(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1〜12のいずれか一項に記載の吸収剤物品を製造し、得られた吸収剤物品をおしめ、トレーニングパンツ、衛生ナプキン、失禁衣服または包帯に変換する、トレーニングパンツ、衛生ナプキン、失禁衣服または包帯の製造方法。
【背景技術】
【0003】
吸収剤物品は公知であり、おしめ、トレーニングパンツ、サニタリーナプキン、失禁用衣料、包帯等の人間のケアー用吸収製品で一般に使用されている。本発明はそうした吸収剤物品の製造方法に関するものである。
【0004】
吸収剤物品の吸収要素は今日では超吸収剤(Super Absorbent Polymers、SAP)のような吸収性(absorbency)の高い材料から成り、おしめの吸収剤コア(芯)を形成している。
【0005】
SAPには多くの利点があるが、入手できるSAPは粉末であるためその計量(dose)が難しい。この問題は均一層に供給する装置の場合には深刻ではないが、SAPをパターン状に供給する必要がある場合には大きな問題になる。
【0006】
特許文献1(欧州特許第EP-A-162116号公報)には下記工程から成る吸収剤コア(芯)構造の製造方法が開示されている:
(1)キャリア材料を用意し、
(2)上記キャリア材料を支持する、支持パターンを有する支持体を用意し、
(3)キャリア材料保持手段(特に真空吸引手段)を用意し、
(4)キャリア材料を支持体上に位置決めし、キャリアを支持体と接触させ、
(5)所定量のSAP微粒子材料を用意し、
(6)カバー材料でキャリアをサンドイッチし、
ここで、
(7)上記キャリア材料は支持手段の支持パターンの区域だけを支持し、
(8)上記キャリア材料保持手段でキャリア材料を変形し、支持されていない区域に圧痕(インデント)を形成し、
(9)上記SAP微粒子材料をキャリア材料へ移送し、圧痕(インデント)に入れることでSAP微粒子材料の第1パターンを形成する。
【0007】
上記特許文献1(欧州特許第EP-A-1621166公報)と同時出願の特許文献2(欧州特許第EP-A-1621167号公報)には実質的に上記同じ工程から成る吸収剤コア(芯)の製造方法が開示され、下記工程を有する:
(1)SAP微粒子の材料を用意し、
(2)受取り領域でSAP微粒子材料を受けて、それを放出領域へ送る移送装置を用意し、
(3)上記移送装置は第1パターン形成手段を有する。
【0008】
上記プロセスでは支持されていない区域に圧痕(indentation)で形成されるパターンが作られる。この均一性は悪く、圧痕で形成できるクラスターの深さには限界がある。また、全てのパターンが一回の操作で形成される。SAP微粒子材料の供給はフードホッパーから行なわれ、これにはヘリオ円筒状(helio-cylindrical)の印刷システムから材料が供給される。分配されるSAPの量は変えることができない。しかし、SAP微粒子材料は異なる供給元から供給されるため変化する。少しの変化でも供給ロールの溝形状を変化させる必要がある。このシステムでは高速化は不可能である。さらに、信頼できる計量を行なうためには供給区域にSAPをぎっしり詰める必要があるが、そうするとクラスター中へのリースが簡単にできなくなり、摩擦し、壊れやすい材料であるSAPにホッパーによって剪断力が加わり、劣化の原因となる。
【0009】
従って、上記方法では吸収剤物品に形成されたキャビティー中にSAPを分配する際の問題を完全には解決できない。
【0010】
従って、SAPを収容した液体の吸収性物品の形成方法を改良して、SAPを所定パターンに従って分配し、しかも、SAPを迅速かつ信頼できる方法で分配することができるようにするというニーズがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、下記(i)〜(iii):
(i)吸収剤収容ポケット(4、4a)を有する第1シート層(2)、
(ii)上記吸収剤収容ポケット(4、4a)中に収容された超吸収剤材料の集合体(mass)(6)、
(iii)第1シート層(2)上に配置された第2シート層(7)、
を含む、下記(a)〜(e)の段階から成る吸収剤物品(1)の製造方法を提供する:
(a)第1シート層(2)を用意し、
(b)第1シート層(2)を第1ロールC2上で成形して、縦方向の波形を第1シート層(2)に形成し、
