【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によると、電磁放射線又は粒子放射線に粉末の層を暴露することによってワークピースを製造する装置に使用される粉末塗布装置が提供される。粉末塗布装置は、粉末塗布装置の第1の部分に設けられ、原材料粉末を受け取って貯蔵するように構成された第1の粉末貯蔵部を具備する。粉末塗布装置は、粉末塗布装置の第2の部分に設けられ、原材料粉末を第1の粉末貯蔵部から装置の下方に配置されたキャリア上に放出するように構成された第1の粉末供給チャネルを更に具備する。更に、第1の位置と第2の位置の間で移動するように構成され、第1の位置では第1の粉末貯蔵部からキャリア上への原材料粉末の放出を可能にし、第2の位置では第1の粉末貯蔵部からキャリア上への原材料粉末の放出を妨げる第1のチャネル開閉部品が、第1の粉末供給チャネル内に設けられる。第1のチャネル開閉部品は、第1のチャネル開閉部品に作用する外部からの機械的な力によって第1の位置と第2の位置の間で移動するように構成され、この外部からの機械的な力は、粉末塗布装置がキャリアの上方を移動する時に、第1のチャネル開閉部品がワークピースを製造する装置のストッパーと接することによって生じる。
【0006】
本願の説明における「外部からの機械的な力」という用語は、粉末塗布装置の「外部」から粉末塗布装置の第1のチャネル開閉部品に作用する機械的な力を示す。具体的には、外部からの機械的な力は、粉末塗布装置がキャリアの上方を移動する時に、第1のチャネル開閉部品がワークピースを製造する装置のストッパーと相互作用することによって生じる。特に、第1のチャネル開閉部品とストッパーの相互作用は、粉末塗布装置がキャリアの上方を一方向に移動する時に、その反対方向に第1のチャネル開閉部品を移動させるように、第1のチャネル開閉部品に作用する外部からの機械的な力を生成することができる。
このような粉末塗布装置の有利な効果は、第1のチャネル開閉部品が完全に機械的に駆動するために、すなわち駆動手段として電動モーターを必要としないために、その構造が単純であるということである。これによって、粉末塗布装置の重量が大幅に低減され、粉末塗布装置の移動の速度/加速度の特性を増加させることができる。また、電動モーターを駆動するために、外部から電気エネルギーを粉末塗布装置に供給する電気接続を提供する必要はない。更に、自動で原材料粉末を所望の領域(以下でその構造及び機能についてより詳細に説明がなされる、ならし用スライダーの正面の領域)に放出することが保証されるので、原材料粉末を正しい位置に放出するために、粉末塗布装置の位置を追跡する必要がない。
【0007】
一つの実施形態によると、第1の位置及び第2の位置のうち一方では、第1のチャネル開閉部品は粉末塗布装置のハウジングの側面から突出する。第1の位置及び第2の位置のもう一方では、第1のチャネル開閉部品は粉末塗布装置のハウジングの側面から突出していなくても良く、又は、粉末塗布装置のハウジングの側面からほとんど突出していなくても良い。
【0008】
第1のチャネル開閉部品は、例えば、第1の位置と第2の位置の間で水平方向に移動可能な板状部材であっても良く、第1の位置及び第2の位置の一方では、板状部材の側面は、粉末塗布装置のハウジングの側面から突出していても良く、第1の位置及び第2の位置のもう一方では、板状部材の側面は、粉末塗布装置のハウジングの側面と一直線に揃っていても良く、又は、粉末塗布装置のハウジングの側面からほとんど突出していなくても良い。例えば、第1のチャネル開閉部品が第1の位置に配置されている時に、第1の粉末供給チャネルに揃う開口部を第1のチャネル開閉部品に設けることで、原材料粉末がその開口部を通って第1の粉末貯蔵部からキャリア上に放出されることを可能にしても良い。
