特許第6184820号(P6184820)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイシン軽金属株式会社の特許一覧 ▶ 株式会社東晃製作所の特許一覧

<>
  • 特許6184820-曲げ加工装置 図000002
  • 特許6184820-曲げ加工装置 図000003
  • 特許6184820-曲げ加工装置 図000004
  • 特許6184820-曲げ加工装置 図000005
  • 特許6184820-曲げ加工装置 図000006
  • 特許6184820-曲げ加工装置 図000007
  • 特許6184820-曲げ加工装置 図000008
  • 特許6184820-曲げ加工装置 図000009
  • 特許6184820-曲げ加工装置 図000010
  • 特許6184820-曲げ加工装置 図000011
  • 特許6184820-曲げ加工装置 図000012
  • 特許6184820-曲げ加工装置 図000013
  • 特許6184820-曲げ加工装置 図000014
  • 特許6184820-曲げ加工装置 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6184820
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】曲げ加工装置
(51)【国際特許分類】
   B21D 7/024 20060101AFI20170814BHJP
   B21D 9/05 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   B21D7/024 E
   B21D9/05
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-199012(P2013-199012)
(22)【出願日】2013年9月25日
(65)【公開番号】特開2015-62932(P2015-62932A)
(43)【公開日】2015年4月9日
【審査請求日】2016年9月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000100791
【氏名又は名称】アイシン軽金属株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592172699
【氏名又は名称】株式会社東晃製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(72)【発明者】
【氏名】松井 宏昭
(72)【発明者】
【氏名】新村 仁
(72)【発明者】
【氏名】才川 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】横山 方彦
【審査官】 豊島 唯
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭53−14655(JP,A)
【文献】 特開昭50−1063(JP,A)
【文献】 特公昭43−12272(JP,B1)
【文献】 特開平5−104154(JP,A)
【文献】 特開2011−115838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 7/00 − 7/03
B21D 9/05
A47H 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セミホロー断面形状からなる金属材の曲げ加工装置であって、
金属材の開口部から内側に挿入する中子装置と、当該中子装置と対向して金属材の外側に配置した押え部材を有し、
前記中子装置は開閉自在の一対の上下中子と、当該上下中子の間に挿入されるセンター中子とを有し、
前記一対の上下中子が閉じた状態で金属材の側面開口部から内側に挿入可能であり、
前記上下中子を金属材の内側に配置した後に、当該上下中子の間にセンター中子を挿入することで金属材の内側を拘束し、
前記押さえ部材で前記金属材を外側から相対的に押えながら、曲げ加工を行うものであることを特徴とする曲げ加工装置。
【請求項2】
前記中子装置は回転制御されたロータリー装置に取り付けてあり、
中子装置が金属材の内側を拘束した状態で、当該金属材を押さえ部材で外側から押さえながらロータリー装置が回転することで曲げ加工が行われるものであることを特徴とする請求項1記載の曲げ加工装置。
【請求項3】
前記中子装置と押え部材からなる固定ユニットと、前記中子装置と押え部材からなる可動ユニットを備え、
