(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6184527
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】医療光学器具用スタンド
(51)【国際特許分類】
A61B 90/35 20160101AFI20170814BHJP
【FI】
A61B90/35
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-557949(P2015-557949)
(86)(22)【出願日】2014年2月18日
(65)【公表番号】特表2016-516453(P2016-516453A)
(43)【公表日】2016年6月9日
(86)【国際出願番号】KR2014001284
(87)【国際公開番号】WO2014129778
(87)【国際公開日】20140828
【審査請求日】2015年8月18日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0017327
(32)【優先日】2013年2月19日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】506414749
【氏名又は名称】コー・ヤング・テクノロジー・インコーポレーテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】512293921
【氏名又は名称】インダストリー−ユニバーシティー コーペレイション ファンデーション ハンヤン ユニバーシティー エリカ キャンパス
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】イ、 ビョン‐ジュ
(72)【発明者】
【氏名】ソ、 ジョン‐テ
【審査官】
宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−224367(JP,A)
【文献】
特開平06−197912(JP,A)
【文献】
特開2008−086711(JP,A)
【文献】
特開2005−253987(JP,A)
【文献】
特開2005−052679(JP,A)
【文献】
特開2004−243136(JP,A)
【文献】
特開2004−181257(JP,A)
【文献】
特開平09−149877(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 90/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1旋回ジョイント、第2旋回ジョイント、第3旋回ジョイント、及び第4旋回ジョイントを有するように平行四辺形の形態で回転可能に連結され、前記第2旋回ジョイントがホールディングユニットに回転可能に設けられる第1〜第4リンクと、前記第4リンクから延長形成されるフロントリンクとを含むキャリアアームと、
前記キャリアアームに回転可能に連結され、前記キャリアアームの長さを延長させることができる延長用キャリアアームと、
前記第1、2リンクと連結され、前記キャリアアームが回転するに伴って前記第2旋回ジョイントを中心に前記第1、2リンクと連動して回転するカウンタバランシングユニットと、
を含み、
前記延長用キャリアアームは、前記キャリアアームの第1、2旋回ジョイントに平行四辺形の形態で回転可能に連結される基底リンク部と、前記基底リンク部と前記キャリアアームのフロントリンクに平行四辺形の形態で回転可能に連結される延長リンク部と、前記延長リンク部から延長形成されて医療光学器具が設けられる延長用フロントリンクとを含み、
前記カウンタバランシングユニットは前記医療光学器具によって前記第2旋回ジョイントに発生するトルクを補償して前記キャリアアームのカウンタバランシングを維持させることができる、
医療光学器具用スタンド。
【請求項2】
前記カウンタバランシングユニットは、
前記第1、2リンクからそれぞれ延長形成され、前記第2旋回ジョイントを中心に前記第1、2リンクと連動して回転する第1、2バランシングリンクと、
前記第1、2バランシングリンクに設けられる第1、2カウンタウェイトと
を含む請求項1に記載の医療光学器具用スタンド。
【請求項3】
前記第1、2バランシングリンクは、前記医療光学器具の重量によって長さを変化させることができることを特徴とする請求項2に記載の医療光学器具用スタンド。
【請求項4】
前記第1、2カウンタウェイトは、前記医療光学器具の重量によって交換可能に前記第1、2バランシングリンクに設けられることを特徴とする請求項2に記載の医療光学器具用スタンド。
【請求項5】
N-1個の延長用キャリアアームをさらに含み、
前記延長用キャリアアームと前記N-1個の延長用キャリアアームとは、相互間に回転可能に連結されると共に、前記キャリアアームに順次回転可能に連結され、前記キャリアアームをN段階に延長させることができることを特徴とする請求項1に記載の医療光学器具用スタンド。
