特許第6184345号(P6184345)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6184345
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】画像測定器
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/02 20060101AFI20170814BHJP
   G01B 9/04 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   G01B11/02 H
   G01B9/04
【請求項の数】13
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2014-39702(P2014-39702)
(22)【出願日】2014年2月28日
(65)【公開番号】特開2015-163860(P2015-163860A)
(43)【公開日】2015年9月10日
【審査請求日】2016年9月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000129253
【氏名又は名称】株式会社キーエンス
(74)【代理人】
【識別番号】100107847
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 聡
(72)【発明者】
【氏名】成瀬 崇志
【審査官】 小野寺 麻美子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−241117(JP,A)
【文献】 特開2012−159410(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/136591(WO,A1)
【文献】 特開2006−49347(JP,A)
【文献】 特開2004−239761(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2001/0017699(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 9/00 − G01B 11/30
G06T 1/00 − G06T 9/40
G01N 21/84 − G01N 21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを撮影し、ワーク画像を生成するカメラと、
ユーザ操作に基づいて、上記ワーク画像に対し、測定対象領域を指定する測定領域指定手段と、
上記測定対象領域内のエッジを抽出するエッジ抽出手段と、
同一の測定対象領域に対する2以上のエッジ抽出結果を表示するエッジ抽出結果表示手段と、
ユーザ操作に基づいて、上記エッジ抽出結果のいずれか一つを選択するエッジ抽出結果選択手段と、
選択された上記エッジ抽出結果を他の上記エッジ抽出結果よりも優先的に抽出するためのエッジ抽出パラメータを決定するエッジ抽出パラメータ決定手段とを備えたことを特徴とする画像測定器。
【請求項2】
上記エッジ抽出結果表示手段は、上記エッジ抽出結果を、上記ワーク画像上に重ねて表示することを特徴とする請求項1に記載の画像測定器。
【請求項3】
上記エッジ抽出パラメータ決定手段により決定された上記エッジ抽出パラメータと、上記測定領域指定手段により指定された上記測定対象領域とを測定設定データとして保持する測定設定記憶手段を備え、
上記測定設定記憶手段には、上記エッジ抽出パラメータが上記測定対象領域に関連づけて保持され、
上記エッジ抽出手段は、上記測定設定データが指定された連続測定において、上記測定設定データとして保持された上記エッジ抽出パラメータに基づいて、エッジ抽出を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像測定器。
【請求項4】
上記測定設定記憶手段には、上記測定領域指定手段により同一のワーク画像に対して指定された2以上の上記測定対象領域と、これらの測定対象領域ごとに上記エッジ抽出パラメータ決定手段により決定された上記エッジ抽出パラメータとが測定設定データとして保持され、
上記エッジ抽出手段は、上記連続測定において、上記測定設定データとして保持された上記エッジ抽出パラメータを用いて対応する上記測定対象領域からエッジを抽出することを、上記測定対象領域を変更しながら繰り返すことを特徴とする請求項3に記載の画像測定器。
【請求項5】
上記エッジ抽出結果表示手段は、同一の測定対象領域から抽出された2以上のエッジのいずれか一つを選択的に表示することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像測定器。
【請求項6】
抽出された上記エッジに基づいて、ワークの寸法値を求める寸法値算出手段と、
抽出された上記エッジに基づいて、幾何学的特徴量を求める幾何学的特徴量算出手段とを備え、
上記エッジ抽出結果表示手段は、上記エッジに対応づけて、上記寸法値、上記エッジを構成するエッジ点列又は上記幾何学的特徴量を表示することを特徴とする請求項5に記載の画像測定器。
【請求項7】
ユーザ操作に基づいて、エッジ形状を指定するエッジ形状指定手段を備え、
上記エッジ抽出手段は、指定された上記エッジ形状に基づいて、上記測定対象領域内のエッジを抽出することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の画像測定器。
【請求項8】
上記エッジ形状指定手段は、ユーザが上記測定対象領域を指定する際の領域指定情報に基づいて、エッジ点列にフィッティングさせる幾何学的形状を自動的に決定することを特徴とする請求項7に記載の画像測定器。
【請求項9】
同一の測定対象領域から抽出された2以上の上記エッジについて、エッジ抽出の安定度を求める安定度算出手段を備え、
上記エッジ抽出結果表示手段は、上記安定度に基づいて、同一の測定対象領域から抽出された2以上のエッジを選択的に表示することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の画像測定器。
【請求項10】
上記エッジ抽出手段は、同一の測定対象領域に対し、1つのエッジだけが抽出される上記エッジ抽出パラメータを変更しながらエッジ抽出を繰り返すことにより、複数のエッジを抽出することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の画像測定器。
【請求項11】
上記エッジ抽出パラメータ決定手段は、上記エッジ抽出手段が、上記エッジ抽出パラメータを変更しながらエッジ抽出を繰り返して複数のエッジを抽出する際に、上記エッジ抽出パラメータを同時に決定することを特徴とする請求項10に記載の画像測定器。
【請求項12】
