特許第6184513号(P6184513)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ズートツッカー アクチェンゲゼルシャフト マンハイム/オクセンフルトの特許一覧

特許6184513イソマルツロースを使用して加工機械の表面に対するチューインガムコア組成物の粘着性を低減する方法
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6184513
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】イソマルツロースを使用して加工機械の表面に対するチューインガムコア組成物の粘着性を低減する方法
(51)【国際特許分類】
   A23G 4/00 20060101AFI20170814BHJP
【FI】
   A23G3/30
【請求項の数】12
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-547012(P2015-547012)
(86)(22)【出願日】2013年12月12日
(65)【公表番号】特表2015-536686(P2015-536686A)
(43)【公表日】2015年12月24日
(86)【国際出願番号】EP2013076316
(87)【国際公開番号】WO2014090916
(87)【国際公開日】20140619
【審査請求日】2016年2月23日
(31)【優先権主張番号】12197035.4
(32)【優先日】2012年12月13日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】61/736,808
(32)【優先日】2012年12月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500175772
【氏名又は名称】ズートツッカー アクチェンゲゼルシャフト マンハイム/オクセンフルト
(74)【代理人】
【識別番号】100091096
【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100118773
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 節
(74)【代理人】
【識別番号】100122389
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 栄一
(74)【代理人】
【識別番号】100111741
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 夏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100169971
【弁理士】
【氏名又は名称】菊田 尚子
(72)【発明者】
【氏名】デーア,ティルマン
(72)【発明者】
【氏名】ハスリンガー,ベルント
【審査官】 松原 寛子
(56)【参考文献】
【文献】 特表平06−502999(JP,A)
【文献】 国際公開第91/015941(WO,A1)
【文献】 米国特許第05298263(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23G 4/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
チューインガム製造プロセスにおける第一のチューインガム加工機械の内部接触表面に対するチューインガムコア組成物の粘着性を意図的に低減する方法であって、以下のステップ:
a)イソマルツロースを前記表面に対する前記チューインガムコア組成物の粘着性を低減するのに適した量で提供するステップであって、イソマルツロース粒子は、大きくとも1000μmの直径を有する、ステップ
b)チューインガムベース組成物を提供するステップ、及び
c)ステップa)において提供されたイソマルツロースをステップb)において提供されたチューインガムベース組成物と混合してイソマルツロース含有チューインガムコア組成物を得るステップ
を含み、
ステップc)は第一のチューインガム加工機械の内部接触表面上において実施され、同量のマルチトール含有チューインガムコア組成物、同量のソルビトール含有チューインガムコア組成物及び/又は同量のマルチトール-ソルビトール混合物含有チューインガムコア組成物と比較して粘着性が低減され
ステップa)において提供されるイソマルツロースの量は、ステップc)において得られるイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の少なくとも10重量%である、
方法。
【請求項2】
さらなるステップ:
d)得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物を第二のチューインガム加工機械の接触表面に供するステップ
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
第一のチューインガム加工機械の内部接触表面及び第二のチューインガム加工機械の接触表面が鋼でできている、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
第一のチューインガム加工機械の内部接触表面及び第二のチューインガム加工機械の接触表面がステンレス鋼でできている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
第一のチューインガム加工機械がニーダーである、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項6】
第二のチューインガム加工機械が押出成形機である、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
チューインガムベース組成物が少なくとも1種の水不溶性チューインガムベース成分を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物が、少なくとも1種の甘味料成分、少なくとも1種の高甘味度甘味料成分、少なくとも1種の香味成分、少なくとも1種の着色成分及び少なくとも1種のローリング成分からなる群から選択される、少なくとも1種のチューインガムベース成分を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
粘着性が同量のマルチトール含有チューインガムコア組成物と比較して低減される、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
粘着性が同量のソルビトール含有チューインガムコア組成物と比較して低減される、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
チューインガムベース組成物における、チューインガム加工機械の内部接触表面に対する組成物の粘着性を低減するためのイソマルツロースの使用であって、イソマルツロースの量は、イソマルツロース含有チューインガムコア組成物の少なくとも10重量%であり、イソマルツロース粒子は、大きくとも1000μmの直径を有する、使用
