特許第6184804号(P6184804)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社UACJの特許一覧

特許6184804アルミニウム合金材料のろう付け方法及びろう付け構造体の製造方法
<>
  • 特許6184804-アルミニウム合金材料のろう付け方法及びろう付け構造体の製造方法 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6184804
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】アルミニウム合金材料のろう付け方法及びろう付け構造体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 1/19 20060101AFI20170814BHJP
   B23K 3/06 20060101ALI20170814BHJP
   B23K 31/02 20060101ALI20170814BHJP
   C22C 21/00 20060101ALI20170814BHJP
   B23K 101/14 20060101ALN20170814BHJP
   B23K 103/10 20060101ALN20170814BHJP
【FI】
   B23K1/19 F
   B23K1/19 D
   B23K3/06 Q
   B23K31/02 310B
   C22C21/00 J
   B23K101:14
   B23K103:10
【請求項の数】10
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-175602(P2013-175602)
(22)【出願日】2013年8月27日
(65)【公開番号】特開2015-44208(P2015-44208A)
(43)【公開日】2015年3月12日
【審査請求日】2016年8月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000107538
【氏名又は名称】株式会社UACJ
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】特許業務法人あしたば国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100098682
【弁理士】
【氏名又は名称】赤塚 賢次
(74)【代理人】
【識別番号】100071663
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 保夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131255
【弁理士】
【氏名又は名称】阪田 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100125324
【弁理士】
【氏名又は名称】渋谷 健
(72)【発明者】
【氏名】山下 尚希
(72)【発明者】
【氏名】久富 裕二
【審査官】 篠原 将之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−257549(JP,A)
【文献】 特開平03−013294(JP,A)
【文献】 特開昭61−273253(JP,A)
【文献】 特開2014−185386(JP,A)
【文献】 特開2012−001748(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02418042(EP,A1)
【文献】 米国特許第06234243(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 1/19
B23K 3/06
B23K 31/02
C22C 21/00
B23K 101/14
B23K 103/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属粉末を、アルミニウム合金材料の表面に付着させ、次いで、フラックスを使用しないで不活性ガス又は水素ガス雰囲気中でろう付け加熱するろう付け方法であり、
該アルミニウム合金材料は、Mnの含有量が0.40質量%未満であり、残部がAl及び不可避不純物からなるアルミニウム合金材料であり、
該金属粉末は、Si元素、Mg元素及びZn元素を含むか、又はSi元素、Mg元素、Zn元素及びAl元素を含む金属粉末であり、
該アルミニウム合金材料の表面へのSiの付着量が1.0〜10.0g/mであり、Mgの付着量が0.1〜3.0g/mであり、Znの付着量が1.0〜5.0g/mであること、
を特徴とするアルミニウム合金材料のろう付け方法。
【請求項2】