上記エッジ抽出手段は、上記測定対象領域から抽出した多数のエッジ点を、フィットする幾何学図形に応じて2以上の形状グループにグループ分けし、上記形状グループごとにエッジを特定することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の画像測定器。
【請求項13】
同一の測定対象領域から2以上の上記エッジが抽出されたことをユーザに通知するユーザ通知手段を備え、
上記エッジ抽出結果表示手段は、ユーザ操作に基づいて、同一の測定対象領域から抽出された2以上のエッジをワーク画像上に表示することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の画像測定器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像測定器に係り、さらに詳しくは、ワークを撮影したワーク画像内のエッジを抽出してワークの寸法や形状を測定する画像測定器の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
画像測定器は、ワークを撮影してワーク画像を取得し、ワーク画像内のエッジを抽出してワークの寸法や形状を測定する装置である(例えば、特許文献1〜5)。通常、ワークは、X,Y及びZ軸方向に移動可能な可動ステージ上に載置される。可動ステージをZ軸方向に移動させることにより、ワーク画像のピント合わせが行われ、X又はY軸方向に移動させることにより、ワークの視野内への位置調整が行われる。
【0003】
ワーク画像は、可動ステージのZ軸方向の位置に関わらず、ワークに対して極めて正確な相似形であることから、ワーク画像上の距離や角度を判定することにより、ワーク上における実際の寸法を検知することができる。エッジ抽出は、ワーク画像に対し、予め指定される測定対象領域について、輝度変化を解析してエッジ点を抽出し、抽出した複数のエッジ点に直線、円、円弧などの幾何学図形をフィッティングさせることにより行われる。ワークの寸法は、この様にして求められるエッジ間の距離や角度、円形状のエッジの中心位置や直径として測定される。また、測定した寸法値と設計値との差分(誤差)を公差と比較して良否判定が行われる。
【0004】
この様な画像測定器を用いてワークの外形を測定する場合、カメラとは反対側からステージ上のワークに照明光を照射する透過照明を利用することが多い。一方、ワーク上の非貫通孔、段差、凹凸を測定する場合には、カメラと同じ側からステージ上のワークに照明光を照射する落射照明が利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−32224号公報
【特許文献2】特開2012−32341号公報
【特許文献3】特開2012−32344号公報
【特許文献4】特開2012−159409号公報
【特許文献5】特開2012−159410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の画像測定器では、所望のエッジを正しく抽出するために、ワーク画像に対して測定対象領域を適切に指定する必要があった。しかしながら、測定対象領域の位置や形状を適切に指定することは、ユーザにとって手間がかかる作業であることに加え、抽出しようとするエッジが含まれるように測定対象領域の位置を定めることが容易ではないという問題があった。特に、落射照明を利用して撮影されたワーク画像では、ワーク表面のテクスチャ、すなわち、加工跡、模様、微細な凹凸、段差などをエッジであると誤認し易く、所望のエッジを正確に見極めることが難しいという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、ユーザの作業負荷を増大させることなく、所望のエッジを正しく抽出することができる画像測定器を提供することを目的とする。特に、ユーザにより指定される測定対象領域に位置のばらつきがある場合、測定対象領域を間違って指定した場合、或いは、複数のエッジが測定対象領域に含まれている場合であっても、所望のエッジを正しく抽出することができる画像測定器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の本発明による画像測定器は、ワークを撮影し、ワーク画像を生成するカメラと、ユーザ操作に基づいて、上記ワーク画像に対し、測定対象領域を指定する測定領域指定手段と、上記測定対象領域内のエッジを抽出するエッジ抽出手段と、同一の測定対象領域に対する2以上のエッジ抽出結果を表示するエッジ抽出結果表示手段と、ユーザ操作に基づいて、上記エッジ抽出結果のいずれか一つを選択するエッジ抽出結果選択手段と、選択された上記エッジ抽出結果を他の上記エッジ抽出結果よりも優先的に抽出するためのエッジ抽出パラメータを決定するエッジ抽出パラメータ決定手段とを備えて構成される。
【0009】
この画像測定器では、同一の測定対象領域から抽出した2以上のエッジ抽出結果が表示される。このため、ユーザは、表示されたエッジ抽出結果のいずれか一つを選択するだけで、所望のエッジを抽出するのに適したエッジ抽出パラメータを決定することができる。また、エッジ抽出は、この様にして決定されたエッジ抽出パラメータに基づいて行われるので、測定対象領域に位置のばらつきがある場合、測定対象領域を間違って指定した場合、或いは、複数のエッジが測定対象領域に含まれている場合であっても、所望のエッジを正しく抽出することができる。
【0010】
第2の本発明による画像測定器は、上記構成に加え、上記エッジ抽出結果表示手段が、上記エッジ抽出結果を、上記ワーク画像上に重ねて表示するように構成される。この様な構成によれば、エッジ抽出結果とワーク画像との相対的な位置関係を容易に識別することができる。
【0011】
第3の本発明による画像測定器は、上記構成に加え、上記エッジ抽出パラメータ決定手段により決定された上記エッジ抽出パラメータと、上記測定領域指定手段により指定された上記測定対象領域とを測定設定データとして保持する測定設定記憶手段を備え、上記測定設定記憶手段には、上記エッジ抽出パラメータが上記測定対象領域に関連づけて保持され、上記エッジ抽出手段が、上記測定設定データが指定された連続測定において、上記測定設定データとして保持された上記エッジ抽出パラメータに基づいて、エッジ抽出を行うように構成される。
【0012】
この様な構成によれば、測定設定記憶手段にはエッジ抽出パラメータが測定対象領域に関連づけて保持されるので、測定設定データを指定することにより、測定対象領域を測定するのに適したエッジ抽出パラメータを識別することができる。また、測定設定データが指定された連続測定では、測定対象領域を測定するのに適したエッジ抽出パラメータでエッジ抽出が行われる。このため、ワークの形状や材質が変わっても、測定設定データを指定するだけで、安定した寸法測定を行うことができる。
【0013】
