特許第6184417号(P6184417)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イートン コーポレーションの特許一覧

<>
  • 特許6184417-ラッチピンアセンブリ 図000002
  • 特許6184417-ラッチピンアセンブリ 図000003
  • 特許6184417-ラッチピンアセンブリ 図000004
  • 特許6184417-ラッチピンアセンブリ 図000005
  • 特許6184417-ラッチピンアセンブリ 図000006
  • 特許6184417-ラッチピンアセンブリ 図000007
  • 特許6184417-ラッチピンアセンブリ 図000008
  • 特許6184417-ラッチピンアセンブリ 図000009
  • 特許6184417-ラッチピンアセンブリ 図000010
  • 特許6184417-ラッチピンアセンブリ 図000011
  • 特許6184417-ラッチピンアセンブリ 図000012
  • 特許6184417-ラッチピンアセンブリ 図000013
  • 特許6184417-ラッチピンアセンブリ 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6184417
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】ラッチピンアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F01L 13/00 20060101AFI20170814BHJP
【FI】
   F01L13/00 302A
   F01L13/00 301V
【請求項の数】18
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-541139(P2014-541139)
(86)(22)【出願日】2012年11月5日
(65)【公表番号】特表2014-532840(P2014-532840A)
(43)【公表日】2014年12月8日
(86)【国際出願番号】US2012063567
(87)【国際公開番号】WO2013067506
(87)【国際公開日】20130510
【審査請求日】2015年9月7日
(31)【優先権主張番号】61/556,282
(32)【優先日】2011年11月6日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390033020
【氏名又は名称】イートン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】EATON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100068618
【弁理士】
【氏名又は名称】萼 経夫
(74)【代理人】
【識別番号】100104145
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 嘉夫
(74)【代理人】
【識別番号】100135035
【弁理士】
【氏名又は名称】田上 明夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131266
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼ 昌宏
(72)【発明者】
【氏名】ラドゥレスク,アンドレ―,ダン
【審査官】 稲村 正義
(56)【参考文献】
【文献】 特表2009−509081(JP,A)
【文献】 特開昭60−020741(JP,A)
【文献】 実開平05−075929(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0226208(US,A1)
【文献】 特表2013−522542(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01L 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブ駆動構造におけるロッカアーム用のラッチピンアセンブリであって、
(a)両端の第1及び第2端部を有するピン本体と、前記第1端部にあるアーム係合ヘッドと、第2端部にあるリテーナ係合後部とを有し、
(i)前記ピン本体は、開口容積部を形成し、
(ii)前記リテーナ係合後部は、前記ピン本体の前記開口容積部に連通する開口を有し、
(A)前記開口容積部は、多角形の断面を有し、
(iii)前記ピン本体は、ロッカアーム本体の円筒状のボアに嵌合する円形の外形形状を有するラッチピンと、
(b)雄係合部を有し、
(i)前記雄係合部は、前記開口を通して前記ピン本体の前記開口容積部内に受入れられ、
(A)前記雄係合部は、非円形の断面を有し、
(ii)前記雄係合部の最大外側寸法よりも大きい外側寸法を有し前記ロッカアームの本体の前記ボアに嵌合する円形の外形形状を有する外側部分を含み、
(A)前記外側部分は、前記ロッカアーム本体の前記ボアに固定可能なリテーナと、
(c)前記ピン本体の前記開口容積部内に配置されて、前記ラッチピンと前記リテーナとの間でこれらに対して作用するスプリングと、
を備えていることを特徴とするラッチピンアセンブリ。
【請求項2】
(a)前記開口は、前記ピン本体の前記開口容積部の断面と同じ形状の非円形の断面を有することを特徴とする請求項1に記載のラッチピンアセンブリ。