【請求項12】
粘着性が同量のマルチトール含有チューインガムコア組成物、同量のソルビトール含有チューインガムコア組成物及び/又は同量のマルチトール-ソルビトール混合物含有チューインガムコア組成物と比較して意図的に低減される、請求項11に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イソマルツロースをチューインガムベース組成物と混合することを特徴とする、チューインガム製造における第一のチューインガム加工機械の内部接触表面に対するチューインガムコア組成物の粘着性を低減する方法、及びチューインガム加工機械の内部接触表面に対する組成物の粘着性を低減するためのチューインガムコア組成物におけるイソマルツロースの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
イソマルツロース(パラチノースとも呼ばれる)を含有するチューインガムが知られている。US 5,298,263は、イソマルツロースをコーティング中に有するチューインガム組成物を記載する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】US 5,298,263
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、無糖チューインガムの製造では大抵の場合、マルチトールがイソマルト又はイソマルツロースの代わりに使用されており、マルチトールは加工装置に対して望ましくないチューインガム組成物の粘着性を引き起こす。
【0005】
本発明の根底にある技術的課題は、チューインガム加工機械の表面、特にチューインガムコア組成物を混合し製造するチューインガム加工機械の表面に対するチューインガムコア組成物の粘着性を低減する方法及び手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項1によるチューインガム製造プロセスにおける第一のチューインガム加工機械の内部接触表面に対するチューインガムコア組成物の粘着性を低減する方法の提供により根底にある技術的課題を解決する。
【0007】
本発明は、チューインガム製造プロセスにおける第一のチューインガム加工機械の内部接触表面に対するチューインガムコア組成物の粘着性を低減する方法であって、以下のステップ:a)イソマルツロースを前記表面に対する前記組成物の粘着性を低減するのに適した量で提供するステップ、b)チューインガムベース組成物を提供するステップ及びc)ステップa)において提供されたイソマルツロースをステップb)において提供されたチューインガムベース組成物と混合してイソマルツロース含有チューインガムコア組成物を得るステップを含み、ステップc)は第一のチューインガム加工機械の内部接触表面上において実施される、方法の提供により根底にある技術的課題を解決する。
本発明はまた、以下に関する。
[項目1]
チューインガム製造プロセスにおける第一のチューインガム加工機械の内部接触表面に対するチューインガムコア組成物の粘着性を意図的に低減する方法であって、以下のステップ:
a)イソマルツロースを前記表面に対する前記組成物の粘着性を低減するのに適した量で提供するステップ、
b)チューインガムベース組成物を提供するステップ、及び
c)ステップa)において提供されたイソマルツロースをステップb)において提供されたチューインガムベース組成物と混合してイソマルツロース含有チューインガムコア組成物を得るステップ
を含み、
ステップc)は第一のチューインガム加工機械の内部接触表面上において実施され、同量のマルチトール含有チューインガムコア組成物、同量のソルビトール含有チューインガムコア組成物及び/又は同量のマルチトール-ソルビトール混合物含有チューインガムコア組成物と比較して粘着性が低減される、
方法。
[項目2]
さらなるステップ:
d)得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物を第二のチューインガム加工機械の接触表面に供するステップ
を含む、項目1に記載の方法。
[項目3]
第一のチューインガム加工機械の内部接触表面及び第二のチューインガム加工機械の接触表面が鋼、好適にはステンレス鋼でできている、項目1又は項目2に記載の方法。
[項目4]
第一のチューインガム加工機械がニーダーである、項目1又は項目2に記載の方法。
[項目5]
第二のチューインガム加工機械が押出成形機である、項目2に記載の方法。
[項目6]
チューインガムベース組成物が少なくとも1種の水不溶性チューインガムベース成分を含む、項目1〜5のいずれか一項に記載の方法。
[項目7]
ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物が、少なくとも1種の甘味料成分、少なくとも1種の高甘味度甘味料成分、少なくとも1種の香味成分、少なくとも1種の着色成分及び少なくとも1種のローリング成分からなる群から選択される、少なくとも1種のチューインガムベース成分を含む、項目1〜6のいずれか一項に記載の方法。
[項目8]
粘着性が同量のマルチトール含有チューインガムコア組成物と比較して低減される、項目1〜7のいずれか一項に記載の方法。
[項目9]
粘着性が同量のソルビトール含有チューインガムコア組成物と比較して低減される、項目1〜7のいずれか一項に記載の方法。
[項目10]
チューインガムベース組成物における、チューインガム加工機械の内部接触表面に対する組成物の粘着性を低減するためのイソマルツロースの使用。
[項目11]
粘着性が同量のマルチトール含有チューインガムコア組成物、同量のソルビトール含有チューインガムコア組成物及び/又は同量のマルチトール-ソルビトール混合物含有チューインガムコア組成物と比較して意図的に低減される、項目10に記載の使用。
【発明の効果】
【0008】
驚くべきことに、チューインガムベース組成物にイソマルツロースを混合すると、機械の内部接触表面、特にチューインガムの製造に使用される機械の金属-又は合金表面に対する粘着性が低減することが示された。また、驚くべきことに、チューインガムベースは、チューインガムベース組成物がイソマルツロースと混合される機械、例えばニーダー(混練機)に対してすでに粘着性が低減していることが示された。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の好適な実施形態では、粘着性は同量のマルチトール及び/又はソルビトール含有チューインガムコア組成物と比較して低減される。
【0010】
本発明の好適な実施形態では、粘着性は同量のマルチトール含有チューインガムコア組成物と比較して低減される。
【0011】
本発明の好適な実施形態では、粘着性は同量のソルビトール含有チューインガムコア組成物と比較して低減される。
【0012】
本発明の好適な実施形態では、粘着性は同量のマルチトール-ソルビトール混合物含有チューインガムコア組成物と比較して低減される。
【0013】