前記金属粉末と、バインダーと、を含有する塗装剤を、前記アルミニウム合金材料の表面に塗布することにより、前記金属粉末を前記アルミニウム合金の表面に付着させることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム合金材料のろう付け方法。
【請求項3】
前記アルミニウム合金材料は、更に、3.0質量%以下のCu、1.2質量%以下のSi、及び5.0質量%以下のMgのうちの1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1又は2いずれか1項記載のアルミニウム合金材料のろう付け方法。
【請求項4】
前記アルミニウム合金材料は、更に、0.30質量%以下のTi、0.30質量%以下のZr、及び0.10質量%以下のSrのうちの1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項記載のアルミニウム合金材料のろう付け方法。
【請求項5】
ろう付け加熱の雰囲気が、窒素ガス又はアルゴンガス雰囲気であることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載のアルミニウム合金材料のろう付け方法。
【請求項6】
前記不活性ガス又は水素ガス雰囲気中の酸素濃度が、50ppm以下であることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載のアルミニウム合金材料のろう付け方法。
【請求項7】
金属粉末を、アルミニウム合金材料の表面に付着させ、次いで、フラックスを使用しないで不活性ガス雰囲気又は水素ガス中でろう付け加熱することにより、ろう付け構造体を得るろう付け構造体の製造方法であり、
該アルミニウム合金材料は、Mnの含有量が0.40質量%未満であり、残部がAl及び不可避不純物からなるアルミニウム合金材料であり、
該金属粉末は、Si元素、Mg元素及びZn元素を含むか、又はSi元素、Mg元素、Zn元素及びAl元素を含む金属粉末であり、
該アルミニウム合金材料の表面へのSiの付着量が1.0〜10.0g/mであり、Mgの付着量が0.1〜3.0g/mであり、Znの付着量が1.0〜5.0g/mであること、
を特徴とするろう付け構造体の製造方法。
【請求項8】
前記金属粉末と、バインダーと、を含有する塗装剤を、前記アルミニウム合金材料の表面に塗布することにより、前記金属粉末を前記アルミニウム合金の表面に付着させることを特徴とする請求項7記載のろう付け構造体の製造方法。
【請求項9】
前記アルミニウム合金材料は、更に、3.0質量%以下のCu、1.2質量%以下のSi、及び5.0質量%以下のMgのうちの1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項7又は8いずれか1項記載のろう付け構造体の製造方法。
【請求項10】
前記アルミニウム合金材料は、更に、0.30質量%以下のTi、0.30質量%以下のZr、及び0.10質量%以下のSrのうちの1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項7〜9いずれか1項記載のろう付け構造体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルミニウム合金材料のろう付け方法及びろう付け構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウムを用いてろう付け接合により製造されるものとして、アルミニウム製熱交換器がある。中でも、エバポレーター、コンデンサ、ヒータ、ラジエータ等の自動車用熱交換器には、一般に、軽量性と熱伝導性が良好なアルミニウム又はアルミニウム合金が使用されている。これらの熱交換器は、冷媒通路管とフィン及びヘッダ等の各部材が、所定構造に組み付けられた後に、炉中でろう付けすることにより接合される。この冷媒通路管には、必要に応じてろう材あるいは犠牲陽極材が心材の片面あるいは両面にクラッドされたブレージングシートを曲成して扁平管状にするものと、複数の内柱と冷媒流路となる孔を有する扁平管形状に押出した扁平多穴管と呼ばれるものが主に用いられている。
【0003】
従来、ろう付け法としては、被ろう付け構造体に予めフラックスを塗布し、不活性ガス雰囲気中でろう付けを行うフックスろう付け法と、フラックスを使用せずに真空中でろう付けを行う真空ろう付け法が、一般的に行われてきた。
【0004】
フラックスろう付け法では、ろう付け時に溶融ろうの濡れを阻止してしまうアルミニウム材料表面の酸化皮膜を、破壊除去し且つ再酸化を防止するために、ろう付け前の材料表面に予めフッ化物系化合物等のフラックスを塗布する工程が必要なため、コスト上昇を招いている。また、塗布したフラックスは、ろう付け後も材料表面に残渣として存在するため、エバポレーターのように凝縮水を排出させるための表面処理が行われるものにおいては、残渣フラックスが表面処理性を低下させるので、表面処理前にフラックス残渣を除去することが必要となる。また、冷媒通路等が非常に微細な構造を有する場合は、残渣フラックスが、微細構造部を埋めてしまい、熱交換性能を低下させてしまう。
【0005】
更に、近年では環境負荷低減の観点から、自動車の燃費向上のために熱交換器にもより一層の軽量化とコストダウンが求められている。これには、各部材の薄肉化が必要となり、各部材に使用する材料の高強度化と生産性の向上が必要となってくる。アルミニウム材料の高強度化にはMgを添加することが有効であるが、フッ化物系化合物を用いたフラックスろう付けの場合、Mgとフラックス中のFが反応して、MgFやKMgF等の高融点化合物を生成するため、フラックスの活性が低くなってしまい、ろう付け性が著しく悪くなる。そのため、Mgの添加が極少量に制限されるので、アルミニウム材料の高強度が制限されてしまう。高強度化のためには、Mg以外のCu、Si、Mn等の元素の添加も有効ではあるが、Mgほどの強度向上効果はなく、多量に添加すると固相線温度を低下させ、ろう付け中にアルミニウム材料が溶融してしまう危険がある。また、押出材を用いる場合でも、Mn添加による強度向上効果を狙うと、固溶Mnによって押出圧力の上昇が著しく、Mn添加量には限界があった。また、良好な押出性を維持しつつ時効硬化による強度向上効果が得られるMgとSiを添加することが有効であるが、Mgとフラックスの反応によるろう付け性の低下により、ろう付け用材料として用いられることはない。これらのことから、フラックスろう付け法で、高強度のアルミニウム材料をろう付けすることが困難であった。
【0006】
更に、フラックスは、ろう付け加熱炉の炉壁材や被ろう付け体を搬送するための治具を著しく劣化させてしまう。そのため、フラックろう付け法では、炉壁や治具にフラックスに対して耐性が高い材料を用いることや、大きなメンテナンス費用が必要であった。
【0007】
また、真空ろう付け法では、ろう材中のMgがろう付け加熱中に蒸発することで、酸化皮膜が破壊除去され、ろう付け後の再酸化が防がれる。このため、ろう材中に1〜2%程度のMgを含有させることが必要である。真空ろう付け法では、ろう付けを行う雰囲気の圧力を1×10−2〜10−3Pa程度の真空にする必要があるため、拡散ポンプ等の高価な設備が必要となる。更に、アルミニウム材料中に添加したMgが、ろう付け加熱中に蒸発して減少するため、真空ろう付け法で、高強度のアルミニウム材料をろう付けすることが困難であった。更に、真空ろう付けでは、Znもろう付け加熱中に蒸発してしまうため、Znによる犠牲陽極効果を得ることができないため、耐食性を高めることも困難となっている。
【0008】
そこで、フラックスを使用しないろう付け法として、例えば、特開平3−13294号公報(特許文献1)には、Al−Si系合金粉末とMg−Al系合金粉末又は純Mg粉末とを特定の割合で配合した粉末混合物によるフラックスレスろう付け法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平3−13294号公報(特許請求の範囲)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、特許文献1のフラックスレスろう付け法であってもなお、更に、接合強度に優れる接合フィレットの形成方法が求められていた。
【0011】
従って、本発明の課題は、フラックスを使用しないアルミニウム合金材料のろう付け法において、十分な接合強度を持つ接合フィレットが形成されるろう付け方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記従来技術における課題を解決すべく、鋭意研究を重ねた結果、付着物がSi、Mg及びZnを必須元素として含み、且つ、これらの元素の付着量が、特定の付着量となるように、アルミニウム合金材料の表面に、金属粉末を付着させ、ろう付け加熱することにより、フラックスを使用することなく十分な接合強度を持つ接合フィレットが形成されることを見出し、本発明を完成させた。
【0013】
すなわち、本発明(1)は、金属粉末を、アルミニウム合金材料の表面に付着させ、次いで、フラックスを使用しないで不活性ガス又は水素ガス雰囲気中でろう付け加熱するろう付け方法であり、
該アルミニウム合金材料は、Mnの含有量が0.40質量%未満であり、残部がAl及び不可避不純物からなるアルミニウム合金材料であり、
該金属粉末は、Si元素、Mg元素及びZn元素を含むか、又はSi元素、Mg元素、Zn元素及びAl元素を含む金属粉末であり、
該アルミニウム合金材料の表面へのSiの付着量が1.0〜10.0g/mであり、Mgの付着量が0.1〜3.0g/mであり、Znの付着量が1.0〜5.0g/mであること、