【0009】
これに代わって、第1のチャネル開閉部品は、第1のチャネル開閉部品の第2の位置において、第1の粉末貯蔵部から放出される原材料粉末を受け取り、その原材料粉末がキャリア上に塗布されるのを妨げるように適合された回旋可能なブレードを具備しても良い。更に、回旋可能なブレードは、外部からの機械的な力が第1のチャネル開閉部品に作用した時に、原材料粉末をキャリア上に放出するために、回旋軸周りに回旋するように適合されても良い。この外部からの機械的な力は、特に、粉末塗布装置がキャリアの上方を移動する時に、第1のチャネル開閉部品がワークピースを製造する装置のストッパーと接することによって生じるものであっても良い。
【0010】
粉末塗布装置は、第1のチャネル開閉部品がストッパーと接しなくなるとすぐに、第1のチャネル開閉部品を第1の位置から第2の位置に自動的に押す力が生じるように、第1のチャネル開閉部品及び粉末塗布装置と連結された第1のバネ部品を更に具備しても良い。バネが第1のチャネル開閉部品を第2の位置に移動させる役割を果たす一方で、ストッパーは、第1のチャネル開閉部品を第1の位置に押す役割のみを果たす。更に、ワークピースを製造する装置は、2つのストッパーを具備しても良い。第1のストッパーは、第1のチャネル開閉部品を第1の位置に動かすために、第1のチャネル開閉部品と相互作用する役割を果たしても良い。一方で、第2のストッパーは、第1のチャネル開閉部品を第2の位置に動かすために、第1のチャネル開閉部品と相互作用する役割を果たしても良い。例えば、2つのストッパーは、粉末塗布装置のハウジングの両側面の部位に設けられても良い。
【0011】
粉末塗布装置は、粉末塗布装置の第1の部分に設けられ、原材料粉末を受け取って貯蔵するように構成された第2の粉末貯蔵部と、粉末塗布装置の第2の部分に設けられ、原材料粉末を第2の粉末貯蔵部から粉末塗布装置の下方に配置されたキャリア上に放出するように構成された第2の粉末供給チャネルと、第2の粉末供給チャネル内に設けられ、第1の位置と第2の位置の間で移動するように構成され、第1の位置では、第2の粉末貯蔵部からキャリア上への原材料粉末の放出を可能にし、第2の位置では、第2の粉末貯蔵部からキャリア上への原材料粉末の放出を妨げる第2のチャネル開閉部品とを更に具備しても良い。第2のチャネル開閉部品は、該第2のチャネル開閉部品に作用する外部からの機械的な力によって第1の位置と第2の位置の間で移動するように構成されても良く、この外部からの機械的な力は、粉末塗布装置がキャリアの上方を移動する時に、第2のチャネル開閉部品がワークピースを製造する装置のストッパーと接することによって生じるものであっても良い。
【0012】
2つの粉末貯蔵部を具備する粉末塗布装置は、2つの異なる種類の原材料粉末で充填されても良い。更に、後により詳細に説明されるように、第1の粉末貯蔵部に含まれる
粉末は、粉末塗布装置が第1の方向に移動する時に、キャリア上に塗布されても良く、その一方で、第2の粉末貯蔵部に含まれる
粉末は、粉末塗布装置が第1の方向と反対の第2の方向に移動する時に、キャリア上に塗布されても良い。更に、第1の及び第2のチャネル開閉部品を具備する粉末塗布装置は、第1のチャネル開閉部品及び第2のチャネル開閉部品をそれぞれの第1の位置と第2の位置の間で移動させるために、装置の第1のチャネル開閉部品が第1のストッパーと相互作用でき、その一方で、第2のチャネル開閉部品が第2のストッパーと相互作用できるように、2つのストッパーを備える、ワークピースを製造する装置に用いられることが好ましい。
【0013】