【請求項3】
(a)前記ピン本体は、第1外径を有する第1部分及び第2外径を有する第2部分を含み、
(i)前記第2外径は、前記第1外径よりも大きく、
(ii)前記第1部分は、前記アーム係合ヘッドに隣接し、
(iii)前記第2部分は、前記リテーナ係合後部を含む、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のラッチピンアセンブリ。
【請求項4】
(a)前記アーム係合ヘッドは、平坦係合面を有する棚部を含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のラッチピンアセンブリ。
【請求項5】
(a)前記多角形の断面は、長方形であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のラッチピンアセンブリ。
【請求項6】
(a)前記雄係合部は、多角形の断面を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のラッチピンアセンブリ。
【請求項7】
(a)前記雄係合部は、八角形の断面を有することを特徴とする請求項に記載のラッチピンアセンブリ。
【請求項8】
(a)前記リテーナは
(i)前記外側部分と前記雄係合部との間に段部を有し、
(ii)前記段部は、前記リテーナ係合後部の端面に対して係合する、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のラッチピンアセンブリ。
【請求項9】
(a)前記雄係合部は、前記スプリングを保持するバネ受を含む、
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のラッチピンアセンブリ。
【請求項10】
バルブ駆動機構のカムに係合するためのロッカアームであって、
(a)間隔をあけて配置された第1及び第2外側サイドアームを有する外側アームと、
(b)前記第1外側サイドアームと前記第2外側サイドアームとの間に配置された第1及び第2内側サイドアームを有する内側アームと、
(c)前記外側アームと前記内側アームをと結合するピボット軸と、
(d)前記カムから前記ロッカアームに運動を伝達するように構成されたカム接触部材と、
(e)前記外側アームによって保持されて、係合位置と非係合位置との間で移動可能であり、
前記係合位置は、前記外側アームと前記内側アームとを一体に結合し、前記カムに応答して前記外側アームと前記内側アームとを一体に移動させ、
前記非係合位置は、前記内側アームを前記カムに応答して前記ピボット軸回りに前記外側アームに対して回動できるようにするラッチピンアセンブリと、を備え、
前記外側アームは、円筒状のボアを含み、
前記ラッチピンアセンブリは、
(i)前記外側アームの前記ボアに嵌合する円形の外形形状を有し両端の第1及び第2端部を有するピン本体と、前記内側アームに選択的に係合可能な前記第1端部にあるヘッドと、前記第2端部にあるリテーナ係合後部とを有し、
前記ピン本体は、開口容積部を形成し、前記リテーナ係合後部は、前記ピン本体の前記開口容積部に連通する開口を有し、前記開口容積部は、多角形の断面を有する、ラッチピンと、
(ii)雄係合部及び外側部分を有し、
前記雄係合部は、前記開口を通して前記ピン本体の前記開口容積部内に配置され、
前記雄係合部は、非円形の断面を有し、
前記外側部分は、前記外側アームの前記ボアに嵌合する円形の外形形状を有し、前記外側アームに取外しできないように結合される、リテーナと、
(iii)前記ピン本体の前記開口容積部内に配置されて、前記ラッチピンと前記リテーナとの間でこれらに対して作用するスプリングと、
を含むことを特徴とするロッカアーム。
【請求項11】
(a)前記内側アームは、前記第1内側サイドアームと前記第2内側サイドアームとを結合する結合部材を含み、
(b)前記ラッチピンの前記ヘッドは、平坦面を有する棚部を含み、前記平坦面は、前記内側アームの結合部材に対して選択的に係合する、
ことを特徴とする請求項10に記載のロッカアーム。
【請求項12】
(a)溶接継手が前記リテーナの前記外側部分を前記外側アームに取外しできないように結合することを特徴とする請求項10又は11に記載のロッカアーム。
【請求項13】
前記外側アームは、少なくとも第1及び第2径部分を有する円筒状の前記ボアを含み、前記ラッチピンアセンブリは、円筒状の前記ボア内に保持されることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載のロッカアーム。
【請求項14】
前記カム接触部材は、前記第1内側サイドアームと前記第2内側サイドアームとの間にローラベアリングを備えていることを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項に記載のロッカアーム。
【請求項15】
ロッカアームにラッチピンアセンブリを組付ける方法であって、
(a)外側アーム及び内側アームと、前記内側アームと前記外側アームとを結合するピボット軸とを有し、前記外側アームは、円筒状のボアを有するロッカアームを設け、
(b)前記外側アームの前記ボアに嵌合する円形の外形形状を有し、ヘッド及び後部を有するピン本体を含み、前記ピン本体は、非円形の断面を有する開口容積部を含むラッチピンを前記ボアに前記ヘッドが前記内側アームに係合するまで挿入し、
(c)前記開口容積部にスプリングを挿入し、
