特許第6184842号(P6184842)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6184842
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】給油口開閉構造
(51)【国際特許分類】
   B60K 15/04 20060101AFI20170814BHJP
   F02M 37/00 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   B60K15/04 E
   F02M37/00 301Q
   B60K15/04 F
【請求項の数】3
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2013-236567(P2013-236567)
(22)【出願日】2013年11月15日
(65)【公開番号】特開2015-96360(P2015-96360A)
(43)【公開日】2015年5月21日
【審査請求日】2016年10月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】390023917
【氏名又は名称】八千代工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】特許業務法人磯野国際特許商標事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100064414
【弁理士】
【氏名又は名称】磯野 道造
(74)【代理人】
【識別番号】100111545
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 悦夫
(72)【発明者】
【氏名】廣原 健
【審査官】 畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−261492(JP,A)
【文献】 特開2012−162165(JP,A)
【文献】 米国特許第05730194(US,A)
【文献】 特開昭50−100427(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/023810(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 15/04
F02M 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィラーパイプに対する給油ガンの差し込み又は抜き取りに伴って開閉するメインフラップ及びダストフラップを備えた給油口開閉構造において、
前記ダストフラップは、前記メインフラップに対して外端側に配置されるとともに、同一平面上に配置された複数枚の板状のフラップで構成され、
前記給油ガンが差し込まれることで前記メインフラップと、前記ダストフラップの各前記フラップとで前記給油ガンを当接支持し、
給油口側から見た場合において、
前記メインフラップと前記給油ガンとが当接する第1当接点は、前記ダストフラップの各前記フラップと前記給油ガンとが当接する各当接点とは異なる位置に配置されていることを特徴とする給油口開閉構造。
【請求項2】
前記ダストフラップの各前記フラップは、付勢部材を備えたヒンジ部を有し、
前記給油ガンが差し込まれると前記付勢部材の付勢に抗して各前記フラップの先端が互いに離間するように開弁し、各前記フラップで前記給油ガンを支持することを特徴とする請求項1に記載の給油口開閉構造。
【請求項3】
前記ダストフラップの各前記フラップに、リブが形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の給油口開閉構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両等の給油口を開閉する給油口開閉構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両等の燃料タンクに連通するフィラーパイプの給油口開閉構造として、例えば特許文献1に記載の発明が知られている。図6(a)に示すように、その給油口開閉構造1は、両端が開口した筒部3と、筒部3の内部に設けられたメインフラップ4及びダストフラップ5(特許文献1では第1弁装置及び第2弁装置)とで構成されている。メインフラップ4及びダストフラップ5は、各々円形板状のシングル弁になっている。メインフラップ4及びダストフラップ5は、バネを備えたヒンジ4a,5aをそれぞれ備えており、ヒンジ4a,5aを支点に開閉可能になっている。
