を生成する。参照レイヤワーピング部1182の入力は参照レイヤ480を含む。参照レイヤワーピング部1182は、出力視点の参照レイヤ映像930または940を出力する。
【0130】
ホール領域検出部1184はステップS1030を行う。ホール領域検出部1184は、参照ビューワーピング部1174によって生成された出力映像910または920内のホール912または922を検出する。ホール領域検出部1184の入力は、出力視点の映像910または920及び出力視点の参照レイヤ映像930及び940である。
【0131】
ホール領域コピー部1186はステップS1050を行う。ホール領域コピー部1186は出力視点の参照レイヤ映像930及び940のうち、出力視点の映像910または920のホール912または922に対応する領域932及び942をホール912または922にコピーしてもよい。ホール領域コピー部1184の入力は、出力視点の映像910または920及び出力視点の参照レイヤ映像930及び940である。ホール領域コピー部1184は、ホールが復元された出力映像950または960を出力視点の最終映像として出力する。
【0132】
前述された構成要素1110〜1190の包含関係は単に例示的なものに過ぎない。例えば、参照視点映像/視差情報生成部1130は参照視点決定部1110内に含まれてもよい。参照レイヤワーピング部1182は出力視点映像生成部1170内に含まれてもよい。
【0133】
前記の構成要素1110〜1190の機能は、単一な制御部(図示せず)で行われる。ここで、制御部は単一(single)または複数(multi)チップ、プロセッサ、またはコアを表し得る。構成要素1110〜1190のそれぞれは制御部で行われる関数、ライブラリー、サービス、プロセス、スレッド、またはモジュールを表し得る。
【0134】
先の
図1〜
図10を参照して説明された技術的な内容が本実施形態にも適用されてもよい。したがって、本詳細な説明は以下は省略することにする。
【0135】
前述した実施形態に係る方法は、多様なコンピュータ手段を介して様々な処理を実行することができるプログラム命令の形態で実現され、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読取可能な媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などのうちの1つまたはその組合せを含んでもよい。媒体に記録されるプログラム命令は、本発明の目的のために特別に設計されて構成されたものでもよく、コンピュータソフトウェア分野の技術を有する当業者にとって公知のものであり、使用可能なものであってもよい。コンピュータ読取可能な記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD−ROM、DVDのような光記録媒体、光ディスクのような光磁気媒体、及びROM、RAM、フラッシュメモリなどのようなプログラム命令を保存して実行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれてもよい。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されるような機械語コード(machine code)だけでなく、インタプリタなどを用いてコンピュータによって実行され得る高級言語コード(higher level code)を含む。上述したハードウェア装置は、本発明の動作を行うために1つ以上のソフトウェアのレイヤで動作するように構成されてもよい。
【0136】
前述された1つ以上のソフトウェアモジュールは、モジュールまたはユニットに固有な専用プロセッサまたは1つ以上のモジュールに共通するプロセッサのようなコントローラによって実行される。前述の方法は汎用(general purpose)コンピュータまたは上述された映像処理装置のような特定の機械により実行されてもよい。
【0137】
図12は、一実施形態に係る映像処理装置を含むマルチビューディスプレイ機器を説明する。
図12によれば、マルチビューディスプレイ機器1200はコントローラ1201及び映像処理装置1205を備える。
【0138】
マルチビューディスプレイ機器1200は、3D映像を表示するための3Dディスプレイの形態を有してもよく、2つ以上の異なる視点におけるマルチビュースキームを採用してもよい。3Dディスプレイの例は、タブレットコンピュータ機器、移動可能なゲーム用機器、3Dテレビディスプレイ、またはラップトップコンピュータのような移動可能な3Dモニターを含んでもよい。
【0139】
コントローラ1201は制御信号を生成する。制御信号はマルチビューディスプレイ機器1200を制御する。制御信号はマルチビューディスプレイ機器1200によって表示されてもよい。コントローラ1201は1つ以上のプロセッサを含む。
【0140】
映像処理装置1205はマルチビューディスプレイ装置1200のためのマルチビュー映像を生成するために用いられてもよく、例えば、
図11で示された映像処理装置1100に対応する。したがって、映像処理装置1205は、例えば参照視点決定部1110、参照レイヤ生成部1120、出力視点映像生成部1170、ホール復元部1180、及び出力部1190を備える。
図12には図示されていないにもかかわらず、このような部のそれぞれは
図11などで前述した類似に名付けられた部に対応する。したがって、これ以上の詳細な説明は省略する。
【0141】
映像処理装置1205は、マルチビューディスプレイ機器1200内に内部的にインストールしてもよく、マルチビューディスプレイ機器1200に付着されてもよく、または、マルチビューディスプレイ機器1200とは分離して実装されてもよい。映像処理装置1205の物理的な構成には関係なく、映像処理装置1205は前述した全ての可能な機能を備えてもよい。映像処理装置1205は1つ以上の内部プロセッサを含んでもよく、例えば、コントローラ1201の1つ以上のプロセッサのようなマルチビューディスプレイ装置1200内に含まれる1つ以上のプロセッサによって制御されてもよい。
【0142】
上述したように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明が属する分野における通常の知識を有する者であれば、このような実施形態から多様な修正及び変形が可能である。
【0143】
したがって、本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲だけではなく特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである。