特許第6184511号(P6184511)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6184511
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】3次元チャネルガス熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28D 9/02 20060101AFI20170814BHJP
   F28F 3/04 20060101ALI20170814BHJP
   F28F 3/08 20060101ALI20170814BHJP
   F02B 43/00 20060101ALI20170814BHJP
   F02M 21/02 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   F28D9/02
   F28F3/04 B
   F28F3/08 311
   F02B43/00 A
   F02M21/02 L
   F02M21/02 U
【請求項の数】8
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-543965(P2015-543965)
(86)(22)【出願日】2013年11月20日
(65)【公表番号】特表2016-503483(P2016-503483A)
(43)【公表日】2016年2月4日
(86)【国際出願番号】KR2013010551
(87)【国際公開番号】WO2014081182
(87)【国際公開日】20140530
【審査請求日】2015年7月1日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0132938
(32)【優先日】2012年11月22日
(33)【優先権主張国】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】515137277
【氏名又は名称】アルファ・ラヴァル・コアヘクス・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヨン−ジョン・チェ
【審査官】 横溝 顕範
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−291546(JP,A)
【文献】 特開2006−220319(JP,A)
【文献】 特開2000−356482(JP,A)
【文献】 特開2011−169526(JP,A)
【文献】 特表2010−511137(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/026828(WO,A1)
【文献】 特表2005−505743(JP,A)
【文献】 特表平03−500861(JP,A)
【文献】 特開2013−155971(JP,A)
【文献】 米国特許第05462113(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D 9/00−02
F28D 7/16
F28F 3/00−04
F28F 3/08
F02B 43/00
F02M 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元チャネルガス熱交換器(100)において、
複数の熱交換プレート(110,120,及び130)であって、前記熱交換プレートの一の側に形成された熱交換のための加熱面ユニットを有するように構成された複数の熱交換プレート(110,120,及び130)と、
前記複数の熱交換プレート(110,120,及び130)の間に形成された複数の通路(150、160、及び170)と、
を備えており、
前記複数の通路(150、160、及び170)は、
第1の通路を通じて第1の温度を有する第1の流体を運ぶように構成された第1の通路(150)と、
前記第1の温度を有する前記第1の流体に熱を伝導させるための、第2の通路を通じて第2の流体を運ぶように構成された第2の通路(160)と、
前記第2の流体の温度(T)が所定の温度値(Tref)以下にある場合に、前記第2の通路(160)の少なくともいくつかに熱を伝導させることによって前記第2の通路(160)内の凍結を防止するように構成された第3の通路(170)と、
を備え
前記複数の熱交換プレート(110,120,及び130)は、
前記第1の通路(150)を形成するために構成された第1の熱交換プレート(110)と、
前記第1の熱交換プレート(110)に近接して配置された第2の熱交換プレート(120)であって、前記第2の通路(160)を形成するために構成された第2の熱交換プレート(120)と、
前記第2の熱交換プレート(120)に近接して配置された第3の熱交換プレートであって、前記第3の通路(170)を形成するために構成された第3の熱交換プレート(130)と、
を備え、
前記第2の熱交換プレート(120)の前記加熱面ユニット(121)は、直線に延在する中実ユニット(122)と、前記中実ユニット(122)から特定の角度で湾曲された交差角度ユニット(123)と、を備えており、
前記中実ユニット(122)及び前記交差角度ユニット(123)は、繰り返された形態であり、
前記中実ユニット(122)の長さは8mm〜200mmとされており、前記交差角度ユニット(123)の長さは2mm〜5mmとされる、3次元チャネルガス熱交換器。
【請求項2】
前記複数の熱交換プレート(110,120,及び130)の形状は、矩形状、正方形状、及び楕円形状の少なくとも1つとされており、
前記複数の通路(150、160、及び170)を提供するための複数の通路溝(112、124、及び132)は、前記複数の加熱面ユニットの一方の側又は両側に形成される、請求項1に記載の3次元チャネルガス熱交換器。
【請求項3】
前記複数の通路溝(112、124、及び132)は、エッチング方法、抜き打ち加工方法、及び機械加工方法の少なくとも1つによって形成される、請求項2に記載の3次元チャネルガス熱交換器。
【請求項4】
前記第1の通路(150)、前記第2の通路(160)、及び前記第3の通路(170)は複数であり、
前記複数の第2の通路(160)は、前記複数の第1の通路(150)に近接して配置されており、前記複数の第3の通路(170)は前記第2の通路(160)に近接して配置される、請求項1に記載の3次元チャネルガス熱交換器。
【請求項5】
前記第2の通路(160)のそれぞれは、2mm〜10mmの直径を有する、請求項1に記載の3次元チャネルガス熱交換器。
【請求項6】
前記3次元チャネルガス熱交換器(100)は、バッセル内で使用されており、前記第1の流体は液化天然ガスであり、前記第2の流体は温水、高温蒸気、及び水及び不凍剤の混合物の少なくとも1つである、請求項1に記載の3次元チャネルガス熱交換器。
【請求項7】
前記3次元チャネルガス熱交換器(100)は、ガスプラント内に使用されており、前記第1の流体はプロパン、エタン、アンモニア、及び冷水の少なくとも1つとされており、第2の流体は高温ガスとされる、請求項1に記載の3次元チャネルガス熱交換器。
【請求項8】
積み重ねられた複数の熱交換プレート(110、120、及び130)の外側に複数の熱交換プレート(110、120、及び130)を支持するためのカバー(180)をさらに備える、請求項1に記載の3次元チャネルガス熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、金属プレートに拡散接合を実施することによって製造された3次元チャネルガス熱交換器であって、その金属プレートにおける細かい通路がフォトエッチングを使用することによって、次いで、液化天然ガスを気化するために、又は、化学処理のための、高温を有するプロセスガスを冷却するために、金属プレートにヘッダを溶接することによって、形成される、3次元チャネルガス熱交換器に関する。
【0002】
より具体的には、本願発明は、3次元チャネルガス熱交換器に関する。この熱交換器は、極低温又は高温及び高圧環境の下で使用されることができる。この熱交換器は、既存のシェル及びチューブ型の熱交換器より非常に小さな容積を有する。また、この熱交換器は、通路内に流れる熱源又冷却源内の凍結目詰まり現象を最小化することができ、温度及び圧力の差異に起因して疲労破壊現象を最小化することができる。さらに、この熱交換器は、断続的に強制された撹拌及び混合を通じて高い熱伝達率及び改善された耐圧性質を有する。
【背景技術】
【0003】
国際海事機関は、バッセル(vessel)からの大気汚染を減少させるために、且つ、現在の放出量(current emission quantity)の5%〜20%レベルまで大気汚染を減少させるために、マルポール条約(船舶による汚染の防止)を告知した。それにより、世界中で多くの研究が、既存の重質燃料油系バンカー油、つまりバッセル用の燃料を液化天然ガス(LNG)と置換するために行われている。
【0004】
この規則に則して、燃料として液化天然ガスを使用する小型バッセルは、欧州の海岸において出現している。小型バッセルは、液化天然ガスの燃料タンクを有しており、その燃料タンクは、小さな容量を有し、且つ低圧の燃料ガスを使用する。小型バッセルは少量の液化天然ガスを使用し、短い輸送サービス距離(shipping service distance)を有するからである。これに対して、大型バッセルは、燃料効率を高めるために直接駆動方法を使用する2つのサイクルエンジンを使用する必要がある。大型バッセルは、大容量を有する液化天然ガスの燃料タンクを必要とするので、非常に大量の燃料を使用し、且つ巨大な推進力(propelling force)を有する。
【0005】
高圧の天然ガスを得るために、極低温の材料を気化させるための高圧用熱交換器は必要とされる。この要求を満たす熱交換器は、約100年前から発展しており、且つ今も使用されているシェル及びチューブ型の熱交換器と、複数のチューブ群を有するコイルチューブ型の熱交換器と、ピンがチューブに取り付けられたフィンチューブ型の熱交換器と、を含む。
【0006】
さらに、正反対の概念として、多くのプラントにおいて、高温及び高圧を有するプロセスガスを冷却する又は凝縮するために、水又は冷却剤などの冷却源を熱交換器の第2の側の通路に流す方法は、主に使用される。
【0007】
シェル及びチューブ型の熱交換器又はコイルチューブ型の熱交換器などの既存の熱交換器が、以下の問題に起因して天然ガスの推進バッセル(propelled vessel)のための高圧の液化天然ガスの気化装置に適していないことが報告されている。
【0008】
第1に、高温及び極低温の環境下で使用されるように設計され、且つ製造されたシェル及びチューブ型の熱交換器において、疲労破壊は、高圧に耐えるために使用された厚みのあるチューブシートの熱容量と比較的薄い厚みのチューブの熱容量との間の差に起因して、接合部において引き起こされる可能性がある。
【0009】
第2に、シェル及びチューブ型の熱交換器などは、加熱領域を増大させるために、チューブの長さに必然的に依存しており、低いコンパクト性に起因して大きな寸法及び大きな重量を必要とする。
【0010】
第3に、熱の入口及び出口を目詰まりさせるための絶縁ボックスの寸法は、大きな寸法に起因してさらに増大し、それ故に、費用及びバッセル内の設置空間は非常に大きくなる。
【0011】
高圧及び低温の材料を気化させるための使用において、又は、高圧及び高温のガスを凝縮させるための使用において、そのような問題は同様に発生している。
【0012】
上記の問題に加えて、図1及び図2に示された高圧用熱交換器に適することが周知であるプリント回路型熱交換器(PCHE)10を適用する際に、解決するのが困難ないくつかの問題が存在する。それ故に、プリント回路型熱交換器10を採用するシステムはまだ出現しておらず、この問題は、バッセルのための天然ガス気化装置と同様に、化学プラントのためのプロセスガス冷却器においても示されている。
【0013】
第1に、着氷、つまり、通路1内に流れる極低温の液化天然ガスの温度を加熱するための熱源が通過する通路2の表面が凍結する現象が発生する。この現象を避けるために、2mm以上の平均水力直径を有する大きな通路、つまり、既存のフォトエッチング工程によって製造されることができる通路の寸法を有する大きな通路は必要とされる。それがフォトエッチング工程の技術的限界及び経済的制約内に含まれないので、大きな平均水力直径を有する通路を、既存のプリント回路型熱交換器10に採用することは難しいとされる。
【0014】
第2に、ガスを気化又は冷却するために使用された熱源(又は冷却源)の流体が長い間低速で小さな通路2を通過するので、伝熱速度はかなり減少する。なぜならば、通路2が異物質によって目詰まりされる目詰まり現象及び通路の内側がファーで覆われる付着現象が著しくなるからである。特に、この付着問題は、プリント回路型熱交換器がプラントのプロセスガスのための冷却器として商品化された後で、最大のクレームを引き起こす問題である。さらに、この問題は同じように、まだ発達しておらず、ある程度適用される高圧の液化天然ガスの気化装置においてさえ起こる場合がある。
【0015】
プリント回路型熱交換器10は、目詰まり現象及び付着現象に起因して、高圧洗浄又は高温ガスを使用する組み合わせによって洗浄され、次いで再組立てなければならない。この目的のために、対応するバッセル又はプラントは、停止されなければならないが、システムの本質に起因してシステム全体を停止することは難しい。
【0016】
それ故に、問題に対する解決方法のための必要性が存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
それ故に、本願発明は、上記の問題を考慮して行われており、3次元チャネルガス熱交換器を提供することが本願発明の目的である。この3次元チャネルガス熱交換器は、既存のシェル&チューブ型の熱交換器に固有とされる、極低温又は高温及び高圧の環境下で疲労破壊現象を最小化させることができる。また、この3次元チャネルガス熱交換器は、熱源供給通路内の凍結目詰まり現象及び異物質に起因しうる目詰まり並びに使用された流体の変化に起因する目詰まりの可能性を最小化させることができる。さらに、この3次元チャネルガス熱交換器は、各ディビジョンを通じた伝熱特性及び通路内の流体の混合を最大化することができる。また、この3次元チャネルガス熱交換器は、熱源が流れる平均水力直径を、2mm以上の平均水力直径、つまり技術的かつ経済的な理由により既存のプリント回路型熱交換器の限界である平均水力直径まで増大させることによって容積を最小化させることができる。
【0018】
本願発明によって達成されるべき技術的目的は上記の目的に制限されるべきではなく、上記に記載していない他の技術的目的は、以下の説明から本願発明に関連する当業者にとって明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本願発明の目的は、バッセル内で使用される3次元チャネルガス熱交換器において、複数の熱交換プレートであって、前記熱交換プレートの一の側に形成された熱交換のための加熱面ユニットを有するように構成された複数の熱交換プレートと、前記複数の熱交換プレートの間に形成された複数の通路と、
を備えており、
前記複数の通路は、
第1の通路を通じて第1の温度を有する第1の流体を運ぶように構成された第1の通路と、
前記第1の温度を有する第1の流体に熱を伝導させるための、第2の通路を通じて第2の流体を運ぶように構成された第2の通路と、
前記第2の流体の温度(T)が所定の温度値(Tref)以下にある場合に、前記第2の通路160の少なくともいくつかに熱を伝導させることによって、前記第2の通路内の凍結を防止するように構成された第3の通路と、
を備える、3次元チャネルガス熱交換器によって達成されることができる。
【0020】
さらに、複数の熱交換プレートの形状は、矩形状、正方形状、及び楕円形状の少なくとも1つとされてもよく、前記複数の通路を提供するための複数の通路溝は、前記複数の熱交換プレートの一方の側又は両側に形成されてもよい。
【0021】
さらに、複数の通路溝は、エッチング方法、抜き打ち加工方法、及び機械加工方法の少なくとも1つによって形成されてもよい。
【0022】
さらに、複数の熱交換プレートは、前記第1の通路を形成するために構成された第1の熱交換プレートと、前記第1の熱交換プレートに近接して配置された第2の熱交換プレートであって、前記第2の通路を形成するために構成された第2の熱交換プレートと、前記第2の熱交換プレートに近接して配置された第3の熱交換プレートであって、前記第3の通路を形成するために構成された第3の熱交換プレートと、を含んでもよい。
【0023】
さらに、前記第2の熱交換プレートの前記加熱面ユニットは、直線に延在する中実ユニットと、中実ユニットから特定の角度で湾曲された交差角度ユニット(crossing angle unit)と、を含んでもよく、前記中実ユニット及び前記交差角度ユニットは、繰り返された形態とされてもよく、前記中実ユニットの長さは8mm〜200mmとされてもよく、前記交差角度ユニットの長さは2mm〜5mmとされてもよい。
【0024】
さらに、前記第1の通路、前記第2の通路、及び前記第3の通路は複数とされてもよく、複数の第2の通路は、前記複数の第1の通路に近接して配置されてもよく、前記複数の第3の通路は前記第2の通路に近接して配置されてもよい。
【0025】
さらに、第2の通路のそれぞれは2mm〜10mmの直径を有してもよい。
【0026】
