【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の一態様によると、
‐ガスの流れを患者に提供する患者インタフェースと、
‐患者の少なくとも1つの血管を通る血流の度合いを監視する検出器と、
を持つ患者インタフェースシステムが提供され、前記検出器は、
‐少なくとも1つのセンサ、及び
‐少なくとも1つの監視ユニット、
し、前記少なくとも1つのセンサは、前記少なくとも1つの血管を通る血流の特性データを検出することができ、前記少なくとも1つの監視ユニットに前記検出されたデータを送信するように前記少なくとも1つの監視ユニットに接続され、
前記少なくとも1つの監視ユニットは、前記少なくとも1つのセンサから前記データを受信することができ、これらのデータに基づいて前記少なくとも1つの血管を通る血流の度合いを評価することができ、
前記少なくとも1つの監視ユニットは、前記少なくとも1つの血管を通る前記評価された血流に基づく信号を提供することができ、
‐好ましくは、前記監視ユニットは、前記評価された血流に基づいて前記少なくとも1つの血管の閉塞の度合いを評価することができる。
【0012】
本発明に関連して使用される用語「閉塞」は、完全な閉塞又は閉鎖及び好ましくは文脈によって特定又は他の形で決定されない場合には前記血管のいかなるレベル又は度合いの閉塞をも含むと理解されるべきである。
【0013】
本発明に関連して使用される用語「閉塞の度合い」は、少なくとも2つの段階、すなわち完全に開いている及び完全に閉塞した血管を含むと理解されるべきであり、後者は、血液が前記血管を通って流れないことを意味する。好ましくは、血管の切迫した完全閉塞、及びより好ましくは、前記少なくとも1つの血管の閉塞なしと完全閉塞との間の範囲から選択される前記少なくとも1つの血管の閉塞のいくつかの度合い又はレベルが、この用語に含まれる。
【0014】
本発明に関連して使用される用語「血流の度合い」は、少なくとも2つの段階、すなわち最大血流及び血流なしを含むと理解されるべきであり、後者は、例えば、前記血管が完全に閉塞した場合である。好ましくは、最大血流と血流なしとの間の範囲から選択される血流のいくつかの度合い又はレベルが、この用語に含まれる。
【0015】
本発明において、血流は、それぞれの血管の閉塞の度合いに対応するので、用語「閉塞(の度合い)」及び前記少なくとも1つの血管を通る「血流(の度合い)」は、しばしば、説明において同義語として使用される。
【0016】
本発明に関連して使用される用語「血流の特性データ」は、これらに限定されないが、圧力、密度、毎時血液量、粒子密度、音、周囲の組織/皮膚における血液濃度等のような、血流から検出されることができ、血管の圧迫又は閉塞により影響を受けうる全てのデータ又は情報として理解されるべきである。
【0017】
本発明に関連して使用される用語「血管」は、動脈及び静脈を含むと理解されるべきであり、動脈が、本発明に関連して好適である。本発明の範囲において、皮膚内、皮膚下又は両方の全ての血管が意味される。しかしながら、本発明において、皮膚内の血管を示すことが好ましい。
【0018】
本発明に関連して使用される用語「信号」は、文脈により特定又は他の形で決定されない場合には音響、視覚又は電子信号として理解されるべきである。
【0019】
前記患者に供給される、本発明に関連して使用される用語「ガス」は、OSAの治療のような所望の目的で患者に供給されるのに適したいかなるガスとしても理解されるべきである。非限定的な例は、空気、清浄空気、酸素及び後者の変更である。このガスは、加圧されて又は加圧されずに供給されうる。
【0020】
本発明に関連して使用される用語「患者」は、広く理解されるべきであり、病気で苦しんでいる人のみに限定されることを意味しない。したがって、「患者」は、健康に対する予防対策で又は病気若しくは医療目的に直接的に関連しない他の応用で、本発明による患者インタフェース又は他の装置及び方法を使用する人/ユーザをも含む。
【0021】
本発明の他の態様によると、患者の皮膚における患者インタフェースによるレッドマークの形成を防ぐ方法が提供され、前記方法は、
‐取り付け力により患者インタフェースを患者に取り付けるステップであって、前記患者インタフェースが前記患者の皮膚に接触する、取り付けるステップと、
‐前記患者インタフェースが前記皮膚に接触する場所において、前記患者の少なくとも1つの血管を通る血流の度合いを評価するステップと、
‐血流が存在するように、好ましくは前記血流が所定の閾値より上であるように前記取り付け力を調整するステップと、
を有し、前記血流の度合いの評価は、好ましくは、前記患者の前記少なくとも1つの血管を通る血流の特性データを検出することにより実現され、
