特許第6184505号(P6184505)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6184505
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】摩擦調整剤及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C10M 159/12 20060101AFI20170814BHJP
   C10M 133/08 20060101ALN20170814BHJP
   C10M 129/08 20060101ALN20170814BHJP
   C10M 125/26 20060101ALN20170814BHJP
   C10N 30/06 20060101ALN20170814BHJP
   C10N 40/25 20060101ALN20170814BHJP
【FI】
   C10M159/12
   !C10M133/08
   !C10M129/08
   !C10M125/26
   C10N30:06
   C10N40:25
【請求項の数】11
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-539582(P2015-539582)
(86)(22)【出願日】2013年7月26日
(65)【公表番号】特表2015-533386(P2015-533386A)
(43)【公表日】2015年11月24日
(86)【国際出願番号】US2013052287
(87)【国際公開番号】WO2014070268
(87)【国際公開日】20140508
【審査請求日】2016年7月14日
(31)【優先権主張番号】13/663,734
(32)【優先日】2012年10月30日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598037547
【氏名又は名称】シェブロン・オロナイト・カンパニー・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スエン、ヤット ファン
(72)【発明者】
【氏名】バルバロー、ジェニファー エリザベス
【審査官】 牟田 博一
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭59−025891(JP,A)
【文献】 特開2005−320441(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/068137(WO,A1)
【文献】 特表2013−543927(JP,A)
【文献】 特開2001−302600(JP,A)
【文献】 特表2008−539263(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10M 101/00〜177/00
C10N 10/00〜 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
潤滑油添加剤組成物を調製する方法であって、
A.アルカノールアミンを塩基と反応させて得られた第1反応生成物をトリグリセリドと反応させることにより得られ、3当量の窒素含有化合物及び1当量のグリセロールを含み、10質量パーセント未満のグリセロールアルキルエステルを含有する窒素含有反応物と;
B.ホウ酸又はその均等物と;
C.グリセロールと
を反応させることを含む方法。
【請求項2】
(a)アルカノールアミンを塩基と反応させて得られた第1反応生成物をトリグリセリドと反応させることにより得られ、3当量の窒素含有化合物及び1当量のグリセロールを含み、10質量パーセント未満のグリセロールアルキルエステルを含有する窒素含有反応物と;
(b)ホウ酸又はその均等物と、
(c)グリセロールと
の反応生成物を含む潤滑油添加剤組成物。
【請求項3】
窒素含有反応物がアルカノールアミドである、請求項2に記載の潤滑油添加剤組成物。
【請求項4】
アルカノールアミドがジエタノールアミドである、請求項3に記載の潤滑油添加剤組成物。
【請求項5】
ホウ酸又はその均等物がホウ酸である、請求項2に記載の潤滑油添加剤組成物。
【請求項6】
A.成分中最大の量の潤滑粘度の油及び
B.(i)アルカノールアミンを塩基と反応させて得られた第1反応生成物をトリグリセリドと反応させることにより得られ、3当量の窒素含有化合物及び1当量のグリセロールを含み、10質量パーセント未満のグリセロールアルキルエステルを含有する窒素含有反応物と;
(ii)ホウ酸又はその均等物と、
(iii)グリセロールと
の反応生成物を含む潤滑油添加剤組成物
を含む潤滑油組成物。
【請求項7】
窒素含有反応物がアルカノールアミドである、請求項6に記載の潤滑油添加剤組成物。
【請求項8】
アルカノールアミドがジエタノールアミドである、請求項7に記載の潤滑油添加剤組成物。
【請求項9】
ホウ酸又はその均等物がホウ酸である、請求項6に記載の潤滑油組成物。
【請求項10】
内燃機関において摩擦を低減させるための方法であって、請求項6に記載の潤滑油添加剤組成物を含む潤滑油組成物で前記機関を潤滑させることを含む、上記方法。
【請求項11】
0重量%から0重量%までの有機液体希釈剤及び0重量%から0重量%までの請求項2に記載の潤滑油添加剤組成物を含む潤滑油添加剤濃縮物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な潤滑油添加剤及び、その新規な潤滑油添加剤を含む潤滑油組成物に関する。より具体的には、本発明は、グリセロールと共ホウ酸化された(co−borated)、多段階合成の反応生成物を含む摩擦低減成分を含有する潤滑油組成物を有する乗用車エンジン及びヘビーデューティディーゼルエンジンに関する。
【背景技術】
【0002】
乗用車モーター油中に使用される摩擦調整剤の領域においては、多数の選択肢がある。エンジン油摩擦調整剤として利用可能な多数の選択肢のうちの1つは、摩擦調整剤として多年使用されてきた、ビス−エトキシオレイルアミンである。
【0003】
最近まで、ディーゼルエンジン油配合者は、潤滑剤及びそれを使用するエンジンの耐用年数を最大化するという問題に焦点を絞ってきた。これは、摩耗防止剤及び抗酸化剤の助けを借りてなされてきた。配合者は、燃料の節約を最大化する目的にエンジン油の特徴を合わせることにあまり時間を費やしてこなかった。
【0004】
ディーゼルエンジンの燃料の節約の改善に対する最近の関心には、数多くの要因が寄与してきた。地球気候変動法は、徐々にではあるが着実に、ディーゼルエンジンからの排出に制限を課してきた。さらに、原油価格が2008年に急騰した。突然に、多くのトラック会社では、単独最大経費として燃料コストが労働コストに取って代わった。原油価格は、2008年に1バレル145ドルの最高値をつけてからは大幅に下落したものの、燃料の節約は、OEM、ディーゼルエンジン所有者及びディーゼルエンジン油製造者にとって、一重要課題として確立されたものである。
【0005】
乗用車エンジンにおいて用いられる燃料の節約と並行する方法でのヘビーデューティディーゼルエンジンにおける燃料の節約への取組みは、最良の戦略ではないことが証明された。乗用車エンジン油中で成功裏に使用された摩擦調整剤は、ディーゼルエンジンにおいて残念な結果を示した。油の粘度を低減させることによる摩擦の低減は、摩耗問題につながった。明らかに、ディーゼルエンジンにおける燃料の節約の問題に取り組むには、新規なアプローチが必要である。
【0006】
乗用車及びヘビーデューティディーゼルエンジン油の両方において機能するように設計された新規な有機摩擦調整剤(OFM)が出現し始めた。摩擦低減における目覚ましい利益が、新種のビス−エトキシアルキルアミン/アミドの混合ホウ酸エステルで見られている。こうした利益が、ベンチ及びエンジン試験の両方を通して実証された。こうした添加剤を容易に入手可能な出発物質から合成するための新規な方法が開発されてきた。
【0007】
Malec、米国特許第4,231,883号は、摩擦調整剤としてのアルコキシル化ヒドロカルビルアミンの使用を教示している。
【0008】
Chien−Weiら、米国特許第3,011,880号は、沈着物に対する耐性及び低温運転性を向上させるための燃料添加剤としての、ビスアルコキシル化ヒドロカルビルアミドのホウ酸エステルの使用を教示している。
【0009】
Colombo、EP393748は、潤滑剤における摩擦調整剤及び抗腐食剤としての、モノ及びビス−エトキシル化アルキルアミドのホウ酸エステルの使用を教示している。
【0010】
Papayら、米国特許第4,331,545号は、潤滑剤及び燃料の両方用の摩擦調整剤としての、モノエトキシル化ヒドロカルビルアミドのホウ酸エステルの使用を教示している。多価アルコール及びアルキルアルコールの混合ホウ酸エステルが記載されている。
【0011】
Horodysky、米国特許第4,382,006号は、潤滑剤用の摩擦調整剤としての、ビス−エトキシル化アルキルアミンのホウ酸エステルの使用を教示している。ホウ酸エステルの例は、ブタノールとの混合エステルである。
【0012】
Horodysky、米国特許第4,389,322号は、潤滑剤用の摩擦調整剤としての、ビス−エトキシル化アルキルアミドのホウ酸エステルの使用を教示している。ホウ酸エステルの例は、ブタノールとの混合エステルである。
【0013】
Horodyskyら、米国特許第4,406,802号は、潤滑剤における摩擦調整剤としての、ビス−アルコキシル化アルキルアミン、ビス−アルコキシル化アルキルアミド及びアルコールヒドロキシエステルを含む化合物の混合ホウ酸エステルの使用を教示している。