さらに、3次元チャネルガス熱交換器は、バッセル内で使用されてもよく、前記第1の流体は液化天然ガスとされてもよく、前記第2の流体は温水、高温蒸気、及び水及び不凍剤の混合物の少なくとも1つとされてもよい。
【0027】
さらに、3次元チャネルガス熱交換器は、ガスプラント内に使用されてもよく、前記第1の流体はプロパン、エタン、アンモニア、及び冷水の少なくとも1つとされてもよく、第2の流体は高温ガスとされてもよい。
【0028】
さらに、3次元チャネルガス熱交換器は、積み重ねられた複数の熱交換プレートの外側に、複数の熱交換プレートを支持するためのカバーを含んでもよい。
【発明の効果】
【0029】
本願発明の3次元熱交換器によれば、凍結現象に起因する通路の目詰まり現象又は不純物に起因する目詰まり現象は、通路の寸法が一般的なプリント回路型熱交換器が製造されることができる範囲より大きくなるので、かなり改善されることができる。
【0030】
さらに、極低温の液化天然ガス通路及び何も流れていない正常な状態に回復した通路が熱交換媒体の通路(第2の通路)に隣接して配置されるので、熱交換媒体の通路(第2の通路)の一の側は空冷から保護され、周囲温度のスロー(sloe)が優しくなる。それ故に、凍結に起因する通路の目詰まり現象を改善することができ、且つ熱応力又は熱ショックを減少させることができるとの複数の利点が存在する。
【0031】
さらに、熱交換プレートの中実部分は長く、熱交換媒体の交差角度部分が短くなり、それによって、強制的な撹拌が実行される。それ故に、通路が異物質によって目詰まりされる現象及び通路がファーで覆われる現象はかなり減少することができ、熱伝達率が流体の強制的な撹拌により最大化されることができるとの複数の利点が存在する。
【0032】
本願発明によって達成されることができる効果は、上記の効果に限定されない。また、本願発明に関連する当業者は、以下の説明から記載されていない他の効果を容易に認識するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】従来の熱交換器の斜視図である。
図2】従来の熱交換器の正面断面図である。
図3】本願発明の第1の実施形態による3次元チャネルガス熱交換器の正面断面図である。
図4図3に示された第2の熱交換器の加熱面ユニットの斜視図である。
図5図4に示された加熱面ユニットの平面図である。
図6】本願発明の第2の実施形態による3次元チャネルガス熱交換器の正面断面図である。
図7】本願発明の第3の実施形態による3次元チャネルガス熱交換器の正面断面図である。
図8】本願発明の3次元チャネルガス熱交換器が適用される気化システムの回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
これ以降に、本願発明の例示的な実施形態は、添付した図面を参照して詳細に記載される。しかしながら、本願発明の例示的な実施形態の動作原理を記載する点において、関連した機能及び構成の詳細な説明が本願発明の主題を不必要に曖昧にさせる場合に、詳細な説明は省かれるであろう。
【0035】
さらに、同じ参照符号は、図面の至る所で同様の機能及び動作を有する要素を示すために使用される。明細書全体において、一の要素が他の要素と連結されることが記載される場合に、一の要素は、他の要素と直接的に連結されてもよく、又は、第3の要素を通じて他の要素と間接的に連結されてもよい。
【0036】
さらに、要素は、任意の要素を含むと述べている場合に、そのことは、要素が他の要素を排除しないが、そのような記載がない限り他の要素をさらに含んでもよいことを意味する。
【0037】
従来のシェル及びチューブ型の熱交換器を補うように発達したプリント回路型熱交換器(PCHE)は、極低温で通路を流れる液化天然ガスの温度を加熱する熱源が通過する通路の表面が凍結する現象を有する。それ故に、2mm以上の平均水力直径、つまり、この現象を避けるために既存のフォトエッチング工程によって製造されることができる通路の寸法を有する大きな通路を必要とする。しかしながら、大きな平均水力直径を有する通路は、既存のプリント回路型熱交換器に適合することが難しい。それは、フォトエッチング工程の技術的限界及び経済的制約の範囲内に含まれないからである。
【0038】
さらに、一般的な熱交換器の熱交換プレートにおいて、伝熱速度はかなり減少する。これは、通路が異物質によって目詰まりされる目詰まり現象及び通路の内側がファーで覆われる付着現象が著しくなるからである。
【0039】
本願発明は、従来の問題を解決するために行われる。本願発明の目的は、3次元チャネルガス熱交換器を提供することである。この3次元チャネルガス熱交換器は、既存のシェル及びチューブ型の熱交換器に固有とされる、極低温又は高温及び高圧の環境下での疲労破壊現象を最小化させることができ、また、熱源供給通路における凍結目詰まり現象及び異物質に起因しうる目詰まり並びに使用される流体の変化に起因する目詰まりの可能性を最小化させることができる。さらに、本願発明の3次元チャネルガス熱交換器は、各ディビジョンを通じた伝熱特性及び通路内の流体の混合を最大化することができる。また、本願発明の3次元チャネルガス熱交換器は、熱源が流れる平均水力直径を2mm以上の平均水力直径、つまり技術的かつ経済的な理由により既存のプリント回路型熱交換器の限界である平均水力直径まで増大させることによって容積を最小化させることができる。
【0040】
<構成及び機能>
本願発明の第1の実施形態による3次元チャネルガス熱交換器100の構成及び機能は、以下に記載される。
【0041】
一方、図3は、本願発明の第1の実施形態による3次元チャネルガス熱交換器100の正面断面図である。
【0042】
第1に、図3に示されるように、3次元チャネルガス熱交換器100は、第1の熱交換プレート110と、第2の熱交換プレート120と、第3の熱交換プレート130と、カバー180と、を含むことができる。
【0043】