(c)吸収剤収容ポケット(4、4a)の列に対応した凹部(91、91b、91c)を有する第2ロールC3上で上記の縦方向の波形を成形してポケット(4a、4)のパターンを作り、
(d)予め計量した量のSAP微粒子材料(6)を供給し、第1シートとの間にSAP微粒子材料(6)をサンドイッチし、
(e)吸収剤物品(1)の仕上げ加工をし、
上記の第1ロールC2上での第1シート層(2)の成形は、第1シート層(2)を第1ロールC2の対応する波形表面上で第1シート層(2)に摩擦力を加えて行う。
【0013】
本発明の一実施例では、シート層(2)をロールC1から巻き出し、ロールC2の(外周)回転速度をロールC21速度より5〜20%早くする。
本発明の一実施例では、ロールC2とC3との間でシートを無ストレス(unstressing)にする段階をさらに有する。
本発明の一実施例では、ロールC1がロールC3の回転速度より高い回転速度を有し、ロールC1はロールC3の速度より5〜20%速い(外周)回転速度を有する。
本発明の一実施例では、ロールC2とカウンターロールCC2との間でシートを鋏み締めする(pinching)段階をさらに有し、ロールC2およびカウンターロールCC2は互いに共同運動する溝(71、71 b、71c、71d)およびリブ(81、81b、81c、81d)を有する。
本発明の一実施例では、ポケットを形成する段階で、真空を加えて第1シート層(2)および/または第2シート層を第2ロールC3の中に維持する。
【0014】
本発明の一実施例では、予め計量した量のSAP微粒子材料(6)をロールC3上に配置した分配ユニットから供給して、予め計量した量のSAP微粒子材料(6)をポケットのパターン中に充填する請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
本発明の一実施例では、結合用ビーズ(5)、好ましくは接着剤ビーズをポケット間に供給する段階をさらに有する
本発明の一実施例では、第1シート層と第2シート層との間に接着剤層(3)および/または(8)を供給し、これらの層を結合させる段階を有する。
本発明の一実施例では、吸収剤物品(1)にカレンダー加工する段階をさらに有する。
本発明の一実施例では、第1シート層(2)および/または第2シート層(7)が不織布である。
本発明の一実施例では、第1シート層(2)が液体不透過性で、第2シート層(7)が超吸収剤材料の集合体へ向かう液体の浸透を許す。
【0015】
本発明方法は、本発明の吸収剤物品を製造し、得られた吸収剤物品をおしめ、トレーニングパンツ、衛生ナプキン、失禁衣服または包帯に変換する、トレーニングパンツ、衛生ナプキン、失禁衣服または包帯の製造方法に特に適している。
【0016】
従って、本発明方法を用いることで2つの別々の場所(ロケーション)にポケットの列を形成することができる。上記従来技術とは違って、ポケットの各壁は2つの別々の段階で形成される。これによってポケットをより良い形状に成形でき、その幾何学形状をより良く制御できる。また、寸法の大きいポケット、例えば深いポケットを容易に作ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明をより詳細に説明するが、本発明が下記実施例に限定されるものではない。
本発明の吸収剤物品の形成方法を示す[
図1]を参照する。
【0019】
最初の段階で第1シート層(2)を用意する。この第1シート層はボトム層の役目をし、液体に対して不透過性にすることができるが、例えばおしめのように不透過なバックシートがある場合には液体不透過性でなくてもよい。
【0020】
次に、この第1シート層上に接着剤の層(3)が付けられる。この接着剤は一般にはホットメルトである。これに関しては以下で詳細に説明する。接着剤は表面全体でも、密封区域の近傍だけに存在させることができる。接着剤は表面全体に(連続または不連続に)存在するのが好ましい。この実施例では接着剤がSAPを受けて、それを付着させる。従って、SAPの大部分はシート層の表面に付着する。そうすることによってSAPを位置決めでき、SAPがディスポーザブルなおしめ内部で滑るのを防ぐことができる。
【0021】
次に、接着剤層(3)を載せたシート層(2)を所望形状に成形する。種々の方法を用いてポケット(4、4a)の形に変形できる。これについては以下で詳細に説明する。図示した実施例ではこの段階が機械方向(縦方向)、バンド形成に関して示されている。横方向に関する特定段階はその後に行なう。
【0022】
接着剤ビード(5)(接着剤ロープともよばれる)はその前に形成したポケット(4、4a)の間の位置に塗布される。矩形のポケットを有する吸着剤コアの上面図である[
図1a]に示すように、接着剤ビード(bead、玉縁)(5)が縦方向(MD)および横方向(TD)にビード(bead、玉縁)状に塗布される。
【0023】
このビードは使用中にシート層を結合しておくことによって構造強度を確実にする。
【0024】
次に、横方向のポケットを形成する段階を実行する、この段階はオプションであるが行なうのが好ましい。接着剤ビードの塗布段階はポケット形成の横方向変形段階の前かまたは後に実行でき、また、それと同時に実行することもできる。
【0025】
こうして形成されたポケットは種々の形状および形を有することができる。例えばポケットは正方形にするか、各側面の長さの異なる四角形にすることができる。長さは例えば10mm×10mmから10mm×80mmまでにすることができ、これにはいずれかの方向が20mm×20mm から20mm×60mm、20mm×20mmから40mm×40mmまたは20mm×40mmが含まれる。最終ポケットの深さは充填するSAP材料の質量に依存する。ベビー用おしめ場合の深さは例えば1mm〜5mmにすることができる(最終成形すなわちカレンダー加工後)。他の任意の所望幾何学形状およびパターンが考えられる。特に好ましいのは、機械方向(縦方向)に1枚または複数の連続したストリップを互いに平行にして送るものである。
【0026】
従って、縦長のポケットにすることができる。この場合のポケットの長さは例えば10〜80mm×100〜400mmである。
【0027】
次に、形成されたポケット中に適当な注入装置(その詳細は以下で説明する)を使用してSAPを入れる。
【0028】
第2シート層(7)は最初に接着剤層(8)を受ける。この第2シート層は一般に水−透過性で、流体はそれを通過でき、SAPまで達することができる。一般にこの第2シートがトップシートの役目をする。接着剤層は全体にないか、多孔性で、シート層を介して流体の移動は可能である。接着剤層(8)はオプションで、省略できる。
【0029】
次に、SAP(6)を収容し且つビード(5)を有するポケット(4、4a)付き第1シート層(2)の上に接着剤層(8)を有する第2シート層(7)を取付ける。この取付けはビード(5)の近くの区域(9)で行なわれる。
【0030】
次に、形成されたサンドイッチ物にカレンダー加工を実行して、2枚のシート層を確実に結合する。
【0031】
例えば、感圧接着剤を組立体(不織布)のボトム層上に直接塗布することでできる。また、同じ接着剤を組立体(不織布)のトップ層上に直接塗布することもできる。トップ層をボトム層植え載置し、圧力ロールを使用して押圧する。他の実施例では前の組立体を折り返し、接着剤が塗布されたトップ層とボトム層、接着剤のビーズとの間に挿入する。同じ方法を使用して組立体を作り、接着剤のビーズが押圧されたラミネートの中央に確実に配置されるようにする。
【0032】
SAPは本発明で形成されたポケット中に極めて効率的に保持され、滑動したり、および/または、一か所に集まるのが防止される。
【0033】
以下、本発明の吸収剤物品および各種要素を製造するための各段階をより詳細に説明する。
【0034】
本発明で使用するSAPは有意な量の水を吸収できる任意の製品にすることができる。典型的なSAPはその乾燥容積の10〜50倍、一般には20〜40倍の水を吸収することができる(重量比で表した場合はこの比より高くなる)。例えば15gのSAPは400ccの流体を保持できる(連続して4回濡れテストを行なった場合、×100cc)。BASF社はSAPの供給会社の典型例である。
【0035】
SAPは一般に各種粒度の粉末で入手し得る(例えば、60%以上の粒子が100μm〜850μmのメッシュを通過する)。一般にSAPは(メタ)アクリル酸のポリマー、特にポリアクリル酸のアルカリ金属塩である。コア-シェルポリマーを使用することができ、その内部層は吸収性で、外側層は浸透性メンブレンである。SAPは、当業者に周知のものである。
【0036】
流体吸収性ポリマー(超吸収剤ポリマー、SAP)粒子の製造方法は下記文献に記載されている。
【非特許文献1】"Modern Superabsorbent Polymer Technology", F. L. Buchholz and A. T. Graham, Wiley-VCH, 1998, pages 71−103
【0037】
また、SAPは特許文献3の第6頁第1行〜15頁第16行にも記載されている。この文献の内容本願明細書の一部を成す。
【特許文献3】国際公開第WO2010/133529号公報
【0038】
SAPの量(load)は広範囲に変えることができる。例えば、赤ちゃん用おしめの場合に通常使われるSAPの量は8〜20g、好ましくは11〜18g、より好ましくは12〜15gである。
【0039】
本発明ではシート層、一般にはボトム層およびトップ層をさらに使用する。一般に両方のシートは不織布である。不織布は種々の方法で製造でき、ステープル不織布、スパンボンド不織布、スバンレイド(spunlaid)不織布、エアーレイド不織布等がある。ボンディングは機械的(例えば絡み合い)でも、熱的でも、超音波でも、化学的でもよい。不織は当業者に周知であり、使用する不織布は標準的なものでも、構築されたものでも、必要に応じてエンボスされたものでもよい。
【0040】
不織布は液体を通過させても、液体を通さなくてもよい。当業者は必要にマッチした繊維を選択できる。液状を通過させる不織布を製造するのに適した繊維の親水化方法は公知である。
【0041】
繊維は一般に合成物でも、半合成繊維、例えばポリエステル、ポリオレフィンおよびレーヨンでも一般的な天然繊維、例えばワタでもよい。不織布材料の場合には繊維はポリアクリレートのような結合剤で結合できる。好ましい材料ポリエステル、レーヨン、ポリエチレンおよびポリプロピレンである。液状の通過層の例は国際公開第WO 99/57355 A1号公報および欧州特許第EP1023 883A2号公報に記載されている。
【0042】
液状不透水層の例は一般に疎水性のポリエチレンまたはポリプロピレンから成る層である、他の材料、例えばポリエステルおよびポリアミドを使用することもできる。
【0043】
多層構造を使用してシートの片側に特定の観点またはフィーリングを与え、反対側に特定の特性、例えば接着性を与えることもできる。この種の不織布は欧州特許第EP1609448号公報や米国特許第US2008/0045917号明細書に記載されている。
【0044】
トップ層を液体透過性にしてSAPで液体をトラップするようにすることができる。トップ層用に可能な不織布は親水性処理をしたポリエチレンまたはポリプロピレン繊維またはレーヨン、その他の適切な繊維である。Livedo社の上記特許には可能なトップ層が記載されている。表面重量は広範囲に変えることができ、5〜100g/m
2、好ましくは10〜50g/ m
2にすることができる。
【0045】
通常、ボトムシート層は液体不透過性であるが、必ずしもそうする必要はない。可能な層は不織布の層である。ボトム層用に可能な不織布はポリプロピレンまたはポリエステル繊維の不織布であり、当業者に周知のものである。Livedo社の上記特許には使用可能なボトムシート層が開示されている。表面重量は広範囲に変えることができ、5〜100g/ m
2、好ましくは10〜50g/ m
2にすることができる。ボトム層も空気に対する管理された気孔率を有する。それでポケット形成およびSAPの充填を助ける。このことは以下でより明瞭に説明する。
【0046】
本発明で使用する接着剤は当業者に公知のものである。ビードのために第1のタイプの接着剤を使用する。このビード用接着剤は一般にホットメルトであり、一般にはPSA(Pressure Sensitive Adhesive)である。好ましい接着剤はHMPSAである。ビード用に使用可能な典型的なHMPSAは水素化された炭化水素樹脂とナフテン油を含むSBS−ベースの接着剤である。接着剤の塗布方法も当業者に公知である。塗布ラインは連続でも不連続でもよいが連続が好ましい。リニア重量は0.1〜5g/直線メートルである。
【0047】
ビードは縦方向(機械方向、MD)でも、横方向(TD)でも、その両方でもよい。ビードは吸収剤物品の幾何学的安定性を確実にする。ビードは水切り機能を確実にする役目もする。液状はシート層、特に不織布の厚さ方向にマイグレート(移行)できるが、ビードの所では液体はビードによって規定される経路に沿って案内される。従って、水切り経路が規定される。これによって吸収剤物品上全体で流体の分布が均一になるのが保証される。
【0048】
接着剤層(3)および(8)(存在する場合)にも類似の接着剤を使用できる。この接着剤の種類は剥離を順次に(プログレッシブに)行なうことができるようなものにする。この接着剤はトップ層およびボトム層と同じでないものにすることができる。接着剤は当業者に公知の手段を使用して塗布できる。コーティングは全体または部分的に行なうことができる(多数の線状、多数のドット状、特殊パターン、MD、TD、螺旋状、多孔質コーティング、泡コーティング等)。トップ層に使われる接着剤は流体がトップ層を通り抜けことができるようなものであるので、トップ層のコーティングは一般にオープンコーティングである。一般に剥離力は表面重量で制御し、表面重量は一般に5〜60g/m
2、好ましくは10〜20g/m
2である。シート層で使用する接着剤(ビーズまたはシート層に塗布)は水可溶性でないのが好ましい。
【0049】
ホットメルトは感圧接着剤(Pressure Sensitive Adhesives、PSA)、特にHMPSAであるのが好ましい。
【0050】
一般にホットメルト接着剤は下記(a)〜(f)から成るが、これらに限定さるものではない:
(a) ポリマー、例えばEVA、PE、PP、EEA(エチレン・アクリル酸エチル)および熱可塑性エラストマーまたはゴム、これはスチレン(ブロック)コポリマー、例えばSIS、SIBS、SEPS、SBS、SEBSまたはブタジエン−ベースのポリマー、さらにはポリエチレン−プロピレンコポリマー、例えばEPRおよびオレフィンブロックコポリマー(OBC)。これは無水マレイン酸等で化学的に修飾できる。典型的な重量平均値モル質量MWは60k Da〜400kDaの間にある。これは目的:機械強度、柔軟性、バリア特性、輝度および粘度調節に合わせて組成物の10〜80%、好ましくは15〜40%にすることができる。
【0051】
(b)極性または無極性樹脂の粘着付与樹脂。極性樹脂は (i) 天然ロジンまたは変成物(例えば松材のガム質からの抽出ロジン、その重合物、ダイマー、脱水素化物、水素化誘導体またはモノアルコールまたはグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトールのようなポリオールでエステル化した物、 (ii)テルペン系樹脂、、一般にFriedel-Crafts触媒の存在下でモノテルペン(またはピネン)のような炭化水素重合テルペンから得られる樹脂、フェノールの作用で変成してもよいα-ビニールトルエンである。無極性樹脂は水素化、重合または共重合で得られ、(iii) 石油留分から得られる不飽和脂肪族炭化水素混合物(芳香族炭化水素を含む)の水素化、重合、共重合で得られる樹脂、(iv)一般にFriedel-Crafts触媒の存在下でテルペン系炭化水素、例えばモノテルペン(またはピネン)を重合して得られるテルペン樹脂、天然型テルペンを含むコポリマー、例えばスチレン/テルペン、α-ビニールトルエン/テルペンおよびビニルトルエン/テルペンである。粘着付与樹脂は天然物(エステルガム、テルペンまたはテルペン-フェノールエステル)または石油ベースまたは脂肪族または芳香でもよい。その比率は一般に10〜60%、好ましくは30〜80%である。これはホットタック、粘着性よび制御凝集の役目をする。
【0052】
(c)パラフィンおよびワックス。組成物の0〜20%。これはバリヤー性、剛性およびホットメルト硬度特性を与える。
(d)オイルのような可塑剤。組成物の約0〜30%。これらはホットメルトの柔軟性および粘性を制御する。
(e) 抗酸化剤。組成物の0.2〜2%にすることができる。これは加熱時および冷却時に各成分を安定化させる。
(f)充填材。紫外線抵抗性(耐酸化性)、防炎性、抗アレルギー性、レオロジ一変成等の特定特性が要求される場合に使用する。
【0053】
ホットメルトは下記組成を有する:15〜 40%の熱可塑性ポリマー、30〜60%の粘着付与樹脂、30%以下の他の成分:可塑剤、酸化防止薬剤、その他添加物等。
【0054】
残留タックは成分および組成を調節することで管理できる。
【0055】
