(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を実施するための実施形態について、図面を用いて説明する。本発明は、以下に記載の構成に限定されるものではなく、同一の技術的思想において種々の構成を採用することができる。例えば、以下に示す構成の一部は、省略し又は他の構成等に置換してもよい。他の構成を含むようにしてもよい。
【0013】
<インクジェット記録装置>
インクジェット記録装置10について、
図1〜
図4を参照して説明する。インクジェット記録装置10は、載置部20と、記録部30と、照射部40と、第一移動部50と、第二移動部70と、第一遮蔽部80と、第一開閉部81と、第二遮蔽部82と、第二開閉部83と、第三遮蔽部84と、第三開閉部85と、制御装置90を備える。インクジェット記録装置10は、シリアル型の記録装置であり、記録部30と照射部40を主走査方向に往復移動させつつ副走査方向にも移動させ、記録媒体12に所定の画像を記録する。副走査方向は、主走査方向に直交する方向である。副走査方向への移動は、主走査方向の移動に応じて間欠的に行われる。記録媒体12としては、各種の産業資材が例示される。記録媒体12となる産業資材としては、例えば、建築物の内壁材、外壁材若しくはドア等となる各基材、又は、建築物に据え付けられる製品の外板若しくは各種の家具の外板等となる各基材が挙げられる。
図1では、第一遮蔽部80と第一開閉部81と第二遮蔽部82と第二開閉部83と第三遮蔽部84と第三開閉部85は、図示を省略している。
【0014】
画像の記録には、所定の色の活性エネルギー硬化型インクが用いられる。例えば、ブラックとマゼンタとイエローとシアンの活性エネルギー硬化型インクが用いられる。活性エネルギー硬化型インクとしては、紫外線硬化型インク又は電子線硬化型インクが例示される。活性エネルギー硬化型インクは、顔料と、反応性モノマー及び/又は反応性オリゴマーと、光重合開始剤を含み、更に必要に応じて添加剤等を含む。紫外線硬化型インク又は電子線硬化型インクのような活性エネルギー硬化型インクは、既に実用化されたインクである。インクジェット記録装置10では、公知の活性エネルギー硬化型インクが画像の記録に用いられる。そのため、活性エネルギー硬化型インクに関するこの他の説明は省略する。本実施形態では、活性エネルギー硬化型インクとして、紫外線硬化型インクを例とし、また、画像の記録に用いるインク色として、ブラックとマゼンタとイエローとシアンの4色を例に説明する。
【0015】
載置部20は、記録媒体12を載せ置くテーブルである。載置部20は、記録媒体12を載せ置く領域として、第一載置面領域R1と、第二載置面領域R2を含む(
図3参照)。第一載置面領域R1は、載置部20の表面のうち、副走査方向の第一側に配置された領域である。第二載置面領域R2は、載置部20の表面のうち、副走査方向の第二側に配置された領域である。第一載置面領域R1と第二載置面領域R2を含む載置部20の表面には、複数の吸引孔21が形成される。複数の吸引孔21は、主走査方向と副走査方向に整列した状態で形成される。複数の吸引孔21は、載置部20の内部でそれぞれ連なって通じ合い、吸引装置(不図示)に繋がれる。吸引装置は、例えば、真空ポンプ又は吸引ブロアにより構成される。本実施形態では、第一載置面領域R1に載せ置かれる記録媒体12を、「第一記録媒体12A」といい、第二載置面領域R2に載せ置かれる記録媒体12を、「第二記録媒体12B」という。第一記録媒体12Aと第二記録媒体12Bを区別せず又は総称する場合、「記録媒体12」という。
【0016】
作業者は、第一記録媒体12Aを第一投入領域R3から投入し第一載置面領域R1に載せ置く(
図4と
図1及び
図2参照)。第一記録媒体12Aは、第一載置面領域R1の所定の位置に位置決めされた状態で載せ置かれる。第一載置面領域R1に載せ置かれた第一記録媒体12Aは、幾つかの吸引孔21を覆うこととなる。これにより、第一記録媒体12Aは、第一載置面領域R1に吸い付けられて固定される。作業者は、第二記録媒体12Bを第二投入領域R4から投入し第二載置面領域R2に載せ置く(
図3と
図1及び
図2参照)。第二記録媒体12Bは、第二載置面領域R2の所定の位置に位置決めされた状態で載せ置かれる。第二載置面領域R2に載せ置かれた第二記録媒体12Bは、幾つかの吸引孔21を覆うこととなる。これにより、第二記録媒体12Bは、第二載置面領域R2に吸い付けられて固定される。第一載置面領域R1における第一記録媒体12Aの固定と、第二載置面領域R2における第二記録媒体12Bの固定は、吸引とは異なる手法にて行うようにしてもよい。
図3及び
図4において、2点鎖線(想像線)で示す記録媒体12は、実線で示す記録媒体12を第一投入領域R3又は第二投入領域R4から投入し、第一載置面領域R1又は第二載置面領域R2の各領域に載せ置いた後の記録媒体、又は、第一載置面領域R1又は第二載置面領域R2の各領域に載せ置かれ画像が記録された後の取り出される前の記録媒体を示す。
【0017】
図1〜