第2のチャネル開閉部品は、第1のチャネル開閉部品に関する上述したような構成とされても良い。すなわち、第1の位置及び第2の位置のうち一方では、第2のチャネル開閉部品は粉末塗布装置のハウジングの側面から突出していても良い。第1の位置及び第2の位置のもう一方では、第2のチャネル開閉部品は粉末塗布装置のハウジングの側面から突出していなくても良く、又は、粉末塗布装置のハウジングの側面からほとんど突出していなくても良い。
【0014】
第1のチャネル開閉部品と同様に、第2のチャネル開閉部品もまた、例えば、第1の位置と第2の位置の間で水平方向に移動可能な板状部材であっても良く、第1の位置及び第2の位置の一方では、板状部材の側面は、粉末塗布装置のハウジングの側面から突出していても良く、第1の位置及び第2の位置のもう一方では、板状部材の側面は、粉末塗布装置のハウジングの側面と一直線に揃っていても良く、又は、粉末塗布装置のハウジングの側面からほとんど突出していなくても良い。例えば、第2のチャネル開閉部品が第1の位置に配置されている時に、第2の粉末供給チャネルに揃う開口部を第2のチャネル開閉部品に設けることで、原材料粉末がその開口部を通って第2の粉末貯蔵部からキャリア上に放出されることを可能にしても良い。
【0015】
これに代わって、第2のチャネル開閉部品は、第2のチャネル開閉部品の第2の位置において、第2の粉末貯蔵部から放出される原材料粉末を受け取り、その原材料粉末がキャリア上に塗布されるのを妨げるように適合された回旋可能なブレードを具備しても良い。更に、回旋可能なブレードは、外部からの機械的な力が第2のチャネル開閉部品に作用した時に、原材料粉末をキャリア上に放出するために、回旋軸周りに回旋するように適合されても良い。この外部からの機械的な力は、特に、粉末塗布装置がキャリアの上方を移動する時に、第2のチャネル開閉部品がワークピースを製造する装置のストッパーと接することによって生じるものである。
【0016】
粉末塗布装置は、第2のチャネル開閉部品がストッパーと接しなくなるとすぐに、第2のチャネル開閉部品を第1の位置から第2の位置に自動的に押す力が生じるように、第2のチャネル開閉部品及び粉末塗布装置と連結された第2のバネ部品を更に具備しても良い。バネが第2のチャネル開閉部品を第2の位置に移動させる役割を果たす一方で、ストッパーは、第2のチャネル開閉部品を第1の位置に押す役割のみを果たす。
【0017】
これに加えて、又はこれに代わって、第1のチャネル開閉部品及び第2のチャネル開閉部品は、更に、互いに一体的に形成されても良い。すなわち、一つの構成要素が第1の及び第2のチャネル開閉部品を形成しても良い。例えば、第1のチャネル開閉部品及び第2のチャネル開閉部品は、水平方向に移動可能な板状部材によって形成されても良い。第1の及び第2の粉末供給チャネルに揃えることができる2つの開口部を板状部材に設けることで、原材料粉末が、各開口部を通って第1の及び第2の粉末貯蔵部からキャリア上にそれぞれ放出されることを可能にしても良い。
【0018】
第1の及び第2のチャネル開閉部品は、第1の及び第2のチャネル開閉部品の両方が、第1の及び第2の粉末貯蔵部からキャリア上への原材料粉末の放出が妨げられる充填位置に同時に位置合わせされることが可能であるように、構成されても良い。第1の及び第2のチャネル開閉部品が充填位置に配置された時、キャリア上への原材料粉末の放出を妨げながら、第1の及び第2の粉末貯蔵部を所望の量の粉末で充填することができる。充填位置に配置された時、第1のチャネル開閉部品は、粉末塗布装置のハウジングの第1の側面から突出していても良い。同様に、充填位置に配置された時、第2のチャネル開閉部品は、粉末塗布装置のハウジングの第1の側面の反対側に位置する、粉末塗布装置のハウジングの第2の側面から突出していても良い。
【0019】
