(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6184805
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】遮断素子、及び遮断素子回路
(51)【国際特許分類】
H01H 37/76 20060101AFI20170814BHJP
H02H 3/08 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
H01H37/76 F
H01H37/76 P
H02H3/08 P
【請求項の数】25
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-177058(P2013-177058)
(22)【出願日】2013年8月28日
(65)【公開番号】特開2015-46316(P2015-46316A)
(43)【公開日】2015年3月12日
【審査請求日】2016年6月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108410
【氏名又は名称】デクセリアルズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】特許業務法人つばさ国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100113424
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 信博
(72)【発明者】
【氏名】米田 吉弘
【審査官】
太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】
特開平10−056742(JP,A)
【文献】
特開2004−185960(JP,A)
【文献】
特開2007−042520(JP,A)
【文献】
特開平09−115418(JP,A)
【文献】
特表2005−505110(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 37/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁基板と、
上記絶縁基板に形成され、第1の回路を構成する第1及び第2の電極と、
上記絶縁基板に形成され、上記第1の回路と電気的に独立して形成された第2の回路を構成する第3〜第5の電極と、
上記第1及び第2の電極間にわたって搭載された第1の可溶導体と、
上記第3及び第4の電極間に接続された発熱体と、
上記第4及び第5の電極間にわたって搭載された第2の可溶導体とを備えた遮断素子。
【請求項2】
上記第3〜第5の電極間に電流を流し上記発熱体が発熱した熱により、上記第1の可溶導体を溶断させた後に、上記第2の可溶導体を溶断させる請求項1記載の遮断素子。
【請求項3】
上記第1の可溶導体は、上記第2の可溶導体よりも、上記発熱体の発熱中心に近い位置に搭載されている請求項1又は2に記載の遮断素子。
【請求項4】
上記第1の可溶導体の断面積は、上記第2の可溶導体の断面積よりも小さい請求項1〜3のいずれか1項に記載の遮断素子。
【請求項5】
上記第1の可溶導体の長さは、上記第2の可溶導体の長さよりも長い請求項1〜4のいずれか1項に記載の遮断素子。
【請求項6】
上記第1の可溶導体の融点が、上記第2の可溶導体の融点よりも低い請求項1〜5のいずれか1項に記載の遮断素子。
【請求項7】
上記絶縁基板の上記第1〜第5の電極が形成されている面の表面に絶縁層を備え、
上記発熱体は、上記絶縁基板と上記絶縁層の間、又は上記絶縁層の内部に形成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の遮断素子。
【請求項8】
上記発熱体は、上記絶縁基板の上記表面と反対側の面に形成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の遮断素子。
【請求項9】
上記発熱体は、上記絶縁基板の内部に形成されている請求項請求項1〜6のいずれか1項に記載の遮断素子。
【請求項10】
上記発熱体は、上記第1及び第2の電極が重畳する請求項6〜9のいずれか1項に記載の遮断素子。
【請求項11】
上記発熱体は、上記第4及び第5の電極が重畳する請求項10記載の遮断素子。
【請求項12】
上記絶縁基板の上記第1〜第5の電極が形成されている面の表面に絶縁層を備え、
上記発熱体は、上記絶縁基板と上記絶縁層の間に形成されるとともに、上記第1及び第2の電極、並びに上記第4及び第5の電極と並んで形成されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の遮断素子。
【請求項13】
上記第1の可溶導体及び/又は上記第2の可溶導体は、Snを主成分とするPbフリーハンダである請求項1〜12のいずれか1項に記載の遮断素子。
【請求項14】
上記第1の可溶導体及び/又は上記第2の可溶導体は、低融点金属と高融点金属とを含有し、
上記低融点金属が上記発熱体からの加熱により溶融し、上記高融点金属を溶食する請求項1〜12のいずれか1項に記載の遮断素子。
