【文献】
UE behaviour when UE reaches maximum transmission power with HS-DPCCH [online],3GPP TSG-RAN WG4 Meeting #27 Tdoc R1-030535, Tdoc R4-030545,2003年 5月15日,全文,[retrieved on 2017.06.12], Retrieved from the Internet: <URL: http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG4_Radio/TSGR4_27/Docs/R4-030545.zip>
【文献】
Nokia,UE behaviour when reaching the maximum Tx power [online],3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #40 Tdoc R1-050139,2005年 2月10日,全文,[retrieved on 2017.06.12], Retrieved from the Internet: <URL: http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_40/Docs/R1-050139.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記アップリンクデータチャネルが、アップリンク専用チャネル(DCH)または拡張アップリンクDCH(E-DCH)のうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の方法。
前記第1のデータが、以前のTTIにおいて受信されたデータのためのチャネル品質インジケータ(CQI)またはハイブリッド自動再送要求(HARQ)肯定応答(ACK)もしくは否定ACKのうちの少なくとも1つを備える、請求項1に記載の方法。
前記第1のデータが、以前のTTIにおいて受信されたデータのためのチャネル品質インジケータ(CQI)またはハイブリッド自動再送要求(HARQ)肯定応答(ACK)もしくは否定ACKのうちの少なくとも1つを備える、請求項8に記載の装置。
前記第1のデータが、以前のTTIにおいて受信されたデータのためのチャネル品質インジケータ(CQI)またはハイブリッド自動再送要求(HARQ)肯定応答(ACK)もしくは否定ACKのうちの少なくとも1つを備える、請求項14に記載のコンピュータ可読記憶媒体。
前記アップリンクデータが、以前のTTIにおいて受信されたデータのためのチャネル品質インジケータ(CQI)またはハイブリッド自動再送要求(HARQ)肯定応答(ACK)もしくは否定ACKのうちの少なくとも1つを備える、請求項20に記載の装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
添付の図面に関して下記に記載される発明を実施するための形態は、様々な構成の説明として意図されており、本明細書に記載される概念が実践され得る唯一の構成を表すことは意図されていない。詳細な説明は、様々な概念の完全な理解を与えるために特定の詳細を含む。しかしながら、これらの概念がこれらの具体的な詳細なしに実施され得ることが、当業者には明らかであろう。いくつかの例では、そのような概念を曖昧にするのを防ぐために、よく知られた構造および構成要素がブロック図の形態において示されている。
【0014】
本開示の様々な態様は、ワイヤレス通信デバイスのアップリンク送信における電力スケーリングの適用を回避または低減することができる方法および装置を提供する。本開示全体にわたって提示されている様々な概念は、幅広い種類の遠隔通信システム、ネットワークアーキテクチャ、および通信規格にわたって実施され得る。ここで
図1を参照すると、限定ではなく例示的な例として、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(UMTS)システム100に関して、本開示の様々な態様が示されている。UMTSネットワークは、コアネットワーク104、無線アクセスネットワーク(RAN)(たとえば、UMTS地上波無線アクセスネットワーク(UTRAN)102)、およびユーザ機器(UE)110という3つの相互作用ドメインを含む。UTRAN102に利用可能ないくつかの選択肢の間で、この例では、図示したUTRAN102は、電話、ビデオ、データ、メッセージング、ブロードキャスト、および/または他のサービスを含む様々なワイヤレスサービスを可能にするためのW-CDMAエアインターフェースを用いることができる。UTRAN102は、無線ネットワークコントローラ(RNC)106などのそれぞれのRNCによって各々が制御される、無線ネットワークサブシステム(RNS)107などの複数のRNSを含み得る。ここで、UTRAN102は、図示されたRNC106およびRNS107に加えて、任意の数のRNC106およびRNS107を含み得る。RNC106は、とりわけ、RNS107内の無線リソースを割り当て、再構成し、解放することを担う装置である。RNC106は、任意の適切な転送ネットワークを用いて、直接物理接続、仮想ネットワーク等などの様々なタイプのインターフェースを通じてUTRAN102における他のRNC(図示せず)に相互接続することができる。
【0015】
RNS107によってカバーされる地理的領域は、いくつかのセルに分割され得、無線トランシーバ装置が各セルにサービスする。無線トランシーバ装置は、通常、UMTS用途ではノードBと呼ばれるが、当業者によって、基地局(BS)、送受信基地局(BTS)、無線基地局、無線トランシーバ、トランシーバ機能、基本サービスセット(BSS)、拡張サービスセット(ESS)、アクセスポイント(AP)、または何らかの他の適切な用語で呼ばれることもある。明確にするために3つのノードB108は、各RNS107に示されているが、RNS107は、任意の数のワイヤレスノードBを含むことができる。ノードB108は、任意の数のモバイル装置のためのコアネットワーク104にワイヤレスアクセスポイントを提供する。モバイル装置の例は、セルラーフォン、スマートフォン、セッション開始プロトコル(SIP)電話、ラップトップ、ノートブック、ネットブック、スマートブック、携帯情報端末(PDA)、衛星ラジオ、全地球測位システム(GPS)デバイス、マルチメディアデバイス、ビデオデバイス、デジタルオーディオプレーヤ(たとえば、MP3プレーヤ)、カメラ、ゲーム機、または任意の他の同様の機能デバイスを含む。モバイル装置は、通常、UMTS用途ではユーザ機器(UE)と呼ばれるが、当業者によって、移動局(MS)、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末(AT)、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、端末、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、または何らかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。UMTSシステムでは、UE110は、ネットワークへのユーザの加入情報を含む汎用加入者識別モジュール(USIM)111をさらに含み得る。説明のために、1つのUE110がいくつかのノードB108と通信しているように示されている。順方向リンクとも呼ばれるダウンリンク(DL)は、ノードB108からUE110への通信リンクを指し、逆方向リンクとも呼ばれるアップリンク(UL)は、UE110からノードB108への通信リンクを指す。
【0016】
コアネットワーク104は、UTRAN102などの1つまたは複数のアクセスネットワークとインターフェースをとることができる。図示のように、コアネットワーク104はUMTSコアネットワークである。しかしながら、当業者が認識するように、UMTSネットワーク以外のタイプのコアネットワークへのアクセスをUEに提供するために、本開示全体にわたって提示される様々な概念は、RANまたは他の適切なアクセスネットワークにおいて実装され得る。
【0017】
