【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的は、代替的な、更に改善されたヘアケア装置を提供することである。本発明は、独立請求項によって規定される。本発明の好適な実施形態が、従属請求項において規定されている。
【0011】
本発明の一実施形態は、髪の毛を真っ直ぐにし、髪の毛をカールさせ、及び/又は、髪の毛にボリュームを出すためのヘアケア装置であって、第1の長手軸に沿って延在し、第1の加熱チップに結合された第1のハンドル部を有する、第1の顎と、第2の長手軸に沿って延在し、第2の加熱チップに結合された第2のハンドル部を有する、第2の顎と、を有し、前記第1の加熱チップは、凸状の第1の加熱表面とユーザを火傷から防ぐための距離素子とを持ち、前記距離素子は、前記凸状の第1の加熱表面とは反対側の前記第1の加熱チップの側に配置され、前記第1の加熱チップは、ユーザが、前記第1のハンドル部に対して、前記第1の長手軸周りに、前記第1の加熱チップを回転させることができるように、前記第1のハンドル部に回転可能に結合され、前記第1及び第2の顎は、互いに結合され、前記第1及び第2のハンドル部を介して、開位置と閉位置との間で互いに対して可動である、ヘアケア装置を提供する。
【0012】
ある実施形態は、異なるヘアスタイリングのより多くの態様のために使用され得る。好適な実施形態では、ヘアケア装置は、髪の毛を真っ直ぐにし、髪の毛をカールさせ、及び、髪の毛にボリュームを出すのに適しているべきである。毛根における増加されたボリュームは、同一の装置により、いかなる付属品も用いることなく、良好なストレーナ及びカーリング性能とともに達成されることができる。この実施形態では、ヘアケア装置は、3イン1の解決法を提供する。同一の装置により、髪の毛を真っ直ぐにし、髪の毛をカールさせ、髪の毛にボリュームを出すことを可能としている。ユーザは、ストレーナモード、カーリングモード、又は、ボリュームモード間において、機械的に容易な方法で、設定をわずかに修正するだけでよい。わずかに数ステップが必要とされるだけである。
【0013】
本発明に従ったヘアケア装置は、一般的に、互いに結合されるとともに、各顎に1つずつ配置された2つの異なるハンドル部を用いて開位置と閉位置との間で互いに対して可動である、2つの顎を具備するヘアストレーナのように作られる。米国特許第6627852号に示される装置と同様に、ユーザが、第1の長手軸周りに、第1のハンドル部に対して第1の加熱チップを回転できるように、第1の加熱チップとここでは称される加熱チップの1つが、同一の顎の対応するハンドル部(ここでは、第1の顎の第1のハンドル部と称される)に回転可能に結合される。このことは、ユーザが、第1の加熱チップを回転させることによって、ストレーナモードとカーリングモードとの間を切り替えできるようにする。
【0014】
そこから逸脱して、本発明の好適な実施形態に従った装置は、ユーザの頭皮に対して距離を空けるように作用し得る複数のとげ又はリブを持つとげ板を有する。このとげ板は、ストレーナ及びカーリングのために用いられる
凸状の第1の加熱表面が配置された側と反対の側に配置された第1の加熱チップの後端に配置される。
【0015】
ボリュームモードでは、ユーザは、ボリュームアップされる髪の毛を第2の顎の第2の加熱チップの上にガイドしつつ、とげ板上に配置されたとげで頭皮に接触することができる。これにより、とげは、一種の頭皮熱保護として機能し、加熱チップのいずれかによる火傷からユーザを保護する。従って、消費者は、容易に、火傷の恐れなく、頭皮の近くに上記装置を保持することができる。このことは、毛根から髪のボリュームを出すことを著しく簡単にする。とげの代わりに、リブ、ノブ、又は、任意の他の距離素子が、この種類の加熱保護機能のために用いられてもよいことに留意すべきである。
【0016】
とげ板は、好ましくは、針のむしろのような、仮想的な平面を形成するアレイにおいて配置される複数のとげ又はリブを有する。小さいピン状のとげを用いる代わりに、とげ板上に横方向に配置される真っ直ぐなリブが、用いられてもよい。とげ板のとげによって形成される上述の仮想面は、凹状であってもよい。このことは、異なる長さのとげによって、又は、とげ/リブが配置される凹状の接地板を供給することによって、達成され得る。
【0017】
