特許第6184075号(P6184075)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6184075
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】PET−CT装置及び画像処理装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20170814BHJP
   G01T 1/161 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   A61B6/03 377
   A61B6/03 360P
   A61B6/03 360D
   A61B6/03 360Q
   G01T1/161 C
   G01T1/161 A
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2012-235725(P2012-235725)
(22)【出願日】2012年10月25日
(65)【公開番号】特開2014-83294(P2014-83294A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2015年9月8日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】東芝メディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】勅使川原 学
【審査官】 田邉 英治
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−183968(JP,A)
【文献】 特開2011−007691(JP,A)
【文献】 特開2009−233025(JP,A)
【文献】 特開2000−105279(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00− 6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線CT(Computed Tomography)スキャナによって息止め下で収集された投影データから息止めCT画像を再構成し、PET(Positron Emission computed Tomography)スキャナによって自由呼吸下で収集された投影データから自由呼吸PET画像を再構成し、PETスキャナによって息止め下で収集された投影データから息止めPET画像を再構成する画像再構成部と、
前記自由呼吸PET画像をPETの空間分解能で逆畳み込みすることで、臨床情報を含んだ第1の治療計画用画像を生成し、前記息止めPET画像をPETの空間分解能で逆畳み込みすることで、臨床情報を含んだ第2の治療計画用画像を生成する画像生成部と、
前記息止めCT画像、前記第1の治療計画用画像、及び、前記第2の治療計画用画像を表示部に表示する表示制御部と、
前記表示部に表示された前記第1の治療計画用画像上で、ITV(Internal Target Volume)の指定を受け付け、前記表示部に表示された前記第2の治療計画用画像上で、CTV(Clinical Target Volume)の指定を受け付ける治療計画受付部と
を備えたことを特徴とするPET−CT装置。
【請求項2】
前記画像再構成部は、前記息止めCT画像を用いて前記自由呼吸PET画像の減弱補正を行うことを特徴とする請求項に記載のPET−CT装置。
【請求項3】
前記画像再構成部は、
前記息止めCT画像を第1の減弱補正に用いて第1の自由呼吸PET画像を再構成し、
前記第1の自由呼吸PET画像を前記息止めPET画像で逆畳み込みすることで、第1のIM(Internal Margin)積分核を導出し、
前記息止めCT画像に前記第1のIM積分核を畳み込むことで、第1の自由呼吸CT画像を求め、
前記第1の自由呼吸CT画像を第2の減弱補正に用いて第2の自由呼吸PET画像を再構成し、
前記第2の自由呼吸PET画像を前記息止めPET画像で逆畳み込みすることで、第2のIM積分核を導出し、
前記息止めCT画像に前記第2のIM積分核を畳み込むことで、第2の自由呼吸CT画像を求める処理を、収束するまで繰り返し、減弱補正された自由呼吸PET画像を導出することを特徴とする請求項に記載のPET−CT装置。
【請求項4】
X線CTスキャナによって息止め下で収集された投影データから再構成された息止めCT画像、PETスキャナによって自由呼吸下で収集された投影データから再構成された自由呼吸PET画像、及び、PETスキャナによって息止め下で収集された投影データから再構成された息止めPET画像を記憶する記憶部と、
前記息止めCT画像を用いて前記自由呼吸PET画像の減弱補正を行う画像再構成部とを備え、
前記画像再構成部は、
前記息止めCT画像を第1の減弱補正に用いて第1の自由呼吸PET画像を再構成し、
前記第1の自由呼吸PET画像を前記息止めPET画像で逆畳み込みすることで、第1のIM積分核を導出し、
前記息止めCT画像に前記第1のIM積分核を畳み込むことで、第1の自由呼吸CT画像を求め、