第4の本発明による画像測定器は、上記構成に加え、上記測定設定記憶手段には、上記測定領域指定手段により同一のワーク画像に対して指定された2以上の上記測定対象領域と、これらの測定対象領域ごとに上記エッジ抽出パラメータ決定手段により決定された上記エッジ抽出パラメータとが測定設定データとして保持され、上記エッジ抽出手段が、上記連続測定において、上記測定設定データとして保持された上記エッジ抽出パラメータを用いて対応する上記測定対象領域からエッジを抽出することを、上記測定対象領域を変更しながら繰り返すように構成される。この様な構成によれば、測定設定データを指定するだけで、複数の測定対象領域について、安定した寸法測定を行うことができる。
【0014】
第5の本発明による画像測定器は、上記構成に加え、上記エッジ抽出結果表示手段が、同一の測定対象領域から抽出された2以上のエッジのいずれか一つを選択的に表示するように構成される。この様な構成によれば、同一の測定対象領域から抽出されたエッジを個別に確認することができる。
【0015】
第6の本発明による画像測定器は、上記構成に加え、抽出された上記エッジに基づいて、ワークの寸法値を求める寸法値算出手段と、抽出された上記エッジに基づいて、幾何学的特徴量を求める幾何学的特徴量算出手段とを備え、上記エッジ抽出結果表示手段が、上記エッジに対応づけて、上記寸法値、上記エッジを構成するエッジ点列又は上記幾何学的特徴量を表示するように構成される。この様な構成によれば、エッジの形状や位置を確認することができるとともに、エッジを構成するエッジ点列、エッジから求められたワークの寸法値又は幾何学的特徴量を確認して適切なエッジを選択することができる。
【0016】
第7の本発明による画像測定器は、上記構成に加え、ユーザ操作に基づいて、エッジ形状を指定するエッジ形状指定手段を備え、上記エッジ抽出手段が、指定された上記エッジ形状に基づいて、上記測定対象領域内のエッジを抽出するように構成される。この様な構成によれば、ユーザにより指定されたエッジ形状以外の形状のエッジは抽出されないので、エッジ抽出の精度を向上させることができる。
【0017】
第8の本発明による画像測定器は、上記構成に加え、上記エッジ形状指定手段が、ユーザが上記測定対象領域を指定する際の領域指定情報に基づいて、エッジ点列にフィッティングさせる幾何学的形状を自動的に決定するように構成される。この様な構成によれば、測定対象領域を指定するだけで、エッジ形状を指定することができる。
【0018】
第9の本発明による画像測定器は、上記構成に加え、同一の測定対象領域から抽出された2以上の上記エッジについて、エッジ抽出の安定度を求める安定度算出手段を備え、上記エッジ抽出結果表示手段が、上記安定度に基づいて、同一の測定対象領域から抽出された2以上のエッジを選択的に表示するように構成される。この様な構成によれば、安定度の低いエッジは表示されないので、安定度の低いエッジによってエッジ抽出パラメータが誤って定められるのを防止することができる。
【0019】
第10の本発明による画像測定器は、上記構成に加え、上記エッジ抽出手段が、同一の測定対象領域に対し、1つのエッジだけが抽出される上記エッジ抽出パラメータを変更しながらエッジ抽出を繰り返すことにより、複数のエッジを抽出するように構成される。この様な構成によれば、エッジ抽出パラメータを異ならせるだけで、同一の測定対象領域から複数のエッジを抽出することができる。
【0020】
第11の本発明による画像測定器は、上記構成に加え、上記エッジ抽出手段が、上記エッジ抽出パラメータを変更しながらエッジ抽出を繰り返して複数のエッジを抽出する際に、上記エッジ抽出パラメータ決定手段が、上記エッジ抽出パラメータを同時に決定するように構成される。この様な構成によれば、同一の測定対象領域から複数のエッジを抽出した時点で、それぞれのエッジを抽出するのに適したエッジ抽出パラメータが自動的に決定されるので、ユーザがエッジを選択した時点では、演算によってエッジ抽出パラメータを求める必要がない。
【0021】
第12の本発明による画像測定器は、上記構成に加え、上記エッジ抽出手段が、上記測定対象領域から抽出した多数のエッジ点を、フィットする幾何学図形に応じて2以上の形状グループにグループ分けし、上記形状グループごとにエッジを特定するように構成される。この様な構成によれば、多数のエッジ点を複数の形状グループにグループ分けすることにより、同一の測定対象領域から複数のエッジを抽出することができる。
【0022】
第13の本発明による画像測定器は、上記構成に加え、同一の測定対象領域から2以上の上記エッジが抽出されたことをユーザに通知するユーザ通知手段を備え、上記エッジ抽出結果表示手段が、ユーザ操作に基づいて、同一の測定対象領域から抽出された2以上のエッジをワーク画像上に表示するように構成される。この様な構成によれば、同一の測定対象領域から複数のエッジが抽出されたことを確認してから、これらのエッジをワーク画像上に表示させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、ユーザの作業負荷を増大させることなく、所望のエッジを正しく抽出することができる画像測定器を提供することができる。特に、同一の測定対象領域から複数のエッジ抽出結果を抽出してエッジ抽出パラメータを決定するので、ユーザにより指定される測定対象領域に位置のばらつきがあっても、所望のエッジを正しく抽出することができる画像測定器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の実施の形態1による画像測定器1の一構成例を示した斜視図である。
図2図1の測定ユニット10の構成例を模式的に示した説明図であり、測定ユニット10を撮影軸と平行な垂直面により切断した場合の切断面が示されている。
図3図1の制御ユニット20内の機能構成の一例を示したブロック図である。
図4図1の画像測定器1の動作の一例を示した図であり、測定ユニット10のディスプレイ装置11に表示される測定設定画面50が示されている。
図5図1の画像測定器1の動作の一例を示した図であり、プレビュー領域51内のワーク画像2に対して測定対象領域3を指定した後の状態が示されている。
図6図1の画像測定器1の動作の一例を示した図であり、測定対象領域3から抽出されたエッジ4の一つを選択した場合が示されている。
図7図1の画像測定器1の動作の一例を示した図であり、エッジ選択ボタン56を操作して他のエッジ4を選択した場合が示されている。
図8図1の画像測定器1におけるエッジ抽出時の動作の一例を模式的に示した説明図である。
図9図1の画像測定器1におけるエッジ抽出時の動作の一例を示した図であり、エッジ抽出パラメータを互いに異ならせて抽出されたエッジ点5が示されている。
図10図1の画像測定器1における測定設定時の動作の一例を示したフローチャートである。
図11図1の画像測定器1における寸法測定時の動作の一例を示したフローチャートである。
図12】本発明の実施の形態2による画像測定器1の一構成例を示したブロック図であり、制御ユニット20内の機能構成の一例が示されている。
【発明を実施するための形態】
【0025】
実施の形態1.