を特徴とするアルミニウム合金材料のろう付け方法を提供するものである。
【0014】
また、本発明(2)は、金属粉末を、アルミニウム合金材料の表面に付着させ、次いで、フラックスを使用しないで不活性ガス雰囲気又は水素ガス中でろう付け加熱することにより、ろう付け構造体を得るろう付け構造体の製造方法であり、
該アルミニウム合金材料は、Mnの含有量が0.40質量%未満であり、残部がAl及び不可避不純物からなるアルミニウム合金材料であり、
該金属粉末は、Si元素、Mg元素及びZn元素を含むか、又はSi元素、Mg元素、Zn元素及びAl元素を含む金属粉末であり、
該アルミニウム合金材料の表面へのSiの付着量が1.0〜10.0g/mであり、Mgの付着量が0.1〜3.0g/mであり、Znの付着量が1.0〜5.0g/mであること、
を特徴とするろう付け構造体の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、フラックスを使用しないアルミニウム合金材料のろう付け法において、十分な接合強度を持つ接合フィレットが形成されるろう付け方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施例及び比較例での逆T字ろう付け試験での試験片の組み付け態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明のアルミニウム合金材料のろう付け方法は、金属粉末を、アルミニウム合金材料の表面に付着させ、次いで、フラックスを使用しないで不活性ガス又は水素ガス雰囲気中でろう付け加熱するろう付け方法であり、
該アルミニウム合金材料は、Mnの含有量が0.40質量%未満であり、残部がAl及び不可避不純物からなるアルミニウム合金材料であり、
該金属粉末は、Si、Mg、Zn及びAlの元素のうちの少なくとも1種又は2種以上を含む金属粉末であり、
該アルミニウム合金材料の表面へのSiの付着量が1.0〜10.0g/mであり、Mgの付着量が0.1〜3.0g/mであり、Znの付着量が1.0〜5.0g/mであること、
を特徴とするアルミニウム合金材料のろう付け方法である。
【0018】
本発明のアルミニウム合金材料のろう付け方法は、金属粉末をアルミニウム合金材料の表面に付着させ、次いで、フラックスを使用しないで不活性ガス又は水素ガス雰囲気中でろう付け加熱を行い、アルミニウム合金材料をろう付けするろう付け方法である。
【0019】
本発明に係る金属粉末は、Si、Mg、Zn及びAlの元素のうちの少なくとも1種又は2種以上を含む金属粉末である。具体的には、Siを含み残部不可避不純物からなる金属粉末、Mgを含み残部不可避不純物からなる金属粉末、Znを含み残部不可避不純物からなる金属粉末、Si、Mg及びZnのうちの2種以上を含み残部不可避不純物からなる合金粉末、Si、Mg及びZnのうちの少なくとも1種又は2種以上を含み残部Al及び不可避不純物からなるアルミニウム合金粉末である。また、本発明に係る金属粉末は、本発明の効果を損なわない範囲で、Si、Mg、Zn及びAl以外の元素を含んでいてもよい。つまり、本発明に係る金属粉末は、Si単体粉末、Mg単体粉末、Zn単体粉末、Al−Si合金粉末、Al−Mg合金粉末、Al−Zn合金粉末、Si−Mg合金粉末、Si−Zn合金粉末、Mg−Zn合金粉末、Al−Si−Mg合金粉末、Al−Si−Zn合金粉末、Al−Mg−Zn合金粉末、Si−Mg−Zn合金粉末、Al−Si−Mg−Zn合金粉末、あるいは、これらの粉末に、本発明の効果を損なわない範囲で、Si、Mg、Zn及びAl以外の元素が含まれている金属粉末である。
【0020】
本発明では、アルミニウム合金材料の表面に付着させる金属付着物全体中に、Si、Mg及びZnを必須元素として含有していればよい。アルミニウム合金材料の表面に付着させる金属粉末の組み合わせとしては、例えば、
Siを含み残部不可避不純物からなる金属粉末と、Mgを含み残部不可避不純物からなる金属粉末と、Znを含み残部不可避不純物からなる金属粉末との組み合わせ、
Siを含み残部Al及び不可避不純物からなるアルミニウム合金粉末と、Mgを含み残部Al及び不可避不純物からなるアルミニウム合金粉末と、Znを含み残部Al及び不可避不純物からなるアルミニウム合金粉末との組み合わせ、
Siを含み残部不可避不純物からなる金属粉末と、Mg及びZnを含み残部不可避不純物からなる合金粉末との組み合わせ、
Mgを含み残部不可避不純物からなる金属粉末と、Si及びZnを含み残部不可避不純物からなる合金粉末との組み合わせ、
Znを含み残部不可避不純物からなる金属粉末と、Si及びMgを含み残部不可避不純物からなる合金粉末との組み合わせ、
Si、Mg及びZnを含み残部Al及び不可避不純物からなるアルミニウム合金粉末、