【0014】
Horodyskyら、米国特許第4,478,732号は、潤滑剤における摩擦調整剤としての、ビス−アルコキシル化アルキルアミン、ビス−アルコキシル化アルキルアミド及びアルコールヒドロキシエステルを含む化合物の混合ホウ酸エステルの使用を教示している。
【0015】
Yasushi、JP2005320441は、低硫黄配合物における耐摩耗添加剤としての、グリセロールモノエステル及びビス−エトキシル化アルキルアミドの混合ホウ酸エステルの使用を教示している。
【0016】
Foxら、米国特許公開第20050107623号は、金属ケイ酸塩化合物及び任意選択で触媒の存在下で、アルカノールアミンをエステルと反応させて、アルカノールアミン及び残留触媒のレベルが低減したヒドロキシアルキルアミド組成物を生成するための方法に関する。
【0017】
これまでに記載された添加剤又は添加剤の製造方法のいずれも、天然に存在するトリグリセリドを出発物質として利用しておらず、ディーゼルエンジン油における摩擦調整の問題に、グリセロールと共ホウ酸化されたアルキルアルカノールアミドを用いて対処してはいない。トリグリセリドを使用することは、よりコスト効率的であると同時に、より環境に優しい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の一実施形態は、(A)アルカノールアミンを塩基と反応させて得られた第1反応生成物をトリグリセリドと反応させることにより得られ、3当量の窒素含有化合物及び1当量のグリセロールを含み、10質量パーセント未満のグリセロールアルキルエステルを含有する窒素含有反応物と;(B)ホウ素の源と;(C)グリセロールとを反応させることを含む、潤滑油添加剤組成物を調製する方法に関する。
【0019】
本発明の一実施形態は、(A)アルカノールアミンを塩基と反応させて得られた第1反応生成物をトリグリセリドと反応させることにより得られ、3当量の窒素含有化合物及び1当量のグリセロールを含み、10質量パーセント未満のグリセロールアルキルエステルを含有する窒素含有反応物と;(B)ホウ素の源と、(C)グリセロールとの反応生成物を含む潤滑油添加剤組成物に関する。
【0020】
本発明の一実施形態は、(A)成分中最大の量の潤滑粘度の油及び(B)(i)アルカノールアミンを塩基と反応させて得られた第1反応生成物をトリグリセリドと反応させることにより得られ、3当量の窒素含有化合物及び1当量のグリセロールを含み、10質量パーセント未満のグリセロールアルキルエステルを含有する窒素含有反応物と;(ii)ホウ素の源と、(iii)グリセロールとの反応生成物を含む潤滑油添加剤組成物を含む潤滑油組成物に関する。
【0021】
本発明の一実施形態は、内燃機関において摩擦を低減させるための方法であって、潤滑油組成物で前記機関を潤滑させることを含み、その潤滑油組成物が、(A)成分中最大の量の潤滑粘度の油及び(B)(i)アルカノールアミンを塩基と反応させて得られた第1反応生成物をトリグリセリドと反応させることにより得られ、3当量の窒素含有化合物及び1当量のグリセロールを含み、10質量パーセント未満のグリセロールアルキルエステルを含有する窒素含有反応物と;(ii)ホウ素の源と、(iii)グリセロールとの反応生成物を含む潤滑油添加剤組成物を含むものである方法に関する。
【0022】
本発明の一実施形態は、約90重量%から約10重量%までの有機液体希釈剤及び約10重量%から約90重量%までの、(A)アルカノールアミンを塩基と反応させて得られた第1反応生成物をトリグリセリドと反応させることにより得られ、3当量の窒素含有化合物及び1当量のグリセロールを含み、10質量パーセント未満のグリセロールアルキルエステルを含有する窒素含有反応物と;(B)ホウ素の源と、(C)グリセロールとの反応生成物を含む潤滑油添加剤組成物を含む潤滑油添加剤濃縮物に関する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明は多様な変更形態及び代替形態が可能であるものの、その具体的な実施形態を本明細書においてより詳細に説明する。しかしながら、本明細書における具体的な実施形態の説明は、開示した具体的な形態に本発明を限定することを意図するものではなく、反対に、添付の特許請求の範囲により規定される本発明の趣旨及び範囲内にある全ての変更形態、等価物及び代替物を包含することが意図されていることは、理解されるべきである。
【0024】
定義
以下の用語は明細書を通して用い、特段の指示がない限り以下の意味を有するものとする。
【0025】
「アミド」又は「ポリアミド」という用語は、カルボン酸、カルボン酸塩、カルボン酸無水物、又はカルボン酸エステルと、ポリアミンを含むアミンとの反応生成物をいう。
【0026】