図示したUMTSコアネットワーク104は、回線交換(CS)ドメインおよびパケット交換(PS)ドメインを含む。回線交換要素のいくつかは、モバイルサービス交換センタ(MSC)、ビジターロケーションレジスタ(VLR)、およびゲートウェイMSC(GMSC)である。パケット交換要素は、サービングGPRSサポートノード(SGSN)と、ゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)とを含む。EIR、HLR、VLR、およびAuCのようないくつかのネットワーク要素は、回線交換ドメインとパケット交換ドメインとの両方によって共有され得る。
【0018】
図示の例では、コアネットワーク104は、MSC112およびGMSC114によって回線交換サービスをサポートする。いくつかの応用において、GMSC114は、メディアゲートウェイ(MGW)と呼ばれ得る。RNC106などの1つまたは複数のRNCは、MSC112に接続され得る。MSC112は、呼設定、呼ルーティング、およびUE移動性機能を制御する装置である。MSC112は、UEがMSC112のカバレージエリアにある期間の間に加入者関連情報を含むビジタロケーションレジスタ(VLR)も含む。GMSC114は、UEが回線交換ネットワーク116にアクセスするためにMSC112を介してゲートウェイを実現する。GMSC114は、特定のユーザが加入したサービスの詳細を反映するデータなどの加入者データを収容する、ホームロケーションレジスタ(HLR)115を含む。HLRは、加入者固有の認証データを収容する認証センタ(AuC)にも関連付けられる。特定のUEについて、呼が受信されると、GMSC114は、UEの位置を判断するためにHLR115に問い合わせ、その位置でサービスする特定のMSCに呼を転送する。
【0019】
UE110とUTRAN102との間のエアインターフェースは、ユーザのためにより大きいスループットおよび低レイテンシを容易にする、3G/WCDMA(登録商標)規格への一連の拡張を含む高速パケットアクセス(HSPA)エアインターフェースとすることができる。前の規格に対する他の修正の中でも、HSPAは、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)、共有チャネル送信、および適応変調符号化を利用する。HSPAを定義する規格は、HSDPA(高速ダウンリンクパケットアクセス)およびHSUPA(拡張アップリンクまたはEULとも呼ばれる高速アップリンクパケットアクセス)を含む。
【0020】
たとえば、3GPP規格ファミリーのリリース5では、HSDPAが導入された。HSDPAは、いくつかのUEによって共有され得る高速ダウンリンク共有チャネル(HS-DSCH)を、そのトランスポートチャネルとして利用する。HS-DSCHは、高速物理ダウンリンク共有チャネル(HS-PDSCH)、高速共有制御チャネル(HS-SCCH)、および高速専用物理制御チャネル(HS-DPCCH)という、3つの物理チャネルによって実装される。
【0021】
HS-SCCHは、HS-DSCHの送信に関連するダウンリンク制御情報を搬送するために利用され得る、物理チャネルである。ここで、HS-DSCHは、1つまたは複数のHS-SCCHに関連付けられ得る。UEは、いつHS-DSCHからそのデータを読み取るべきかを決定するため、および、割り当てられる物理チャネルにおいて使用される変調方式を決定するために、HS-SCCHを継続的に監視し得る。
【0022】
HS-PDSCHは、いくつかのUEによって共有され得、かつ高速ダウンリンクに対するダウンリンクデータを搬送し得る、物理チャネルである。HS-PDSCHは、4位相シフトキーイング(QPSK)、16-直交振幅変調(16-QAM)、およびマルチコード送信をサポートし得る。
【0023】
HS-DPCCHは、そのスケジューリングアルゴリズムにおいてノードBを支援するためにUEからのフィードバックを搬送し得る、アップリンク物理チャネルである。フィードバックは、チャネル品質インジケータ(CQI)と、前のHS-DSCH送信の肯定応答または否定応答(ACK/NAK)とを含み得る。ACK/NACK送信は、ダウンリンクにおける受信パケットのCRCチェックの結果を反映する。
【0024】
図示したコアネットワーク104は、サービングGPRSサポートノード(SGSN)118およびゲートウェイGPRSサポートノード(GGSN)120を有するパケット交換データサービスもサポートする。汎用パケット無線サービス(GPRS)は、標準の回線交換データサービスで利用可能な速度よりも速い速度でパケットデータサービスを提供するように設計されている。GGSN120は、UTRAN102とパケットベースのネットワーク122の接続を行う。パケットベースのネットワーク122は、インターネット、プライベートデータネットワーク、またはいくつかの他の適切なパケットベースのネットワークであり得る。GGSN120の主要機能は、UE110にパケットベースのネットワーク接続性を与えることである。データパケットは、SGSN118を介してGGSN120とUE110との間で転送され得、SGSN118は、MSC112が回線交換ドメインにおいて実行するのと主に同じ機能をパケットベースドメインにおいて実行する。
【0025】
図2は、処理システム214を使用する装置200のためのハードウェア実装形態の一例を示す概念図である。本開示の様々な態様によれば、要素または要素の任意の部分または要素の任意の組合せは、1つまたは複数のプロセッサ204を含む処理システム214を用いて実装され得る。本開示の一態様では、UE110は装置200を用いて実装され得る。たとえば、装置200は、
図1および/または
図5のうちのいずれか1つまたは複数に示すようなユーザ機器(UE)であってもよい。別の例では、装置200は、
図1に示すような無線ネットワークコントローラ(RNC)であってもよい。プロセッサ204の例は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、状態機械、ゲート論理、ディスクリートハードウェア回路、および本開示全体にわたって説明する様々な機能を実行するように構成される他の適切なハードウェアを含む。すなわち、装置200内で利用されるようなプロセッサ204は、以下で説明し、
図6〜
図12に示すプロセスのうちのいずれか1つまたは複数を実施するために使用され得る。
【0026】
この例において、処理システム214は、バス202によって全体的に表されるバスアーキテクチャを用いて実現され得る。バス202は、処理システム214の特定の用途と全体的な設計制約とに応じて、任意の数の相互接続バスとブリッジとを含むことができる。バス202は、(プロセッサ204によって全体的に表される)1つまたは複数のプロセッサ、メモリ205、および(コンピュータ可読媒体206によって全体的に表される)コンピュータ可読媒体を含む、様々な回路を互いにリンクさせる。バス202は、タイミングソース、周辺機器、電圧調整器、および電力管理回路などの様々な他の回路をリンクさせることもできるが、これらの回路は当技術分野でよく知られており、したがって、これ以上は説明しない。バスインターフェース208は、バス202とトランシーバ210との間のインターフェース(通信インターフェース)を与える。トランシーバ210は、送信媒体を通して様々な他の装置と通信するための手段を提供する。装置の性質に応じて、ユーザインターフェース212(たとえば、キーパッド、ディスプレイ、スピーカー、マイクロフォン、ジョイスティック、タッチスクリーン、タッチパッド)も設けられ得る。
【0027】
図3は、本開示の一態様によるプロセッサ302およびコンピュータ可読媒体304を示す概念図である。本開示の一態様では、プロセッサ302は、
図2に図示したプロセッサ204でもよく、コンピュータ可読媒体304は、
図2に図示したコンピュータ可読媒体206でもよい。プロセッサ302は、
図6〜
図12に関して以下に記載した機能を実行するように構成され得る様々な回路を有する。コンピュータ可読媒体304は、実行されると、本明細書の全体にわたって記載した機能を実行するようにプロセッサ302の回路を構成することができる様々なソフトウェアルーチンを記憶する。
【0028】
プロセッサ302は、高速チャネル(たとえばHS-DPCCH)におけるデータの決定、スケジューリング、構築、および送信を行うための第1の回路306と、非高速チャネル(たとえば、DCHおよびE-DCH)におけるデータの決定、スケジューリング、構築、および送信を行うための第2の回路308とを含む。プロセッサ302は、UEが送信電力制限されているかどうかを判断し、様々なチャネル(たとえば、HS-DPCCH、DCH、E-DCH、およびDPCCH)上のUE送信電力を制御(たとえば、スケーリング)するための第3の回路310を含む。本開示のいくつかの態様では、第3の回路310は、HS-DPCCH上のNACK送信またはメッセージの送信電力レベルをブーストすることができる。
図3に図示され、本明細書の全体にわたって記載されている回路は、ハードウェア、ソフトウェア、またはソフトウェアとハードウェアの組合せとすることができる。
【0029】
コンピュータ可読媒体304は、高速チャネルおよび非高速チャネルにおけるデータのスケジューリング、構築、および送信に関係する機能を実行するようにプロセッサ302の回路を構成する第1のルーチン312を含む。コンピュータ可読媒体304は、
図6〜
図12に関して説明するように、UEの送信電力制御に関係する機能を実行するようにプロセッサ302の回路を構成する第2のルーチン314を含む。
【0030】
再び
図2を参照すると、プロセッサ204は、バス202を管理することと、コンピュータ可読媒体206上に記憶されたソフトウェアの実行を含む一般的な処理とを担当する。ソフトウェアは、プロセッサ204によって実行されると、特定の装置を引き起こす。たとえば、ソフトウェアは、UEが送信電力制限されているとき、電力スケーリングを低減または回避するようにUE110のアップリンク送信を制御するためのルーチンを含み得る。コンピュータ可読媒体206は、ソフトウェアを実行するとき、プロセッサ204によって操作されるデータを記憶するためにも使用され得る。
【0031】
処理システムの1つまたは複数のプロセッサ204は、ソフトウェアを実行することができる。ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語、または他のものと呼ばれるのであれ何であれ、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行ファイル、実行のスレッド、プロシージャ、機能などを意味すると幅広く解釈されるべきである。ソフトウェアは、コンピュータ可読媒体206上に常駐し得る。コンピュータ可読媒体206は、非一時的コンピュータ可読媒体であり得る。非一時的コンピュータ可読媒体は、例として、磁気記憶デバイス(たとえば、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ)、光ディスク(たとえば、コンパクトディスク(CD)またはデジタル多用途ディスク(DVD))、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(たとえば、カード、スティック、またはキードライブ)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、プログラマブルROM(PROM)、消去可能PROM(EPROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、レジスタ、リムーバブルディスク、ならびにコンピュータがアクセスし、読み取ることができるソフトウェアおよび/または命令を記憶するための任意の他の適切な媒体を含む。コンピュータ可読媒体206は、処理システム214の中に、または処理システム214の外に常駐し得、または処理システム214を含む複数のエンティティにわたって分散され得る。コンピュータ可読媒体206は、コンピュータプログラム製品において具現化することができる。例として、コンピュータプログラム製品は、パッケージング材料内のコンピュータ可読媒体を含む場合がある。当業者は、特定の適用例およびシステム全体に課された全体的な設計制約に応じて、本開示全体にわたって提示する説明した機能をどのようにして最善の形で実装するかを認識されよう。
【0032】
ワイヤレス電気通信システムでは、通信プロトコルアーキテクチャは、特定の適用例に応じて様々な形態をとり得る。たとえば、3GPPのUMTSシステムでは、シグナリングプロトコルスタックは、非アクセス層(NAS)およびアクセス層(AS)に分割される。NASは、UE110とコアネットワーク104との間のシグナリングのために上位レイヤを与え(
図1参照)、回線交換プロトコルおよびパケット交換プロトコルを含むことができる。ASは、UTRAN102とUE110との間のシグナリングのために低いレイヤを与え、ユーザプレーンおよび制御プレーンを備えることができる。ここで、ユーザプレーンまたはデータプレーンは、ユーザ情報を運び、一方、制御プレーンは、制御情報(すなわち、シグナリング)を運ぶ。
【0033】
図4を参照すると、ASは、3つのレイヤ、すなわち、レイヤ1、レイヤ2、およびレイヤ3とともに示されている。レイヤ1は、最も低いレイヤであり、様々な物理レイヤ信号処理機能を実施する。レイヤ1は、本明細書において物理レイヤ406と呼ばれる。レイヤ2 408と呼ばれるデータリンクレイヤは、物理レイヤ406の上にあり、物理レイヤ406を介したUE110とノードB108との間のリンクを担う。
【0034】
レイヤ3において、RRCレイヤ416は、UE110とノードB108との間の制御プレーンのシグナリングを扱う。RRCレイヤ416は、より高いレイヤメッセージをルーティングし、ブロードキャスティングを扱い、機能をページングし、無線ベアラを確立し構成等するいくつかの機能的エンティティを含む。
【0035】
例示したエアインターフェースにおいて、L2レイヤ408は、サブレイヤに分けられる。制御プレーンでは、L2レイヤ408は、2つのサブレイヤ、すなわち、媒体アクセス制御(MAC)サブレイヤ410および無線リンク制御(RLC)サブレイヤ412を含む。ユーザプレーンでは、L2レイヤ408は、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)サブレイヤ414をさらに含む。図示されていないが、UEは、ネットワーク側のPDNゲートウェイで終端するネットワークレイヤ(たとえば、IPレイヤ)、および接続の他端(たとえば、遠端のUE、サーバなど)で終端するアプリケーションレイヤを含む、L2レイヤ408の上のいくつかの上位レイヤを有する場合がある。
【0036】
PDCPサブレイヤ414は、異なる無線ベアラと論理チャネルとの間で多重化を行う。PDCPサブレイヤ414はまた、無線送信のオーバーヘッドを低減する上位レイヤのデータパケットのヘッダ圧縮、データパケットの暗号化によるセキュリティ、およびノードB間のUE向けのハンドオーバーサポートを実現する。
【0037】
RLCサブレイヤ412は、一般に、(肯定応答および再送信プロセスが誤り訂正に使用され得る)確認型モード(AM)、非確認型モード(UM)、およびデータ転送のためのトランスペアレントモードをサポートし、上位レイヤのデータパケットのセグメント化および再アセンブリならびにデータパケットの並べ替えを行って、MACレイヤにおけるハイブリッド自動再送要求(HARQ)による順序の乱れた受信を補償する。確認型モードでは、RNCおよびUEなどのRLCピアエンティティは、とりわけ、RLCデータPDU、RLCステータスPDU、およびRLCリセットPDUを含む、様々なRLCプロトコルデータユニット(PDU)を交換することができる。本開示では、「パケット」という用語は、RLCピアエンティティ間で交換される任意のRLC PDUを指していてもよい。
【0038】
MACサブレイヤ410は、論理チャネルと輸送チャネルとの間の多重化を行う。MACサブレイヤ410は、UE間の1つのセルにおいて様々な無線リソース(たとえば、リソースブロック)を割り当てることを担当している。MACサブレイヤ410は、HARQ動作を担当している。
【0039】
図5は、例示的なUE550と通信している例示的なノードB510のブロック図であり、ノードB510は
図1のノードB108であってもよく、UE550は
