(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記モル組成のxの値が0.10≦x≦0.60であり、ジ−n−ブチルアミン滴定法で測定した水酸基量が200〜700meq/kgである、請求項1記載の非晶質−シリカ亜鉛系アンモニア消臭剤。
【背景技術】
【0002】
従来、悪臭成分に対して優れた消臭作用を示す消臭剤については、種々の提案がなされており、例えば特許文献1及び2には、銅、亜鉛、マンガン、コバルト、ニッケルから選ばれる少なくとも一種の金属の塩とケイ酸塩との無定形複合体からなる硫黄系ガス消臭剤が開示されている。
特許文献1及び2の消臭剤は、硫化水素やメルカプタンなどの硫黄系のガスに対して優れた消臭効果を示すものであるが、悪臭成分にはこれ以外にもアンモニアや各種アミン類、低級脂肪酸類がある。
【0003】
アンモニアや各種アミン類に対する消臭剤としては、例えば特許文献3に、酸化物として表した3成分組成比で、SiO
2:5〜80モル%、MO
n/2:5〜65モル%、Al
2O
3:0〜60モル%(Mは、亜鉛、銅等から選ばれる少なくとも1種の金属を、nは金属の原子価を表す)に相当する組成のケイ酸金属塩または含アルミニウムケイ酸金属塩を有効成分とする消臭剤が開示されている。
この特許文献3の消臭剤は、アンモニアやアミン類に加えて硫化水素やメルカプタン等の硫黄系のガスに対しても優れた消臭性を示すものであるが、未だ改善すべき余地がある。
【0004】
即ち、特許文献3のケイ酸金属塩を有効成分とする消臭剤は、アンモニアに対する消臭性がそれほど高くない。さらに、特許文献3の含アルミニウムケイ酸金属塩(三成分系のもの)は、シリカ源及び金属塩源(たとえば亜鉛源)に加えてアルミニウム源を原料として使用するため、上記二成分系の消臭剤に比して生産コストが高いという問題があった。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<シリカ亜鉛系アンモニア消臭剤の製造>
本発明のアンモニア消臭剤は、出発原料として、亜鉛華とケイ酸ソーダとを使用し、両者を反応させ、熟成させ、一旦ろ過した後、得られたろ過ケーキを再分散させ、次いでpH調整を行い、ろ過・水洗し、乾燥することにより製造される。
【0015】
原料として用いられる亜鉛華は、通常、硫酸水溶液中に添加され、硫酸亜鉛の水溶液の形で使用される。
亜鉛華とケイ酸ソーダの使用割合(仕込みZn/Si)は、得られる消臭剤の組成に影響するものであり、酸化物換算でZn/Siのモル比が0.20≦x≦0.70とするのが好ましい。即ち、このような量比で亜鉛華とケイ酸ソーダとを反応させることにより、本発明の生成物である非晶質−シリカ亜鉛系消臭剤において、表面の水酸基によるアンモニア吸着性がバランスよく発現し、優れた消臭能力が得られることとなる。
【0016】
また、亜鉛華とケイ酸ソーダとの反応は、張り水をした反応容器内に、上記の硫酸亜鉛水溶液とケイ酸ソーダ水溶液とを同時注加することにより行うことが重要である。このような同時注加は、一般に、90〜120分間かけて行われる。
例えば、ケイ酸ソーダ水溶液中に亜鉛華を添加するようにして反応を行うと、ゲル化が一気に進行してしまう結果、所定の水酸基量や一次粒子径等の物性を有し、消臭能力に優れほぐれやすい本発明の非晶質−シリカ亜鉛系アンモニア消臭剤を得ることができない。
また、同時注加に際しては、反応容器内の張り水の量を、硫酸亜鉛水溶液及びケイ酸ソーダ水溶液の全量が注加されたときの反応容器内の液量に対して10〜15体積%程度に設定しておくことが、適度な嵩密度を有し、所定の嵩密度/真密度比を得る上で好適である。
【0017】
また、上記の硫酸亜鉛水溶液とケイ酸ソーダ水溶液とが注加されて得られる容器内の反応液のpHは、適宜硫酸または水酸化ナトリウムを添加して、7.2〜7.5となるように調整される。この反応液の温度は、特に加熱を要することはなく、20〜50℃で反応させることが可能であるが、安定して製造する上で、40℃を目標に調整するのが好適である。
【0018】
このようにして、硫酸亜鉛水溶液とケイ酸ソーダ水溶液との同時注加とともに進行する反応により、ゲル化物(反応生成物)が均一に反応液中に微分散することとなる。