‐前記方法が、好ましくは、前記評価された血流の度合いに基づいて前記少なくとも1つの血管の閉塞の度合いを評価するステップを有する。
【0022】
本発明の好適な実施例は、従属請求項において規定される。
【0023】
レッドマークは、大きすぎる圧力が皮膚に印加される場合、及び加圧された領域における血管、特に動脈が閉塞され、組織、特に前記動脈の周りの皮膚組織に供給される血液量が低すぎるような、狭められた又は閉じられた状態を意味する場合に、形成される。前記患者インタフェースにより及ぼされるこの圧力は、例えば、ヘッドギア、クッション若しくはピロウ及び/又は額サポートを含む、前記患者インタフェースの異なる又はいくつかの部分から生じうる。動脈が狭められる場合、血流は依然として存在し、血管又は動脈が完全に閉塞又は閉鎖される点まで検出されることができる。これは、印加される圧力がこれらの動脈における収縮期血圧を超過する場合である。しかしながら、部分的に閉塞された動脈、すなわち狭められた動脈の場合でさえ、前記動脈の周りの組織に供給される血液量は、レッドマークの形成を生じるのに十分に低いことが可能である。したがって、閉塞、すなわち完全な又は切迫した閉鎖は、レッドマークの形成を引き起こすことがありえ、したがって、防がれるべきである。
【0024】
血圧、ヘッドギアの締め付け力及び前記患者インタフェース上の圧力分布並びに前記患者の皮膚の弾性率の変化のような、患者インタフェースの長期の着用による一人の患者に対する、又は異なる患者の間の皮膚パラメータの起こりうる変化を考慮して、患者により着用される患者インタフェースの静的システムは、前記患者の皮膚におけるレッドマークの上述の形成をほとんど不可避的に生じる。
【0025】
前述の検出器の助けで、前記血流の度合い及び前記少なくとも1つの血管の閉塞の度合いは、監視されることができる。前記少なくとも1つのセンサから取得されたデータは、前記検出器の前記監視ユニットにより信号を提供するのに使用されることができる。この信号は、例えば、前記少なくとも1つの血管を通る血流の度合いに対応する連続的な信号又は対応する閉塞の度合いのいずれかであることができる。代わりに、この信号は、所定の閾値に依存することができる。後者の場合、信号は、前記血流の度合い又は前記少なくとも1つの血管の閉塞の度合いがこの閾値を通過する場合にのみ提供される。これは、例えば、前記血流の度合いが前記所定の閾値の下に落ちる場合でありうる。具体例において、前記センサは、例えば、前記血管が完全に閉塞されるので、前記血流の不在を検出し、この場合、例えば音の形式の単一の信号を提供する。この信号に基づいて、前記患者インタフェースのヘッドギアは、例えば患者により、適宜に調整されてもよく、これにより前記少なくとも1つの血管において血流が再び起こるように皮膚に対する前記患者インタフェースの圧力を減少させる。
【0026】
本発明の方法に対して、これは、例えばヘッドギアにより、前記患者インタフェースに、これに応じて前記患者の皮膚に作用する前記取り付け力が、前記血流が依然として存在し、好ましくは所定の閾値より上であるように調整される形で説明されることもできる。結果は、前記少なくとも1つの血管を流れる血液の量が、少なくともレッドマークの形成が防がれるような量であることである。
【0027】
使用されるセンサの数は、好適な実施例においてレッドマークの形成が完全に防がれるように、監視されるべき患者の皮膚上の点に依存することができる。前記監視ユニットは、センサごとに1つの監視ユニットであることができ、又はいくつか若しくは全てのセンサに対して1つの監視ユニットであってもよい。
【0028】
好ましくは、前記少なくとも1つの血管を通る血流の度合い、又は前記血流の度合いに基づく前記少なくとも1つの血管の閉塞の度合いは、2より多い段階を含む。結果として、前記少なくとも1つの血管の完全な閉鎖又は閉塞が検出されうるだけでなく、より早い段階でレッドマークの形成を防ぐために、前記血管の少なくとも切迫した閉鎖も、検出可能である。これらの度合いを使用して、前記血管の完全な閉塞又は閉鎖のような単一の信号を生じる1つの特定のインシデントを持つことのみならず、例えば、信号により前記少なくとも1つの血管の閉塞の異なる段階を識別することも、可能である。これに応じて、前記取り付け力を調整する対策は、前記少なくとも1つの血管の完全な閉塞が生じる前に、より早い段階で取られうる。これは、前記患者の皮膚に対する前記患者インタフェースの圧力を特定レベルに、又は前記血流が特定量に減少されるだけのような特定の圧力範囲内で維持することが望ましい場合に、特に有益である。これにより、例えば、正常値の少なくとも半分である量への前記血流の減少が可能である。