図4では、第一載置面領域R1に1枚の第一記録媒体12Aを載せ置き、第二載置面領域R2に1枚の第二記録媒体12Bを載せ置く態様を図示しているが、各領域に載せ置かれる第一記録媒体12A及び第二記録媒体12Bの数と配置は、これとは異なる態様であってもよい。各領域に載せ置かれる第一記録媒体12A及び第二記録媒体12Bの数と配置は、第一載置面領域R1に対する第一記録媒体12Aのサイズと第二載置面領域R2に対する第二記録媒体12Bのサイズ、及び/又は、第一記録媒体12A及び第二記録媒体12Bにそれぞれ記録される画像の画像データ等に基づき適宜決定される。例えば、第一載置面領域R1に複数の第一記録媒体12Aを主走査方向及び/又は副走査方向に整列させて載せ置き、第二載置面領域R2に複数の第二記録媒体12Bを主走査方向及び/又は副走査方向に整列させて載せ置くようにしてもよい。
【0018】
記録部30は、インクジェットヘッド31Kと、インクジェットヘッド31Mと、インクジェットヘッド31Yと、インクジェットヘッド31Cと、キャリッジ32を備える。インクジェットヘッド31Kは、ブラックの紫外線硬化型インクを吐出するインクジェットヘッドである。インクジェットヘッド31Mは、マゼンタの紫外線硬化型インクを吐出するインクジェットヘッドである。インクジェットヘッド31Yは、イエローの紫外線硬化型インクを吐出するインクジェットヘッドである。インクジェットヘッド31Cは、シアンの紫外線硬化型インクを吐出するインクジェットヘッドである。インクジェットヘッド31K,31M,31Y,31Cには、各色の紫外線硬化型インクを吐出するノズルが形成される。インクジェットヘッド31K,31M,31Y,31Cは、同様の構成を有する。各色の紫外線硬化型インクは、色毎のインクタンク(不図示)に貯留され、各色のインク流路(不図示)を流れて、対応する色のインクジェットヘッド31K,31M,31Y,31Cにそれぞれ供給される。
【0019】
キャリッジ32には、インクジェットヘッド31K,31M,31Y,31Cが搭載される。インクジェットヘッド31K,31M,31Y,31Cは、主走査方向に隣り合った状態でキャリッジ32に搭載される。キャリッジ32におけるインクジェットヘッド31K,31M,31Y,31Cの配列順序は、
図1〜
図4とは異なる順序としてもよい。これらの配列順序は、諸条件を考慮し適宜決定される。
【0020】
照射部40は、活性エネルギー線としての紫外線を照射する。照射部40から照射された紫外線は、記録媒体12上に着弾した各色の紫外線硬化型インクに照射される。より具体的には、照射部40から照射された紫外線は、記録媒体12上に着弾した各色の紫外線硬化型インクによるインクドットに照射される。各色のインクドットを形成する紫外線硬化型インクは、紫外線の照射により硬化する。照射部40は、主走査方向の第三側でインクジェットヘッド31Cに隣り合った状態でキャリッジ32に取り付けられる。
【0021】
第一移動部50と第二移動部70は、記録部30と照射部40を移動させる移動装置を構成する。先ず、第二移動部70について説明する。第二移動部70は、記録部30と照射部40を主走査方向に移動させる。第二移動部70は、2個のプーリ71,72と、モータ73と、タイミングベルト74を含む。2個のプーリ71,72は、主走査方向の両側にそれぞれ設けられる。主走査方向の第三側に設けられたプーリ71は、支持部75に軸受76を介して取り付けられた回転軸77を介して、主走査方向に対応した方向に回転自在に支持される。主走査方向の第四側に設けられたプーリ72は、支持部78に取り付けられたモータ73の回転軸に連結される。プーリ72とモータ73の回転軸の連結は、直接又は減速機等を介して行われる。モータ73は、プーリ72を主走査方向に対応した方向に回転する。モータ73としては、回転を高精度に制御可能なモータが採用される。例えば、エンコーダ付きのサーボモータが採用される。タイミングベルト74は、張力が作用した状態でプーリ71,72に架け渡される。タイミングベルト74には、キャリッジ32に固定された支持部79を介して記録部30と照射部40が取り付けられる。
【0022】
インクジェット記録装置10で画像の記録が行われる場合(
図3及び
図4参照)、モータ73が時計回りと反時計回りに往復して回転する。そして、モータ73の回転に伴い、プーリ72が左右両側に往復して回転する(プーリ72の回転方向については、
図1でプーリ72の付近に示す「弧状の矢印」参照)。モータ73が所定の方向に回転することでプーリ72が左回転すると、タイミングベルト74も左回転する。プーリ71は、左回転するタイミングベルト74に従動して回転する。これに伴い、記録部30と照射部40は、主走査方向の第三側から第四側に移動する。記録部30と照射部40が主走査方向の第四側の移動端に到達すると、モータ73の回転方向は反転し、プーリ72は、右回転する。プーリ72が右回転すると、タイミングベルト74も右回転する。プーリ71は、右回転するタイミングベルト74に従動して回転する。これに伴い、記録部30と照射部40は、主走査方向の第四側から第三側に移動する。記録部30と照射部40が主走査方向の第三側の移動端に到達すると、モータ73の回転方向は再度反転し、プーリ72は、再度左回転する。第二移動部70による記録部30と照射部40の主走査方向への往復移動は、画像の記録が終了するまで繰り返される。
【0023】
