特許第6184871号(P6184871)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6184871糸のリール及び/又はパッケージに巻かれた織物繊維の染色のための機械及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6184871
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】糸のリール及び/又はパッケージに巻かれた織物繊維の染色のための機械及び方法
(51)【国際特許分類】
   D06B 5/16 20060101AFI20170814BHJP
   D06B 5/22 20060101ALI20170814BHJP
   D06P 7/00 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   D06B5/16
   D06B5/22
   D06P7/00
【請求項の数】21
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-545623(P2013-545623)
(86)(22)【出願日】2011年12月23日
(65)【公表番号】特表2014-505800(P2014-505800A)
(43)【公表日】2014年3月6日
(86)【国際出願番号】IB2011055947
(87)【国際公開番号】WO2012090147
(87)【国際公開日】20120705
【審査請求日】2014年12月22日
(31)【優先権主張番号】MI2010A002407
(32)【優先日】2010年12月27日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】513159310
【氏名又は名称】イノヴェイション アンド リサーチ エッセ.エルレ.エルレ.
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100171675
【弁理士】
【氏名又は名称】丹澤 一成
(72)【発明者】
【氏名】ベリーニ ジョヴァンニ
【審査官】 松岡 美和
(56)【参考文献】
【文献】 特開平05−163661(JP,A)
【文献】 特開昭47−039775(JP,A)
【文献】 特開昭48−061775(JP,A)
【文献】 米国特許第02577727(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06B 1/00−23/30
D06P 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
糸のリール(8)及び/又はパッケージに巻かれた織物繊維の染色のための機械(1)であって、
その中に染料が分散された少なくとも1つの染色液(4)で少なくとも部分的又は完全に満たされる少なくとも1つのチャンバ(3)を定める構造体(2)と、
前記染色液(4)内に少なくとも部分的に浸漬される位置で前記チャンバ(3)内に載置され、一連の中空リールホルダーロッド(7)を各々が備える複数の中空支持部品(6a)を有する少なくとも1つの支持プレート(6)を含む支持手段と、
少なくとも1つのリールホルダーロッド(7)と動作可能に関連付けられて、前記リールホルダー(7)と、前記リールホルダー上にスロット形成されるそれぞれのリール(8)及び/又はパッケージに巻かれた織物繊維に前記染色液(4)を間欠的に通過させる再循環手段(9)と、
を備え、前記再循環手段(9)が、
前記チャンバ(3)と前記支持プレート(6)との間に動作可能に挿入されて、前記リールホルダーロッド(7)のうちの少なくとも1つと前記チャンバ(3)との間に前記染色液(4)を流すようにする第1の再循環機構(10)と、
前記第1の再循環機構(10)と対応する中空支持部品(6a)との間に動作可能に挿入され、前記第1の再循環機構(10)が前記染色液(4)をそれぞれの中空支持部品(6a)の少なくとも1つのリールホルダー(7)に通過させるようにする開放位置と、前記染色液(4)が前記それぞれの中空支持部品(6a)のリールホルダーロッド(7)を通過しない閉鎖位置との間で切り換え可能な少なくとも1つの選択機構(12)と、
前記構造体(2)と動作可能に関連付けられ、少なくとも1つの閉経路上で染料濃度及び染色液温度を均一に維持するのに十分な前記チャンバ(3)内の前記染色液(4)の十分な移行を引き起こす少なくとも1つの第2の再循環機構(11)と、
を含む、機械。
【請求項2】
前記選択機構(12)の閉鎖位置に関連する時間期間、すなわち前記リール(8)を通過する染色液(4)の流れがない時間期間が、10〜60秒である、請求項1に記載の機械。
【請求項3】
前記選択機構(12)の閉鎖位置に関連する時間期間、すなわち前記リール(8)を通過する染色液(4)の流れがない時間期間が、5秒以上である、請求項1に記載の機械。
【請求項4】
前記選択機構(12)の閉鎖位置に関連する時間期間、すなわち前記リール(8)を通過する染色液(4)の流れがない時間期間が、3秒以上である、請求項1に記載の機械。
【請求項5】
前記第1の再循環機構(10)は、
