特許第6184739号(P6184739)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6184739
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】駆動ユニット
(51)【国際特許分類】
   F16H 1/28 20060101AFI20170814BHJP
   B60J 5/10 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   F16H1/28
   B60J5/10 K
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-98846(P2013-98846)
(22)【出願日】2013年4月17日
(65)【公開番号】特開2013-221622(P2013-221622A)
(43)【公開日】2013年10月28日
【審査請求日】2016年3月4日
(31)【優先権主張番号】201210112252.4
(32)【優先日】2012年4月17日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】502458039
【氏名又は名称】ジョンソン エレクトリック ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(72)【発明者】
【氏名】ユエ ワン
(72)【発明者】
【氏名】シン ジュ イ
(72)【発明者】
【氏名】グオ ピン チャン
(72)【発明者】
【氏名】シャオ フイ ワン
(72)【発明者】
【氏名】ホン ユ ディン
(72)【発明者】
【氏名】ジン ニン タ
(72)【発明者】
【氏名】デニス フランシス ゴロジン
【審査官】 前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−311384(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0261572(US,A1)
【文献】 特開平6−337043(JP,A)
【文献】 特開平11−37226(JP,A)
【文献】 特開2008−263921(JP,A)
【文献】 特開2011−106227(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/069785(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 1/28
B60J 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータシャフトを有するモータと、
出力部と、
前記モータシャフトを前記出力部に接続する遊星ギア列と、
を備えた駆動ユニットであって、前記遊星ギア列が、
前記モータにより駆動される第1の太陽ギアと、
第1のリングギアと、
前記第1のリングギアに接続された第2のリングギアと、
第1のキャリアと、
前記第1のキャリアにより回転可能に支持され且つ前記第1のキャリアの一方側に配列されて前記第1の太陽ギア及び前記第1のリングギアと噛み合う複数の第1の遊星ギアと、
を含み、前記第1の太陽ギア及び前記第1の遊星ギアがヘリカル歯を有するヘリカルギアであり、該ヘリカル歯は、前記第1のリングギアの内面上に形成されて前記第1の遊星ギアのヘリカル歯と噛み合い、
前記第1のリングギアが、該第1のリングギアの一方の端部に形成された接続リングを含み、
前記第2のリングギアが、前記接続リングによって囲まれるフランジ部分を含み、
前記接続リングの内面及び前記フランジ部分の一方に半径方向凸状の軸方向位置決め面が形成され、
前記接続リングの内面及び前記フランジ部分の他方に半径方向凹状の軸方向位置決め面が形成されて前記凸状の軸方向位置決め面と嵌合する、駆動ユニット。
【請求項2】
前記第1のリングギアが、焼結粉体冶金によって製作される、請求項1に記載の駆動ユニット。
【請求項3】
前記モータの軸方向に延びる迅速位置合わせ構造が前記第1及び第2のリングギア間に形成される、請求項1又は2に記載の駆動ユニット。
【請求項4】
前記遊星ギア列を前記モータに固定するための接続要素を更に備える、請求項3に記載の駆動ユニット。
【請求項5】
軸受を保持するための取付要素と、
前記取付要素、前記第2のリングギア、前記第1のリングギア、及び前記接続要素を貫通してこれらを共に締結する複数のファスナーと、
を更に備える、請求項4に記載の駆動ユニット。
【請求項6】
前記モータの軸方向に延びる別の迅速位置合わせ構造が前記接続要素と前記第1のリングギアとの間に形成される、請求項4又は5に記載の駆動ユニット。