SAPと一緒に他の接着剤を使用することもできる。それはSAPの運動を減らす役目をする。それは上記のHMAおよびHMPSAにすることができ、水−ベース(WB)、例えWBPSAにすることもできる。SAPと一緒に使用する接着剤は水可溶性にすることができる。この接着剤は形成されたポケットにSAPを塗布するときに同時に塗布できる。この具体例ではSAP粒子または顆粒を密に保持でき、それはプロセスおよび/または設計上有益である。
【0056】
プロセス全体の概念図である[
図3]を参照する。[
図3]にはロールC1、C2、C3、C4、C5およびC6と、ロールC1、C3およびC6用のテンダーロールとが示してある。ニップA、B、C、DおよびEは、それぞれロールC1とテンダーロールの間、C3とC4の間、C3とテンダーロールの間、C3とC5の間、C6とテンダーロールとの間に対応する。[
図3]にはさらに、適当な供与源から供給されるシート(2)および(7)も示してある。[
図1]の各サブ段階も[
図3]に対応している。各段階の詳細は以下で説明する。[
図1]でオプションの段階は[
図3]でも同じようにオプションである。
【0057】
[
図4]は最初のボトム層供給段階を示している。シート層(2)は軽い張力下に巻き出され、ロールC1とその対応テンダーロールとの間のニップ#Aへ送られる。ロールC1は平滑な例えばゴムのシース(またはスリーブ)を有するのが好ましい。
【0058】
[
図5]ではシート層(2)(ボトム層)に接着剤層(3)が付けられる。この接着剤はHMPSAにすることができ、グルーG1の塗布で表される。これはボトム層がニップAの後でロールC1上にある時に行なわれる。この接着剤塗布はニップ#B(下記参照)で供給されるSAPをポケット中にできるだけ多く保持できるようにするのが目的である。接着剤コーティングは上記の標準的方法を使用して実行される。接着剤層(3)の表面重量はSAPが膨潤する時の2枚のシート間の剥離力を書房の力に調節するようにする。実施例では接着剤を発泡製品として堆積させる。発泡製品にすることで同じ厚さの場合、接着剤量を減すことができ、タックを高くでき、凝集力を下げ(SAPのトラップ)、流れを下げることができる(SAP粒子の比表面積は液体吸収の一つのドライビングファクターであるので、SAP粒子コーティングは避けなければならない)。
【0059】
[
図6]ではロールC2上でシート層(2)(ボトム層)が形成され、ポケットに縦方向プロフィールが与えられる。ロールC1の回転速度はロールC3の回転速度より高い
(回転周速は5〜20%、好ましくは10〜20%高い)。この回転速度の相違によって材料にポケットの直立壁を形成することができる。ロールC2の回転速度はロールC1の回転速度より僅かに速く
(回転周速は5〜20%、好ましくは10〜20%高い)、ポケッ形成に必要なテンションが生じる。ロールC2上部の摩擦がおおきくなることで接着剤ビード(下記参照)の形成時にボトム層に確実に張力を加えることができる。ロールC2にスキッド防止コーティングを付けることもできる。
【0060】
[
図7]のロールC2はが溝71a、71b、71c、71dを有する。各溝はここでは正方形の凹部で表されているが、テーパー状谷部にすることもできる、必要に応じて角部を滑らかにすることもできる。溝71aに対応する谷部72aが示されている。2つの隣接する谷部の間には対応するピーク73aが示されている。ロールC2後、に得られるウエブはリブまたは波形を有している。このウエブは溝の最上部と底部と間の摩擦の差および回転速度の差によって溝にマッチする。ロールC2とC3との間の回転速度差によって材料は溝内部に一致させることができる。リブ/波形のによってウエブの幅は小さくなり、回転速度の差によってウエブのテンションが緩和され、成形が可能になる。シート層(2)(および接着剤(3)および/または(5))はロールC2とC3との間で応力開放される。ロールC3の回転速度はしのようにロールC2の回転速度以下である。ロールC2とC3との間のこの回転速度差はポケットの直立壁の他の部分を形成するのに必要なシート層の量(または長さ)で表される。2つのニップ#Aおよび#D(カレンダー加工、ニップ#D、
図6に示す)は固定点の役目をし、2つのニップ間でシートに幾何学形状を与える役目をする。
【0061】
ロールC2は、厚さと直径(ポケットの幅と深さに対応)の異なる複数のディスクを積み重ねることで得られる。そうすることでロールセットの完全に交換せずに幾何学形状を迅速に変えることができる。
【0062】
[