前記第1の自由呼吸CT画像を第2の減弱補正に用いて第2の自由呼吸PET画像を再構成し、
前記第2の自由呼吸PET画像を前記息止めPET画像で逆畳み込みすることで、第2のIM積分核を導出し、
前記息止めCT画像に前記第2のIM積分核を畳み込むことで、第2の自由呼吸CT画像を求める処理を、収束するまで繰り返し、減弱補正された自由呼吸PET画像を導出することを特徴とするPET−CT装置。
【請求項5】
X線CTスキャナによって息止め下で収集された投影データから再構成された息止めCT画像PETスキャナによって自由呼吸下で収集された投影データから再構成された自由呼吸PET画像、及び、PETスキャナによって息止め下で収集された投影データから再構成された息止めPET画像を記憶する記憶部と、
前記自由呼吸PET画像をPETの空間分解能で逆畳み込みすることで、臨床情報を含んだ第1の治療計画用画像を生成し、前記息止めPET画像をPETの空間分解能で逆畳み込みすることで、臨床情報を含んだ第2の治療計画用画像を生成する画像生成部と、
前記息止めCT画像前記第1の治療計画用画像、及び、前記第2の治療計画用画像を表示部に表示する表示制御部と
前記表示部に表示された前記第1の治療計画用画像上で、ITVの指定を受け付け、前記表示部に表示された前記第2の治療計画用画像上で、CTVの指定を受け付ける治療計画受付部と
を備えたことを特徴とする画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、PET(Positron Emission computed Tomography)−CT(Computed Tomography)装置及び画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放射線治療においては、癌組織に対して線量を集中させ、正常組織に対する線量を低減することが望まれる。このため、放射線治療に先立ち、放射線治療計画が策定され、放射線を照射すべき部位(以下「標的体積」)が決定される。標的体積は、国際放射線単位測定委員会(ICRU(International Commission on Radiation Units and Measurements, Inc.))により規定されている。標的体積には、GTV(Gross Tumor Volume)、CTV(Clinical Target Volume)、ITV(Internal Target Volume)、及びPTV(Planning Target Volume)がある。
【0003】
従来、4DCT画像を用いて放射線治療計画を策定する手法がある。この手法は、X線CTスキャナによる撮影時、呼吸モニタで検出した位相や振幅を用いて投影データを分類し、位相や振幅毎にCT画像を再構成して、位相や振幅毎に放射線治療計画を策定する。もっとも、この手法は、複数の位相や振幅の区分に投影データを振り分けるので、各区分における投影データ量が区分数分の一となり、この結果、再構成されたCT画像の画質が劣化するおそれがある。一方、CT画像の画質を維持するにはX線の照射量を増やさざるを得ず、被曝量が増加するおそれがある。また、この手法は、放射線治療計画の策定に、区分数倍の時間を要するおそれがある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】International Commission on Radiation Units and Measurements Report 50,62、[online]、平成24年6月1日検索、インターネット<URL:http://www.icru.org/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、放射線治療計画者に、標的体積を指定するための適切な情報を提供することができるPET−CT装置及び画像処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係るPET−CT装置は、画像再構成部と、画像生成部と、表示制御部と、治療計画受付部とを備える。画像再構成部は、X線CTスキャナによって息止め下で収集された投影データから息止めCT画像を再構成し、PETスキャナによって自由呼吸下で収集された投影データから自由呼吸PET画像を再構成し、PETスキャナによって息止め下で収集された投影データから息止めPET画像を再構成する。画像生成部は、自由呼吸PET画像をPETの空間分解能で逆畳み込みすることで、臨床情報を含んだ第1の治療計画用画像を生成し、息止めPET画像をPETの空間分解能で逆畳み込みすることで、臨床情報を含んだ第2の治療計画用画像を生成する。表示制御部は、息止めCT画像第1の治療計画用画像、及び、第2の治療計画用画像を表示部に表示する。治療計画受付部は、表示部に表示された第1の治療計画用画像上で、ITVの指定を受け付け、前記表示部に表示された前記第2の治療計画用画像上で、CTVの指定を受け付ける。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本実施形態に係るPET−CT装置の構成を示す図である。