【請求項6】
前記N-1個の延長用キャリアアームは基底リンク部と延長リンク部と追加延長リンク部と延長用フロントリンクとを含み、
前記N-1個の延長用キャリアアームの基底リンク部は前記キャリアアームの第1、2旋回ジョイントに平行四辺形の形態で回転可能に連結され、
前記N-1個の延長用キャリアアームの延長リンク部は前記N-1個の延長用キャリアアームの基底リンク部と前記キャリアアームのフロントリンクに平行四辺形の形態で回転可能に連結され、
前記N-1個の延長用キャリアアームの追加延長リンク部は前記N-1個の延長用キャリアアームの延長リンク部に回転可能に連結され、
前記N-1個の延長用キャリアアームの延長用フロントリンクは前記キャリアアームに1番目に連結される延長用キャリアアームの延長リンク部と、前記N-1個の延長用キャリアアームの最も終端部に位置した追加延長リンク部から延長形成され、
前記N-1個の延長用キャリアアームは前記キャリアアームに連結される順番よりも1つ小さい個数の追加延長リンク部を含み、
前記N-1個の延長用キャリアアームのうち前記キャリアアームにN番目に連結される延長用キャリアアームを除いた残りの延長用キャリアアームの延長用フロントリンクは、前記キャリアアームに連結される順番の次の順番に前記キャリアアームに連結される延長用キャリアアームの追加延長リンク部と回転可能に連結されることを特徴とする請求項5に記載の医療光学器具用スタンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療光学器具用スタンドに関し、より具体的には、顕微鏡などのような医療光学器具を設けて所望の空間位置に移動させて停止させることができる医療光学器具用スタンドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
多様な外科手術分野では、医療用光学機器としての手術顕微鏡で患部を観察しながら手術を行う顕微鏡手術(MICROSURGERY)が研究及び導入されている実情である。
【0003】
このような顕微鏡手術の際には、重量物である手術顕微鏡及びその付属機器を設けて前記手術顕微鏡及びその付属機器を所望の空間位置に停止させ、その位置を維持できるスタンドを必要とする。
【0004】
このようなスタンドは、一般に平行リンクを用いたリンクユニットの中間部分をホールディングユニットに回転可能に連結すると共に、このリンクユニットの一側の終端部に手術顕微鏡を設け、回転地点を中心として前記手術顕微鏡の他側の終端部に前記手術顕微鏡の重さを相殺するためのカウンタウェイト(counterweight)を有するバランス構造となっている。
【0005】
手術顕微鏡には、アシスタント医師用側視鏡(assistant scope)やビデオカメラ等の付属機器も取り付けられているので、その重量に合わせてカウンタウェイトの位置を変化させることによって、手術顕微鏡等とカウンタウェイトとのバランスが取られるように全体のバランスを調節する作業が行われる。
【0006】
しかし、手術顕微鏡及び付属機器を所望の空間位置に停止させるには、手術顕微鏡の水平方向及び垂直方向の両方のバランスを完全に維持する必要があるが、従来のスタンドは、各種付属機器の有無によって変化する手術顕微鏡側の全重量に対して水平/垂直の両方で確実なバランスの調節を容易に行うことができないという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、本発明の目的は、顕微鏡などのような医療光学器具の重量の変化に対するカウンタバランシング(counterbalancing)の調節が容易であり、医療光学器具の位置に関係なく、安定したカウンタバランシングを維持できる医療光学器具用スタンドを提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、使用者が所望する通りに非常に容易に長さを延長させることができるだけでなく、長さの延長時にもカウンタバランシングの調節が容易であり、安定したカウンタバランシングを維持できる医療光学器具用スタンドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施例による医療光学器具用スタンドは、第1〜第4旋回ジョイントを有するように平行四辺形の形態で回転可能に連結され、前記第2旋回ジョイントがホールディングユニットに回転可能に設けられる第1〜第4リンクと、前記第4リンクから延長形成されるフロントリンクとを含むキャリアアームと、前記第1、2リンクと連結され、前記キャリアアームが回転するに伴って前記第2旋回ジョイントを中心に前記第1、2リンクと連動して回転することにより、前記フロントリンクに設けられる医療光学器具によって前記第2旋回ジョイントに発生するトルクを補償して前記キャリアアームのカウンタバランシングを維持させることができるカウンタバランシングユニットとを含む。
【0010】
