特許第6184785号(P6184785)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6184785
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】車両用自動変速機の遊星ギヤトレイン
(51)【国際特許分類】
   F16H 3/66 20060101AFI20170814BHJP
【FI】
   F16H3/66 A
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-150716(P2013-150716)
(22)【出願日】2013年7月19日
(65)【公開番号】特開2014-105861(P2014-105861A)
(43)【公開日】2014年6月9日
【審査請求日】2016年2月8日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0136460
(32)【優先日】2012年11月28日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(72)【発明者】
【氏名】イ、チャン、ウク
(72)【発明者】
【氏名】ソ、カン、ス
(72)【発明者】
【氏名】ノー、ミョン、フン
(72)【発明者】
【氏名】クク、ジェ、チャン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ヒュクジュン
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジョン、スル
【審査官】 高橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−023987(JP,A)
【文献】 特開2009−063138(JP,A)
【文献】 特開平04−285347(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 3/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの動力が伝達される第1軸;
前記第1軸と一定の間隔を置いて平行に配置される第2軸;
前記第1軸上に配置されており、前記第1軸と選択的に連結される第1回転要素と、前記第1軸と選択的に連結され、変速機ハウジングと選択的に連結される第2回転要素と、第3回転要素とを保有する第1遊星ギヤセット;
前記第2軸上に配置されており、前記第1軸と選択的に連結され、前記第1回転要素と連結され、変速機ハウジングと選択的に連結される第4回転要素と、前記第3回転要素と連結され、出力ギヤと直接連結される第5回転要素と、前記第1軸と選択的に連結される第6回転要素とを保有する第2遊星ギヤセット;
前記第1回転要素と第4回転要素を連結する第1トランスファギヤ;
前記第3回転要素と第5回転要素を連結する第2トランスファギヤ;
前記第1軸と第4回転要素を連結する第3トランスファギヤ;
前記第1軸と第6回転要素を連結する第4トランスファギヤ;及び
前記第1、第2、第4、第6回転要素を第1軸と選択的に連結するクラッチと、前記第2、第4回転要素を変速機ハウジングに選択的に連結するブレーキとから構成される摩擦要素;
を含むことを特徴とする、車両用自動変速機の遊星ギヤトレイン。
【請求項2】
前記第1遊星ギヤセットは、第1回転要素である第1サンギヤと、第2回転要素である第1遊星キャリアと、第3回転要素である第1リングギヤとを保有するシングルピニオン遊星ギヤセットから構成され、
前記第2遊星ギヤセットは、第4回転要素である第2サンギヤと、第5回転要素である第2遊星キャリアと、第6回転要素である第2リングギヤとを保有するシングルピニオン遊星ギヤセットから構成されることを特徴とする、請求項1に記載の車両用自動変速機の遊星ギヤトレイン。
【請求項3】
前記摩擦要素は、
第4トランスファギヤと第6回転要素の間に配置される第1クラッチ;
第3トランスファギヤと第4回転要素の間に配置される第2クラッチ;
第1軸と第1回転要素の間に配置される第3クラッチ;
第1軸と第2回転要素の間に配置される第4クラッチ;
第2回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第1ブレーキ;及び
第4回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第2ブレーキ;
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の車両用自動変速機の遊星ギヤトレイン。
【請求項4】
前進1速変速段は、第1クラッチと第1ブレーキが同時に作動して実現され、
前進2速変速段は、第1クラッチと第2ブレーキが同時に作動して実現され、
前進3速変速段は、第1クラッチと第2クラッチが同時に作動して実現され、
前進4速変速段は、第1クラッチと第3クラッチが同時に作動して実現され、
前進5速変速段は、第1クラッチと第4クラッチが同時に作動して実現され、
前進6速変速段は、第3クラッチと第4クラッチが同時に作動して実現され、
前進7速変速段は、第2クラッチと第4クラッチが同時に作動して実現され、
前進8速変速段は、第4クラッチと第2ブレーキが同時に作動して実現され、
後進1速変速段は、第2クラッチと第1ブレーキが同時に作動して実現され、
後進2速変速段は、第3クラッチと第1ブレーキが同時に作動して実現されることを特徴とする、請求項3に記載の車両用自動変速機の遊星ギヤトレイン。
【請求項5】
前記摩擦要素は、
第1軸と第4トランスファギヤの間に配置される第1クラッチ;