【0029】
前記検出器の他の実施例によると、前記センサは、皮膚に光を透過させる光源及び反射光を検出する光センサを有する。好ましくは皮膚内の、血管内の血流は、赤血球のような血液内の粒子の光吸収又は反射により測定されることができる。血管内を流れる血液量は、血管内の赤血球の量、これに応じて皮膚内の赤血球の濃度に対応する。血管を流れる血液量は、血管の閉塞の度合いに依存するので、この検出可能な赤血球量又は濃度は、前述の閉塞の度合いを評価するのに使用されることができる。これは、皮膚内に投下された光の赤血球による光吸収又は光反射のいずれかにより前記光センサにより測定されることができる。皮膚内の濃度を検出する1つの例は、前記光源及び光センサの助けで皮膚の色を監視することによる。皮膚内の赤血球の濃度が減少される場合、皮膚の色は赤から白にシフトする。検出された色は、閾値と比較されることができ、この閾値が通過される場合に信号が与えられうる。前記閾値は、あらかじめ決定されるか又は例えば患者ごとに毎日又は定期的に前記装置自体により、個別に決定されるかのいずれかでありうる。前記光センサにより時間に対して血管内の赤血球の濃度を測定することにより、血流の振動の検出が可能でありうる。この振動は、鼓動する心臓の振動する収縮による圧力差の結果である。血管、特に動脈の狭窄は、例えば振幅において、この検出された振動の変化を引き起こし、血管の閉塞の度合いは、前記検出された信号(の変化)に基づいて評価されることができる。本発明に関連して使用される用語「光センサ」は、光の一般的な強度の単なる検出に適した光センサを含むのみならず、少なくとも個々の色を意味する特定の波長又は特定の波長の組み合わせを持つ光の強度を検出することができる光センサをも含むと理解されるべきである。
【0030】
前記検出器の他の実施例によると、前記センサは、音検出器を有する。血管、特に動脈が閉鎖される場合、前記血管を通る血液のほとんど線形の流れは、特定の閉塞の度合いで乱流にシフトする。このような度合いにおいて、血管の完全な閉塞が切迫している。血流のこの乱流は、コロトコフ音と称される特定の振動する音を生じる。したがって、この特徴的な音は、血管の切迫した閉鎖に対するインジケータであり、これは、この切迫した閉鎖がこの音により検出されうる理由であり、前記患者の皮膚を圧迫する前記患者インタフェースの力を解放するような前述の対策が取られうる。これは、例えば、乱流血流がもはや存在しなくなるまでを意味する、前記検出された音が消えるまで前記取り付け力が解放されることにより行われうる。これらの音は、音検出器により検出されうる。このような音検出器は、直接的に本発明の検出器の一部であるマイクロフォンであるか、又は外部マイクロフォンに通じる管又は他の適切な装置のような何らかの音伝送素子であるかのいずれかでありうる。直接的又は間接的のいずれかで皮膚を通る動脈から音を受け取る前記マイクロフォンは、この音を電子信号に変換する。
【0031】
前記検出器の他の実施例によると、前記センサは、圧力センサを有する。このような圧力センサは、血流の振動又は鼓動を検出することができる。したがって、この圧力センサは、直接的又は間接的のいずれかで、皮膚及び/又は下にある軟組織を介して動脈に接触し、これにより鼓動する心臓収縮の結果として動脈内の交互の圧力を検出する。これに応じて、このようなセンサが(正確な)血圧を測定するように構成されることは、必要ではない。このようなセンサは、圧力差を検出することのみを必要とする。しかしながら、正確な血圧測定を可能にする実施例も、本発明の範囲内であるとみなされるべきである。血流の振動により、このようなセンサは、振動する信号を提供する。このような振動する信号は、血流の存在に対する標示である。振動がもはや検出されない場合、血管を通る血流は停止しており、レッドマークの形成が生じる。レッドマークの形成を防ぐために、前記患者の皮膚に対して圧迫する前記患者インタフェースの前述の力は、前記検出された振動に基づいて調整されうる。前記振動がもはや検出されない場合、前記力は、例えば、振動が再び検出されるまで低下させられうる。振動パラメータは、血管の閉塞の度合いに対応するので、この度合いは、これらのパラメータに基づいて、例えば振幅に基づいて評価されることができる。
【0032】