前記チャンバ(3)と前記支持手段(6)との間に動作可能に挿入されて、少なくとも1つの前記リールホルダーロッド(7)と前記チャンバ(3)との間に前記染色液(4)を流すようにする、少なくとも1つのポンプ(10a)を備え、
前記選択機構(12)は、
前記第1の再循環機構(10)と前記リールホルダーロッド(7)との間に動作可能に挿入された、バルブ(12a)を備える、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の機械。
【請求項6】
前記選択機構(12)と動作可能に関連付けられた少なくとも1つの制御ユニットを更に備え、前記制御ユニットは、前記選択機構(12)の少なくとも1つを開放位置から閉鎖位置に切り換え、同時に別の選択機構(12)を閉鎖位置から開放位置に切り換えて、複数のリールホルダーロッド(7)による前記染色液(4)の流れを停止して、他のリールホルダーロッド(7)に前記染色液(4)を流すのに好適である、請求項1に記載の機械。
【請求項7】
前記制御ユニットが、前記選択機構(12)と共に適正な数のリール(8)への染色液(4)の選択的及び順次的供給の実施に好適であり、各グループの前記リール(8)を通過する前記染色液(4)の供給が、2分を超えない時間期間にわたって実施され、前記制御ユニット及び選択機構(12)が、少なくとも前記リール(8)のグループの前記染色液(4)の順次的供給サイクルであって、その後、前記リール(8)への供給が設定時間期間にわたって停止される停止期間が続く、順次的供給サイクルを決定する、請求項6に記載の機械。
【請求項8】
前記制御ユニットが、前記選択機構(12)と共に適正な数のリール(8)への染色液(4)の選択的及び順次的供給の実施に好適であり、各グループの前記リール(8)を通過する前記染色液(4)の供給が、30秒を超えない時間期間にわたって実施され、前記制御ユニット及び選択機構(12)が、少なくとも前記リール(8)のグループの前記染色液(4)の順次的供給サイクルであって、その後、前記リール(8)への供給が設定時間期間にわたって停止される停止期間が続く、順次的供給サイクルを決定する、請求項6に記載の機械。
【請求項9】
前記制御ユニットが、前記選択機構(12)と共に適正な数のリール(8)への染色液(4)の選択的及び順次的供給の実施に好適であり、各グループの前記リール(8)を通過する前記染色液(4)の供給が、10秒を超えない時間期間にわたって実施され、前記制御ユニット及び選択機構(12)が、少なくとも前記リール(8)のグループの前記染色液(4)の順次的供給サイクルであって、その後、前記リール(8)への供給が設定時間期間にわたって停止される停止期間が続く、順次的供給サイクルを決定する、請求項6に記載の機械。
【請求項10】
前記制御ユニットが、前記選択機構(12)と共に、各供給サイクルに対応する供給時間期間と同程度の時間期間にわたって前記選択的及び順次的流れを停止するよう構成される、請求項7乃至9のいずれか1項に記載の機械。
【請求項11】
前記制御ユニットが、前記選択機構(12)と共に、30秒程度にわたって前記選択的及び順次的流れを停止するよう構成される、請求項7乃至9のいずれか1項に記載の機械。
【請求項12】
前記第1の再循環機構(10)が、少なくとも1つの主ダクト(2d)に対応して動作可能に配置され、前記主ダクトが前記チャンバ(3)と流体連通し、
前記支持プレート(6)の各中空支持部品(6a)が付属ダクト(6b)を備え、前記付属ダクト(6b)が前記主ダクト(2d)と前記チャンバ(3)の反対側から流体連通しており、
各選択機構(12)が、各中空支持部品(6a)の各付属ダクト(6b)において少なくとも1つのバルブ(12a)を含み、各バルブ(12a)が、前記第1の再循環機構(10)からの前記染色液(4)の移行を可能にしない閉鎖位置と、前記第1の再循環機構(10)からの前記染色液(4)の移行を可能にする開放位置との間で切り換えることができる、請求項6乃至11のいずれか1項に記載の機械。
【請求項13】
糸のリール(8)及び/又はパッケージに巻かれた織物繊維を請求項1乃至12のいずれか1項に記載の機械において染色する方法であって、所定経路に従った前記染色液(4)の移行を含む段階を備え、前記染色液(4)の移行段階が、
前記第1の再循環機構(10)を介して、前記機械(1)の前記染色液(4)に浸漬された少なくとも1つの前記リールホルダーロッド(7)と、前記リールホルダーロッド(7)上の少なくとも1つの前記糸のリール(8)及び/又は前記パッケージに巻かれた織物繊維とに前記染色液(4)を通過させる段階と、
設定時間期間にわたって前記リールホルダー(7)とそれぞれの前記リール(8)及び/又は前記パッケージに巻かれた織物繊維とを通過する前記染色液(4)の流れを停止する段階と、
少なくとも1つの閉経路に従って、前記リールホルダーロッド(7)とそれぞれの前記リール(8)及び/又は前記パッケージに巻かれた織物繊維との周りの前記染色液(4)の移行を前記第2の再循環機構(11)を介して引き起こす段階と、を含む方法。
【請求項14】