照射部40が記録部30に対して主走査方向の第三側に取り付けられたインクジェット記録装置10では、記録部30と照射部40が主走査方向の第三側から第四側に移動する際、インクジェットヘッド31K,31M,31Y,31Cにそれぞれ形成されたノズルから対応する色の紫外線硬化型インクが吐出され、照射部40からの紫外線が記録媒体12に着弾した各色の紫外線硬化型インクによるインクドットに照射される。インクジェット記録装置10を記録部30と照射部40が主走査方向の第四側から第三側に移動する途中にも紫外線硬化型インクを吐出する仕様とする場合、照射部40は、主走査方向において記録部30の両側に設けられる。
【0024】
第一移動部50は、記録部30と照射部40を第一載置面領域R1と第二載置面領域R2の間を移動させる。第一移動部50による記録部30と照射部40の移動は、記録部30と照射部40が取り付けられた第二移動部70を移動させて行われる。インクジェット記録装置10では、載置部20において第一載置面領域R1と第二載置面領域R2が副走査方向に配置されているため、第一移動部50による移動方向は、副走査方向となる。第一移動部50は、移動機構部51,61を備える。載置部20を基準として、移動機構部51は主走査方向の第三側に設けられ、移動機構部61は主走査方向の第四側に設けられる。移動機構部51,61は、同様の構成を有する。即ち、移動機構部51は、ボールねじ52と、モータ55を含み、移動機構部61は、ボールねじ62と、モータ65を含む。
【0025】
移動機構部51において、ボールねじ52のナット部53には、第二移動部70の主走査方向の第三側に設けられた支持部75が取り付けられる。ボールねじ52のねじ軸54は、モータ55の回転軸に連結される。ねじ軸54とモータ55の回転軸の連結は、直接又は減速機等を介して行われる。モータ55は、ねじ軸54を、記録部30と照射部40を移動させる移動方向に対応した方向に回転する。モータ55としては、回転を高精度に制御可能なモータが採用される。例えば、エンコーダ付きのサーボモータが採用される。移動機構部61において、ボールねじ62のナット部63には、第二移動部70の主走査方向の第四側に設けられた支持部78が取り付けられる。ボールねじ62のねじ軸64は、モータ65の回転軸に連結される。ねじ軸64とモータ65の回転軸の連結は、直接又は減速機等を介して行われる。モータ65は、ねじ軸64を、記録部30と照射部40を移動させる移動方向に対応した方向に回転する。モータ65としては、モータ55と同様、回転を高精度に制御可能なモータが採用される。例えば、エンコーダ付きのサーボモータが採用される。
【0026】
第一移動部50において、モータ55,65は、同期して駆動される。モータ55,65は、同じ回転速度で同一方向に同一量だけ回転する。ねじ軸54,64は、同一方向に同一量だけそれぞれ回転し、ナット部53,63は、ねじ軸54,64に沿って同一方向に同一量だけそれぞれ移動する。照射部40が主走査方向の第三側にだけ設けられたインクジェット記録装置10で画像の記録が行われる場合(
図3及び
図4参照)、第一移動部50による副走査方向への移動は、記録部30と照射部40が主走査方向の第四側から第三側に移動する場合に対応して間欠的に行われる。
【0027】
第一遮蔽部80は、第一投入領域R3に設けられる(
図2〜
図4参照)。第一遮蔽部80は、紫外線の透過を抑制可能な材質により形成される。
図2〜
図4において、第一遮蔽部80に付した「網点模様」は、第一遮蔽部80が紫外線の透過を抑制可能な材質により形成されていることを示す(
図2〜
図4で「第二遮蔽部82」及び「第三遮蔽部84」に付した「網点模様」について同じ)。第一遮蔽部80は、第一載置面領域R1に移動した照射部40から照射された紫外線を第一投入領域R3で遮蔽する。第一遮蔽部80の遮蔽対象は、副走査方向の第二側から第一側に進行し、第一投入領域R3から第一載置面領域R1の外部に漏洩する紫外線である。第一開閉部81は、第一遮蔽部80を所定の方向に移動させ、第一投入領域R3を開閉する。第一開閉部81は、例えば、エアシリンダのような装置によって構成される(
図2〜
図4参照)。本実施形態では、第一開閉部81は、第一遮蔽部80を鉛直方向に移動させることで、第一投入領域R3を開閉する。第一開閉部81をエアシリンダで構成する場合、エアシリンダの数は、諸条件を考慮し適宜決定される。
【0028】
第二遮蔽部82は、第二投入領域R4に設けられる(
図2〜
図4参照)。第二遮蔽部82は、紫外線の透過を抑制可能な材質により形成される。第二遮蔽部82は、第二載置面領域R2に移動した照射部40から照射された紫外線を第二投入領域R4で遮蔽する。第二遮蔽部82の遮蔽対象は、副走査方向を第一側から第二側に進行し、第二投入領域R4から第二載置面領域R2の外部に漏洩する紫外線である。第二開閉部83は、第二遮蔽部82を所定の方向に移動させ、第二投入領域R4を開閉する。第二開閉部83は、例えば、エアシリンダのような装置によって構成される(
図2〜
図4参照)。本実施形態では、第二開閉部83は、第二遮蔽部82を鉛直方向に移動させることで、第二投入領域R4を開閉する。第二開閉部83をエアシリンダで構成する場合、エアシリンダの数は、諸条件を考慮し適宜決定される。
【0029】
第三遮蔽部84は、中間領域R5に設けられる(
図2〜
図4参照)。中間領域R5は、副走査方向において第一載置面領域R1と第二載置面領域R2の間であって載置部20の表面の上方となる領域である(
図1及び