例えば、反応時のpHが上記範囲よりも高いと、得られる消臭剤は嵩密度が過度に大きくなる結果、密度比も大きくなるため、取扱いが悪くなり、またアンモニア消臭能も低下する傾向にある。また、pHが上記範囲よりも低い場合には、得られる粒子が軽く、嵩密度が過度に小さくなることで濾過性が悪くなり、また密度比も小さくなるため消臭剤として取扱いが悪くなってしまう。さらには、有効成分である亜鉛の溶解度が高くなり、消臭剤に取り込まれず濾液として排出されるため、仕込みの亜鉛分が有効に利用されず無駄が多くなるばかりか、排液処理の負担も増大することとなる。
【0019】
上記の反応後(即ち、同時注加終了後)の熟成は、上記pH及び温度をそのまま維持しながら、ゲル化物が分散した反応液を撹拌下に60〜120分程度放置することにより行われ、熟成後のろ過により、ゲル化物が捕捉される。ろ過前に、上記の熟成を行っておくことにより、均質な反応物ケーキを得ることができ、その後の操作が容易となる。
【0020】
本発明の非晶質−シリカ亜鉛系アンモニア消臭剤を得るためには、上記で得られた反応物ケーキを再分散し、且つpH調整することが必要である。これにより、反応液に含まれていた不要な夾雑物が効果的に除去され、生成物表面に十分な水酸基量を確保できる結果、消臭能力に優れた非晶質−シリカ亜鉛系アンモニア消臭剤が得られると考えている。即ち、表面の水酸基量はアンモニアの吸着点であり、これが夾雑物で被覆されるなどして不足すると、高い消臭能力は得られない。また、この水酸基量が過剰であると、水分に対する吸着の選択性が増す結果、アンモニアに対しての吸着性は低下してしまうため、所定の範囲とすることが必要である。後述するジ−n−ブチルアミン滴定では、消臭剤表面に発現した水酸基量を測定することができる。この点、単に反応物ケーキを水洗し乾燥しただけでは、夾雑物の除去が不十分であるため、生成物表面の水酸基が夾雑物により被覆されたままとなり、水酸基量が不足となりアンモニアに対する消臭性が不満足となってしまう。
【0021】
上記のような反応物ケーキ(ゲル化物)の再分散は、固形分濃度が10〜30重量%となるように、室温下で行われ、引き続いてのpH調整は、硫酸を加えてpHを2.8〜7.0、好ましくは6.0〜7.0に調整した後に30分間程度熟成することにより行われる。これにより、剤の表面に機能的に水酸基を発現することが可能となり、アンモニアに対して高い吸着能力を持つ消臭剤を得ることが出来る。例えば、再分散せずに先のろ過ケーキの酸洗浄のみでは、濾過性が良いことも相俟って硫酸がわずかな間に流出してしまい、夾雑物を効果的に除去することができない。また、反応液中に硫酸を添加してpHを低下せしめたとしても、夾雑物の濃度が高すぎて、やはり効果的に除去することができない。そのため、いずれの場合でも必要な水酸基量を確保できないのである。
pHが上記範囲よりも低いと、生成物表面の水酸基量が過剰となり、このような場合には水分に対する吸着の選択性が増す傾向にあるので、かえって消臭能力が下がる結果となる。また有効成分である亜鉛が完全に溶出してしまった場合、もはや十分な消臭能力は確保できなくなる。また、上記範囲よりも高いと、夾雑物の除去が効果的に行われないため、生成物表面の水酸基量が夾雑物により被覆されたままとなり、アンモニアに対する消臭性が不満足となってしまう。
【0022】
上記のようにpH調整を行った後、常法に従い、再度のろ過を行い、次いで、水洗及び乾燥することにより、目的とする本発明の非晶質−シリカ亜鉛系アンモニア消臭剤が得られる。
【0023】
本発明の非晶質−シリカ亜鉛系アンモニア消臭剤は、生産性においても優れたものである。後述する表1に示すように、本発明者らが特許文献1〜3に記載された実施例に従って調製した比較例1〜3に比して、本発明の非晶質−シリカ亜鉛系アンモニア消臭剤を製造するための実施例1〜6は、良好な濾過性を示した。なお、本発明の実施例では合成工程における濾過、乾燥工程における濾過の二回の濾過を行うが、いずれについても濾過性は良好であった。この理由については明確に解明したものではないが、本発明の非晶質−シリカ亜鉛系アンモニア消臭剤においては、7.0〜20.0nmの比較的大きな一次粒子径を有し、かつ、通常0.50g/cm