【請求項15】
上記低融点金属はハンダであり、
上記高融点金属は、Ag、Cu又はAg若しくはCuを主成分とする合金である請求項14記載の遮断素子。
【請求項16】
上記第1の可溶導体及び/又は上記第2の可溶導体は、内層が高融点金属であり、外層が低融点金属の被覆構造である請求項1〜12、14又は15のいずれか1項に記載の遮断素子。
【請求項17】
上記第1の可溶導体及び/又は上記第2の可溶導体は、内層が低融点金属であり、外層が高融点金属の被覆構造である請求項1〜12、14又は15のいずれか1項に記載の遮断素子。
【請求項18】
上記第1の可溶導体及び/又は上記第2の可溶導体は、低融点金属と、高融点金属とが積層された積層構造である請求項1〜12、14又は15のいずれか1項に記載の遮断素子。
【請求項19】
上記第1の可溶導体及び/又は上記第2の可溶導体は、低融点金属と、高融点金属とが交互に積層された4層以上の多層構造である請求項1〜12、14又は15のいずれか1項に記載の遮断素子。
【請求項20】
上記第1の可溶導体及び/又は上記第2の可溶導体は、内層を構成する低融点金属の表面に形成された高融点金属に、開口部が設けられている請求項1〜12、14又は15のいずれか1項に記載の遮断素子。
【請求項21】
上記第1の可溶導体及び/又は上記第2の可溶導体は、多数の開口部を有する高融点金属層と、上記高融点金属層上に形成された低融点金属層とを有し、上記開口部に低融点金属が充填されている請求項1〜12、14又は15のいずれか1項に記載の遮断素子。
【請求項22】
上記第1の可溶導体及び/又は上記第2の可溶導体は、低融点金属の体積が、高融点金属の体積よりも多い請求項1〜12、14〜21のいずれか1項に記載の遮断素子。
【請求項23】
第1の可溶導体を有する第1の回路と、
上記第1の回路と電気的に独立して形成され、発熱体と、上記発熱体の一端と接続された第2の可溶導体とを有する第2の回路とを備えた遮断素子回路。
【請求項24】
上記第2の回路に電流を流し上記発熱体が発熱した熱により、上記第1の可溶導体を溶断させて上記第1の回路を遮断した後に、上記第2の可溶導体を溶断させる請求項23記載の遮断素子回路。
【請求項25】
上記第2の回路は、上記発熱体及び上記第2の可溶導体が電源及びスイッチ素子に接続され、上記スイッチ素子を駆動させることにより電流が流れる請求項23又は24に記載の遮断素子回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源ラインや信号ラインを電気的且つ物理的に遮断することにより安全性を保障する遮断素子、及び遮断素子回路に関する。
【背景技術】
【0002】
充電して繰り返し利用することのできる二次電池の多くは、バッテリパックに加工されてユーザに提供される。特に重量エネルギー密度の高いリチウムイオン二次電池においては、ユーザ及び電子機器の安全を確保するために、一般的に、過充電保護、過放電保護等のいくつもの保護回路をバッテリパックに内蔵し、所定の場合にバッテリパックの出力を遮断する機能を有している。
【0003】
この種の遮断素子には、バッテリパックに内蔵されたFETスイッチを用いて出力のON/OFFを行うことにより、バッテリパックの過充電保護又は過放電保護動作を行うものがある。しかしながら、何らかの原因でFETスイッチが短絡破壊した場合、雷サージ等が印加されて瞬間的な大電流が流れた場合、あるいはバッテリセルの寿命によって出力電圧が異常に低下したり、逆に過大異常電圧を出力した場合であっても、バッテリパックや電子機器は、発火等の事故から保護されなければならない。そこで、このような想定し得るいかなる異常状態においても、バッテリセルの出力を安全に遮断するために、外部からの信号によって電流経路を遮断する機能を有するヒューズ素子からなる遮断素子が用いられている。
【0004】
図17に示すように、このようなリチウムイオン二次電池等向けの保護回路の遮断素子80としては、電流経路上に接続された第1及び第2の電極81,82間に亘って可溶導体83を接続して電流経路の一部をなし、この電流経路上の可溶導体83を、過電流による自己発熱、あるいは遮断素子80内部に設けた発熱体84によって溶断するものが提案されている。
【0005】
具体的に、遮断素子80は、絶縁基板85と、絶縁基板85に積層され、絶縁部材86に覆われた発熱体84と、絶縁基板85の両端に形成された第1、第2の電極81,82と、絶縁部材86上に発熱体84と重畳するように積層された発熱体引出電極88と、両端が第1、第2の電極81,82にそれぞれ接続され、中央部が発熱体引出電極88に接続された可溶導体83とを備える。
【0006】
図18は、遮断素子80の回路図である。すなわち、遮断素子80は、発熱体引出電極88を介して直列接続された可溶導体83と、可溶導体83の接続点を介して通電して発熱させることによって可溶導体83を溶融する発熱体84とからなる回路構成である。また、遮断素子80では、たとえば、可溶導体83が充放電電流経路上に直列接続され、発熱体84が電流制御素子87と接続される。電流制御素子87は、例えば電界効果トランジスタ(以下、FETと呼ぶ。)により構成され、リチウムイオン二次電池が異常電圧を示したときには、可溶導体83を介して発熱体84に電流が流れるように制御される。