第3トランスファギヤと第4回転要素の間に配置される第2クラッチ;
第1軸と第1回転要素の間に配置される第3クラッチ;
第1軸と第2回転要素の間に配置される第4クラッチ;
第2回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第1ブレーキ;及び
第4回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第2ブレーキ;
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の車両用自動変速機の遊星ギヤトレイン。
【請求項6】
前記摩擦要素は、
第4トランスファギヤと第6回転要素の間に配置される第1クラッチ;
第1軸と第3トランスファギヤの間に配置される第2クラッチ;
第1軸と第1回転要素の間に配置される第3クラッチ;
第1軸と第2回転要素の間に配置される第4クラッチ;
第2回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第1ブレーキ;及び
第4回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第2ブレーキ;
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の車両用自動変速機の遊星ギヤトレイン。
【請求項7】
前記摩擦要素は、
第4トランスファギヤと第6回転要素の間に配置される第1クラッチ;
第3トランスファギヤと第4回転要素の間に配置される第2クラッチ;
第1軸と第1回転要素の間に配置される第3クラッチ;
第1軸と第2回転要素の間に配置される第4クラッチ;
第2回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第1ブレーキ;及び
第1回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第2ブレーキ;
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の車両用自動変速機の遊星ギヤトレイン。
【請求項8】
前記第1遊星ギヤセットは、第1回転要素である第1サンギヤと、第2回転要素である第1リングギヤと、第3回転要素である第1遊星キャリアとを保有するダブルピニオン遊星ギヤセットから構成され、
前記第2遊星ギヤセットは、第4回転要素である第2サンギヤと、第5回転要素である第2遊星キャリアと、第6回転要素である第2リングギヤとを保有するシングルピニオン遊星ギヤセットから構成される、請求項1に記載の車両用自動変速機の遊星ギヤトレイン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用自動変速機に関し、より詳しくは、搭載性と動力伝達性能を向上させ、燃費を低減できる、車両用自動変速機の遊星ギヤトレインに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動変速機の多段変速メカニズムは、複数の遊星ギヤセットと摩擦要素の組み合わせによって実現され、実現可能な変速段が多いほど、さらに適切な変速比の設計が可能であるだけでなく、動力性能及び燃費面に優れた車両を実現できるので、より多い変速段を実現できる自動変速機用遊星ギヤトレインの粘り強い研究が行われている。
このような遊星ギヤトレインは、同一変速段を実現しても、回転要素(サンギヤ、遊星キャリア、リングギヤ)の連結構成によって耐久性、動力伝達効率、大きさなどが変化するので、さらに堅固で、動力損失がなく、コンパクトに製作するための研究開発が持続している。
【0003】
しかし、変速段が増えるほど、自動変速機内の部品数も増加して、搭載性、原価、重量、及び動力伝達効率が悪化しうる。
特に、部品数が多い遊星ギヤトレインは、前輪駆動用車両への搭載に困難がある場合もあるため、部品数を最小化するのが自動変速機の競争力において必須要件の一つである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施例は、互いに平行に配置される第1軸と第2軸上にそれぞれ一つずつの遊星ギヤセットを配置し、遊星ギヤセットの回転要素を多数の外接ギヤによって連結して、前進8速と後進2速の変速段を実現することによって、部品数と全長を最小化して搭載性を向上させることができる、車両用自動変速機の遊星ギヤトレインを提供することに目的がある。
また、多数の外接ギヤを適用して自由なギヤ歯数の変更による最適のギヤ比を設定することができ、これによる動力伝達性能及び燃費を向上させることができる、車両用自動変速機の遊星ギヤトレインを提供することに他の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一つの様相による車両用自動変速機の遊星ギヤトレインは、エンジンの動力が伝達される第1軸;前記第1軸と一定の間隔を置いて平行に配置される第2軸;前記第1軸上に配置されており、前記第1軸と選択的に連結される第1回転要素と、前記第1軸と選択的に連結され、変速機ハウジングと選択的に連結される第2回転要素と、出力要素として作動する第3回転要素とを保有する第1遊星ギヤセット;前記第2軸上に配置されており、前記第1軸と選択的に外接ギヤによって連結され、前記第1回転要素と外接ギヤによって連結され、変速機ハウジングと選択的に連結される第4回転要素と、前記第3回転要素と外接ギヤによって連結され、出力ギヤと直接連結される第5回転要素と、前記第1軸と選択的に外接ギヤによって連結される第6回転要素とを保有する第2遊星ギヤセット;前記外接ギヤとして形成され、前記第4、第5、第6回転要素を前記第1軸と第1、第3回転要素に連結する4個のトランスファギヤ;及び前記第1、第2、第4、第6回転要素を第1軸と選択的に連結するクラッチと、前記第2、第4回転要素を変速機ハウジングに選択的に連結するブレーキとから構成される摩擦要素;を含むことができる。
