(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記特許文献1および2に記載のはんだ組成物を用いて無洗浄方式ではんだ付けした場合でも、絶縁性の点で未だ必ずしも十分ではなかった。
【0005】
そこで、本発明は、無洗浄方式ではんだ付けする場合でも優れた絶縁性を有するフラックス組成物、はんだ組成物
、および
、プリント配線基板
の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決すべく、鋭意検討した結果、本発明者らは、無機イオン交換体として、陰陽の両方のイオン成分の補足できる特定の無機両イオン交換体を用いた場合には、ハロゲンなどの陰イオン成分の補足するための無機陰イオン交換体を用いた場合に比較して、絶縁性を飛躍的に向上できることを見出した。本発明は、このような知見に基づいて完成されたものであり、以下のようなフラックス組成物、はんだ組成物
、および
、プリント配線基板
の製造方法を提供するものである。
すなわち、本発明のフラックス組成物は、ロジン系樹脂、溶剤、活性剤および無機イオン交換体を含有するフラックス組成物であって、前記活性剤が、ハロゲン系活性剤を含有し、前記無機イオン交換体が、ジルコニウム、マグネシウムおよびアルミニウムを含有する無機両イオン交換体であることを特徴とするものである。
【0007】
本発明のフラックス組成物においては、前記無機両イオン交換体の配合量が、当該フラックス組成物100質量%に対して、0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましい。
本発明のフラックス組成物においては、前記ロジン系樹脂の配合量が、当該フラックス組成物100質量%に対して、1質量%以上40質量%以下であることが好ましい。
本発明のフラックス組成物においては、当該フラックス組成物が、アクリル系樹脂をさらに含有することが好ましい。
【0008】
本発明のはんだ組成物は、前記フラックス組成物と、はんだ粉末とを含有することを特徴とするものである。
本発明のプリント配線基板
の製造方法は、前記はんだ組成物を用いて電子部品をプリント配線基板に実装
することを特徴とする
方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、無洗浄方式ではんだ付けする場合でも優れた絶縁性を有するフラックス組成物、はんだ組成物およびプリント配線基板を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[フラックス組成物]
まず、本発明のフラックス組成物について説明する。本発明のフラックス組成物は、以下説明するロジン系樹脂、溶剤、活性剤および無機イオン交換体を含有するものである。また、このフラックス組成物は、必要に応じて、前記成分の他に、アクリル系樹脂およびチクソ剤や、その他の添加剤をさらに含有してもよい。
【0012】
本発明に用いるロジン系樹脂としては、天然ロジン(未変性ロジン)および変性ロジンが挙げられる。天然ロジンとしては、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンなどが挙げられる。変性ロジンとしては、重合ロジン、水素添加ロジン、ロジンエステル、ロジン変性樹脂などが挙げられる。これらのロジン系樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0013】
前記ロジン系樹脂の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、1質量%以上40質量%以下であることが好ましく、5質量%以上25質量%以下であることがより好ましい。配合量が前記下限未満では、いわゆるはんだ付性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、フラックス残さ量が多くなる傾向にある。
【0014】
本発明に用いる溶剤としては、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ヘキシルジグリコール、1,5−ペンタンジオール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、2−エチルヘキシルジグリコール、オクタンジオール、フェニルグリコールが挙げられる。これらの溶剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0015】
前記溶剤の配合量は、フラックス組成物100質量%に対して、25質量%以上60質量%以下であることが好ましい。配合量が前記範囲内であれば、得られるはんだ組成物の粘度を適正な範囲に適宜調整できる。
【0016】
本発明に用いる活性剤は、少なくともハロゲン系活性剤を含有することが必要である。このハロゲン系活性剤は、活性作用が高く、フラックス組成物に優れたはんだ付け性を付与できる。
【0017】
前記ハロゲン系活性剤としては、2−ブロモヘキサン酸、ジブロモブテンジオール、ジブロモコハク酸、5−ブロモ安息香酸、5−ブロモニコチン酸、5−ブロモフタル酸、2−ブロモプロピオン酸、2−ブロモ酪酸、2,3−ジブロモプロピオン酸、2,3−ジブロモコハク酸などが挙げられる。