(d)前記外側アームの前記ボアに嵌合する円形の外形形状を有し、多角形の断面を有する雄係合部を含むリテーナを前記外側アームの前記ボアに挿入して、前記雄係合部を前記ピン本体の前記開口容積部に挿入し、
(e)前記リテーナを前記外側アームに取外しできないように結合する、
ことを特徴とする方法。
【請求項16】
(a)前記リテーナを前記ピン本体の開口容積部に挿入することは、前記リテーナを前記リテーナの表面が前記外側アームの表面に面一になるまで挿入することを含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項17】
(a)前記リテーナを前記外側アームに取外しできないように結合するステップの前に、前記リテーナを前記ピン本体の前記開口容積部内で中心位置から時計回り及び反時計回りの両方向に前記リテーナと前記ピン本体とが当接して停止されるまで回転させ、
(b)中心から時計回り及び反時計回りの両方向の位置への回転角度を記録し、
(c)中心から時計回り及び反時計回りの両方向の位置への記録された回転角度に基づいて、新たな中心位置を計算し、
(d)前記リテーナを新たな中心位置で固定して、前記外側アームに取外しできないように結合する、
ことを特徴とする請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
(a)前記リテーナを前記外側アームに取外しできないように結合することは、前記リテーナを前記外側アームに溶接することを含むことを特徴とする請求項15乃至17のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2011年11月6日に提出された米国特許出願第61/556282号に対して優先権を主張してPCT国際特許出願として2012年11月5日に提出されたものであり、その開示内容の全ては、参照することにより、ここに含まれるものとする。
【0002】
技術分野
本開示は、内燃エンジンのロッカアームを対象とする。具体的には、本開示は、ロッカアームを選択的に作動及び非作動状態とするのに使用可能なラッチピンアセンブリ、その組立方法及び使用方法を対象とする。
【背景技術】
【0003】
多くの内燃エンジンは、ロッカアームを利用してカムの回転運動をエンジンにおけるバルブ駆動に適した直線運動に変換する。ロッカアームは、例えば、出力の低下が必要で燃料経済が要求される場合など、エンジンのバルブの一部を停止する要求があるとき、ロッカアームを選択的に非作動とすることができる機構を含むことにより、選択的に非作動とすることができる。多くの場合において、ロッカアームの作動及び非作動を選択するためにラッチピンが使用される。平坦なラッチピン表面が使用されるとき、ラッチピンは、係合する平坦面に適切に係合できるように回転方向に方向付けする必要がある。このラッチピンの方向付けは、ラッチピンの方向付けに必要な精度のために、製造コストを考慮すると困難なものとなっている。この問題を解決するために改善が望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一形態において、バルブ駆動構造のロッカアーム用のラッチピンアセンブリが提供される。このラッチピンアセンブリは、両端の第1及び第2端部を有するピン本体と、第1端部にあるアーム係合ヘッドと、第2端部にあるリテーナ係合後部とを有するラッチピンを含む。ピン本体は、開口容積部を形成する。リテーナ係合後部は、ピン本体の開口容積部に連通する開口を有する。開口容積部は、非円形の断面を有する。雄係合部を有するリテーナが設けられる。雄係合部は、開口を通してピン本体の開口容積部内に受入れられる。雄係合部は、非円形の断面を有する。ピン本体の開口容積部内に付勢機構が配置されて、ラッチピンとリテーナとの間でこれらに対して作用する。
【0005】
もう一つの態様では、バルブ駆動構造のカムに係合するロッカアームが提供される。このロッカアームは、外側アームと、内側アームと、外側アームと内側アームとを結合するピボット軸と、カムからロッカアームに運動を伝達するように構成されたカム接触部材と、ラッチピンアセンブリとを含む。このラッチピンアセンブリは、外側アームに保持されて、係合位置と非係合位置との間で移動可能である。係合位置は、外側アームと内側アームとを一体に結合し、カムに応答して外側アームと内側アームとを一体に動かす。非係合位置は、内側アームがカムに応答してピボット軸回りに外側アームに対して回動できるようにする。ラッチピンアセンブリは、両端の第1及び第2端部を有するピン本体を有するラッチピンと、第1端部にあって内側アームに選択的に係合するヘッドと、第2端部にある後部と、を含み、ピン本体は、開口容積部を形成し、後部は、ピン本体の開口容積部に連通する開口を有し、開口容積部は、非円形の断面を有する。また、ラッチピンアセンブリは、雄係合部及び外側部分を有するリテーナを含む。雄係合部は、開口を通して開口容積部内に配置される。雄係合部は、非円形の断面を有する。外側部分は、取外しできないように外側アームに結合される。また、ラッチピンアセンブリは、ピン本体の開口容積部内に配置されて、ラッチピンとリテーナとの間で、これらに対して作用する付勢機構を含む。
【0006】