3以上の比較的重い嵩密度を共に有することにより、水分の捕捉性が低くなり、濾過性が向上したものと考えている。
【0024】
<非晶質−シリカ亜鉛系アンモニア消臭剤>
上記のようにして得られる本発明のシリカ亜鉛系アンモニア消臭剤は、非晶質であり、そのXRDを示す
図1から理解されるように、結晶ピークを有していない。即ち、この消臭剤は、酸化亜鉛(亜鉛華)の結晶ピークを有していないことから、亜鉛華とシリカとの単なる混合物ではなく、亜鉛がシリカに結合しており、不規則に配列した構造を有していることが判る。
【0025】
かかる非晶質−シリカ亜鉛系アンモニア消臭剤は、原料として用いた亜鉛華とケイ酸ソーダとの酸化物基準でのZn/Siモル比に対応して、下記式:
SiO
2・xZnO
式中、0<x≦0.60の値である、
で表されるモル組成を有している。即ち、Zn/Siモル比に相当するxが上記範囲内にあることにより、アンモニアに対する亜鉛及びシリカによる吸着性がバランスよく発現し、優れた消臭性を発揮することが可能となる。このxの値が上記範囲外であるときには、アンモニアに対する消臭性能が低下してしまう。
なお、上記式中のxは、仕込みのZn/Siモル比よりも低い値となっているが、これは、再分散工程でのpH調整により、Znが溶出するためである。pHの値を低く調整すると、Znの溶解度が上がるため、xの値はより低いものとなる。
この点、本発明の実施例6では、pHの値を低く設定することにより、消臭剤に残存する亜鉛分はごく微量となっているが、アンモニア消臭能力としては、比較例4や比較例6のようにある程度の量の亜鉛分を含む市販の消臭剤と同等であり、また亜鉛分を含まないシリカ(比較例5)に対しては格段に優れている。このようにごく微量の亜鉛分で消臭能力が発揮されることは、本発明の驚くべき特徴の一つである。
図2に示すXRFの測定結果から、比較例5のシリカではZn元素に由来する2θ=37.5°付近のピークは検出されないが、実施例6のシリカ亜鉛系アンモニア消臭剤ではピークが確認でき、亜鉛が微量に存在していることが確認される。
このように、本発明においては、亜鉛分が微量であっても、十分に実用に供し得る消臭剤が得られるわけであるが、亜鉛分を一定以上残存させることにより、更に消臭能力を向上させることができる(実施例1〜5)ため、前記モル組成のxの値が0.10≦x≦0.60であることが、より好ましい。
【0026】
また、本発明においては、亜鉛華とケイ酸ソーダとの反応により得られるゲル化物を、再度水に分散させ、さらに所定の範囲にpH調整が行われているため、反応液中に存在しうる、有効成分以外の夾雑物が除去されることで、ジ−n−ブチルアミン法で測定しての水酸基量が200〜900meq/kg、特に200〜700meq/kgの範囲にあり、この結果、アンモニアを選択的に吸着し、優れた消臭性を示す。
例えば、水酸基量が上記範囲よりも大きいと、水分を吸着し易くなり、アンモニアに対する吸着性が低下してしまい、これら悪臭成分に対する消臭性が不満足なものとなってしまう。また、水酸基量が上記範囲よりも少ない場合にもアンモニアに対する吸着容量が低く、やはり消臭性が不満足なものとなってしまう。即ち、粒子表面のOH基が適度な量で分布しているため、アンモニアに対する選択的吸着性が得られ、これら悪臭成分に対して高い消臭性を確保することができるわけである。
【0027】
また、上述した方法で得られる本発明の非晶質−シリカ亜鉛系アンモニア消臭剤は、X線小角散乱で測定した一次粒子径が、7.0〜20.0nmと比較的大きなものである。一次粒子径が上記範囲よりも小さい場合、一時粒子同士の接触面積が過大となる結果、凝集しやすく硬い剤となるため、消臭剤としての取扱いが悪くなってしまう。
【0028】
また、上述した方法で得られる本発明の非晶質−シリカ亜鉛系アンモニア消臭剤は、一般に嵩密度が0.30〜0.70g/cm
3、特に0.50〜0.70g/cm
3の範囲にあるかなり軽い粒状物であるが、特に嵩密度(g/cm
3)と真密度(g/cm