可動ユニットが固定ユニットに対して、相対移動することで曲げ加工を行うものでることを特徴とする請求項1記載の曲げ加工装置。
【請求項4】
前記可動ユニットが回転制御されたロータリー装置に取り付けられていることを特徴とする請求項3記載の曲げ加工装置。
【請求項5】
前記中子装置は開閉カム装置を有し、
前記上下中子のうち、少なくとも一方は金属材の外側に位置する支持部材により当該金属材の開口部に干渉することなく開く方向に付勢されており、
前記開閉カム装置の開閉カムが前進すると前記支持部材を当該中子が閉じる方向に押し込むものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の曲げ加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属材の曲げ加工に関し、特にセミホロー断面形状からなる金属材の曲げ加工に適した曲げ加工装置に係る。
【背景技術】
【0002】
アルミニウム合金等の押出形材は断面形状の自由度が高く形材の長手方向に沿って、断面内側寸法よりも小さな寸法の開口部を有するセミホロー断面形状の押出形材を得ることが容易である。
また、SUS等の板材の加工分野においては、ロールフォーミング等によりセミホロー断面形状に成形することが広く行われている。
このようなセミホロー断面形状の金属材を用いて各種曲げ加工製品を製造する場合に、曲げ加工時に断面形状が変形しやすい技術的課題がある。
比較的短い長さの製品の場合には、金属材の両側端部の断面開口部から中子を挿入することが可能であるが、長さの長い金属材の場合には、断面開口部から中子を挿入するのが困難であったり、曲げ加工後に中子を抜きとることができない場合がある。
例えば特許文献1に板材をセミホロー断面形状のアームに曲げ加工した後に、アームの内側を拘束した上型を分割式にし、この上型の型状部を拡大状態から縮小状態にしてアームの内側寸法より狭い開口部から、この型状部を抜きとる方法が開示されている。
しかし、同公報に開示する技術は板材をセミホロー断面に曲げ加工するものであって、セミホロー断面形状の金属材を曲げ加工できるものではない。
また、特許文献2にヘミング加工の方法として、両側の分割スライドカムの間にクサビ状のドライバを下降させることで両側の分割スライドカムを拡開する技術を開示するが、この技術もヘミング加工後に金型(中子)を抜きとるためのものであって、セミホロー断面形状の金属材を曲げ加工するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−115838号公報
【特許文献2】特開2006−281293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、セミホロー断面形状からなる長尺材の曲げ加工が容易な曲げ加工装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、セミホロー断面形状からなる金属材の曲げ加工装置であって、金属材の開口部から内側に挿入する中子装置と、当該中子装置と対向して金属材の外側に配置した押え部材を有し、前記中子装置は開閉自在の一対の上下中子と、当該上下中子の間に挿入されるセンター中子とを有し、前記一対の上下中子が閉じた状態で金属材の側面開口部から内側に挿入可能であり、前記上下中子を金属材の内側に配置した後に、当該上下中子の間にセンター中子を挿入することで金属材の内側を拘束し、前記押さえ部材で前記金属材を外側から相対的に押えながら、曲げ加工を行うものであることを特徴とする。
【0006】
ここで中子装置は、一対の中子の間が開いた状態でその間にセンター中子が挿入でき、あるいは一対の中子の間にセンター中子を挿入すると一対の中子の間が開き、逆に、一対の中子の間からセンター中子を抜き取るとこの一対の中子の間を閉じことができることを意味し、便宜上水平方向に挿入(前進する)又は抜き取る(後退する)センター中子に対して一対の上下中子と表現したが、センター中子が上下方向に前進、後退する場合は一対の中子は左右(前後)に配置してあることを意味する。
また、本発明でセミホロー断面形状からなる金属材とは、外周部が部分的に開口した凹部断面形状であって、開口部の寸法が対応する開口部内側の寸法より小さい金属材であれば、断面形状に特に制限はない。
したがって、金属材の内側形状に合わせ、上下の中子は同じ厚みである必要が無く、また、相互に対称形状である必要もない。
上下中子は、金属材の開口部から内側に挿入された状態で、上下中子の間にセンター中子を挿入すると、あるいは挿入できるように、この上下中子は金属材の開口部に干渉することなく相互に開くことができる形状になっている。