【0003】
筒部3の内端側にはフィラーパイプ2が接続されており、外端側には円環状の給油口6が接続されている。図6(b)に示すように、給油ガン7がフィラーパイプ2に差し込まれると、給油ガン7によってメインフラップ4及びダストフラップ5が押されて開弁状態となる。一方、図6(a)に示すように、給油ガン7を給油口6から抜き取ると、ヒンジ4a,5aのバネの復元力によってそれぞれ閉弁状態となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−162165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、給油口開閉構造1のダストフラップ5は、円形板状のシングル弁であるため、ヒンジ5aから開弁状態におけるダストフラップ5と給油ガン7との当接点Pまでの距離L1が長くなる。そのため、メインフラップ4からダストフラップ5までの距離を大きく設定しなければならないので、給油口開閉構造1の大型化を招来するという問題がある。
【0006】
本発明はこのような課題を解決するために創作されたものであり、給油口開閉構造の小型化を図ることができる給油口開閉構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の給油口開閉構造は、前記課題を解決するため、フィラーパイプに対する給油ガンの差し込み又は抜き取りに伴って開閉するメインフラップ及びダストフラップを備えた給油口開閉構造において、前記ダストフラップは、前記メインフラップに対して外端側に配置されるとともに、同一平面上に配置された複数枚の板状のフラップで構成され、前記給油ガンが差し込まれることで前記メインフラップと、前記ダストフラップの各前記フラップとで前記給油ガンを当接支持し、給油口側から見た場合において、前記メインフラップと前記給油ガンとが当接する第1当接点は、前記ダストフラップの各前記フラップと前記給油ガンとが当接する各当接点とは異なる位置に配置されていることを特徴とする。
【0008】
かかる構成によれば、ダストフラップを構成する1つのフラップを小さくすることができるため、ダストフラップとメインフラップとの間隔を、従来の給油口開閉構造と比較して短くすることができる。これにより、給油口開閉構造の小型化を図ることができる。また、かかる構成によれば、給油口側から見た場合において、差し込まれた給油ガンの外周面に、メインフラップ及びダストフラップを構成する各フラップが、少なくとも3点以上で当接する。これにより、給油ガンを安定的に支持することができる。
【0009】
また、前記ダストフラップの各前記フラップは、付勢部材を備えたヒンジ部を有し、
前記給油ガンが差し込まれると前記付勢部材の付勢に抗して各前記フラップの先端が互いに離間するように開弁し、各前記フラップで前記給油ガンを支持することを特徴とする。
【0010】
また、前記ダストフラップの各前記フラップに、リブが形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る給油口開閉構造によれば、給油口開閉構造の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る給油口開閉構造の構成を示す斜視断面図である。
図2】(a)はメインフラップ及びダストフラップを示す斜視図であり、(b)はダストフラップにおけるメインフラップ側の面の構成図である。
図3】本実施形態の給油口開閉構造に給油ガンを差し込んだ状態を示す断面図である。
図4】本実施形態のダストフラップと従来のダストフラップとの可動方向の長さを比較する断面図である。
図5】本実施形態の給油口開閉構造に給油ガンを差し込んだ状態を給油口側から見た模式図である。
図6】(a)は従来の給油口開閉構造の構成を示す図であり、(b)は(a)に示す給油口開閉構造に給油ガンを差し込んだ状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
<実施形態の構成>
図1に示すように、本実施形態に係る給油口開閉構造20は、車両等の燃料タンク(図示省略)に通じる円管状のフィラーパイプ10の外端側に接続される部材である。なお、以下の説明において、給油口開閉構造20に対して燃料タンク側を「内端側」、その反対側を「外端側」と言う。
【0014】
フィラーパイプ10は、筒状を呈する本管部10aと、本管部10aの外端に設けられた縁部10bとで構成されている。縁部10bは、本管部10aに対して垂直に配置されている。縁部10bは、円環状を呈し、中央に開口部10cが形成されている。
【0015】