【0006】
一つの実施例において、前記第1遊星ギヤセットは、第1回転要素である第1サンギヤと、第2回転要素である第1遊星キャリアと、第3回転要素である第1リングギヤとを保有するシングルピニオン遊星ギヤセットから構成し、前記第2遊星ギヤセットは、第4回転要素である第2サンギヤと、第5回転要素である第2遊星キャリアと、第6回転要素である第2リングギヤとを保有するシングルピニオン遊星ギヤセットから構成することができる。
【0007】
前記4個のトランスファギヤは、第1回転要素と第4回転要素を連結する第1トランスファギヤ;第3回転要素と第5回転要素を連結する第2トランスファギヤ;第1軸と第4回転要素を連結する第3トランスファギヤ;及び第1軸と第6回転要素を連結する第4トランスファギヤ;を含むことができる。
【0008】
前記摩擦要素は、第4トランスファギヤと第6回転要素の間に配置される第1クラッチ;第3トランスファギヤと第4回転要素の間に配置される第2クラッチ;第1軸と第1回転要素の間に配置される第3クラッチ;第1軸と第2回転要素の間に配置される第4クラッチ;第2回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第1ブレーキ;及び第4回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第2ブレーキ;を含むことができる。
【0009】
前進1速変速段は、第1クラッチと第1ブレーキが同時に作動して実現され、前進2速変速段は、第1クラッチと第2ブレーキが同時に作動して実現され、前進3速変速段は、第1クラッチと第2クラッチが同時に作動して実現され、前進4速変速段は、第1クラッチと第3クラッチが同時に作動して実現され、前進5速変速段は、第1クラッチと第4クラッチが同時に作動して実現され、前進6速変速段は、第3クラッチと第4クラッチが同時に作動して実現され、前進7速変速段は、第2クラッチと第4クラッチが同時に作動して実現され、前進8速変速段は、第4クラッチと第2ブレーキが同時に作動して実現され、後進1速変速段は、第2クラッチと第1ブレーキが同時に作動して実現され、後進2速変速段は、第3クラッチと第1ブレーキが同時に作動して実現されることができる。
【0010】
他の実施例において、前記摩擦要素は、第1軸と第4トランスファギヤの間に配置される第1クラッチ;第3トランスファギヤと第4回転要素の間に配置される第2クラッチ;第1軸と第1回転要素の間に配置される第3クラッチ;第1軸と第2回転要素の間に配置される第4クラッチ;第2回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第1ブレーキ;及び第4回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第2ブレーキ;を含むことができる。
【0011】
他の実施例において、前記摩擦要素は、第4トランスファギヤと第6回転要素の間に配置される第1クラッチ;第1軸と第3トランスファギヤの間に配置される第2クラッチ;第1軸と第1回転要素の間に配置される第3クラッチ;第1軸と第2回転要素の間に配置される第4クラッチ;第2回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第1ブレーキ;及び第4回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第2ブレーキ;を含むことができる。
【0012】
他の実施例において、前記摩擦要素は、第4トランスファギヤと第6回転要素の間に配置される第1クラッチ;第3トランスファギヤと第4回転要素の間に配置される第2クラッチ;第1軸と第1回転要素の間に配置される第3クラッチ;第1軸と第2回転要素の間に配置される第4クラッチ;第2回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第1ブレーキ;及び第1回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第2ブレーキ;を含むことができる。
【0013】
他の実施例において、前記第1遊星ギヤセットは、第1回転要素である第1サンギヤと、第2回転要素である第1リングギヤと、第3回転要素である第1遊星キャリアとを保有するダブルピニオン遊星ギヤセットから構成し、前記第2遊星ギヤセットは、第4回転要素である第2サンギヤと、第5回転要素である第2遊星キャリアと、第6回転要素である第2リングギヤとを保有するシングルピニオン遊星ギヤセットから構成することができる。
【0014】
本発明の他の様相による車両用自動変速機の遊星ギヤトレインは、エンジンの動力が伝達される第1軸;前記第1軸と一定の間隔を置いて平行に配置される第2軸;前記第1軸上に配置されており、前記第1軸と選択的に連結される第1回転要素と、前記第1軸と選択的に連結され、変速機ハウジングと選択的に連結される第2回転要素と、第3回転要素とを保有する第1遊星ギヤセット;前記第2軸上に配置されており、前記第1軸と選択的に連結され、前記第1回転要素と連結され、変速機ハウジングと選択的に連結される第4回転要素と、前記第3回転要素と連結され、出力ギヤと直接連結される第5回転要素と、前記第1軸と選択的に連結される第6回転要素とを保有する第2遊星ギヤセット;前記第1回転要素と第4回転要素を連結する第1トランスファギヤ;前記第3回転要素と第5回転要素を連結する第2トランスファギヤ;前記第1軸と第4回転要素を連結する第3トランスファギヤ;前記第1軸と第6回転要素を連結する第4トランスファギヤ;及び前記第1、第2、第4、第6回転要素を第1軸と選択的に連結するクラッチと、前記第2、第4回転要素を変速機ハウジングに選択的に連結するブレーキとから構成される摩擦要素;を含むことができる。
