特許第6184485号(P6184485)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6184485背もたれの傾き設定及び肩調節を備えた車両座席
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6184485
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】背もたれの傾き設定及び肩調節を備えた車両座席
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/22 20060101AFI20170814BHJP
   A47C 1/024 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   B60N2/22
   A47C1/024
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-518894(P2015-518894)
(86)(22)【出願日】2013年6月28日
(65)【公表番号】特表2015-521562(P2015-521562A)
(43)【公表日】2015年7月30日
(86)【国際出願番号】EP2013001907
(87)【国際公開番号】WO2014000892
(87)【国際公開日】20140103
【審査請求日】2016年3月28日
(31)【優先権主張番号】102012012983.1
(32)【優先日】2012年6月29日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】501377265
【氏名又は名称】イスリングハウゼン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】ISRINGHAUSEN GmbH & Co. KG
(74)【代理人】
【識別番号】100074332
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 昇
(74)【代理人】
【識別番号】100114432
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 寛昭
(72)【発明者】
【氏名】クロンケ,ライナー
(72)【発明者】
【氏名】ティッツ,ヴィンフリート
(72)【発明者】
【氏名】リーカー,ライナー
【審査官】 小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−037560(JP,U)
【文献】 特開2007−196900(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00−2/72
A47C 1/00−1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
座部(1)及び背もたれ(2)を備えた車両座席であって、
前記座部(1)と前記背もたれ(2)との間に形成された角度は、設定可能であり、
前記背もたれ(2)は、座部(1)に面する背もたれ基部(3)と、背もたれ基部(3)に隣接する背もたれ上部(4)とにより構成され、
前記背もたれ上部(4)は、前記背もたれ基部(3)に対して、実質的に水平に方向づけられた旋回軸(5)の周りに旋回させられることができ、
前記背もたれの上部(4)の前記背もたれ基部(3)に対する角度位置は、前記座部(1)に対する前記背もたれ部(3)の傾きを少なくとも2つの位置に固定可能な第1の固定装置を用いて、前記背もたれ基部(3)の角度位置とは独立して座部(1)に対して設定可能であり、
前記背もたれ基部(3)に対する前記背もたれ上部(4)の傾きを少なくとも2つの位置に固定可能な第2の固定装置(7)を用いて、前記第1の固定装置を機械的に操作する操作レバー(6)が設けられ、
前記第2の固定装置(7)を操作することにより、空気圧式制御器要素(9)及び少なくとも1つの空気圧式作動器要素(10)と動的に接続するスイッチ(8)が設けられ、
前記スイッチ(8)が前記操作レバー(6)に統合されていて、
前記空気圧式制御器要素(9)が、3/2方弁(16)として設計されている、車両座席。
【請求項2】
前記スイッチ(8)が、前記操作レバー(6)に対して回転軸(11)の周りに回転可能なロッカーアームとして形成されている、請求項1に記載の車両座席。
【請求項3】
前記少なくとも1つの空気圧式作動器要素(10)が、背もたれ基部(3)上に配された単動空気圧シリンダー(17)である、請求項1または2に記載の車両座席。