「カルボン酸成分」という用語は、カルボン酸、カルボン酸塩、カルボン酸無水物、及びカルボン酸エステルをいう。
【0027】
潤滑油添加剤
一実施形態では、潤滑油添加剤は、(1)多段階合成プロセスから誘導された窒素含有反応物と;(2)ホウ酸などのホウ素の源と;(3)グリセロールとの反応生成物である。
【0028】
窒素含有反応物
一実施形態では、窒素含有反応物は、多段階合成プロセスから誘導される。
【0029】
多段階プロセスにおける最初の段階は、アルキルアルカノールアミンを塩基で脱プロトン化して、第1反応生成物を誘導することを含む。
【0030】
一実施形態では、アミン含有反応物は、以下の構造式を有するアルキルアルカノールアミンである:
【化1】

式中、Rは水素であるか、約1から2個までの炭素原子を有する。
【0031】
アルカノールアミンの例には、以下が含まれるが、これらに限定されるものではない。すなわち、ジエタノールアミン及びジイソプロパノールアミンである。典型的には、アルカノールアミンはジエタノールアミンである。
【0032】
一実施形態では、塩基は強塩基である。好ましくは、塩基はアルコキシド又は炭酸塩(重炭酸塩を含む)、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムプロポキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムプロポキシド、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、ナトリウム又はカリウムブトキシド、ナトリウム又はカリウムペントキシド、ヘキサン酸ナトリウム又はカリウム、炭酸セシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウム、重炭酸カルシウム及びこれらの混合物である。好ましくは、塩基は水酸化カリウムである。
【0033】
第1反応生成物(すなわち、脱プロトン化アルカノールアミン)をトリグリセリドと反応させる。典型的には、トリグリセリドは飽和又は不飽和のヒドロカルビル鎖を有する。好ましくは、トリグリセリドは飽和及び不飽和のヒドロカルビル鎖の混合物を有し、これには、ヒドロカルビル基が約6から20個までの炭素原子、又は6〜20個の炭素原子の混合物を含んでいるトリグリセリドが含まれるが、これに限定されるものではない。より好ましくは、トリグリセリドは、およそ66%の中鎖トリグリセリドを含むヤシ油である。
【0034】
トリグリセリドと第1反応生成物(すなわち、脱プロトン化アルカノールアミン)との間の反応の生成物(すなわち、窒素含有反応物)は、典型的には、3当量の窒素含有化合物及び1当量のグリセロールを含む。窒素含有反応物は、構成成分中最大部のアルカノールアミド及び10質量パーセント未満のグリセロールアルキルエステルを含有する。
【0035】
窒素含有化合物はホウ素の源及び追加のグリセロールとさらに反応させる。
【0036】
ホウ素反応物の源
一実施形態では、三酸化ホウ素や、多様な形態のメタホウ酸、オルトホウ酸、四ホウ酸を含むホウ酸、モノ、ジ、又はトリC〜Cアルキルボラートを含むホウ酸アルキルなどのホウ素の源が反応において使用される。好ましくは、ホウ酸をホウ素の源として使用する。ホウ酸は、当該技術分野において周知の方法により調製することができる。また、Aldrich、Fisher Scientificなどの供給業者から購入することもできる。
【0037】
グリセロール
グリセロール成分は以下の構造式を有する:
【化2】
【0038】
潤滑油添加剤組成物の製造方法
潤滑油添加剤組成物は、容器にジエタノールアミンなどのアルカノールアミン、及び水酸化カリウムなどの塩基を装入することにより調製される。反応の副生物である水を、蒸留により除去する。ヤシ油などのトリグリセリドを、次いで容器に加え、混合する。得られた生成物は窒素含有性であり、典型的には、ジエタノールアミドなどのアルカノールアミドである。ホウ酸などのホウ素の源を次いで容器に加える。得られた混合物を、水が実質的に除去されて反応が完了するまで還流した後、その混合物にグリセロールを添加する。
【0039】
一実施形態では、グリセロールを、ホウ素の源と同時に容器に加える。次いでその混合物を2時間還流する。
【0040】
好ましくは、窒素含有反応物と、ホウ酸反応物と、総グリセロールの比は、約1:0.33:0.33から1:3:3までである。
【0041】
添加剤濃縮物