図2参照)。中間領域R5は、第一投入領域R3と第二投入領域R4と同様、載置部20の表面に垂直な領域であり、本実施形態では、第一投入領域R3と第二投入領域R4と平行な領域である。副走査方向において第一載置面領域R1と第二載置面領域R2が隣り合う載置部20を備えるインクジェット記録装置10では、中間領域R5は、副走査方向において第一載置面領域R1と第二載置面領域R2の境界部分の上方の領域である。第三遮蔽部84は、紫外線の透過を抑制可能な材質により形成される。第一移動部50によって記録部30と照射部40が第一載置面領域R1に移動された場合、第三遮蔽部84は、照射部40から照射された紫外線を中間領域R5で遮蔽する。この場合、第三遮蔽部84の遮蔽対象は、副走査方向を第一側から第二側に進行し、第一載置面領域R1の側から第二載置面領域R2の側に漏洩する紫外線である。第一移動部50によって記録部30と照射部40が第二載置面領域R2に移動された場合、第三遮蔽部84は、照射部40から照射された紫外線を中間領域R5で遮蔽する。この場合、第三遮蔽部84の遮蔽対象は、副走査方向を第二側から第一側に進行し、第二載置面領域R2の側から第一載置面領域R1の側に漏洩する紫外線である。第三開閉部85は、第三遮蔽部84を所定の方向に移動させ、中間領域R5を開閉する。第三開閉部85は、例えば、エアシリンダのような装置によって構成される(
図2〜
図4参照)。本実施形態では、第三開閉部85は、第三遮蔽部84を鉛直方向に移動させることで、中間領域R5を開閉する。第三開閉部85をエアシリンダで構成する場合、エアシリンダの数は、諸条件を考慮し適宜決定される。
【0030】
制御装置90は、制御部91と、操作部92と、表示部93を備える。制御部91は、例えば、CPUと、ROMと、RAMと、ストレージデバイスを含む。制御部91(CPU)は、インクジェット記録装置10で実行される各種の処理のコンピュータプログラムを実行する等して、インクジェット記録装置10を制御する。コンピュータプログラムは、ストレージデバイスに記憶されている。制御部91は、後述する記録処理を実行する。記録処理において、制御部91は、インクジェットヘッド31K,31M,31Y,31Cにそれぞれ形成されたノズルからの各色の紫外線硬化型インクの吐出を制御する。インクジェットヘッド31K,31M,31Y,31Cでの各色の紫外線硬化型インクの吐出は、記録部30で記録される画像に対応した画像データに従い制御される。また、制御部91は、照射部40からの紫外線の照射とその停止を制御する。更に、制御部91は、第一移動部50と第二移動部70と第一開閉部81と第二開閉部83と第三開閉部85の駆動を制御する。
【0031】
操作部92は、インクジェット記録装置10に対する所定の指令を入力するユーザインターフェースである。操作部92は、例えば、キーボードとマウスを含む。操作部92として、キーボードとは異なる所定の操作スイッチを設けるようにしてもよい。表示部93は、所定の情報を表示する。
【0032】
インクジェット記録装置10は、上述した構成の他、例えば、6個の検出センサ94(
図1で不図示)を備える。6個の検出センサ94のうちの2個の検出センサ94は、第一遮蔽部80の移動に伴う第一投入領域R3の閉鎖及び開放を検出する。他の2個の検出センサ94は、第二遮蔽部82の移動に伴う第二投入領域R4の閉鎖及び開放を検出する。更に他の2個の検出センサ94は、第三遮蔽部84の移動に伴う中間領域R5の閉鎖及び開放を検出する。検出センサ94は、例えば、近接センサ又は光電センサにより構成される。検出センサ94は、それぞれが設けられた位置で、第一遮蔽部80、第二遮蔽部82又は第三遮蔽部84を検出する。6個の検出センサ94からの検出信号は、制御装置90にそれぞれ入力され、制御部91は、入力された各検出信号に従い、第一投入領域R3と第二投入領域R4と中間領域R5の開閉をそれぞれ判断する。
【0033】
<記録処理>
インクジェット記録装置10で実行される記録処理について、
図5及び
図6を参照して説明する。第一載置面領域R1への第一記録媒体12Aの出し入れと、第二載置面領域R2への第二記録媒体12Bの出し入れの各作業は、例えば、少なくとも2人の作業者がそれぞれ行う。即ち、2人の作業者のうちの1人(不図示 以下「第一作業者」という)は、載置部20に対して副走査方向の第一側で第一載置面領域R1への第一記録媒体12Aの出し入れを行う。後述する操作部92の操作は、第一作業者が行うようにしてもよい。本実施形態では、第一作業者が操作部92を操作することとする。2人の作業者のうちの他の1人(不図示 以下「第二作業者」という)は、載置部20に対して副走査方向の第二側で第二載置面領域R2への第二記録媒体12Bの出し入れを行う。記録処理は、第一作業者が操作部92を介して画像の記録を行う載置面領域を選択することで開始される。インクジェット記録装置10は、初期状態として、
図2に示す待機状態となる。
【0034】
記録処理を開始した制御部91は、第一載置面領域R1又は第二載置面領域R2の何れかを選択する選択指令を取得したか否かを判断する(S1)。選択指令が取得されていない場合(S1:No)、制御部91は、S1の判断を繰り返して実行する。選択指令が取得された場合(S1:Yes)、制御部91は、取得された選択指令が第一載置面領域R1又は第二載置面領域R2の何れであるかを判断する(S3)。例えば、新たな第一記録媒体12Aが第一載置面領域R1に載せ置かれ、第一作業者が操作部92を操作して第一載置面領域R1を示す選択指令を入力したとする。この場合、制御部91は、第一載置面領域R1が選択されたと判断し(S3:第一載置面領域)、処理をS5に移行する。一方、新たな第二記録媒体12Bが第二載置面領域R2に載せ置かれ、第一作業者が操作部92を操作して第二載置面領域R2を示す選択指令を入力したとする。この場合、制御部91は、第二載置面領域R2が選択されたと判断し(S3:第二載置面領域)、処理を