等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、アルミニウム合金材料の表面の金属付着物全体中に、Si、Mg及びZnが含まれる組み合わせであればよい。また、上記組み合わせでは、本発明の効果を損なわない範囲で、金属粉末が、Si、Mg、Zn及びAl以外の元素が含んでいてもよい。なお、金属付着物全体とは、アルミニウム合金材料の表面に付着させた金属の全体を指す。
【0021】
アルミニウム合金材料の表面の金属付着物全体中に、Si、Mg、Zn及びAl以外の元素を含む場合、Si、Mg、Zn及びAl以外の元素の合計含有量は、金属付着物全体に対して、好ましくは5.0質量%以下、特に好ましくは1.0質量%以下である。言い換えると、アルミニウム合金材料の表面の金属付着物全体中、Si、Mg、Zn及びAlの合計含有量は、好ましくは95.0質量%以上、特に好ましくは99.0質量%以上である。
【0022】
金属付着物中のSiは、ろう付け中にAlと反応し、Al−Si合金共晶温度である577℃で溶融し、Al−Si合金溶融ろうとなる。Siは、単体元素粉末として存在していても、Siを含有する合金粉末として存在していてもよい。
【0023】
金属付着物中のMgは、Alよりも酸化物生成自由エネルギーが低く、ろう付け時にAl表面に存在するAl酸化皮膜を還元し、MgOとなる。MgOは、Alの緻密な酸化皮膜に比べ、溶融ろうの濡れを阻害し難く、更に、Al酸化皮膜中にMgOが生成、散在することで、Al酸化皮膜破壊の起点ともなり、結果、Al−Si合金溶融ろうの濡れが進展し、ろう付けが可能となる。また、Mgは、Alと共晶反応して、Al−Si合金ろうが溶融する577℃よりも低い温度である450℃で溶融し、Al−Si合金溶融ろうの濡れ広がりを助長する。Mgは、単体元素粉末として存在していても、Mgを含有する合金粉末として存在していてもよい。
【0024】
Znは、Alと共晶反応し、混合塗布されるSiやMgのAlとの共晶温度よりも低い381℃で溶融する。これにより、その後に共晶溶融するAl−Mg合金液相の濡れを助長し、MgによるAl酸化皮膜の還元効果がより一層顕著になる。それと共に、その後に溶融するAl−Si合金溶融ろうの濡れ広がりも助長する。更には、Znは、ろう付け時にAl母材中に拡散して表層部に犠牲陽極層を形成し、ろう付け後のAl母材の耐食性向上に寄与する。Znは、単体元素粉末として存在していても、Znを含有する合金粉末として存在していてもよい。
【0025】
そして、本発明では、金属付着物中にSi、Mg及びZnの3種の元素が全て共存することで、効果が得られ、フラックスを使用することなく、ろう付けすることが可能となる。
【0026】
金属粉末の粒径は、微細なほど好ましく、100μm以下が特に好ましく、30μm以下がより好ましい。このような微細な金属粉末は、アトマイズ法や粉砕法により製造される。
【0027】
本発明において、金属粉末が付着されるアルミニウム合金材料は、Mn含有量が0.40質量%未満、好ましくは0.20質量%未満であり、残部がAl及び不可避不純物からなるアルミニウム合金材料である。Mnを含有するアルミニウム合金材料では、アルミニウム合金材料がMnを含有することにより、Al母材相にMnが固溶して、製造加工が困難となり、特に押出性が低下するため、押出加工による製造が困難となる。アルミニウム合金材料中のMn含有量が、上記範囲以上だと、高速で扁平多穴管を押出しした場合に内柱が十分に形成されなくなる。
【0028】
アルミニウム合金材料は、更に、3.0質量%以下、好ましくは2.5質量%以下のCuを含有することができる。アルミニウム合金材料がCuを含有することにより、アルミニウム合金材料の強度が向上する。更に、Cuを含有することで、固相線温度が低下し、溶融ろうの濡れ広がりを助長する。更には、例えば、フィン材などの粉末塗布面に接合される部材との接合部フィレットに、塗布した粉末から拡散したZnが濃縮して電位が卑化し、その後の使用環境にて早期腐食することが懸念されるが、Cuはこの接合部フィレットに拡散し電位を貴化する効果がある。アルミニウム合金材料中のCu含有量が、上記範囲を超えると、固相線温度の低下が顕著となり、ろう付け時に溶融する恐れがある。
【0029】
アルミニウム合金材料は、更に、1.2質量%以下、好ましくは1.0質量%以下のSiを含有することができる。アルミニウム合金材料がSiを含有することにより、アルミニウム合金材料の強度が向上する。更に、Siを含有することで、固相線温度が低下し、溶融ろうの濡れ広がりを助長する。アルミニウム合金材料中のSi含有量が、上記範囲を超えると、固相線温度の低下が顕著となり、ろう付け時に溶融する恐れがある。
【0030】
アルミニウム合金材料は、更に、5.0質量%以下、好ましくは4.0質量%以下のMgを含有することができる。アルミニウム合金材料がMgを含有することにより、アルミニウム合金材料の強度が向上する。更に、Mgを含有することで、固相線温度が低下し、溶融ろうの濡れ広がりを助長する。アルミニウム合金材料中のMg含有量が、上記範囲を超えると、固相線温度の低下が顕著となり、ろう付け時に溶融する恐れがある。