多くの場合、キャリア液中に本発明の油溶性添加剤組成物の濃縮物を形成することが有利であり得る。これらの添加剤濃縮物は、取扱い、輸送、及び最終的には潤滑剤基油へ配合して最終の潤滑剤を得る便利な方法をもたらす。一般に、本発明の油溶性添加剤濃縮物は、それ自体では最終の潤滑剤として使用可能でないか、適していない。むしろ、油溶性添加剤濃縮物は、潤滑剤基油原液と配合されて、最終の潤滑剤を提供するものである。キャリア液は、本発明の油溶性添加剤を容易に溶液化させて、潤滑剤基油原液中に容易に溶解する油添加剤濃縮物をもたらすことが望ましい。さらに、キャリア液は、例えば、高揮発性、高粘度、ヘテロ原子などの不純物を含むいかなる望ましくない特徴も潤滑剤基油原液に、したがって、究極的には最終の潤滑剤に導入しないことが望ましい。したがって、本発明は、不活性キャリア流体及び、総濃縮物に基づいて2.0重量%から90重量%までの、本発明による油溶性添加剤組成物を含む油溶性添加剤濃縮物組成物をさらに提供する。この不活性キャリア流体は、潤滑油とすることもできる。
【0042】
こうした濃縮物は、通常、約2.0重量%から約90重量%までの、好ましくは10重量%から50重量%までの本発明の油溶性添加剤組成物を含有し、さらに、1つ又は複数の当該技術分野において公知であり、後述するその他の添加剤を含有することができる。濃縮物の残部は、実質的に不活性キャリア液である。
【0043】
潤滑油組成物
本発明の一実施形態では、本発明の油溶性添加剤組成物を潤滑粘度の基油と混合して、潤滑油組成物を形成することができる。潤滑油組成物は、成分中最大の量の潤滑粘度の基油及び少量の上述した本発明の油溶性添加剤組成物を含む。
【0044】
本発明において使用することができる潤滑油には、多種多様な炭化水素油、例えばナフテン系基油、パラフィン基油、混合基油など、並びにエステルなどの合成油が含まれる。本発明において使用することができる潤滑油には、バイオマス由来の油、例えば植物及び動物由来の油なども含まれる。潤滑油は、単独で使用することもでき、組み合わせて使用することもでき、一般に、40℃で7から3,300cStまで、通常20から2000cStまでの範囲の粘度を有する。したがって、基油は、精製パラフィン系基油、精製ナフテン系基油、又は潤滑粘度の合成炭化水素油若しくは非炭化水素油とすることができる。基油は、鉱油及び合成油の混合物とすることもできる。本発明において基油として使用される鉱油には、例えば、パラフィン系油、ナフテン系油、及び潤滑油組成物中に普通に使用されるその他の油が含まれる。合成油には、例えば、炭化水素合成油と合成エステルの両方、並びに所望の粘度を有するこれらの混合物が含まれる。炭化水素合成油には、例えば、エチレンの重合から調製された油、すなわち、ポリアルファオレフィンすなわちPAO、又はフィッシャートロプシュ法におけるように、一酸化炭素及び水素ガスを使用する炭化水素合成手順から調製された油が含まれ得る。有用な合成炭化水素油には、適切な粘度を有するアルファオレフィンの液体ポリマーが含まれる。同様に、適切な粘度のアルキルベンゼン、例えばジドデシルベンゼンなどを使用することができる。有用な合成エステルには、モノカルボン酸及びポリカルボン酸のエステル、並びにモノヒドロキシアルカノール及びポリオールが含まれる。典型的な例は、アジピン酸ジドデシル、テトラカプロン酸ペンタエリトリトール、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジラウリルなどである。モノ及びジカルボン酸並びにモノ及びジヒドロキシアルカノールの混合物から調製された複合エステルも使用することができる。鉱油と合成油の混合物もまた有用である。
【0045】
本発明の油溶性添加剤を含有する潤滑油組成物は、適量の本発明の油溶性添加剤を潤滑油と、慣用の技術により混合することにより調製される。具体的な基油の選択は、潤滑剤の意図した用途及びその他の添加剤の存在に依存する。本発明の潤滑油組成物中の本発明の油溶性添加剤の量は、潤滑油組成物の総重量に基づいて、一般に0.05から15重量%まで、好ましくは0.1から1重量%まで、より好ましくは約0.1から0.8重量%まで変動する。
【0046】
潤滑油組成物は、乗用車エンジン、ヘビーデューティディーゼルエンジン、天然ガスエンジン、トラクター作動油、マリンディーゼルエンジン、鉄道用ディーゼルエンジンなどにおいて使用することができる。
【0047】
さらなる添加剤
所望の場合、その他の添加剤を、本発明の潤滑油及び潤滑油濃縮組成物に含ませてもよい。こうした添加剤には、抗酸化剤又は酸化防止剤、分散剤、さび止め剤、抗腐食剤などが含まれる。また、消泡剤、安定化剤、防汚剤、粘着性付与剤、チャター防止剤(anti−chatter agent)、滴点向上剤、スクウォーク防止剤(anti−squawk agent)、極圧剤、賦香剤などを含ませてもよい。
【0048】
以下の添加剤成分は、本発明の潤滑油組成物において有利に使用することができる成分の若干の例である。これらのさらなる添加剤の例は、本発明を例示するために提示されるが、本発明を限定することを意図するものではない。
【0049】
金属清浄剤