更に、第1の及び第2のチャネル開閉部品は、充填位置から第1の移動方向への第1の及び第2のチャネル開閉部品の両方の移動が、第1の粉末貯蔵部からキャリア上への原材料粉末の放出が可能になる第1の位置への第1のチャネル開閉部品の移動を引き起こすのと同時に、第2の粉末貯蔵部からキャリア上への原材料粉末の放出が妨げられる第2の位置への第2のチャネル開閉部品の移動を引き起こすように、構成されても良い。
【0020】
第1のチャネル開閉部品が第1の位置に配置された時、第1のチャネル開閉部品は、充填位置に配置された時よりも粉末塗布装置のハウジングの第1の側面から大きく突出していても良い。これに対し、第2のチャネル開閉部品は、第2の位置に配置された時、充填位置に配置された時よりも粉末塗布装置のハウジングの第2の側面から小さく突出していても良く、又は、粉末塗布装置のハウジングの第2の側面と一直線に揃っていても良い。第1の及び第2のチャネル開閉部品の両方の移動は、粉末塗布装置が第1の移動方向と反対の第2の移動方向に移動し、第2のチャネル開閉部品が第2のチャネル開閉部品と関連付けられた第2のストッパーと接触することによって達成されても良い。
【0021】
また、第1の及び第2のチャネル開閉部品は、充填位置から第2の移動方向への第1の及び第2のチャネル開閉部品の両方の移動が、第1の粉末貯蔵部からキャリア上への原材料粉末の放出が妨げられる第2の位置への第1のチャネル開閉部品の移動を引き起こすのと同時に、第2の粉末貯蔵部からキャリア上への原材料粉末の放出が可能になる第1の位置への第2のチャネル開閉部品の移動を引き起こすように、構成されても良い。
【0022】
第1のチャネル開閉部品が第2の位置に配置された時に、第1の開閉部品は、充填位置に配置された時よりも粉末塗布装置のハウジングの第1の側面から小さく突出していても良く、又は、粉末塗布装置のハウジングの第1の側面と一直線に揃っていても良い。これに対し、第2のチャネル開閉部品は、第1の位置に配置された時、充填位置に配置された時よりも粉末塗布装置のハウジングの第2の側面から大きく突出していても良い。第1の及び第2のチャネル開閉部品の両方の移動は、粉末塗布装置が第2の移動方向と反対の第1の移動方向に移動し、第1のチャネル開閉部品が第1のチャネル開閉部品と関連付けられた第1のストッパーと接触することによって達成されても良い。更に、後により詳細に説明されるように、第1の粉末貯蔵部に含まれる
粉末は、粉末塗布装置が第1の方向に移動する時に、キャリア上に分配されても良く、その一方で、第2の粉末貯蔵部に含まれる
粉末は、粉末塗布装置が第1の方向と反対の第2の方向に移動する時に、キャリア上に分配されても良い。
【0023】
第1の及び第2のチャネル開閉部品の構成は、特に、粉末塗布装置の効率的な動作を可能にする。第1の工程で、第1の及び第2のチャネル開閉部品は、それぞれの充填位置に位置合わせされても良い。これは、例えば、キャリア上方での粉末塗布装置の適切な移動、及び、第1の又は第2のチャネル開閉部品と第1の又は第2のストッパーとのそれぞれの相互作用によって達成されても良い。その後、第1の及び第2のチャネル開閉部品がキャリア上への粉末の放出を妨げながら、第1の及び第2の粉末貯蔵部が充填されても良い。
【0024】
第2の工程で、粉末塗布装置は、第1のチャネル開閉部品が第1のストッパーと接するまで、キャリアの上方で第1の移動方向に動かされても良い。これによって、第1の及び第2のチャネル開閉部品は、第2のチャネル開閉部品が第2の粉末貯蔵部からキャリア上への原材料粉末の放出が可能になる第1の位置に位置合わせされる一方で、第1のチャネル開閉部品が第1の粉末貯蔵部からキャリア上への原材料粉末の放出が依然として妨げられる第2の位置に到達するまで、第1の移動方向と反対の第2の移動方向に動かされる。