【請求項4】
前記空気圧式制御器要素(9)及び前記少なくとも1つの空気圧式作動器要素(10)が、車載式の圧縮空気発生器または電気的に駆動される小型圧縮器により、空気圧エネルギーを供給される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両座席。
【請求項5】
前記少なくとも1つの加圧された空気圧式作動器要素(10)が、前記第2の固定装置(7)の構成要素であるそれぞれに割り当てられた留め具(12)をロック解除位置にもたらし、前記少なくとも1つの空気圧式作動器要素(10)が減圧される際に、それぞれに割り当てられた留め具(12)が、ばね付勢手段によってロックされる位置にもたらされる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両座席。
【請求項6】
前記背もたれ基部(3)に対する前記背もたれ上部(4)の調節範囲が0°〜20°である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両座席。
【請求項7】
前記背もたれ基部(3)に対する前記背もたれ上部(4)の調節範囲が14°〜20°である、請求項6に記載の車両座席。
【請求項8】
前記背もたれ基部(3)に対する前記背もたれ上部(4)の角度設定の段階サイズ、及び/または、前記座部(1)に対する前記背もたれ基部(3)の角度設定の段階サイズが、それぞれの場合において1.5°〜2.5°である、請求項1〜のいずれか1項に記載の車両座席。
【請求項9】
前記背もたれ基部(3)に対する前記背もたれ上部(4)の前記角度位置を固定するように、留め具(12)のそれぞれが、前記背もたれ(2)のそれぞれの側部に配されている、請求項1〜のいずれか1項に記載の車両座席。
【請求項10】
空気圧の補助力が利用できない場合には、前記背もたれ基部(3)に対する前記背もたれ上部(4)の前記傾きが、手動操作による機械的機構を用いてロックまたはロック解除され得る、請求項1〜のいずれか1項に記載の車両座席。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、座部及び背もたれを備えた車両座席であって、該座部と該背もたれとの間に形成された角度は、設定可能であり、該背もたれは、座部に面する背もたれ基部と、背もたれ基部に隣接する背もたれ上部とにより構成され、該背もたれ上部は、該背もたれ基部に対して、実質的に水平に方向づけられた旋回軸の周りに旋回させられることができ、該背もたれの上部の該背もたれ基部に対する角度位置は、該背もたれ基部の角度位置とは独立して座部に対して設定可能である、車両座席に関する。
【背景技術】
【0002】
特に市販車両の分野において、十分な快適さと良好なエルゴノミクスを提供するために、様々な設定手段を備えた車両座席が知られている。これらの設定手段には、例えば、座席の高さ設定、座部の傾き設定、背もたれの傾き設定及び肩調節が含まれる。肩調節の場合には、背もたれは、背もたれ基部と背もたれ上部とに分割される。ここで、背もたれ基部は、その下端部において、回転軸周りに車両座席の座部に接続され、これらの2つの部品の間には、座部に対する背もたれの傾きを設定し得るように、第1の固定装置が設けられる。背もたれ基部は、その上端部において、旋回軸の周りに旋回可能となるように、背もたれ上部の下方部分に接続される。これら2つの部分は、第2の固定装置を介して、互いに対し異なる角度位置に固定され得る。背もたれ上部と背もたれ基部との間の旋回軸は、略水平に延びており、そのため、背もたれ基部と座部との間の回転軸に対して平行に延びている。背もたれの傾き及び肩調節のための2つの設定手段により、座席使用者の大きさ、重さ及び快適性の要求に対する座席インタフェースの非常に優れた調節が保証される。
【0003】
上記の設定手段を操作するためには、2つの操作要素が必要である。背もたれの傾きを設定するための操作要素は、通常は、座部と背もたれ基部との間の回転軸に直接位置しており、機械的機構として形成される。例えば、座部と背もたれ基部との間のセルフロック噛み合わせに直接作用する回転つまみが操作される。他には、操作レバーもまた知られている。操作レバーは、座席の使用者により付与される力に対して旋回させられ、座部と背もたれ基部との間の噛み合わせを係合解除し、それによって、これら2つの部分の間の傾きが座席の使用者により設定可能となる。所望の傾きに達したときに、使用者が操作レバーを解放することにより、2つの噛み合わせ要素が再び係合する。
【0004】