もう一つの態様では、ラッチピンアセンブリをロッカアームに組付ける方法が提供される。この方法は、外側アームと、内側アームと、外側アームと内側アームとを結合するピボット軸とを有するロッカアームを提供することを含む。外側アームは、ボアを有する。この方法は、ヘッド及び後部を有するピン本体を有するラッチピンをヘッドが内側アームに係合するまでボアに挿入することを含む。ピン本体は、非円形の断面を有する開口容積部を含む。この方法は、付勢機構を開口容積部に挿入し、リテーナをピン本体の開口容積部に挿入することを含む。リテーナは、非円形の断面を有する雄係合部を有する。そして、リテーナは、取外しできないように外側アームに結合される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
当然のことながら、図中において図示された要素の境界線は、その境界線の一例を表しているに過ぎない。当業者には当然のことながら、単一の要素は、複数の要素として設計することができ、あるいは、複数の要素は、単一の要素として設計することができる。内部構造として示される要素は、外部構造として実施することができ、その逆も可能である。添付図面及び以下の説明において、同様の部品は、これらの図面及び説明の全体をとおして、それぞれ同じ参照符号で示される。これらの図は、必ずしも一定の縮尺で描かれてはおらず、特定の部品の比率は、図示の便宜のために誇張されている。
【0008】
図1】本発明の開示の原理に従って構成された作動位置にあるロッカアーム、カム、バルブステム及びラッシュアジャスタを含むバルブ駆動構造の斜視図である。
図2図1の構造の一部の断面図であり、本発明の開示の原理に従って設計されたロッカアームを作動状態にする係合位置にあるラッチピンアセンブリを示している。
図3図1のバルブ駆動機構の斜視図であり、非作動位置にあるロッカアームを示している。
図4】本発明の開示の原理に従って設計された図3の構造の一部の断面図であり、ロッカアームを非作動状態にする非係合状態にあるラッチピンアセンブリを示している。
図5図1〜4に示されるロッカアームの斜視図である。
図6図5のロッカアームの斜視図であり、ロッカアームの装着部から分解されたラッチピンアセンブリを示している。
図7図5及び6のロッカアーム及びラッチピンアセンブリの斜視断面図である。
図8】本発明の開示に従って構成されたラッチピンに使用されるリテーナの斜視図である。
図9】本発明の開示に従って構成されたラッチピンアセンブリに使用されるラッチピンの斜視図である。
図10】ロッカアーム内で係合位置にあるラッチピンアセンブリを示す拡大断面図である。
図11A】外側アームに取付けられたラッチピン及びリテーナの概略端面図であり、外側アームのボア内でのラッチピンの回転方向のバランス過程を示している。
図11B】外側アームに取付けられたラッチピン及びリテーナの概略端面図であり、外側アームのボア内でのラッチピンの回転方向のバランス過程を示している。
図12図11A及び11Bと同様の概略端面図であり、リテーナを外側アームに取外せないように結合した後のリテーナ及びラッチピンの最終位置を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
.全体説明、図1〜4
図1及び3は、ロッカアーム30、カム22、バルブステム32及びラッシュアジャスタ34を含むバルブ駆動構造20を示す。図1及び2は、「作動位置」にあるロッカアーム30を示し、この位置では、カム22の運動によってバルブステム32の運動が生じる。図3及び4は、「非作動位置」にあるロッカアーム30を示し、この位置では、カム22の運動は、バルブステム32に伝達されない。
【0010】
図1及び3において、バルブ駆動構造20は、シャフト24及びリフトローブ26を有するカム22を含む。リフトローブ26は、リフト部28を含む。
カム22は、ロッカアーム30のカム接触面31(図2及び4)でロッカアーム30に接触する。以下に更に説明するように、ロッカアーム30は、係合位置と非係合位置との間で移動可能なラッチピンアセンブリ40(図2及び4)を含む。ラッチピンアセンブリ40が係合位置にあるとき(図1及び2)、ロッカアーム30は、作動状態とされて、ロッカアーム30に取付けられるように図示されたバルブステム32を周期的に下方に押圧し、このバルブステム32は、対応するバルブ(図示せず)を開く。すなわち、カム22がシャフト24回りに回転して、リフトローブ26のリフト部28がロッカアーム30を押圧し、これにより、ロッカアーム30がバルブステム32を下方に押圧する。
【0011】
ラッチピンアセンブリ40が非係合位置にあるとき(図3及び4)、ロッカアーム30は、非作動状態とされて、力をバルブステム32に伝達しない。ラッシュアジャスタ34は、ロッカアーム30に第1端部36で係合して図示され、この第1端部36は、ロッカアーム30の第2端部37の反対側である。ラッシュアジャスタ34は、バルブラッシュを軽減する間、ロッカアーム30に上方への圧力かける。図3及び4において、ラッチピンアセンブリ40は、非係合位置とされている。ラッチピンアセンブリが非係合位置とされたとき、カム22のリフト部28とロッカアーム30との間の接触によって、ロッカアーム30は、バルブステム32を下方に押圧しない。正確には、「空動き」が生じ、これについては、以下に更に説明する。
【0012】
B.ロッカアーム30の例示、図5〜7
ロッカアーム30は、外側アーム42を含む。この例では、外側アーム42は、第1外側サイドアーム44及び第2外側サイドアーム46を有する。この例では、第1外側サイドアーム44及び第2外側サイドアーム46は、互いに間隔を置いている。
【0013】
