特許第6184095号(P6184095)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6184095
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】住宅内外の中間領域創出構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/00 20060101AFI20170814BHJP
   E06B 9/28 20060101ALI20170814BHJP
   E06B 7/084 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   E04B1/00 502C
   E06B9/28
   E06B7/084
   E04B1/00 503
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-285079(P2012-285079)
(22)【出願日】2012年12月27日
(65)【公開番号】特開2014-125846(P2014-125846A)
(43)【公開日】2014年7月7日
【審査請求日】2015年7月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】302045705
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100074918
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬川 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100157912
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 健
(72)【発明者】
【氏名】江川 雅也
(72)【発明者】
【氏名】北原 浩司
【審査官】 多田 春奈
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−229573(JP,A)
【文献】 特開2000−110231(JP,A)
【文献】 特開2008−231759(JP,A)
【文献】 特開2002−054312(JP,A)
【文献】 特開2003−049478(JP,A)
【文献】 特開2004−346583(JP,A)
【文献】 特開2007−255161(JP,A)
【文献】 特開2002−030724(JP,A)
【文献】 特開平04−101498(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/00−1/36
E06B 9/28
E06B 7/084
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅の外壁の外側に、左右の縦枠とこれらの縦枠の上端に設けられた上枠とによって枠体を構成し、この枠体の内側には、上記上枠に沿って摺動可能で、左右の縦框と上下の横框とによって構成された框体の内側に多数のルーバーを配した上吊り式のルーバー付きスライドパネルを設けるとともに、上記上枠の上記外壁側から上記外壁に向かって延びる屋根を設け、
上記枠体には、左右の縦框と上下の横框とによって構成された框体の内側に多数のルーバーを配したルーバー付きパネルを固定し、
上記上枠には、上記上枠の下面に固定される平行部と上記上枠の下面から下方に延びる垂直部とからなるレールステーを介して、上記ルーバー付きスライドパネルを摺動可能に支持する上部レールが設けられており、この上部レールは、上記ルーバー付きパネルおよび上記上枠よりも後方で上記屋根の一部である樋部材の下方に設けられていることを特徴とする住宅内外の中間領域創出構造。
【請求項2】
上記ルーバー付きスライドパネルは上記ルーバー付きパネルと上記枠体との間に形成された空間を開閉可能に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の住宅内外の中間領域創出構造。
【請求項3】
少なくとも上記ルーバー付きスライドパネルのルーバーは回動可能となっていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の住宅内外の中間領域創出構造。
【請求項4】
上記ルーバーが閉じたとき、上記住宅側に対面する上下のルーバーの面が平面上に並べられるようにしたことを特徴とする、請求項3に記載の住宅内外の中間領域創出構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅とその外の庭との間に、これら2つの領域をつなぐ中間領域という新しい空間を創出するための構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、住宅は大きく床と壁と屋根とによって構成され、人が住み、生活に供される空間であり、常時は外界と遮断されている。庭は最も住宅に近い外界であるが、住宅と庭とは、基本的には壁、窓、玄関などによって隔てられている。もちろん、住宅は外界と隔絶して成り立っているわけではない。窓や換気口のように外気を導入したり、陽射しを室内に取り入れたりすることも必要であり、また、すだれ、ブラインド、ルーバー等によって他人の視線を避けながら住宅内に通風を促すことも行なわれている。ただし、これらはいずれも庭に属するものではなく、住宅に付属する部材である。また、特に寒冷な地方には建物の玄関前に風除室が設けられる場合がある。これは、住宅の内部に冷たい外気や風や雪が流入したり、吹きつけたりするのを緩和するための小部屋で、玄関の延長スペースであり、やはり庭に属するものではない。特許文献1に示されるようなルーバーも同様である。
【0003】
このように、従来は、住宅と外界の陽射し、雨、風等との関係調整は、住宅に属する部材によって図られてきたのが実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭61−191744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、日射を防ぐとともに他人の視線を遮るために、住宅側にすだれのような部材を立てかける構成では、必要に応じて出したり収納したりしなければならない。また、窓にルーバーやブラインドを取り付ける構成では、必要に十分に対応しきれない。開放すれば風通しは良くなり、陽射しも取り入れることができるが、住宅内部を他人の視線に曝すことになり、安心が損なわれる。安心を得ようとすれば、十分な通風や陽の射し込みは期待できない。
【0006】
もちろん、電気、ガス等の積極的動力源や熱源を用いて強制的に通風させたり、温度調整をしたりする器具や装置は市場に存在するが、これらは住居所有者にコスト負担を強いるものであり、また今日の環境上のニーズにもそぐわない。
【0007】
そこで、本発明者等は、住宅の内部と外部とをつないで、住宅でもない、庭でもない、あるいは住宅でもあり、庭でもあるという中間領域を創出し、庭の一部を住宅に取り込み、庭という開放空間が有していた自然の陽射しや外気によるクーリング作用を住宅に取り入れ、庭に住宅と同じ価値をもたせることによって、安心と十分な通風・日射の取り込みの双方を両立させ、快適な生活空間を確保することができるのではないかという考え、その可能性を探るべく、鋭意研究してきた。
【0008】
本発明は、上記観点から上述の問題点を解消し、電気、ガス等の動力源や熱源に依存することなく、住宅の近傍にルーバー付きスライドパネルを設けることにより、季節や使用状況に合わせて陽射し・通風の取り入れ、他人の視線に対する遮蔽等を調整し、併せて住宅内部の温度調整補助を行うことができる、新たな住宅内外の中間領域創出構造を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、住宅の外壁の外側に、左右の縦枠とこれらの縦枠の上端に設けられた上枠とによって枠体を構成し、この枠体の内側には、上記上枠に沿って摺動可能で、左右の縦框と上下の横框とによって構成された框体の内側に多数のルーバーを配した上吊り式のルーバー付きスライドパネルを設けるとともに、上記上枠の上記外壁側から上記外壁に向かって延びる屋根を設け、上記枠体には、左右の縦框と上下の横框とによって構成された框体の内側に多数のルーバーを配したルーバー付きパネルを固定し、上記上枠には、上記上枠の下面に固定される平行部と上記上枠の下面から下方に延びる垂直部とからなるレールステーを介して、上記ルーバー付きスライドパネルを摺動可能に支持する上部レールが設けられており、この上部レールは、上記ルーバー付きパネルおよび上記上枠よりも後方で上記屋根の一部である樋部材の下方に設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1において、上記ルーバー付きスライドパネルは上記ルーバー付きパネルと上記枠体との間に形成された空間を開閉可能に設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2において、少なくとも上記ルーバー付きスライドパネルのルーバーは回動可能となっていることを特徴とする。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項3において、上記ルーバーが閉じたとき、上記住宅側に対面する上下のルーバーの面が平面上に並べられるようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に係る発明によれば、住宅の外壁の外側に、左右の縦枠とこれらの縦枠の上端に設けられた上枠とによって枠体を構成し、この枠体の内側に上記上枠に沿って摺動可能で、左右の縦框と上下の横框とによって構成された框体の内側に多数のルーバーを配した上吊り式のルーバー付きスライドパネルを設けるとともに、上記上枠と上記外壁との間には屋根を設けた構造であるから、ルーバー付きスライドパネルと住宅との間には、屋内でも屋外でもない中間領域が創出される。そして、この中間領域を造り出すことにより、庭に吹く風、庭に照射された日光をいったん中間領域に取り込み、さらにそこから住宅内に導入することができるから、季節や使用状況に合わせて日射・通風・他人の視線等による影響を調整したり、住宅内部の温度調整補助を行ったりすることができる。
【0014】
すなわち、ルーバー付きスライドパネルを開き状態としたとき、中間領域は外界に開放された空間となり、庭的な存在となる。このため、日光が外側から住宅の開口部に十分に差し込まれ、通風量も最大となる。したがって、冬は陽射しを取り入れる効果が期待でき、夏は放熱効果が期待できる。
【0015】
次に、ルーバー付きスライドパネルを閉じると、外からの視線を遮断し、日光から中間領域を遮蔽することができるので、中間領域は住宅内部に近いプライベート空間的な存在となる。そして、ルーバーを閉めたときは、上下のルーバーの重なり具合が建具のような美観を呈するようにすれば、リビングの延長のようなイメージとなる。
【0016】
このように、エアコンなどの電力等に依存せず、太陽や風など自然のパワーを利用したパッシブな制御によって夏冬の厳しい環境を適度に緩和し、温度差が少なく、建物や居住している人にかける負担を最小にすることができる。
【0017】
また、屋根があるために雨水が中間領域内を濡らすことがなく、常時室内のような快適空間を保持することができる。
【0018】
以上のように、住宅の内外の中間領域を創出することにより、外界に開放された庭を外界に閉鎖された住宅に取り込んで住宅と同価値とすることで安心で快適な空間と通風・日射の制御空間とを併せ持つがの両立が達成できる。
【0019】
請求項2に係る発明によれば、枠体には、左右の縦框と上下の横框とによって構成された框体の内側に多数のルーバーを配したルーバー付きパネルを固定し、ルーバー付きスライドパネルは上記ルーバー付きパネルと上記枠体との間に形成された空間を開閉可能に設けられた構造となるので、中間領域はルーバー付きスライドパネルとルーバー付きパネルとを連続的に備えた広い空間となる。
【0020】
請求項3に係る発明によれば、少なくともルーバー付きスライドパネルのルーバーは回動可能となっているので、ルーバー付きスライドパネルを閉じた状態にしても、ルーバーを回動して開けることによって外からの視線を遮断し、日射をある程度促すと同時に、風を通す空間となるから、中間領域をテラス的空間とすることができる。また、ルーバーを閉じた状態にすることによって、外からの視線を完全に遮断するとともに、日射や通風も遮断することができる空間となるから、中間領域を住宅内部に近いプライベート空間的な存在とすることができる。
【0021】
請求項4に係る発明によれば、ルーバーが閉じたとき、住宅側に対面する上下のルーバーの面が平面上に並べられるようにしたので、上下のルーバーの重なり具合が建具のような美観を呈することになり、中間領域をリビングの延長のようなイメージとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】中間領域創出構造を示す構造体の斜視図
図2】上記構造体の正面図
図3】上記構造体の側面図
図4図2のX−X線上の断面図
図5】ルーバー付きパネルを開き作動させた状態の正面図
図6】ルーバーの取付状態を示す断面図
図7】上記構造体の屋根部の前部の拡大断面図
図8】水平ローラの取付状態を示す平面図
図9】ガイドローラと下部レールを示す側面図
図10】上記構造体の屋根部の基部の拡大断面図
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1図5は住宅内外の中間領域創出構造を示す構造体で、図1は上記構造体の斜視図、図2はその正面図、図3はその側面図、図4図1のX−X線上の断面図であり、図5はルーバー付きパネルを開き作動させた状態の正面図である。符号1は住宅の外壁である。2は外壁1に出入り可能に設けられた開口部(サッシ枠、扉等は省略)である。住宅の外壁1の外側に設けられた庭などの地面(土でもコンクリートでもよい)Gには、枠体3とルーバー付きのパネル7、13とを備えた構造体Aが設けられている。
【0024】
枠体3は、左右の縦枠4とこれらの縦枠4の上端に設けられた上枠5とによって構成され、地面Gに立設されている。縦枠4の間には方立6が設けられ、方立6の上端は上枠5に、下端は縦枠4と同様に地面Gに埋設固定されている。
【0025】
次に、上記枠体3の両側の縦枠4と方立6との間にはルーバー付きパネル7が設けられている。ルーバー付きパネル7は、上下の横框8と左右の縦框9とによって組まれた方形の框体の内側に多数のルーバー10を間隔をおいて平行に配置したもので、図6に示されるように、各ルーバー10は一端側がやや幅狭になっている長い台形状に形成され、一方の斜辺10aの延長上には突片10bが突出形成されている。ルーバー10の回動軸11は縦框9の内壁の軸孔(図示せず)に回動自在に支持され、軸孔を貫通してその内側に突出し、縦框9の内側に配置された回動アーム12と連結されている。回動アーム12の先端は縦框9内に配置された作動ロッド(図示せず)に係合している。このため、外部から回転ハンドル等の適宜手段によって作動ロッドを上下動させることにより、移動量に応じて回動アーム12が一定の角度だけ回動し、同時にルーバー10が同角度だけ開閉回動するようになっている。
【0026】
上下のルーバー10間の隙間が最小となるように閉じ作動させたときは、上下のルーバー10の住宅側に対面する面が平面上に並べられるようになっている。これにより、全体として多数の引き出しが上下に連続する建具のような意匠を呈する。もちろん、ルーバー10を開き作動させたときは、上下のルーバー10間に十分な通風空間が形成される。
【0027】
なお、ルーバー10の駆動機構は上述のものに限定されない。また、ルーバーは回動しなくてもよい。ルーバーの形状も特に上記形態に限定されない。
【0028】
また、枠体3の両側部にルーバー付きパネル7を設けることによってルーバー付きパネル7と枠体3との間に形成された空間Pには、2枚のルーバー付きスライドパネル13が配置されている。ルーバー付きスライドパネル13は、左右の縦框30aと上下の横框30bとによって構成された框体26の内側に多数のルーバー10を配置した上吊り式のパネルで、上枠5に沿って摺動することによって方立6間の内側空間を開閉するように設けられ、上記内側空間を開放するときはルーバー付きパネル7の背面に沿って摺動するようになっている。
【0029】
すなわち、上枠5の後部にはルーバー付きスライドパネル13を摺動可能に支持する上部レール14が固定され、上部レール14に沿ってルーバー付きスライドパネル13が摺動するように構成されている。
【0030】
図7に示されるように、上枠5は方形の中空部15の下部の前後に2本の突縁16を下向きに突出形成したもので、中空部15の下面にはレールステー17が固定されている。レールステー17は上部18がL字形に形成され、垂直部の中間部には凸部19と鉤部20が互いに反対側に形成されている。上部18は中空部15の下面と後側の突縁16に当接して固定され、垂直部の下部は上枠5の後部の突縁16の延長上に延出し、鉤部20は後方に露出するように取り付けられている。レールステー17には上部レール14が固定されている。上部レール14は、下部に摺動溝33を有する横長の長方形状のレール本体22と、レール本体22の一端の上下からそれぞれ突出する係止縁23と固定縁24とから形成されている。係止縁23はレールステー17の鉤部20に係止され、固定縁24はレールステー17の下端に当接されてビス止め固定されている。
【0031】
上部レール14の下方に対応して、地面Gには下部レール25が埋設されている。下部レール25は断面略U字形の部材で、上部が開放されている。
【0032】
これに対し、ルーバー付きスライドパネル13のルーバー10の形状、框体26に対する取付態様、作動ロッドによるルーバー10の駆動機構等は、上述のルーバー付きパネル7と同じであるから、説明は省略する。
【0033】
ルーバー付きスライドパネル13の上部両端には、水平ローラ27が設けられている。図7及び図8に示されるように、水平ローラ27の回転軸28は支持金具29に固定され、支持金具29は框体26の縦框30aの中空部31に挿入され、中空部31の外側から打ち込まれたビス32によって固定されている。
【0034】
水平ローラ27の回転軸28は、枠体3の上枠5の後部に固定された上部レール14の端部から摺動溝33を通るように挿入され、水平ローラ27が上部レール14の内部に収納された状態で摺動自在に配置されている。これにより、ルーバー付きスライドパネル13は上部レール14に摺動自在に上吊りされている。
【0035】
図9に詳しく示すように、ルーバー付きスライドパネル13の下部両端にはガイドローラ34が設けられている。ガイドローラ34の回転軸35はL形の支持金具29aに固定され、支持金具29aは縦框30aの中空部31(図8参照)に挿入され、中空部31の外側から打ち込まれたビス32によって固定されている。そして、ルーバー付きスライドパネル13のガイドローラ34は下部レール25の内側に配置され、摺動時の振れを防止している。
【0036】
2つのルーバー付きスライドパネル13は図1及び図2に示す閉じ状態において突合せ状態になっている。また、図5に示されるように、ルーバー付きスライドパネル13が開くと、その内側に住宅の開口部2が現れるように構成されている。
【0037】
なお、ルーバー付きスライドパネル13のストッパ、回転ハンドル等の作動ロッド操作手段、ロック手段等は公知であるから、省略する。
【0038】
次に、枠体3の上枠5と住宅の外壁1との間には屋根35が設けられている。図7及び図10に示されるように、屋根35はフレーム枠37の内側に屋根材36を配設したもので、フレーム枠37は、上枠5が兼用する前フレーム5と外壁1に固定された後フレーム38と両側の側フレーム(図示せず)と前フレーム5と後フレーム38の中間部を連結する中間フレーム(図示せず)とによって構成され、前フレーム5の後面部には長手方向に沿って屋根材36の前端を支持する樋部材39が固定されている。樋部材39の上部に設けられている部材40は、中間フレームを支持するための短尺の支持部材である。屋根材36は斜板部36aの両側にフィン36bを立ち上げ形成したもので、フレーム枠37の内側に画成された空間に配置されており、屋根材36の前端は樋部材39に支持され、屋根押え41によって固定されている。屋根材36の後端は後フレーム38に固定された屋根受け部材42上に支持され、屋根押え43で固定されている。なお、44は屋根材のフィンを押える屋根固定部材である。