肩調節の設定は、通常、機械的機構により達成される。背もたれ基部と背もたれの間において、噛み合わせがこれら2つの間の角度を固定するように機能する。これらの噛み合わせは、既に上述した背もたれの傾き設定と同様の操作要素により、係合解除され得る。所望の角度が設定された後、操作要素は再び解放され、肩調節が所望の位置に捕捉される。肩調節の操作要素は、例えば、背もたれの傾きを設定するための操作要素の近傍に間隔を空けて配置され、それは、離れて位置する噛み合わせに遠隔作用をもたらすことを可能にするために、操作要素を背もたれ基部と背もたれ上部との間の旋回軸のすぐ近傍に配置するよりも複雑な機構を含む。一方、操作要素を旋回軸の近傍に配置する場合には、簡素な機構が用いられ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述の2つの装置及びそれらの可能な位置における欠点は、それらが無視できない量の設置空間を必要とすることにある。
【0006】
したがって、本発明の目的は、角度設定可能な背もたれであって、それと独立して設定可能な肩調節を備えており、2つの操作要素が、より必要な設置空間の少ない関連した設定装置を含むが、エルゴノミクスに基づいて配置されている、背もたれを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1の特徴を備えた車両座席により達成される。背もたれ上部と背もたれ基部との間の肩調節角度を固定するために第2の固定装置を操作するスイッチが操作レバーに統合されているため、空間が節約された装置が達成されている。該スイッチが空気圧式制御器要素を介して空気圧式作動器要素を操作するため、該肩調節は非常に小さい力により操作され得る。該スイッチ上の圧力は、該背もたれ上部と該背もたれ基部との間の該第2の固定装置が補助力により係合解除され得るという効果を有しており、そのため、機械的操作の場合に比べて、非常に小さな力しか及ぼす必要がない。
【0008】
本発明の有利な実施形態は、上記スイッチが、上記操作レバーに対して回転軸の周りに回転可能なロッカーアームとして形成されていることを提供する。このような構成は、該スイッチを該操作レバー内の非常に優れたエルゴノミクスに基づく位置に統合する手段を提供すると同時に、エルゴノミクス的に優れた該スイッチの操作を容易にする手段をも提供する。
【0009】
本発明のさらに有利な実施形態は、上記少なくとも1つの空気圧式作動器要素が、背もたれ基部上に配された単動空気圧シリンダーであることを提供する。このような空気圧シリンダーにより、上記肩調節の簡素な設定が、遠隔制御され補助力により操作される固定装置を介して達成され得る。
【0010】
本発明のさらに有利な実施形態は、上記空気圧式制御器要素及び上記少なくとも1つの空気圧式作動器要素が、車載式の圧縮空気発生器または電気的に駆動される小型圧縮器により、空気圧エネルギーを供給されることを提供する。これらは、上記肩調節を操作するための補助力を提供する非常に簡素な手段である。
【0011】
本発明のさらに有利な実施形態は、上記少なくとも1つの加圧された空気圧式作動器要素が、上記第2の固定装置の構成要素であるそれぞれに割り当てられた留め具をロック解除位置にもたらし、該少なくとも1つの空気圧式作動器要素が減圧される際に、それぞれに割り当てられた留め具が、ばね付勢手段によってロックされる位置にもたらされることを提供する。したがって、該空気圧式作動器要素が作用する簡素な機械的システムにより、上記肩調節の信頼できる設定が達成される。
【0012】
本発明のさらに有利な実施形態は、上記背もたれ基部に対する上記背もたれ上部の調節範囲が0°〜20°である、好ましくは14°〜20°の間であることを提供する。これは、座席の使用者となり得る大多数に対してエルゴノミクス的に最も好ましい上記肩調節の角度範囲である。
【0013】
本発明のさらに有利な実施形態は、上記背もたれ基部に対する上記背もたれ上部の角度設定の段階サイズ、及び/または、上記座部に対する該背もたれ基部の角度設定の段階サイズが、それぞれの場合において1.5°〜2.5°であることを提供する。これらの段階サイズは、一方では、快適さの点において十分な上記調節手段の細分化となり、他方では、知覚可能な機械的手段により表され得ると共に、非常に複雑な機械的システムの原因となり得る多すぎる小規模の設定手段を有していない該調節手段となる。
【0014】
本発明のさらに有利な実施形態は、上記背もたれ基部に対する上記背もたれ上部の上記角度位置を固定するように、留め具のそれぞれが、上記背もたれのそれぞれの側部に配されていることを提供する。該背もたれのそれぞれの側部の留め具の同時使用を通じて、これらは、耐える必要のある機械的負荷が、留め具が該背もたれ側部の一方にのみ形成された場合よりも小さくなるように設計され得る。