【0007】
これにより遮断素子80は、発熱体84の発熱により、電流経路上の可溶導体83を溶断させ、この溶融導体を発熱体引出電極88に集めることにより、第1及び第2の電極81,82間の電流経路を遮断し、バッテリパックの充放電経路を電気的且つ物理的に遮断することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−003665号公報
【特許文献2】特開2004−185960号公報
【特許文献3】特開2012−003878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここで、
図17、
図18に示す遮断素子80においては、発熱体84を発熱させる電力を、可溶導体83を介して供給するものであるが、第1の電極81〜可溶導体83〜第2の電極82にわたる電流経路はバッテリの充放電経路であることから、発熱体84の通電時においても発熱体84に可溶導体83を溶断させるのに十分な熱量を得ることができる。
【0010】
しかし、遮断素子80を、電源ラインよりも微弱な電流を流す信号ラインにおいて用いる場合には、発熱体84に可溶導体83を溶断させるのに十分な発熱量を得るほどの電力を供給することができず、遮断素子80の用途が大電流用途に限られていた。
【0011】
また、電流経路を発熱体84側に切り替える電流制御素子87も、電流定格の向上に伴って同様に定格の向上が求められる。そして、高定格の電流制御素子は、一般的に高価であり、コスト上も不利となる。
【0012】
そこで、本発明は、微弱な電流経路に組み込まれた場合にも、発熱体に可溶導体を溶断させるのに十分な電力を供給することができ、あらゆる用途に用いることができる遮断素子、及び遮断素子回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するために、本発明に係る遮断素子は、絶縁基板と、上記絶縁基板に形成され、第1の回路を構成する第1及び第2の電極と、上記絶縁基板に形成され、
上記第1の回路と電気的に独立して形成された第2の回路を構成する第3〜第5の電極と、上記第1及び第2の電極間にわたって搭載された第1の可溶導体と、上記第3及び第4の電極間に接続された発熱体と、上記第4及び第5の電極間にわたって搭載された第2の可溶導体とを備えたものである。
【0014】
また、本発明に係る遮断素子回路は、第1の可溶導体を有する第1の回路と、上記第1の回路と電気的に独立して形成され、発熱体と、上記発熱体の一端と接続された第2の可溶導体とを有する第2の回路とを備え
たものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、第1の回路と、第1の回路を遮断させる第2の回路とが、電気的に独立しているため、第1の回路が組み込まれる外部回路の種類によらず、発熱体に対して第1の可溶導体を溶断させるのに十分な発熱量を得る電力を供給することができる。したがって、本発明によれば、第1の回路が組み込まれる外部回路として、微弱な電流を流すデジタル信号回路等にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明が適用された遮断素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA‐A‘断面図、(C)は断面図である。
【
図2】
図2は、本発明が適用された遮断素子の回路図である。
【
図3】
図3は、本発明が適用された遮断素子回路の回路図である。
【
図4】
図4は、本発明が適用された遮断素子の第1の可溶導体が溶断された状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)は回路図、(C)は断面図である。
【
図5】
図5は、本発明が適用された遮断素子の第2の可溶導体が溶断された状態を示す図であり、(A)は平面図、(B)は回路図、(C)は断面図である。
【
図6】
図6は、本発明が適用された遮断素子の応用例を示す図であり、(A)は第1、第2の可溶導体の溶断前、(B)は溶断後を示す。
【
図7】
図7は、本発明が適用された他の遮断素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA‐A‘断面図である。
【
図8】
図8は、本発明が適用された他の遮断素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA‐A‘断面図である。
【
図9】
図9は、本発明が適用された他の遮断素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA‐A‘断面図である。
【
図10】
図10は、本発明が適用された他の遮断素子を示す図であり、(A)は平面図、(B)はA‐A‘断面図である。
【
図11】
図11は、高融点金属層と低融点金属層を有し、被覆構造を備える可溶導体を示す斜視図であり、(A)は高融点金属層を内層とし低融点金属層で被覆した構造を示し、(B)は低融点金属層を内層とし高融点金属層で被覆した構造を示す。
【
図12】