【0015】
一つの実施例において、前記第1遊星ギヤセットは、第1回転要素である第1サンギヤと、第2回転要素である第1遊星キャリアと、第3回転要素である第1リングギヤとを保有するシングルピニオン遊星ギヤセットから構成し、前記第2遊星ギヤセットは、第4回転要素である第2サンギヤと、第5回転要素である第2遊星キャリアと、第6回転要素である第2リングギヤとを保有するシングルピニオン遊星ギヤセットから構成することができる。
【0016】
前記摩擦要素は、第4トランスファギヤと第6回転要素の間に配置される第1クラッチ;第3トランスファギヤと第4回転要素の間に配置される第2クラッチ;第1軸と第1回転要素の間に配置される第3クラッチ;第1軸と第2回転要素の間に配置される第4クラッチ;第2回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第1ブレーキ;及び第4回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第2ブレーキ;を含むことができる。
【0017】
他の実施例において、前記摩擦要素は、第1軸と第4トランスファギヤの間に配置される第1クラッチ;第3トランスファギヤと第4回転要素の間に配置される第2クラッチ;第1軸と第1回転要素の間に配置される第3クラッチ;第1軸と第2回転要素の間に配置される第4クラッチ;第2回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第1ブレーキ;及び第4回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第2ブレーキ;を含むことができる。
【0018】
他の実施例において、前記摩擦要素は、第4トランスファギヤと第6回転要素の間に配置される第1クラッチ;第1軸と第3トランスファギヤの間に配置される第2クラッチ;第1軸と第1回転要素の間に配置される第3クラッチ;第1軸と第2回転要素の間に配置される第4クラッチ;第2回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第1ブレーキ;及び第4回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第2ブレーキ;を含むことができる。
【0019】
他の実施例において、前記摩擦要素は、第4トランスファギヤと第6回転要素の間に配置される第1クラッチ;第3トランスファギヤと第4回転要素の間に配置される第2クラッチ;第1軸と第1回転要素の間に配置される第3クラッチ;第1軸と第2回転要素の間に配置される第4クラッチ;第2回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第1ブレーキ;及び第1回転要素と変速機ハウジングの間に配置される第2ブレーキ;を含むことができる。
【0020】
他の実施例において、前記第1遊星ギヤセットは、第1回転要素である第1サンギヤと、第2回転要素である第1リングギヤと、第3回転要素である第1遊星キャリアとを保有するダブルピニオン遊星ギヤセットから構成し、前記第2遊星ギヤセットは、第4回転要素である第2サンギヤと、第5回転要素である第2遊星キャリアと、第6回転要素である第2リングギヤとを保有するシングルピニオン遊星ギヤセットから構成することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の実施例は、単純遊星ギヤセットから構成される2個の遊星ギヤセット、4個のトランスファギヤ、及び6個の摩擦要素の組み合わせによって、前進8速及び後進2速の変速段を実現する。
そして、2個の遊星ギヤセットを相互一定の間隔を置いて平行に配置される第1軸と第2軸に分けて配置することによって、全長が縮小されて搭載性を向上させる。
また、遊星ギヤセット以外に、4個の外接ギヤを適用することによって、自由なギヤ歯数の変更による車両別最適のギヤ比を設定することができ、要求性能の条件に合うようにギヤ歯数の変更が可能なので、発進性能、動力伝達性能、及び燃費を向上させることができる。したがって、既存のトルクコンバータを削除して、発進クラッチを適用することができる。
そして、後進2速変速段を実現することによって、後進性能を向上させることができる。
また、各変速段で2個の摩擦要素が作動しながら変速が行われ、互いに隣接する変速段への順次変速時に、一つの摩擦要素の作動が解除されて、他の一つの摩擦要素が作動する。したがって、変速作動制御条件を十分に充足させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1実施例による遊星ギヤトレインの構成図である。
図2】本発明の第1実施例による遊星ギヤトレインに適用される摩擦要素の各変速段別作動表である。
図3】本発明の第1実施例による遊星ギヤトレインの変速線図である。
図4】本発明の第2実施例による遊星ギヤトレインの構成図である。
図5】本発明の第3実施例による遊星ギヤトレインの構成図である。
図6】本発明の第4実施例による遊星ギヤトレインの構成図である。