前記ハロゲン系活性剤の配合量としては、フラックス組成物100質量%に対して、0.5質量%以上5質量%以下であることが好ましい。配合量が前記下限未満では、はんだボールが生じやすくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、絶縁性が低下する傾向にある。
【0018】
本発明に用いる活性剤としては、前記ハロゲン系活性剤の他に、有機酸、アミン系活性剤などを用いてもよい。これらの活性剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記有機酸としては、モノカルボン酸、ジカルボン酸などの他に、その他の有機酸が挙げられる。
モノカルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブチリック酸、バレリック酸、カプロン酸、エナント酸、カプリン酸、ラウリル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ツベルクロステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸、グリコール酸などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、ジグリコール酸などが挙げられる。
その他の有機酸としては、ダイマー酸、レブリン酸、乳酸、アクリル酸、安息香酸、サリチル酸、アニス酸、クエン酸、ピコリン酸などが挙げられる。
【0019】
前記アミン系活性剤としては、アミン類(エチレンジアミンなどのポリアミンなど)、アミン塩類(トリメチロールアミン、シクロヘキシルアミン、ジエチルアミンなどのアミンやアミノアルコールなどの有機酸塩や無機酸塩(塩酸、硫酸、臭化水素酸など))、アミノ酸類(グリシン、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、バリンなど)、アミド系化合物などが挙げられる。
【0020】
前記活性剤の合計の配合量は、フラックス100質量%に対して、0.5質量%以上20質量%以下であることが好ましい。配合量が前記下限未満では、はんだボールが生じやすくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、絶縁性が低下する傾向にある。
【0021】
本発明に用いる無機イオン交換体は、ジルコニウム、マグネシウムおよびアルミニウムを含有する無機両イオン交換体である。無機両イオン交換体とは、陰イオンおよび陽イオンに対する高いイオン交換能力と選択性とを有する無機イオン交換体であり、具体的には、東亞合成社製のIXEPLUS−A1、IXEPLUS−A2が挙げられる。この無機両イオン交換体は、ハイドロタルサイト生成物(Mg
4.5Al
2(OH)
13CO
3・3.5H
2O、Zn
4.5Al
2(OH)
13CO
3・3.5H
2O、Ni
4.5Al
2(OH)
13CO
3・3.5H
2O、Mg
4.5Fe
2(OH)
13CO
3・3.5H
2O、Mg
5Al
1.5(OH)
12.5CO
3・3.5H
2O、Mg
6Al
2(OH)
16CO
3・4H
2O、Mg
4.3Al
2(OH)
12.6CO
3・4H
2Oなど)またはこの焼成物を金属酸化物で被覆したものであることが好ましい。
【0022】
前記無機両イオン交換体の中性水溶液中での陰イオン交換容量は、0.8meq/g(80cmol/kg)以上であることが好ましく、1.0meq/g以上であることがより好ましい。
前記無機両イオン交換体の中性水溶液中での陽イオン交換容量は、0.8meq/g(80cmol/kg)以上であることが好ましく、1.0meq/g以上であることがより好ましい。
陰イオン交換容量および陽イオン交換容量は、塩化ナトリウム水溶液を用いて測定できる。すなわち、1gの検体と50mLの0.1mol/L濃度の塩化ナトリウム水溶液とを100mLのポリエチレン製の瓶に入れ、40℃で24時間振盪し、その後、上清の塩素イオン濃度およびナトリウムイオン濃度をイオンクロマトグラフィーで測定した。そして、検体を入れないで同様の操作を行って塩素イオン濃度およびナトリウムイオン濃度を測定したものをブランク値として陰イオン交換容量および陽イオン交換容量を算出できる。
【0023】
前記無機両イオン交換体の平均一次粒子径は、1μm以下であることが好ましく、100nm以上600nmであることがより好ましい。平均一次粒子径が前記上限を超えると、絶縁性向上効果が不十分となる傾向にある。なお、平均一次粒子径は、動的光散乱式の粒子径測定装置により測定できる。
【0024】
前記無機両イオン交換体の配合量としては、フラックス組成物100質量%に対して、0.01質量%以上5質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上1質量%以下であることがより好ましい。配合量が前記下限未満では、絶縁性が低下する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、はんだの溶融性が低下する傾向にある。