本発明においては、「同量のマルチトール含有チューインガムコア組成物」は、イソマルツロースを重量で計算して同量のマルチトールと交換する以外、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物と同じ成分を同じ量で含有するチューインガムコア組成物である。
【0014】
本発明においては、「同量のソルビトール含有チューインガムコア組成物」は、イソマルツロースを重量で計算して同量のソルビトールと交換する以外、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物と同じ成分を同じ量で含有するチューインガムコア組成物である。
【0015】
本発明においては、「同量のマルチトール-ソルビトール混合物含有チューインガムコア組成物」は、イソマルツロースを重量で計算して同量のマルチトール-ソルビトール混合物と交換する以外、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物と同じ成分を同じ量で含有するチューインガムコア組成物である。
【0016】
本発明においては、粘着性の低減は、イソマルツロース含有チューインガムコア組成物を得る本発明の方法により得られる粘着性を同量のマルチトール含有チューインガムコア組成物を得る方法により得られる粘着性及び/又は同量のソルビトール含有チューインガムコア組成物を得る方法により得られる粘着性及び/又は同量のマルチトール-ソルビトール混合物含有チューインガムコア組成物を得る方法により得られる粘着性と比較することにより測定される。
【0017】
本発明においては、粘着性は、ステップc)の後にチューインガムコア組成物を排出させた後のニーダーの内部接触表面におけるチューインガムコア組成物の残分として測定され、その際、ニーダーからチューインガムコア組成物を廃棄又は擦り取るためには力は使用しない。粘着性は、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物全体に対する残分の重量%として測定される。
【0018】
好適には、ニーダーは、本開示の実施例において記載されるように使用される。より好適には、粘着性は、17.5リットルの最大加工能力を有するドイツ、エットリンゲンのGabler GmbH & Co. KG製シグマ混練機IP 25 AP/T-CGを使用して上記に概説されるように測定される。好適には、少なくとも15rpm〜大きくとも45rpmの回転速度を使用する。好適には、粘着性は、モーター駆動容器を100°の角度でひっくり返すニーダーのクリーンアウトにより上記に概説される通り測定される。
【0019】
粘着性は、同じ全体重量を有するチューインガムコア組成物の粘着性を比較することにより測定される。好適には、上記に概説され、実施例において記載されるようなニーダーにおける粘着性を測定するために使用される全体重量は、10 kgである。
【0020】
上記に概説され、実施例において記載されるようなニーダーにおける粘着性を測定する温度は、少なくとも30℃〜高くとも70℃、好適には約50℃、最も好適には50℃である。
【0021】
粘着性を測定するために、混合物を約100分間、より好適には100分間混練する。
【0022】
好適には、混練工程後の20分の静置時間後にニーダーから中身を取り出す。好適には、粘着性を測定するために、ガムベース及びグリセロールをイソマルツロース又はマルチトール又はソルビトール不在下で50分間混練し、その後、イソマルツロースの半分量又はマルチトールの半分量又はソルビトールの半分量を加え、混合物を更に20分間混練し、その後、残り半分量のイソマルツロース又はマルチトール又はソルビトールを加え、混合物を更に30分間混練する。
【0023】
好適には、粘着性は実施例において示されるように測定される。
【0024】
上記に概説されるように測定した場合、イソマルツロース含有チューインガムコア組成物全体の、20重量%未満、さらにより好適には15重量%未満、さらにより好適には10重量%未満、最も好適には7重量%未満しかニーダーの表面に付着しないのことが好ましい。
【0025】
上記に概説されるように測定した場合、イソマルツロース含有チューインガムコア組成物全体の、5重量%未満、さらにより好適には4重量%未満、さらにより好適には2重量%未満、最も好適には1重量%未満しかニーダーの表面に付着しないことが好ましい。
【0026】
本発明の好適な実施形態では、マルチトール、ソルビトール又はマルチトール-ソルビトール混合物含有チューインガムコア組成物と比較して、少なくとも5%、より好適には少なくとも7%、さらにより好適には少なくとも10%、さらにより好適には少なくとも15%又は少なくとも20%の粘着性の低減が得られる。
【0027】
本発明の好適な実施形態では、マルチトール、ソルビトール又はマルチトール-ソルビトール混合物含有チューインガムコア組成物と比較して、少なくとも25%、より好適には少なくとも30%、さらにより好適には少なくとも50%、さらにより好適には少なくとも75%又は少なくとも90%の粘着性の低減が得られる。
【0028】
本発明の好適な実施形態では、本発明による方法は、チューインガム製造プロセスにおける第一のチューインガム加工機械の内部接触表面に対するチューインガムコア組成物の粘着性を意図的に低減するためのものである。用語「意図的に」は、粘着性を低減するという成果が、目的をもって望まれ、認識され、かつ、達成されるものであり、ただ単に偶然及び/又は無認識によって得られるものでないことを意味する。
【0029】
本発明においては、「接触表面」又は「内部接触表面」は、チューインガム加工機械の表面であって、本発明による方法において、故意にチューインガムコア組成物と接触させる表面、すなわち、製造プロセス中、チューインガムコア組成物と接触するように設計された表面である。このような内部接触表面は、例えばニーダーの混練室の内部表面である。当業者はどのチューインガム加工機械を使用することができ、どの部分、すなわち、どの内部接触表面が製造中にチューインガムコア組成物と接触するかについて知っている。
【0030】
好適には、ステップc)を実施する温度は少なくとも30℃〜高くとも70℃、より好適には約50℃である。
【0031】
本発明の好適な実施形態では、本発明による方法は、さらに、得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物を第二のチューインガム加工機械の表面に供するステップd)を含む。
【0032】
本発明の好適な実施形態では、本方法は、チューインガム製造プロセスにおける第二のチューインガム加工機械の内部接触表面に対するチューインガムコア組成物の粘着性を低減する、より好適には意図的に低減するためのものである。
【0033】
本発明の好適な実施形態では、第一のチューインガム加工機械の内部接触表面は、少なくとも1種の無機材料でできている。本発明の好適な実施形態では、第一のチューインガム加工機械の内部接触表面は、金属又は合金でできている。本発明の好適な実施形態では、第一のチューインガム加工機械の内部接触表面は、1種の金属又は1種の合金でできている。本発明の好適な実施形態では、第一のチューインガム加工機械の内部接触表面は、鋼でできている。本発明の好適な実施形態では、第一のチューインガム加工機械の内部接触表面は、ステンレス鋼でできている。