図7】本発明の第5実施例による遊星ギヤトレインの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施例について、添付した図面を参照して詳細に説明する。
但し、本発明の実施例を明確に説明するために、説明上不必要な部分は省略し、明細書の全体にわたって同一または類似する構成要素に対しては、同一の図面符号を適用して説明する。
下記の説明において、構成の名称を第1、第2などに区分したことは、その構成の名称が同一で、これを区分するためであり、必ずその順序に限定されるものではない。
【0024】
図1は、本発明の第1実施例による遊星ギヤトレインの構成図である。
図1を参照すれば、本発明の第1実施例による遊星ギヤトレインは、第1軸IS1上に配置される第1遊星ギヤセットPG1と、前記第1軸IS1と平行に配置される第2軸IS2上に配置される第2遊星ギヤセットPG2と、4個のトランスファギヤTF1、TF2、TF3、TF4と、4個のクラッチC1、C2、C3、C4と2つブレーキB1、B2から形成される摩擦要素とを含む。
これによって、第1軸IS1から入力される回転動力は、前記第1、第2遊星ギヤセットPG1、PG2の相互補完作動によって前進8速及び後進2速に変速されて、出力ギヤOGを通じて出力される。
【0025】
前記第1軸IS1は、入力部材であって、エンジンのクランクシャフトの回転動力がトルクコンバータを通じてトルク変換が行われて、前記第1軸IS1に入力される。
前記第2軸IS2は、前記第2遊星ギヤセットPG2を回転干渉なしで支持する。
【0026】
前記第1遊星ギヤセットPG1は、シングルピニオン遊星ギヤセットであって、第1サンギヤS1からなる第1回転要素N1と、前記第1サンギヤS1と外接で噛み合わさる第1ピニオンP1を支持する第1遊星キャリアPC1からなる第2回転要素N2と、前記第1ピニオンP1と内接で噛み合わさる第1リングギヤR1からなる第3回転要素N3とを含んで構成される。
前記第2遊星ギヤセットPG2は、シングルピニオン遊星ギヤセットであって、第2サンギヤS2からなる第4回転要素N4と、前記第2サンギヤS2と外接で噛み合わさる第2ピニオンP2を支持する第2遊星キャリアPC2からなる第5回転要素N5と、前記第2ピニオンP2と内接で噛み合わさる第2リングギヤR2からなる第6回転要素N6とを含んで構成される。
前記第1遊星ギヤセットPG1の2個の回転要素が第1軸IS1と選択的に連結され、前記第2遊星ギヤセットPG2の3個の回転要素は、第1軸IS1と前記第1遊星ギヤセットPG1の2個の回転要素に、第1、第2、第3、第4トランスファギヤTF1、TF2、TF3、TF4によって連結されると同時に、第2遊星ギヤセットPG1のいずれか一つの回転要素が出力ギヤOGと直接連結される。
【0027】
前記出力ギヤOGは、終減速ギヤ(図示せず)と差動装置(図示せず)を通じて、駆動輪を含む駆動軸を駆動させる。
【0028】
前記で、第1、第2、第3、第4トランスファギヤTF1、TF2、TF3、TF4は、それぞれ互いに外接する第1、第2、第3、第4トランスファドライブギヤTF1a、TF2a、TF3a、TF4aと第1、第2、第3、第4トランスファドリブンギヤTF1b、TF2b、TF3b、TF4bを含んで構成される。
前記第1トランスファギヤTF1は、第1回転要素N1と第4回転要素N4を連結する。
前記第2トランスファギヤTF2は、第3回転要素N3と第5回転要素N5を連結する。
前記第3トランスファギヤTF3は、第1軸IS1と第4回転要素N4を連結する。
前記第4トランスファギヤTF4は、第1軸IS1と第6回転要素N6を連結する。
これによって、前記第1、第2、第3、第4トランスファギヤTF1、TF2、TF3、TF4によって連結される回転要素(第1軸IS1含む)は、それらのギヤ比によって相互反対方向に回転するようになる。
【0029】
そして、選択された回転要素(第1軸IS1含む)を相互選択的に連結する4個のクラッチC1、C2、C3、C4と、選択された回転要素を変速機ハウジングHと選択的に連結する2個のブレーキB1、B2は、次の通り配置される。
前記第1クラッチC1は、第4トランスファギヤTF4と第6回転要素N6の間に配置される。
前記第2クラッチC2は、第3トランスファギヤTF3と第4回転要素N4の間に配置される。
前記第3クラッチC3は、第1軸IS1と第1回転要素N1の間に配置される。
前記第4クラッチC4は、第1軸IS1と第2回転要素N2の間に配置される。
前記第1ブレーキB1は、第2回転要素N2と変速機ハウジングHの間に配置される。
前記第2ブレーキB2は、第4回転要素N4と変速機ハウジングHの間に配置される。
前記で、第1、第2、第3、第4クラッチC1、C2、C3、C4と、第1、第2ブレーキB1、B2とからなる摩擦要素のそれぞれは、油圧によって摩擦結合される多板式油圧摩擦結合ユニットから構成することができる。
【0030】
図2は、本発明の第1実施例による遊星ギヤトレインに適用される摩擦要素の各変速段別作動表である。
図2に示したように、本発明の第1実施例による遊星ギヤトレインは、各変速段において2個の摩擦要素が作動しながら変速が行われる。
【0031】
前進1速変速段1STは、第1クラッチC1と第1ブレーキB1の同時作動によって達成される。
前進2速変速段2NDは、第1クラッチC1と第2ブレーキB2の同時作動によって達成される。
前進3速変速段3RDは、第1クラッチC1と第2クラッチC2の同時作動によって達成される。
前進4速変速段4THは、第1クラッチC1と第3クラッチC3の同時作動によって達成される。
前進5速変速段5THは、第1クラッチC1と第4クラッチC4の同時作動によって達成される。