図12は、高融点金属層と低融点金属層の積層構造を備える可溶導体を示す斜視図であり、(A)は上下2層構造、(B)は内層及び外層の3層構造を示す。
【
図13】
図13は、高融点金属層と低融点金属層の多層構造を備える可溶導体を示す断面図である。
【
図14】
図14は、高融点金属層の表面に線状の開口部が形成され低融点金属層が露出されている可溶導体を示す平面図であり、(A)は長手方向に沿って開口部が形成されたもの、(B)は幅方向に沿って開口部が形成されたものである。
【
図15】
図15は、高融点金属層の表面に円形の開口部が形成され低融点金属層が露出されている可溶導体を示す平面図である。
【
図16】
図16は、高融点金属層に円形の開口部が形成され、内部に低融点金属が充填された可溶導体を示す平面図である。
【
図17】
図17は、本発明の参考例に係る遮断素子を示す平面図である。
【
図18】
図18は、本発明の参考例に係る遮断素子の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明が適用された遮断素子、及び遮断素子回路について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがある。具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0018】
[第1の形態]
本発明が適用された遮断素子1は、
図1に示すように、絶縁基板10と、絶縁基板10に形成され、第1の回路2を構成する第1の電極11及び第2の電極12と、絶縁基板10に形成され、第2の回路3を構成する第3の電極13、第4の電極14及び第5の電極15と、第1及び第2の電極11,12間にわたって搭載された第1の可溶導体17(ヒューズ)と、第3及び第4の電極13,14間に接続された発熱体18と、第4及び第5の電極14,15間にわたって搭載された第2の可溶導体(ヒューズ)19とを備える。
図1(A)は、遮断素子1の平面図であり、
図1(B)は、A−A‘断面図であり、(C)は断面図である。
【0019】
絶縁基板10は、たとえば、アルミナ、ガラスセラミックス、ムライト、ジルコニアなどの絶縁性を有する部材によって形成される。その他、ガラスエポキシ基板、フェノール基板等のプリント配線基板に用いられる材料を用いてもよいが、ヒューズ溶断時の温度に留意する必要がある。
【0020】
[第1及び第2の電極:第1の回路]
第1及び第2の電極11,12は、絶縁基板10の表面10a上に形成されるとともに、後述する絶縁部材21上に積層されている。また、第1及び第2の電極11,12は、スルーホール20を介して絶縁基板10の裏面10bに形成された外部接続端子と連続されている。
【0021】
第1及び第2の電極11,12は、第1の可溶導体17が搭載されることにより電気的に接続されている。これにより、遮断素子1は、第1の電極11〜第1の可溶導体17〜第2の電極12に至る第1の回路2を構成し、第1の回路2は、遮断素子1が実装される回路基板上に形成された回路の一部に組み込まれる。
【0022】
第1の回路2が組み込まれる回路は、遮断素子1が実装される電子機器の電流ラインであり、例えばリチウムイオン二次電池のバッテリパックにおける充放電回路、各種電子機器の電源回路、あるいは、デジタル信号回路等、電流の強弱に関わらず物理的な電流経路の遮断が求められるあらゆる回路に適用することができる。
【0023】
[発熱体]
発熱体18は、絶縁基板10の表面10aに積層され、絶縁部材21に覆われている。発熱体18は、比較的抵抗値が高く通電すると発熱する導電性を有する部材であって、例えばW、Mo、Ru等からなる。これらの合金あるいは組成物、化合物の粉状体を樹脂バインダ等と混合して、ペースト状にしたものを絶縁基板10上にスクリーン印刷技術を用いてパターン形成して、焼成する等によって形成される。発熱体18は、一端が第3の電極13と接続され、他端が第4の電極14と接続されている。
【0024】
発熱体18を覆うように絶縁部材21が配置され、この絶縁部材21を介して発熱体18と重畳するように第1の電極11、第2の電極12、第4の電極14及び第5の電極15が積層されている。絶縁部材21としては、例えばガラスを用いることができる。なお、遮断素子1は、発熱体18の熱を効率良く第1の可溶導体13に伝えるために、発熱体18と絶縁基板10の間にも絶縁部材を積層し、発熱体18を絶縁基板10の表面に形成された絶縁部材21の内部に設けても良い。
【0025】
[第3〜第5の電極:第2の回路]
第3の電極13は、絶縁基板10の表面10a上に形成され、発熱体18の一端と接続されている。第4の電極14は、絶縁基板10の表面10a上に形成されることにより発熱体18の他端と接続されるとともに、絶縁部材21上に積層されている。第5の電極15は、絶縁部材10の表面10a上に形成されるとともに、絶縁部材21上に積層されている。なお、第3の電極13及び第5の電極15は、スルーホール20を介して絶縁基板10の裏面10bに形成された外部接続端子と連続されている。
【0026】