図6のS15に移行する。
【0035】
S5で制御部91は、第一移動部50による記録部30と照射部40の第一載置面領域R1の側への移動を制御する。第一移動部50では、モータ55,65が回転を開始する。モータ55,65の回転に伴い、待機状態のインクジェット記録装置10で中間領域R5の位置に配置された第二移動部70に取り付けられた記録部30と照射部40は、副走査方向の第一側に移動する。また、制御部91は、第二移動部70による記録部30と照射部40の主走査方向の所定の位置への移動を制御する。第二移動部70では、モータ73の回転に伴いタイミングベルト74が回転し、記録部30と照射部40は、主走査方向の所定の位置へ移動する。このようにして、記録部30と照射部40は、第一載置面領域R1の側で画像の記録開始位置として予め定められた位置に配置される。制御部91は、所定のセンサ(例えば、モータ55,65,73がそれぞれ備えるエンコーダ)からの信号に従い、記録部30と照射部40が前述した記録開始位置に移動したことを検出する(S7)。
【0036】
次に、制御部91は、第一開閉部81による第一遮蔽部80の下降と、第三開閉部85による第三遮蔽部84の下降を制御する(S9)。第一開閉部81は、第一遮蔽部80を下降させ、第一投入領域R3は、開放状態から閉鎖状態となる(
図3参照)。第三開閉部85は、第三遮蔽部84を下降させ、中間領域R5は、開放状態から閉鎖状態となる(
図3参照)。第一投入領域R3の閉鎖状態への移行は、第一遮蔽部80に対応して設けられた2個の検出センサ94のうち、鉛直方向の下側に設けられた検出センサ94からの検出信号に従い検出される。中間領域R5の閉鎖状態への移行は、第三遮蔽部84に対応して設けられた2個の検出センサ94のうち、鉛直方向の下側に設けられた検出センサ94からの検出信号に従い検出される。このとき、第二開閉部83は動作せず、第二遮蔽部82は上昇したままとされ、第二投入領域R4は引き続き開放状態とされる(
図3参照)。
【0037】
その後、制御部91は、記録部30での画像の記録と、照射部40からの紫外線の照射を制御する(S11
図3参照)。S11で制御部91は、第二移動部70による記録部30と照射部40の主走査方向への往復移動を制御する。その際、制御部91は、画像データに対応した各色の紫外線硬化型インクの吐出と照射部40からの紫外線の照射を制御する。更に、制御部91は、第一移動部50による記録部30と照射部40の副走査方向への間欠移動を制御する。インクジェットヘッド31K,31M,31Y,31Cにそれぞれ形成されたノズルから吐出された各色の紫外線硬化型インクは、第一記録媒体12Aに着弾する。着弾した各色の紫外線硬化型インクによるインクドットには紫外線が照射され、これに伴い、インクドットを形成する紫外線硬化型インクは硬化する。このようにして、第一記録媒体12Aには、画像データに対応した画像が記録される。制御部91は、処理の対象となった画像データの全部の部分について、紫外線硬化型インクの吐出が完了するまで前述した各制御を継続する。
【0038】
S11の実行途中、第二作業者は、第二記録媒体12Bを第二投入領域R4から投入し第二載置面領域R2に載せ置く(
図3参照)。S11が終了した後、制御部91は、第一開閉部81による第一遮蔽部80の上昇と、第三開閉部85による第三遮蔽部84の上昇を制御する(S13)。第一開閉部81は、第一遮蔽部80を上昇させ、第一投入領域R3は、閉鎖状態から開放状態となる。第三開閉部85は、第三遮蔽部84を上昇させ、中間領域R5は、閉鎖状態から開放状態となる。第一投入領域R3の開放状態への移行は、第一遮蔽部80に対応して設けられた2個の検出センサ94のうち、鉛直方向の上側に設けられた検出センサ94からの検出信号に従い検出される。中間領域R5の開放状態への移行は、第三遮蔽部84に対応して設けられた2個の検出センサ94のうち、鉛直方向の上側に設けられた検出センサ94からの検出信号に従い検出される。このとき、第二開閉部83は動作せず、第二遮蔽部82は上昇したままとされ、第二投入領域R4は引き続き開放状態のままとされる。S13を実行した後、制御部91は、処理をS25に移行する。
【0039】
図6のS15で制御部91は、第一移動部50による記録部30と照射部40の第二載置面領域R2の側への移動を制御する。第一移動部50では、モータ55,65が回転を開始する。モータ55,65の回転に伴い、待機状態のインクジェット記録装置10で中間領域R5の位置に配置された第二移動部70に取り付けられた記録部30と照射部40は、副走査方向の第二側に移動する。また、制御部91は、第二移動部70による記録部30と照射部40の主走査方向の所定の位置への移動を制御する。第二移動部70では、モータ73の回転に伴いタイミングベルト74が回転し、記録部30と照射部40は、主走査方向の所定の位置へ移動する。このようにして、記録部30と照射部40は、第二載置面領域R2の側で画像の記録開始位置として予め定められた位置に配置される。制御部91は、所定のセンサ(例えば、モータ55,65,73がそれぞれ備えるエンコーダ)からの信号に従い、記録部30と照射部40が前述した記録開始位置に移動したことを検出する(S17)。