図3の要素は必須ではなく、図3の要素より少ない数又は多い数の要素を有する3次元チャネルガス熱交換器100は、実施されることができる。
【0044】
図3に示された要素のそれぞれは、以下に記載される。
【0045】
複数の第1の熱交換プレート110、第2の熱交換プレート120、及び第3の熱交換プレート130は積み重ねられており、カバー180は、第1の熱交換プレート110、第2の熱交換プレート120、及び第3の熱交換プレート130の両外側を覆う。
【0046】
第1の熱交換プレート110、第2の熱交換プレート120、及び第3の熱交換プレート130は、矩形状、正方形状、及び楕円形状のいずれか1つを有することができ、加熱面ユニットは、第1の熱交換プレート110、第2の熱交換プレート120、及び第3の熱交換プレート130のそれぞれに形成される。
【0047】
第1の熱交換プレート110、第2の熱交換プレート120、及び第3の熱交換プレート130の形状は、必要ならば、台形状、ひし形状、平行四辺形、又は、幅広い多角形状、あるいは円形状に変更されてもよい。
【0048】
ここで、それぞれが半円形状を有する第1の通路溝112は、第1の熱交換プレート110に形成される。さらに、第2の熱交換プレート120のそれぞれに形成された第2の通路溝124は、半円形状の凹溝であり、それらの凹溝は上方向及び下方向に対称的に窪んでおり、それ故に、図3に示された第2の通路溝124の形状になる。
【0049】
第3の通路溝132、つまり、半円形状の溝は、第1の熱交換プレート110のように、第3の熱交換プレート130のそれぞれに形成されている。
【0050】
第1の通路溝112、第2の通路溝124、及び第3の通路溝132は、エッチング方法、抜き打ち加工方法、及び機械加工方法の少なくとも1つによって製造されもよい。
【0051】
より具体的には、第1の通路溝112、第2の通路溝124、及び第3の通路溝132は、第1の熱交換プレート110、第2の熱交換プレート120、及び第3の熱交換プレート130の表面にフォトレジスト膜を貼り付け、次いでフォトエッチング加工方法を使用して非感光性部分を腐食させることによって、必要な部分を光に反応させることで加工される。
【0052】
さらに、第1の通路溝112、第2の通路溝124、及び第3の通路溝132は、熱交換を容易にするために特定の間隔で形成される。
【0053】
第1から第3の通路150、160、及び170は、第1の熱交換プレート110、第2の熱交換プレート120、及び第3の熱交換プレート内にそれぞれ形成される。第1から第3の通路150、160、及び170は積み重ねられており、複数の熱交換プレート110、120、及び130において形成される。
【0054】
第1の通路150、第2の通路160、及び第3の通路170は、熱伝導を最大化させるために、最大範囲まで互いに近接する列で形成される。
【0055】
3次元チャネルガス熱交換器100がバッセル内で使用される場合に、液化天然ガスは、第1の通路150を通じて流れることができる。そして、第1の通路150を通じて流れる液化天然ガスを気化させるための熱源を提供するための熱交換媒体(第2の流体)は、第2の通路160を通じて流れる。温水及び高温蒸気は、熱交換媒体として使用されることができる。
【0056】
対称的に、バッセル内で使用された3次元チャネルガス熱交換器100と異なって、3次元チャネルガス熱交換器100がガスプラントで使用される場合に、プロパン、エチレン、アンモニア、又は、低温流体である水などの冷却剤は、第1の通路150を通じて流れる。第1の通路150を通じて流れる低温流体に熱を伝導させるための高温ガスは、第2の通路160を通じて流れる。
【0057】
第3の通路170は予備の通路であり、第2の通路160が詰まった場合に、又は付着物を理由にして第1の通路150が熱を第2の通路160に十分に伝導しない場合に、この第3の通路170は使用される。
【0058】
より具体的には、第3の通路170は、第2の通路160に近接して配置される。第2の流体の温度(T)が事前に決定された温度値(Tref)以下である現象が凍結現象に起因して第2の通路160内で発生した場合に、第3の通路170は、凍結現象が発生した第2の通路160の一部を溶かすために、第2の通路160に熱を供給し、それにより、第2の通路160が正常に動作することができる。
【0059】
上記に記載されるように、第1の通路150は、一対の第1の熱交換プレート110を配置することによって形成されており、それにより、一対の第1の熱交換プレート110に形成された第1の通路溝112は、互いに面する。
【0060】
より具体的には、第1の熱交換プレート110の第1の加熱面ユニット(図示せず)に半円形状の形態で形成された第1の通路溝112は互いに面するように配置されており、その結果として、第1の通路150のそれぞれ、つまり1つの大きな円形状の通路を形成するように2つの通路溝112が組み合わせられる。同様に、一対の第3の熱交換プレート130は、互いに面するように配置されており、それ故に、第3の通路170を形成する。
【0061】
同様に、一対の第2の熱交換プレート120は、図3に示されるように、それぞれが3次元にエッチングされた形状を有する第2の通路160を形成するために配置される。
【0062】
第2の熱交換プレート120は、第1の通路150を提供する第1の熱交換プレート110の一の側に近接して接着される。
【0063】
さらに、第3の通路170を提供する第3の熱交換プレート130は、第2の熱交換プレート120が第1の熱交換プレート110に近接して接着される面と反対側の面に配置されており、それにより第3の通路170は形成される。
【0064】
上記に記載されるように、同じ配置構造を有する複数の第1の熱交換プレート110、第2の熱交換プレート120、及び第3の熱交換プレート130は、配置される。第1の熱交換プレート110、第2の熱交換プレート120、及び第3の熱交換プレート130を構造で支持するカバー180は、第1の熱交換プレート110、第2の熱交換プレート120、及び第3の熱交換プレート130の両端に配置される。