ロッカアーム30は、更に、内側アーム48を含む。この例では、内側アーム48は、第1内側サイドアーム50及び第2内側サイドアーム52を含む。図5に示されるように、第1及び第2外側サイドアーム44,46は、互いに間隔を置いて、これら間に第1及び第2内側サードアーム50,52を含む内側アーム48を収容する。結合部材53は、この例では、内側アーム48の一部であり、第1内側サイドアーム50と第2内側サイドアーム52とを結合する。
【0014】
内側アーム48及び外側アーム42は、両方ともピボット軸54(図6及び7)に取付けられている。ピボット軸54は、ロッカアーム30の第2端部37に隣接して配置されている。ピボット軸54は、内側アーム48を外側アーム42に結合して、ロッカアーム30が非作動状態にあるとき(図3及び4)、これらのピボット軸54回りの一定の回転角度の自由な回動を許容する。本発明の教示では、この他、ピボット軸54は、外側アーム42又は内側アーム48と一体にすることができる。
【0015】
ロッカアーム30は、ベアリング軸60の第1内側サイドアーム50と第1内側サイドアーム52との間に取付けられてロッカアーム30の通常作動中にカム22からロッカアーム30にエネルギーを伝達するように作用するローラ58を含むベアリング56を有する。ベアリング軸60にローラ58を取付けることにより、ベアリング56は、軸60回りに回転することができ、回転するカム22がローラ58に接触することによって生じる摩擦を低減するように作用する。図示された例からわかるように、ローラ58は、カム接触面31を含む。
【0016】
図示された例において、ベアリング軸60は、内側アーム48に取付けられて、外側アーム42のベアリング軸スロット62を通って延びている。他の構造も選択可能である。ロッカアーム30が非作動状態にある場合(図3及び4)、カム22のリフト部28がベアリング56のローラ58に接触したとき、リフト部26がローラ58を下方に押すことにより、内側アーム48は、外側アーム42に対して下方に回動する。外側アーム42のベアリング軸スロット62は、ベアリング軸60の下方への移動を許容し、これにより、内側アーム48及びベアリング56の下方への移動を許容する。カム22が回転し続けることにより、カム22のリフト部28は、ベアリング56のローラ58から離れるように回転し、ベアリング軸60がベアリング軸スプリング64によって上方に付勢されることにより、ベアリング56が上方に移動できるようにする。
【0017】
図示の例において、ベアリング軸スプリング64は、捩りバネであり、外側アーム42に配置されたマウント66にスプリングリテーナ68によって取付けられている。ベアリング軸スプリング64は、ロッカアーム30の第1端部36に隣接して取付けられ、ベアリング軸60に接触するスプリングアーム70を有する。ベアリング軸60及びスプリングアーム70が下方に移動するとき、ベアリング軸60は、スプリングアーム70に沿ってスライドする。ロッカアーム30の第1端部36に隣接して取付けられたベアリング軸スプリング64、ロッカアーム30の第2端部37に隣接して配置されたピボット軸54、及び、ピボット軸54とベアリング軸スプリング64との間のベアリング軸60を有するロッカアーム30の構造は、ロッカアーム30の第2端部37付近の質量を減少させる。
【0018】
図1〜4に示されるように、バルブステム32は、第2端部37に隣接してロッカアーム30に接触し、これにより、ロッカアーム30の第2端部で減少された質量によって、バルブトレーン(図示せず)全体の質量を減少させ、その結果、バルブトレーンの速度変化に必要な力を軽減する。ベアリング軸60を付勢するために、連続スプリング(continuous spring)等の他のスプリング構造を使用することができることに注意すべきである。
【0019】
図7は、ロッカアーム30の一部分解断面図を示す。図7に示されるように、ベアリング56は、ニードル72と組合わされたローラ58を含むニードルローラタイプのベアリングであり、ベアリング軸60に取付けることができる。ベアリング56は、カム22の回転運動をロッカアーム30のカム接触面31に伝達するように作用し、ロッカアーム30は、次いで、その運動をバルブステム32に伝達する(図1〜4)。前述のように、ベアリング軸60は、外側アーム42の軸スロット62内に受入れられるように示される。これにより、ロッカアーム30が非作動状態にあるとき(図3及び4)、ベアリング軸60及び内側アーム48の「空動き」運動が可能になる。「空動き」運動は、カム22の回転運動をバルブステム32に伝達しないロッカアーム30の運動と考えることができる。図示された例では、空動きは、内側アーム48の外側アーム42に対するピボット軸54回りのピボット運動によって表される。
【0020】
ロッカアーム30を選択的に非作動状態にするための機構は、ラッチピンアセンブリ40である。本発明の教示の例示的な態様では、ラッチピンアセンブリ40は、ロッカアーム30の第1端部36に隣接する。この例では、ラッチピンアセンブリ40は、外側アーム42の内部に取付けられるように構成されている。ラッチピンアセンブリ40が係合位置にあるとき(図1及び2)、内側アーム48は、外側アーム42に着脱可能に結合され、これにより、内側アーム48が外側アーム42に対して移動するのを阻止する。ラッチピンアセンブリ40がこの係合位置にあるとき、ロッカアーム30は、作動状態にあって、カム22からバルブステム32への力の伝達を可能にする。ラッチピンアセンブリ40が係合解除されたとき、内側アーム48は、外側アーム42に対してピボット軸54回りに回動することができる。ラッチピンアセンブリ40が係合解除されると、ロッカアーム30は、非作動状態となって、カム22からの運動は、ベアリング軸60が外側アーム42のベアリング軸スロット62内を直線的に移動することにより、内側アーム48が外側アーム42に対してピボット軸54回りに回動する空動きに変換される。