【0031】
アルミニウム合金材料は、Cu、Si及びMgのうちの1種を含有しても、2種以上を含有してもよく、これらの元素を2種以上含有する場合は、複合的に効果が得られる。
【0032】
アルミニウム合金材料は、更に、0.3質量%以下、好ましくは0.05〜0.2質量%のTiを含有することができる。Tiは、アルミニウム合金材料中にTiの高濃度の領域と低濃度の領域を形成し、これらの領域が材料の肉厚方向に交互に層状に分布し、Tiが低濃度の領域は高濃度の領域に比べ、優先的に腐食するために、腐食形態が層状になり、肉厚方向への腐食の進行が抑制される。これにより、耐孔食性及び耐粒界腐食性が向上する。更に、アルミニウム合金材料がTiを含有することにより、常温及び高温での強度が向上する。アルミニウム合金材料中のTi含有量が、上記範囲を超えると、鋳造時に巨大晶出物が生成し、健全な材料の製造が困難となる。
【0033】
アルミニウム合金材料は、更に、0.3質量%以下のZrを含有することができる。アルミニウム合金材料がZrを含有することにより、ろう付け加熱時に再結晶する際の再結晶粒が粗大化する。それにより、母材の粒界密度を低下させることができ、Al−Si合金液相ろうが、母材の結晶粒界へ浸透することを抑制でき、粒界への優先的な腐食が生じることを抑制することができる。アルミニウム合金材料中のZr含有量が、上記範囲を超えると、鋳造時に割れが生じたり、巨大晶出物が生成し、健全な材料の製造が困難となる。
【0034】
アルミニウム合金材料は、更に、0.1質量%以下のSrを含有することができる。アルミニウム合金材料がSrを含有することにより、ろう付け時に生じたAl−Si合金液相ろうが冷却時に凝固する際、晶出する共晶組織が微細化され分散する。これにより、材料表面のアノードサイトとなる共晶組織が分散されるため、腐食が均一に分散し面状の腐食形態になり耐食性が向上する。アルミニウム合金材料中のSr含有量が、上記範囲を超えると、Al−Si−Sr系化合物が晶出し、共晶組織が微細化しない。
【0035】
アルミニウム合金材料は、Ti、Zr及びSrのうちの1種を含有しても、2種以上を含有してもよく、これらの元素を2種以上含有する場合は、複合的に効果が得られる。
【0036】
アルミニウム合金材料の形態は、押出材が特に有利であるが、押出材に制限されず、圧延材でも押出材でも鋳造材でも鍛造材でもよい。圧延材の場合は、クラッド材でもよい。形状は、単純な板形状であっても、板材を曲成したものや、プレス成型したものであってもよい。切削加工したものでもよい。押出材の場合は、多穴管でもよいし、管材、型材、棒材でもよい。
【0037】
そして、本発明では、先ず、金属粉末を、アルミニウム合金材料の表面に付着させる。
【0038】
本発明において、金属粉末をアルミニウム合金材料の表面に付着させる方法としては、特に制限されず、例えば、金属粉末と、バインダーと、を含有する塗布剤を、アルミニウム合金材料の表面に塗布する方法(以下、付着方法(1)とも記載する。)、金属粉末をアルミニウム合金材料の表面にコールドスプレーする方法(以下、付着方法(2)とも記載する。)、金属粉末をアルミニウム合金材料の表面に溶射する方法(以下、付着方法(3)とも記載する。)が挙げられる。
【0039】
付着方法(1)に係る塗装剤は、金属粉末と、バインダーと、を含有する。塗装剤に含有されているバインダーは、金属粉末をアルミニウム合金材料の表面に付着させるためのものであり、特に制限されないが、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂が挙げられる。塗装剤中のバインダーの含有量は、塗装剤全体に対して10〜50質量%が好ましい。塗装剤中のバインダーの含有量が、上記範囲未満だと、金属粉末の密着性が劣って、金属粉末が飛散し易くなり、また、上記範囲を超えると、バインダーの使用量が多くなって、不経済であると共に、ろう付け性が低下し易い。
【0040】
付着方法(1)に係る塗装剤は、流動性を向上させるために、アルコール等の溶剤を含有することができる。塗装剤が溶剤を含有することにより、塗膜の均一性が向上し、塗布速度も向上する。また、塗装剤は、必要に応じ、反応抑制剤、沈降防止剤を含有することができる。
【0041】
付着方法(2)としては、加速用ガスとともにアルミニウム合金の表面に金属粉末を吹き付けるコールドスプレー法が用いられる。コールドスプレーにおける金属粉末の加速用ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン等の不活性ガスや空気が使用される。コールドスプレーにおける粒子速度(アルミニウム合金の表面に対する金属粉末の衝突速度)が低過ぎると、アルミニウム合金の表面に付着する金属粉末の付着率が低下するため、粒子速度を2000m/秒以上とすることが好ましい。そのためには、加速用ガスの圧力は、0.5〜3MPaの範囲に設定することが好ましい。