【0040】
次に、制御部91は、第二開閉部83による第二遮蔽部82の下降と、第三開閉部85による第三遮蔽部84の下降を制御する(S19)。第二開閉部83は、第二遮蔽部82を下降させ、第二投入領域R4は、開放状態から閉鎖状態となる(
図4参照)。第三開閉部85は、第三遮蔽部84を下降させ、中間領域R5は、開放状態から閉鎖状態となる(
図4参照)。第二投入領域R4の閉鎖状態への移行は、第二遮蔽部82に対応して設けられた2個の検出センサ94のうち、鉛直方向の下側に設けられた検出センサ94からの検出信号に従い検出される。中間領域R5の閉鎖状態への移行は、
図5のS9の場合と同様に検出される。このとき、第一開閉部81は動作せず、第一遮蔽部80は上昇したままとされ、第一投入領域R3は引き続き開放状態とされる(
図4参照)。
【0041】
その後、制御部91は、記録部30での画像の記録と、照射部40からの紫外線の照射を制御する(S21
図4参照)。S21で制御部91は、第二移動部70による記録部30と照射部40の主走査方向への往復移動を制御する。その際、制御部91は、画像データに対応した各色の紫外線硬化型インクの吐出と照射部40からの紫外線の照射を制御する。更に、制御部91は、第一移動部50による記録部30と照射部40の副走査方向への間欠移動を制御する。インクジェットヘッド31K,31M,31Y,31Cにそれぞれ形成されたノズルから吐出された各色の紫外線硬化型インクは、第二記録媒体12Bに着弾する。着弾した各色の紫外線硬化型インクによるインクドットには紫外線が照射され、これに伴い、インクドットを形成する紫外線硬化型インクは硬化する。このようにして、第二記録媒体12Bには、画像データに対応した画像が記録される。制御部91は、処理の対象となった画像データの全部の部分について、紫外線硬化型インクの吐出が完了するまで前述した各制御を継続する。
【0042】
S21の実行途中、第一作業者は、第一記録媒体12Aを第一投入領域R3から投入し第一載置面領域R1に載せ置く(
図4参照)。S21が終了した後、制御部91は、第二開閉部83による第二遮蔽部82の上昇と、第三開閉部85による第三遮蔽部84の上昇を制御する(S23)。第二開閉部83は、第二遮蔽部82を上昇させ、第二投入領域R4は、閉鎖状態から開放状態となる。第三開閉部85は、第三遮蔽部84を上昇させ、中間領域R5は、閉鎖状態から開放状態となる。第二投入領域R4の開放状態への移行は、第二遮蔽部82に対応して設けられた2個の検出センサ94のうち、鉛直方向の上側に設けられた検出センサ94からの検出信号に従い検出される。中間領域R5の開放状態への移行は、
図5のS13の場合と同様に検出される。このとき、第一開閉部81は動作せず、第一遮蔽部80は上昇したままとされ、第一投入領域R3は引き続き開放状態のままとされる。S23を実行した後、制御部91は、処理を
図5のS25に移行する。
【0043】
S25で制御部91は、記録部30と照射部40の待機位置への移動を制御する。第二移動部70では、モータ73が回転を開始する。モータ73の回転に伴いタイミングベルト74が回転し、記録部30と照射部40は、待機位置に対応した主走査方向の第三側の所定の位置まで移動する。制御部91は、所定のセンサ(例えば、モータ73が備えるエンコーダ)からの信号に従い、記録部30と照射部40が前述した位置に移動したことを検出する。S25がS13の実行後に行われている場合、第一移動部50では、モータ55,65が回転を開始し、モータ55,65の回転に伴い、第一載置面領域R1内にある記録部30と照射部40は、副走査方向の第二側に向けて中間領域R5の位置まで移動する。一方、S25がS23の実行後に行われている場合、第一移動部50では、モータ55,65が回転を開始し、モータ55,65の回転に伴い、第二載置面領域R2内にある記録部30と照射部40は、副走査方向の第一側に向けて中間領域R5の位置まで移動する。制御部91は、所定のセンサ(例えば、モータ55,65がそれぞれ備えるエンコーダ)からの信号に従い、記録部30と照射部40が中間領域R5の位置に移動したことを検出する。S13又はS23とS25の実行により、インクジェット記録装置10は、待機状態となる(
図2参照)。
【0044】
続けて、制御部91は、記録処理の終了を示す終了指令を取得したか否かを判断する(S27)。終了指令は、第一作業者が操作部92を操作して入力される。終了指令が取得されていない場合(S27:No)、制御部91は、処理をS1に戻し、S1以降の処理を上記同様に実行する。終了指令が取得された場合(S27:Yes)、制御部91は、記録処理を終了する。
【0045】
<本実施形態の効果>
本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
【0046】
(1)載置部20に第一載置面領域R1と第二載置面領域R2を設け、第一移動部50により記録部30と照射部40を第一載置面領域R1と第二載置面領域R2の間を移動させることとした(
図2〜