図2図2は、本実施形態におけるPETスキャナ及びX線CTスキャナを示す図である。
図3図3は、本実施形態におけるPETスキャナの構成を示す図である。
図4図4は、本実施形態におけるコンソール装置の構成を示す図である。
図5図5は、本実施形態における標的体積の概念を示す図である。
図6図6は、本実施形態における治療計画用画像の生成を説明するための図である。
図7図7は、本実施形態におけるPET画像の一例を示す図である。
図8図8は、本実施形態における処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、実施形態に係るPET−CT装置及び画像処理装置を説明する。以下の実施形態においては、放射線治療計画の支援に、PET−CT装置によって収集されたCT画像及びPET画像を用いる。
【0009】
図1は、本実施形態に係るPET−CT装置100の構成を示す図である。図1に示すように、本実施形態に係るPET−CT装置100は、PETスキャナ200と、X線CTスキャナ300と、寝台400と、コンソール装置500とを備える。また、図1に示すように、寝台400は、被検体402が載置される天板401を有し、コンソール装置500による制御の下、被検体402をPET−CT装置100の撮影口内に移動させる。なお、被検体402は、PET−CT装置100に含まれない。
【0010】
PETスキャナ200は、被検体402から放出された消滅ガンマ線を検出し、検出結果に基づき計数情報を生成する。具体的には、まず、陽電子放出核種で標識された放射性医薬品が被検体402に投与される。すると、被検体402内の生体組織に選択的に取り込まれた陽電子放出核種が陽電子を放出し、放出された陽電子は電子と結合して消滅する。このとき、陽電子は、一対の消滅ガンマ線をほぼ反対方向に放出する。一方、PETスキャナ200は、被検体402の周囲にリング状に配置された検出器210を用いて消滅ガンマ線を検出し、検出結果に基づき計数情報を生成する。
【0011】
図2は、本実施形態におけるPETスキャナ200及びX線CTスキャナ300を示す図であり、図3は、本実施形態におけるPETスキャナ200の構成を示す図である。図2及び図3に示すように、PETスキャナ200においては、X軸方向に複数の検出器210が配置され、また、被検体402の周囲に複数の検出器210がリング状に配置される。
【0012】
例えば、検出器210は、フォトンカウンティング(Photon Counting)方式、アンガー型の検出器であり、シンチレータと、光電子増倍管(PMT(Photomultiplier Tube))と、ライトガイドとを有する。シンチレータは、被検体402から放出された消滅ガンマ線をシンチレーション光に変換し、変換したシンチレーション光を出力する。シンチレータは、例えば、NaI(Sodium Iodide)、BGO(Bismuth Germanate)、LYSO(Lutetium Yttrium Oxyorthosilicate)、LSO(Lutetium Oxyorthosilicate)、LGSO(Lutetium Gadolinium Oxyorthosilicate)などのシンチレータ結晶によって形成され、2次元に配列される。光電子増倍管は、シンチレータから出力されたシンチレーション光を増倍して電気信号に変換する。ライトガイドは、シンチレータから出力されたシンチレーション光を光電子増倍管に伝達する。ライトガイドは、例えば、光透過性に優れたプラスチック素材などによって形成される。
【0013】
なお、光電子増倍管は、シンチレーション光を受光して光電子を発生させる光電陰極、発生した光電子を加速する電場を与える多段のダイノード、及び、電子の流れ出し口である陽極を有する。光電効果により光電陰極から放出された電子は、ダイノードに向って加速されてダイノードの表面に衝突し、複数の電子を叩き出す。この現象が多段のダイノードにわたって繰り返されることにより、なだれ的に電子数が増倍され、陽極での電子数は、約100万にまで達する。
【0014】
このように、検出器210は、被検体402内から放出された消滅ガンマ線をシンチレータによってシンチレーション光に変換し、変換したシンチレーション光を光電子増倍管によって電気信号に変換することで、被検体402から放出された消滅ガンマ線を検出する。
【0015】
なお、放射性医薬品は、例えば、18F(フッ素)で標識された18F標識デオキシグルコースである。また、計数情報は、消滅ガンマ線を検出した検出器210の位置を示す検出位置と、検出器210に入射した消滅ガンマ線のエネルギー値と、検出器210が消滅ガンマ線を検出した検出時間とを含む。
【0016】
X線CTスキャナ300は、被検体402を透過したX線を検出し、検出結果に基づき投影データを生成する。具体的には、X線CTスキャナ300は、図2に示すように、X線を照射するX線管301と、X線管301により照射されたX線を検出するX線検出器302とを有する。被検体402の体軸を中心として回転しながら、X線管301が被検体402にX線を照射し、X線検出器302が被検体402を透過したX線を検出する。そして、X線CTスキャナ300は、X線検出器302により検出されたX線に対して増幅処理やAD(Analog Digital)変換処理などを行い、投影データを生成する。