3)との比(嵩密度/真密度)が0.15〜0.32の範囲にある。この嵩密度/真密度比は一次粒子の凝集の度合いを示すもので、この値が上記範囲よりも大きい場合は、粒子が硬く凝集していることを表し、ほぐれにくく消臭剤としての取扱いが悪くなる。また上記範囲よりも小さい場合は、粒子が過度に疎である結果、一定量を充填するのに要する体積が増すため、たとえば吸着塔等の装置を大型化せざるを得なくなるなど、やはり消臭剤としての取扱いが悪くなる。
【0029】
本発明の非晶質−シリカ亜鉛系アンモニア消臭剤は、アンモニアに対する消臭性に優れているばかりか、軽く且つほぐれやすく、消臭剤として使用しやすいという利点があり、また原料として亜鉛酸化物とケイ酸ソーダとの二成分を反応することにより得られるものであるため、多数の成分を反応させるものに比して安価であり、また生産性にも優れるため、工業的に極めて有用である。
【実施例】
【0030】
本発明を次の実験例で説明する。
なお、以下の実験で行った各種の測定は、次の方法により行った。
【0031】
(1)Zn/Siの測定;
JIS M 8853:1998に準拠して測定した。なお、測定試料は110℃乾燥物を基準とした。
【0032】
(2)水酸基量の測定(ジ−n−ブチルアミン滴定法);
試料を消臭試験の前処理条件と揃えるため、110℃で2時間乾燥し、デシケーターで放冷した。放冷後、試料0.5gを秤量し、規定度0.01Nのジ−n−ブチルアミン−トルエン溶液50mlに加えた。上記溶液をスターラーで1時間撹拌した後、静置し粉体を完全に沈降させるため一晩放置した。上澄み5mlをとり、50mlの水/MeOH=1/1(by vol.)溶液を加えたpHメーターでpHを測定しながら規定度0.01Nの塩酸で滴定を行い、滴定量を測定した。滴定量から水酸基量を算出した。
【0033】
(3)一次粒子径(X線小角散乱法);
株式会社リガク製の試料粉末型X線回折装置RINT−UltimaIIIを用い、下記の条件で測定した。なお、解析は、解析ソフトNANO-Solver Ver.3.0を用いて行った。
透過小角散乱法光学系選択スリット;
DS:1.0mm、
SS:0.2mm、
RS:0.1mm、
Cu管球、
40kV、
40mA、
走査軸2θ/θ(連続);
走査範囲:0.10°〜6.00°
走査速度(ステップ):0.02°/min
【0034】
(4)嵩密度の測定;
JIS K 6220−1 7.7:2001に準拠して測定した。
【0035】
(5)真密度の測定;
JIS R 1620:1995に準拠して測定した。
【0036】
(6)XRDの測定;
株式会社リガク製の試料粉末型X線回折装置UltimaIVを用いて、下記の条件でX線回折パターンを測定した。
ターゲット Cu
フィルター Ni
検出器 SC
電圧 40kV
電流 40mA
走査速度 3°/min
サンプリング幅 0.02°
スリット:DS 0.5°,RS 0.3mm,SS 0.5°
【0037】
(7)XRFの測定;
株式会社リガク製の蛍光X線分析装置RIX2100を用い、ターゲットはRh、分析線はK
αで、その他は下記表1に示す条件で測定を行った。
【0038】
【表1】
【0039】
(8)アンモニア吸着量の測定;
1.8L保存ビンに110℃で2時間以上乾燥した試料30mgを入れた。保存ビン内のアンモニア濃度が約1000ppmになるようにアンモニアを注射器で注入した。注入60分後及び120分後に、(株)ガステック製検知管No.3Mを使用し、アンモニア濃度を測定した。同時にアンモニアガスのみを入れた保存ビン(ブランク)を用意し、注入した直後のアンモニア濃度を初期濃度とした。60分後、120分後の消臭率が変化していない場合、平衡と判断した。消臭率は以下の計算式で求めた。
消臭率(%)=(A−B)×100/C
式中、Aは、ブランクの120min.後のアンモニア濃度であり
Bは、試料の120min.後のアンモニア濃度であり、
Cは、ブランクの注入直後のアンモニア濃度である。
【0040】
以下の実験で用いた原料は次の通りである。%は質量基準による。
ケイ酸ソーダ:3号ケイ酸ソーダ(SiO
2:22.9%,Na
2O:7.37%)
苛性ソーダ:水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:49%)