一実施例によれば、前記カウンタバランシングユニットは、前記第1、2リンクからそれぞれ延長形成され、前記第2旋回ジョイントを中心に前記第1、2リンクと連動して回転する第1、2バランシングリンクと、前記第1、2バランシングリンクに設けられる第1、2カウンタウェイトとを含むことができる。
【0011】
ここで、前記第1、2バランシングリンクは、前記医療光学器具の重量によって長さを変化させることもできる。
【0012】
また、前記第1、2カウンタウェイトは、前記医療光学器具の重量によって交換可能に前記第1、2バランシングリンクに設けられ得る。
【0013】
一方、前記キャリアアームに回転可能に連結され、前記キャリアアームの長さを延長させることができる延長用キャリアアームをさらに含むことができる。
【0014】
一実施例によれば、前記延長用キャリアアームは、前記キャリアアームの第1、2旋回ジョイントに平行四辺形の形態で回転可能に連結される基底リンク部と、前記基底リンク部と前記キャリアアームのフロントリンクに平行四辺形の形態で回転可能に連結される延長リンクと、前記延長リンク部から延長形成される延長用フロントリンクとを含むことができる。
【0015】
一方、前記延長用キャリアアームは、N個が相互間に回転可能に連結されると共に、前記キャリアアームに順次回転可能に連結され、前記キャリアアームをN段階に延長させることができる。
【0016】
一実施例によれば、前記延長用キャリアアームは、前記キャリアアームの第1、2旋回ジョイントに平行四辺形の形態で回転可能に連結される基底リンク部と、前記基底リンク部と前記キャリアアームのフロントリンクに平行四辺形の形態で回転可能に連結される延長リンク部と、前記キャリアアームに1番目に連結される延長用キャリアアームを除いた残りの延長用キャリアアームの延長リンク部に回転可能に連結され、前記キャリアアームにN番目に連結された延長用キャリアアームには、N-1個が互いに回転可能に直列に連結され、前記延長リンク部に回転可能に連結される追加延長リンク部と、前記キャリアアームに1番目に連結される延長用キャリアアームの延長リンク部と残りの延長用キャリアアームの最も終端部に位置した追加延長リンク部から延長形成される延長用フロントリンクとを含むことができる。
【0017】
ここで、前記キャリアアームに最後に連結される延長用キャリアアームの延長用フロントリンクを除いた前記キャリアアームにN番目に連結される延長用キャリアアームの延長用フロントリンクは、前記キャリアアームにN+1番目に連結された延長用キャリアアームの追加延長リンク部と回転可能に連結され得る。
【発明の効果】
【0018】
このように本発明による医療光学器具用スタンドは、キャリアアームのフロントリンクに設けられる医療光学器具の重量に対応して第1、2カウンタウェイトを交換して設けることができるだけでなく、前記医療光学器具の位置が変更されれば、前記医療光学器具と連動して第1、2バランシングリンクがキャリアアームの第2旋回ジョイントを中心に回転し、第1、2カウンタウェイトの位置を移動させることによって医療光学器具の重量の変化に対するカウンタバランシングの調節が容易であり、医療光学器具の位置に関係なく、水平/垂直の両方とも安定したカウンタバランシングを維持できる効果がある。
【0019】
また、使用者が所望するだけの延長用キャリアアームを用いてスタンドの長さを延長させるとしても、キャリアアームのフロントリンクと前記延長用キャリアアームの延長用フロントリンクが隣接する延長用キャリアアームと有機的に連結され、最後端に位置した延長用フロントリンクの動きがキャリアアームの第1、2リンクを経て第1、2バランシングリンクまで伝達されることによって、変更された医療光学器具の位置と対応して前記第1、2カウンタウェイトの位置を移動させることによって、医療光学器具の位置に関係なく、水平/垂直の両方とも安定したカウンタバランシングを維持できる。
【0020】
即ち、スタンドの長さを使用者が所望する通りに非常に容易に延長させることができるだけでなく、前記スタンドの長さの延長時にもカウンタバランシングの調節が容易であり、安定したカウンタバランシングを維持できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施例によるスタンドを示した概略図。
【
図2】キャリアアームに延長用キャリアアームを連結した状態を示した図面。
【
図3】本発明のスタンドが延長用キャリアアームにより段階的に延長される過程を示した図面。
【
図4】本発明のスタンドが延長用キャリアアームにより段階的に延長される過程を示した図面。
【
図5】本発明のスタンドが延長用キャリアアームにより段階的に延長される過程を示した図面。
【
図6】本発明のスタンドが延長用キャリアアームにより段階的に延長される過程を示した図面。
【0022】
本発明は、多様な変更を加えることができ、また、様々な形態を有することができるところ、特定の実施例を図面に例示して本文に詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態について限定しようとするのではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されるべきである。