【0017】
図4は、本実施形態におけるコンソール装置500の構成を示す図である。コンソール装置500は、PETスキャナ200により生成された計数情報を用いて同時計数情報を生成し、生成した同時計数情報に基づきPET画像を再構成する。また、コンソール装置500は、X線CTスキャナ300により生成された投影データに基づきX線CT画像を再構成する。
【0018】
具体的には、図4に示すように、コンソール装置500は、入出力部510と、制御部520とを有する。また。コンソール装置500は、バッファ531と、同時計数情報記憶部532と、計数情報収集部533と、同時計数情報生成部534と、PET画像再構成部535とを有する。また、コンソール装置500は、X線投影データ記憶部541と、X線CT画像再構成部542とを有する。なお、本実施形態においては、PET画像の再構成とX線CT画像の再構成とが物理的に1台のコンソール装置において行われる場合を説明するが、PET画像の再構成とX線CT画像の再構成とが別々のコンソール装置において行われてもよい。
【0019】
入出力部510は、PET−CT装置100の利用者から各種指示を受け付け、受け付けた各種指示を制御部520に送信する。また、入出力部510は、制御部520から情報を受信し、受信した情報を出力する。例えば、入出力部510は、キーボードやマウス、マイクなどの入力部や、モニタやスピーカなどの出力部(表示部とも称する)である。
【0020】
制御部520は、PETスキャナ200及びX線CTスキャナ300を制御することでPET−CT装置100による撮影を制御する。また、制御部520は、コンソール装置500におけるPET画像再構成処理及びX線CT画像再構成処理を制御する。また、制御部520は、PET画像やX線CT画像、及び、後述する治療計画用画像などを、入出力部510のモニタに出力する。制御部520は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)などの電子回路である。なお、制御部520が有する各部の詳細は、後述する。
【0021】
バッファ531は、計数情報収集部533により格納された計数情報を記憶する。また、同時計数情報記憶部532は、同時計数情報生成部534により格納された同時計数情報を記憶する。バッファ531及び同時計数情報記憶部532は、例えば、RAM(Random Access Memory)やフラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、ハードディスクや光ディスクなどである。
【0022】
計数情報収集部533は、PETスキャナ200にて生成された計数情報を順次受信し、受信した計数情報をバッファ531に格納する。なお、計数情報収集部533は、PETスキャナ200内に設置されてもよい。ここで、検出器210により検出される消滅ガンマ線と、被検体402から放出された一対の消滅ガンマ線との関係を説明する。例えば、検出器210は、一対の消滅ガンマ線が放出された場合、一対の消滅ガンマ線のうち、一方のみを検出し、他方の消滅ガンマ線は、他の検出器210により検出される。なお、一対の消滅ガンマ線を同時計数した2つの検出位置を結ぶ線は、LOR(Line of Response)と称される。
【0023】
同時計数情報生成部534は、計数情報収集部533により収集された計数情報を用いて同時計数情報の時系列リスト(「Coincidence List」とも称される)を生成する。具体的には、同時計数情報生成部534は、バッファ531に記憶された計数情報から、一対の消滅ガンマ線を略同時に計数した計数情報の組を、計数情報の検出時間に基づき検索する。また、同時計数情報生成部534は、検索した計数情報の組毎に同時計数情報を生成し、生成した同時計数情報を概ね時系列順に並べながら、同時計数情報記憶部532に格納する。
【0024】
例えば、同時計数情報生成部534は、設定された同時計数情報生成条件に基づき同時計数情報を生成する。同時計数情報生成条件には、時間ウィンドウ幅が指定される。例えば、同時計数情報生成部534は、時間ウィンドウ幅「数ナノ秒」に基づき同時計数情報を生成する。なお、同時計数情報生成部534は、時間ウィンドウ幅とともにエネルギーウィンドウ幅を用いて同時計数情報を生成してもよい。
【0025】
PET画像再構成部535は、PET画像を再構成する。具体的には、PET画像再構成部535は、同時計数情報記憶部532に記憶された同時計数情報の時系列リストを投影データとして読み出し、読み出した投影データを用いて、PET画像を再構成する。
【0026】
X線投影データ記憶部541は、X線CTスキャナ300から送信された投影データを記憶する。X線CT画像再構成部542は、X線投影データ記憶部541が記憶する投影データを、例えば、FBP(Filtered Back Projection)法により逆投影処理することで、X線CT画像を再構成する。
【0027】