【0034】
本発明の好適な実施形態では、第一及び第二のチューインガム加工機械の内部接触表面は、少なくとも1種の無機材料でできている。本発明の好適な実施形態では、第一及び第二のチューインガム加工機械の内部接触表面は、1種の金属又は1種の合金でできている。本発明の好適な実施形態では、第一及び第二のチューインガム加工機械の内部接触表面は、鋼でできている。本発明の好適な実施形態では、第一及び第二のチューインガム加工機械の内部接触表面は、ステンレス鋼でできている。
【0035】
当業者は、チューインガムを製造するために適切な機械及びチューインガムベース組成物と接触させる適切な機械表面材料について知っている。
【0036】
本発明の好適な実施形態では、第一のチューインガム加工機械は、シグマ混合機、例えばダブルアームシグマ混合機である。
【0037】
本発明の好適な実施形態では、第一のチューインガム加工機械は、ニーダーである。本発明の好適な実施形態では、第一のチューインガム加工機械は、Z-ニーダー又はダブルZ-ニーダーである。
【0038】
本発明の好適な実施形態では、第二のチューインガム加工機械は、押出成形機である。
【0039】
本発明の好適な実施形態では、ステップa)において提供されたイソマルツロースの量は、ステップc)において得られる、得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の少なくとも10重量%である。
【0040】
本発明の好適な実施形態では、ステップa)において提供されたイソマルツロースの量は、ステップc)において得られる、得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の少なくとも20重量%である。
【0041】
本発明の好適な実施形態では、ステップa)において提供されたイソマルツロースの量は、ステップc)において得られる、得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の少なくとも40重量%である。
【0042】
本発明の好適な実施形態では、ステップa)において提供されたイソマルツロースの量は、ステップc)において得られる、得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の少なくとも50重量%である。
【0043】
本発明の好適な実施形態では、ステップa)において提供されたイソマルツロースの量は、ステップc)において得られる、得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の少なくとも51重量%である。
【0044】
本発明の好適な実施形態では、ステップa)において提供されたイソマルツロースの量は、ステップc)において得られる、得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の少なくとも55重量%である。
【0045】
本発明の好適な実施形態では、ステップa)において提供されたイソマルツロースの量は、ステップc)において得られる、得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の多くとも80重量%である。
【0046】
本発明の好適な実施形態では、ステップa)において提供されたイソマルツロースの量は、ステップc)において得られる、得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の多くとも75重量%である。
【0047】
本発明の好適な実施形態では、ステップa)において提供されたイソマルツロースの量は、ステップc)において得られる、得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の多くとも70重量%である。
【0048】
本発明の好適な実施形態では、ステップa)において提供されたイソマルツロースの量は、ステップc)において得られる、得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の少なくとも40重量%、多くとも80重量%である。
【0049】
本発明の好適な実施形態では、ステップa)において提供されたイソマルツロースの量は、ステップc)において得られる、得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の少なくとも51重量%、多くとも75重量%である。
【0050】
本発明の好適な実施形態では、ステップa)において提供されたイソマルツロースの量は、ステップc)において得られる、得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の約61重量%である。
【0051】
本発明のさらに好適な実施形態では、イソマルツロース粒子は、大きくとも1000μmの直径を有する。より好適には、粒子は、大きくとも700μmの直径を有する。あるいは、粒子は、少なくとも700μmの直径を有することができる。本発明のさらに好適な実施形態では、イソマルツロース粒子は、大きくとも1000μm、少なくとも700μmの直径を有する。好適な実施形態では、粒子は、少なくとも50μmの直径を有する。より好適には、粒子は、少なくとも100μmの直径を有する。粒子はまた、100μm未満、好適には50μm未満の直径を有することもできる。
【0052】
本発明のさらに好適な実施形態では、使用されるイソマルツロース成分は、粉砕され、凝集されたイソマルツロース、特に、粉砕されたイソマルツロース粒子が大きくとも1000μmの直径を有する、粉砕され、凝集されたイソマルツロースである。より好適には、粉砕された粒子は、大きくとも700μmの直径を有する。好適な実施形態では、粉砕された粒子は、少なくとも50μmの直径を有する。より好適には、粉砕された粒子は、少なくとも100μmの直径を有する。粉砕された粒子はまた、100μm未満、好適には50μm未満の直径を有することもできる。
【0053】
イソマルツロースの粒子径分布は、好適にはレーザー回折により測定される。より好適には、粒子径は、MALVERN Instruments製のMastersizer 2000を使用してレーザー回折により測定される。レーザー回折装置を用いて、イソマルトの粒子径分布を品質評価のために確認することができる。測定原理は、ISO 13320に従う分散型光/レーザー回折分光法に基づくことが好ましい。孤立粒子に低濃度でレーザー光に当てる。粒子は、イソマルツロースを測定用セル中に吸引することにより導入される(「乾式測定」)。粒子の直径に依存して、レーザー光は回折され、それが散乱線として検出器により記録される。測定結果は最初、検出器により測定された光強度の形で存在し、粒子径分布へと変換しなければならない。これは、本発明の> 1 μmの粒子については、ヨゼフ・フォン・フラウンホーファー(Joseph von Fraunhofer)による近似による関連評価ソフトウェアによって行われる。試料の投入(約20 g)は、チャンネル(channel)及び調節可能なギャップ幅(gap width)を有する目の粗い篩を使用して実施することが好ましい。いくつかのボールを有する目の細かい篩は、シーブインサート(sieve insert)として使用することが好ましい。投入(ギャップ幅)は測定濃度が達成されるように設定しなければならない。2.5 barの過圧を有する空気を分散媒として使用することができる。当業者は関連する測定パラメーターについて知っている。