本発明において使用することができる清浄剤には、アルキル又はアルケニル芳香族スルホナート、サリチラート、カルシウムフェナート、ホウ酸化スルホナート、多ヒドロキシアルキル又はアルケニル芳香族化合物の硫化又は未硫化金属塩、アルキル又はアルケニルヒドロキシ芳香族スルホナート、硫化又は未硫化アルキル又はアルケニルナフテナート、アルカン酸の金属塩、アルキル又はアルケニル多酸の金属塩、並びにこれらの化学的及び物理的混合物が含まれる。
【0050】
耐摩耗剤
その名前が示すように、こうした剤は可動性金属部品の摩耗を低減する。そのような剤の例には、亜鉛ジチオホスファート、カルバマート(carbarmate)、エステル、及びモリブデン錯体が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0051】
さび止め剤(抗さび剤)
抗さび剤は、通常は腐食を受ける物質の腐食を低減する。抗さび剤の例には、非イオン性ポリオキシエチレン界面活性剤、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビトール、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、及びモノオレイン酸ポリエチレングリコールが含まれるが、これらに限定されるものではない。抗さび剤として有用なその他の化合物には、ステアリン酸及びその他の脂肪酸、ジカルボン酸、金属石ケン、脂肪酸アミン塩、重質スルホン酸の金属塩、多価アルコールのカルボン酸部分エステル、及びリン酸エステルが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0052】
抗乳化剤
抗乳化剤は、エマルションの分離を促進するために使用される。抗乳化剤の例には、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールのブロックコポリマー、ポリエトキシル化アルキルフェノール、ポリエステルアミド、エトキシル化アルキルフェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリビニルアルコール誘導体及びカチオン性又はアニオン性高分子電解質が含まれるが、これらに限定されるものではない。異なる種類のポリマーの混合物も使用することができる。
【0053】
摩擦調整剤
追加の摩擦調整剤を本発明の潤滑油に添加してもよい。摩擦調整剤の例には、脂肪族アルコール、脂肪酸、アミン、エトキシル化アミン、ホウ酸化エステル、その他のエステル、ホスファート、ホスファイト及びホスホナートが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0054】
多機能性添加剤
抗酸化及び耐摩耗特性などの複数の特性を有する添加剤もまた、本発明の潤滑油に添加することができる。多機能性添加剤の例には、硫化オキシモリブデンジチオカルバマート、硫化オキシモリブデンオルガノホスホロジチオアート、オキシモリブデンモノグリセリド、オキシモリブデンジエチラートアミド、アミン−モリブデン錯体、及び硫黄含有モリブデン錯体が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0055】
粘度指数向上剤
粘度調整剤としても知られる粘度指数向上剤は、潤滑油の粘度−温度特性を向上させ、油温が変化しても油の粘度をより安定にする一類の添加剤を含む。粘度指数向上剤を本発明の潤滑油組成物に添加してもよい。粘度指数向上剤の例には、ポリメタクリラート系ポリマー、エチレン−プロピレンコポリマー、スチレン−イソプレンコポリマー、ホスホ硫化ポリイソブチレンのアルカリ土類金属塩、水和スチレン−イソプレンコポリマー、ポリイソブチレン、及び分散剤型粘度指数向上剤が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
流動点降下剤
流動点降下剤は、潤滑油中のワックス結晶形成を制御して、流動点低下及び低温流動性能向上をもたらすように設計されたポリマーである。流動点降下剤の例には、ポリメチルメタクリラート、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリエチレンポリマー、及びアルキル化ポリスチレンが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0057】
発泡防止剤
発泡防止剤は、潤滑油の発泡傾向を低減させるために使用される。発泡防止剤の例には、アルキルメタクリラートポリマー、アルキルアクリラートコポリマー、及びジメチルシロキサンポリマーなどの高分子オルガノシロキサンが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0058】
金属不活性化剤