【請求項7】
前記第1のリングギアが、該第1のリングギアの軸方向両端部に形成されたノッチを含み、前記接続要素及び前記第2のリングギアが前記ノッチと噛み合うボスを有する、請求項4又は5に記載の駆動ユニット。
【請求項8】
前記第1のリングギアの軸方向両端部に接続リングが形成され、該接続リングが、前記接続要素のフランジ部分及び前記第2のリングギアのフランジ部分を囲み、前記接続リング及び前記フランジ部分内に半径方向の嵌め込み孔が形成され、対応する嵌め込み孔内にファスナーがそれぞれ配置されて、前記第1のリングギアを前記接続要素及び前記第2のリングギアに締結するようにする、請求項4〜7の何れか1項に記載の駆動ユニット。
【請求項9】
草刈り機であって、
主本体と、
主本体の下部に構成される車輪及びカッティング工具と、
前記主本体に取り付けられた、請求項1〜の何れか1項に記載の駆動ユニットと、
を備え、前記駆動ユニットの出力部が車輪の少なくとも1つに結合されて前記草刈り機を駆動する、草刈り機。
【請求項10】
車両のリフトゲート用の電動ストラットであって、
請求項1〜の何れか1項に記載の駆動ユニットと、
前記駆動ユニットを収容するハウジングと、
前記ストラットを前記車両に固定するマウントと、
内部ネジ付き中心孔を有し、前記ハウジングに回転可能に取り付けられて前記駆動ユニットの出力によって駆動されるランナーと、
前記ランナーの中心孔とネジ係合され且つ前記マウントの1つに固定され、前記ランナーの回転によって後退位置と延伸位置との間で前記ランナーを貫通して移動可能であるスピンドルと、
前記延伸位置に向けて前記ストラットを付勢するバネと、
を備える、電動ストラット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体的に駆動ユニットに関し、詳細には、遊星ギア列を備えた駆動ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
駆動ユニットは、電動草刈り機及び電動リフトゲートなど、多くの用途で広く使用されている。電動草刈り機において使用される駆動ユニットは、一般に、モータ及びギア減速ユニットを含む。ギア減速ユニットは、一般に、高速作動状態で大きなノイズを放出する。このようなノイズは、騒音公害とみなされる場合が多い。低作動速度を伴う他の用途では、ノイズはそれほど大きくはないが、乗用車における電動リフトゲートでの駆動ユニットにおけるような、静かな動作が望ましい場合には、依然として騒々し過ぎる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上のことから、より静かな駆動ユニットに対する要求がある。
【0004】
従って、その1つの態様において、本発明は、駆動ユニットを提供し、該駆動ユニットが、モータシャフトを有するモータと、出力部と、モータシャフトを出力部に接続する遊星ギア列と、を備え、遊星ギア列が、モータにより駆動される第1の太陽ギアと、第1のリングギアと、第1のキャリアと、第1のキャリアにより回転可能に支持され且つ第1のキャリアの一方側に配列されて第1の太陽ギア及び第1のリングギアと噛み合う複数の遊星ギアと、を含み、第1の太陽ギア及び第1の遊星ギアがヘリカル歯を有するヘリカルギアであり、該ヘリカル歯は、第1のリングギアの内面上に形成されて第1の遊星ギアのヘリカル歯と噛み合う。
【0005】
好ましくは、第1のリングギアは、焼結粉体冶金によって製作される。
【0006】
好ましくは、遊星ギア列は、第1のリングギアに接続された第2のリングギアを含み、モータの軸方向に延びる迅速位置合わせ構造が第1及び第2のリングギア間に形成される。
【0007】
好ましくは、遊星ギア列をモータに固定するための接続要素が設けられる。
【0008】
好ましくは、駆動ユニットは更に、軸受を保持するための取付要素と、取付要素、第2のリングギア、第1のリングギア、及び接続要素を貫通してこれらを共に締結する複数のファスナーと、を備える。
【0009】
好ましくは、モータの軸方向に延びる別の迅速位置合わせ構造が、接続要素と第1のリングギアとの間に形成される。
【0010】
好ましくは、第1のリングギアが、該第1のリングギアの軸方向両端部に形成されたノッチを含み、接続要素及び第2のリングギアが、ノッチと噛み合うボスを有する。
【0011】
好ましくは、第1のリングギアの軸方向両端部に接続リングが形成され、該接続リングが、接続要素のフランジ部分及び第2のリングギアのフランジ部分を囲み、接続リング及びフランジ部分内に半径方向の嵌め込み孔が形成され、対応する嵌め込み孔内にファスナーがそれぞれ配置されて、第1のリングギアを接続要素及び第2のリングギアに締結するようにする。