<画像測定器1>
図1は、本発明の実施の形態1による画像測定器1の一構成例を示した斜視図である。この画像測定器1は、ワークを撮影したワーク画像内のエッジを抽出してワークの寸法を測定する寸法測定装置であり、測定ユニット10、制御ユニット20、キーボード31及びマウス32により構成される。ワークは、その形状や寸法が測定される測定対象物である。
【0026】
測定ユニット10は、ディスプレイ装置11、可動ステージ12、XY調整つまみ14a、Z調整つまみ14b、電源スイッチ15及び実行ボタン16を備え、可動ステージ12上のワークに可視光からなる検出光を照射し、その透過光又は反射光を受光してワーク画像を生成する。ワークは、可動ステージ12の検出エリア13内に載置される。また、測定ユニット10は、ワーク画像をディスプレイ装置11の表示画面11aに表示する。
【0027】
ディスプレイ装置11は、ワーク画像や測定結果を表示画面11a上に表示する表示装置である。可動ステージ12は、ワークを載置するための載置台であり、検出光を透過させる検出エリア13が設けられている。検出エリア13は、透明ガラスからなる円形状の領域である。この可動ステージ12は、カメラの撮影軸に平行なZ軸方向と、撮影軸に垂直なX軸方向及びY軸方向に移動させることができる。
【0028】
XY調整つまみ14aは、可動ステージ12をX軸方向又はY軸方向に移動させることにより、X軸方向及びY軸方向の位置を調整するための操作部である。Z調整つまみ14bは、可動ステージ12をZ軸方向に移動させることにより、Z軸方向の位置を調整するための操作部である。電源スイッチ15は、測定ユニット10及び制御ユニット20の主電源をオン状態及びオフ状態間で切り替えるための操作部である。実行ボタン16は、寸法測定を開始させるための操作部である。
【0029】
制御ユニット20は、測定ユニット10による撮影や画面表示を制御し、ワーク画像を解析してワークの寸法を測定するコントローラ部であり、キーボード31及びマウス32が接続されている。電源投入後、検出エリア13内にワークを配置して実行ボタン16を操作すれば、ワークの寸法が自動的に測定される。
【0030】
<測定ユニット10>
図2は、図1の測定ユニット10の構成例を模式的に示した説明図であり、測定ユニット10を撮影軸と平行な垂直面により切断した場合の切断面が示されている。この測定ユニット10は、ディスプレイ装置11、可動ステージ12、筐体100、ステージ調整部101、鏡筒部102、照明位置調整部103、カメラ110,120、同軸落射照明ユニット130、リング照明ユニット140及び透過照明ユニット150により構成される。
【0031】
ステージ調整部101、鏡筒部102、カメラ110,120、同軸落射照明ユニット130及び透過照明ユニット150は、筐体100内に配置されている。ステージ調整部101は、制御ユニット20からの駆動信号に基づいて、可動ステージ12をX,Y又はZ軸方向に移動させ、ワークのX,Y及びZ軸方向の位置を調整する。
【0032】
カメラ110は、撮影倍率の低い撮像装置であり、撮像素子111、結像レンズ112、絞り板113及び受光レンズ114により構成される。撮像素子111は、検出光を受光してワーク画像を生成する。この撮像素子111は、受光面を下方に向けて配置されている。結像レンズ112は、検出光を撮像素子111上に結像させる光学部材である。絞り板113は、検出光の透過光量を制限する光学絞りであり、結像レンズ112及び受光レンズ114間に配置されている。受光レンズ114は、ワークからの検出光を集光する光学部材であり、可動ステージ12に対向させて配置されている。結像レンズ112、絞り板113及び受光レンズ114は、上下方向に延びる中心軸を中心として配置されている。
【0033】
カメラ120は、撮影倍率の高い撮像装置であり、撮像素子121、結像レンズ122、絞り板123、ハーフミラー124及び受光レンズ114により構成される。撮像素子121は、検出光を受光してワーク画像を生成する。この撮像素子121は、受光面を水平方向に向けて配置されている。結像レンズ122は、検出光を撮像素子121上に結像させる光学部材である。絞り板123は、検出光の透過光量を制限する光学絞りであり、結像レンズ122及びハーフミラー124間に配置されている。受光レンズ114は、カメラ110と共通である。受光レンズ114を透過した検出光は、ハーフミラー124により水平方向に折り曲げられ、絞り板123及び結像レンズ122を介して撮像素子121に結像する。
【0034】
撮像素子111及び121には、CCD(Charge Coupled Devices:電荷結合素子)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補型金属酸化物半導体)などのイメージセンサが用いられる。受光レンズ114には、上下方向、すなわち、撮影軸方向の位置が変化しても、像の大きさを変化させない性質を有するテレセントリックレンズが用いられる。
【0035】
同軸落射照明ユニット130は、可動ステージ12上のワークに照明光を上方から照射する落射照明装置であり、照射光の光軸を撮影軸に一致させている。この同軸落射照明ユニット130は、水平方向に向けて配置された光源131と、光源131から出射された照明光を下方に折り曲げるハーフミラー132とにより構成される。
【0036】
結像レンズ112,122、絞り板113,123、ハーフミラー124,132及び受光レンズ114は、鏡筒部102内に配置されている。
【0037】
透過照明ユニット150は、可動ステージ12上のワークに照明光を下方から照射する透過照明装置であり、光源151、ミラー152及び集光レンズ153により構成される。光源151は、水平方向に向けて配置されている。光源151から出射された照明光は、ミラー152により反射され、集光レンズ153を介して出射される。この照明光は、可動ステージ12を透過し、その透過光の一部は、ワークにより遮断され、他の一部が受光レンズ114に入射する。
【0038】
リング照明ユニット140は、可動ステージ12上のワークに照明光を上方又は側方から照射する落射照明装置であり、カメラ110及び120の撮影軸を取り囲むリング形状からなる。このリング照明ユニット140は、可動ステージ12上のワークに拡散光を上方或いは側方から照射する拡散照明装置141と、可動ステージ12上のワークに照明光を側方から照射する側射照明装置142とを同軸に配置した照明装置である。
【0039】