前進6速変速段6THは、第3クラッチC3と第4クラッチC4の同時作動によって達成される。
前進7速変速段7THは、第2クラッチC2と第4クラッチC4の同時作動によって達成される。
前進8速変速段8THは、第4クラッチC4と第2ブレーキB2の同時作動によって達成される。
後進1速変速段Rev1は、第2クラッチC2と第1ブレーキB1の同時作動によって達成される。
後進2速変速段Rev2は、第3クラッチC3と第1ブレーキB1の同時作動によって達成される。
【0032】
図3は、本発明の第1実施例による遊星ギヤトレインの各変速段別変速線図であり、本発明の第1実施例による遊星ギヤトレインの変速過程をレバー解釈法で示している。
図3を参照すれば、第1遊星ギヤセットPG1の3個の縦線は、左側から第1、第2、第3回転要素N1、N2、N3に設定され、第2遊星ギヤセットPG2の3個の縦線は、左側から第4、第5、第6回転要素N4、N5、N6に設定される。
【0033】
中央の横線は、回転速度「0」を示し、上側の横線は正回転を示し、下側の横線は逆回転を示す。
そして、逆回転とはエンジンの回転方向と反対方向に回転することを意味する。前記第1軸IS1と第1、第2遊星ギヤセットPG1、PG2が、アイドリングギヤ(Idling Gear)なしで第1、第2、第3、第4トランスファギヤTF1、TF2、TF3、TF4によって外接で連結されるためである。
また、縦線の間の間隔は、第1、第2遊星ギヤセットPG1、PG2のギヤ比(サンギヤの歯数とリングギヤの歯数の比)によって設定される。
【0034】
以下、図2図3を参照して、本発明の第1実施例による遊星ギヤトレインの各変速段別変速過程を説明する。
【0035】
[前進1速]
図2を参照すれば、前進1速変速段1STでは、第1クラッチC1と第1ブレーキB1が作動する。
図3に示したように、第1回転要素N1が第1トランスファギヤTF1によって第4回転要素N4と連結され、第3回転要素N3が第2トランスファギヤTF2によって第5回転要素N5と連結される。
このような状態で、第1軸IS1の回転速度が、前記第1クラッチC1の作動で第4トランスファギヤTF4のギヤ比によって変換されて、第6回転要素N6に入力され、第1ブレーキB1の作動で第2回転要素N2が固定要素として作動する。
そのために、前記第1遊星ギヤセットPG1と第2遊星ギヤセットPG2の相互補完作動によって、第1遊星ギヤセットPG1の回転要素は第1速度線T1を形成し、第2遊星ギヤセットPG2の回転要素は第1変速線SP1を形成する。したがって、出力要素である前記第5回転要素N5を通じてD1が出力される。
【0036】
[前進2速]
前進2速変速段2NDにおいては、前記前進1速変速段1STの状態で作動した第1ブレーキB1の作動が解除されて、第2ブレーキB2が作動する。
図3に示したように、第1回転要素N1が第1トランスファギヤTF1によって第4回転要素N4と連結され、第3回転要素N3が第2トランスファギヤTF2によって第5回転要素N5と連結される。
このような状態で、第1軸IS1の回転速度が、前記第1クラッチC1の作動で第4トランスファギヤTF4のギヤ比によって変換されて、第6回転要素N6に入力され、第2ブレーキB2の作動で第4回転要素N4が固定要素として作動する。
そのために、前記第1遊星ギヤセットPG1と第2遊星ギヤセットPG2の相互補完作動によって、第1遊星ギヤセットPG1の回転要素は第2速度線T2を形成し、第2遊星ギヤセットPG2の回転要素は第2変速線SP2を形成する。したがって、出力要素である前記第5回転要素N5を通じてD2が出力される。
【0037】
[前進3速]
前進3速変速段3RDにおいては、前記前進2速変速段2NDの状態で作動した第2ブレーキB2の作動が解除されて、第2クラッチC2が作動する。
図3に示したように、第1回転要素N1が第1トランスファギヤTF1によって第4回転要素N4と連結され、第3回転要素N3が第2トランスファギヤTF2によって第5回転要素N5と連結される。
このような状態で、第1軸IS1の回転速度が、前記第1クラッチC1の作動で第4トランスファギヤTF4のギヤ比によって変換されて、第6回転要素N6に入力される。また、第1軸IS1の回転速度が、第2クラッチC2の作動で第3トランスファギヤTF3のギヤ比によって変換されて、第4回転要素N4に入力される。
そのために、前記第1遊星ギヤセットPG1と第2遊星ギヤセットPG2の相互補完作動によって、第1遊星ギヤセットPG1の回転要素は第3速度線T3を形成し、第2遊星 ギヤセットPG2の回転要素は第3変速線SP3を形成する。したがって、出力要素の前記第5回転要素N5を通じてD3が出力される。
【0038】
[前進4速]
前進4速変速段4THにおいては、前記前進3速変速段3RDの状態で作動した第2クラッチC2の作動が解除されて、第3クラッチC3が作動する。
図3に示したように、第1回転要素N1が第1トランスファギヤTF1を通じて第4回転要素N4と連結され、第3回転要素N3が第2トランスファギヤTF2を通じて第5回転要素N5と連結される。
このような状態で、第1軸IS1の回転速度が、前記第1クラッチC1の作動で第4トランスファギヤTF4のギヤ比によって変換されて、第6回転要素N6に入力されると同時に、第3クラッチC3の作動で直接第1回転要素N1に入力される。
そのために、前記第1遊星ギヤセットPG1と第2遊星ギヤセットPG2の相互補完作動によって、第1遊星ギヤセットPG1の回転要素は第4速度線T4を形成し、第2遊星ギヤセットPG2の回転要素は第4変速線SP4を形成する。したがって、出力要素である前記第5回転要素N5を通じてD4が出力される。
【0039】
[前進5速]