【0054】
本発明の好適な実施形態では、イソマルツロースは、イソマルツロースPFである。
【0055】
本発明の好適な実施形態では、イソマルツロースは、本質的に、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物中に存在する唯一の糖である。本発明のさらに好適な実施形態では、イソマルツロースは、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物中に存在する本質的に唯一の糖である。さらに好適な実施形態では、イソマルツロースは、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物にボディー(body)を付与する本質的に唯一の甘味剤である。
【0056】
本発明の好適な実施形態では、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物は、少なくとも1種のチューインガムベース成分を、得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の重量全体の15重量%〜50重量%の量で含む。本発明の好適な実施形態では、少なくとも1種のチューインガムベース成分は、得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の重量全体の少なくとも20重量%の量で存在する。本発明の好適な実施形態では、少なくとも1種のチューインガムベース成分は、得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の重量全体の少なくとも25重量%の量で存在する。本発明の好適な実施形態では、少なくとも1種のチューインガムベース成分は、得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の重量全体の多くとも45重量%の量で存在する。本発明の好適な実施形態では、少なくとも1種のチューインガムベース成分は、得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の重量全体の多くとも40重量%の量で存在する。本発明の好適な実施形態では、少なくとも1種のチューインガムベース成分は、得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の重量全体の少なくとも20重量%、多くとも45重量%の量で存在する。本発明の好適な実施形態では、少なくとも1種のチューインガムベース成分は、得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の重量全体の少なくとも25重量%、多くとも40重量%の量で存在する。少なくとも1種のチューインガムベース成分は、例えば得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の重量全体の少なくとも37重量%、多くとも41重量%の量で存在することができる。
【0057】
他に概説されなければ、本明細書において与えられる%値は、乾燥成分の重量%を意味する。
【0058】
本発明の好適な実施形態では、イソマルトはステップa)において提供されない。
【0059】
本発明の代替実施形態では、イソマルトとイソマルツロースの混合物がステップa)において提供される。
【0060】
本発明の好適な実施形態では、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物は、少なくとも1種の水不溶性チューインガムベース成分を含む。
【0061】
本発明においては、用語「含む(comprising)」は、当該組成物が別の成分の存在を排除することなく具体的に特定した成分を少なくとも含むことを意味する「含有する(containing)」又は「含む(including)」の意味を有することが好ましい。しかしながら、用語「含む(comprising)」は、好適な実施形態では「から本質的になる(consisting essentially of)」、最も好適な実施形態では「からなる(consisting)」の意味を有するものとも理解される。用語「から本質的になる」は、組成物の具体的に特定した成分を除く実質的な量の別の成分の存在を排除する。用語「からなる」は、組成物中の量が同定されているかを問わず、全ての別の化合物の存在を排除する。
【0062】
本発明においては、用語「本質的に含む(comprising essentially)」は、具体的に特定した成分が当該組成物中に存在する成分と比較して当該組成物中で最も高い割合を有する成分であるという意味を有することが好ましい。しかしながら、好適な実施形態では、用語「本質的に含む」は、当該組成物が少なくとも50重量%、さらにより好適には少なくとも51重量%の具体的に特定した成分を含むことを意味する。
【0063】
本発明においては、用語「少なくとも1種」は、1種の成分又は2種以上の成分、例えば2種、3種又はそれ以上の成分が存在するという意味を有することが好ましい。
【0064】
本発明の好適な実施形態では、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物は、少なくとも1種の甘味料成分、少なくとも1種の高甘味度甘味料成分、少なくとも1種の香味成分、少なくとも1種の着色成分及び少なくとも1種のローリング成分(rolling component)からなる群から選択される少なくとも1種のチューインガムベース成分を含む。
【0065】
本発明の好適な実施形態では、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物は、糖アルコールを含まない。本発明の好適な実施形態では、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物は、イソマルト、マルチトール、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、エリトリトール(エリスリトール)及びそれらの混合物からなる群から選択される糖アルコールを含まない。本発明の好適な実施形態では、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物は、マルチトール、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、エリトリトール及びそれらの混合物からなる群から選択される糖アルコールを含まない。本発明の好適な実施形態では、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物は、マンニトール、キシリトール、ソルビトール、エリトリトール及びそれらの混合物からなる群から選択される糖アルコールを含まない。