図1のUE110であってもよい。本開示の一態様では、UE550は装置200を用いて実装されるUE110とすることができる。ダウンリンク通信において、送信プロセッサ520は、データソース512からデータを受信することができ、コントローラ/プロセッサ540から制御信号を受信することができる。送信プロセッサ520は、データおよび制御信号、ならびに基準信号(たとえば、パイロット信号)のための様々な信号処理機能を提供する。たとえば、送信プロセッサ520は、誤り検出のための巡回冗長検査(CRC)コード、順方向誤り訂正(FEC)を容易にするための符号化およびインターリービング、様々な変調方式(たとえば、二位相偏移変調(BPSK)、四位相偏移変調(QPSK)、M位相偏移変調(M-PSK)、M直交振幅変調(M-QAM)など)に基づいた信号コンスタレーションへのマッピング、直交可変拡散率(OVSF)による拡散、および、一連のシンボルを生成するためのスクランブリングコードとの乗算を提供することができる。チャネルプロセッサ544からのチャネル推定値は、送信プロセッサ520のための符号化、変調、拡散、および/またはスクランブル方式を決定するために、コントローラ/プロセッサ540によって使用され得る。これらのチャネル推定値は、UE550によって送信された基準信号から、またはUE550からのフィードバックから、導出され得る。送信プロセッサ520によって生成されたシンボルは、フレーム構造を作成するために、送信フレームプロセッサ530に提供される。送信フレームプロセッサ530は、コントローラ/プロセッサ540からの情報でシンボルを多重化することによって、このフレーム構造を作成し、一連のフレームが得られる。次いで、これらのフレームは送信機532に与えられ、送信機532は、アンテナ534を介したワイヤレス媒体によるダウンリンク送信のために、増幅、フィルタリング、およびフレームのキャリア上への変調を含む、様々な信号調整機能を提供する。アンテナ534は、たとえば、ビームステアリング双方向適応アンテナアレイまたは他の同様のビーム技術を含む、1つまたは複数のアンテナを含む場合がある。
【0040】
UE550において、受信機554は、アンテナ552を通じてダウンリンク送信を受信し、その送信を処理してキャリア上に変調された情報を復元する。受信機554によって復元された情報は、受信フレームプロセッサ560に与えられ、受信フレームプロセッサ560は、各フレームをパースし、フレームからの情報をチャネルプロセッサ594に与え、データ信号、制御信号、および基準信号を受信プロセッサ570に与える。次いで、受信プロセッサ570は、ノードB510中の送信プロセッサ520によって実行される処理の逆を実行する。より詳細には、受信プロセッサ570は、シンボルを逆スクランブルおよび逆拡散し、次いで、変調方式に基づいて、ノードB510によって送信された、最も可能性の高い信号コンスタレーションポイントを決定する。これらの軟判定は、チャネルプロセッサ594によって計算されたチャネル推定値に基づいている場合がある。軟判定は、次いで、データ、制御、および基準信号を回復するために、復号され、デインターリーブされる。CRCコードは、次いで、フレームが正常に復号されたかどうかを決定するためにチェックされる。次いで、復号に成功したフレームによって搬送されるデータがデータシンク572に与えられ、データシンク572は、UE550および/または様々なユーザインターフェース(たとえばディスプレイ)において実行されているアプリケーションを表す。復号に成功したフレームによって搬送される制御信号は、コントローラ/プロセッサ590に与えられる。フレームが受信機プロセッサ570によって正常に復号されないとき、コントローラ/プロセッサ590は、これらのフレームのための再送信要求をサポートするために、肯定応答(ACK)および/または否定応答(NACK)プロトコルを使用することもできる。
【0041】
アップリンクにおいて、データソース578からのデータ、および、コントローラ/プロセッサ590からの制御信号は、送信プロセッサ580に提供される。データソース578は、UE550において動作するアプリケーションと、様々なユーザインターフェース(たとえば、キーボード)とを表すことができる。ノードB510によるダウンリンク送信に関連して説明した機能性と同様に、送信プロセッサ580は、CRCコードと、FECを容易にするための符号化およびインターリービングと、信号配置に対するマッピングと、OVSFを用いる拡散と、一連のシンボルを生成するためのスクランブリングとを含む様々な信号処理機能を提供する。ノードB510によって送信される基準信号から、または、ノードB510によって送信されるミッドアンブル内に含まれるフィードバックからチャネルプロセッサ594によって導出されるチャネル推定値は、適切な符号化、変調、拡散、および/またはスクランブリング方式を選択するために使用され得る。送信プロセッサ580によって生成されるシンボルは、フレーム構造を作成するために、送信フレームプロセッサ582に提供されることになる。送信フレームプロセッサ582は、コントローラ/プロセッサ590からの情報でシンボルを多重化することによって、このフレーム構造を作成し、一連のフレームが得られる。次いで、これらのフレームは送信機556に与えられ、送信機556は、アンテナ552を介したワイヤレス媒体によるアップリンク送信のために、増幅、フィルタリング、およびフレームのキャリア上への変調を含む、様々な信号調整機能を提供する。
【0042】
アップリンク送信は、UE550における受信機機能に関して説明した方式と同様の方式で、ノードB510において処理される。受信機535は、アンテナ534を介してアップリンク送信を受信し、キャリア上に変調された情報を回復するために送信を処理する。受信機535によって復元された情報は、受信フレームプロセッサ536に与えられ、受信フレームプロセッサ560は、各フレームをパースし、フレームからの情報をチャネルプロセッサ544に与え、データ信号、制御信号、および基準信号を受信プロセッサ538に与える。受信プロセッサ538は、UE550中の送信プロセッサ580によって実行される処理の逆を実行する。正常に復号されたフレームによって搬送されたデータおよび制御信号は、次いで、それぞれ、データシンク539とコントローラ/プロセッサとに提供され得る。フレームのいくつかが受信プロセッサによって正常に復号されなかった場合、コントローラ/プロセッサ540は、これらのフレームのための再送信要求をサポートするために、肯定応答(ACK)および/または否定応答(NACK)プロトコルを使用することもできる。
【0043】
コントローラ/プロセッサ540およびコントローラ/プロセッサ590は、それぞれノードB510およびUE550での動作を指示するために使用することができる。たとえば、コントローラ/プロセッサ540および590は、タイミングと、周辺インターフェースと、電圧制御と、電力管理と、他の制御機能とを含む様々な機能を提供することができる。メモリ542および592のコンピュータ可読媒体は、それぞれノードB510およびUE550のためのデータおよびソフトウェアを記憶することができる。ノードB510におけるスケジューラ/プロセッサ546は、UEにリソースを割り当て、UEのためのダウンリンク送信および/またはアップリンク送信をスケジュールするために使用され得る。
【0044】
UMTSシステム(たとえば、システム100)において、トランスポートチャネルは、物理レイヤが上位レイヤに提供するサービスである。専用チャネル(DCH)は、トランスポートチャネルの1つである。1つの送信時間間隔(以下「TTI」)内に、物理レイヤ406は、1つまたは複数のトランスポートチャネルにおいてトランスポートブロックをMACレイヤ410と交換する。トランスポートチャネルの1つのTTI内のトランスポートブロックのセットは、トランスポートブロックセットと呼ばれる。トランスポートチャネルでは、トランスポートフォーマット(以下「TF」)は、1つのTTI内の物理レイヤ406とMACレイヤ410との間のデータ交換のために使用されるフォーマットを指す。各トランスポートチャネルに対応するトランスポートフォーマットのセットは、トランスポートフォーマットセットと呼ばれる。トランスポートフォーマットセットにおける各TFの数は、トランスポートフォーマットインジケータ(以下「TFI」)と呼ばれる。1つのトランスポートチャネルのTFの1つの組合せは、トランスポートフォーマット組合せ(以下「TFC」)と呼ばれる。物理レイヤ406は、トランスポートフォーマット組合せインジケータ(TFCI)を生成するために、異なるトランスポートチャネルからのTFI情報を結合する。TFCIは、受信機が専用物理データチャネル(DPDCH)においてデータを正しく受信することができるように、どのトランスポートチャネルが現在のフレームのためにアクティブであるかを受信機に知らせるために、物理制御チャネルにおいて送信される。受信されたTFCIで、受信端が各トランスポートチャネルに含まれる情報を復号することができるように、各トランスポートチャネルのTFIが取得され得る。既存のUMTSシステムにおいて、TFCIおよびそれに対応するDPDCHは、同時にまたは並行して送信される。
【0045】