【0025】
本発明に用いるアクリル系樹脂は、アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルを主な原料とする重合体のことをいう。このアクリル系樹脂の重量平均分子量は、樹脂の流動性の観点から、0.2万〜50万であることが好ましく、0.3万〜25万であることがより好ましく、0.5万〜5万であることが特に好ましい。なお、本明細書において、重量平均分子量とは、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーで測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換算した値を示す。また、前記アクリル系樹脂の酸価は、5mgKOH/g以下であることが好ましく、1mgKOH/g以下であることがより好ましい。
【0026】
前記アクリル系樹脂の配合量は、前記フラックス100質量%に対して、1質量%以上60質量%以下であることが好ましく、10質量%以上50質量%以下であることがより好ましい。配合量が前記下限未満では、フラックス残さが脆くなり、クラックが入り易くなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、印刷性が悪化したり、はんだの溶融性が低下する傾向にある。
【0027】
本発明に用いるチクソ剤としては、硬化ひまし油、アミド類、カオリン、コロイダルシリカ、有機ベントナイト、ガラスフリットなどが挙げられる。これらのチクソ剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0028】
前記チクソ剤の配合量は、前記フラックス100質量%に対して、1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。配合量が前記下限未満では、チクソ性が得られず、ダレが生じやすくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、チクソ性が高すぎて、塗布不良となりやすい傾向にある。
【0029】
本発明に用いる添加剤としては、酸化防止剤、消泡剤、界面活性剤などが挙げられる。これらの添加剤の配合量は、フラックス100質量%に対して、0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
【0030】
[はんだ組成物]
次に、本発明のはんだ組成物について説明する。本発明のはんだ組成物は、前記本発明のフラックス組成物と、以下説明するはんだ粉末とを含有するものである。
【0031】
本発明に用いるはんだ粉末は、無鉛のはんだ粉末のみからなることが好ましいが、有鉛のはんだ粉末であってもよい。このはんだ粉末におけるはんだ合金としては、スズを主成分とする合金が好ましい。また、この合金の第二元素としては、銀、銅、亜鉛、ビスマス、アンチモンなどが挙げられる。さらに、この合金には、必要に応じて他の元素(第三元素以降)を添加してもよい。他の元素としては、銅、銀、ビスマス、アンチモン、アルミニウム、インジウムなどが挙げられる。
無鉛のはんだ粉末の合金組成としては、具体的には、Sn/Ag、Sn/Ag/Cu、Sn/Cu、Sn/Ag/Bi、Sn/Bi、Sn/Ag/Cu/Bi、Sn/Sbや、Sn/Zn/Bi、Sn/Zn、Sn/Zn/Al、Sn/Ag/Bi/In、Sn/Ag/Cu/Bi/In/Sb、In/Agなどが挙げられる。
【0032】
前記はんだ粉末の配合量は、はんだ組成物100質量%に対して、80質量%以上92質量%以下であることが好ましく、82質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。はんだ粉末の含有量が前記下限未満の場合には、得られるはんだ組成物を用いた場合に、十分なはんだ接合を形成できにくくなる傾向にある。他方、はんだ粉末の含有量が92質量%を超える場合には、バインダーとしてのフラックス組成物が足りないため、フラックスとはんだ粉末とを混合しにくくなる傾向にある。
【0033】
前記はんだ粉末の平均粒子径は、1μm以上40μm以下であることが好ましく、10μm以上35μm以下であることがより好ましく、15μm以上25μm以下であることが特に好ましい。平均粒子径が上記範囲内であれば、はんだ付けランドのピッチの狭くなってきている最近のプリント配線基板にも対応できる。なお、平均粒子径は、動的光散乱式の粒子径測定装置により測定できる。
【0034】
[プリント配線基板]
次に、本発明のプリント配線基板について説明する。本発明のプリント配線基板は、以上説明したはんだ組成物を用いて電子部品をプリント配線基板に実装したことを特徴とするものである。そのため、本発明のプリント配線基板は、無洗浄方式でのはんだ付けが可能であり、フラックス残さ膜を洗浄することなく、はんだ付けによりプリント配線基板に電子部品を搭載できる。
【0035】
ここで用いる塗布装置としては、メタルマスク印刷機、スクリーン印刷機、ディスペンサー、ジェットディスペンサーなどが挙げられる。