【0066】
本発明の好適な実施形態では、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物は、イソマルトを含まない。本発明の好適な実施形態では、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物は、マルチトールを含まない。本発明の好適な実施形態では、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物は、マンニトールを含まない。本発明の好適な実施形態では、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物は、キシリトールを含まない。本発明の好適な実施形態では、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物は、ソルビトールを含まない。本発明の好適な実施形態では、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物は、エリトリトールを含まない。
【0067】
本発明の代替実施形態では、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物は、イソマルトを含む。本発明の好適な実施形態では、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物は、ソルビトールを含む。本発明の好適な実施形態では、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物は、マルチトールを含む。本発明の好適な実施形態では、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物は、マルチトール及びソルビトールを含む。
【0068】
したがって、本発明の好適な実施形態では、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物は、ソルビトール及び/又はマルチトールを含む。
【0069】
本発明の好適な実施形態では、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物は、(得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の重量全体に関して)少なくとも20重量%のソルビトールを含む。
【0070】
本発明の好適な実施形態では、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物は、(得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の重量全体に関して)少なくとも20重量%のマルチトールを含む。
【0071】
本発明の好適な実施形態では、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物は、(得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の重量全体に関して)多くとも49重量%のソルビトールを含む。
【0072】
本発明の好適な実施形態では、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物は、(得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の重量全体に関して)多くとも49重量%のマルチトールを含む。
【0073】
本発明の好適な実施形態では、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物は、(得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の重量全体に関して)少なくとも20重量%のソルビトール及び/又はマルチトールを含む。本発明の好適な実施形態では、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物は、(得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の重量全体に関して)多くとも50重量%のソルビトール及び/又はマルチトールを含む。本発明の好適な実施形態では、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物は、(得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の重量全体に関して)少なくとも21重量%のソルビトール及び/又はマルチトールを含む。本発明の好適な実施形態では、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物は、(得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の重量全体に関して)多くとも49重量%のソルビトール及び/又はマルチトールを含む。
【0074】
本発明の好適な実施形態では、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物は、(得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の重量全体に関して)少なくとも20重量%、多くとも50重量%のソルビトール及び/又はマルチトール並びに(得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の重量全体に関して)少なくとも10重量%、多くとも85重量%のイソマルツロースを含む。本発明の好適な実施形態では、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物は、(得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の重量全体に関して)少なくとも21重量%、多くとも49重量%のソルビトール及び/又はマルチトール並びに(得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の重量全体に関して)少なくとも40重量%、多くとも80重量%のイソマルツロースを含む。本発明の好適な実施形態では、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物は、(得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の重量全体に関して)約20重量%のソルビトール及び/又はマルチトール並びに(得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の重量全体に関して)約61重量%のイソマルツロースを含む。
【0075】