金属不活性化剤は金属表面上に膜を形成し、金属が油を酸化させるのを防止する。金属不活性化剤の例には、ジサリチリデンプロピレンジアミン、トリアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ビスイミダゾールエーテル、及びメルカプトベンゾイミダゾールが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0059】
分散剤
分散剤は、スラッジ、カーボン、すす、酸化生成物、及びその他の沈着物前駆体を拡散させて、これらが凝固するのを防止し、沈着物形成の低減、油酸化の低減、及び粘度増加の低減をもたらす。分散剤の例には、アルケニルスクシンイミド、他の有機化合物で修飾されたアルケニルスクシンイミド、エチレンカーボネート若しくはホウ酸での後処理により変性されたアルケニルスクシンイミド、アルカリ金属若しくは混合アルカリ金属、アルカリ土類金属ボラート、水和アルカリ金属ボラートの分散物、アルカリ土類金属ボラートの分散物、ポリアミド無灰分散剤など、又はこのような分散剤の混合物が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0060】
抗酸化剤
抗酸化剤は、金属表面上のスラッジやワニス様沈着物などの酸化生成物の形成を抑制することにより、鉱油が劣化する傾向を低減させる。本発明において有用な抗酸化剤の例には、フェノール型(フェノール)酸化防止剤、例えば4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデン−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、2,2’−イソブチリデン−ビス(4,6−ジメチルフェノール)、2,2’−5−メチレン−ビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノール、2,6−ジ−tert−l−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−4−(N,N’−ジメチルアミノメチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−10−ブチルベンジル)−スルフィド、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)などが含まれるが、これらに限定されるものではない。ジフェニルアミン型酸化防止剤には、アルキル化ジフェニルアミン、フェニル−アルファ−ナフチルアミン、及びアルキル化アルファ−ナフチルアミンが含まれるが、これらに限定されるものではない。その他の種類の酸化防止剤には、金属ジチオカルバマート(例えば、亜鉛ジチオカルバマート)、及びメチレンビス(ジブチルジチオカルバマート)が含まれる。モリブデンスクシンイミドなどのモリブデン含有抗酸化剤もまた含まれる。
【0061】
用途
本明細書において開示された油溶性添加剤組成物を含有する潤滑油組成物は、潤滑油の摩擦特性を調整するための流体及びグリース組成物のどちらとしても効果的であり、その潤滑油をクランクケース潤滑剤として使用すると、本発明の潤滑油で潤滑されている車両の単位燃料当たり走行可能距離の向上をもたらす。
【0062】
本発明の潤滑油組成物は、天然ガスエンジン油、クロスヘッドディーゼルエンジンなどにおけるマリンシリンダー潤滑剤、自動車及び鉄道などにおけるクランクケース潤滑剤、製鋼所などの重機用の潤滑剤、又は軸受用グリースなどとして使用することができる。潤滑剤が流体であるか固体であるかは、通常、増粘剤が存在するかどうかに依存する。典型的な増粘剤には、ポリウレアアセテート、ステアリン酸リチウムなどが含まれる。
【0063】
以下の例は本発明の具体的な実施形態を例示するために提示され、決して本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0064】
摩擦調整剤を調製するのに2つの異なる方法を使用することができることが発見された。第1の方法は、一定量のジエタノールアミン(およそ2.7〜3当量)を1当量のヤシ油トリグリセリド(1eq)と反応させて、3eqのジエタノールアミド及び1eqのグリセロールを形成することを必要とする。次いで、典型的には、ほぼ0から約2.66当量までの追加のグリセロール及び約0.33から約3当量までのホウ酸をその反応混合物に添加することができ、共ホウ酸化手順を実施することができる。
【0065】
(例1)
フラスコにヤシ油50.65グラム、ジエタノールアミン22.2グラムを入れ、150℃に2時間加熱した。温度を110℃に下げ、次いでホウ酸13.5グラム及びグリセロール12.9グラムをフラスコに加えた。トリグリセリド、ジエタノールアミン、添加したグリセロール及び添加したホウ酸の合計比はそれぞれ、1.0:2.7:1.8:2.7当量である。その反応混合物を110℃で3時間加熱した。ディーンスタークトラップを使用して水を収集した。