【0023】
第1、第2等の用語は多様な構成要素を説明するのに用いられるが、前記構成要素は前記用語によって限定されてはならない。前記用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられる。例えば、本発明の権利範囲を逸脱せずに第1の構成要素は第2の構成要素と呼ばれることができ、同様に第2の構成要素は第1の構成要素と呼ばれることができる。
【0024】
本出願で使用する用語は単に特定の実施例を説明するために使用しており、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本出願で、「含む」または「有する」等の用語は明細書に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定するものであり、1つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらを組み合わせたもの等の存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0025】
異なって定義しない限り、技術的であったり科学的である用語を含めてここで使用される全ての用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。
【0026】
一般に使用される辞典に定義されている用語は関連技術の文脈上の意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的であったり過度に形式的な意味で解釈されない。
【0027】
以下、図面を参照して、本発明の望ましい実施例をより詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の一実施例によるスタンドを示した概略図である。
【0029】
図1を参照すると、本発明の一実施例によるスタンド100は、キャリアアーム110及びカウンタバランシングユニット120を含む。
【0030】
前記キャリアアーム110は、ホールディングユニット(図示せず)に回転可能に設けられ、前記キャリアアーム110の先端には、顕微鏡などのような医療光学器具Mが設けられ得る。ここで、前記医療光学器具Mは、前記キャリアアーム110の先端に回転可能に設けられ得る。
【0031】
前記キャリアアーム110は、第1〜第4リンク111、112、113、114、第1〜第4旋回ジョイント115、11
6、117、118、及び、フロントリンク119を含むことができる。
【0032】
前記第1〜第4リンク111、112、113、114は、前記第1〜第4旋回ジョイント115、116、117、118により平行四辺形の形態で相互間に回転可能に連結され得る。より詳細に説明すると、前記第1リンク111と第2リンク112は、前記第2旋回ジョイント116により回転可能に連結され、前記第2リンク112と第3リンク113は、第3旋回ジョイント117により回転可能に連結され、前記第3リンク113と第4リンク114は、前記第4旋回ジョイント118により回転可能に連結され、前記第4リンク114と第1リンク111は、第1旋回ジョイント115により回転可能に連結されることによって、前記第1〜第4リンク111、112、113、114は第1〜第4旋回ジョイント115、116、117、118により平行四辺形の形態で相互間に回転可能に連結され得る。
【0033】
そして、前記第1〜第4リンク111、112、113、114を平行四辺形の形態で連結する第1〜第4旋回ジョイント115、116、117、118のいずれか1つの旋回ジョイントは、前記ホールディングユニットに回転可能に連結され得る。例えば、
図1に示された通り、第2旋回ジョイント116を前記ホールディングユニットに回転可能に連結することができる。
【0034】
一方、前記フロントリンク119は、前記第1〜第4リンク111、112、113、114のうちの選択されたいずれか1つのリンクから延長形成され得る。例えば、前記第2旋回ジョイント116が前記ホールディングユニットに回転可能に連結される場合には、前記フロントリンク119は、前記第4リンク114から延長形成され得る。
【0035】
前記カウンタバランシングユニット120は、前記第1、2リンク111、112と連結され得る。従って、前記カウンタバランシングユニット120は、前記キャリアアーム110が回転するに伴って前記第2旋回ジョイント116を中心に前記第1、2リンク111、112と連動して回転することにより、前記フロントリンク119に設けられる医療光学器具Mによって前記第2旋回ジョイント116に発生するトルクを補償して前記キャリアアーム110のカウンタバランシングを維持させることができる。
【0036】