【0065】
その結果として、第1の通路150及び第2の通路160は互いに近接して配置されており、第2の通路160は、第3の通路170に近接して配置される。ここで、流体は通常時に第3の通路170を通じて流れないが、目詰まり現象が発生した場合に流体は第3の通路170を通じて流れる。
【0066】
上記に記載されるように、第3の通路170、つまり予備の通路は、第2の通路160、すなわち、熱交換媒体通路の一の側に配置されており、それ故に、第2の通路160は、冷気から保護される。それ故に、凍結に起因しうる通路の目詰まり現象は、最小化されることができる。
【0067】
一方、図4は、図3に示された第2の熱交換プレート120の加熱面ユニット121の斜視図である。さらに、図5は、図4に示された加熱面ユニット121の平面図である。
【0068】
特に図4及び図5に示されるように、同じ形状を有し、且つそこに形成された複数の貫通孔を有するように構成された第2の熱交換プレート120の一対の加熱面ユニット121は、第2の通路160を提供するように積み重ねられる。
【0069】
本願発明において、第2の熱交換プレート120の加熱面ユニット121は、約10mmの間隔で、なだらかに約30度左または右に湾曲される。
【0070】
より具体的には、加熱面ユニット121のそれぞれは、直線に延在する中実ユニット122と、中実ユニット122から特定の角度で湾曲された交差角度ユニット(crossing angle unit)123と、を含む。中実ユニット122及び交差角度ユニット123は、一般に波形状を有する通路を形成するために繰り返される。
【0071】
中実ユニット122の長さは8mm〜200mmとされており、交差角度ユニット123の長さは2mm〜5mmとされる。
【0072】
上記のように、中実ユニット122の長さは最大限に延在されており、交差角度ユニット123の長さは最小限に短くされており、それによって、製造が容易にされることができ、剛性及び耐圧性品質は、改善されることができる。それ故に、熱交換プレートが容易に曲げられないとの効果が達成されることができる。
【0073】
さらに、中実ユニット122は、交差角度ユニット123より長くなるように製造される。それによって、通路が異物質によって目詰まりされるとの目詰まり現象及び通路の内側がファー(fur)で覆われる付着現象は著しく減少されることができる。それ故に、熱伝達効率はかなり改善されることができる。
【0074】
さらに、加熱面ユニット121を積み重ねることによって設けられた第2の通路160の平均水力直径は、約2mm〜約10mm、つまり、通常のプリント回路型熱交換器(PCHE)の限界である2mm以上とされる。それ故に、熱源を供給するための第2の通路160内で生じる凍結目詰まり現象は、最小化されることができる。
【0075】
一方、図6は、本願発明の第2の実施形態による3次元チャネルガス熱交換器100の正面断面図である。
【0076】
図6に示されるように、本願発明の第2の実施形態による3次元チャネルガス熱交換器100は、複数の第1の熱交換プレート110、第2の熱交換プレート120、第3の熱交換プレート130、及び第4の熱交換プレート140と、第1の熱交換プレート110、第2の熱交換プレート120、第3の熱交換プレート130、及び第4の熱交換プレート140のそれぞれの両端部で構造で第1の熱交換プレート110、第2の熱交換プレート120、第3の熱交換プレート130、及び第4の熱交換プレート140を支持するためのカバー180と、を含む。
【0077】
より具体的に、半円形状の通路溝112が形成される第1の熱交換プレート110は、第4の熱交換プレート140の一の側に配置され、それにより第1の通路150は、形成される。第2の通路160を形成する一対の第2の熱交換プレート120は、第4の熱交換プレート140の他の側に配置されており、それによって、第1の通路150は、第2の通路160と連通しない。
【0078】
一対の第2の熱交換プレート120は、第2の通路160を形成するために組み合わせられる。
【0079】
さらに、第3の熱交換プレート130は、第4の熱交換プレート140がその面と接触状態になる側に対して反対側の第2の熱交換プレート120の面に配置されており、それ故に、第3の通路170を提供する。
【0080】
上記に記載されるように、複数の第1の熱交換プレート110、第2の熱交換プレート120、第3の熱交換プレート130、及び第4の熱交換プレート140は配置されており、それらの両端部はカバー180によって覆われており、それによって本願発明の第2の実施形態による3次元チャネルガス熱交換器100を提供する。
【0081】
さらに、図7は、本願発明の第3の実施形態による3次元チャネルガス熱交換器100の正面断面図である。
【0082】
図7に示されるように、本願発明の第3の実施形態による3次元チャネルガス熱交換器100は、それぞれにおいて半円形状の凹溝が上向き及び下向きに対称的に形成される複数の第1の熱交換プレート110、第2の熱交換プレート120、及び、第3の熱交換プレート130と、第4の熱交換プレート140と、第1の熱交換プレート、第2の熱交換プレート、第3の熱交換プレート、及び第4の熱交換プレート140の両端部で構造において第1の熱交換プレート110、第2の熱交換プレート120、第3の熱交換プレート130、及び第4の熱交換プレート140を支持するためのカバー180と、を含む。ここで、第1の熱交換プレート110、第2の熱交換プレート120、第3の熱交換プレート130、及び第4の熱交換プレート140は積み重ねられる。
【0083】
第1に、通路溝が3次元エッチングによって形成される第1の熱交換プレート110は、第1の通路150を提供する。