はんだ付け方法としては、リフロー炉による方法以外に、レーザー光源を用いる方法を採用してもよい。
【実施例】
【0036】
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例および比較例にて用いた材料を以下に示す。
ロジン系樹脂:商品名「KE−604」、荒川化学工業社製
アクリル系樹脂:下記調製例1で得られたアクリル系樹脂
活性剤A:スベリン酸
活性剤B:マロン酸
活性剤C:2−ブロモヘキサン酸
無機イオン交換体A:Zr、Mg、Al系無機両イオン交換体、一次粒子径500nm、商品名「IXEPLUS A1」、東亞合成社製
無機イオン交換体B:Zr、Mg、Al系無機両イオン交換体、一次粒子径200nm、商品名「IXEPLUS A2」、東亞合成社製
無機イオン交換体C:Zr、Bi系無機両イオン交換体、一次粒子径400nm、商品名「IXEPLUS B1」、東亞合成社製
無機イオン交換体D:Bi系無機陰イオン交換体、商品名「IXE−530」、東亞合成社製
酸化防止剤:商品名「イルガノックス245」、チバ・ジャパン社製
チクソ剤:商品名「スリパックスZHH」、日本化成社製
溶剤:ヘキシルジグリコール
【0037】
[調製例1]
メタクリル酸4.6重量%、下記構造式(1)で表される化合物35.4重量%、および下記構造式(2)で表される化合物60重量%を混合した溶液(合計300g)を作製した。
撹拌機、還流管と窒素導入管を備えた500mLの4つ口フラスコにジエチルヘキシルグリコールを200g仕込み、これを110℃に加熱した。その後、上記溶液(合計300g)に、アゾ系ラジカル開始剤(ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、商品名:V−601、和光純薬社製)を0.2重量%〜5重量%の範囲で加えて溶解させた。この溶液を1.5時間かけて滴下し、滴下後110℃で1時間撹拌後、反応を終了してアクリル系樹脂を得た。アクリル樹脂の重量平均分子量は15,000であり、酸価は0mgKOH/gであった。
【0038】
【化1】
【0039】
【化2】
【0040】
[実施例1]
ロジン系樹脂10質量%、アクリル系樹脂43質量%、および溶剤33.5質量%を容器に投入し、撹拌しながら160℃まで加熱して、樹脂溶液を作製した。この樹脂溶液の温度を保ちながら、活性剤A3.4質量%、活性剤B0.31質量%、活性剤C2質量%、酸化防止剤1.3質量%およびチクソ剤6質量%を容器に投入し、密封状態で冷却した後に、無機イオン交換体A0.5質量%を投入し、回転速度1200rpmにて40秒間撹拌し混合してフラックス組成物を得た。
その後、得られたフラックス組成物11質量%、およびはんだ粉末(合金組成:Sn−3.0Ag−0.5Cu、粒径分布:14〜27μm、はんだ融点:217〜220℃)89質量%を容器に投入し、混練機(回転速度:32rpm)にて1時間混合することではんだ組成物を得た。
【0041】
[実施例2〜4および比較例1〜3]
表1に示す組成に従い各材料を配合した以外は実施例1と同様にして、フラックス組成物およびはんだ組成物を得た。
【0042】
<はんだ組成物の評価>
はんだ組成物の特性(絶縁性)を以下のような方法で評価した。得られた結果を表1に示す。
(1)絶縁性
JIS Z 3197 絶縁抵抗試験 ソルダーペーストに準拠した方法により、絶縁性を評価した。すなわち、串形電極基板(導体幅:0.318mm、導体間隔:0.318mm、大きさ:30mm×30mm)に、メタルマスク(串形電極パターンに合わせてスリット状に加工したもの、厚み:150μm)を用いてはんだ組成物を印刷して印刷基板を得た。この印刷基板を、リフロー炉(商品名「TNP40−577PH」、タムラ製作所社製)に投入し、はんだを溶融させて試験片を得た。なお、このときの炉内の酸素濃度は4000ppmであり、温度条件は
図1に示す通りであった。
この試験片を、温度85℃、相対湿度95%に設定した高温高湿試験機(商品名「小型環境試験機SH−641」、エスペック社製)に投入し、所定時間経過する毎に、絶縁抵抗値を測定した。なお、絶縁抵抗値は、測定電圧10V、測定秒数60秒、測定温度10〜30℃、測定湿度40〜80%の条件下にて測定する。測定は、投入前(初期)、並びに、100時間、200時間、300時間、400時間および500時間の経過後に行い、初期の絶縁抵抗値と、所定時間経過後の絶縁抵抗値のうちの最小値とを、下記の基準に従って評価した。
○:絶縁抵抗値が3×10
9Ω以上である。
△:絶縁抵抗値が1×10
9Ω以上3×10
9Ω未満である。
×:絶縁抵抗値が1×10
9Ω未満である。
【0043】
【表1】
【0044】
表1に示す結果からも明らかなように、本発明のはんだ組成物を用いた場合(実施例1〜4)には、無洗浄方式ではんだ付けする場合でも絶縁性が優れることが確認された。なお、本発明のはんだ組成物を用いた場合(実施例1〜4)には、はんだ付け性が優れることも併せて確認された。
これに対し、ジルコニウム、マグネシウムおよびアルミニウムを含有する無機両イオン交換体を含有していないはんだ組成物を用いた場合(比較例1〜3)には、無洗浄方式ではんだ付けする場合の絶縁性が劣ることが分かった。