前記カウンタバランシングユニット120は、第1バランシングリンク121、第2バランシングリンク122、第1カウンタウェイト123、第2カウンタウェイト124を含むことができる。
【0037】
前記第1バランシングリンク121は、前記第1リンク111と平行に前記第1リンク111から延長形成され、前記第2旋回ジョイント116を中心に前記第1リンク111と連動して回転することができる。
【0038】
前記第2バランシングリンク122は、前記第2リンク112と平行に前記第2リンク112から延長形成され、前記第2旋回ジョイント116を中心に前記第2リンク112と連動して回転することができる。
【0039】
一方、図面には示されていないが、前記第1、2バランシングリンク121、122は、前記キャリアアーム110のフロントリンク119に設けられる医療光学器具Mの重量によって長さを変化させることもできる。ここで、前記第1、2バランシングリンク121、122の長さは、それぞれ互いに異なって変化させることができる。
【0040】
前記第1カウンタウェイト123は、前記第1バランシングリンク121に設けられ得る。
【0041】
前記第2カウンタウェイト124は、前記第2バランシングリンク122に設けられ得る。
【0042】
ここで、前記第1、2カウンタウェイト123、124は、前記キャリアアーム110のフロントリンク119に設けられる医療光学器具Mの重量によって交換可能に前記第1、2バランシングリンク121、122に設けられ得る。
【0043】
上述したような本発明の一実施例によるスタンド100に設けられた顕微鏡などのような医療光学器具Mを矢印Aの方向に移動させる過程について簡略に説明すると、次の通りである。
【0044】
まず、前記フロントリンク119に設けられた医療光学器具Mを矢印Aの方向に引っ張るようになれば、前記フロントリンク119及び第4リンク114が第1旋回ジョイント115を中心に矢印Bの方向に回転するようになる。
【0045】
前記第4リンク114が矢印Bの方向に第1旋回ジョイント115を中心に回転するようになれば、前記第4リンク114により第3リンク113が牽引されて矢印Cの方向に移動するようになり、前記第3リンク114と連結された第2リンク112も前記第3リンク113により牽引されて第2旋回ジョイント116を中心に矢印Dの方向に回転すると共に、前記第4リンク114から延長形成された第2バランシングリンク122も矢印Dの方向に回転するようになり、前記第2バランシングリンク122に設けられた第2カウンタウェイト124を矢印Fの方向に移動させる。
【0046】
これと共に、前記第1リンク111は、矢印Aの方向に回転するフロントリンク119により押されて第2旋回ジョイント116を中心に矢印Eの方向に回転するようになり、前記第1リンク111から延長形成された第1バランシングリンク121も前記第1リンク111と連動し、前記第2旋回ジョイント116を中心に矢印Eの方向に回転して前記第1バランシングリンク121に設けられた第1カウンタウェイト123を矢印Gの方向に移動させるようになることにより、前記医療光学器具Mによって前記第2旋回ジョイント116に発生するトルクを補償して、前記医療光学器具Mの位置と関係なく、前記医療光学器具Mが設けられる前記スタンド100のカウンタバランシングを常に安定的に維持させることができるようにする。
【0047】
図2は、キャリアアームに延長用キャリアアームを連結した状態を示した図面である。
【0048】
図2を参照すると、本発明の他の実施例によるスタンド200は、キャリアアーム210に回転可能に連結され、前記キャリアアーム210の長さを延長させることができる延長用キャリアアーム230をさらに含むことができる。
【0049】
前記のようにキャリアアーム210に延長用キャリアアーム230が連結される場合には、前記延長用キャリアアーム230の後述する延長用フロントリンク233に医療光学器具Mが設けられる。
【0050】
前記延長用キャリアアーム230は、基底リンク部231、延長リンク部232及び延長用フロントリンク233を含むことができる。
【0051】
前記基底リンク部231は、前記キャリアアーム210の第1、2旋回ジョイント215、216に平行四辺形の形態で回転可能に連結される。
【0052】
例えば、前記基底リンク部231は、第1〜第3リンク231a、231b、231c、及び、第1、2旋回ジョイント231d、231eを含み、前記第1〜第3リンク231a、231b、231cが前記第1、2旋回ジョイント231d、231eにより相互間に回転可能に連結され、前記第1リンク231aと第3リンク231cは、それぞれ前記キャリアアーム210の第2、1旋回ジョイント216、215に回転可能に連結される。より詳細に説明すると、前記第1リンク231aは、第2リンク231bと第1旋回ジョイント231dにより回転可能に連結され、前記第2リンク231bは、第3リンク231cと第2旋回ジョイント231eにより回転可能に連結され、前記第1リンク231aは、前記キャリアアーム210の第2旋回ジョイント216に回転可能に連結され、前記第3リンク231cは、前記キャリアアーム210の第1旋回ジョイント215に回転可能に連結されることによって、前記基底リンク部231は前記キャリアアーム210の第1、2旋回ジョイント215、216に平行四辺形の形態で回転可能に連結される。