給油口開閉構造20は、縁部10bの端面に取り付けられたメインフラップ部30と、メインフラップ部30に取り付けられたダストフラップ部40とで主に構成されている。メインフラップ部30にはメインフラップ32が取り付けられ、ダストフラップ部40にはダストフラップ43が取り付けられている。
【0016】
メインフラップ部30は、本体部31と、メインフラップ32と、ヒンジ部33とで構成されている。本体部31及びメインフラップ32の材料は特に制限されないが、本実施形態では樹脂で形成されている。本体部31は、円環状を呈し、中央に開口部31aが形成されている。開口部31aは、開口部10cに連通している。
【0017】
メインフラップ32は、開口部31aを開閉する円形板状部材である。メインフラップ32は、給油ガン50の差し込み又は抜き取りに伴って開口部31aを開弁又は閉弁する。これにより、給油をしないときは閉弁状態となり燃料のベーパの漏洩を防ぐことができる。メインフラップ32の形状は、開口部31aを開閉可能であれば特に制限されないが、本実施形態では断面ハット型になっている。メインフラップ32は、ヒンジ部33を中心に回動可能になっている。
【0018】
ヒンジ部33は、本体部31とメインフラップ32とを連結するとともに、開口部31aに対してメインフラップ32を開閉するヒンジである。図2(a)に示すように、ヒンジ部33は、軸33aと、コイルバネ33bとで構成されている。軸33aは、本体部31の一部に架け渡されており、メインフラップ32の外周に設けられた1対の取付穴部32a,32aに挿通されている。これにより、メインフラップ32は、軸33aの軸周りに回動可能になっている。
【0019】
コイルバネ33bは、1対の取付穴部32aの間の軸33aに挿通されている。コイルバネ33bの一端側は軸33aに当接し、他端側はメインフラップ32に当接している。コイルバネ33bは、メインフラップ32に外力が作用しない場合において、メインフラップ32が本体部31に当接するように付勢する部材である。
【0020】
図1に示すように、ダストフラップ部40は、内側取付部41と、外側取付部42と、ダストフラップ43と、ヒンジ部45,45とで構成されている。内側取付部41は、筒状を呈する本体筒部41aと、本体筒部41aの内端側において軸中心C側に張り出す内側フランジ部41bと、本体筒部41aの内端側において軸中心Cから離間する側に張り出す外側フランジ部41cとで構成されている。
【0021】
内側フランジ部41bは円環状を呈し、中央に開口部41dが形成されている。開口部41dは、開口部10c,31aに連通している。内側フランジ部41bの外端側の端面41baは、軸中心Cに近づくにつれて内端側に傾斜している。外側フランジ部41cの外径は、本体部31の外径と同等になっている。
【0022】
外側取付部42は、筒状を呈する本体筒部42aと、本体筒部42aの外端に設けられた縁部42bとで構成されている。本体筒部42aは、本体筒部41aの外周面に嵌め合わされており、その内端側の端面は外側フランジ部41cに当接している。本体筒部42aの外径は、外側フランジ部41cの外径と同等になっている。本体筒部42aの外端側の先端は、本体筒部41aの先端よりも外端側に延設されている。
【0023】
縁部42bは、本体筒部42aに対して垂直に配置されている。縁部42bは、円環状を呈し、中央に開口部42cが形成されている。開口部42cは、開口部10c,31a,41dにそれぞれ連通している。開口部42cは、給油ガン50が挿入される「給油口」となる部位である。なお、各開口部の大きさは特に制限されないが、本実施形態では、開口部41d,31a,42c,10cの順番でその開口が大きくなるように形成されている。
【0024】
ダストフラップ43は、給油ガン50の差し込み又は抜き取りに伴って開口部42cを開弁又は閉弁する部材である。給油をしないときは閉弁状態となり外部からのダストの侵入を防ぐことができる。ダストフラップ43は、本実施形態では半円フラップ43a,43aで構成されている。半円フラップ43aは、半円状の板状部材であって、それぞれ対向して同一平面上に配置されている。半円フラップ43a,43aは、それぞれヒンジ部45,45を中心に回動可能になっている。半円フラップ43a,43aは、同一平面上に対向して配置されているため、給油ガン50が差し込まれると半円フラップ43a,43aの先端が互いに離間するように(両開きに)開弁する。
【0025】
図2(b)に示すように、半円フラップ43aの内端側の面には複数のリブ43cが立設されている。リブ43cは、それぞれ縦横方向に延設されている。リブ43cを設けることで、半円フラップ43aの剛性を高めることができる。