本発明の好適な実施形態では、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物は、(得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の重量全体に関して)少なくとも10重量%、多くとも30重量%のソルビトール、(得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の重量全体に関して)少なくとも10重量%、多くとも20重量%のマルチトール及び(得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の重量全体に関して)少なくとも40重量%、多くとも75重量%のイソマルツロースを含む。
【0076】
本発明の好適な実施形態では、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物は、(得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の重量全体に関して)少なくとも40重量%、多くとも60重量%の少なくとも1種の糖アルコールを含む。
【0077】
本発明の好適な実施形態では、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物は、糖を含まない。さらに好適な実施形態では、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物は、スクロースを含まないか、グルコースを含まないか、ラクトースを含まないか及び/若しくはフルクトースを含まないか、又はこれらの糖類の少なくとも2種の組み合わせを含まない。
【0078】
本発明の好適な実施形態では、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物は、歯にやさしい。
【0079】
本発明の好適な実施形態では、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物は、糖を含まず、特にスクロースを含まないか、グルコースを含まないか、ラクトースを含まないか及び/若しくはフルクトースを含まないか、又はこれらの糖類の少なくとも2種の組み合わせを含まない。
【0080】
本発明の好適な実施形態では、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物は、少なくとも1種の歯にやさしい糖又は糖アルコールを含む。
【0081】
本発明の好適な実施形態では、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物中の少なくとも1種の歯にやさしい糖は、イソマルツロース、ニュートリオース(nutriose)、ロイクロース(leukrose)及びポリデキストロースからなる群から選択される。さらに好適な実施形態では、歯にやさしくない成分の量は、(得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の重量全体に関して)最大1重量%である。
【0082】
本発明のさらに好適な実施形態では、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物中の少なくとも1種の歯にやさしい糖アルコールは、イソマルト、キシリトール、マンニトール、マルチトール、エリトリトール、ラクチトール又はソルビトールの群から選択される。
【0083】
本発明の代替実施形態では、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物は、(得られたイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の重量全体に関して)少なくとも45重量%、多くとも80重量%の少なくとも1種の糖を含む。
【0084】
本発明の好適な実施形態では、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物は、さらに少なくとも1種の添加剤を含む。
【0085】
本発明の好適な実施形態では、少なくとも1種の添加剤は、糖類、好適には歯にやさしい糖類、糖アルコール、高甘味度甘味料、親水コロイド、ガムベース、可塑剤(plastifier)、潤滑剤、乳化剤、タンパク質成分、乳成分(milk component)、乳素材(dairy ingredient)、脂肪及び脂肪代替物、植物性脂肪、ビタミン、ミネラル、医薬活性成分、防腐剤、芳香剤、香味料、例えば、ペパーミント、メントール、フルーツ、ストロベリーフレーバー、着色剤、TiO2、可食性酸、例えば、クエン酸、及び食物繊維からなる群から選択される。
【0086】
本発明の好適な実施形態では、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物は、従来技術において知られるチューインガムベース組成物である。当業者は、適切なチューインガムベース組成物について知っている。
【0087】
本発明の好適な実施形態では、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物は、ステップa)において提供されたイソマルツロース及びステップb)において提供されたチューインガムベース組成物から本質的になる。本発明の好適な実施形態では、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物は、ステップa)において提供されたイソマルツロース及びステップb)において提供されたチューインガムベース組成物からなる。
【0088】
本発明の特に好適な実施形態では、イソマルツロースが、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物中に存在する唯一の甘味剤である。本発明のさらに好適な実施形態では、イソマルツロースが、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物中に存在する唯一の糖である。さらに好適な実施形態では、イソマルツロースが、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物に対してボディーを付与する唯一の甘味剤である。したがって、この好適な実施形態では、イソマルツロースのほかに、高甘味度甘味料もまたステップc)において得られるチューインガムコア組成物に存在してもよい。
【0089】
本発明のさらに好適な実施形態では、マルチトール又はソルビトール又はイソマルトのいずれかが、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物中に存在する唯一の糖アルコールである。
【0090】
本発明のさらに好適な実施形態では、イソマルト及びソルビトールが、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物中に存在する唯一の糖アルコールである。本発明のさらに好適な実施形態では、イソマルト及びマルチトールが、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物中に存在する唯一の糖アルコールである。