一実施形態によれば、第1の加熱チップは、とげ板が第2の加熱チップの方を向いている第1の位置と、とげ板が第2の加熱チップから離れる方向を向いている第2の位置との間で、第1の長手軸周りに、第1のハンドル部に対して回転可能である。
【0018】
第1の位置から第2の位置に第1の加熱チップを変えるため、第1の加熱チップは、好ましくは、長手軸周りに、180°回転される。
【0019】
第1の位置は、カーリングのために用いられ得る。この位置において、第1の加熱チップの上側に配置された
凸状の第1の加熱表面が、ヘアケア装置の外側表面を形成する。上記第1の加熱表面は、好ましくは、流線型の丸みを帯びた表面、又は、半円状の表面である。顎が閉位置へ移行される場合、髪の毛は、髪の毛のカールを作るために、2つの加熱チップに巻き付かれてもよい。
【0020】
第1の加熱チップが第2の位置に移行される場合、本発明のヘアケア装置は、髪の毛を真っ直ぐにするために、又は、髪の毛にボリュームを出すために用いられ得る。第2の位置において、とげ板は、外側を向く一方、第1の加熱チップの
凸状の第1の加熱表面は、第2の加熱チップの方へ内側を向いている。
【0021】
髪の毛を真っ直ぐにするため、髪の毛が、
凸状の第1の加熱表面と第2の加熱チップの加熱表面(ここでは、以下に示すように、第3の加熱表面と称される)との間で、第1の加熱チップと第2の加熱チップとの間につままれ得る。
【0022】
毛根から髪の毛にボリュームを出すために、とげ板は、第1の加熱チップの第2の位置にあってもよく、このとき、髪の毛を加熱し、ボリュームが増した髪の毛を作るために、処理される髪の毛が第2の加熱チップの上にガイドされつつ、ユーザの頭皮に接触している。
【0023】
髪の毛を真っ直ぐにし、髪の毛をカールさせ、髪の毛にボリュームを出すことが、顎の閉位置において、全て行なわれる。特に、髪の毛をカールさせ、髪の毛にボリュームを出すため、この顎の閉位置は、単純な機械的なロック機構によってロックされてもよい。異なるヘアスタイリング機器のための装置設定における違いは、第1の加熱チップの位置だけである。カーリングは、第1の加熱チップの第1の位置においてなされる一方、髪の毛を真っ直ぐにすること、及び、髪の毛にボリュームを出すことは、第1の加熱チップの第2の位置において実行される。
【0024】
第1の加熱チップは、好ましくは、三日月形状の断面を持つ。半円状の上側に、流線型の第1の加熱表面が配置され、一方、とげ板は、平面状の底側に配置及び接続される。上述のように、とげ板は、(第1の加熱チップの第2の位置において)髪の毛にボリュームを出すため「だけ」に用いられ、一方、流線型の半円状の第1の加熱表面は、第1の加熱チップの位置に依存して、カーリング(第1の位置)又はストレーナ(第2の位置)のために用いられる。
【0025】
「第1」、「第2」、及び、「第3」なる用語は、特定の部位の全体の数について述べたものではないが、ここでは、本発明に従った装置の類似又は対応する部位を区別するために用いられていることに留意すべきである。
【0026】
他の実施形態によれば、第2の加熱チップは、第1の加熱チップから離れる方を向いている側における凸状の第2の加熱表面と、第1の加熱チップの方を向いており、第1の加熱チップの第1の加熱表面の外縁にマッチする凹状の輪郭を少なくとも部分的に持つ、第3の加熱表面と、を有する。
【0027】
添付の図面及び図面の詳細な説明からより明らかとなるように、凹状の第2の加熱表面は、好ましくは、第1の加熱チップにおいて配置される第1の加熱表面と同様の形状を持つ。この第2の加熱表面は、カーリング又は髪の毛にボリュームを出すために用いられ得る。ストレーナモードでは、髪の毛は、第1の加熱チップの第1の加熱表面と第2の加熱チップの第3の加熱表面との間でつままれる。第3の加熱表面は、第1の加熱表面の外縁にマッチする凹状の輪郭を持つため、髪の毛は、最適な方法で真っ直ぐにされ得る。互いにマッチする丸みを帯びた凹状/凸状の加熱表面は、平坦な加熱表面に比して、改善されたストレーナ性能をもたらす、拡大された加熱領域を作る。より重要なことは、マッチングする凹状/凸状の加熱表面が、それらの間につままれた毛に対して増加された抵抗を作るということである。このことは、平坦な加熱表面を具備するヘアストレーナに比して、ストレーナ性能をさらに改善する。しかしながら、好ましくは、第3の加熱表面の一部のみ、例えば、中間部分のみが、凹形状を有することに留意すべきである。第3の加熱表面の側部は、好ましくは、平坦である。このことは、髪の毛の不要なねじれを防止する。