拡散照明装置141は、カメラ110及び120の撮影軸を取り囲むリング状の光源を有する。この光源は、周方向を分割した2以上のブロックごとに点灯可能である。側射照明装置142は、平行光又は平行光に近い拡がり角からなる照明光を照射し、ワークの周囲を側方から照明することができる。
【0040】
照明ユニット130〜150の光源には、LED(発光ダイオード)やハロゲンランプが用いられる。照明位置調整部103は、リング照明ユニット140を撮影軸方向に移動させることにより、可動ステージ12に対するリング照明ユニット140の相対位置を調整する相対位置調整手段である。ワークの照明方法としては、透過照明、リング照明又は同軸落射照明のいずれかを選択することができる。
【0041】
<制御ユニット20>
図3は、図1の制御ユニット20内の機能構成の一例を示したブロック図である。この制御ユニット20は、撮像制御部21、ワーク画像記憶部22、測定領域指定部23、測定設定記憶部24、幾何学的特徴量算出部25、エッジ抽出部26、寸法値算出部27、エッジ形状指定部28、エッジ抽出結果表示部29、エッジ抽出結果選択部30及びエッジ抽出パラメータ決定部41により構成される。
【0042】
撮像制御部21は、ユーザ操作に基づいて、カメラ110,120、照明位置調整部103及び照明ユニット130〜150を制御し、カメラ110又は120からワーク画像を取得してワーク画像記憶部22内に格納する。
【0043】
測定領域指定部23は、ユーザ操作に基づいて、ワーク画像記憶部22からワーク画像を読み出し、ワーク画像に対し、測定対象領域を指定する。測定対象領域は、寸法測定のためにエッジ抽出処理を行わせる画像領域であり、矩形、円形、円環、円弧などの様々な形状を指定することができる。例えば、測定領域指定部23は、拡散照明装置141の拡散光を照射して撮影されたワーク画像を用いて、測定対象領域を指定する。拡散光を照射して撮影されたワーク画像を用いることにより、ワークの全体像を確認しながら測定対象領域を指定することができる。測定設定記憶部24には、測定対象領域を示す位置情報や測定種別が測定設定データとして保持される。
【0044】
測定対象領域を指定する具体的な方法には、各種の方法がある。例えば、矩形領域を指定する場合、画像上の1点を指定するだけで矩形領域が選択される方法と、始点、終点、領域幅又は2以上の頂点を指定する方法がある。また、円形領域を指定する場合には、1点を指定する方法と、1点及び半径を指定する方法がある。また、円環領域を指定する場合には、1点、半径及び領域幅を指定する方法がある。また、円弧領域を指定する場合には、始点、中間点及び終点を指定する方法がある。これらの方法は、ユーザが任意に選択することができる。
【0045】
点の位置を指定する具体的な方法には、マウス32を操作して表示画面11a内でマウスカーソルを移動させ、クリック操作を行う方法と、ディスプレイ装置11が表示画面11aに対するタッチ操作を検出するタッチパネル機能を有する場合に、表示画面11aをなぞる方法やタップする方法がある。これらの方法は、ユーザが任意に選択することができる。
【0046】
なお、測定対象領域から可能な限り多くのエッジを抽出するために、ユーザが表示画面11a上で指示した画像領域を外側へ一定距離だけ拡大させた領域を測定対象領域として指定するような構成であっても良い。
【0047】
エッジ抽出部26は、測定対象領域内のエッジを抽出する。エッジ抽出処理は、測定対象領域内の画素について、輝度変化を解析することにより、エッジ点を抽出し、抽出した複数のエッジ点に直線、円、円弧などの幾何学図形をフィッティングさせることにより行われる。
【0048】
寸法値算出部27は、エッジ抽出部26により抽出されたエッジに基づいて、ワークの寸法値を求め、測定結果として出力する。幾何学的特徴量算出部25は、エッジ抽出部26により抽出されたエッジに基づいて、幾何学的特徴量を求める。幾何学的特徴量は、エッジを構成するエッジ点列にフィッティングさせた幾何学図形の特徴量であり、真直度、真円度、基準座標からの位置などが幾何学的特徴量として算出される。
【0049】
エッジ抽出結果表示部29は、同一の測定対象領域に対する2以上のエッジ抽出結果をディスプレイ装置11に表示する。エッジ抽出結果には、エッジ抽出部26により抽出されたエッジの他、エッジを構成するエッジ点列、フィッティング線、エッジから求められた寸法値及び幾何学的特徴量がある。例えば、エッジ抽出結果表示部29は、ワーク画像記憶部22からワーク画像を読み出して表示するとともに、同一の測定対象領域から抽出された2以上のエッジ抽出結果を、ワーク画像上に重ねて表示する。
【0050】
同一の測定対象領域から抽出された複数のエッジをワーク画像上に表示する方法には、複数のエッジを一覧表示する方法と、複数のエッジのいずれか一つを選択的に表示する方法があり、ユーザが任意に指定することができる。複数のエッジを一覧表示すれば、各エッジの相対的な位置関係を容易に識別することができる。一方、複数のエッジのいずれか一つを選択的に表示すれば、同一の測定対象領域から抽出されたエッジを個別に確認することができる。
【0051】
また、エッジ抽出結果表示部29は、エッジに対応づけて、寸法値、エッジを構成するエッジ点列又は幾何学的特徴量を表示する。この様に構成することにより、エッジの形状や位置を確認することができるとともに、エッジを構成するエッジ点列、エッジから求められたワークの寸法値又は幾何学的特徴量を確認して適切なエッジを選択することができる。エッジ抽出結果選択部30は、ユーザ操作に基づいて、エッジ抽出結果表示部29により表示されたエッジ抽出結果のいずれか一つを選択する。
【0052】
エッジ抽出パラメータ決定部41は、エッジ抽出結果選択部30により選択されたエッジ抽出結果を他のエッジ抽出結果よりも優先的に抽出するためのエッジ抽出パラメータを決定する。測定設定記憶部24は、エッジ抽出パラメータ決定部41により決定されたエッジ抽出パラメータと、測定領域指定部23により指定された測定対象領域とを測定設定データとして保持する。また、測定設定記憶部24には、エッジ抽出パラメータが測定対象領域に関連づけて保持される。
【0053】
エッジ抽出パラメータは、測定対象領域内から1つのエッジを抽出するための2以上の抽出条件からなる変数である。このエッジ抽出パラメータを構成する抽出条件には、エッジ強度、スキャン方向、エッジ方向及び優先指定がある。
【0054】