図4参照)。そして、記録部30と照射部40を第二移動部70で主走査方向に往復移動させつつ第一移動部50で副走査方向に間欠移動させ、第一載置面領域R1に載せ置かれた第一記録媒体12Aと、第二載置面領域R2に載せ置かれた第二記録媒体12Bにそれぞれ画像を記録することとした(
図5のS11、
図6のS21参照)。記録部30と照射部40を移動させる移動装置を、記録部30と照射部40が取り付けられた第二移動部70を第一移動部50に取り付けて構成することとした(
図1〜
図4参照)。
【0047】
そのため、記録部30と照射部40を第一載置面領域R1と第二載置面領域R2の間をスムーズに移動させ、画像の記録を効率よく行うことができる。記録部30と照射部40を移動させる移動装置を小型化することができる。第一載置面領域R1と第二載置面領域R2を副走査方向に配置することで、第一載置面領域R1と第二載置面領域R2の間の移動と、画像記録時の副走査方向への間欠移動を、第一移動部50で行うことができる。インクジェット記録装置10の小型化を実現することが可能となる。
【0048】
(2)記録部30と照射部40を第一載置面領域R1に移動させ、第一載置面領域R1に載せ置かれた第一記録媒体12Aに画像を記録している際(
図5のS3:第一載置面領域、S5、S11参照)、第一開閉部81で第一遮蔽部80を下降させ、第三開閉部85で第三遮蔽部84を下降させ、第一投入領域R3と中間領域R5をそれぞれ閉鎖状態とすることとした(
図3、
図5のS9参照)。その際、第二開閉部83は動作せず、第二遮蔽部82は上昇したままとされ、第二投入領域R4は引き続き開放状態とされる(
図3参照)。そのため、第一載置面領域R1に載せ置かれた第一記録媒体12Aに画像を記録している際に照射部40から照射された紫外線の、第一投入領域R3から第一載置面領域R1の外部への進行と中間領域R5から第二載置面領域R2の側への進行を遮蔽することができる。第一載置面領域R1に載せ置かれた第一記録媒体12Aに画像を記録している際、第一投入領域R3と第二投入領域R4からの紫外線の漏洩を防止することができる。副走査方向の第一側にいる第一作業者を第一遮蔽部80で紫外線から保護し、副走査方向の第二側にいる第二作業者を第三遮蔽部84で紫外線から保護することができる。第一載置面領域R1に載せ置かれた第一記録媒体12Aに画像を記録している際、第二載置面領域R2に第二記録媒体12Bを載せ置くことができる。
【0049】
記録部30と照射部40を第二載置面領域R2に移動させ、第二載置面領域R2に載せ置かれた第二記録媒体12Bに画像を記録している際(
図5のS3:第二載置面領域、
図6のS15、S21参照)、第二開閉部83で第二遮蔽部82を下降させ、第三開閉部85で第三遮蔽部84を下降させ、第二投入領域R4と中間領域R5をそれぞれ閉鎖状態とすることとした(
図4、
図6のS19参照)。その際、第一開閉部81は動作せず、第一遮蔽部80は上昇したままとされ、第一投入領域R3は引き続き開放状態とされる(
図4参照)。そのため、第二載置面領域R2に載せ置かれた第二記録媒体12Bに画像を記録している際に照射部40から照射された紫外線の、第二投入領域R4から第二載置面領域R2の外部への進行と中間領域R5から第一載置面領域R1の側への進行を遮蔽することができる。第二載置面領域R2に載せ置かれた第二記録媒体12Bに画像を記録している際、第一投入領域R3と第二投入領域R4からの紫外線の漏洩を防止することができる。副走査方向の第二側にいる第二作業者を第二遮蔽部82で紫外線から保護し、副走査方向の第一側にいる第一作業者を第三遮蔽部84で紫外線から保護することができる。第二載置面領域R2に載せ置かれた第二記録媒体12Bに画像を記録している際、第一載置面領域R1に第一記録媒体12Aを載せ置くことができる。第一載置面領域R1に載せ置かれた第一記録媒体12Aへの画像の記録と、第二載置面領域R2に載せ置かれた第二記録媒体12Bへの画像の記録を交互に繰り返して行うことができる。
【0050】
<変形例>
本実施形態は、次のようにすることもできる。以下に示す変形例のうちの幾つかの構成は、適宜組み合わせて採用することもできる。以下の構成を採用したインクジェット記録装置によっても、上述した効果と同様の効果を得ることができる。以下では上記とは異なる点を説明することとし、同様の点についての説明は適宜省略する。
【0051】
(1)上記では、活性エネルギー硬化型インクの1つである紫外線硬化型インクを例に説明した。画像の記録には、電子線硬化型インクを用いるようにしてもよい。電子線硬化型インクが用いられる場合、照射部40は、活性エネルギー線としての電子線を照射する。第一遮蔽部80と第二遮蔽部82と第三遮蔽部84は、電子線の透過を抑制可能な材質により形成される。画像の記録に用いるインクを何れのインクとするかは、例えば、記録媒体12に画像を記録し形成された画像形成物が設置される環境又は画像形成物の用途を考慮し、適宜決定するとよい。
【0052】
(2)上記では、制御装置90を副走査方向の第一側に設け、副走査方向の第一側にいる第一作業者が操作部92を操作することで、選択指令と終了指令を入力することとした(
図5のS1、S27:Yes参照)。制御装置90に繋がる操作スイッチを副走査方向の第二側に設け、第二作業者も選択指令及び/又は終了指令を入力できるようにしてもよい。副走査方向の第二側に設けられる操作スイッチは、操作部92を構成する。
【0053】