さて、上述したPET−CT装置100は、CT画像及びPET画像を用いて、標的体積の指定を治療計画者から受け付けるための支援ツールを提供する。かかる処理は、本実施形態において、コンソール装置500の制御部520により実行される。具体的には、制御部520は、画像収集部520aと、治療計画用画像生成部520bと、表示制御部520cと、治療計画受付部520dとを有する。
【0028】
画像収集部520aは、PETスキャナ200及びX線CTスキャナ300や、その他の各部を制御することで、PET画像を再構成するための投影データ、及び、CT画像を再構成するための投影データを収集する。例えば、画像収集部520aは、まず、X線CTスキャナ300を制御し、被検体402の息止め下(呼吸を止めさせた状態)で、3DのCT画像を再構成するための投影データを収集する。以下では、この収集を「息止め3DCTスキャン」と称する。続いて、画像収集部520aは、天板401を移動させるとともに、PETスキャナ200を制御し、被検体402の息止め下で、3DのPET画像を再構成するための投影データを収集する。以下では、この収集を「息止め3DPETスキャン」と称する。次に、画像収集部520aは、PETスキャナ200を制御し、被検体402の自由呼吸下(自由に呼吸させた状態)で、3DのPET画像を再構成するための投影データを収集する。以下では、この収集を「自由呼吸3DPETスキャン」と称する。なお、息止め3DCTスキャンと息止め3DPETスキャンとでは、できるだけ同じ息止め状態とすることが望ましい。また、被検体402の息止めや自由呼吸の制御は、音声ガイドなどの公知技術を用いればよい。また、スキャンの順序はこれに限定されるものではなく、任意の順序でもよいし、例えば、自由呼吸下で投影データを収集する中で、息止め下に相当する投影データを収集してもよい。
【0029】
なお、上述したX線CT画像再構成部542は、息止め3DCTスキャンによって収集された投影データからCT画像を再構成する。以下では、このCT画像を「BH−CT画像」又は「BH−CT」と称する。「BH」は、Breathe Holdの意味である。また、上述したPET画像再構成部535は、息止め3DPETスキャンによって収集された投影データからPET画像を再構成する。以下では、このPET画像を「BH−PET画像」又は「BH−PET」と称する。また、PET画像再構成部535は、自由呼吸3DPETスキャンによって収集された投影データからPET画像を再構成する。以下では、このPET画像を「FB−PET画像」又は「FB−PET」と称する。「FB」は、Free Breatheの意味である。
【0030】
治療計画用画像生成部520bは、X線CT画像再構成部542によって再構成されたCT画像や、PET画像再構成部535によって再構成されたPET画像を用いて、標的体積の指定を受け付けるための治療計画用画像を生成する。
【0031】
図5は、本実施形態における標的体積の概念を示す図である。標的体積には、GTV、CTV、ITV、及びPTVがある。まず、GTVは、「肉眼的腫瘍体積」とも称され、画像から肉眼により(あるいは肉眼相当の手法により)認識することができる腫瘍範囲をいう。また、CTVは、「臨床標的体積」とも称され、GTVに、画像から肉眼では認識することができない微細な病変(例えば、細胞間に浸潤した癌細胞など)を含む範囲をいう。また、ITVは、CTVに、呼吸、嚥下、心拍動、蠕動などの体内臓器の動きによる影響をインターナルマージン(IM(Internal Margin))として更に含む範囲をいう。また、PTVは、「計画標的体積」とも称され、ITVに、照射における設定誤差(SM(Setup Margin)、例えば、機器の誤差、天板だれなど)を更に考慮した範囲をいう。一般に、GTV≦CTV≦ITV<PTVの関係がある。
【0032】
図6は、本実施形態における治療計画用画像の生成を説明するための図であり、図7は、本実施形態におけるPET画像の一例を示す図である。図6において、「CT」で括られる部分には、息止め(BH)を示す呼吸波形の概念図と、息止め下で収集されたBH−CT画像の概念図とが示される。また、図6において、「PET」で括られる部分には、息止め(BH)と自由呼吸(FB)とを示す呼吸波形の概念図、息止め下で収集されたBH−PET画像及び自由呼吸下で収集されたFB−PET画像の概念図、並びに、BH−PET画像から生成された治療計画用画像、及び、FB−PET画像から生成された治療計画用画像が示される。更に、治療計画用画像それぞれの下には、プロファイルの概念図を示す。図7においては、BH−PET画像及びFB−PET画像上の腫瘍イメージ(網掛けされた2つの円)を示す。図7に示すように、FB−PET画像上の腫瘍イメージは、呼吸性移動によって、BH−PET画像上の腫瘍イメージよりも広がっている。この場合、FB−PET画像上の腫瘍領域を、BH−PET画像上の腫瘍領域によって逆畳み込みすることで、呼吸性移動に伴い、腫瘍がどのような位置に滞在分布しているのかを知ることができる。
【0033】