本発明の検出器の他の実施例によると、前記検出器は、評価ユニットを更に有し、前記評価ユニットは、前記監視ユニットからの信号を受け取り、処理するように設計され、前記評価ユニットは、これらの処理された信号に基づいて制御信号により他の装置を制御することができる。前記評価ユニットは、前記監視ユニットにより提供された前記信号を監視することができ、例えば、この信号を前述の閾値と比較することができる。前記評価された血流の度合い及び前記血管の評価された閉塞の度合いが、この所定の閾値を通過する場合、前記評価ユニットは、このインシデントに基づいて他の装置を制御しうる。このような装置の一例は、前記患者にアラームを与える、いかなる種類の音発生器であってもよい。このアラームに基づいて、前記患者は、前記患者の顔に対する前記患者インタフェースの取り付け力が強すぎること、及び前記患者が、レッドマークの形成を防ぐために前記患者インタフェースの調整機構により前記取り付け力を低下させるべきであることを知る。このような装置の他の可能性は、前記患者インタフェースの前記ヘッドギアに作用する自動調整機構でありうる。このような自動調整機構は、この場合、前記評価ユニットにより制御されて、前記ヘッドギアを緩める又はきつくすることができる。これにより、前記患者に対する前記患者インタフェースの取り付けの力は、減少又は増大されうる。後者は、前記血管の評価された閉塞の度合いが前記閾値から遠く、レッドマークの形成なしで前記患者インタフェースを介して前記患者に供給されるガスの漏れを防ぐためにより強力な取り付けが可能であることを前記検出器が検出する場合に、望ましいかもしれない。
【0033】
本発明の他の態様によると、少なくとも1つの血管を通る血流の特性データを検出することができる少なくとも1つのセンサを有する、患者インタフェースに対するクッション要素が、提供される。更に、本発明の他の態様によると、少なくとも1つの血管を通る血流の特性データを検出することができる少なくとも1つのセンサを有する、ガスの流れを患者に提供する患者インタフェースが、提供される。
【0034】
本発明に関連して使用される用語「クッション要素」は、前記患者インタフェースが前記患者により着用される場合に前記患者に向けられ、前記患者インタフェースの、前記患者と接触する側に配置され、通常、軟組織を有する前記患者インタフェースの部分として理解されるべきである。これにより、このクッション要素は、気密シールを提供し、及び/又は患者インタフェースの着用を前記患者にとってより快適にする。したがって、前記クッション要素は、前記マスク部分の、前記ガスを前記患者に提供する部分、又は額サポート、ヘッドギア等のような前記患者と接触する前記患者インタフェースの他の部分であってもよい。これに応じて、この「クッション要素」を説明する他の単語は、クッション、シール、パッド、又はピロウ等である。
【0035】
このクッション要素又は患者インタフェースの前記少なくとも1つのセンサは、好ましくは、前述のような検出器の少なくとも1つのセンサである。前記少なくとも1つのセンサを有するこのようなクッション要素は、交換されることができる患者インタフェースの要素である。したがって、前記少なくとも1つのセンサを有するクッション要素だけを有することは、例えば不具合の場合に前記クッションを交換する、又はシステム全体をアップグレードするためにこのような少なくとも1つのセンサ又は検出器を有さない患者インタフェース内に前記少なくとも1つのセンサを有するクッション要素を含む可能性を提供する。前記少なくとも1つのセンサを有することとは別に、前記クッション要素は、前述のような実施例による少なくとも1つの検出器を有してもよい。前記センサだけを有する患者インタフェースは、システムの要素であることもでき、前記検出器の少なくとも前記監視ユニットは、前記少なくとも1つのセンサを有する前記患者インタフェースが容易に交換されうるのと同時に前記システム内に留まる。
【0036】
前記クッション要素の一実施例によると、前記少なくとも1つのセンサは、皮膚内に光を透過させる光源及び反射光を検出する光センサ、音検出器又は圧力センサを有する。前記患者インタフェースの一実施例によると、前記少なくとも1つのセンサは、皮膚内に光を透過させる光源及び反射光を検出する光センサ、音検出器又は圧力センサを有する。
【0037】
前記クッション要素の他の実施例によると、前記少なくとも1つのセンサは、前記クッション要素が前記患者に使用される場合にレッドマークを形成する傾向にある患者の皮膚における領域に対応する前記クッション要素の領域に配置される。前記患者インタフェースの他の実施例によると、前記少なくとも1つのセンサは、前記患者インタフェースが前記患者に使用される場合にレッドマークを形成する傾向にある患者の皮膚における領域に対応する前記患者インタフェースの領域に配置される。患者の皮膚のこのような領域に対する好適な例は、患者の鼻骨の周りの領域、いわゆる鼻梁、鼻と頬との間の領域、顎領域及び額である。しかしながら、前記少なくとも1つのセンサは、同様に他の領域に配置されてもよい。