前進5速変速段5THにおいては、前記前進4速変速段4THの状態で作動した第3クラッチC3の作動が解除されて、第4クラッチC4が作動する。
図3に示したように、第1回転要素N1が第1トランスファギヤTF1によって第4回転要素N4と連結され、第3回転要素N3が第2トランスファギヤTF2によって第5回転要素N5と連結される。
このような状態で、第1軸IS1の回転速度が、前記第1クラッチC1の作動で第4トランスファギヤTF4のギヤ比によって変換されて、第6回転要素N6に入力されると同時に、第4クラッチC4の作動で直接第2回転要素N2に入力される。
そのために、前記第1遊星ギヤセットPG1と第2遊星ギヤセットPG2の相互補完作動によって、第1遊星ギヤセットPG1の回転要素は第5速度線T5を形成し、第2遊星ギヤセットPG2の回転要素は第5変速線SP5を形成する。したがって、出力要素である前記第5回転要素N5を通じてD5が出力される。
【0040】
[前進6速]
前進6速変速段6THにおいては、前記前進5速変速段5THの状態で作動した第1クラッチC1の作動が解除されて、第3クラッチC3が作動する。
図3に示したように、第1回転要素N1が第1トランスファギヤTF1によって第4回転要素N4と連結し、第3回転要素N3が第2トランスファギヤTF2によって第5回転要素N5と連結される。
このような状態で、第1軸IS1の回転速度が、前記第3クラッチC3の作動で直接第1回転要素N1に入力されると同時に、第4クラッチC4の作動で直接第2回転要素N2に入力される。
そのために、前記第1遊星ギヤセットPG1と第2遊星ギヤセットPG2の相互補完作動によって、第1遊星ギヤセットPG1の回転要素は第6速度線T6を形成し、第2遊星ギヤセットPG2の回転要素は第6変速線SP6を形成する。したがって、出力要素である前記第5回転要素N5を通じてD6が出力される。
【0041】
[前進7速]
前進7速変速段7THにおいては、前記前進6速変速段6THの状態で作動した第3クラッチC3の作動が解除されて、第2クラッチC2が作動する。
図3に示したように、第1回転要素N1が第1トランスファギヤTF1によって第4回転要素N4と連結され、第3回転要素N3が第2トランスファギヤTF2によって第5回転要素N5と連結される。
このような状態で、第1軸IS1の回転速度が前記第2クラッチC2の作動で第3トランスファギヤTF3のギヤ比によって変換されて、第4回転要素N4に入力されると同時に、第4クラッチC4の作動で直接第2回転要素N2に入力される。
そのために、前記第1遊星ギヤセットPG1と第2遊星ギヤセットPG2の相互補完作動によって、第1遊星ギヤセットPG1の回転要素は第7速度線T7を形成し、第2遊星ギヤセットPG2の回転要素は第7変速線SP7を形成する。したがって、出力要素である前記第5回転要素N5を通じてD7が出力される。
【0042】
[前進8速]
前進8速変速段8THにおいては、前記前進7速変速段7THの状態で作動した第2クラッチC2の作動が解除されて、第2ブレーキB2が作動する。
図3に示したように、第1回転要素N1が第1トランスファギヤTF1によって第4回転要素N4と連結され、第3回転要素N3が第2トランスファギヤTF2によって第5回転要素N5と連結される。
このような状態で、第1軸IS1の回転速度が、前記第4クラッチC4の作動で直接第2回転要素N2に入力され、第2ブレーキB2の作動で第4回転要素N4が固定要素として作動する。
そのために、前記第1遊星ギヤセットPG1と第2遊星ギヤセットPG2の相互補完作動によって、第1遊星ギヤセットPG1の回転要素は第8速度線T8を形成し、第2遊星ギヤセットPG2の回転要素は第8変速線SP8を形成する。したがって、出力要素である前記第5回転要素N5を通じてD8が出力される。
【0043】
[後進1速]
後進1速変速段Rev1においては、図2に示したように、第2クラッチC2と第1ブレーキB1が作動する。
図3に示したように、第1回転要素N1が第1トランスファギヤTF1によって第4回転要素N4と連結され、第3回転要素N3が第2トランスファギヤTF2によって第5回転要素N5と連結される。
このような状態で、第1軸IS1の回転速度が、前記第2クラッチC2の作動で第3トランスファギヤTF3のギヤ比によって変換されて、第4回転要素N4に入力され、第1ブレーキB1の作動で第2回転要素N2が固定要素として作動する。
そのために、前記第1遊星ギヤセットPG1と第2遊星ギヤセットPG2の相互補完作動によって、第1遊星ギヤセットPG1の回転要素は第1後進速度線Tr1を形成し、第2遊星ギヤセットPG2の回転要素は第1後進変速線RS1を形成する。したがって、出力要素である前記第5回転要素N5を通じてREV1が出力される。
【0044】
[後進2速」
後進2速変速段Rev2においては、図2に示したように、第3クラッチC3と第1ブレーキB1が作動する。
図3に示したように、第1回転要素N1が第1トランスファギヤTF1によって第4回転要素N4と連結され、第3回転要素N3が第2トランスファギヤTF2によって第5回転要素N5と連結される。
このような状態で、第1軸IS1の回転速度が、前記第3クラッチC3の作動で直接第1回転要素N1に入力され、第1ブレーキB1の作動で第2回転要素N2が固定要素として作動する。
そのために、前記第1遊星ギヤセットPG1と第2遊星ギヤセットPG2の相互補完作動によって、第1遊星ギヤセットPG1の回転要素は第2後進速度線Tr2を形成し、第2遊星ギヤセットPG2の回転要素は第2後進変速線RS2を形成する。したがって、出力要素である前記第5回転要素N5を通じてREV2が出力される。
【0045】