【0026】
ヒンジ部45,45は、縁部42bの内端側に取り付けられている。ヒンジ部45,45は、開口部42cを挟んで平行に配置されている。ヒンジ部45は、縁部42bと半円フラップ43aとを連結するとともに、開口部42cに対して半円フラップ43aを開閉するヒンジである。図2(a)に示すように、ヒンジ部45は、軸45aと、コイルバネ45bとで構成されている。軸45aは、縁部42bの一部に架け渡されており、半円フラップ43aの外周に設けられた1対の取付穴部43b,43bに挿通されている。これにより、半円フラップ43aは、軸45aの軸周りに回動可能になっている。
【0027】
コイルバネ45bは、1対の取付穴部43bの間の軸45aに挿通されている。コイルバネ45bの一端側は軸45aに当接し、他端側は半円フラップ43aに当接している。コイルバネ45bは、半円フラップ43aに外力が作用しない場合において、半円フラップ43aが縁部42bに当接するように付勢する部材である。
【0028】
<実施形態の動作>
次に、本実施形態の給油口開閉構造20における給油時の動作について説明する。給油する際には、図1に矢印Y1で示すように、給油ガン50を開口部(給油口)42cから挿入し、給油ガン50の先端がフィラーパイプ10に達するまで差し込む。この際、図3に示すように、給油ガン50によってヒンジ部45の付勢力よりも大きな力で半円フラップ43a,43aが押されるため、半円フラップ43a,43aがメインフラップ32側に両開きして開弁する。さらに、給油ガン50によってヒンジ部33の付勢力よりも大きな力でメインフラップ32が押されるため、メインフラップ32が燃料タンク(図示省略)側に開いて開弁する。
【0029】
一方、給油を終了する際には、給油ガン50を開口部(給油口)42cから引き抜く。これにより、メインフラップ32に外力が作用しなくなるため、ヒンジ部33の付勢力によってメインフラップ32が閉じ、開口部31aが速やかに閉弁される。同様に、半円フラップ43a,43aに外力が作用しなくなるため、ヒンジ部45,45の付勢力によって半円フラップ43a,43aが閉じ、開口部42cが閉弁される。
【0030】
以上説明した給油口開閉構造20によれば、ダストフラップ43を構成する1つの半円フラップ43aを小さくすることができるため、ダストフラップ43とメインフラップ32との間隔を、従来の給油口開閉構造1と比較して短くすることができる。ここで、図4に示すように、給油ガン50と半円フラップ43a,43aとの当接点を当接点P1,P2とする。従来の給油口開閉構造1であると、ヒンジ部45から当接点Pまで距離L1を要していたところ、本実施形態によれば、ヒンジ部45から当接点P1,P2まで距離L2で済む。これにより、ダストフラップ部40の軸方向の長さをおおよそ半分にすることができる。つまり、本実施形態によれば給油口開閉構造20の小型化を図ることができる。
【0031】
また、図5に示すように、開口部(給油口)42c側から見ると、差し込まれた給油ガン50の外周面と、メインフラップ32及び半円フラップ43a,43aとが当接点P1,P2,P3の3点で当接する。これにより、給油ガン50を安定的に支持することができる。
【0032】
また、内側フランジ部41bの外端側の端面41baは、軸中心Cに近づくにつれて内端側に傾斜している。これにより、給油ガン50を差し込む際に、給油ガン50の先端を開口部41dに誘導し易くなっている。
【0033】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲において適宜設計変更が可能である。例えば、ダストフラップ43は、本実施形態では2枚で構成したが、平面視扇形状を備えたフラップを用いてn枚以上(nは3以上の整数)で構成してもよい。この場合、当該フラップと給油ガン50とはn箇所の当接点Pnで当接することになる。メインフラップ32と給油ガン50との当接点(第1当接点)P3は、隣り合う当接点(第2当接点)Pnの間に配置されることが好ましい。これにより、開口部(給油口)42cから見た場合に、n+1箇所で給油ガン50とメインフラップ32及びダストフラップ43とを当接させることができるため、給油ガン50を安定して支持することができる。
【符号の説明】
【0034】
10 フィラーパイプ
20 給油口開閉構造
30 メインフラップ部
32 メインフラップ
33 ヒンジ部
33a 軸
33b コイルバネ
40 ダストフラップ部
43 ダストフラップ
43a 半円フラップ
45 ヒンジ部
45a 軸
45b コイルバネ
50 給油ガン
図1
図2
図3
図4
図5
図6