エッジ強度は、直線方向の画素の位置と各画素の輝度値とからなる輝度分布における輝度の微分値である。エッジ強度の上限値又は下限値をエッジ抽出パラメータとして指定することができる。エッジ強度は、輝度が急激に変化する画素位置ほど、高い。また、エッジ強度が低い画素位置では、ノイズ成分をエッジとして誤抽出してしまうことがあるが、上限値や下限値により指定された範囲内のエッジ点のみを抽出することにより、安定したエッジ抽出が可能となる。
【0055】
スキャン方向は、エッジを探索する際の探索方向であり、測定対象領域に対し、ユーザから見て、左方向又は右方向のいずれか、或いは、上方向又は下方向のいずれかをエッジ抽出パラメータとして指定することができる。エッジ方向は、エッジ点として抽出する輝度変化の方向であり、輝度分布をスキャン方向に走査する場合に、輝度値が低輝度側から高輝度側へ変化するのか、或いは、輝度値が高輝度側から低輝度側へ変化するのかをエッジ抽出パラメータとして指定することができる。通常、特定のエッジを構成するエッジ点は、同一方向であるため、エッジ方向を指定することにより、逆方向のエッジを誤抽出するのを抑制することができる。
【0056】
優先指定は、エッジ強度、スキャン方向及びエッジ方向の各パラメータにより指定された抽出条件を満たす2以上のエッジ点が同一直線上に検出された場合に、いずれのエッジ点を採用するのかの指定である。例えば、輝度分布をスキャン方向に走査する場合に、最初に検出されたエッジ点を採用するのか、或いは、測定対象領域の中心又は中心線に最も近いエッジ点を採用するのかをエッジ抽出パラメータとして選択することができる。また、ノイズ成分が少ない側から輝度分布を走査し、最初に検出されたエッジ点を採用することを優先指定により選択することができる。この様な優先指定により、エッジ抽出の安定性を向上させることができる。
【0057】
エッジ抽出の具体的な方法には、測定対象領域内に含まれるエッジのみを抽出する方法と、測定対象領域の境界を横切るエッジのみを抽出する方法と、測定対象領域内に含まれるエッジと測定対象領域の境界を横切るエッジとの両方を抽出する方法がある。これらの方法は、ユーザが任意に選択することができる。
【0058】
通常、エッジ抽出パラメータには、所望のエッジが一意に抽出されるようにするため、エッジ強度やスキャン方向を示す複数のパラメータの組合せが指定される。一方、同一の測定対象領域から2以上のエッジを抽出する際には、通常時に使用するエッジ抽出パラメータの一部又は全部のパラメータを変更する方法と、通常時に使用するエッジ抽出パラメータの一部又は全部のパラメータを無視する方法と、測定対象領域から抽出された2以上のエッジ点を2以上のグループにグループ分けする方法がある。
【0059】
また、エッジ抽出パラメータを変更しながらエッジ抽出を繰り返す方法がある。この場合、エッジ抽出パラメータ決定部41は、エッジ抽出部26が、エッジ抽出パラメータを変更しながらエッジ抽出を繰り返して複数のエッジを抽出する際に、エッジ抽出パラメータを同時に決定する。上述した各種の方法は、ユーザが任意に選択することができる。
【0060】
測定対象領域から抽出されたエッジ点を複数のグループにグループ分けする方法には、各種の方法がある。例えば、エッジ点の位置情報を用いて、互いに近接しているエッジ点を同じグループに分類する方法と、エッジ特性、すなわち、エッジ方向又はエッジ強度に基づいて、エッジ点をグループ分けする方法がある。また、スキャン方向から見た場合のスキャンライン上における順位に基づいて、エッジ点をグループ分けする方法がある。また、測定対象領域から抽出された多数のエッジ点を、フィットする幾何学図形に応じて2以上の形状グループにグループ分けする方法がある。この方法では、形状グループごとに、エッジが特定される。これらの方法は、ユーザが任意に選択することができる。
【0061】
エッジ形状指定部28は、ユーザ操作に基づいて、エッジ形状を指定する。エッジ形状は、エッジ点列にフィッティングさせる幾何学的形状であり、直線、円、円弧又は任意の曲線をエッジ形状として指定することができる。具体的には、ユーザが測定対象領域を指定する際の領域指定情報に基づいて、エッジ形状が自動的に決定される。例えば、ドラッグ操作により、測定対象領域を指定した場合に、ドラッグ操作時のマウスカーソルの軌跡に基づいて、エッジ形状が決定される。或いは、クリック操作により、3以上の点の位置を指定した場合に、これらの点からなる点列に基づいて、エッジ形状が決定される。
【0062】
エッジ抽出部26は、エッジ形状指定部28により指定されたエッジ形状に基づいて、測定対象領域内のエッジを抽出する。この様に構成することにより、ユーザにより指定されたエッジ形状以外の形状のエッジは抽出されないので、エッジ抽出の精度を向上させることができる。
【0063】
寸法値などの測定結果は、ディスプレイ装置11に表示される。また、制御ユニット20は、ワークを連続して測定する連続測定のための測定設定データを作成する。この測定設定データは、位置決め情報、測定対象領域、測定対象領域ごとの設計値や公差を示す情報からなる。位置決め情報は、ワーク画像を解析してワークの位置や姿勢を検出するための情報である。
【0064】
エッジ抽出部26は、測定設定データが指定された連続測定において、測定設定データとして保持されたエッジ抽出パラメータに基づいて、エッジ抽出を行う。また、測定設定記憶部24には、測定領域指定部23により同一のワーク画像に対して指定された2以上の測定対象領域と、これらの測定対象領域ごとにエッジ抽出パラメータ決定部41により決定されたエッジ抽出パラメータとが測定設定データとして保持される。エッジ抽出部26は、連続測定において、測定設定データとして保持されたエッジ抽出パラメータを用いて対応する測定対象領域からエッジを抽出することを、測定対象領域を変更しながら繰り返す。
【0065】
測定設定データが指定された連続測定では、測定対象領域を測定するのに適したエッジ抽出パラメータでエッジ抽出が行われるので、ワークの形状や材質が変わっても、測定設定データを指定するだけで、複数の測定対象領域について、安定した寸法測定を行うことができる。
【0066】
<測定設定画面50>
図4は、図1の画像測定器1の動作の一例を示した図であり、測定ユニット10のディスプレイ装置11に表示される測定設定画面50が示されている。この測定設定画面50は、エッジ抽出パラメータを設定するための編集画面であり、プレビュー領域51、設定手順表示領域52、エッジ形状選択ボタン53、確定ボタン54及びOKボタン55により構成される。
【0067】