【0042】
付着方法(3)としては、金属粉末を溶融させながらアルミニウム合金の表面に吹き付ける溶射法が用いられる。金属粉末を溶融させる方法としては、金属粉末を混合させた可燃性ガスや燃料を燃焼させながらアルミニウム合金の表面に吹き付けるフレーム溶射法や、キャリアガスに混合した金属粉末を、溶射ガンに設置した電極間で発生させたアーク放電部を通過させて、金属粉末を溶融させるアーク溶射法があるが、フレーム溶射法では燃焼させるための酸素により金属粉末が酸化してしまうおそれがあるため、不活性ガスをキャリアガスとしたアーク溶射法が好ましい。溶射雰囲気温度は2000〜4000℃が好ましく、溶射法における粒子速度(アルミニウム合金の表面に対する溶融した金属粉末の衝突速度)は500〜1000m/秒が好ましい。500m/秒未満では溶融した金属粉末が十分にアルミニウム合金と衝突できずに付着率が低下し、1000m/秒を超えると、金属粉末が加熱される時間が短くなりすぎて十分に溶融できなくなり、金属粉末の付着率が低下する。
【0043】
本発明では、金属粉末をアルミニウム合金材料に付着させるときに、アルミニウム合金材料の表面へのSi元素の付着量が1.0〜10.0g/mとなり、Mg元素の付着量が0.1〜3.0g/mとなり、且つ、Zn元素の付着量が1.0〜5.0g/mとなるように、アルミニウム合金材料の表面に金属粉末を付着させる。
【0044】
アルミニウム合金材料の表面へのSiの付着量は、1.0〜10.0g/m、好ましくは1.0〜5.0g/mである。Siの付着量が、上記範囲未満だと、生成する溶融ろう量が不足し、健全なフィレットが形成されず、また、上記範囲を超えると、Al母材の溶融が顕著になり、健全なろう付け状態が得られない。
【0045】
アルミニウム合金材料の表面へのMgの付着量は、0.1〜3.0g/m、好ましくは0.1〜2.0g/mである。Mgの付着量が、上記範囲未満だと、Al酸化皮膜を破壊する効果が低くなるとともに、ろう付け時にAl母材中に拡散して固溶硬化あるいはSi、Znとの析出硬化に寄与する効果も低くなる。また、Mgの付着量が、上記範囲を超えると、生成するMgOが多くなり過ぎて、Mgの効果が減退する。
【0046】
アルミニウム合金材料の表面へのZnの付着量は、1.0〜5.0g/m、好ましくは1.0〜4.0g/mである。Znの付着量が、上記範囲未満だと、Znが不足してZnの効果が低くなるとともに、ろう付け時にAl母材中に拡散して犠牲陽極層を形成する効果も低くなる。また、Znの付着量が、上記範囲を超えると、表面のZn濃度が高くなり、母材又は接合部の耐食性の低下を招く。
【0047】
アルミニウム合金材料の表面へのSi、Mg及びZnの合計付着量は、2.1〜18g/mである。Si、Mg及びZnの合計付着量が、上記範囲未満だと、Si、Mg又はZnのいずれかの付着量が下限値をはずれるため、ろう付け性又は犠牲陽極性が不十分となり、また、上記範囲を超えると、塗膜の厚さが厚くなり過ぎ、熱交換器として組み付けてろう付けした場合、縮み量が大きくなり、コアの変形や接合不良が生じ易くなる。
【0048】
アルミニウム合金材料の表面へのSi、Mg及びZnの付着量は、塗装剤中の金属粉末の含有量、含有量比、金属粉末が合金粉末の場合は合金中の成分比、塗装剤の塗膜厚さ等により、適宜調節される。
【0049】
本発明では、次いで、塗装剤が塗布されたアルミニウム合金材料を、不活性ガス又は水素ガス雰囲気中で、ろう付け加熱して、ろう付けを行う。このとき、本発明では、フラックスを使用しないで、ろう付けを行う。
【0050】
ろう付けの雰囲気は、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気又は水素ガス雰囲気である。また、不活性ガス雰囲気中の酸素濃度は、50ppm以下、好ましくは20ppmである。不活性ガス雰囲気中の酸素濃度が、上記範囲を超えると、雰囲気中の酸素により材料表面の酸化が進展し、ろう付け性を低下させる。
【0051】
ろう付け加熱条件は、特に制限されず、適宜選択される。なお、ろう付け加熱条件を調節することにより、次のような特性を得ることができる。
(1)ろう付け加熱保持時間を短くすることにより、ろう付け時に雰囲気中の酸素による酸化を抑制でき、ろう付け性を向上させることができる。
(2)ろう付け加熱保持時間を長くすることにより、金属付着物中のSi、Mg、Znのアルミニウム合金母材への拡散が進展し、固溶硬化を促進させることができる。更に、ろう付け加熱後の冷却速度を高くすることにより、溶体化処理後焼き入れすることができ、併せてアルミニウム合金母材中に含有されているCu、Si、Mgも、溶体化処理後焼き入れすることができる。その結果、Al−Cu系化合物、Al−Cu−Mg系化合物、Mg−Si系化合物、Mg−Zn系化合物などの析出による時効硬化を得ることができる。