【0053】
前記延長リンク部232は、前記基底リンク部231と前記キャリアアーム210のフロントリンク219に平行四辺形の形態で回転可能に連結され得る。例えば、前記延長リンク部232は、第1、2リンク232a、232b、及び、第1旋回ジョイント232cを含み、前記第1、2リンク232a、232bが前記第1旋回ジョイント232cにより回転可能に連結され、前記第1、2リンク232a、232bは、それぞれ前記基底リンク部231の第2旋回ジョイント231eと前記キャリアアーム210のフロントリンク119の終端部に旋回ジョイント232dにより回転可能に連結される。
【0054】
前記延長用フロントリンク233は、前記延長リンク部232から延長形成される。より詳細に説明すると、前記延長用フロントリンク233は、前記延長リンク部232の第2リンク232bと平行に前記延長リンク部232の第2リンク232bから延長形成され得る。
【0055】
前記キャリアアーム210に延長用キャリアアーム230を連結してスタンド200の長さを延長する場合には、前記延長用キャリアアーム230の延長用フロントリンク233に医療光学器具Mを設ける。
【0056】
前記延長リンク部232の第2リンク232bとキャリアアーム210のフロントリンク219は、旋回ジョイント232dにより互いに回転可能に連結されているので、前記延長用キャリアアーム230の延長用フロントリンク233に設けられた医療光学器具Mの位置を移動させるようになれば、前記キャリアアーム210のフロントリンク219と前記延長リンク部232の第2リンク232bを回転可能に連結する旋回ジョイント232dを中心に回転する延長用フロントリンク233及び第2リンク232bによりキャリアアーム210のフロントリンク219及び第4リンク214が第1旋回ジョイント215を中心に回転する。
【0057】
前記キャリアアーム210のフロントリンク219及び第4リンク214が前記第1旋回ジョイント215を中心に回転すれば、前記キャリアアーム210の第3リンク213が移動して第2リンク212及び第2バランシングリンク222を第2旋回ジョイント216を中心に回転させて第2カウンタウェイト224の位置を移動させると共に、前記キャリアアーム210の第1リンク211及び第1バランシングリンク221を第2旋回ジョイント216を中心に回転させて第1カウンタウェイト223の位置を移動させて前記医療光学器具Mによって前記第2旋回ジョイント216に発生するトルクを補償して、前記医療光学器具Mの位置と関係なく、前記医療光学器具Mが設けられる前記スタンド200のカウンタバランシングを常に安定的に維持させることができるようにする。
【0058】
図3〜
図6は、本発明のスタンドが延長用キャリアアームにより段階的に延長される過程を示した図面である。
【0059】
図3〜
図6を参照すると、本発明の一実施例による延長用キャリアアーム330は、N個が相互間に回転可能に連結されると共に、キャリアアーム310にN個が順次回転可能に連結されて、前記キャリアアーム310をN段階に延長させることができる。ここで、Nは自然数である。
【0060】
前記スタンド300の長さを段階別に延長させることができる延長用キャリアアーム330は、基底リンク部331、延長リンク部332、追加延長リンク部433、533、延長用フロントリンク434、534を含むことができる。
【0061】
前記基底リンク部331は、前記キャリアアーム310の第1、2旋回ジョイント315、316に平行四辺形の形態で回転可能に連結される。ここで、前記基底リンク部331は、
図2に示された延長用キャリアアーム230の基底リンク部231とその構成が同一であるので、これに関する詳細な説明は省略する。
【0062】
前記延長リンク部332は、前記基底リンク部331と前記キャリアアーム310のフロントリンク319に平行四辺形の形態で回転可能に連結される。前記延長リンク部332も前記基底リンク部331と同様に
図2に示された延長用キャリアアーム230の延長リンク部232とその構成が同一であるので、これに関する詳細な説明は省略する。
【0063】
前記追加延長リンク部433、533は、前記キャリアアーム310に1番目に連結される延長用キャリアアーム330を除いた残りの延長用キャリアアーム430、530の延長リンク部432、532に回転可能に連結され、前記キャリアアーム310にN番目に連結された延長用キャリアアームには、N-1個が互いに回転可能に直列に連結されて延長される。
【0064】