【0012】
好ましくは、第1のリングギアが、該第1のリングギアの一方の端部に形成された接続リングを含み、第2のリングギアが、接続リングによって囲まれるフランジを含み、接続リングの内面及びフランジ部分の一方に半径方向凸状の軸方向位置決め面が形成され、接続リングの内面及びフランジ部分の他方に半径方向凹状の軸方向位置決め面が形成されて凸状の軸方向位置決め面と嵌合する。
【0013】
別の態様において、本発明は、草刈り機を提供し、該草刈り機が、主本体と、主本体の下部に構成される車輪及びカッティング工具と、主本体に取り付けられた駆動ユニットと、を備え、駆動ユニットの出力部が車輪の少なくとも1つに結合されて草刈り機を駆動する。
【0014】
更に別の態様において、本発明は、車両のリフトゲート用の電動ストラットを提供し、該電動ストラットが、上述のような駆動ユニットと、駆動ユニットを収容するハウジングと、ストラットを車両に固定するマウントと、内部ネジ付き中心孔を有し、ハウジングに回転可能に取り付けられて駆動ユニットの出力によって駆動されるランナーと、ランナーの中心孔とネジ係合され且つマウントの1つに固定され、ランナーの回転によって後退位置と延伸位置との間でランナーを貫通して移動可能であるスピンドルと、延伸位置に向けてストラットを付勢するバネと、を備える。
【0015】
本発明の1つの実施形態において、第1の太陽ギア、第1の遊星ギア、及び第1のリングギアは、噛み合い面が増大するようにヘリカルギアである。従って、動作が安定し、ノイズが低下する。遊星ギアは、ノイズを更に低減するためにプラスチックで製作される。第1のリングギアは、コスト節減及び製造容易性を高めるために焼結粉末冶金により製作される。
【0016】
次に、添付図面を参照して本発明の種々の実施形態を例証として説明する。各図において、1つ以上の図面に現れる同一の構造体、要素又は部品は、一般的に、それらが現れる全ての図面において同じ参照番号で表記される。図示された構成要素及び特徴要素の寸法は、一般的に、便宜上及び表現を明確にするために選択されたものであり、必ずしも縮尺通りであるとは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の第1の例示的な実施形態による駆動ユニットを示す図である。
図2図1に示す駆動ユニットの断面図である。
図3図1に示す駆動ユニットの遊星ギア列の拡大断面図である。
図4図3の遊星ギア列の第1のリングギアを示す図である。
図5】別の方向から見た図4の第1のリングギアを示す図である。
図6図3の遊星ギア列の第2のリングギアを示す図である。
図7】本発明の第1の例示的な実施形態による駆動ユニットを備えた草刈り機を概略的に示す図である。
図8】本発明の第2の例示的な実施形態による駆動ユニットを示す図である。
図9図8の駆動ユニットの第1のリングギアを示す図である。
図10図8の駆動ユニットの第2のリングギアを示す図である。
図11図8の駆動ユニットの遊星ギア列の拡大断面図である。
図12】異なる角度から見た図11の遊星ギア列の別の断面図である。
図13】乗用車の電動リフトゲート組立体の概略図である。
図14図13のストラットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1〜6を参照すると、本発明の第1の好ましい実施形態による駆動ユニットは、モータ10と、減速遊星ギア列30と、遊星ギア列30をモータ10に固定する接続要素50とを備える。好ましくは、モータ10は、ブラシレス直流(BLDC)モータである。モータ10が他のタイプのモータであってもよい点は企図される。
【0019】
遊星ギア列30は、第1のリングギア32と、遊星ギア列30のハウジングを形成する第2のリングギア34と、第1のリングギア32及び第2のリングギア34内に受けられる複数の遊星ギアセット42、44、及び46とを備える。第1段遊星ギアセット42は、第1のリングギア32内部に配列される。第2段遊星ギアセット44及び第3段遊星ギアセット46は、第2のリングギア34内部に配列される。第1段遊星ギアセット42は、第1の太陽ギア422と、該第1の太陽ギア422と噛み合う複数の第1の遊星ギア424とを含む。第1の遊星ギア424はそれぞれ、第1のキャリア482の一方の側から延びる第1の差込部481に回転可能に取り付けられる。第1の遊星ギア424は、第1のリングギア32の内歯と噛み合うことにより、第1のリングギア32の内壁に沿って回転することができる。第2段遊星ギアセット44は、第2の太陽ギア442と、第2の太陽ギア442と噛み合う複数の第2の遊星ギア444とを含む。第2の遊星ギア444はそれぞれ、第2のキャリア484の一方の側から延びる第2の差込部483に回転可能に取り付けられる。第3段遊星ギアセット46は、第3の太陽ギア462と、該第3の太陽ギア462と噛み合う複数の第3の遊星ギア464とを含む。第3の遊星ギア464はそれぞれ、第3のキャリア486の一方の側から延びる第3の差込部485に回転可能に取り付けられる。第2の遊星ギア444及び第3の遊星ギア464は、第2のリングギア34の内歯と噛み合うことにより、第2のリングギア34の内壁に沿って回転することができる。