HSPAにおいて、専用トランスポートチャネルである拡張DCH(E-DCH)などいくつかのチャネルが導入される。いくつかのDCHおよびE-DCHは、UEのアップリンクトランスポートチャネルに存在し得る。DCHと同様、E-DCHは、様々なTFのいくつかのトランスポートブロックを送信するために使用され得る。拡張トランスポートフォーマット組合せインジケータ(E-TFCI)は、TFCIと同様、E-DCHの拡張アップリンクTFC(E-TFC)を示す。UEは、少なくともUEの最大送信電力に基づいてDCHに利用可能なTFCを決定する。TFCは、DCHのための利用可能なTFCから選択される。TFC選択後の残存電力に基づいて、E-DCHに利用可能なE-TFCが選択される。
【0046】
UE(たとえば、UE110)は、アップリンク送信において最小セットのTFC、最小セットのE-TFC、または両方の最小セットを送信する能力を有し得る。これらの最小セットは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる3GPP技術仕様書(TS)25.331において詳細に説明されている。UEが最小セットのTFCを送信するように構成されているとき、UEは、最小セットのTFCモードで動作している。さらに、UEが最小セットのE-TFCを送信するように構成されているとき、UEは、最小セットのE-TFCモードで動作している。さらに、UEは、複数の無線アクセスベアラ(マルチRAB)モードで両方の最小セット(TFCおよびE-TFC)を送信するように構成され得る。これらのモードで、UEの総送信(Tx)電力が、ネットワークによって決定され得る最大許容値を超えると、UEは、HS-DPCCH上の送信に加えて、最小セットのTFC/E-TFCデータをサポートするために、電力スケーリングを適用する。
【0047】
たとえば、3GPP技術仕様書25.214(TS 25.214)によれば、(DPCCH電力調整および利得係数を適用した後)総UE送信電力が最大許容値(すなわち、Tx電力制限)を超えると、UEは、それが最大許容電力を超えないように、追加のスケーリングを総送信電力に適用する。たとえば、DPCCHとDPDCHと間の電力比、さらにDPCCHとHS-DPCCHとの間の電力比が維持され得る(たとえば、3GPP TS 25.214の5.1.2.5節および5.1.2.5A節参照)。総送信電力の任意の追加のスケーリングのために、DPCCHとDPDCHとの間、DPCCHとHS-DPCCHとの間、およびDPCCHとE-DPCCHとの間の電力比が維持され得る(3GPP TS 25.214の5.1.2.5節、5.1.2.5A節、および5.1.2.5B.1節参照)。たとえば、TFCごとに利得係数β
cおよびβ
dを変えることによって、DPCCHとDPDCHとの間の相対的な電力が制御され得る。また、利得係数β
hsおよびβ
cを変えることによって、HS-DPCCHとDPCCHとの間の相対的な電力が制御され得る。これらの利得係数は、3GPP TS 25.214において詳細に定義される。
【0048】
電力スケーリングにより、HS-DPCCHのデータがネットワーク側(受信端)において確実に復号されない可能性がある。たとえば、HS-DPCCHのHARQ ACKが不連続送信(DTX)として復号される場合、ネットワークは、肯定応答されたデータを再送信することになり得る、データは重複データとして復号され、UEによって破棄される。これは、無線リソースの準最適の使用、およびUEにおける劣化した有効なデータスループットになり、これは、ピークの電力範囲においてすでに動作している。別の例では、HS-DPCCHのHARQ NAKがHARQ ACKとして復号される場合、ネットワークは、新しいデータを送信することになり得るが、UEでは前のHARQ TTIデータを破棄することになる。
【0049】
特に、シグナリング無線ベアラ(SRB)がHS-DPCCHを通じて運ばれる場合、電力スケーリングのためにネットワーク受信端におけるHS-DPCCH性能の信頼性の任意の低下が、コールドロップ、シグナリングオーバーヘッドの増加(たとえば、二重の送信または繰り返されるRLCレベルの再送)、および無線リソース利用の低下をもたらし得るシグナリングメッセージの損失をもたらし得る。
【0050】
本開示の態様によれば、UEは、HARQフィードバック情報(たとえば、ACK/NAK送信)がフレームに存在するとき、任意の電力スケーリングを回避するために、次のフレーム(TTI)におけるアップリンクデータの構築を回避する、または控えるように構成される。
図6は、本開示の一態様による、UEにおいて動作可能なワイヤレス通信の方法600を示すフローチャートである。本開示の一態様では、方法600は、
図1に図示したUE110、または
図5に図示したUE550で動作可能であり得る。本開示の別の態様では、方法600は、装置100など適切な任意の装置によって実行され得る。ブロック602で、UEは、ある送信時間間隔(TTI)でのアップリンク高速専用物理制御チャネル(HS-DPCCH)における送信に関して第1のデータをスケジュールすることを決定する。
図7を参照すると、第1のデータは、HARQフィードバック情報またはCQI702でもよい。一例では、HARQフィードバック情報は、HS-DPCCHにおける送信のためのHARQ ACKまたはNACKであり得る。
【0051】
ブロック604で、UEは、同一のTTIでのアップリンクデータチャネルにおける送信に関して第2のデータをスケジュールすることを決定する。本開示の態様では、アップリンクデータチャネルは、
図7のDCHまたはE-DCH704とすることができる。ブロック606で、第1のデータおよび第2のデータを並行して送信する(
図7参照)とき、UEが送信電力制限される(すなわち、Tx電力がUEの最大Tx電力よりも大きい)場合、UEは、TTIの間に送信する第2のデータを構築することを控える(または回避する)ことができる。方法600によれば、UEの総送信電力は、HARQフィードバック情報またはCQIと並行してアップリンクデータを送信しないことによって低減され得る。したがって、UEは、電力スケーリングをHS-DPCCH上の送信に適用することを回避することができる。
【0052】
図8は、本開示の態様による、電力スケーリングを回避するためにUEにおけるアップリンクデータ送信を制御する方法800を示すフローチャートである。本開示の一態様では、方法800は、
図1に図示したUE110、または
図5に図示したUE550で動作可能であり得る。本開示の別の態様では、方法800は、装置200など適切な任意の装置によって実行され得る。
図8を参照すると、ブロック802で、UEは、以下のモード、a)最小セットのE-TFCモード(アップリンクにおけるE-DCH)、b)最小セットのTFCモード(アップリンクにおけるDCH)、またはc)マルチRABモードでの両方の最小セットのE-TFC/TFCモードのうちの1つで動作している可能性がある。ブロック804で、あるTTI(たとえば、次回のTTI)におけるHS-DPCCH上のアップリンク送信があるかどうかが判断される。たとえば、送信は、
図7に図示したHARQフィードバック情報またはCQI702であってよい。HARQフィードバック情報は、以前のTTIで受信されたデータについてのHARQ ACK/NAK送信であり得る。たとえば、UEのファームウェアは、HS-DPCCHでの送信のためにスケジュールされたHARQ ACK/NAK情報の存在を示すように構成され得る。
【0053】
ブロック806で、UEが最小セットのTFCモードおよび/または最小セットのE-TFCモードで動作しているかどうかが判断される。UEが最小セットのTFCモードおよび/または最小セットのE-TFCモードで動作しており、データがHS-DPCCHでの送信のためにスケジュールされている場合、UEは、ブロック808で、DCHおよび/またはE-DCHでの同じ次回のTTIでの送信のためのアップリンクデータ(存在する場合)の構築を回避するまたは控えることができる。したがって、アップリンクデータを送信するための電力は必要ないので、電力スケーリングは、回避され得る。UEが最小セットのTFC/E-TFCモードで動作していない、またはアップリンクデータがHS-DPCCHでの送信のためにスケジュールされていない場合、UEは、ブロック810で、次回のフレームでのDCHおよび/またはE-DCH上の送信のためのアップリンクデータ(存在する場合)を構築することができる。
【0054】