前記追加延長リンク部433、533は、第1リンク433a、533a、533e、第2リンク433b、533b、533f、第1旋回ジョイント433c、533c、533gを含むことができる。前記第1、2リンク433a、533a、533e、433b、533b、533fは、前記第1旋回ジョイント433c、533c、533gにより相互間に回転可能に連結される。前記第1リンク433a、533a、533eは、前記延長リンク部432、532の第1旋回ジョイント432c、532cや隣接する他の追加延長リンク部533Aの第1旋回ジョイント533cと回転可能に連結され得る(第1リンク433a、533aは、第1旋回ジョイント432c、532cに連結され、第1リンク533eは隣接する他の追加延長リンク部533Aの第1旋回ジョイント533cに連結される)。前記第2リンク433b、533b、533fは、隣接する延長用キャリアアーム330、430、530の延長用フロントリンク334、434、534と回転可能に連結され得る。即ち、前記キャリアアーム310にN番目に回転可能に連結される第N延長用キャリアアーム430、530に含まれた追加延長リンク部433、533の第2リンク433b、533b、533fは、前記キャリアアーム310にN-1番目に回転可能に連結される延長用キャリアアーム330、430の延長用フロントリンク334、434に回転可能に連結される。
【0065】
前記追加延長リンク部433、533についてより詳細に説明すると、前記追加延長リンク部433、533は、
図4に示された通り、前記キャリアアーム310に1番目に連結される第1延長用キャリアアーム330には連結されず、
図5及び
図6に示された通り、前記キャリアアーム310に2番目に連結される第2延長用キャリアアーム430から前記キャリアアームにN番目に連結される第N延長用キャリアアームに連結される。
【0066】
図5に示された通り、前記キャリアアーム310に2番目に連結される第2延長用キャリアアーム430には、第1追加延長リンク部433のみ回転可能に連結される。即ち、前記第1追加延長リンク部433の第1リンク433aと第2リンク433bは、第1旋回ジョイント433cにより回転可能に連結され、前記第1リンク433aは延長リンク部332の第1旋回ジョイント432cに回転可能に連結され、前記第2リンク433bは、前記キャリアアーム310に1番目に回転可能に連結された第1延長用キャリアアーム330の延長用フロントリンク334に回転可能に連結される。
【0067】
また、
図6に示された通り、前記キャリアアームに3番目に連結される第3延長用キャリアアーム530には、第1、2追加延長リンク部533A、533Bを互いに回転可能に直列に連結して延長させた後、延長リンク部532に前記第1、2追加延長リンク部533A、533Bを回転可能に連結する。即ち、前記第1追加延長リンク部533Aの第1旋回ジョイント533cに前記第2追加延長部533Bの第1リンク533eを回転可能に連結して前記第1、2追加延長リンク部533A、533Bを直列に連結させ、前記第1追加延長リンク部533aの第1リンク533aは延長リンク部532の第1旋回ジョイント532cに回転可能に連結し、前記第1追加延長リンク部533Aの第2リンク533bは、第1延長用キャリアアーム330の延長用フロントリンク334に回転可能に連結し、第2追加延長リンク部533Bの第2リンク533fは、第2延長用キャリアアーム430の延長用フロントリンク434に回転可能に連結される。
【0068】
換言すれば、前記追加延長リンク部433、533は、前記キャリアアーム310に1番目に延長される第1延長用キャリアアーム330を除いた残りの延長用キャリアアームの延長リンク部に回転可能に連結され、前記キャリアアーム310にN番目に連結された第N延長用キャリアアームには、N-1個が互いに回転可能に直列に連結されて、前記延長リンク部に回転可能に連結されるスタンド300の長さを延長させることができる。
【0069】
前記延長用フロントリンク334、434、534は、前記キャリアアーム310に1番目に連結される第1延長用キャリアアーム330の延長リンク部332と、残りの延長用キャリアアーム430、530の最も終端部に位置した追加延長リンク部433、533から延長形成され得る。
【0070】
このような延長用フロントリンク334、434、534のうち、前記キャリアアーム310に最後に連結される延長用キャリアアーム530の延長用フロントリンク534を除いた前記キャリアアーム310にN番目に連結される第N延長用キャリアアーム330、430の延長用フロントリンク334、434は、前記キャリアアーム310にN+1番目に連結された延長用キャリアアーム430、530の第N追加延長リンク部433、533Bの第2リンク433b、533fと回転可能に連結され得る。
【0071】
図6を参照すると、前記キャリアアーム310に2番目に連結される第2延長用キャリアアーム430の延長用フロントリンク434は、前記キャリアアーム310に3番目に連結された第3延長用キャリアアーム530の第2追加延長部533Bの第2リンク533fと回転可能に連結され、前記キャリアアーム310に1番目に連結される第1延長用キャリアアーム330の延長用フロントリンク334は、前記キャリアアーム310に2番目に連結された第2延長用キャリアアーム430の第1追加延長リンク部433の第2リンク433bと回転可能に連結される。