【0025】
その後、粉末塗布装置は、第2のチャネル開閉部品が第2のストッパーと接するまで、キャリアの上方で第2の移動方向に動かされても良い。これによって、第1の及び第2のチャネル開閉部品は、第2のチャネル開閉部品が第2の粉末貯蔵部からキャリア上への原材料粉末の放出が妨げられる第2の位置に位置合わせされる一方で、第1のチャネル開閉部品が第1の粉末貯蔵部からキャリア上への原材料粉末の放出が可能になる第1の位置に到達するまで、第2の移動方向と反対の第1の移動方向に動かされる。このようにして、粉末塗布装置がキャリアの上方で移動するたびに、粉末の層が生成される。すなわち、粉末塗布装置は、粉末の層を生成せずにキャリアの上方を移動するという必要はない。
【0026】
第1の粉末貯蔵部は、第1の粉末貯蔵部の第1の部分から第1の粉末貯蔵部の第2の部分の方向に進むに従って、粉末塗布装置の長手方向の軸と一致する垂直面と第1の粉末貯蔵部の間の距離が増加するように、該垂直面に対して傾斜した平面に沿って延びても良い。更に、第2の粉末貯蔵部は、第2の粉末貯蔵部の第1の部分から第2の粉末貯蔵部の第2の部分の方向に進むに従って、粉末塗布装置の長手方向の軸と一致する垂直面と第2の粉末貯蔵部の間の距離が増加するように、該垂直面に対して傾斜した平面に沿って延びても良い。
【0027】
このようにして、第1の粉末貯蔵部の容積及び第2の粉末貯蔵部の容積は、小さく維持される。これは、第1の粉末貯蔵部及び第2の粉末貯蔵部内の原材料粉末の量もまた制限されることを意味する。これによって、
粉末塗布装置の重量が低減される。その一方で、第1の粉末貯蔵部及び第2の粉末貯蔵部内の原材料粉末の量は、2つの連続した粉末の層(一つは
粉末塗布装置が第2のストッパーの方向に移動する時、第2の粉末貯蔵部からの原材料粉末を用いた粉末の層、もう一つは
粉末塗布装置が第1のストッパーの方向に移動する時、第1の粉末貯蔵部からの原材料粉末を用いた粉末の層)を生成するために十分であるため、粉末塗布工程を中断する必要がない。第1の粉末貯蔵部及び第2の粉末貯蔵部への原材料粉末の再充填は、2回の粉末塗布サイクルの後で十分である。
【0028】
第1の粉末貯蔵部の入口端は、原材料粉末を受け取るための複数の第1の入口を具備し、第2の粉末貯蔵部の入口端は、原材料粉末を受け取るための複数の第2の入口を具備し、第1の入口は第2の入口と異なるものである。このようにして、第1の入口によって受取られた原材料粉末の量と、第2の入口によって受け取られた原材料粉末の量を確認することによって、第1の粉末貯蔵部及び第2の粉末貯蔵部内に同量の原材料粉末を正確に充填することが可能になる。これによって、2つの粉末の層の厚さが正確に同等になるように制御されることができることが保証される。また一方で、これによって、2つの異なる粉末材料が互いに混ざる危険性を有することなく、第1の粉末材料を第1の貯蔵部内に充填し、第2の粉末材料を第2の粉末貯蔵部内に充填することが可能になる。このように、異なる粉末材料の層からなるサンドイッチ構造の層を容易に生成することができる。第1の入口及び第2の入口は、粉末塗布装置の長手方向の軸に平行な方向に沿って、交互に配置されても良い。
【0029】
粉末塗布装置の底面に、取外し可能に装着されたならし用スライダーが設けられても良い。このようにして、ならし用スライダーは、製造工程の種類に応じて、要求に従って容易に交換されることができる。ならし用スライダーは、キャリアの表面に対して、第1の及び/又は第2の粉末貯蔵部からキャリア上に塗布された粉末を均等に分配する役割を果たす。好ましくは、ならし用スライダーは、キャリアの上方における粉末塗布装置の移動方向に対して、原材料粉末が粉末供給チャネルを通ってキャリア上に供給される際の該粉末供給チャネルの後方に配置されるような位置で、粉末塗布装置に配置される。2つの粉末貯蔵部と2つの粉末供給チャネルを具備する粉末塗布装置において、ならし用スライダーは、好ましくは第1の粉末供給チャネルと第2の粉末供給チャネルの間に配置される。