【0015】
本発明のさらに有利な実施形態は、空気圧の補助力が利用できない場合には、上記背もたれ基部に対する上記背もたれ上部の上記傾きが、手動操作による機械的機構を用いてロックまたはロック解除され得ることを提供する。したがって、たとえ空気圧の接続が切れたとしても、使用者がその人の要求に係る上記肩調節を常に設定できること確実にする。
【0016】
本発明のさらに有利な実施形態は、上記空気圧式制御器要素が、3/2方弁として設計されていることを提供する。これは、上記肩調節を設定する空気圧の補助力を使用するための特に簡素な手段を表している。
【0017】
本発明のさらなる利点及び詳細は、図に示す実施形態を参照して説明する。以下において、各図を詳細に示す。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明に関する構成要素を備えた車両座席の図である。
図2図2は、統合されたスイッチを備えた本発明に係る操作レバーの側面図である。
図3図3は、スイッチが統合された図2の操作レバーを上から見た図である。
図4図4は、図2に係る空気圧式制御器要素の拡大縦断面図である。
図5図5は、図1の肩調節の領域の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に、本発明に必須の要素を示す車両座席を図示する。その下部領域では、座部1が略水平に延びている。座席1の後端において、これは略水平に延びる回転軸を介して背もたれ2に接続されている。背もたれ2は、垂直に積み重なる2つの部分に分割される。具体的には、その下方領域には背もたれ基部3が表されており、該背もたれ基部3は、同様に略水平に延びている旋回軸5の周りに旋回可能となるように、その上端において背もたれ上部4の下端に接続されている。背もたれ部2の該2つの部分が互いに接続された領域は、図5に拡大して示されている。ここに示される本発明に不可欠な特徴は、後ほど説明する。
【0020】
座部1及び背もたれ基部3が回転可能に相互接続されている回転軸の領域には、操作レバー6が設けられている。該操作レバーは、それが拡大されて表されている図2及び3において後ほど詳細に説明するが、背もたれ基部3と座部1との間の傾きの設定を可能にする。同時に、この中に組み込まれたスイッチ8により、背もたれ基部3と背もたれ上部4との間の肩調節もまた、設定可能となる。
【0021】
図2は、本発明の操作レバー6を、それが座部1に接続する方向から表した図を示す。
これは、図1および図3に見られるように、そのカバー21が観察方向と反対側の側部に形成されていることを意味する。操作レバー6は、操作フランジ19を通じて機械的システム(図示しない)に作用し、該機械的システムは、第1の固定装置(図示しない)に作用し、該第1の固定装置は、座部1と背もたれ基部3との間の噛み合わせ(図示しない)を係合解除し得る。このために、操作フランジ19と該噛み合わせとの間には、機械的接続(図示しない)が設けられている。座席1と背もたれ基部3との間の回転軸及びそれに接続している第1の固定装置のすぐ近傍に操作レバー6があるため、該背もたれの傾き設定を実行可能とするためには、非常に簡素な機械的システムのみが必要となる。
【0022】
このような設定装置は、当業者に公知であるため、以下に簡単に説明するに留める。操作レバー6がロック解除方向18の方向へと上方に引っ張られると、座部1上及び背もたれ基部3上に形成される上記噛み合わせがばねに対して係合解除されるように、上記第1の固定装置が動かされる。操作レバー6がロック解除方向18へと上方に保持されている限り、座席使用者は、既知の方法で、座部1に対する背もたれ部2の傾きを変更し得る。該使用者が、その人にとって最も好ましい傾き角度を達成した際には、その人は該操作レバーを放し、その結果、該操作レバーは、(通常、当業者に既知のばね装置により)ロック解除方向18に反対して再び下方に動き、その結果、上記機械的システムを通じて(例えば、ばねの力により)、座部1上及び背もたれ基部3上の噛み合わせの間の緊密な固定が再び行われる。したがって、座席使用者の求める角度の設定において、座部1に対する背もたれ基部3の確実な捕捉が保証される。
【0023】