【0021】
C.ラッチピンアセンブリ40の例示、図6〜10
図6〜10を参照して、ラッチピンアセンブリ40の一例を更に説明する。背景技術に記載されているように、ロッカアーム30が非作動状態にあるとき、一つの問題が引き起こされ、ラッチピンアセンブリ40が係合解除されたとき、従来技術のラッチピンアセンブリは、ロッカアーム30への装着位置に対して回転又は移動する。この従来技術のラッチピンアセンブリのロッカアーム30への装着位置に対する回転は、ラッチピンが再係合してロッカアーム30が作動状態となるとき問題を生じることがある。ここに図示されて説明されたラッチピンアセンブリ40は、製造及び組立工程にコストを追加することなく、その問題に対処することを示すことができる。
【0022】
図2、4及び6〜10のラッチピンアセンブリ40は、ラッチピン80を含む。ラッチピン80は、第1端部83及び反対側の第2端部84を有するピン本体82を含む。第1端部83には、アーム係合ヘッド86がある。第2端部84には、リテーナ係合後部88がある。図9及び10に示されるように、ピン本体82は、内部に開口容積部90を形成する。開口容積部90は、非円形の断面92を有する。
【0023】
本発明の教示は、様々な態様を想定しているが、図示の例では、開口容積部90の断面
92は、多角形に形成されている。特に、これは、正多角形として図示されている。この例では、開口容積部90の正多角形の断面92は、長方形である。長方形の断面92は、図9に示されるように、幾分、丸みを帯びた角部を有してもよい。「長方形」という用語により、尖った角部を有する完全な長方形を要求することはない。
【0024】
引続き図9を参照して、リテーナ係合後部88は、開口94を含む。開口94は、ピン本体82の開口容積部90に連通する。開口94は、非円形断面を有する。図示の例では、開口94の断面96は、ピン本体82の開口容積部90の断面92と同じ形状である。開口94の断面96は、正多角形等の多角形とすることができる。特定の図示の例では、開口94の断面96は、長方形で、これは、丸みを帯びた角部を含む。
【0025】
引続き図9を参照して、この例において、ピン本体82は、円形の外側形状98を有することが示されている。この円形の外側形状98は、外側アーム42の円筒状ボア100内に嵌合する。
【0026】
図示された一例においては、ピン本体82は、第1外径103を有する第1部分102及び第2外径105を有する第2部分104を有する。第2外径105は、第1外径103よりも大きい。図示の例では、第1部分102は、アーム係合ヘッド86に隣接するのに対して、第2部分104は、リテーナ係合後部88を含み、また、その一部である。ピン本体82の第1部分102と第2部分104との間は、段部106である。
【0027】
図7において、外側アーム42内のボア100は、同様に、第1径108を有する第1部分107及び第2径110を有する第2部分109を有する。ボア100の第2径110は、第1径108よりも大きい。第1径108は、ピン本体82の第1部分102を受入れるが、第2部分104を受入れない寸法である。ボア100の第2部分109は、ピン本体82の第2部分104を受入れて保持する寸法である。これは、図2、4及び10に示されている。
【0028】
図2、4、7及び10に示されるように、アーム係合ヘッド86は、棚部112を含む。棚部112は、内側アーム48に係合可能なピン本体82の一部である。この例では、図10に示されるように、棚部112は、平坦係合面114を有する。図10には、棚部112の平坦係合面114は、内側アーム48の平坦係合面116にどのように接触するかが示されている。具体的には、棚部112の平坦係合面114は、内側アーム48の結合部材53に対して選択的に係合することができる。
【0029】
図10に示される例では、ラッチピン80のアーム係合ヘッド86は、端面148を含む。この例における端面148は、平坦で、内側アーム48の結合部材53に係合する。図示の例において、端面148は、棚部112の平坦係合面114に略垂直である。内側アーム48は、棚部112の端面148及び平坦係合面114の両方でラッチピン80に係合することができる。ピン本体82の端面148と第1部分102との間に、傾斜面149が設けられている。換言すると、図示の例では(他の例でも可能である)、ピン本体82のアーム係合ヘッド86は、その棚部112の反対側に、第1部分102から内向きに端面148への方向にテーパを形成する。端面148と傾斜面149との間の角度は、約210〜230°とすることができる。この傾斜面149は、ラッチピン80が非係合位置(図4)にあり、カム22のリフト部28が内側アーム48を外側アーム42及びラッチピン80に対して押下げているとき、内側アーム48の結合部材53に対して係合可能にするためのものであり、これは、ラッチピン80が非係合位置にあるとき、油圧が一時的に低下された場合、ラッチピン80がスプリング144の力によって係合位置(図2及び10)に向かって移動することができ、内側アーム48の結合部材53の傾斜がラッチピン80を外側アーム42の非係合位置(図4)に押し戻すのを助ける。結合部材53の傾斜及び傾斜面149は、一般的に、ほぼ同じ角度の傾斜とされる。