【0030】
粉末塗布装置の底面から始まり、粉末塗布装置の第1の部分に向かって、粉末塗布装置内に延びる空間が、第1の粉末貯蔵部と第2の粉末貯蔵部の間に設けられても良い。保持部品が、上記空間内で垂直方向に移動可能であるように、上記空間にはめ込まれても良く、該保持部品の底面は、取外し可能に装着されたならし用スライダーを具備しても良い。
【0031】
保持部品の垂直方向の位置は、粉末塗布装置の上面及び上記空間を貫通して垂直に延びる、マイクロメータネジを粉末塗布装置の上端で作動することによって、調節可能であっても良い。このようにして、取り外し可能に装着されたならし用スライダーの垂直方向の位置を容易に変更することを可能にする非常に単純な機構が提供される。
【0032】
本発明の一態様によると、上述のような粉末塗布装置を用いて、粉末の層を電磁放射線又は粒子放射線に暴露することによってワークピースを製造する方法において、第1のチャネル開閉部品は、第1のチャネル開閉部品に作用する外部からの機械的な力によって、第1の位置と第2の位置の間で移動され、この外部からの機械的な力は、粉末塗布装置がキャリア上を移動した時に、第1のチャネル開閉部品がワークピースを製造する装置のストッパーと接することによって生じるものである。
【0033】
本発明の方法は、粉末塗布装置の第1の部分に設けられ、原材料粉末を受け取って貯蔵するように構成された第2の粉末貯蔵部と、粉末塗布装置の第2の部分に設けられ、原材料粉末を第2の粉末貯蔵部から粉末塗布装置の下方に配置されたキャリア上に放出するように構成された第2の粉末供給チャネルと、第2の粉末供給チャネル内に設けられ、第1の位置と第2の位置の間で移動するように構成され、第1の位置では、第2の粉末貯蔵部からキャリア上への原材料粉末の放出を可能にし、第2の位置では、第2の粉末貯蔵部からキャリア上への原材料粉末の放出を妨げる第2のチャネル開閉部品とを更に具備する粉末塗布装置の使用を含んでも良い。この方法は、第2のチャネル開閉部品に作用する外部からの機械的な力によって、第2のチャネル開閉部品を第1の位置と第2の位置の間で移動させる工程を更に含んでも良く、この外部からの機械的な力は、粉末塗布装置がキャリアの上方で移動する時に、第2のチャネル開閉部品がワークピースを製造する装置のストッパーと接することによって生じるものである。
【0034】
本発明の方法は、第1の及び第2のチャネル開閉部品の両方を、第1の粉末貯蔵部及び第2の粉末貯蔵部からキャリア上への原材料粉末の放出が妨げられる充填位置に同時に位置合わせする工程を更に含んでも良い。更に、第1の粉末貯蔵部からキャリア上への原材料粉末の放出が可能になる第1の位置への第1のチャネル開閉部品の移動を引き起こすのと同時に、第2の粉末貯蔵部からキャリア上への原材料粉末の放出が妨げられる第2の位置への第2のチャネル開閉部品の移動を引き起こすように、第1の及び第2のチャネル開閉部品の両方を充填位置から第1の移動方向へ移動させても良い。最後に、第1の粉末貯蔵部からキャリア上への原材料粉末の放出が妨げられる第2の位置への第1のチャネル開閉部品の移動を引き起こすのと同時に、第2の粉末貯蔵部からキャリア上への原材料粉末の放出が可能になる第1の位置への第2のチャネル開閉部品の移動を引き起こすように、第1の及び第2のチャネル開閉部品の両方を充填位置から第2の移動方向へ移動させることが更に考えられる。