【0084】
さらに、それぞれが第1の熱交換プレート110と同じ形状を有する一対の第2の熱交換プレート120は、図7に示されるように、第2の通路160を提供するために組み合わせられる。
【0085】
第3の熱交換プレート130は、第1の熱交換プレート110が第1の通路150を提供する加工のように、第3の通路170を提供する。
【0086】
さらに、第4の熱交換プレート140は、第1の熱交換プレート110と第2の熱交換プレート120との間に介在しており、第2の熱交換プレート120と第3の熱交換プレート130との間に介在している。それにより、第2の熱交換プレート120の第2の通路160は、第1の通路150と第3の通路170とを連通しない。
【0087】
より具体的には、第4の熱交換プレート140は、第1の通路150を提供する第1の熱交換プレート110の両側に配置される。それによって、第1の通路150は、第2の熱交換プレート120の第2の通路160と連通しない。
【0088】
さらに、第4の熱交換プレート140はまた、第2の通路160を提供する第2の熱交換プレート120の両側に配置される。それによって、第1の通路150及び第3の通路170は、互いに連通しない。
【0089】
上述したように、複数の第1の熱交換プレート110、第2の熱交換プレート120、第3の熱交換プレート130、及び第4の熱交換プレート140は配置されており、その両端部は、カバー180で覆われる。それによって、本願発明の第3の実施形態による3次元チャネルガス熱交換器100を提供する。
【0090】
<動作プロセス>
本願発明の第1の実施形態による3次元チャネルガス熱交換器100の動作プロセスは、図3を参照して以下に記載される。
【0091】
第1に、低温を有する流体(第1の流体)及び高温を有する熱交換媒体(第2の流体)は、外部パイプ(示されない)を通じて3次元チャネルガス熱交換器100に到達する。
【0092】
次に、低温を有する第1の流体は、熱交換器100の第1の熱交換プレート110に形成された第1の通路150を通じて流れており、低温を有する第1の流体を伝導させる熱交換媒体は、3次元エッチングによって、第2の熱交換プレート120に幅広く形成された第2の通路160を通じて流れる。
【0093】
熱は、第1の熱交換プレート110の第1の通路150を通じて流れる第1の流体と第1の通路150に近接して第2の通路160を通じて流れる熱交換媒体との間で渦流現象に起因してより迅速に交換される。
【0094】
このとき、熱交換媒体は凍結現象に起因して特定の基準値又は低い値で第2の通路160を通じて流れる場合に、高温を有する流体は、第3の熱交換プレート130の第3の通路170を通じて伝導させる、つまり、予備の通路を通じて移動させる。それ故に、熱交換媒体が通常、第2の通路160を通じて流れることができるように凍結現象を解決する。
【0095】
最終的に、第1の通路150を通じて流れる第1の流体は、熱交換によって高温で3次元チャネルガス熱交換器100の外側に排出される。高温を有する熱交換媒体は、熱交換によって低温で3次元チャネルガス熱交換器100の外側に排出される。
【0096】
<3次元チャネルガス熱交換器が気化システムに適用される例>
3次元チャネルガス熱交換器100が気化システムに適用される例は、以下に記載される。
【0097】
第1に、図8は、本願発明の3次元チャネルガス熱交換器100が適用される気化システムの回路図である。
【0098】
図8に示されるように、気化システムは、熱交換器100と、パイプ200と、熱供給パイプ300と、バルブ400と、フランジ500と、断熱ボックス600と、を含むことができる。
【0099】
第1に、パイプ200は、液化天然ガスが流れる第1のパイプ210と、熱交換器300を通じて気化された天然ガスが流れる第2のパイプ220と、を含む。
【0100】
熱供給パイプ300は、第2のインレット310と、第2のアウトレット320とを含む。高温を有する熱交換媒体は、第2のインレット310を通じて導入されており、次いで熱交換器100のいくつかを通じて液化天然ガスとの熱交換処理にさらされる。熱交換媒体は、低温を有する熱交換媒体へ変化し、次いで第2のアウトレット320に排出される。
【0101】
気化システム内に含まれた熱交換器100の数は、2〜4個とされてもよい。複数の熱交換器100のそれぞれは、33%〜100%の性能を有する。1つ〜3つの熱交換器100は平常時に動作することができるが、1つ又は2つの追加的な熱交換器100は必要であれば動作することができる。
【0102】
フランジ500は、断熱ボックス600のそれぞれ内に配置されており、熱交換器100を修理するように構成されており、漏出が起こった場合の認識及び換気を実行するために構成される。
【0103】
断熱ボックス600は、熱交換器300の外側に配置されており、熱交換器100の外側で起こっている結露及び着氷を防止するために、熱交換器300が真空及び断熱を通じて外部空気と接触状態になることを防止するために構成される。
【0104】
気化システムの動作プロセスは、以下に記載される。第1に、高温を有する熱交換媒体は、第2のインレット310を通じて供給される。次いで、高圧ポンプによって加圧された液化天然ガスは、極低温(約−163)で第1のインレット230を通じて使用される熱交換器100のみに適用される。
【0105】
液化天然ガスがパイプ200を通じて熱交換器100に到達し、それを通過する場合の供給された液化天然ガスの出口温度、及び、熱交換媒体がパイプ200を通じて熱交換器100に到達し、それを通過する場合に発生した圧力差は、測定される。熱交換器100の第2の通路160が目詰まりされたかどうかは、測定された出口温度及び圧力差に基づいて検査される。
【0106】
検査の結果として、熱交換器100の第2の通路160が目詰まりされていない場合に、断熱ボックス内の圧力が上昇したかどうかが検査される。