方法800によれば、シグナリング無線ベアラ(SRB)がHSPAチャネル(たとえば、HS-DPCCH)を介して送信されるとき、HSPAチャネル上の任意の性能の向上は、呼の性能の直接的な向上およびシグナリング負荷の低減をもたらし得る。本開示の様々な態様では、方法800は、ダウンリンクSRBトラフィックのみに適用され得、またはデータ無線ベアラにも拡張され得る。本開示のいくつかの態様では、方法800は、チャネル品質インジケータ(CQI)(たとえば、
図7のCQI702)のみを担持するHS-DPCCHに拡張され得る。たとえば、CQIがHS-DPCCH上で送信されるとき、UEは、DCHおよび/またはE-DCH上でアップリンクデータを送ることを回避する、または控えることができる。方法800は、ネットワーク側の任意の仕様の変化なしに、UEで実施され得る。
【0055】
本開示の他の態様によれば、UEは、非HS DPCCH(たとえば、以下「DPCCH」と呼ばれる3GPP Release 99 DPCCH)送信よりもHS-DPCCH送信を優先させることができる。本開示の一態様では、この技法は、UEが送信電力制限されるとき、DPCCHの非パイロットビットの送信電力を低減することによって実行され得る。たとえば、UL DPCCHの非パイロットビットは、送信電力制御(TPC)ビット、TFCIビット、およびフィードバック情報(FBI)ビットを含む。
【0056】
図9は、それぞれ一例および本開示の一態様による、UL DPCCHおよびHS-DPCCHの結合された送信電力を示す概念図である。電力割振り方式900では、UL DPCCHのパイロットビット904および非パイロットビット906は、同一のTTIにおいて並行して、HS-DPCCHがHARQフィードバック情報908(たとえば、ACKまたはNAK)またはCQIを送信しているとき、同じ電力レベルで送信される。しかしながら、本開示の一態様による電力割振り方式902では、一部のUL DPCCHデータは、低減した電力レベルで送信される。たとえば、非パイロットビット910の送信電力(たとえば、TPCおよびTFCI)は、同一のTTIにおけるパイロットビット911のものよりも少ない。したがって、より多くの送信電力912は、TTIの時間間隔914の間のHS-DPCCH送信に割り当てられ得る。したがって、電力スケーリングが回避され得る。両方の方式において、UL DPCCHおよびHS-DPCCHの結合された送信電力は、UEの最大送信(Tx)電力を超えることはできない。
【0057】
図10は、本開示の一態様による、UEにおいて動作可能なワイヤレス通信の方法1000を示すフローチャートである。本開示の一態様では、方法1000は、
図1に図示したUE110、または
図5に図示したUE550で動作可能であり得る。本開示の別の態様では、方法1000は、装置200など適切な任意の装置によって実行され得る。たとえば、UEは、HS-DPCCH上で第1のデータを送信し、並行して、UL DPCCH(たとえば、Release 99 DPCCH)上で第2のデータを送信するようにスケジュールされる。ブロック1002で、UEは、あるTTIにおいてHS-DPCCH上で第1のデータを送信する。ブロック1004で、UEは、同一のTTIにおいて専用物理制御チャネル(DPCCH)上で第2のデータを送信する。第2のデータは、第1の電力レベルで送信される第1の部分と、所定の量だけ第1の電力レベルよりも少ない第2の電力レベルで送信される第2の部分とを含む。この場合、UEは、送信電力制限され得る。したがって、UEは、電力スケーリングを回避するために、UL DPCCH上の非パイロットビット(たとえば、
図9の非パイロットビット910)の送信電力を低減することができる。一例では、非パイロットビットは、TCPビット、TFCIビット、およびFBIビットとすることができる。
【0058】
本開示の様々な態様によれば、呼に関係する受信デバイスは、受信メッセージに応答して送られるNACKメッセージの送信電力を選択的にブーストするように構成される。したがって、受信デバイスは、呼の保持の向上および/またはコールドロップの低減を経験することができ、それによって、通信ネットワークの動作が向上し、受信デバイスと送信デバイスの両方のユーザのユーザエクスペリエンスが向上する。
【0059】
図11は、本開示の一態様による、送信デバイス108からの呼でメッセージ1106が受信されたことに応答して送られるNACKメッセージ1104の送信電力を選択的にブーストするように構成される受信デバイス1102を含むワイヤレス通信システム1100を示す概念図である。本開示の一態様では、受信デバイス1102は、
図1または
図5に図示したUEでもよく、送信デバイス1108は、
図1または
図5に図示したノードBでもよい。本開示の他の態様では、送信デバイス1108は、UEでもよく、受信デバイス1102は、基地局でもよい。しかしながら、受信デバイス1102および送信デバイス1108は、ワイヤレスに関係する任意の2つのデバイスとすることができることに留意されたい。
【0060】
送信デバイス1108は、メッセージ1106を受信デバイス1102に送信するように構成される送信機構成要素1110、および受信デバイス1102からNACKメッセージ1104を受信するように構成される受信機構成要素1112を含む。同様に、受信デバイス1102は、メッセージ1106を送信デバイス1108から受信するように構成される受信機構成要素1114、および送信デバイス1108にNACKメッセージ1104を送信するように構成される送信機構成要素1116を含む。本開示の一態様では、送信デバイス1108の送信機構成要素1110および受信機構成要素1112、ならびに受信デバイス1102の受信機構成要素1114および送信機構成要素1116は、それぞれ信号を送信または受信するように構成される送信チェーンおよび受信チェーン構成要素ならびにトランシーバを含み得る。
【0061】
メッセージ1106は、たとえば、メッセージ1106が適切に受信されなかったことを示すためのNACKメッセージ1104などの応答を提供することを受信デバイスに要求するメッセージの一種である、フィードバック応答メッセージを含む。メッセージ1104は、メッセージ1106が適切に受信されたことを示すための肯定応答(ACK)メッセージを随意に含み得る。本開示の一態様では、送信デバイス1108におけるNACKメッセージ1104の受信は、メッセージ1106を再送信するように送信デバイスをトリガする。さらに、ACKメッセージの受信によって、送信デバイス1108は、受信デバイス1102によるメッセージ1106の受信を確認することができ、また、たとえば再送信キューまたはバッファから、メッセージ1106の任意の記憶されたコピーをクリアするように送信デバイス1108をトリガすることもできる。
【0062】
本開示のいくつかの態様によれば、受信デバイス1102は、メッセージ1106の処理に基づいて、応答を送るべきかどうか、およびどんなタイプの応答を送るべきかを判断するように構成される応答決定器構成要素1118を含む。たとえば、応答決定器構成要素1118は、メッセージ1106における誤り検査、たとえば、限定はしないが巡回冗長検査(CRC)などを実行することができ、またはさもなければ、メッセージ1106を適切に復号または理解できないことを決定し得る。そのような誤りを検出すると、応答決定器構成要素1118は、NACK応答1120を決定し、それによって、NACKメッセージ1104の生成および送信がもたらされる。対照的に、本開示の他の態様によれば、応答決定器構成要素1118が誤りを検出しないとき、またはメッセージ1106がさもなければ適切に受信され、復号されることを検出するとき、応答決定器構成要素1118は、応答が必要ないこと、またはACK応答が送られなければならないことを決定し得、それによって、ACKメッセージの生成および送信が行われる。
【0063】
さらに、受信デバイス1102は、送信機構成要素1116によって送られる信号の送信電力レベルを選択的に調整するように構成される送信電力決定器構成要素1122を含む。特に、本開示のいくつかの態様によれば、NACK応答1120の決定を検出するとき、またはNACKメッセージを送信するときはいつでも、送信電力決定器1122は、NACKメッセージ1104の送信電力レベルを増加させるために、NACK送信電力ブースト1124を適用する。たとえば、送信電力決定器構成要素1122および/またはNACK送信電力ブースト1124は、第1の電力レベルから第2の電力レベルまで、NACKメッセージ1104の送信電力の増加をもたらし得、ここにおいて、第1の電力レベルは、NACKメッセージのためのネットワーク指定の電力レベルに対応し、第2の電力レベルは、第1の電力レベルよりも大きい。