しかしながら、操作レバー6は、座席使用者に、該背もたれの傾きの設定手段だけでなく、肩調節、すなわち背もたれ上部4と背もたれ基部3との角度もまた提供する。このために、操作レバー6内において、スイッチ8は、操作レバー6の前方領域内に統合される。スイッチ8は、操作レバー6に対して、略水平に延びる回転軸11の周りに移動可能である。スイッチ8は、圧力方向20の圧力により、すなわちスイッチ8上における上から下への略垂直方向の圧力により操作される。次に、これは、その右側領域において回転軸11の周りにロッカーアームのように下方に動く。スイッチ8の下方には、空気圧式制御器要素9が配されている。上述のスイッチ8の圧力方向20の下方への動きは、背もたれ基部3と背もたれ上部4との間の第2の固定装置7(図5参照)の空気圧によるロック解除に影響する。該ロック解除については、後ほどより詳細に説明する。
【0024】
肩調節の設定のために第2の固定装置7の空気圧式動作を操作できるように、空気圧式制御器要素9は、3/2方弁16として形成されている。この3/2方弁16の断面図を、図4に示す。以下では、操作レバー6の空気圧部分の説明を、図2及び図4を参照して行う。タペット13は、ばね22により上方へと付勢されており、その結果、該3/2方弁は無負荷状態において閉塞位置に置かれる。これは、供給ライン14を介して3/2方弁16の上部に入り込む加圧空気が、この弁を通って3/2方弁16の底部に形成された作動器ライン15内には到達し得ないことを意味する。
【0025】
タペット13がスイッチ8上の圧力方向20の圧力により、ばねの力に抗して3/2方弁16へと下方に押されると、この弁は開かれ、供給ライン14に接続しており図示されない車両の供給容器より来る上記加圧空気が、作動器ライン15内に到達する。加圧空気ライン14からの該加圧空気は、他の加圧空気源より来ることもでき、必ずしも車両の供給より来なくてもよい。一度スイッチ8が解放されると、タペット13はばね22により再び上方に動いて3/2方弁16を閉じ、その結果、加圧空気がそれ以上作動器ライン15内に到達し得なくなる。
【0026】
図5には、3/2方弁16に接続していない作動器ライン15の他端が図示される。この場合には、作動器ライン15の分岐が設けられ、その結果、加圧空気が3/2方弁16を介して作動器ライン15内に到達する場合、該分岐は、肩調節の領域において、2つの空気圧式作動器要素10に加圧空気を付与する。図5では、右側に配された空気圧シリンダー17は背もたれ部2の側部に隠されているため、空気圧シリンダー17として形成されている2つの空気圧式作動器要素10の一方のみが図示されている。しかしながら、2つの空気圧シリンダー17は、実質的に同一に構成されており、各背もたれ2のそれぞれの側部にそれぞれ形成されている第2の固定装置7に同じように作用する。
【0027】
原則として、空気圧シリンダー17の操作モードは当業者にとって既知であり、そのため、以下では簡単に説明するに留める。加圧空気が作動器ライン15から空気圧シリンダー17内に供給されない限り、そのピストンロッドは後退したままであり、第2の固定装置7の留め具12の噛み合わせが係合される。一度加圧空気が作動器ライン15を介して空気圧シリンダー17内に流入すると、ピストンロッドが対応するばね要素に抗して延出し、それによって、留め具12の歯の列の間の係合が解除される。この状態では、背もたれ上部4は背もたれ基部3に対して自由に旋回軸5の周りに回転させられ得る。次に、座席使用者は、その人の要求に適した背もたれ上部4と背もたれ基部3との間の角度を設定し得る。一度この角度に達すると、その人はスイッチ8を解放する。
【0028】
図2及び図4において説明したように、タペット13は、続いてばね力により上方に動き、それにより3/2方弁16が閉塞され、したがって加圧空気はもはや作動器ライン15内に到達し得なくなる。これにより、空気圧シリンダー17のピストンロッドは、ばね要素により再び引き込まれ、留め具12の歯の列の緊密な固定が再び達成される。これにより、背もたれ基部3に対する背もたれ上部4の旋回軸5の周りにおける回転が阻止される。座席使用者が再びスイッチ8を介して空気圧を操作しない限り、上記角度の確実な設定及び該角度の捕捉が保証される。
【0029】
背もたれの傾きの機械的設定のために操作レバー6にて肩調節を空気圧式設定するための本発明に係る統合されたスイッチ8により、これら2つの機能を設定するための非常にコンパクトな構造部が設けられる。さらに、該構造部は、非常にエルゴノミクス的に操作されることができる。
【符号の説明】
【0030】
1 座部
2 背もたれ
3 背もたれ基部
4 背もたれ上部
5 旋回軸
6 操作レバー
7 第2の固定装置
8 スイッチ
9 空気圧式制御器要素
10 空気圧式作動器要素
11 回転軸
12 留め具
13 タペット
14 供給ライン
15 作動器ライン
16 3/2方弁
17 空気圧シリンダー
18 ロック解除方向
19 操作フランジ
20 圧力方向
21 カバー
22 ばね
図1
図2
図3
図4
図5