【0107】
検査の結果として、断熱ボックス600内の圧力が上昇していない場合には、熱は、液化天然ガスと熱交換媒体との間で交換される。対照的に、検査の結果として、断熱ボックス600内の熱が上昇した場合には、問題を有する熱交換器100は切り離されて、予備の熱交換器100が駆動される。
【0108】
次いで、断熱ボックス600をパージし、且つベントした後、問題のある熱交換器100の真空は正常な状態に戻され、正常な状態に戻った熱交換器100は予備の熱交換器100として使用される。
【0109】
その一方で、熱交換器100の第2の通路160が上記のプロセスにおいて目詰まりされた場合には、問題のある熱交換器100は切り離されており、予備の熱交換器100が駆動される。
【0110】
熱交換媒体を問題のある熱交換器100の第3の通路170に供給することによって凍結が正常な状態に戻り、正常に戻った熱交換器100は予備の熱交換器100と使用される。
【0111】
さらに、液化天然ガスは、熱交換によって気化動作を発生させ、それ故に、液化天然ガスは、気化した天然ガスへ変化する。気化した天然ガスは、第1のアウトレット240を通じて排出される。熱交換媒体は、熱交換によって、第2のアウトレット320を通じて低温で排出される。
【0112】
それ故に、使用された熱源が凍結する又は目詰まりされる現象が、第2の通路160内で発生した場合に、使用された熱交換器100は、予備の熱交換器100に切り替えられ、その結果、天然ガス燃料が供給され続ける。さらに、熱は、第2の通路160内で発生している凍結現象又は目詰まり現象を解決するために、第3の通路170、つまり、予備の通路に供給され、それによって、通常の動作を可能にさせる。その結果として、気化システムの安全性をさらに増大させることができる。
【0113】
<3次元チャネルガス熱交換器がガスプラントに適用される例>
本願発明の3次元チャネルガス熱交換器100がガスプラントに適用される例は、以下に記載される。本願発明の3次元チャネルガス熱交換器100がガスプラントに適用される例と本願発明の3次元チャネルガス熱交換器100が気化システムに適用される例との間の差異は主に記載されており、同じ構成及び動作の説明は省略される又は手短に記載される。
【0114】
第1に、ガスプラントに適用された3次元チャネルガス熱交換器100は、気化システムに適用された3次元チャネルガス熱交換器100と同じ構成を基本的に有する。
【0115】
ガスプラントは、熱交換器100と、パイプ200、熱供給パイプ300と、バルブ400と、フランジ500と、断熱ボックス600とを含むことができる。
【0116】
それらの構成要素は、気化システムの構成要素と同じ機能を実行する。
【0117】
ガスプラントにおいて、バッセルのためのガスプラントと違って、冷水又は冷却剤、つまり、低温を有する流体は、第1のパイプ210を通じて流れる。冷水は、熱交換器300を通じて高温になり、第2のパイプ220を通じて流れる。
【0118】
さらに、図3を参照すると、冷水又は冷却剤、つまり、低温流体は、第1の通路150を通じて流れる。第1の通路150を通じて流れる低温流体に熱を伝導させるための高温のガスは、第2の通路160を通じて流れる。
【0119】
ガスプラントの動作プロセスは、以下に手短に記載される。第1に、高温ガスは、第2のインレット310を通じて供給される。次いで、低温の冷水は、第1のインレット230を通じて、使用される熱交換器100に供給される。
【0120】
次いで、熱交換器100の第2の通路160は目詰まりした場合に、断熱ボックス600内の圧力が上昇したかどうか検査される。
【0121】
検査の結果として、断熱ボックス600の圧力が上昇していない場合には、冷水及び高温ガスは、熱交換にさらされる。検査の結果として、断熱ボックス600内の圧力が上昇している場合に、問題のある熱交換器100は切り離されて、予備の熱交換器100が駆動される。
【0122】
次いで、断熱ボックス600をパージし、且つベントした後で、問題のある熱交換器100は真空化され、正常な状態に戻される。次いで、その熱交換器100は、予備の熱交換器100として使用される。
【0123】
一方、第2の通路160が上記のプロセス中に目詰まりした場合に、問題のある熱交換器100は切り離されて、予備の熱交換器100が駆動される。
【0124】
凍結は、問題のある熱交換器100の第3の通路170に高温ガスを供給することによって解決されており、正常な状態に戻った熱交換器100は、予備の熱交換器100として使用される。
【0125】
さらに、冷水は、熱交換によって高温の水になり、その水は、第1のアウトレット240を通じて排出される。高温ガスは、熱交換によって低温で第2のアウトレット320を通じて排出される。
【0126】
上記の3次元チャネルガス熱交換器100は、上記の実施形態の構成及び方法に限定されることがない。しかし、いくつかの実施形態又はすべての実施形態はそれらの実施形態が様々な方法で変更されるように選択的に組み合わされることができる。
【符号の説明】
【0127】
100 3次元チャネルガス熱交換器
110 第1の熱交換プレート
112 第1の通路溝
120 第2の熱交換プレート
121 加熱面ユニット
122 中実ユニット
123 交差角度ユニット
124 第2の通路溝
130 第3の熱交換プレート
132 第3の通路溝
140 第4の熱交換プレート
150 第1の通路
160 第2の通路
170 第3の通路
180 カバー
200 パイプ
210 第1のパイプ
220 第2のパイプ
230 第1のインレット
240 第1のアウトレット
300 熱供給パイプ
310 第2のインレット
320 第2のアウトレット
400 バルブ
500 フランジ
600 断熱ボックス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8