第4及び第5の電極14,15は、絶縁部材21上において、第2の可溶導体19が搭載されることにより電気的に接続されている。これにより、第3〜第5の電極13〜15は、上記第1の回路2と電気的に独立した第2の回路3を構成する。第2の回路3は、第1の回路2の第1の可溶導体17を加熱、溶断するための回路であり、第1の可溶導体17を溶断し第1の回路2を遮断した後は、第2の可溶導体19を溶断することで自身も遮断し、発熱体18への給電を停止する。
【0027】
[可溶導体]
第1、第2の可溶導体17,19は、発熱体18の発熱により速やかに溶断されるいずれの金属を用いることができ、例えば、Snを主成分とするPbフリーハンダ等の低融点金属を好適に用いることができる。
【0028】
また、第1、第2の可溶導体17,19は、低融点金属と高融点金属とを含有してもよい。低融点金属としては、Pbフリーハンダなどのハンダを用いることが好ましく、高融点金属としては、Ag、Cu又はこれらを主成分とする合金などを用いることが好ましい。高融点金属と低融点金属とを含有することによって、遮断素子1をリフロー実装する場合に、リフロー温度が低融点金属の溶融温度を超えて、低融点金属が溶融しても、内層の低融点金属の外部への流出を抑制し、第1、第2の可溶導体17,19の形状を維持することができる。また、溶断時も、低融点金属が溶融することにより、高融点金属を溶食(ハンダ食われ)することで、高融点金属の融点以下の温度で速やかに溶断することができる。なお、第1〜第3の可溶導体21〜23は、後に説明するように、様々な構成によって形成することができる。
【0029】
第1、第2の可溶導体17,19は、低融点金属層を内層とし、高融点金属層を外層として構成することができる。このような第1、第2の可溶導体17,19は、低融点金属箔に、高融点金属層をメッキ技術を用いて成膜することによって形成することができ、あるいは、他の周知の積層技術、膜形成技術を用いて形成することもできる。また、第1、第2の可溶導体17,19は、高融点金属層を内層とし、低融点金属層を外層として構成してもよく、また低融点金属層と高融点金属層とが交互に積層された4層以上の多層構造としてもよい。
【0030】
なお、第1、第2の可溶導体17,19は、第1及び第2の電極11,12上、第4及び第5の電極14,15上へ、ハンダ等を用いて接続されている。また、第1の回路2を、デジタル信号回路に適用する場合、第1の可溶導体17の外層として、高周波特性の良好な銀メッキ層を形成することが好ましい。これにより、第1の可溶導体17は、表皮効果による低抵抗化を図り高周波特性を向上させるとともに、瞬間的な大電流が流れた際にも外層の銀メッキ層を流れ、自己発熱による溶断を防止する耐パルス性を向上させることができる。
【0031】
[第1の可溶導体の先溶融]
ここで、遮断素子1は、第1の回路2の第1の可溶導体17が、第2の回路3の第2の可溶導体19よりも先に溶断するように形成されている。第1の可溶導体17よりも先に第2の可溶導体19が溶断すると、発熱体18への給電が停止され、第1の可溶導体17を溶断することができなくなるからである。
【0032】
そこで、遮断素子1は、発熱体18が発熱すると、第1の可溶導体17が先に溶断するように形成されている。具体的に、遮断素子1の第1の可溶導体17は、第2の可溶導体19よりも、発熱体18の発熱中心に近い位置に搭載されている。
【0033】
ここで、発熱体18の発熱中心とは、発熱体18が発熱することにより発現する熱分布のうち、発熱初期の段階で最も高温となる領域をいう。発熱体18より発せされる熱は絶縁基板10からの放熱量が最も多く、絶縁基板10を、耐熱衝撃性に優れるが熱伝導率も高いセラミックス材料により形成した場合などには、絶縁基板10に熱が拡散してしまう。そのため、発熱体18は通電が開始された発熱初期の段階では、絶縁基板10と接する外縁から最も遠い中心が最も熱く、絶縁基板10と接する外縁に向かうにつれて放熱されて温度が上がりにくくなる。
【0034】
そこで、遮断素子1は、第1の可溶導体17を、第2の可溶導体19よりも、発熱体18の発熱初期において最も高温となる発熱中心に近い位置に搭載することにより、第2の可溶導体19よりも早く熱が伝わり、溶断するようにする。第2の可溶導体19は、第1の可溶導体17より遅れて加熱されるため、第1の可溶導体17が溶断した後に溶断される。
【0035】
また、遮断素子1は、第1、第2の可溶導体17,19の形状を変えることにより、第1の可溶導体17が先に溶断するようにしてもよい。例えば、第1、第2の可溶導体17,19は、断面積が小さいほど溶断が容易となることから、遮断素子1は、第1の可溶導体17の断面積を第2の可溶導体19の断面積よりも小さくすることにより、第2の可溶導体19よりも先に溶断させることができる。
【0036】
また、遮断素子1は、第1の可溶導体17を第1、第2の電極11,12間の電流経路に沿って幅狭かつ長く形成し、第2の可溶導体19を第4,第5の電極14,15間の電流経路に沿って幅広かつ短く形成してもよい。これにより、第1の可溶導体17は、第2の可溶導体19よりも相対的に溶断しやすい形状となり、発熱体18の発熱により、第2の可溶導体19よりも先に溶断する。
【0037】