プレビュー領域51には、撮影されたワーク画像2が表示される。この例では、透過照明を利用して撮影されたワーク画像2がプレビュー領域51内に表示されている。設定手順表示領域52には、測定対象領域の指定からエッジ選択の確定までの操作手順が表示されている。エッジ形状選択ボタン53は、エッジ形状及び寸法種別を選択するための操作アイコンである。確定ボタン54は、設定内容を確定して次の操作手順へ移行させるための操作アイコンである。OKボタン55は、選択されたエッジに基づいて、エッジ抽出パラメータを決定させるための操作アイコンである。
【0068】
図5は、図1の画像測定器1の動作の一例を示した図であり、プレビュー領域51内のワーク画像2に対して測定対象領域3を指定した後の状態が示されている。円を抽出対象のエッジ形状として選択した場合、ワーク画像2における円形状の輪郭線上で3つの点を指定すれば、円環状の領域を測定対象領域3として指定することができる。この例では、ワークの中央部に形成された貫通孔に沿って測定対象領域3が指定されている。
【0069】
図6は、図1の画像測定器1の動作の一例を示した図であり、測定対象領域3から抽出されたエッジ4の一つを選択した場合が示されている。図7は、図1の画像測定器1の動作の一例を示した図であり、エッジ選択ボタン56を操作して他のエッジ4を選択した場合が示されている。
【0070】
同一の測定対象領域3から複数のエッジ4が抽出された場合、抽出されたエッジ4のいずれか一つがプレビュー領域51内のワーク画像2上に表示される。また、ワーク画像2には、表示中のエッジに対応づけて寸法値が表示されている。エッジ選択ボタン56は、プレビュー領域51に表示させるエッジ4を選択するための操作アイコンである。
【0071】
エッジ選択ボタン56を操作してエッジ選択を変更するごとに、プレビュー領域51内のワーク画像2上に表示されるエッジ4及び寸法値が切り替えられる。ユーザは、ワーク画像2上に表示されたエッジ4及び寸法値を確認することにより、所望のエッジを容易に識別することができる。
【0072】
図8は、図1の画像測定器1におけるエッジ抽出時の動作の一例を模式的に示した説明図である。図中の(a)には、ワーク画像2上に定められた矩形状の測定対象領域3と、測定対象領域3内に定められた直線状のスキャンラインSL1及びSL2とが示されている。
【0073】
エッジ抽出は、スキャンラインSL1又はSL2に沿って輝度の変化を解析することにより行われ、輝度が急激に変化するところがエッジ点として抽出される。具体的には、輝度の変化率、すなわち、微分値がエッジ強度であり、エッジ強度の極大点がエッジ点として抽出される。
【0074】
図中の(b)には、スキャンラインSL1上の位置xごとのエッジ強度からなるエッジ強度分布が示され、図中の(c)には、スキャンラインSL2上の位置xごとのエッジ強度からなるエッジ強度分布が示されている。
【0075】
スキャンラインSL1上では、輝度が大きく変化する変化点が4箇所あるのに対し、スキャンラインSL2上では、輝度が大きく変化する変化点が2箇所である。この様に、ワーク表面の凹凸又は段差に対するスキャンラインSLの位置によって、エッジ強度分布が大きく異なる。
【0076】
図9は、図1の画像測定器1におけるエッジ抽出時の動作の一例を示した図であり、エッジ抽出パラメータを互いに異ならせて抽出されたエッジ点5が示されている。この図には、図8に示したワーク画像2上の測定対象領域3から抽出されたエッジ点5が示されている。
【0077】
図中の(a)には、エッジ強度の極大点をエッジ点5として抽出するように、エッジ抽出パラメータを指定した場合が示されている。この場合、スキャンラインSL1から4つのエッジ点5が抽出され、スキャンラインSL2から2つのエッジ点5が抽出されている。なお、(a)では、右方向がスキャン方向として指定されている。
【0078】
図中の(b)には、エッジ強度の極大点のうち、スキャン方向から見て順位が第1番目の極大点をエッジ点5として抽出するように、エッジ抽出パラメータを指定した場合が示されている。この場合、各スキャンラインSL1及びSL2から抽出されるエッジ点5は、スキャン方向によって異なっている。すなわち、右方向がスキャン方向として指定されている場合、スキャンラインSL1及びSL2からそれぞれ1つのエッジ点5が抽出され、ワーク表面上の左端の段差に相当する位置に表示されている。
【0079】
一方、左方向がスキャン方向として指定されている場合には、スキャンラインSL1から抽出されたエッジ点5がワーク表面上の右端の段差に相当する位置に表示され、スキャンラインSL2から抽出されたエッジ点5がワーク表面上の左端から2つ目の段差に相当する位置に表示されている。
【0080】
図中の(c)には、エッジ強度が閾値Ethよりも大きい極大点のうち、スキャン方向から見て順位が第1番目の極大点をエッジ点5として抽出するように、エッジ抽出パラメータを指定した場合が示されている。この場合にも、各スキャンラインSL1及びSL2から抽出されるエッジ点5は、スキャン方向によって異なっている。すなわち、右方向がスキャン方向として指定されている場合、スキャンラインSL1及びSL2からそれぞれ1つのエッジ点5が抽出され、ワーク表面上の左端の段差に相当する位置に表示されている。
【0081】
一方、左方向がスキャン方向として指定されている場合には、スキャンラインSL1及びSL2からそれぞれ1つのエッジ点5が抽出され、ワーク表面上の左端から2つ目の段差に相当する位置に表示されている。
【0082】
図中の(d)には、エッジ強度が閾値Ethよりも大きく、かつ、エッジ方向が暗(低輝度側)から明(高輝度側)である極大点のうち、スキャン方向から見て順位が第1番目の極大点をエッジ点5として抽出するように、エッジ抽出パラメータを指定した場合が示されている。この場合にも、各スキャンラインSL1及びSL2から抽出されるエッジ点5は、スキャン方向によって異なっている。すなわち、右方向がスキャン方向として指定されている場合、スキャンラインSL1及びSL2からそれぞれ1つのエッジ点5が抽出され、ワーク表面上の左端から2つ目の段差に相当する位置に表示されている。
【0083】
一方、左方向がスキャン方向として指定されている場合には、スキャンラインSL1及びSL2からそれぞれ1つのエッジ点5が抽出され、ワーク表面上の左端の段差に相当する位置に表示されている。この様に、エッジ抽出パラメータを調整することにより、測定対象領域3から抽出されるエッジ点5を制御することができる。
【0084】