【0064】
対照的に、ACK応答の決定を検出するとき、またはACKメッセージを送信するときはいつでも、送信電力決定器構成要素1122は、任意のブーストまたは電力の増加を適用することなく、ネットワーク指定の送信電力レベル(NACKメッセージのものと比較して、ACKメッセージでは異なり得る)を適用することができる。メッセージ1106がすでに適切に受信されているので、ACKメッセージの送信電力を増加させることが必要ではない場合があり、送信デバイス1108によるACKメッセージの受信の任意の欠如によってメッセージ1106の不必要な再送信が生じる場合があることに留意されたい。一方、送信デバイス1108によるNACKメッセージ1104の適切な受信の欠如は、コールドロップにつながり得る。したがって、NACKメッセージ104の送信電力をネットワーク指定の送信電力レベルを上回るレベルに増加させることによって、送信電力決定器構成要素1122は、NACKメッセージ1104が送信デバイス1108によって受信されることを確実にするのを助け、それによって呼の保持を助け、および/またはコールドロップを回避することができる。
【0065】
さらに、送信電力決定器構成要素1122は、受信デバイス1102に、たとえば、NACK送信電力ブースト1124に対応する第2の電力レベルを、所与の時間期間の間、維持させ得る。たとえば、それには限定されないが、これは、たとえば、受信デバイス1102からの再構成完了メッセージなどのアップリンクシグナリング無線ベアラメッセージに対応する送信デバイス1108からのレイヤ2(L2)ACKメッセージがダウンリンクにおいて欠けている使用事例に適用され得る。したがって、これによって、受信デバイス1102は、所与の時間期間にわたって送られる複数のメッセージに基づいて、送信デバイス1108にNACKメッセージに対応するメッセージを再送信させることを試みることができる。
【0066】
本開示の別の態様では、受信デバイス1102は、メッセージ1106が優先度タイプ1128の送信ブロックのものであることを決定するように構成されるタイプ決定器構成要素1126を随意に含み得る。本明細書で使用する、優先度タイプの送信ブロックは、限定はしないが、たとえば、(データを含む送信ブロックよりも一般的にサイズが小さい)シグナリング情報などあるタイプの情報を示し得る送信ブロックサイズしきい値よりも小さい送信ブロックサイズを有する送信ブロック、またはシグナリング無線ベアラ(SRB)送信ブロックもしくは高速(HS)チャネルを介して受信されたSRB送信ブロックを含む送信ブロック、または送信ブロックがたとえば音声通話情報など時間依存の情報を含むとき、または送信ブロックがあらかじめ定められた特定用途向け情報に対応するとき、または送信ブロックが所与のキュー識別子(QID)に対応すると決定されたとき、または、たとえば、UEが基地局のセル端にあるなど、受信デバイス1102が送信デバイス1108に対して通信範囲の端部にあることが決定されたとき、のうちの1つまたは複数を含み得る。したがって、本開示の一態様では、送信電力決定器構成要素1122は、メッセージ106がある優先度タイプ1128の送信ブロックを有していると決定することに基づいて、第1の電力レベルから第2の電力レベルに送信電力を増加させるようにさらに構成され得る。
【0067】
したがって、本開示の様々な態様によれば、受信デバイス1102は、受信メッセージに応答して送られるNACKメッセージの送信電力を選択的にブーストするように構成され、これは、呼の保持を向上させ、および/またはコールドロップを低下させ得る、あるいはさもなければ通信ネットワークの動作を向上させ、受信デバイス1102と送信デバイス1108の両方のユーザのユーザエクスペリエンスを向上させ得る。
【0068】
図12を参照すると、制限として解釈されないものとする特定の使用事例の一例では、NACKメッセージ1202は、アップリンクのHS-PDCCHチャネルにおいて送られ、ここにおいて、NACKメッセージ1202は、
図11の受信デバイス1102と送信デバイス1108との間の高速(HS)呼における、たとえば、HS-SCCHチャネル上のサブフレーム#205など、シグナリング無線ベアラ(SRB)を含むダウンリンクシグナリング送信ブロックに対応する。この場合、受信デバイス1102および送信デバイス1108は、それぞれ、HS呼を確立したUEおよびノードBとすることができ、NACKメッセージ1202は、HS-PDSCHチャネル上のサブフレーム#205でのCRC誤り1204に基づく。したがって、HS-PDCCHチャネル上のサブフレーム204と206との間のNACKメッセージ1202は、ブーストされた電力で送信される。すなわち、NACKメッセージ1202は、NACKメッセージのためのネットワーク指定の電力レベルを上回る送信電力レベルで送信され得る。
【0069】
たとえば、HS呼で、ネットワーク指定の電力レベルは、メッセージのRadioBearerSetupまたはRadioBearerReconfigurationタイプの(たとえば、ACK、NACKおよびCQIなど)HS-DPCCHの異なるメトリックのための電力オフセットを指定することができるRNCによって設定され得る。(UL-DPCCHに関する)そのような電力オフセットは、delta_ACK、delta_NACK、およびdelta_CQIと識別され得、UEは、それぞれの構成要素のための実際のHSゲイン(Beta_hsとしても知られる)に変換する。この変換の詳細は、3GPP技術仕様書25.213および25.214において提供される。本開示のいくつかの態様では、NACK送信電力ブースト1124および/または第1の送信電力レベルから第2の電力レベルにNACK送信電力を増加させることは、電力オフセットに加えて余分の電力値を追加することを含む。たとえば、NACK送信電力ブースト1124または余分の電力値は、限定はしないが、ネットワーク指定のNACK電力レベルに加えて、0.5デシベル(dB)から最高数dBに及ぶ値を含み得る。したがって、HS-PDCCHチャネル上のNACKメッセージ1202の送信電力のブーストは、NACKメッセージが送信デバイス1108によってACKメッセージまたはErasureとして解釈される確率を低下させることによって、コールドロップを軽減することができる。
【0070】
図13は、本開示の一態様による、NACKメッセージの送信電力を選択的にブーストする方法1300を示すフローチャートである。方法1300は、
図11の受信デバイス1102または
図1および
図5に図示したUEによって実行され得る。ブロック1310で、送信デバイスからのメッセージは、受信デバイスで受信され、ここにおいて、メッセージは、少なくとも否定応答(NACK)メッセージを含むフィードバック応答メッセージを要求する。NACKメッセージは、メッセージが適切に受信されなかったことを示す。本開示の一態様では、受信デバイス1102は、送信デバイス1108からメッセージ1106を受信するように構成される受信機構成要素1114を含み得、メッセージ1106は、フィードバック応答が送られるメッセージの一種である。
【0071】
ブロック1320で、受信デバイスで、およびメッセージに基づいて、フィードバック応答メッセージがNACKメッセージを含むと決定される。本開示の一態様では、受信デバイス1102は、少なくともメッセージ1106が適切に受信されなかったことを決定し、それによってNACKメッセージ1104を生成するように構成される応答決定器構成要素1118を含み得る。
【0072】
随意に、ブロック1330で、メッセージが優先度タイプの送信ブロックのものであると決定される。本開示の一態様では、タイプ決定器構成要素1126は、メッセージ1106が優先度タイプ1128の送信ブロックを含むと決定するように構成される。
【0073】
たとえば、いくつかの場合には、いくつかのNACKメッセージは、他よりも高い優先度が与えられ得る。たとえば、大部分のシグナリングベアラは、時間依存である。それらは、UEおよび基地局が、たとえばアクティブ化時間など、明記された時間内に完了しなければならないいくつかのL3手順を伴う。これは、呼のHSタイプにおけるSRBのためにさらに関連し得、ここにおいて、UEは、シグナリングトラフィックのための他のセルからのダイバーシティ利得のいかなる機会も有していない。たとえば、サービングセル変更手順で、RNCは、アクティブ化時間の直後に新しいセルに切り替え、新しいセルからのすべての将来のシグナリング情報のディスパッチを開始するので、UEがタイムリーにサービングセル変更手順を完了することに失敗した場合、UEは、依然として以前のサービングセルに遅れをとっている場合がある。これは、UEとRNCとの間のシグナリングの完全な切断を作ることができ、これは、最終的に、および確実に(潜在的なRLCリセットのためのRLCレイヤからの影響に加えて)コールドロップをもたらす。