また、遮断素子1は、第1の可溶導体17の材料として、第2の可溶導体19の材料よりも融点の低いもので形成してもよい。これによっても、発熱体18の発熱により第1の可溶導体17を第2の可溶導体19よりも溶断しやすくし、確実に第1の可溶導体17を第2の可溶導体19よりも先に溶断させることができる。
【0038】
その他にも、遮断素子1は、第1の可溶導体17と第2の可溶導体19の層構造を変えることによって融点に差を設け、相対的に第1の可溶導体17を第2の可溶導体19よりも溶断しやすくし、発熱体18の発熱により、第1の可溶導体17を第2の可溶導体19よりも先に溶断させるようにしてもよい。
【0039】
[その他]
なお、第1、第2の可溶導体17,19の酸化防止、及び第1、第2の可溶導体17,19の溶融時における濡れ性を向上させるために、第1、第2の可溶導体17,19の上にはフラックス22が塗布されている。
【0040】
また、遮断素子1は、絶縁基板10がカバー部材23に覆われることによりその内部が保護されている。カバー部材23は、上記絶縁基板10と同様に、たとえば、熱可塑性プラスチック,セラミックス,ガラスエポキシ基板等の絶縁性を有する部材を用いて形成されている。
【0041】
[回路構成]
次いで、遮断素子1の回路構成について説明する。
図2に遮断素子1の回路図を示す。
図3に、遮断素子1が適用された遮断素子回路30の一例を示す。遮断素子1は、第1の電極11と第2の電極12とが第1の可溶導体17を介して連続することにより形成される第1の回路2を有する。第1の回路2は、遮断素子1が実装される回路基板の電流経路上に直列接続されることにより、電源回路やデジタル信号回路等の各種外部回路31に組み込まれる。
【0042】
また、遮断素子1は、第4の電極14を介して発熱体18と第2の可溶導体19とが直列接続された第2の回路3を有する。第2の回路3は、第1の回路2と電気的に独立し、熱的に接続可能とされている。発熱体18は、一端を第3の電極13と接続され、他端を第4の電極14と接続されている。また、第2の可溶導体19は、第4の電極14と第5の電極15との間にわたって搭載されている。第3の電極13は、外部接続端子を介して第2の回路3への給電を制御する電流制御素子25に接続され、第5の電極15は、外部接続端子を介して外部電源26と接続される。
【0043】
電流制御素子25は、第2の回路3への給電を制御するスイッチ素子であり、例えばFETにより構成され、第1の回路2の電気的に且つ物理的な遮断の要否を検出する検出回路27と接続されている。検出回路27は、遮断素子1の第1の回路2が組み込まれた各種回路を遮断する必要がある事態を検出する回路であり、例えばバッテリパックの異常電圧、ネットワーク通信機器におけるハッキングやクラッキング、あるいはソフトウェアのライセンス期間の満了等、第1の回路2の遮断により物理的、不可逆的に電流経路を絶ち、外部と遮断する必要が生じた場合に電流制御素子25を動作させる。
【0044】
これにより、第2の回路3に外部電源26の電力が供給され、発熱体18が発熱することにより第1の可溶導体17が溶断される(
図4(A)(B)(C))。第1の可溶導体17の溶融導体は、濡れ性の高い第1の電極11及び第2の電極12上に引き寄せられる。したがって、第1の可溶導体17は、確実に第1の回路2を遮断することができる。また、第1の可溶導体17が第2の可溶導体19よりも先に溶断されるため、第2の回路3は、第1の回路2が遮断するまで確実に発熱体18に給電し、発熱させることができる。
【0045】
発熱体18は、第1の可溶導体17の溶断後も発熱を続けるが、第1の可溶導体17に続き第2の可溶導体19も溶断することにより、第2の回路3も遮断される(
図5(A)(B)(C))。これにより、発熱体18への給電も停止される。
【0046】
このような遮断素子1及び遮断素子回路30によれば、外部回路31に組み込まれる第1の回路2と、第1の回路を遮断させる第2の回路3とが、電気的に独立しているため、外部回路31の種類によらず、発熱体18に対して第1の可溶導体17を溶断させるのに十分な発熱量を得る電力を供給することができる。したがって、遮断素子1及び遮断素子回路30によれば、第1の回路2が組み込まれる外部回路31として、微弱な電流を流すデジタル信号回路に適用することもできる。
【0047】
例えば、
図6(A)に示すように、遮断素子1及び遮断素子回路30は、情報セキュリティを目的として、第1の回路2をデータサーバ33とインターネット回線34との間に組み込み、検出回路27によってハッキングやクラッキングを検出した時には、
図6(B)に示すように、第1の回路2を遮断することで物理的、不可逆的に信号ラインをインターネット回線34から切り離し、情報の流出を防止することができる。
【0048】
その他にも、遮断素子1及び遮断素子回路30は、デバイスの物理的なライセンス認証の取り消し、PL対策としてデバイスの改造行為に対する機能停止などに応用することもできる。
【0049】
また、遮断素子1及び遮断素子回路30によれば、第1の回路2と電気的に独立して第2の回路3を形成しているため、発熱体18への給電を制御する電流制御素子25を、第1の回路2の定格に関わらず、発熱体18の定格に応じて選択することができ、より安価に製造することができる。
【0050】
[第2の形態]
遮断素子は、
