【実施例1】
【0012】
図1〜
図3は、実施例1に係り、
図1は、ドアハンドルユニットの断面図、
図2は、回転操作前のドアハンドル及びアームの関係を示す
図1のA−A線矢視断面図、
図3は、回転操作後のドアハンドル及びアームの関係を示す
図1のA−A線矢視断面図である。
【0013】
図1〜
図3のように、本発明実施例のドアハンドルユニット1は、ドアハンドル3とスプリング5とアーム7と直動ダンパー9とを備えている。
【0014】
ドアハンドル3は、回転軸11の両端にそれぞれ取り付けられ、ドアの内外に備えられる。ドアハンドル3は、レバーであるが、ノブにすることもできる。回転軸11は、ユニットケース13に回転自在に支持され、ラッチアッセンブリ15に連動連結されている。従って、ドアハンドル3は、ラッチ15aに連動する回転軸11を回転操作するためのものである。
【0015】
ラッチアッセンブリ15内には、ストッパ(図示せず。)が設けられ、回転軸11側の当接部が当接し、回転軸11を介し、ドアハンドル3が操作前の回転位置に位置決められる。
【0016】
スプリング5は、回転軸11の両端側とユニットケース13との間に一対設けられ、ドアハンドル3を操作前の回転位置に復帰させるように回転軸11を回転付勢する。
【0017】
アーム7は、回転軸11に設けられている。アーム7は、回転軸11とは別体に形成され、圧入等により固定されている。アーム7を回転軸11に一体に形成することもできる。
【0018】
アーム7は、板カム状に形成され、直動ダンパー9のダンパーロッド17が、板カム状のアーム7の周面7aに当接する構成となっている。アーム7の形状は板カム状以外の形状に設定することもでき、種々の特性を設定することができる。
【0019】
直動ダンパー9のダンパーロッド17の軸方向に対しダンパーロッド17及びアーム7間の
圧力角、つまり周面7の直線的に延びる面部分の法線方向とダンパーロッド17の運動方向とのなす角としての圧力角は、操作前の回転位置へドアハンドル3が戻る方向の回転で
漸次減少する形状となっている。このアーム7の形状及び直動ダンパー9の配置により、直動ダンパー9は、ドアハンドル3が操作前の回転位置へ戻る途中でダンピング作用を奏し、ドアハンドル3が操作前の回転位置へ戻るときのみドアハンドル3の回転をダンピングする構成となっている。
【0020】
直動ダンパー9は、シリンダ部19が、ラッチアッセンブリ15の外面等に固定されている。また、直動ダンパー9は、リターンスプリング(図示せず。)が備えられている。このリターンスプリングの付勢力は、スプリング5の付勢力よりも弱く設定されている。ドアハンドル3により回転軸11を回転操作するとき、リターンスプリングによりアーム7を押し上げるようにダンパーロッド17が伸長する。このダンパーロッド17の伸長により、ドアハンドル3の回転操作を補助することができる。
【0021】
図1、
図2のように、回転操作前のドアハンドル3は、スプリング5の付勢力により略水平位置に回転し、アーム7の周面7aの先端側がダンパーロッド17を押し込める状態となる。
【0022】
ドアハンドル3を回転操作して押し下げると、
図3のようにアーム7が回転し、ダンパーロッド17がアーム7の回転に応じて伸長する。このとき、ダンパーロッド17の伸長付勢力がアーム7に伝達され、回転軸11を介してドアハンドル3の回転操作を補助し、ドアハンドル3の操作力を軽減する。しかも、直動ダンパー9は、ドアハンドル3が操作前の回転位置へ戻るときのみドアハンドル3の回転をダンピングするから、シール等に起因する抵抗トルクが働くことはなく、ドアハンドル3の操作力を確実に軽減することができる。
【0023】
図3のように、ドアハンドル3を回転操作すると、ラッチアッセンブリ15のラッチ15aがドアの凹部から外れ、ドアを開くことができる。
【0024】
図3の状態でドアハンドル3から手を離すと、スプリング5の付勢力で回転軸11の回転が戻され、ドアハンドル3も回転を戻し、
図2の状態となる。
【0025】
このとき、