亜鉛華:純度99.8%
硫酸:稀釈硫酸(H
2SO
4:75%)
【0041】
(実施例1)
(合成工程)
ケイ酸ソーダ611.4gと苛性ソーダ25.0gを水に溶かして全量を1Lとし、これをA液とする。一方、亜鉛華60.1gと硫酸100.1gを水に溶かして全量を1Lとし、これをB液とする。
3Lのステンレス製ジョッキに水250.0gを入れ、攪拌羽根による撹拌下、温度を40℃に保ちながらA液とB液とをそれぞれ約9cm
3/minの速度で同時注加した。注加終了後の反応液のpHは7.3であった。さらに撹拌を続け、60分間熟成した後、濾過により反応物ケーキを得た。
(再分散工程)
このケーキを、固形分濃度が18%となるように、2Lビーカーで水に再分散した。この時の撹拌には卓上スターラーと回転子を使用した。再分散後、pHを測定しながら硫酸を徐々に添加し、pH=7.0を目標として添加を止め、その後30分間撹拌を続けながら熟成させた。硫酸の添加を止めてから安定したpHを、表1の再分散pHに示した。
(乾燥工程)
この反応液を濾過水洗し、110℃で一晩乾燥し、乳鉢乳棒で粉砕した後150メッシュを通すことで、シリカ亜鉛系消臭剤を得た。
なお、このシリカ亜鉛系消臭剤のXRD測定を行い、
図1に示した。
【0042】
(実施例2)
再分散工程においてpH=6.1を目標として硫酸を添加した以外は、実施例1と同様の操作でシリカ亜鉛系消臭剤を得た。
【0043】
(実施例3)
(合成工程)
ケイ酸ソーダ655.0gを水に溶かして全量を1Lとし、これをA液とする。一方、亜鉛華50.1gと硫酸101.9gを水に溶かして全量を1Lとし、これをB液とする。以降は実施例1と同様の操作を行った。なお注加終了後の反応液のpHは7.2であった。
(再分散工程)
pH=6.6を目標として硫酸を添加した以外は、実施例1と同様の操作を行った。
(乾燥工程)
実施例1と同様の操作を行ってシリカ亜鉛系消臭剤を得た。
【0044】
(実施例4)
(合成工程)
ケイ酸ソーダ524.0gと苛性ソーダ90.0gを水に溶かして全量を1Lとし、これをA液とする。一方、亜鉛華80.2gと硫酸133.5gを水に溶かして全量を1Lとし、これをB液とする。以降は実施例1と同様の操作を行った。なお注加終了後の反応液のpHは7.3であった。
(再分散工程)
実施例3と同様の操作を行った。
(乾燥工程)
実施例1と同様の操作を行ってシリカ亜鉛系消臭剤を得た。
【0045】
(実施例5)
再分散工程においてpH=5.3を目標として硫酸を添加した以外は、実施例1と同様の操作でシリカ亜鉛系消臭剤を得た。
【0046】
(実施例6)
再分散工程においてpH=2.8を目標として硫酸を添加した以外は、実施例1と同様の操作でシリカ亜鉛系消臭剤を得た。
なお、このシリカ亜鉛系消臭剤の組成モル比に関しては、亜鉛分が微量であるため、他の実施例により、組成とXRFピーク強度を対応させた検量線を作成し、XRFから概算値を算出した。
XRF測定の結果を、後述する比較例5とともに
図2に示し、微量の亜鉛分の存在を確認した。
【0047】
(比較例1)
特許文献1(特開2005−87630)の実施例5に従って合成し、消臭剤を得た。
【0048】
(比較例2)
特許文献2(特開2011−104274)の実施例7に従って合成し、消臭剤を得た。
【0049】
(比較例3)
特許文献3(特開昭63−220874)の実施例7に従って合成し、消臭剤を得た。
【0050】
(比較例4)
市販のアルミノケイ酸亜鉛からなる消臭剤製品(水澤化学工業(株)製ミズカナイトHP)を使用した。
【0051】
(比較例5)
市販のシリカ製品(水澤化学工業(株)製ミズカシルP−707)を使用した。
なお、このシリカ製品のXRF測定を行い、実施例6とともに
図2に示した。
【0052】
(比較例6)
市販の消臭剤製品を使用した。
【0053】
上記の各実施例について、調製条件および調製中の状態を表2に示す。
また、各実施例で得られたサンプルにつき、各種の物性及びアンモニア消臭能力を表3に示す。
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】