本実施形態においては、治療計画者に対して、BH−PET画像やFB−PET画像そのものを提示して標的体積の指定を受け付けるのではなく、BH−PET画像やFB−PET画像から治療計画用画像を生成し、この治療計画用画像を提示することで、標的体積の指定を受け付ける。この治療計画用画像は、PET画像が、通常PETの空間分解能の分だけ広がった状態で描出される点に着目して生成されるものである。すなわち、後述するように、治療計画用画像生成部520bは、各PET画像をPETの空間分解能で逆畳み込みすることで、治療計画用画像を生成する。以下、各画像と標的体積との関係を、その関係性を表現する式を用いながら説明する。
【0034】
まず、BH−CT画像とGTVとの関係を説明する。図6に示すように、BH−CT画像には、肉眼により(あるいは肉眼相当の手法により)認識することができる腫瘍が、黒で塗り潰された円で示されている。ここで、PETの空間分解能に比較して、CTの空間分解能は十分に高いと考えることができる。このため、本実施形態においては、BH−CT画像については、BH−CT画像そのものを治療計画用画像として取り扱う。すなわち、BH−CT画像に描出された腫瘍の輪郭そのものを、GTVに相当するものとして取り扱う((1)式参照)。
【数1】
【0035】
次に、BH−PET画像とCTVとの関係を説明する。PET画像には、例えば18F標識デオキシグルコースの集積が描出されるので、これは、例えば、細胞間に浸潤した癌細胞が描出されていることと同等であると考えられる。図6に示すBH−PET画像において、点線で囲む円が、BH−PET画像に描出された腫瘍に相当する。ここで、PET画像において、CTVは、PETの空間分解能が畳み込まれた状態で描出される。言い換えると、PET画像において、CTVは、PETの空間分解能の分だけ、真のCTVよりも広がった状態で描出される。なお、図6において、「SpRes」は、Spatial Resolutionの意味である。また、○で囲まれた×印は、畳み込み(Convolution)の意味である。
【0036】
このため、治療計画用画像生成部520bは、BH−PET画像をPETの空間分解能で逆畳み込みすることで、治療計画用画像を生成する((2)式参照)。図6に示すように、治療計画用画像(左)には、PETの空間分解能の分だけ縮められた腫瘍が描出される(図6において、点線で囲む円の内側の実線で囲む円)。この治療計画用画像に描出された腫瘍は、BH−PET画像に描出された腫瘍よりも真のCTVにより近いといえる。なお、図6において、治療計画用画像上の点線で囲む円は、説明の便宜上表現するものである。また、「/」は、逆畳み込み(Deconvolution)の意味である。
【数2】
【0037】
次に、FB−PET画像とITVとの関係を説明する。図6に示すFB−PET画像において、点線で囲む円が、FB−PET画像に描出された腫瘍に相当する。ここで、PET画像において、ITVは、PETの空間分解能が畳み込まれた状態で描出される。言い換えると、PET画像において、ITVは、PETの空間分解能の分だけ、真のITVよりも広がった状態で描出される。
【0038】
このため、治療計画用画像生成部520bは、FB−PET画像をPETの空間分解能で逆畳み込みすることで、治療計画用画像を生成する((3)式参照)。図6に示すように、治療計画用画像(右)には、PETの空間分解能の分だけ縮められた腫瘍が描出される(図6において、点線で囲む円の内側の実線で囲む円)。この治療計画用画像に描出された腫瘍は、FB−PET画像に描出された腫瘍よりも真のITVにより近いといえる。なお、図6において、治療計画用画像上の点線で囲む円は、説明の便宜上表現するものである。
【数3】
【0039】
なお、以下、各画像と標的体積とのその他の関係を簡単に説明しておくと、まず、FB−PET画像をBH−PET画像で逆畳み込みしたものは、CTVからITVを生む積分核(以下「カーネル」)に相当する((4)式参照)。
【数4】
【0040】
また、CTVに(4)式に示されるIMカーネルを用いて畳み込みしたものは、ITVに相当する((5)式参照)。この場合、例えば、(3)式により導出されたITV及び(5)式により導出されたITVの一方を、他方のチェックに用いることができる。
【数5】
【0041】
また、ITVに、照射における設定誤差を加えたものは、PTVに相当する((6)式参照)。なお、照射における設定誤差は、例えば病院で使用中の機器などに依存する値であるので、予め既知の値として設定されたものを用いる。なお、既知の値は、例えば、機器のベンダーが提供した値や、病院の技師が自ら測定した値などである。
【数6】
【0042】
図4に戻り、表示制御部520cは、X線CT画像再構成部542によって再構成されたBH−CT画像そのものや、治療計画用画像生成部520bによってBH−PET画像やFB−PET画像から生成された治療計画用画像を、入出力部510に表示する。例えば、表示制御部520cは、図6に示したBH−CT画像や、図6に示した2つの治療計画用画像を入出力部510に表示する。
【0043】
治療計画受付部520dは、入出力部510に表示された治療計画用画像上で、標的体積の指定を受け付ける。例えば、治療計画受付部520dは、治療計画者から、BH−CT画像に対するGTVの指定を受け付ける。すなわち、例えば、治療計画者は、モニタ上に表示されたBH−CT画像を閲覧しながら、マウス操作などによりBH−CT画像上に描出された腫瘍の輪郭どりを行う。治療計画受付部520dは、治療計画者によって入力された輪郭を、GTVの指定として受け付ける。