(3)上記では、第一開閉部81による第一遮蔽部80の移動方向と、第二開閉部83による第二遮蔽部82の移動方向と、第三開閉部85による第三遮蔽部84の移動方向を鉛直方向とした構成を例に説明した(
図2〜
図4参照)。第一開閉部による第一投入領域R3の開閉は、第一遮蔽部80を水平方向に移動させて行うようにしてもよい。第二開閉部による第二投入領域R4の開閉は、第二遮蔽部82を水平方向に移動させて行うようにしてもよい。第三開閉部による中間領域R5の開閉は、第三遮蔽部84を水平方向に移動させて行うようにしてもよい。第一遮蔽部80と第二遮蔽部82と第三遮蔽部84を何れの方向に移動させ各領域を開閉するかは、諸条件を考慮し適宜決定される。
【0054】
(4)上記では、第一載置面領域R1と第二載置面領域R2を副走査方向に配置した載置部20を備えるインクジェット記録装置10を例に説明した(
図1〜
図4参照)。載置部は、第一載置面領域と第二載置面領域を主走査方向に配置した構成としてもよい。この場合、第一載置面領域に載せ置かれた第一記録媒体に画像を記録する際、第一記録媒体に対応して記録部と照射部を主走査方向に移動させ、第二載置面領域に載せ置かれた第二記録媒体に画像を記録する際、第二記録媒体に対応して記録部と照射部を主走査方向に移動させる移動部(上記に基づけば「第二移動部70」に相当)は、記録部と照射部を第一載置面領域と第二載置面領域の間を移動させる移動部(上記に基づけば「第一移動部50」に相当)を含む。即ち、画像の記録時の主走査方向の移動と第一載置面領域と第二載置面領域の間の移動は、ハードウェア的には単一の移動部(以下、「第三移動部」という)によって実現される。
【0055】
第三移動部は、上記の第二移動部70と同様の各部を備え、これと同様の構成を有する。従って、第三移動部に関する説明は省略する。第一載置面領域と第二載置面領域を主走査方向に配置した載置部と、第三移動部を備えるインクジェット記録装置は、更に、画像の記録時に記録部と照射部を副走査方向に間欠移動させる第四移動部を備える。第四移動部は、上記の第一移動部50と同様の各部を備え、これと同様の構成を有する。従って、第四移動部に関する説明は省略する。第三移動部には、上記の第二移動部70の場合と同様、キャリッジに固定された支持部を介して記録部と照射部が取り付けられる。第三移動部は、上記の第一移動部50と第二移動部70の場合と同様、第四移動部に取り付けられる。第四移動部は、第三移動部と共に記録部と照射部を副走査方向に移動する。また、第一載置面領域と第二載置面領域を主走査方向に配置した載置部と、第三移動部と、第四移動部を備えるインクジェット記録装置では、第一載置面領域と第二載置面領域の間であって載置部の表面の上方となる領域である中間領域は、副走査方向に沿った領域となる。そのため、このような中間領域を遮蔽する第三遮蔽部は、副走査方向に沿って設けられる。第三開閉部は、第三遮蔽部に対応して設けられる。
【0056】
(5)上記では、副走査方向において第一載置面領域R1と第二載置面領域R2が隣り合う載置部20を備えるインクジェット記録装置10とし、副走査方向において第一載置面領域R1と第二載置面領域R2の境界部分の上方の中間領域R5に設けた第三遮蔽部84を第三開閉部85で移動させ、この中間領域R5を開閉する構成を例に説明した(
図2〜
図4参照)。副走査方向において第一載置面領域と第二載置面領域の間に、待機状態にあるインクジェット記録装置で記録部と照射部が配置される副走査方向の領域(以下、「待機面領域」という)を設定すると共に、第三遮蔽部を2枚の遮蔽部材によって構成し、第三開閉部を2枚の遮蔽部材のそれぞれに対応した2組の装置によって構成するようにしてもよい。第三開閉部を構成する各装置は、上記同様、例えば、2個のエアシリンダによって構成される。なお、待機状態時における記録部と照射部の配置は、
図2と同様である。
【0057】
この場合、第三遮蔽部としての2枚の遮蔽部材のうちの1枚の遮蔽部材は、待機状態時の記録部と照射部に対して副走査方向の第一側となる、第一載置面領域と待機面領域の境界部分の上方の領域(以下、「第一中間領域」という)に設けられる。2組の装置による第三開閉部のうちの1つの装置は、第一中間領域に設けられた遮蔽部材を移動し、第一中間領域を開閉する。第三遮蔽部としての2枚の遮蔽部材のうちの他の1枚の遮蔽部材は、待機状態時の記録部と照射部に対して副走査方向の第二側となる、第二載置面領域と待機面領域の境界部分の上方の領域(以下、「第二中間領域」という)に設けられる。2組の装置による第三開閉部のうちの他の1つの装置は、第二中間領域に設けられた遮蔽部材を移動し、第二中間領域を開閉する。
【0058】
インクジェット記録装置が待機状態である場合、第三遮蔽部を構成する2枚の遮蔽部材は、第三開閉部を構成する2組の装置のそれぞれによって上昇した状態とされ、第一中間領域と第二中間領域は、共に開放状態とされる。
図5のS9では、2枚の遮蔽部材のうちの1枚が下降され、
図5のS13では、S9で下降された遮蔽部材が上昇される。例えば、
図5のS9では、第二中間領域に設けられた遮蔽部材が下降され、
図5のS13では、この遮蔽部材が上昇される。
図6のS19では、2枚の遮蔽部材のうち、
図5のS9とは別の遮蔽部材が下降され、
図6のS23では、S19で下降された遮蔽部材が上昇される。例えば、
図6のS19では、第一中間領域に設けられた遮蔽部材が下降され、
図6のS23では、この遮蔽部材が上昇される。