【0020】
第1段遊星ギアセット42は、モータ10(図11を参照)のシャフト12に接続される。具体的には、第1の太陽ギア422は、モータシャフト12に固定されて、該モータシャフト12と共に回転する。第2の太陽ギア442は、第1のキャリア482の他方の側に取り付けられ、第1のキャリア482と共に回転する。第3の太陽ギア462は、第2のキャリア484の他方の側に取り付けられ、第2のキャリア484と共に回転する。駆動ユニットは更に、出力シャフト70を含む。出力シャフト70の一方の端部は、第3のキャリア486に固定され、該第3のキャリアと共に回転し、出力シャフト70の他方の端部は、負荷に接続される。従って、モータ10の回転出力は、3つの遊星ギアセットによって出力シャフト70に伝達され、その結果、出力シャフト70により負荷が駆動される。
【0021】
第1の太陽ギア422、第1のリングギア32、及び第1の遊星ギア424はヘリカルギアである。ヘリカル歯322が第1のリングギア32の内面上に形成され、遊星ギア424のヘリカル歯と噛み合うようになる。このヘリカル歯であることに起因して、第1の太陽ギア422と第1の遊星ギア424との間の接触面、並びに第1の遊星ギア424と第1のリングギア32との間の接触面が増大する。従って、動作が安定し、ノイズが低下する。好ましくは、第1の遊星ギア424(高回転速度及び低トルク)は、ノイズを更に低減するためにプラスチックで製作される。通常、内面にヘリカル歯形を有するリングギアは、機械加工が困難であるが、第1のリングギア32は焼結粉末冶金により製作されるので、製造が容易で且つ低コストである。
【0022】
好ましくは、第2段遊星ギアセット44、第3段遊星ギアセット46、及び第2のリングギア34は、直線状歯を有するスパーギアである。第2の遊星ギア444及び第3の遊星ギア464、キャリア482、484、及び486、並びに第2のリングギア34は、焼結粉末冶金により製作される。第1の太陽ギア422は金属で製作される。第2の太陽ギア442及び第1のキャリア482は一体的に形成される。第3の太陽ギア462は、金属で製作され、第2のキャリアに取り付けられる。
【0023】
モータの軸方向に延びる迅速位置合わせ構造が、第1のリングギア32と第2のリングギア34との間に構成される。具体的には、ノッチ324が、第2のリングギア34に接続される端部内で第1のリングギア32内に形成される。ボス342が、第1のリングギア32に接続される端部において第2のリングギア34上に形成される。組立中、第1のリングギア32及び第2のリングギア34は、ノッチ324をボス342と組み合わせることにより、互いに迅速に位置合わせすることができる。
【0024】
更に、モータの軸方向に延びる迅速位置合わせ構造が、第1のリングギア32と接続要素50との間に形成される。具体的には、ノッチ326が、接続要素50に近接する端部にて第1のリングギア32内に形成される。ボス52が、第1のリングギア32に接続される端部において接続要素50上に形成される。組立中、第1のリングギア32及び接続要素50は、ノッチ326をボス52と組み合わせることにより、互いに迅速に位置合わせすることができる。
【0025】
駆動ユニットは更に、二重又は組み合わせ軸受82を保持するための取付要素80を含む。ボルト又はネジなどの複数のファスナー84は、取付要素80、第2のリングギア34、第1のリングギア32、及び接続要素50を軸方向で連続して貫通して、これらを共に締結する。出力シャフト70は、組み合わせ軸受82によって支持される。接続要素50は、ネジ(図示せず)などの追加のファスナーによりモータ端部キャップに固定される。
【0026】
図7は、第1の実施形態による駆動ユニットを備える草刈り機100を下方から見て概略的に示している。草刈り機100は、主本体110を備え、車輪120及びカッティング工具130が主本体110の下部に取り付けられる。駆動ユニットは、主本体110内に取り付けられる。駆動ユニットの出力シャフト70は、車輪120の少なくとも1つに直接又は間接的に接続されて車輪120を駆動し、草刈り機100が前方又は後方に移動できるようにする。
【0027】