図3の状態からの回転の戻しでは、アーム7の回転に対するダンパーロッド17のストロークは小さく、アーム7がダンパーロッド17を押し下げる量は少なく、ドアハンドル3が素早く回転を戻す。
【0026】
アーム7の回転と共にアーム7の回転に対するダンパーロッド17のストロークは次第に大きくなる。
【0027】
同時にダンパーロッド17の押し下げと共に、直動ダンパー9のダンピング作用が発揮される。
【0028】
回転軸11側の当接部がストッパ(図示せず。)に当接する
図2まで回転を戻すと、直動ダンパー9のダンピング作用により回転軸11の回転が大きく制動された状態となり、当接部がストッパに静かに当接し、ドアハンドル3が操作前の回転位置に位置決められる。
[実施例1の効果]
本発明実施例のドアハンドルユニット1は、ユニットケース13に回転自在に支持されラッチ15aに連動する回転軸11を回転操作するためのドアハンドル3と、ドアハンドル3を操作前の回転位置に復帰させるスプリング5と、回転軸11に設けられたアーム7と、アーム7に当接しドアハンドル3が操作前の回転位置へ戻るときのみドアハンドル3の回転をダンピングする直動ダンパー9とを備えた。
【0029】
このため、ドアを開けるときのドアハンドル3の回転操作時に、シール等に起因する抵抗トルクが働くことはなく、ドアハンドル3の操作力を確実に軽減することができる。ドアハンドル3から手を離して回転が戻されるとき、直動ダンパー9のダンピング作用により回転軸11の回転が大きく制動された状態となり、当接部がストッパに静かに当接し、ドアハンドル3が操作前の回転位置に位置決められる。したがって、当接部がストッパに当接するときの衝撃、異音の発生を抑制することができる。
【0030】
アーム7は、ドアハンドル3が操作前の回転位置へ戻る途中から直動ダンパー9のダンピング作用を発揮する形状に形成された。
【0031】
このため、ドアハンドル3の回転操作後に手を離すと、ドアハンドル3は素早く回転を戻し、その途中から直動ダンパー9がダンピング作用を発揮する。したがって、ドアハンドル3の戻りが速く且つ当接部がストッパに当接するときの衝撃、異音の発生を確実に抑制することができる。
【0032】
アーム7は、板カム状に形成され、直動ダンパー9が、板カム状のアーム7の周面7aに当接する。
【0033】
このため、ドアハンドル3が操作前の回転位置へ戻る途中から直動ダンパー9のダンピング作用を発揮する機能を簡単な構造で奏することができる。周面7aの形状設定により、種々の特性を得ることができる。
【0034】
直動ダンパー9の軸方向に対しダンパーロッド17及びアーム7間の圧力角は、操作前の回転位置へドアハンドル3が戻る方向の回転で
漸次減少する。
【0035】
このため、ドアハンドル3が操作前の回転位置へ戻る途中から直動ダンパー9のダンピング作用を発揮する機能を簡単な構造で確実に奏することができる。
【0036】
直動ダンパー9は、回転軸11の回転操作を補助する。
【0037】
このため、ドアハンドル3の操作力を確実に軽減することができる。
【実施例2】
【0038】
図4〜
図6は、実施例2に係り、
図4は、ドアハンドルユニットの断面図、
図5は、回転操作前のドアハンドル及びアームの関係を示す
図4のA−A線矢視断面図、
図6は、回転操作後のドアハンドル及びアームの関係を示す
図4のA−A線矢視断面図である。なお、基本的な構成は、実施例1と同様であり、同一構成部分には同符号を付し、対応する構成部分には同符号にAを付し、重複した説明は省略する。
【0039】
本実施例2のドアハンドルユニット1Aは、直動ダンパー9Aを上下逆向きに配置し、直動ダンパー9のシリンダ部19が、板カム状のアーム7の周面7aに当接する構成となっている。
【0040】
直動ダンパー9Aのシリンダ部
19Aは、ダンパー支持ケース21に上下スライド自在に支持され、ダンパーロッド17Aがダンパー支持ケース21内底部に突き当てられている。
【0041】
したがって、アーム7の回転に応じてシリンダ部
19Aが上下して上記同様に作用効果を奏することができる。