図8]はビードの塗布方法を示す。縦方向ビードは標準的な方法を使用して塗布できる。ロールC2は所定速度を有するので、その外側表面上のテンションが接着剤ビードを受けるのに適している。ビードは必ずしも直線、連続である必要はない。ビードはジグザグ形にすることができ、点状にすることもできる。ビードの塗布はピーク(72a)の位置またはその近傍でシート上に行なう。
【0063】
別の実施例では接着剤ビードは他の結合形成方法に代える。結合形成方法としてヒートシール、超音波溶着、裁縫、2枚の不織布のカード加工を使用できる。一般に接着剤を用いない結合形成はカレンダー加工段階後に実行する。
【0064】
[
図6](上記参照)はポケット形成工程を示す。ここではポケットは主としてロールC3によって形成される。MD(機械方向)での形成方法と同様な方法によってTD(横軸方向)のポケット形成がロールC3を使用して実行される。ロールC3はディスクを積層して所望幾何学形状のマトリックスを形成する。
【0065】
[
図9a]はマトリックスを形成するロールC3を示す。ロールC3の凹部(91、91 b(91c)の底部には真空吸引力を加えるための孔が形成されている。真空吸引力を加えるとシート層が引付けられ、マトリックスの形と同じになり、ポケットが区画される。真空吸引力がロールC3の中央部に加えられてシートをロールに十分に押付けできるようにボトム層の空気気孔率(Gurley気孔率)を調節する。こうして形成されたポケット中にSAPを分布させる(下記参照)のを助ける時にも減圧を加える。減圧を内側ドラムまたはロールに挿入したマンドレルに加えてロールの必要なセグメント部分にだけに減圧を加えることができるようにする。減圧を加えるこのセグメント部分は30〜180°の間、好ましくは60〜120°の間である。
【0066】
上記の減圧セグメント部分は欧州特許第EP-A-1621166号公報、欧州特許第EP-A-1621167号公報に開示のタイプにすることができる。ロールC3は所望するポケットの幾何学形状に従って変えることができる。
【0067】
[
図9b]はマトリックス形状を細長い形状にしたロールC3を示している。
【0068】
[
図9c]および[
図9d]は、ロールC3をロールC2と同様な方法で作った場合すなわち軸線方向にディスクを積み重ねた作った場合で、各ディスクはそれぞれ[
図9a]および[
図9b]に対応する。
【0069】
[
図10]はSAPの分配方法を示している。SAPはロールC3とは逆方向に回転しているロールC4から分配される。ロールC3とC4の回転速度は互いに合わせられる。一般に2つのロールは接触せず、ボトム層(2)の厚さの変化に適応するために2つのロールの間には小さなギャップが存在している。SAPの供給方法の一つは米国特許第US7744713号明細書に記載されている。この特許の内容は本願明細書の一部を成す。成形ロールに減圧を加えることでSAPを所定位置に維持することを助ける(ボトム層のGurley気孔率は減圧によってSAPを一定位置に保持する効果が生じるように合わせる)。
【0070】
[
図10]にはトップ層(シート層(7))の接触方法も示されている。トップ層はカレンダー加工の前にニップ#Cの所でボトム層に対面して供給される。粉末状のSAPを有する接着剤部分(存在する場合)の汚染を避けるために、ニップ#Cはニップ#Bにできるだけ近くに配置するのが好ましい。、テンダーロール(これはバナナ形を有することができる)上を通ることで張力を加えられたトップ層(7)がテンション下に上記で予め形成されたポケット上に送られる。上記張力は供給されトップ層上での減圧効果を最小にするために加えるのが好ましい(減圧によって形成される波打ちを避けるために張力は好ましい)。トップ層に厚さ方向のプリーツを形成するためにテンダーロールにリグを設けることもできる(後で詳細に説明する)。
【0071】
[
図10]にはさらに、カレンダー加工工程も示してある。ロールC3とC5との間に圧力を加えてトップ層をボトム層上に固定し、それによってポケット(4a)を閉じる。
【0072】
[
図10]にはさらに、オプションの
獲得分配層(acquisition distribution layer)ADL(11)を供給する実施例も示してある。この層はニップ#Cの所で供給されて、この位置でサンドイッチを作る。このADLは両方の表面上で接着剤を受けるのが好ましいが、上記の任意の結合形成システムを使用して固定することができる。