【0030】
図10において、内側アーム48の結合部材53がラッチキャッチ152をどのようにして形成するかが示されている。このラッチキャッチ152は、突出領域156と凹部領域158との間に形成された段部154を含む。内側アーム48の平坦係合面116は、内側アーム48が突出領域156から凹部領域158へ移行する段部154の一部である。段部154の平坦係合面116は、ラッチピンアセンブリ40が係合位置(図10)にあるとき、棚部112の平坦係合面114に向き合うように方向付けされている。凹部領域158は、平坦係合面116に対して85〜95°、通常は約90°の角度で傾斜された平坦面160を形成する。この平坦面160は、ラッチピン80の端面148に係合する。
【0031】
本開示に照らして当然のことながら、このラッチピンアセンブリ40の態様により、ピン本体82は、平坦係合面114,116が良好な接触及び係合のために互いに略平行に向き合うように維持される位置に留まることができる。
【0032】
ラッチピンアセンブリ40は、更に、リテーナ120を含む。このリテーナ120は、雄係合部122を有し、この雄係合部122は、開口94を通してピン本体82の開口容積部90に受入れられる。この雄係合部122は、この例では、非円形の断面124を有する。一例においては、雄係合部122の断面124は、多角形であり、例えば正多角形である。図8に示される特定の例では、雄係合部122は、八角形の断面を有する。図10において、雄係合部122がピン本体82の開口容積部90内にどのように嵌合されて受け入れられるかが示されている。
【0033】
図示された例では、雄係合部122は、その内部に内側凹部126を有する。この凹部126は、バネ受128として機能する。このバネ受128は、付勢機構130を保持することができ、付勢機構130は、以下に更に説明する。
【0034】
引続き図8を参照して、リテーナ120は、外側部分132を含む。この外側部分132は、雄係合部122の最大径よりも大きい。リテーナ120は、外側部分132と雄係合部122との間に、段部136を有する。リテーナ120が、雄係合部122がラッチピン80の開口容積部90内となる位置に動作可能に配置されたとき、段部136は、ストッパとして作用し、ラッチピンアセンブリ40が非係合位置にあるとき、リテーナ係合後部88の端面138に対して係合する。ラッチアセンブリ40が係合位置にあるとき、リテーナ係合後部88の端面138は、段部136から間隔を有する。
【0035】
リテーナ120の外側部分132は、外側アーム42のボア100の第2部分109内に受入れられる寸法である(図7)。この例では、ラッチピンアセンブリ40がロッカアーム30の中に組込まれた後、外側部分132は、外側アーム42に取外しできないように結合する。この結合は、機械的又は化学的結合によって行うことができる。この例では、溶接継手140(図5及び10)によってリテーナ120をロッカアーム30に取外しできないように結合する。例えば、溶接継手140は、外側部分132を外側アーム42に溶接することによって形成される。
【0036】
図5に示されるように、外側アーム42は、外側アーム面162を含み、ラッチピンアセンブリ40を保持するために、いかなる追加の溝等を含む必要はない。これは、外側アーム42は、ラッチピンアセンブリ40が取付けられる位置に溝を不要にすることができることであり、すなわち、外側アーム面162に溝が不要であるということである。
【0037】
ラッチピンアセンブリ40は、更に、上述のように、付勢機構130を含む。付勢機構130は、ピン本体82の開口容積部90内に配置し、ラッチピン80とリテーナ120との間に、これらに対向して設ける。具体的には、付勢機構130は、リテーナ120のバネ受128とピン本体82の開口容積部90の端面142(図10)との間に、これらに対向して設ける。この例では、内側端面142は、ピン本体82の第1部分102内に配置する。付勢機構130は、ラッチピン80をボア100内で係合位置(図2及び10)と非係合位置(図4)との間でリテーナ120に対して移動させるために使用することができる。図示の例では、付勢機構130は、コイルスプリング144である。
【0038】
組立てられたロッカアーム30において、ラッチピン80は、係合位置と非係合位置とを切換える。ロッカアーム30を非作動状態にするため、スプリング144の付勢力に抗するのに充分な油圧がかけられ、この油圧は、例えば、ラッチピン80の段部106に対して油圧をかかられるように形成されたポート146(図4)を介してかけられる。この油圧がかけられたとき、ラッチピン80は、ラッチピン80の端面138がリテーナ120の段部136に当接するまで、ロッカアーム30の第1端部36に向けて押圧され、これにより、アーム係合ヘッド86を含むラッチピン80は、内側アーム48の結合部材53との係合から後退される。これにより、内側アーム48は、ピボット軸54回りに回動することができ、その結果、ベアリング軸60は、カム22のリフトローブ26に応答して、軸スロット62内を直線的に移動する。ロッカアーム30を作動状態にするため、ラッチピン80の油圧を解消することができ、これは、スプリング144が内側端面142との係合によりラッチピン80を棚部112の平坦係合面114が内側アーム42に対向するまで押圧する。これにより、外側アーム42と内側アーム48とを一体に結合することができ、カム22に応答して、外側アーム42と内側アーム48とを一体に移動させて、バルブステム32を周期的に押圧する。