【0007】
本発明に係る中子装置は、金属材を曲げ加工する場合に、この金属材の内側を拘束することで金属材の断面形状の予定していない変形を抑えるのが目的であり、曲げ加工方法に制限はないが、中子装置で金属材の内側の上下面を拘束しつつ、開口部側を内側に曲げるのに特に有効である。
その場合に、中子装置は回転制御されたロータリー装置に取り付けてあり、中子装置が金属材の内側を拘束した状態で、当該金属材を押さえ部材で外側から押さえながらロータリー装置が回転することで曲げ加工が行われるものであって良い。
また、中子装置と押え部材からなる固定ユニットと、前記中子装置と押え部材からなる可動ユニットを備え、可動ユニットが固定ユニットに対して、相対移動することで曲げ加工を行うものでもよく、この場合に可動ユニットが回転制御されたロータリー装置に取り付けられていてもよい。
このようにすると、固定ユニットで金属材を拘束しながら、可動ユニットで金属材にテンションをかけながら曲げ加工できる。
また、押え部材が金属材の曲げ過程において、この金属材に摺動させる場合には、押え部材として回転自在のローラーを用いてもよい。
【0008】
中子装置における上下中子の相互の開閉機構には各種方法が考えられるが、簡単な機構としては、中子装置が開閉カム装置を有し、一対の上下中子のうち、少なくとも一方は金属材の外側に位置する支持部材により金属材の開口部に干渉することなく開く方向に付勢されており、前記開閉カム装置の開閉カムが前進すると前記支持部材を当該中子が閉じる方向に押し込むものである機構が例として挙げられる。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る曲げ加工装置は、中子を分割し中子の厚みを拡大(拡幅)、縮小(縮幅)可能にしたので金属材の側部に有する開口部から縮小状態の中子を内側に挿入し、拡大させることでセミホロー断面の内側を拘束することができ、断面変形を抑えつつ曲げ加工ができる。
また、曲げ加工後は中子を縮小し、内側寸法よりも狭い開口部から抜き出し退避させることができるので長尺金属材であっては連続曲げ加工が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】曲げ加工装置から金属材の上面を拘束するための上型を取り除いた状態を示し、(a)〜(d)の順で曲げ加工する。
図2】長尺の金属材を初めに曲げる曲げ加工装置の動きを(a)〜(e)にて示す。
図3】長尺の金属材を連続的に2回目の曲げ加工を行う装置の動きを(a)〜(c)に示す。
図4】中子装置の金属材の内側に挿入する動きを(a)〜(d)に示す。
図5】曲げ加工後の中子及び金属材の動きを(a)〜(d)に示す。
図6】中子装置の構造及び動きを(a)〜(c)に示す。
図7】中子装置の部品構成を(a)〜(c)に示す。
図8】上下中子の部品構成を(a)〜(d)に示す。
図9】金属材の両側を同時に曲げ加工する例を示す。(a)は曲げ加工装置の動きを示し、(b)は製品例を示す。
図10】(a)は金属材のセミホロー内側に上下中子を挿入した状態を示し、(b)はセンター中子が上下中子の間に挿入された状態を示す。
図11】(a)は金属材の曲げ前、(b)は曲げ加工後を示す。
図12】(a)〜(f)は第1のロータリー装置に取り付けられた中子装置にて金属材の片側を曲げ加工する例を示す。
図13】(a)〜(f)は第2のロータリー装置にて金属材の残り反対側を曲げ加工する例を示す。
図14】曲げ加工装置が金属材の供給に同期して移動しながら連続曲げ加工する流れを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明に係る曲げ加工装置の構造例を以下図面に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されない。
曲げ加工装置は、回転軸31にて回転制御されたロータリー装置30の上にセミホロー断面形状からなる金属材1の内側を拘束するための中子装置10、この中子装置10と対向して金属材1を外側から拘束するチャック21、及び曲げ方向に金属材1を押し付けるための押え部材22を有する。
また、必要に応じて金属材1の上面と下面を拘束するための上型15,下型16を有する。
【0012】
図1は中子装置の動きが分かるように上型15を取り除いた状態を示し、図2図3に上型15を配置した状態で曲げ加工を連続的に行う動きを示す。
まず、図1及び図6〜8に基づいて中子装置10の構造を説明する。