図1に示すように、発熱体18を絶縁基板10の第1〜第5の電極11〜15が形成されている表面10a上に形成し、第1及び第2の電極11,12、並びに第4及び第5の電極14,15を重畳させる他にも、
図7に示すように、絶縁基板10の第1〜第5の電極11〜15が形成されている表面10aと反対側の裏面10bに形成してもよい。
図7(A)は、発熱体18が絶縁基板10の裏面に形成された遮断素子40の平面図であり、
図7(B)は、A−A‘断面図である。なお、上述した遮断素子1と同じ部材については同一の符号を付してその詳細を省略する。
【0051】
遮断素子40は、第3の電極13及び第4の電極14の一端も、絶縁基板10の裏面10b側に形成される。第4の電極14の他端は、絶縁基板10の表面10aに形成され、第5の電極15との間で第2の可溶導体19が搭載される。第4の電極14の一端と他端とは、スルーホール20を介して連続されている。
【0052】
遮断素子40は、発熱体18を絶縁基板10の裏面10bに形成することにより、絶縁基板10の表面10aが平坦となり、第1、第2の電極11,12や、第4の電極14の他端側、第5の電極15を簡易な工程で形成することができる。なお、この場合、発熱体18上には、絶縁部材21が形成され、発熱体18の保護を図るとともに、遮断素子1の実装時の絶縁性を確保することができる。
【0053】
また、このとき、発熱体18と第1及び第2の電極11,12とを重畳させ、第1の可溶導体17を第2の可溶導体19よりも発熱体18の発熱中心に近い位置に配置することが好ましい。また、発熱体18と第4及び第5の電極14,15とを重畳させ、第2の可溶導体19にも発熱体18の熱を効率よく伝達するようにしてもよい。
【0054】
[第3の形態]
また、遮断素子は、
図8に示すように、発熱体18を、絶縁基板10の内部に形成してもよい。
図8(A)は、発熱体18が絶縁基板10の内部に形成された遮断素子50の平面図であり、
図8(B)は、A−A‘断面図である。なお、上述した遮断素子1と同じ部材については同一の符号を付してその詳細を省略する。
【0055】
遮断素子50は、例えば、絶縁基板10をセラミックス材料で形成する場合、表面に発熱体18、第3の電極13、第4の電極14の一端を形成した後、さらにセラミックス材を積層することにより、発熱体18が内部に形成された絶縁基板10を得ることができる。第3の電極13及び第4の電極14の各一端は、それぞれスルーホール20を介して絶縁基板10の表面10a又は裏面10bに形成された他端と接続されている。
【0056】
遮断素子50は、発熱体18を絶縁基板10の内部に形成することによっても、絶縁基板10の表面10aが平坦となり、第1及び第2の電極11,12や、第4の電極14の他端側、第5の電極15を簡易な工程で形成することができる。なお、遮断素子50は、発熱体18が絶縁基板10の内部に形成されているため、絶縁部材21を設ける必要はない。
【0057】
また、このとき、発熱体18と第1及び第2の電極11,12とを重畳させ、第1の可溶導体17を第2の可溶導体19よりも発熱体18の発熱中心に近い位置に配置することが好ましい。また、発熱体18と第4及び第5の電極14,15とを重畳させ、第2の可溶導体19にも発熱体18の熱を効率よく伝達するようにしてもよい。
【0058】
[第4の形態]
また、遮断素子1は、
図9に示すように、発熱体18を、絶縁基板10の表面10a上において、第1及び第2の電極11,12、並びに第4及び第5の電極14,15と並んで形成してもよい。
図9(A)は、発熱体18が絶縁基板10の表面上において第1及び第2の電極11,12、並びに第4及び第5の電極14,15と並んで形成された遮断素子60の平面図であり、
図9(B)は、A−A‘断面図である。なお、上述した遮断素子1と同じ部材については同一の符号を付してその詳細を省略する。
【0059】
遮断素子60は、第1の可溶導体17を第2の可溶導体19よりも発熱体18の発熱中心の近くに配置することが好ましい。また、
図10(A)(B)に示すように、第1及び第2の電極11,12のみを絶縁部材21を介して発熱体18上と重畳させ、第1の可溶導体17のみを発熱体18の上に重畳配置してもよい。これにより、第1の可溶導体17は、第2の可溶導体19よりも発熱体18に近い位置に配置され、第2の可溶導体19よりも先に溶断されることができる。
【0060】
[第1、第2の可溶導体]
上述したように、第1、第2の可溶導体17,19のいずれか又は全部は、低融点金属と高融点金属とを含有してもよい。このとき、第1、第2の可溶導体17,19は、
図11(A)に示すように、内層としてAg、Cu又はこれらを主成分とする合金等からなる高融点金属層40が設けられ、外層としてSnを主成分とするPbフリーハンダ等からなる低融点金属層41が設けられた可溶導体を用いてもよい。この場合、第1、第2の可溶導体17,19は、高融点金属層40の全面が低融点金属層41によって被覆された構造としてもよく、相対向する一対の側面を除き被覆された構造であってもよい。高融点金属層40や低融点金属層41による被覆構造は、メッキ等の公知の成膜技術を用いて形成することができる。
【0061】
また、