患者インタフェースのそれぞれのタイプに基づいて、前述の領域の全てが、影響を受けうる又は利用できるわけではない。例えば、フルフェイスマスクを有する患者インタフェースにおいて、鼻梁、頬と鼻との間の領域及び顎のみが、影響を受けうる。したがって、典型的な実施例において、4つのセンサが使用される(鼻梁に対して1つ、顎に対して1つ、頬と鼻との間の領域に対して2つ、すなわち鼻の各側に1つ)。しかしながら、鼻梁及び顎領域において1つのセンサだけを使用することとは別に、2つのセンサが、睡眠中に顔の片側で横になる患者による前記センサからの誤った結果を避けるようにそれぞれ使用されてもよい。トータルマスクにおいて、特に額及び顎は、影響を受け、したがって、額領域に対して1つ又は2つのセンサ及び顎に対して1つ又は2つが使用される。鼻マスクにおいて、特に皮膚に対して圧迫するヘッドギアは、頬に影響を与える。したがって、各側に対して1つのセンサが使用される。これらの特定の典型的な実施例とは別に、前記センサの他の適切な又は必要な配置が使用されてもよく、これによりそれぞれの領域は、レッドマークを形成する傾向が低いか、又はレッドマークを形成する傾向にあることが判明するかのいずれかであってもよい。
【0038】
本発明の他の態様によると、前述の実施例のいずれかの検出器を持つ、ガスの流れを患者に提供する患者インタフェースが提供される。このような患者インタフェースを提供することは、この装置全体に対して前述の利益を与える。前記検出器は、このような患者インタフェースにおいて、前述のように前記検出器のセンサの適切な位置に依存して前記患者インタフェース内に又は上に配置されうる。
【0039】
前記患者インタフェースの他の実施例によると、後者は、
‐前記患者インタフェースを患者に取り付けるヘッドギアと、
‐前記ヘッドギアを用いて前記患者インタフェースを前記患者に取り付ける力の調整に対する少なくとも1つの調整機構と、
を有し、前記力の調整は、前記検出器により提供される信号に基づく。前記調整機構により、前記力の調整は、例えば前記ユーザにより可能である。これは、好ましくは前記少なくとも1つの血管の閉鎖が検出される又は前記血管の閉塞の度合いに対する所定の閾値が通過される場合に生じる、前記検出器により提供される信号に基づいて行われることができる。
【0040】
前記患者インタフェースの他の実施例によると、前記力の調整は、前記検出器により提供される信号により制御され、結果として前記力の自動調整を生じる。このようにして、前記患者インタフェースは、前記患者インタフェースに対する前記患者のインタラクションが必要ではないような形で、前記皮膚を圧迫する前記患者インタフェースの力を修正するのに、監視された血流、すなわち評価された血流の度合い又は前記少なくとも1つの血管の評価された閉塞の度合いを使用する。前記患者インタフェース全体は、この場合、自動的に動作し、前述の実施例によって前記力を調整する。これは、血流が停止する又は所定の閾値の下に落ちる場合に、前記患者インタフェースが前記患者の皮膚を圧迫している力が低下されるか、又は血流の度合いが前記閾値から(遠く)離れており、前記患者に供給されるガスの漏れの発生が避けられるべきである場合に、前記力が増大されるかのいずれかであることを意味する。
【0041】
前述の実施例と同等の患者インタフェースとは別に、前記患者インタフェースシステムは、前記患者に空気又は加圧ガスを供給する、ガスの供給又は電力供給等のための装置を更に有してもよい。前記検出器は、前記患者インタフェースの一部であってもよく、又は前記患者インタフェースシステム内の他の適切な位置に配置されてもよい。したがって、前記検出器は、センサ及び監視ユニットを含むコンパクトな装置として前記患者インタフェースシステム内に配置されてもよく、又は同様に分離された前記センサ及び前記監視ユニットを用いて構成されてもよい。例えば、前記センサが前記患者インタフェースに配置され、前記監視ユニットが前述されたもののような前記患者インタフェースシステムの一部である外部装置に配置される実施例は、可能である。
【0042】
本発明の他の態様によると、患者にガスを供給する患者インタフェースを着用することによる前記患者の少なくとも1つの血管の閉塞を防ぐための、前述の実施例のいずれかの検出器の使用が、提供される。
【0043】
本発明の他の態様によると、少なくとも1つの血管を通る血流の特性データを検出することができる少なくとも1つのセンサを有する、患者インタフェースに対するヘッドギアアセンブリが、提供される。
【0044】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施例を参照して説明され、明らかになる。