【0052】
本発明のろう付け構造体の製造方法は、本発明のアルミニウム合金材料のろう付け方法により、アルミニウム合金材料をろう付けして、ろう付け構造体を得る方法であり、金属粉末を、アルミニウム合金材料の表面に付着させ、次いで、フラックスを使用しないで不活性ガス雰囲気中でろう付け加熱することにより、ろう付け構造体を得るろう付け構造体の製造方法であり、
該アルミニウム合金材料は、Mnの含有量を0.40質量%未満に規制し、残部がAl及び不可避不純物からなるアルミニウム合金材料であり、
該金属粉末は、Si、Mg、Zn及びAlの元素のうちの少なくとも1種又は2種以上を含む金属粉末であり、
該アルミニウム合金材料の表面へのSiの付着量が1.0〜10.0g/mであり、Mgの付着量が0.1〜3.0g/mであり、Znの付着量が1.0〜5.0g/mであること、
を特徴とするろう付け構造体の製造方法である。
【0053】
本発明において、ろう付け構造体とは、アルミニウム合金材料をろう付けすることによって得られるものを指す。
【0054】
本発明のろう付け構造体の製造方法に係る金属粉末、その付着量及び付着方法、アルミニウム合金材料並びにろう付け方法は、本発明のアルミニウム合金材料のろう付け方法に係る金属粉末、その付着量及び付着方法、アルミニウム合金材料並びにろう付け方法と同様である。
【0055】
以下、本発明の実施例を比較例と対比して説明し、その効果を実証する。これらの実施例は本発明の一実施態様を示すものであり、本発明はこれに限定されるものではない。
【実施例】
【0056】
(実施例及び比較例)
<試験材の作製>
実施例として、表1に示す組成を有するスラブを鋳造した。また、比較例として、表2に示す組成を有するビレットを鋳造した。これらのビレットに、均質化処理を行った後、500℃に加熱して、30mm幅×1mm高さ、内柱厚さ0.2mm、外壁厚さ0.2mmの扁平多穴管を120m/分の速度で熱間押出した。その後、自然冷却して、アルミニウム合金試験材を得た。なお、比較例のS、T、Zについては、内柱が欠損して、正常な試験材を製造することができなかった。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
<試験1>
表3及び表4に示す金属粉末を混合し、塗装剤中のアクリル樹脂系バインダーの含有量が30質量%となるように、アルリル系バインダーを混合して、塗装剤を調製した。次いで、図1に示すように、試験材(扁平多穴管)1の片面表面に、塗装剤2を塗布した。乾燥後、試験材1の塗布面に、0.1mm厚さのA3003−H14材を10mm高さにコルゲート成形したフィン3を組み付けたろう付け試験体を作成し、ろう付け試験を実施した。水平に設置する試験材の寸法は、30mm幅×60mm長さであり、コルゲートフィン3は、30mm幅であった。なお、図1中、(A)は正面図であり、(B)は側面図である。また、試験材(扁平多穴管)については塗布前に脱脂を行い、垂直板については組み付け前に脱脂を行った。
次いで、ろう付け加熱を、表5に示す雰囲気中で、最高到達温度600℃で3分間保持して行った。
加熱後のろう付け試験体について、接合の有無、フィレット形成の有無及び母材溶融の有無を確認した。その結果を表5に示す。なお、接合できてフィレット形成が十分で、母材溶融がなかったものを良好「○」とし、未接合又は母材溶融が見られたものを不良「×」とし、フィレット形成が不十分だったものを「△」とした。
【0060】
【表3】
1)金属粉末中のSi濃度、Mg濃度、Zn濃度
【0061】
【表4】
1)金属粉末中のSi濃度、Mg濃度、Zn濃度
【0062】
【表5】
【0063】
【表6】
【0064】
<試験2>
試験1で結果が良好だったろう付け試験体について、SWAAT試験を実施し耐食性を評価した。SWAAT試験は、ASTM−G85−A3に準拠した。試験では、試験体の裏面と端部をマスキングして行った。試験期間は40日間とし、塗布面の腐食深さと扁平多穴管とフィンとのフィレットの腐食を調査した。その結果を表7に示す。塗布面の腐食深さが0.2mm以下で、フィレット腐食がない又は軽微なものを良好「○」とし、腐食深さが0.2mmを超えるもの、又はフィレット腐食が顕著なものを中程度「△」とし、腐食深さが0.2mmを超え且つフィレット腐食が顕著なものを不良「×」とした。
【0065】
【表7】
【0066】
以上より、本発明のろう付け方法は、不活性ガス又は水素ガス雰囲気中でフラックスを使用せずにろう付けした場合に、接合性に優れることが分かった。また、ろう付けにより得られるろう付け構造体の塗装面及び継手部フィレットの耐食性も優れることが分かった。
図1