【0073】
[
図11]は仕上げ段階を示している。コンパクト化(プリーツ形成)は最終製品を張力下で巻き取る間に実行される。巻き取り時にニップ#Eの所で圧力を与えるためにテンションロールC6を用いる。
【0074】
2つのオプション段階を存在させることもできる(図示せず)。その第1のオプション段階はトップ層(7)に接着剤層(8)をコーティングする段階である。トップ層の浸透性を維持し、液体取込み性能を確実に保つために、このコーティングはオープンコーティングにする。コーティングは孔状コーティング、螺旋状スプレーコーティング、複数の線状コーティング、パターンコーティング等で実行できる。これらのコーティング法は当業者に周知である。
【0075】
第2のオプションの段階は、SAPの粒子を保持および/または凝集させるための接着剤をスプレーする段階である。このスプレー段階はエアーレス技術(低圧)または空気ミックスで実行できる。これはポケットにSAP粒子が供給された後に行ない、実質的にロールC4からSAPが供給された直後(トップ層が加えられる前)に実行される。
【0076】
上記実施例ではボトム層がSAPを受ける場合を説明したが、より好ましいものではないが、上記装置で2つのシート層を逆にすることも可能である。
【0077】
ビードがMD方向およびTD方向に存在する場合、上記プロセスは下記のように改良することができる。すなわち、ロールC5の近傍に高速度ノズルを配置し、一般に成形ロールC3で駆動される製造シーケンスに従って幅の小さい接着剤のバンドをこのノズルによって塗布することができる。複数のノズルが必要になる。
【0078】
あるいは、オフラインプロセスとして公知のプロセスを使うこともできる。この場合にはコアの底部をオフラインで製作(すなわちロールC3およびロールC4までで且つローC5(カレンダー加工)の前に製作した後、最終製造ライン(例えば吸収剤物品またはコアをおしめに挿入するライン)に垂直方向から供給する。次いでビードを加え、トップ層を加える。それからカレンダー加工とカッティングを実行する。
【0079】
トップ層とボトム層を交換した場合には上記プロセスを逆にすることができる。ポケットを両方の層に形成することもできる、この種の場合にはライン上に2つの成形装置が必要である。
【0080】
[
図12]に示す実施例では、波形の形成がロールC2の上部に配置されたカウンターロールによって助けられる。このカウンターロールCC2とロールC2とは適当な駆動装置によって互いに噛み合わせることができる。この駆動装置はギアまたはベルト(ノッチ付きまたは無し)にすることができる。あるいは、単なる摩擦によって噛み合わせることもできる。この場合、ロールCC2は軸線上でフリーである。
【0081】
この実施例は互いに噛み合った2つのロールの対応表面の間にシートを挟み込む(ピンチングして)波形を形成するためにも使われる。[
図12]はこの場合を示している。C2およびCC2は(縦方向の軸線に沿って)横断面で表してある。この図から分かるように、ロールCC2はロールC2の溝71 a、71b、71c、71d)と噛み合うリブ81a、81b、81c、81d)を有する(図には谷72aと峰73aのみを示す)。
【0082】
この実施例では、ロールC2およびCC2上で形成されるシート2には接着剤は塗布されず、2つのロールC2およびCC2が相互作用してシート2をピンチする。上記実施例では接着剤を用いてシート2にポケットが形成されたが、この場合には接着剤無しにシート2にポケットが形成される。そのための、シート7には例えばロールC5の段階で接着剤の層(3)およびビーズ(5)が塗布される。
【0083】
カウンターロールCC2のための追加の段階(接着剤の塗布に関連した段階)を除く部分は実質的に上記と同じ方法で実行される。
【0084】
本発明の吸収剤物品または吸収剤コアは種々の製品で使うことができ、フラッフまたはセルロース層、
獲得/分配層またはこれら両方の層と一緒に使用することもできる。さらに、少なくとも2つの層を互いに積み重ねて使用することもでき、ポケットのパターンは整列させても、互い違い(オフセット)にすることもでき、3Dの水切りネットワークを形成することもできる。本発明の吸収剤物品またはコアは一般的に人の介護製品、特におしめノブ品として使用できる。