図8図12は、本発明の第2の好ましい実施形態による駆動ユニットを示す。第2の実施形態による駆動ユニットは、第1のリングギア32の軸方向両端部に円弧状ノッチ324が形成され、接続要素50及び第2のリングギア34においてノッチ324に適合する円弧状ボス52、342が形成される点で、第1の実施形態による駆動ユニットとは異なる。組立中、第1のリングギア32は、ノッチ324とボス52、342を突き合わせることにより接続要素50及び第2のリングギア34と迅速に位置合わせすることができる。ノッチ324は、第1のリングギア32を型から取り出し易いように円弧状の形状にされている。2つの接続リング326が第1のリングギア32の軸方向端部にそれぞれ形成される。2つの接続リング326は、接続要素50のフランジ部分54及び第2のリングギア34のフランジ部分346それぞれを囲む。接続リング326及びフランジ部分54、346には半径方向に延びる嵌め込み孔327、547及び327、347が形成される。締結ピン60が嵌め込み孔に半径方向に圧入され、第1のリングギア32を取付要素50及び第2のリングギア34に締結する。取付要素80に接続される端部にて第2のリングギア34内に別の接続リング345が形成される。接続リング345は、取付要素80のフランジ部分86を囲み、半径方向締結ピン60により取付要素80のフランジ部分に固定される。
【0028】
また、モータの軸方向に延びる迅速位置合わせ構造が、第2のリングギア34と接続要素80との間に形成される(図8及び10を参照)。具体的には、ノッチ344が、接続要素80に接続される第2のリングギア34の端部に形成される。ボス(図8を参照)が、第2のリングギア34に近接した端部において接続要素80に形成される。組立中、第2のリングギア34及び接続要素80は、ノッチ344を接続要素80のボスと組み合わせることにより、互いに迅速に位置合わせすることができる。
【0029】
好ましくは、第1のリングギア32は、第2のリングギア34に接続された接続リング326の内面に形成される軸方向位置決め面328を含む。位置決め面328は、接続リング326の内面から半径方向及び軸方向に延びる。同様に、第2のリングギア34は、第1のリングギア32に接続された接続リング346内に形成される軸方向位置決め面348を含む。位置決め面328は半径方向に凸状であり、位置決め面348は半径方向に凹状で位置決め面328と嵌合し、第1のリングギア32及び第2のリングギア34を確実に同軸になるようにする。
【0030】
前述の実施形態による駆動ユニットは、車両における電動リフトゲートでの使用に特に好適である。
【0031】
図13は、車両の電動リフトゲートを示している。車両20は、リフトゲート21として知られる、垂直方向に開放する後部ドアを有する。リフトゲートは、電動ストラット22によって開閉される。ストラット22は、その軸方向長さを延伸及び後退させることによって、リフトゲートを開閉するよう電気的に作動する。
【0032】
ストラットは、図14においてより詳細に示されている。ストラット22は、本発明による駆動ユニットを収容したハウジング26を有する。ストラット22は、マウント27により車両に接続される。駆動ユニットは、モータ10を有し、ギア減速ユニット30を介して出力シャフト70を駆動する。出力シャフトは、軸受25により支持されたランナー24を駆動する。ランナーは、内部ネジ付き中心孔を有し、該孔がマウント27の1つに固定されるネジ付きスピンドル23を受け入れる。バネ28は、ストラットを完全延伸位置に向けて付勢し、リフトゲート21の重量を支持するのを助ける。使用時には、モータが作動すると、ランナー24を転回させる。スピンドルは、マウント27に接続されているため回転することができないので、ランナーとの間のネジ接続によって該ランナーの内外に移動し、従って、ストラット22を後退又は延伸させ、リフトゲート21を昇降させるようになる。
1つ又はそれ以上の好ましい実施形態に関して本発明を説明したが、様々な修正形態が実施可能である点は当業者には理解されるはずである。従って、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することにより決定されるものとする。
【0033】
本出願の明細書及び特許請求の範囲において、動詞「comprise」、「include」、「contain」、及び「have」の各々及びその変形は、包含的な意味で使用され、記述される項目の存在を指定するが、追加の項目の存在を除外するものではない。
【符号の説明】
【0034】
10 モータ
30 減速遊星ギア列
50 接続要素
70 出力シャフト
80 取付要素
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14