図11(B)に示すように、第1、第2の可溶導体17,19は、内層として低融点金属層41が設けられ、外層として高融点金属層40が設けられた可溶導体を用いてもよい。この場合も、第1、第2の可溶導体17,19は、低融点金属層41の全面が高融点金属層40によって被覆された構造としてもよく、相対向する一対の側面を除き被覆された構造であってもよい。
【0062】
また、第1、第2の可溶導体17,19は、
図12に示すように、高融点金属層40と低融点金属層41とが積層された積層構造としてもよい。
【0063】
この場合、第1、第2の可溶導体17,19は、
図12(A)に示すように、第1、第2の電極11,12や第4、第5の電極14,15に搭載される下層と、下層の上に積層される上層からなる2層構造として形成され、下層となる高融点金属層40の上面に上層となる低融点金属層41を積層してもよく、反対に下層となる低融点金属層41の上面に上層となる高融点金属層40を積層してもよい。あるいは、第1、第2の可溶導体17,19は、
図12(B)に示すように、内層と内層の上下面に積層される外層とからなる3層構造として形成してもよく、内層となる高融点金属層40の上下面に外層となる低融点金属層41を積層してもよく、反対に内層となる低融点金属層41の上下面に外層となる高融点金属層40を積層してもよい。
【0064】
また、第1、第2の可溶導体17,19は、
図13に示すように、高融点金属層40と低融点金属層41とが交互に積層された4層以上の多層構造としてもよい。この場合、第1、第2の可溶導体17,19は、最外層を構成する金属層によって、全面又は相対向する一対の側面を除き被覆された構造としてもよい。
【0065】
また、第1、第2の可溶導体17,19は、内層を構成する低融点金属層41の表面に高融点金属層40をストライプ状に部分的に積層させてもよい。
図14は、第1、第2の可溶導体17,19の平面図である。
【0066】
図14(A)に示す第1、第2の可溶導体17,19は、低融点金属層41の表面に、幅方向に所定間隔で、線状の高融点金属層40が長手方向に複数形成されることにより、長手方向に沿って線状の開口部42が形成され、この開口部42から低融点金属層41が露出されている。第1、第2の可溶導体17,19は、低融点金属層41が開口部42より露出することにより、溶融した低融点金属と高融点金属との接触面積が増え、高融点金属層40の浸食作用をより促進させて溶断性を向上させることができる。開口部42は、例えば、低融点金属層41に高融点金属層40を構成する金属の部分メッキを施すことにより形成することができる。
【0067】
また、第1、第2の可溶導体17,19は、
図14(B)に示すように、低融点金属層41の表面に、長手方向に所定間隔で、線状の高融点金属層40を幅方向に複数形成することにより、幅方向に沿って線状の開口部42を形成してもよい。
【0068】
また、第1、第2の可溶導体17,19は、
図15に示すように、低融点金属層41の表面に高融点金属層40を形成するとともに、高融点金属層40の全面に亘って円形の開口部43が形成され、この開口部43から低融点金属層41を露出させてもよい。開口部43は、例えば、低融点金属層41に高融点金属層40を構成する金属の部分メッキを施すことにより形成することができる。
【0069】
第1、第2の可溶導体17,19は、低融点金属層41が開口部43より露出することにより、溶融した低融点金属と高融点金属との接触面積が増え、高融点金属の浸食作用をより促進させて溶断性を向上させることができる。
【0070】
また、第1、第2の可溶導体17,19は、
図16に示すように、内層となる高融点金属層40に多数の開口部44を形成し、この高融点金属層40に、メッキ技術等を用いて低融点金属層41を成膜し、開口部44内に充填してもよい。これにより、第1、第2の可溶導体17,19は、溶融する低融点金属が高融点金属に接する面積が増大するので、より短時間で低融点金属が高融点金属を溶食することができるようになる。
【0071】
また、第1、第2の可溶導体17,19は、低融点金属層41の体積を、高融点金属層40の体積よりも多く形成することが好ましい。第1、第2の可溶導体17,19は、発熱体18によって加熱されることにより、低融点金属が溶融することにより高融点金属を溶食し、これにより速やかに溶融、溶断することができる。したがって、第1、第2の可溶導体17,19は、低融点金属層41の体積を、高融点金属層40の体積よりも多く形成することにより、この溶食作用を促進し、速やかに第1、第2の電極11,12間の遮断、及び第4、第5の電極14,15間の遮断を行うことができる。
【符号の説明】
【0072】
1,40,50,60 遮断素子、2 第1の回路、3 第2の回路、10 絶縁基板、10a 表面、10b 裏面、11 第1の電極、12 第2の電極、13 第3の電極、14 第4の電極、15 第5の電極、17 第1の可溶導体、18 発熱体、19 第2の可溶導体、20 スルーホール、21 絶縁部材、22 フラックス、23 カバー部材、25 電流制御素子、26 外部電源、27 検出回路、30 遮断素子回路、31 外部回路、33 データサーバ、34 インターネット回線、40 高融点金属層、41 低融点金属層、42〜44 開口部