図10のステップS101〜S110は、図1の画像測定器1における測定設定時の動作の一例を示したフローチャートである。まず、制御ユニット20は、ユーザ操作を受け付け、ワーク画像に対し、測定対象領域が指定されれば(ステップS101)、測定対象領域内の輝度変化を解析してエッジを抽出し、抽出したエッジに基づいて、寸法値を算出する(ステップS102)。
【0085】
次に、制御ユニット20は、同一の測定対象領域から2以上のエッジ抽出結果が抽出されれば、これらのエッジ抽出結果のいずれか一つを選択的に表示し(ステップS103,S104)、ユーザによりエッジ抽出結果が選択されれば、選択されたエッジ抽出結果に基づいて、エッジ抽出パラメータを決定し、測定設定データとして記憶する(ステップS105,S106)。
【0086】
一方、制御ユニット20は、測定対象領域から1つのエッジ抽出結果しか抽出されなければ、当該エッジ抽出結果をワーク画像上に表示し、当該エッジ抽出結果に基づいてエッジ抽出パラメータを決定し、測定設定データとして記憶する(ステップS103,S109,S110)。
【0087】
次に、制御ユニット20は、他に測定対象領域の指定があれば、ステップS101以降の処理手順を繰り返し(ステップS107)、他に測定対象領域の指定がなければ、測定設定データを作成してこの処理を終了する(ステップS108)。
【0088】
図11のステップS201〜S210は、図1の画像測定器1における寸法測定時の動作の一例を示したフローチャートである。まず、制御ユニット20は、ユーザ操作を受け付け、連続測定対象のワークに応じた測定設定データを選択する(ステップS201)。
【0089】
次に、制御ユニット20は、測定ユニット10の実行ボタン16が操作されれば(ステップS202)、測定設定データとして保持された測定対象領域を読み出し(ステップS203)、可動ステージ12上のワークを撮影し、ワーク画像を取得する(ステップS204)。
【0090】
制御ユニット20は、取得したワーク画像に基づいて、測定対象領域のエッジを抽出し(ステップS205)、抽出したエッジに基づいて、寸法値を算出する(ステップS206)。制御ユニット20は、他に測定対象領域があれば、ステップS203からステップS206までの処理手順を繰り返し(ステップS207)、全ての測定対象領域について、寸法測定が完了すれば、エッジや寸法値を測定結果としてディスプレイ装置11に表示し(ステップS208)、測定結果を保存する(ステップS209)。
【0091】
制御ユニット20は、他に連続測定対象のワークがあれば、ステップS202以降の処理手順を繰り返し、他に連続測定対象のワークがなければ、この処理を終了する(ステップ210)。
【0092】
本実施の形態によれば、同一の測定対象領域から抽出した2以上のエッジ抽出結果がワーク画像上に表示されるので、ユーザは、ワーク画像上に表示されたエッジ抽出結果のいずれか一つを選択するだけで、所望のエッジを抽出するのに適したエッジ抽出パラメータを決定することができる。また、エッジ抽出は、この様にして決定されたエッジ抽出パラメータに基づいて行われるので、測定対象領域に位置のばらつきがある場合、測定対象領域を間違って指定した場合、或いは、複数のエッジが測定対象領域に含まれている場合であっても、所望のエッジを正しく抽出することができる。
【0093】
実施の形態2.
実施の形態1では、同一の測定対象領域から複数のエッジが抽出されれば、これらのエッジがワーク画像上に表示される場合の例について説明した。これに対し、本実施の形態では、同一の測定対象領域から複数のエッジが抽出されれば、複数のエッジが抽出されたことをユーザに通知する場合について説明する。
【0094】
図12は、本発明の実施の形態2による画像測定器1の一構成例を示したブロック図であり、制御ユニット20内の機能構成の一例が示されている。この制御ユニット20は、図3の制御ユニット20と比較すれば、安定度算出部42及びユーザ通知部43を備える一方、幾何学的特徴量算出部25を備えていない点で異なる。
【0095】
安定度算出部42は、同一の測定対象領域から抽出された2以上のエッジについて、エッジ抽出の安定度を求める。例えば、エッジ抽出パラメータを変化させても、同じエッジが抽出されるか否かによって、安定度が評価される。
【0096】
エッジ抽出結果表示部29は、安定度算出部42により求められた安定度に基づいて、同一の測定対象領域から抽出された2以上のエッジを選択的に表示する。例えば、安定度の高いエッジのみが表示され、安定度の低いエッジは表示されない。この様に構成することにより、安定度の低いエッジは表示されないので、安定度の低いエッジによってエッジ抽出パラメータが誤って定められるのを防止することができる。
【0097】
ユーザ通知部43は、同一の測定対象領域から2以上のエッジが抽出されたことをユーザに通知する。例えば、ディスプレイ装置11の表示画面11a上にメッセージが表示される。エッジ抽出結果表示部29は、ユーザ操作に基づいて、同一の測定対象領域から抽出された2以上のエッジをワーク画像上に表示する。つまり、同一の測定対象領域から複数のエッジが抽出された場合、まず、複数のエッジが抽出されたことがメッセージなどによってユーザに通知される。そして、ユーザが確認の操作を行った後に、抽出されたエッジが表示される。この様に構成することにより、同一の測定対象領域から複数のエッジが抽出されたことを確認してから、これらのエッジをワーク画像上に表示させることができる。
【符号の説明】
【0098】
1 画像測定器
10 測定ユニット
11 ディスプレイ装置
11a 表示画面
12 可動ステージ
14a XY調整つまみ
14b Z調整つまみ
15 電源スイッチ
16 実行ボタン
100 筐体
101 ステージ調整部
102 鏡筒部
103 照明位置調整部
110,120 カメラ
130 同軸落射照明ユニット
140 リング照明ユニット
141 拡散照明装置
142 側射照明装置
150 透過照明ユニット
20 制御ユニット
21 撮像制御部
22 ワーク画像記憶部
23 測定領域指定部
24 測定設定記憶部
25 幾何学的特徴量算出部
26 エッジ抽出部
27 寸法値算出部
28 エッジ形状指定部
29 エッジ抽出結果表示部
30 エッジ抽出結果選択部
31 キーボード
32 マウス
41 エッジ抽出パラメータ決定部
42 安定度算出部
43 ユーザ通知部
50 測定設定画面
2 ワーク画像
3 測定対象領域
4 エッジ
5 エッジ点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12