一対の上中子11と下中子12とが、それを支持する上中子支持部材11a,下中子支持部材12aを介して付勢部材11b,12bにより相互に離間し、開く方向に付勢力が加えらている。
上中子11は上中子支持部材11aと、下中子12は下中子支持部材12aと、それぞれ、図4に示すように、上下の中子が金属材(ワーク)1の内側に挿入された状態で、上下に開き、それぞれが金属材の開口部に干渉することなく、この金属材の内側の上面及び下面を拘束できるように連結してある。
また、付勢部材11b,12bは、図示を省略した内部のスプリング等にて、相互に外側f1の方向に上中子支持部材11aと下中子支持部材12aを付勢してある。
上中子支持部材11aと下中子支持部材12aに対して断面略コ字形状の開閉カム14がスライド制御されて設けてある。
コ字形状の内側凹部14c内はセンター中子13が前進、後退移動でき、図6に示すように、開閉カム14の先端部は、付勢部材11b、12bと上下中子支持部材11a,12aとの干渉を避けるための切り欠け部14eを設けてある。
図5に示すように、上下中子支持部材11a,12aの後端は、上端が金属材側に位置するように傾斜した傾斜面11c,12cを有し、対応する開閉カム14の先端は上下中子支持部材11a,12aの傾斜面11c,12cに摺接し、上下中子支持部材11a,12aを相互に内側に押し込む方向の傾斜面14a,14bとなっている。
これにより、開閉カム14が前進すると付勢部材f1の力より強いf2の力で一対の上下中子11,12が相互に閉じ、逆に開閉カム14が後退すると、付勢部材11b,12bにより一対の上下中子が開く。
一対の上下中子11,12が開いた状態では、その間をセンター中子13がスライド前進及び後退が可能になっている。
その状態を図6に示し、部品の構成を図7,8に示す。
【0013】
次に金属材1の拘束構造及び曲げ手順を説明する。
図1及び図2の(a),(b),(c)に示すように金属材1の断面端部から上下中子11,12を挿通することも可能であるが、本発明は長尺材の連続曲げが可能になるように図4(a)に示すように金属材1の側面開口部から、閉じた状態の一対の上下中子11,12が内側に挿入できるようになっている。
金属材1の内側に一対の上下中子11,12が挿入された状態で、外側からチャック21を前進させ、金属材1をチャックする。この状態を図1(a)、図2(c)、図4(b)に示す。
次に、開閉カム14を後退させると、図4(c)に示すように、上下中子支持部材11a,12aの規制が解除され、付勢力f1の力で、相互に外側に移動し、その結果、上下中子11,12が開き金属材1の内側の上面及び下面にそれぞれ当接する。
次に、金属材1の外側から回転自在のローラーからなる押え部材22が前進し、この金属材1に当接する。
これに対応して上下中子11,12の間にセンター中子13を挿入する。この状態を図2(d)及び図4(d)に示す。
本実施例では金属材1の外側の上面及び下面を上型15、下型16にて押さえ拘束させてある。
なお、上型15,下型16は、シリンダー等にクランプ装置15a,16aでクランプ、アンクランプできる。
金属材1をこのように拘束した状態で、図2(e)に示すようにロータリー装置30を矢印の方向に回転させると、押え部材22にて相対的に曲げ外側が押さえられ、中子形状に沿って曲げ加工が行われる。
図2に示した実施例は、金属材1がアルミ合金等の押出形材であり、本発明の曲げ装置がレール41上を走行可能になっている。
押出材の押出スピードや押出長さを測定装置42にて測定し、押出材の押出に同期させながら曲げ加工装置をレール41上に移動させることで、押出加工と曲げ加工が同時に行う例になっている。
曲げ加工が終わった後は、図5に示すように、曲げ加工の手順とは逆の動きをとることで、金属材1の開口部から中子を抜き取ることができ、図3に示すように連続的に曲げ加工ができる。
本実施例は、アルミ押出形材からなる車両用バンパーリンフォースメントの曲げ加工例であり、図4に示すように、セミホロー断面形状の外側凹部1aに合わせて押え部材22のローラー面に突部22aを有し、センター中子13の先端部に凹部13aを設けた例になっているが、中子の先端形状、押え部材のロール面形状は金属材の断面形状に合わせて設計される。
本発明の曲げ加工の対称となる製品に制限はないが、車両部品としてはバンパーリンフォースメントの他に、ドアフレーム、ドアビーム等が例として挙げられる。
【0014】
本発明に係る中子装置は、上記のような曲げ加工装置の他に多種多様な応用例が考えられる。
図9は、金属材2の両側を同時に曲げ加工する例を示す。
図9では、中子装置と押え部材との組み合せを模式的に示し、他の部分の表示を省略してある。