【0066】
(例2)
ジエタノールアミン(42.7g)及びKOH(4.49g)を、撹拌棒、熱電対、窒素ガス流及びディーンスタークトラップを備えた500mL断熱4ツ口丸底フラスコに入れた。高真空をかけながら、撹拌モーター及びマントルを使用して反応混合物を120℃で50分間撹拌した。弱い窒素流を押圧し、より効果的に水を除去した。温度を次いで60℃に冷却し、トリオレイン酸グリセロール120gを2.5時間の期間にわたって滴加した。赤外線スペクトルにより、ジエタノールアミドが主要な生成物であり、ごく少量のエステルを含有していることが確認された。ホウ酸(25.2g)及びグリセロール(24.9g)をその反応フラスコに入れ、高真空及び窒素ブランケットで温度を120℃に上昇させ、水を留去した。生成物は薄茶色の粘稠液体であった。その生成物をMazda Screenerで試験した。
【0067】
(比較例A)
同一のフラスコ中でビス−エトキシコカミド、ホウ酸及びグリセロールを加熱することにより、ビス−エトキシコカミドの共ホウ酸化を実施し;生成物から水を留去した。ビス−エトキシコカミド:グリセロール:ホウ酸の比をいくつか変えて合成した。1:1:1投入モル比における(1:1:1のホウ酸及びグリセロール)ビス−エトキシコカミド共ホウ酸化生成物を比較例AとしてMazdaエンジンで試験した。平均の正味燃料消費率は−1.5%である。
【0068】
或いは、ホウ酸の添加を行う際にグリセロールを添加してもよい。この混合物を一夜還流する。トルエンを減圧下で除去して、生成物を得る。
【0069】
(例3)
ジエタノールアミン21.37グラム(0.20mol、3当量)を丸底フラスコに入れ、室温で撹拌した。これに、MeOH中25%NaOMe溶液8.6グラム(0.04mol、20mol%)を丸底フラスコに加えた。この反応混合物を強いN流で60℃に加熱し、同じ条件下で30分間保持した。トリオレイン酸グリセリル60グラム(0.068mol、1eq.)を添加ろうとに装入し、丸底フラスコに加えた。反応を30分間維持した。温度を強いN流で維持した。グリセロール12.45グラム(0.14mol、2eq)及びトリメチルボラート21.17グラム(0.20mol、3eq)を分割して丸底フラスコに入れた。温度を強いN流で70℃に上昇させて、メタノール副生物を留去した。反応を同じ条件下で2時間保持した。得られた生成物を試験し、赤外線スペクトルを使用して分析した。
【0070】
Mazda Screener
例1及び3並びに比較例Aにおいて調製した潤滑油添加剤を、Mazda Screenerで燃料節約特性について評価した。
【0071】
配合された潤滑油組成物は全て、摩擦調整剤を除いて、分散剤、清浄剤、亜鉛ジアルキルジチオホスファート、抗酸化剤、ポリメタクリラート流動点降下剤、及びオレフィンコポリマー粘度指数向上剤を含む、同一の量の添加剤(「ベースライン添加剤パッケージ」)を含有した。本発明及び比較例の摩擦調整剤を、このベースライン配合物に0.5重量%のトップトリートとして添加した。
【0072】
異なる有機摩擦調整剤を含有する潤滑油組成物の燃料節約性能を評価した。V−6 2.5Lエンジンを、1400回転/分の回転速度及び約107〜120℃の温度で運転するよう調整した。3回の高清浄油洗浄液をまず、20分間ずつエンジン中に流した。次いで摩擦調整剤を含まないベースライン潤滑剤配合物を含有する潤滑剤でエンジンを2時間運転した。2時間後、ベースライン添加剤パッケージを含有する潤滑油30グラムを0.5重量%の摩擦調整剤でトップ処理して、特別に適合したオイルフィルキャップからエンジンに加えた。エンジンを2時間安定化させた。
【0073】
正味燃料消費率(BSFC:brake specific fuel consumption)を、トップ処理した潤滑油組成物の添加前の1時間の期間についてBSFCを平均化し、トップ処理した潤滑油組成物の添加直後の2時間の期間についてBSFCを平均化することにより評価した。結果は、トップ処理した潤滑油組成物の添加前の1時間のBSFCと、トップ処理した潤滑油組成物の添加後の2時間のBSFCの間のBSFCにおける変化として報告する。結果は2回の運転の平均として報告する。負の値が大きいほど、燃料節約の利益が高い。この評価の結果を下表に示す。
表1
正味燃料消費率
潤滑油組成物
【表1】
【0074】
本発明の摩擦調整剤(例1及び3)が配合された潤滑油組成物は、ヤシ油から誘導されたジエタノールアミドが配合された潤滑油組成物と同等の摩擦低減効果を有する。例1及び3の摩擦調整剤は「よりグリーンな」方法(例えば、ヤシ油そのものから出発する)から誘導されるものであるのに、その摩擦調整剤は、エンジン効率と相関する正味燃料消費率に関して、同等に効果的であることが観察された。