【0074】
さらに、たとえば、優先度タイプ1128の送信ブロックは、送信ブロックサイズ、または送信ブロックがSRBであるかどうか、または送信ブロックが所与のQIDもしくは特定のアプリケーションに対応すると決定されるかどうかのうちの1つもしくは複数に基づき得る。
【0075】
加えて、受信デバイス1102がカバレージシナリオのエッジにあるとき、またはUEが基地局のセルエッジにあるとき、それらがNACKメッセージに対応するとき、送信ブロックは、優先度タイプ1128のものであると決定され得る。
【0076】
ブロック1340で、送信電力は、フィードバック応答メッセージがNACKメッセージを含むと決定することに基づいて、第1の電力レベルから第2の電力レベルに増加される。第1の電力レベルは、NACKメッセージのネットワーク指定の電力レベルに対応し、第2の電力レベルは、第1の電力レベルよりも大きい。本開示の一態様では、送信電力決定器構成要素1122は、示されたNACK応答1120または任意のNACKメッセージに基づいて、または、随意に、上述したように、優先度タイプ1128の送信ブロックに対応するNACKメッセージに基づいて、NACK送信電力ブースト1124を決定する。さらに、たとえば、受信デバイス1102が増加した電力で複数のNACKメッセージを送信することを可能にするために、NACK送信電力を増加させることは、所与の時間期間の間維持され得る。
【0077】
ブロック1350において、NACKメッセージは、第2の電力レベルで送信される。本開示の一態様では、受信デバイス1102は、本明細書に記載されたように、NACKメッセージ1104を送信するように構成される送信機構成要素1116を含む。
【0078】
したがって、非限定的な使用事例で、方法1300は、UL送信においてSRBのNACKが失われる確率を軽減するための方式を提供する。本開示の一態様では、UEは、NACKが送信されるサブフレームのためのみの、および随意に、あるしきい値未満の送信ブロック(TrBlk)のためのHS-DPCCHの電力を選択的にブーストすることができる。言い換えれば、NACKの送信電力は、たとえば、増加されたDelta_NACK(たとえば、NACKのためのBetaHS)など、ある量のdBだけブーストされ得る。たとえば、本開示の一態様では、対応するTrBlkは、適格であるためにあるしきい値未満でなければならず、ここにおいて、より短いしきい値は、SRBを表す。より短いTrBlkの関係性は、一般に、SRBトラフィックを運ぶTrBlkがパケット交換(PS)トラフィックを運ぶTrBlksよりもかなり小さいということである。しかしながら、アプリケーションに基づいてPSトラフィックのためのいくつかの小さいTrBlkが依然としてあり得、この方式は、さらなる条件が課されない限り、それらの利益にもなり得る。
【0079】
たとえば、いくつかの態様では、本装置および方法は、どのQIDおよびどんなTrBlkがSRBであるかを正確に識別するように構成され得、その結果、この機構は、その特定のサイズのためにだけ適用され得る。したがって、この場合、しきい値未満の長さを有する一般的なTrBlkのためにNACK送信電力ブーストを適用する必要はない。
【0080】
本開示の別の態様では、UEは、一般にサービス信頼性を向上させるために、セルエッジエリアのためのNACK送信をブーストすることもできる。たとえば、セルエッジを測定するために、UEは、受信信号コード電力(RSCP)メトリック(または、別々に、受信自動利得制御(RxAGC)、共通パイロットチャネル(CPICH)Ec/Ioなど、その構成要素メトリック)を使用し、メトリックがあるしきい値未満になると、UEがセルエッジにあると決定することができる。また、大部分のノードBがCQIを最後の受信に成功した値から推定するので、(任意の無線ベアラの)NACKがCQIよりも重要であり得るが、NACKからACKへの変換は、CQI値の損失よりも高コストであり得ることに留意されたい。
【0081】
本開示の別の態様では、SRBメッセージが受信されたときから、1つまたは複数の対応するNACKは、持続時間の間ブーストされる。たとえば、これは、ダウンリンク(DL)においてL2 ACKが欠けている場合、アップリンク(UL)SRB(たとえば、再構成完了メッセージ)のために適用され得る。
【0082】
加えて、上記のオプションのいくらかが実施されず、結果として、時として小さい送信ブロックサイズのPSトラフィックNACKがブーストされ得る場合であっても、そのようなNACKのブーストは、アプリケーションレイヤのために良好な結果があり得ることに留意されたい。
【0083】
W-CDMAシステムに関して電気通信システムのいくつかの態様を提示した。当業者なら容易に諒解するように、本開示全体にわたって説明する様々な態様は、他の電気通信システム、ネットワークアーキテクチャおよび通信規格に拡張され得る。
【0084】
例として、様々な態様は、TD-SCDMAおよびTD-CDMAなどの他のUMTSシステムに拡張され得る。様々な態様は、(FDD、TDD、または両モードにおける)ロングタームエボリューション(LTE)、(FDD、TDD、または両モードにおける)LTEアドバンスト(LTE-A)、CDMA2000、エボリューションデータオプティマイズド(EV-DO)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)、IEEE802.11(Wi-Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、ウルトラワイドバンド(UWB)、Bluetooth(登録商標)を用いるシステム、および/または他の適切なシステムにも拡張され得る。用いられる実際の遠隔通信規格、ネットワークアーキテクチャ、および/または通信規格は、特定の用途と、システムに課される全体的な設計制約とに依存することになる。
【0085】
開示した方法におけるステップの特定の順序または階層は例示的なプロセスの一例であることを理解されたい。設計の好みに基づいて、方法におけるステップの特定の順序または階層が再配置されてもよいことを理解されよう。付随の方法のクレームは、サンプルの順序で様々なステップの要素を示し、本明細書に特に定めがない限り、示された特定の順序または階層に限定されることは意味していない。
【0086】
前述の説明は、いかなる当業者も本明細書で説明する様々な態様を実施することを可能にするように与えられる。これらの態様への様々な修正形態は、当業者に容易に明らかになり、本明細書で定義した一般的な原理は、他の態様に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書に示された態様に限定されるものではないが、特許請求の範囲の言い回しと一致した全範囲に一致することになり、単数形の要素の参照は、特に別段の定めがない限り「ただ1つだけ」を意味するものではなく、むしろ「1つまたは複数の」を意味するものである。特に別段の定めがない限り、「いくつか(some)」という用語は、1つまたは複数を指す。項目のリスト「のうちの少なくとも1つ」という句は、単一のメンバーを含め、それらの項目の任意の組合せを指す。一例として、「a、b、またはcの少なくとも1つ」は、a、b、c、aおよびb、aおよびc、bおよびc、ならびにa、bおよびcを含むことが意図される。当業者に知られているまたは後で当業者に知られることになる、本開示全体にわたって説明する様々な態様の要素のすべての構造的等価物および機能的等価物は、参照により本明細書に明確に組み込まれ、特許請求の範囲によって包含されることが意図される。さらに、本明細書で開示するいかなる内容も、そのような開示が特許請求の範囲で明示的に記載されているかどうかにかかわらず、公に供することは意図されていない。請求項のいかなる要素も、「のための手段」という句を使用して要素が明示的に記載されていない限り、または方法クレームの場合に「のためのステップ」という句を使用して要素が記載されていない限り、米国特許法第112条第6項の規定に基づいて解釈されるべきではない。