中子装置の基本的構造は、上記第1の実施と同じである、。
金属材は、長尺材でも製品長さに合せた短尺材でもよい。
図9は、短尺材を用いた例を示し、図11(a)に示すように金属材2のセミホロー断面形状の側面開口部から金属材長手方向の中央部に中央上部中子111と中央下部中子112を上下方向閉じた状態で挿入後に中央センター中子113を上下中子の間に挿入し、金属材2の内側の上下壁を拘束する。
金属材の外側からは、先端部にローラーが取り付けられた押え部材122にて拘束している。
押え部材122は、シリンダー等にて前進及び後退制御されている。
金属材2の片方の端部付近は、上下中子111a,112aとセンター中子113aの組み合せにて金属材の内側を拘束し、外側の側部から押え部材122aで拘束する。
他方の端部付近は、上下中子111b,112bとセンター中子113bとの組み合せにて金属材の内側を拘束し、外側の側部から押え部材122bで拘束する。
本実施例は、押え部材122a,122bにチャンキングとしての機能を付与してある。
中子装置の構造は、図10に示すように第1の実施例と同様である両側の中子装置と押え部材とが連動して、図9では上方に回転移動することで、図9(b)に示したような曲げ加工製品2aが得られる。
図11には、金属材2の曲げ前と曲げ後を示す。
【0015】
図12図14は、長尺材を2段ロータリー装置を用いて連続的に曲げ加工する例を示す。
金属材3は、図14により徐変押出加工又はロールホーミングにより所定外形形状のセミホロー断面の上下壁幅を拡小徐変されている。
曲げ加工装置110は、長尺材の供給速度に合せて矢印で示すように同期移動しながら曲げ加工を行い、金属材3をアンチャキングする場合は相対的に送り、供給させる。
この場合の加工装置の具体的動きを図12,13にて説明する。
曲げ加工装置は、金属材3の移動方向に移動制御されたベース部330の上に、回転制御された第1のロータリー装置130と、この第1のロータリー装置130を回転自在に設けた第2のロータリー装置230を有する。
この第2のロータリー装置230は、ベース部330に回転制御されつつ、取り付けられている。
図12(a),(b)に示すように金属材3を装置にセットし、まず第1のロータリー装置130に設けた第1の中子装置と押え部材222aの組み合せ及び第2のロータリー装置230の第2の中子装置と押え部材222bとの組み合せにて図12(c)に示すように金属材を拘束する。
第1及び第2の中子装置は、上下中子211a,212a,センター中子213aの組み合せと、上下中子211b,212b,センター中子213bの組み合せのみを模式的に表示し、その他を省略したが基本的構造は実施例1と同様である。
図12(b)に示すように、まず上下中子211a,212a,211b,212bが閉じた状態で金属材3の開口部から挿入され、上下に開くようにセンター中子213a,213bが挿入され、金属材の内側上下面(壁面)を拘束し、外側から押え部材222a,222bで拘束する。
この状態で図12(d)に示すように、第1のロータリー装置130が矢印の方向に回転することで金属材3が曲げられ、曲げ部3aが形成される。
この場合に、第2のロータリー装置は固定されていて固定ユニットとなり、第1のロータリー装置側が可動ユニットとなる。
押え部材222a,222bが後退し、中子装置が後退する。
次に図13(a)に示すように金属材3と加工装置が相対移動し、図13(b),(c)に示すように第2の中子装置の上下中子211b,212bとセンター中子213bの組み合せ及び第3の中子装置の上下中子211c,212cとセンター中子213cとの組み合せにて金属材3の内側を拘束し、外側を押え部材222b,222cにて拘束する。
第3の中子装置はベース部230に取り付けられ、第2の中子装置が第2のロータリー装置230に取り付けられているので、第2のロータリー装置230が図13(e)に示すように回転すると、曲げ部3bが形成される。
この場合にベース部の中子装置,押え部材が固定ユニットとなり、第2のロータリー装置側が可動ユニットとなる。
これにより、中央部3cの両側が弓形状に曲げ加工された例えばバンパーリインフォースメント製品が得られる。
【符号の説明】
【0016】
1 金属材
11 上中子
11a 上中子支持部材
11b 付勢部材
12 下中子
12a 下中子支持部材
12b 付勢部材
13 センター中子
14 開閉カム
15 上型
16 下型
21 チャック
22 押え部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14