【0091】
好適な実施形態では、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物は、高甘味度甘味料を含む。
【0092】
本発明の好適な実施形態では、高甘味度甘味料は、シクラメート、サッカリン、アスパルテーム、グリチルリチン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ステビオールグリコシド、ソーマチン(タウマチン)、モネリン、アセスルファム、アリターム、スクラロース又はそれらの混合物の群から選択される。ステビオールグリコシドは、例えば、ステビオシド又はレバウジオシドAであり得る。
【0093】
成分がステップc)において完全に混合又は混練された後は、チューインガムコア組成物を混合機又はニーダーから排出し、例えば、シート状に延ばしてスティック状に切り出すか、チャンク状に押し出すか、又は流し込み成形によりペレット状にすることによって所望の形状へと形作ることが好ましい。一般に、チューインガムコア材料の成分は、第一にガムベースを溶融し、それを運転中の混合機に添加することによって混合される。ベースを混合機自体において溶融してもよい。着色剤又は乳化剤もまた、同時に添加してもよい。グリセリンなどの軟化剤もまた、シロップ剤及び充填剤の一部と一緒に同時に添加してもよい。充填剤の他の部分は、その後混合機に添加され得る。香味料は、典型的に充填剤の最後の部分と一緒に添加される。混合又は混練工程全体には典型的に5〜50分かかるが、より長い混合時間が必要となり得る場合がある。当業者は、上記工程の多くのバリエーションが生じ得ることを認識するであろう。
【0094】
ステップa)において提供されたイソマルツロースは、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物を添加する前又は後に第一のチューインガム加工機械に添加することができる。ステップa)において提供されたイソマルツロースはまた、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物の成分の混合中に添加することもできる。ステップa)において提供されたイソマルツロースはまた、段階的に添加することもできる。
【0095】
好適には、ステップa)において提供されたイソマルツロースは、ステップb)において提供されたチューインガムベース組成物の成分の混合中に添加される。
【0096】
本発明はまた、チューインガムベース組成物における、チューインガム加工機械の内部接触表面に対する組成物の粘着性を低減するためのイソマルツロースの使用によっても根底にある技術的課題を解決する。イソマルツロース、チューインガムベース組成物、チューインガムコア組成物及び/又はチューインガム加工機械に関する本発明による使用の好適な実施形態は、本発明による方法の説明において概説される。
【0097】
好適な実施形態では、イソマルツロースはチューインガム加工機械の内部接触表面に対する組成物の粘着性を低減するために意図的に使用される。
【0098】
本発明の好適な実施形態では、イソマルツロースはチューインガム加工機械の内部接触表面に対する組成物の粘着性を低減するために使用され、その際、粘着性は同量のマルチトール含有チューインガムコア組成物と比較して低減される。
【0099】
本発明はまた、好適には本発明による方法において製造されるイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の提供により根底にある技術的課題を解決し、ここでチューインガムコア組成物はチューインガム加工機械の内部接触表面に対して低減された粘着性を有する。イソマルツロース、チューインガムベース組成物、チューインガムコア組成物及び/又はチューインガム加工機械に関する本発明によるイソマルツロース含有チューインガムコア組成物の好適な実施形態は、本発明による方法の説明において概説される。
【0100】
本発明は、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物製のチューインガムコアの提供により根底にある技術的課題を解決する。好適な実施形態では、チューインガムコアは、シートとして提供される。
【0101】
本発明の好適な実施形態では、チューインガムコアは充填又は未充填チューインガムコアである。
【0102】
本発明は、ステップc)において得られるチューインガムコア組成物を含むチューインガム製品の提供により根底にある技術的課題を解決する。チューインガム製品はコーティングされた、又はコーティングされていないチューインガム製品であり得る。したがって、本発明は、1つの実施形態において、チューインガムスティックなどのコーティングされていないチューインガム製品を提供することを予見する。別の好適な実施形態では、本発明は、コーティングされたチューインガム製品を製造するために本発明により調製されたチューインガム製品を少なくとも1つのコーティング材料層でコーティングする(ここにおいて、前記少なくとも1つの層はチューインガムコア材料の表面上に存在するローリング化合物を覆う)ことを予見する。
【0103】
本発明のさらに好適な実施形態は、従属請求項に記載する発明である。
【0104】
本発明は以下の実施例により説明される。
【実施例】
【0105】
実施例:チューインガムベース組成物とイソマルツロースの混練
以下の処方を使用した。
【表1】
【0106】
ニーダーとしてドイツ、エットリンゲンのGabler GmbH & Co. KG製シグマ混練機IP 25 AP/T-CGを使用した。このニーダーは、17.5リットルの最大加工能力を有する。ニーダーの回転は15〜45rpmとすることができる。ニーダーの加工温度は5℃〜90℃とすることができる。ニーダーのクリーンアウトは容器をひっくり返して行う(モーター駆動;角度100°)。
【0107】
ガムベース及びグリセロールをニーダー中、50℃で40分間混合した。Symlife Sweetをニーダーに添加し、混合物を更に10分間混練した。イソマルツロースの50重量%をニーダーに添加し、混合物を更に20分間混練した。香味料及び残りの半量のイソマルツロースを添加し、混合物を更に30分間混練した。混合後、混合物を20分間静置した。混練混合物の全体に相当する量は10 kgであった。混練プロセスに使用した温度は50℃であった。
【0108】
ニーダー内の塊を、その塊の残存量をニーダーから擦り取らずに排出させることによって、ニーダーから取り出した。ニーダーから排出された塊を秤量してニーダー中のチューインガムコア組成物の残分と比較した。さらに、写真に違いを表示させるためにニーダーの内部表面の写真をとった。
【0109】
イソマルツロースを使用することによって、混練後の洗浄プロセスは低減される。チューインガム混練物の1重量%未満がニーダーの壁に付着する。これはまた、写真からも見ることができた。
【0110】
イソマルツロースの使用はバッチを移す場合に残存する材料を低減し、これにより、能力が増大し、洗浄が容易になり、残存材料の熱的負荷が低減された。これらは全てチューインガム製造時において価値を増大させる特徴である。