【0039】
本開示に照らして当然のことながら、この例では、ラッチピンアセンブリ40は、ラッチピン80、リテーナ120及び付勢機構130である3つの部品以外の部品を含まない。この例では、ラッチピンアセンブリ40は、これらの3つの部品以外を必要とせず、ラッチアセンブリ40は、この例では、ラッチピン80、リテーナ120及び付勢機構130である3つの部品以外の部品を本質的に含まないということができる。その結果、本発明の課題のコスト効果的な解決、及び、より迅速かつ簡単な製造工程が示された。
【0040】
D.方法
ラッチピンアセンブリ40をロッカアーム30に組付ける方法を適用する。先ず、外側アーム42、内側アーム48、及び、これらを結合するピボット軸54を有するロッカアーム30が設けられる。外側アーム42は、ボア100を有する。ボア100は、ロッカアーム30の外側から外側アーム42を通して内側アーム48にアクセスできるようにする。
【0041】
この方法は、ラッチピン80をボア100にアーム係合ヘッド86が内側アーム48に係合するまで挿入することを含む。ピン本体82は、非円形の断面92を有する開口容積部90を有する。
【0042】
この方法は、更に、付勢機構130を開口容積部90に挿入することを含む。ピン本体82の開口容積部90には、リテーナ120を挿入する。リテーナ120は、非円形の断面を有する雄係合部材122を含む。
【0043】
リテーナ120は、外側アーム42に取外しできないように結合される。例えば、リテーナ120を外側アーム42に取外しできないように結合するステップは、リテーナ120を外側アーム42に溶接することを含む。
【0044】
リテーナ120をピン本体82の開口容積部90に挿入することは、リテーナ120をリテーナ120の端面138が外側アーム42の外側アーム面162に一致すなわち面一になるまで、ボア100を通して開口容積部90に挿入することを含む。
【0045】
ラッチピンアセンブリ40は、ラッチピン80がボア100内でバランスされるようにし、これは、ボア100内でのラッチピン80の回転を更に減少させることを示している。この方法は、棚部112及び内側アーム48のラッチキャッチ152の規定条件からのばらつきによるラッチピン80の回転に及ぼす影響を解消又は減少させることを示す。例えば、図11を参照して、ピン本体82の開口容積部90内でリテーナ120が中心位置から時計回り及び反時計回りの位置へ両方向に、リテーナ120とピン本体82とが当接して停止するまで、回転するステップがある。本方法は、更に、中心から時計回り及び反時計回りの回転の角度を記録することを含む。例えば、図11Aにおいて、リテーナ120は、反時計回りの位置へ、雄係合部122がピン本体82の開口容積部90の断面92の内壁に符号170の部分で接触するまで回転する。この接触が生じるまでの中心からの角度の数値は、記録される。この角度の数値は、図11Aにおいて、ラッチピン80の中心の軸172と、符号170の部分で内壁に接触した後の雄係合部122の軸174との差として角度αで示されている。
【0046】
同様に、リテーナ120は、雄係合部122と、ピン本体82の開口容積部90の断面92の内壁とが接触するまで時計回りに回転することができる(図11B)。この中心からの回転量は、角度として記録される。この角度の数値は、図11Bにおいて、ラッチピン80の中心の軸172と、符号176の部分で内壁に接触した後の雄係合部122の軸174との差として角度βで示されている。記録された中心から時計回り及び反時計回りの両方向の位置の回転角度に基づいて、新たな中心位置を計算することができる。そして、リテーナ120は、その新たな中心位置に固定されて、外側アーム42に取外しできないように結合される。図12は、その新たな中心位置を示し、ラッチピン80の軸172とリテーナ120の軸174とは、互いに一致している。
【0047】
ボア100内におけるラッチピンの回転をバランスする方法は、ラッチピン80を外側アーム42のボア100内に挿入し、そして、棚部112が内側アーム48のラッチキャッチ152に係合することによってラッチピン80を適切な位置にロックすることにより、実行することができる。
【0048】
バランスの一例では、リテーナ120は、反時計回りにリテーナ120とピン本体82の開口容積部90の内壁との間の当接(符号170)によって停止されるまで回転することができる。これは、6°の角度αとして記録される。次いで、リテーナ120は、中心に戻されて、時計回りにリテーナ120とピン本体82の開口容積部90の内壁との間の当接(符号176)によって停止されるまで回転される。これは、2°の角度βとして記録される。次いで、これらの中心からずれた角度は、加算されて、2で除されて、例えば(6°+2°)/2=4°となる。そして、新たな中心は、リテーナ120を当初の中心から−2°の位置へ反時計回りに2°(あるいは、当接位置170である最も反時計回りの−6°の位置から新たな−2°の位置へ+4°)動かすことにより計算され、その結果、許容差により、新たな中心から時計回り又は反時計回りのいずれかの側に4°の回転となる。これは、リテーナ120が外側アーム42に例えば溶接によって固定されて永久に結合される新たな中心となる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12