【0039】
屋根材36の下部には天井板45が連設されている。
【0040】
枠体3は屋根35を介して住宅に連結されるので、自立強度は補強され、強風等で歪み等の変形が生じ、ルーバー10の回動やルーバー付きスライドパネル13の摺動に及ぼす悪影響を最小にすることができる。
【0041】
なお、屋根35には必ずしも直接に雨を避ける機能は要求されない。たとえば、住宅の二階の一部が一階の外壁よりも屋外側に突出している場合、突出部分の床部を上記構造体
Aの屋根として利用してもよい。
【0042】
上述のように、住宅の外側に、ルーバー付きパネル7とルーバー付きスライドパネル13とを備えた構造体Aが設けられる構成となっている。構造体Aと住宅との間には、屋内ではないが、といって屋外でもない中間領域Bが創出される。そして、この中間領域Bを造り出すことにより、庭に吹く風、庭に照射された日光をいったん中間領域Bに取り込み、さらにそこから住宅内に導入することができるようになり、季節や使用状況に合わせて日射・通風・他人の視線等による影響を調整したり、住宅内部の温度調整補助を行ったりすることができる。
【0043】
すなわち、図5のように両側のルーバー付きスライドパネル13をルーバー付きパネル7の後まで摺動させて全開状態としたとき、中間領域Bは外界に開放された空間となり、庭的な存在となる。このため、枠体3の内側空間Pを通して日光が住宅の内部にも十分に差し込まれ、通風量も最大となる。したがって、冬は陽射しを取り入れる効果が期待でき、夏は放熱効果が期待できる。枠体3の内側空間P以外の通風量は、ルーバー付きパネル7とルーバー付きスライドパネル13のルーバー10の角度によって調整すればよい。
【0044】
次に、図1及び図2のように両側のルーバー付きスライドパネル13を閉め、ルーバー10を開けた状態にすると、外からの視線を遮断し、日光を遮断すると同時に、風を通す空間となるから、中間領域Bはテラス的空間となる。
【0045】
さらに、図1及び図2のようにルーバー付きスライドパネル13を閉じ、ルーバー10も閉じた状態にすると、外からの視線を遮断し、日光も遮断すると同時に、通風も遮断することができる空間となる。しかも、ルーバー10を閉めたときは、上下のルーバー10の住宅側に対面する部分の重なり具合が建具のような美観を呈するので、リビングの延長のようなイメージとなる。したがって、中間領域Bは住宅内部に近いプライベート空間的な存在となる。
【0046】
上記いずれの場合も、屋根35があるために雨水が中間領域B内を濡らすことがなく、常時室内のような快適空間を保持することができる。
【0047】
また、ルーバー付きパネル7を設けたことにより、このスライドパネルを閉じたときにその全幅は固定されたルーバー付きパネル7の分も含まれるので、中間領域Bはルーバー付きスライドパネル13とルーバー付きパネル7とを備えた広い空間となる。
【0048】
以上述べたとおり、上記構造体Aは、エアコンなどの電力等に依存せず、太陽や風など自然のパワーを利用したパッシブな制御によって夏冬の厳しい環境を適度に緩和するものであるから、温度差が少なく、建物や居住している人にかける負担を最小にすることができる。
【0049】
このように、住宅の内外の中間領域Bを創出することにより、外界に開放された庭を外界に閉鎖された住宅に取り込んで住宅と同価値とすることで安心で快適な空間と通風・陽射しの取り込みの両立が達成できる。都市部の前面道路からの引きが少ない住宅には特に有効である。
【0050】
なお、上述の構造体は枠体とルーバー付きスライドパネルと屋根とが備えられているものであればよく、その構造にはいろいろな選択肢があり、上述の実施形態には限定されない。例えば、新築住宅とともに設置する先付け仕様と既設の住宅に設置する後付け仕様とでは、多少の構造上の違いはあるが、その仕様に限定されない。枠体の縦枠と住宅の外壁との間に壁を設けてもよい。屋根構造も上述の実施形態に限定されるものではない。
【0051】
同様に、枠体3の横方向の巾寸法が十分に取れないときは、ルーバー付きパネルを枠体の一側にのみ設ける構成でもよい。また、枠体が横長で十分に広い巾寸法にした場合は、2つのルーバー付きパネルを枠体の一側と中間部分に設け、ルーバー付きスライドパネルの摺動域を上枠の全長に沿うようにしてもよい。さらには、固定されたルーバー付きパネルに代えて3枚以上のルーバー付きスライドパネルを設ける構成であってもよい。同様に、ルーバー付きスライドパネルは必ずしも枠体の一側又は両側に設けられる形態に限定されない。例えば、枠体の中央部分に設ける構成であってもよい。
【0052】
また、ルーバーは必ずしも回動する可動式のものに限定されない。角度が固定された固定式であってもよい。ルーバー付きスライドパネルの上部の吊り構造や下部のガイド構造についても、他の実施形態を選択することができる。
【符号の説明】
【0053】
A 構造体
B 中間領域
P 枠体の内側空間
1 外壁
2 開口部
3 枠体
4 縦枠
5 上枠
7 ルーバー付きパネル
10 ルーバー
13 ルーバー付きスライドパネル
35 屋根
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10