【0044】
また、例えば、治療計画受付部520dは、治療計画者から、BH−PET画像から生成された治療計画用画像に対するCTVの指定を受け付ける。すなわち、例えば、治療計画者は、モニタ上に表示された治療計画用画像を閲覧しながら、マウス操作などにより治療計画用画像上に描出された腫瘍の輪郭どりを行う。ここで、仮にBH−PET画像そのもの対して輪郭どりを行うことを考えると、この場合、治療計画者は、PETの空間分解能の分だけ広がった状態で描出されていることを考慮に入れようとしたとしても、結局は根拠に基づかずに曖昧な想定でCTVを指定することになる。一方、本実施形態においては、PETの空間分解能の分を計算により調整した画像が表示されるので、治療計画者は、ある程度の根拠に基づいてCTVを指定することができる。
【0045】
同様に、例えば、治療計画受付部520dは、治療計画者から、FB−PET画像から生成された治療計画用画像に対するITVの指定を受け付ける。すなわち、例えば、治療計画者は、モニタ上に表示された治療計画用画像を閲覧しながら、マウス操作などにより治療計画用画像上に描出された腫瘍の輪郭どりを行う。CTVの指定と同様、本実施形態においては、PETの空間分解能の分を計算により調整した画像が表示されるので、治療計画者は、ある程度の根拠に基づいてITVを指定することができる。
【0046】
ところで、本実施形態において、BH−PET画像やFB−PET画像は、CT画像を用いた減弱補正が行われたものである。すなわち、PET画像再構成部535は、BH−CT画像を用いてBH−PET画像の減弱補正を行い((7)式参照)、自由呼吸下のCT画像であるFB−CT画像を用いてFB−PET画像の減弱補正を行う((8)式参照)。なお、「Mu」は、Mu−mapの意味である。
【数7】
【数8】
【0047】
もっとも、上述したように、本実施形態においては、自由呼吸下のCT画像であるFB−CT画像を収集しない。そこで、PET画像再構成部535は、BH−CT画像に、(4)式で導出されたIMを畳み込むことで、FB−CT画像を導出する((9)式を参照)。なお、「*」は、畳み込み(Convolution)の意味である。
【数9】
【0048】
具体的には、このFB−CT画像を用いたFB−PET画像の減弱補正は、(10)の繰り返し処理によって行われる。
【数10】
【0049】
まず、処理「0」及び「1」において、PET画像再構成部535は、BH−CT画像を第1の減弱補正に用いて、第1のFB−PET画像(FB−PET(0))を再構成する。続いて、処理「2」において、PET画像再構成部535は、第1のFB−PET画像をBH−PET画像で逆畳み込みすることでIMカーネルを導出し、処理「3」において、BH−CT画像にIMカーネルを畳み込むことで、第1のFB−CT画像を求める。
【0050】
そして、処理「4」において、繰り返しを計数する変数「i」に「1」を代入すると、処理「5」及び「6」において、PET画像再構成部535は、処理「3」において導出された第1のFB−CT画像を第2の減弱補正に用いて、第2のFB−PET画像を再構成する。続いて、処理「7」において、PET画像再構成部535は、第2のFB−PET画像をBH−PET画像で逆畳み込みすることでIMカーネルを導出し、処理「8」において、BH−CT画像にIMカーネルを畳み込むことで、第2のFB−CT画像を求める。
【0051】
PET画像再構成部535は、第1のFB−CT画像と第2のFB−CT画像とを比較し、収束するまで上記処理を繰り返す(例えば、2〜3回繰り返す)ことで、FB−CT画像を導出し、導出したFB−CT画像を用いてFB−PET画像の減弱補正を行う。なお、このようなFB−CT画像は、実際に収集された自由呼吸CT画像ではないので、これと区別して、例えば呼吸平均CT画像などと称してもよい。
【0052】
図8は、本実施形態における処理手順を示すフローチャートである。図8に示すように、まず、画像収集部520aが、PETスキャナ200及びX線CTスキャナ300、その他の各部を制御し、息止め3DCTスキャン、息止め3DPETスキャン、自由呼吸3DPETスキャンを行う(ステップS1〜S3)。
【0053】
そして、X線CT画像再構成部542及びPET画像再構成部535が、ステップS1〜S3で収集された投影データを用いて、BH−CT画像、BH−PET画像、FB−PET画像を再構成し、また、治療計画用画像生成部520bが、治療計画用画像を生成する(ステップS4)。
【0054】
その後、表示制御部520cが、ステップS4において生成した治療計画用画像や、BH−CT画像、BH−PET画像、FB−PET画像などの再構成画像、腫瘍位置分布画像を、必要に応じて入出力部510に出力する(ステップS5)。ここで、腫瘍位置分布画像とは、腫瘍がどのような位置に滞在分布しているのかを示す画像である。例えば、腫瘍位置分布画像は、図6に示すように、PET画像から解析されたプロファイル(図6において点線で示す波形)に、CTVやITVのプロファイルが重畳された図でもよい。例えば、CTVやITVのプロファイルには、矢印を用いて、実際の呼吸性移動の範囲が示されてもよい。