上述のように、本発明の第1実施例による遊星ギヤトレインは、単純遊星ギヤセットから構成される2個の遊星ギヤセットPG1、PG2、外接ギヤである4個のトランスファギヤTF1、TF2、TF3、TF4、及び6個の摩擦要素C1、C2、C3、C4、B1、B2の組み合わせによって、前進8速及び後進2速の変速段を実現する。
また、遊星ギヤセット以外に、外接ギヤである4個のトランスファギヤを適用することによって、自由なギヤ歯数の変更による車両別最適のギヤ比を設定することができ、要求性能の条件に合うようにギヤ歯数の変更が可能なので、発進性能、動力伝達性能、及び燃費を向上させることができる。したがって、既存のトルクコンバータを削除して、発進クラッチを適用することができる。
そして、後進2速変速段を実現することによって、後進性能を向上させることができる。
そして、各変速段で2個の摩擦要素が作動しながら変速が行われ、互いに隣接する変速段への順次変速時に、一つの摩擦要素の作動が解除されて、他の一つの摩擦要素が作動する。したがって、変速作動制御条件を十分に充足させることができる。
【0046】
図4は、本発明の第2実施例による遊星ギヤトレインの構成図である。
図4を参照すれば、第1実施例では第1クラッチC1を第4トランスファギヤTF4と第6回転要素N6の間に配置しているが、第2実施例では第1クラッチC1を第1軸IS1と第4トランスファギヤTF4の間に配置した。
このような第2実施例の場合、前記第1実施例と比較して、第1クラッチC1の配置位置だけが異なり、その作動は同一なので、詳細な説明は省略する。
【0047】
図5は、本発明の第3実施例による遊星ギヤトレインの構成図である。
図5を参照すれば、第1実施例では第2クラッチC2を第3トランスファギヤTF3と第4回転要素N4の間に配置しているが、第3実施例では第2クラッチC2を第1軸IS1と第3トランスファギヤTF3の間に配置した。
このような第3実施例の場合、前記第1実施例と比較して、第2クラッチC2の配置位置だけが異なり、その作動は同一なので、詳細な説明は省略する。
【0048】
図6は、本発明の第4実施例による遊星ギヤトレインの構成図である。
図6を参照すれば、第1実施例では第2ブレーキB2を第4回転要素N4と変速機ハウジングHの間に配置しているが、第4実施例では第2ブレーキB2を第1回転要素N1と変速機ハウジングHの間に配置した。
このような第4実施例の場合、前記第1実施例と比較して、第2ブレーキB2の配置位置だけが異なり、その作動は同一なので、詳細な説明は省略する。
【0049】
図7は、本発明の第5実施例による遊星ギヤトレインの構成図である。
図7を参照すれば、第1実施例では第1遊星ギヤセットPG1をシングルピニオン遊星ギヤセットで適用しているが、第5実施例では第1遊星ギヤセットPG1をダブルピニオン遊星ギヤセットで適用した。
そのために、第2回転要素N2が第1遊星キャリアPC1から第1リングギヤR1に変更され、第3回転要素N3が第1リングギヤR1から第1遊星キャリアPC1に変更される。
このような第5実施例は、第1実施例と比較して、第2、第3回転要素N2、N3を構成する回転要素が変わるだけで、その作動は同一なので、詳細な説明は省略する。
【0050】
一方、図面において、第2軸IS2は、単純に第2遊星ギヤセットPG2を回転干渉なしで支持していることと示しているが、これに限られない。つまり、出力要素である第5回転要素N5と出力ギヤOGを第2軸IS2に直接連結して、第2軸IS2を出力軸として使用することができる。
【0051】
本発明の実施例は、単純遊星ギヤセットから構成される2個の遊星ギヤセット、4個のトランスファギヤ、及び6個の摩擦要素の組み合わせによって、前進8速及び後進2速の変速段を実現する。
そして、2個の遊星ギヤセットを相互一定の間隔を置いて平行に配置される第1軸と第2軸に分けて配置することによって、全長が縮小されて搭載性を向上させる。
また、遊星ギヤセット以外に、4個の外接ギヤを適用することによって、自由なギヤ歯数の変更による車両別最適のギヤ比を設定することができ、要求性能の条件に合うようにギヤ歯数の変更が可能なので、発進性能、動力伝達性能、及び燃費を向上させることができる。したがって、既存のトルクコンバータを削除して、発進クラッチを適用することができる。
そして、後進2速変速段を実現することによって、後進性能を向上させることができる。
また、各変速段で2個の摩擦要素が作動しながら変速が行われ、互いに隣接する変速段への順次変速時に、一つの摩擦要素の作動が解除されて、他の一つの摩擦要素が作動する。したがって、変速作動制御条件を十分に充足させることができる。
【0052】
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されず、本発明の実施例から当該発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって容易に変更されて均等であると認められる範囲の全ての変更を含む。
【符号の説明】
【0053】
PG1、PG2 第1遊星ギヤセット、第2遊星ギヤセット
S1、S2 第1サンギヤ、第2サンギヤ
PC1、PC2 第1遊星キャリア、第2遊星キャリア
R1、R2 第1リングギヤ、第2リングギヤ
IS1、IS2 第1軸、第2軸
OG 出力ギヤ
N1、N2、N3、N4、N5、N6 第1、第2、第3、第4、第5、第6回転要素
C1、C2、C3、C4 第1、第2、第3、第4クラッチ
B1、B2 第1ブレーキ、第2ブレーキ
TF1、TF2、TF3、TF4 第1、第2、第3、第4トランスファギヤ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7