【0028】
他の好適な実施形態によれば、ヘアケア装置は、第1の加熱チップが第1の位置にあるとともに、顎が閉位置にある場合に、とげ板のとげ又はリブを第2の加熱チップから距離を空けて維持するように構成された少なくとも1つの機械的止め具素子を更に有する。
【0029】
この機械的止め具
素子は、とげ板が第2の加熱チップ(第3の加熱表面)と接触することを防止する。そうでなければ、とげ板は、第2の加熱チップの高温により損傷する可能性がある。このようにして、とげ板は、熱くなり過ぎない。第1の加熱チップを第1の位置から第2の位置に切り替える場合、ユーザの頭皮の火傷のリスクを生じさせることなく、髪の毛にボリュームを出す間、加熱チップは、ユーザの頭皮に瞬時に接触し得る。
【0030】
他の実施形態によれば、第1の顎は、ユーザが、第1の加熱チップを第1のハンドル部に対して回転できるように、第1の加熱チップの自由端において、第1の把持素子を有し、第1の加熱チップの自由端は、第1の加熱チップが第1のハンドル部に接続される反対側にある。
【0031】
上記第1の把持素子は、好ましくは、第1の加熱チップから熱的に絶縁され、耐熱性合成材料を有する。
【0032】
従って、ユーザは、上述の第1の把持素子を用いることによって、第1の位置と第2の位置との間で、第1の加熱チップを容易に回転することができる。この把持素子は、様々な態様における形状であってもよい。この把持素子は、好ましくは、ユーザの快適性を増すために、人間工学に基づいた形状を持つ。上記把持素子は、好ましくは、第1の顎の遠心端に配置され、第1の長手軸周りに延在する。上記把持素子の熱絶縁のため、ユーザが火傷する危険は全くない。
【0033】
他の好ましい実施形態によれば、第2の顎も、上記の把持素子を有する。この把持素子は、ここでは、第2の把持素子と称され、第2の加熱チップの自由端に配置される。従って、ユーザは、その自由端における顎を把持してもよい。このことは、安全な態様で第1の加熱チップを回転させることを極めて簡単にする。
【0034】
他の実施形態によれば、上述の少なくとも1つの機械的止め具は、第1の把持素子及び/又は第2の把持素子において配置される。この場合、把持素子は、次の2つの機能(1)、(2)を有する。即ち、(1)2つの位置の間で第1の加熱チップを回転させるための機能、(2)第1の加熱チップが第1の位置にあり、顎が閉位置に移行された場合に、とげ板が第2の加熱チップと接触することを防ぐための機械的止め具として作用する機能である。
【0035】
他の実施形態によれば、ヘアケア装置は、顎が閉位置にある場合に、第1のハンドル部に対する第1の加熱チップの回転を防止するロック機構を有する。このことは、使用中、第1の加熱チップの不要な回転を防止する。ロック機構は、第1の加熱チップを第1の位置又は第2の位置に固定し、これにより、正確な態様で、2つの位置を機械的に規定する。
【0036】
一実施形態によれば、これは、好ましくは、第1及び第2の把持素子が、マッチングする外縁を持ち、第1の加熱チップが第2の位置にあり、顎が閉位置にある場合に、ロック機構が、前記マッチングする外縁が互いに整合することによって実現される。両方の把持素子は、例えば、整合する波状又は波形形状を有する。ロック機構を実現するための拡張部品は、この場合、必要ではない。
【0037】
始めの方で既に述べたように、とげ板は、本発明の主要な特徴の1つを形成している。一実施形態によれば、とげ板は、第1の加熱チップから熱的に絶縁され、耐熱性合成材料を有する。
【0038】
ポリアミドのような材料が、例示的に用いられてもよい。ポリアミド又は他のプラスチックは、極めて低い熱伝導性を持ち、これは、この場合における主な利点の1つである。既述のように、とげ板は、ボリュームモードの間、火傷からユーザを保護すべきである。加熱チップは、使用中、極めて熱くなる(およそ150℃以上)ため、耐熱性は、好適である。これは、例えば、とげ板と第1の加熱チップとの間に熱絶縁性の中間層を配置することによって、なされ得る。
【0039】
他の態様は、上記とげ又はリブによって供給される、ユーザの快適性に関する。一実施形態によれば、とげ又はリブは、とげ板から突き出ており、とげ又はリブの大きさは、柔軟であり、丸みを帯びた自由端を有している。勿論、全てのとげ又はリブが、柔軟であり、丸みを帯びた自由端を有していてもよい。このことは、ユーザのためのより大きな快適性に役立つ。