【0072】
図3〜
図6に示された通り、N個の延長用キャリアアーム330、430、530を順次キャリアアーム310に連結させた場合にも、前記キャリアアーム310に最後に連結される延長用キャリアアーム530の延長用フロントリンク534を除いた前記キャリアアーム310にN番目に連結される延長用キャリアアーム330、430の延長用フロントリンク334、434が前記キャリアアーム310にN+1番目に連結された延長用キャリアアーム430、530の追加延長リンク部433、533と回転可能に連結されることによって、前記キャリアアーム310に最後に連結される延長用キャリアアーム530の延長用フロントリンク534に設けられた医療光学器具Mの位置を移動させるようになれば、第1、2カウンタウェイト323、324が前記医療光学器具Mと連動して移動することにより、前記医療光学器具Mによって前記第2ジョイント316に発生するトルクを補償して、前記医療光学器具Mの位置と関係なく、前記医療光学器具Mが設けられる前記スタンド300のカウンタバランシングを常に安定的に維持させることができるようにする。
【0073】
即ち、前記医療光学器具Mの位置を移動させるようになれば、前記キャリアアーム310にN番目に連結された第N延長用キャリアアーム530の延長リンク部532の第2リンク533f、延長用フロントリンク534から前記キャリアアーム310の1番目に連結された第1延長用キャリアアーム330の延長リンク部332の第2リンク332b、及び延長用フロントリンク334まで旋回ジョイント332d、433d、533dを中心に連動して回転するようになる。
【0074】
また、第1延長用キャリアアーム330の延長用フロントリンク334と延長リンク部332の第2リンク32bは、キャリアアーム310のフロントリンク319を第1旋回ジョイント315を中心に回転させるようになることによって、前記第1、2バランシングリンク321、322をキャリアアーム310の第2旋回ジョイント316を中心に回転させて第1、2カウンタウェイト323、324の位置を移動させるようになり、前記医療光学器具Mによって前記第2旋回ジョイント316に発生するトルクを補償して、前記医療光学器具Mの位置と関係なく、前記医療光学器具Mが設けられる前記スタンド200のカウンタバランシングを常に安定的に維持させることができるようにする。
【0075】
上述した通り、本発明による医療光学器具用スタンドは、キャリアアーム110のフロントリンク119に設けられる医療光学器具Mの重量に対応して第1、2カウンタウェイト123、124を交換して設けることができるだけでなく、前記医療光学器具Mの位置が変更されれば、前記医療光学器具Mと連動して第1、2バランシングリンク121、122がキャリアアーム110の第2旋回ジョイント116を中心に回転して第1、2カウンタウェイト123、124の位置を移動させることによって、医療光学器具Mの重量の変化に対するカウンタバランシングの調節が容易であり、医療光学器具Mの位置に関係なく、水平/垂直の両方とも安定したカウンタバランシングを維持できる長所がある。
【0076】
た、使用者が所望するだけの延長用キャリアアーム330、430、530を用いてスタンドの長さを延長させるとしても、キャリアアーム310のフロントリンク319と前記延長用キャリアアーム330、430の延長用フロントリンク334、434が隣接する延長用キャリアアーム330、430、530と有機的に連結され、最後端に位置した延長用フロントリンク534の動きがキャリアアーム310の第1、2リンク311、312を経て第1、2バランシングリンク321、322まで伝達されることによって、変更された医療光学器具Mの位置と対応して前記第1、2カウンタウェイト323、324の位置を移動させることにより、医療光学器具(M)の位置に関係なく、水平/垂直の両方とも安定したカウンタバランシングを維持できる長所がある。
【0077】
即ち、スタンドの長さを使用者が所望する通り非常に容易に延長させることができるだけでなく、前記スタンドの長さの延長時にもカウンタバランシングの調節が容易であり、安定したカウンタバランシングを維持できる長所がある。
【0078】
上述した本発明の詳細な説明では本発明の望ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野の熟練した当業者または該当技術分野に通常の知識を有する者であれば、後述する特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び技術領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させられることを理解できるであろう。