【0055】
上述したように、本実施形態によれば、放射線治療計画者に、標的体積を指定するための適切な情報を提供することができる。すなわち、本実施形態によれば、CT画像の収集は、息止め下で行われる収集のみであるので、CT画像の画質を維持しつつ、被曝量を低減することができる。また、複数の位相や振幅の区分に投影データを振り分ける手法ではないので、PETの収集時間や放射線治療計画の策定時間も短い。
【0056】
例えば、本実施形態によれば、息止め3DCTスキャン、息止め3DPETスキャン、自由呼吸3DPETスキャンというスキャンフロー、画像再構成、及び画像解析により、腫瘍の大きさ及び動きを解析・出力し、放射線治療計画に供する情報を適切に収集することができる。ひいては、より簡単且つ確実な放射線治療計画が可能となる。
【0057】
なお、実施形態は、上述した実施形態に限られるものではなく、他の異なる種々の形態にて実施することができる。
【0058】
例えば、上述した実施形態においては、BH−CT画像、並びに、BH−PET画像及びFB−PET画像それぞれから生成された治療計画用画像を治療計画者に提供する例を説明したが、実施形態はこれに限られるものではない。PET−CT装置100は、治療計画者に標的体積を指定するための情報として、必要な情報を適宜選択して提供すればよい。
【0059】
例えば、上述した実施形態においては、BH−PET画像から生成された治療計画用画像を表示してCTVの指定を受け付ける手法を説明したが、これに限られるものではない。例えば、CTVは、GTVを参考に、別途生体検査を行うことで求められてもよい。この場合、画像収集部520aは、息止め3DPETスキャンを省略することができる。
【0060】
また、上述した実施形態においては、PET−CT装置100が、治療計画用画像生成部520b、表示制御部520c、及び治療計画受付部520dを備える例を説明したが、実施形態はこれに限られるものではない。例えば、PET−CT装置100に替わり、画像処理装置が、治療計画用画像生成部520b、表示制御部520c、及び治療計画受付部520dを備え、上述した各種処理を実行してもよい。この場合、例えば、画像処理装置は、PET−CT装置100にて再構成されたPET画像及びCT画像を記憶部に記憶し、記憶部に記憶したこれらの画像を用いて上述した各種処理を実行すればよい。また、例えば、画像処理装置は、PET−CT装置100から投影データを受け取り、自装置内でPET画像及びCT画像を再構成して、上述した各種処理を実行してもよい。ここで、画像処理装置とは、例えば、ワークステーション、PACS(Picture Archiving and Communication System)の画像保管装置(画像サーバ)やビューワ、電子カルテシステムの各種装置などである。
【0061】
また、PET−CT装置100や画像処理装置は、必ずしも放射線治療計画を想定するものでなく、上述した減弱補正を実行するものであってもよい。この場合、例えば、PET−CT装置100や画像処理装置は、記憶部と、画像再構成部とを備える。記憶部は、X線CTスキャナによって息止め下で収集された投影データから再構成された息止めCT画像、及び、PETスキャナによって自由呼吸下で収集された投影データから再構成された自由呼吸PET画像を記憶する。また、画像再構成部は、息止めCT画像を用いて自由呼吸PET画像の減弱補正を行う。
【0062】
例えば、画像再構成部は、息止めCT画像を第1の減弱補正に用いて第1の自由呼吸PET画像を再構成し、第1の自由呼吸PET画像を息止めPET画像で逆畳み込みすることで第1のIM積分核を導出し、息止めCT画像に第1のIM積分核を畳み込むことで第1の自由呼吸CT画像を求め、第1の自由呼吸CT画像を第2の減弱補正に用いて第2の自由呼吸PET画像を再構成し、第2の自由呼吸PET画像を息止めPET画像で逆畳み込みすることで第2のIM積分核を導出し、息止めCT画像に第2のIM積分核を畳み込むことで第2の自由呼吸CT画像を求める処理を、収束するまで繰り返し、減弱補正された自由呼吸PET画像を導出する。
【0063】
また、上述した実施形態においては、3Dの画像を処理の対象とする例を説明したが、実施形態はこれに限られるものではなく、2Dの画像を処理の対象とする場合にも同様に適用することができる。
【0064】
以上述べた少なくとも一つの実施形態のPET−CT装置及び画像処理装置によれば、放射線治療計画者に、標的体積を指定するための適切な情報を提供することができる。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0066】
100 PET−CT装置
500 コンソール装置
520 制御部
520a 画像収集部
520b 治療計画用画像生成部
520c 表示制御部
520d 治療計画受付部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8