前記リールホルダーロッド(7)と前記それぞれのリール(8)を通過する前記染料(4)の流れが、10〜60秒の時間期間にわたって停止される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記リールホルダーロッド(7)と前記それぞれのリール(8)を通過する前記染料(4)の流れが、5秒以上の時間期間にわたって停止される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記リールホルダーロッド(7)と前記それぞれのリール(8)を通過する前記染料(4)の流れが、3秒以上の時間期間にわたって停止される、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記染色液(4)が複数のリールホルダーロッド(7)と前記それぞれの糸のリール(8)及び/又は前記パッケージに巻かれた織物繊維とを通過する段階が、前記機械(1)の別の複数のリールホルダー(7)における前記染色液(4)の流れの停止と同時に実施される、請求項13乃至16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記リールホルダーロッド(7)を通る前記染色液の通過が、適正な数のリール(8)への染色液(4)の選択的及び順次的な供給を定め、各グループの前記リール(8)を通る前記染色液(4)の供給が、2分を超えない時間期間で行われ、前記リール(8)の各グループにおける各供給サイクルが、少なくとも停止段階を含み、前記それぞれのグループの前記リール(8)への供給が、設定時間期間にわたって停止される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記リールホルダーロッド(7)を通る前記染色液の通過が、適正な数のリール(8)への染色液(4)の選択的及び順次的な供給を定め、各グループの前記リール(8)を通る前記染色液(4)の供給が、30秒を超えない時間期間で行われ、前記リール(8)の各グループにおける各供給サイクルが、少なくとも停止段階を含み、前記それぞれのグループの前記リール(8)への供給が、設定時間期間にわたって停止される、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記リールホルダーロッド(7)を通る前記染色液の通過が、適正な数のリール(8)への染色液(4)の選択的及び順次的な供給を定め、各グループの前記リール(8)を通る前記染色液(4)の供給が、10秒を超えない時間期間で行われ、前記リール(8)の各グループにおける各供給サイクルが、少なくとも停止段階を含み、前記それぞれのグループの前記リール(8)への供給が、設定時間期間にわたって停止される、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記それぞれのグループの前記リール(8)への供給が、20秒を超えない設定時間期間にわたって停止される、請求項18乃至20のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糸のリール及びパッケージに巻かれた織物繊維の染色のための機械に関する。本発明の更なる態様は、糸のリール及び/又はパッケージに巻かれた織物繊維の染色のための方法に関する。
【0002】
本発明は、糸のリール及び/又はパッケージに巻かれた織物繊維の工業的染色のためのシステム及び機械で用いるのに好適である。簡潔にするために、糸のリールという用語は、以下では、上記のような様々な織物材料を含むことができる一般的な織物材料を指すものとする。
【背景技術】
【0003】
周知のように、従来の糸のリールを染色するための従来の機械は、材料が染浴に完全に又は部分的に浸漬した状態で作動する。
【0004】
材料を通る染浴の循環は、染色される糸に対して染色液の最良の分配を可能にするようなものである。
【0005】
当該機械はまた、染色される糸のリールへの通過を常に必要とする閉経路に従って、染色液を強制的に通過させる染色液再循環手段を備える。糸のリールを通る染色液の方向もまた、標準的なタイムフレーム及び方法に従って反転することができる。
【0006】
同一出願人によって出願されたMI2004A002124明細書に記載され例示されるように、再循環手段はまた、染浴の連続的な移動を確実にするため機械チャンバ内部に動作可能に配置される再循環機構を備えることができる。
【0007】
糸のリールの染色機械は、高品質の染色が可能であるが、本出願人は、それでもこれら機械に欠点がないわけではなく、主として、染色液の移動時の大きな流量、必要な流量を保証するために再循環ポンプが発生しなければならない高い差圧、必要とされる高レベルの電力、糸の色の濃度の均一性、染浴の温度の調整及び均一性、並びにポンプの全体性能を低下させる逸脱装置の存在に関連した、様々な態様において改良できることを見出した。
【0008】
特に、本出願人は、染浴内の循環が実質的に高流量でなければならないことを見出した。
【0009】
染浴温度の均一性及び染色されている糸の全ての部分の色濃度の均一性は、通常、1分当たりに2〜4回の浴槽入れ替えのような高い値の染浴入れ替え/分を実行することにより保証される。
【0010】
材料の最適着色を確実にするために、循環ポンプは、例えば、0.5bar〜1.5barの間の大きな差圧及び高流量を発生しなければならない。
【0011】
当然ながら、染色されている材料が、例えば、ポリエステル又は綿のような染色液を強制的に通過するのを妨げる結果をもたらす材料特性を有する場合には、適度に高レベルのパワーを有する循環ポンプを使用しなければならない。例えば、カシミア、高品質の繊維及び絹のようなより繊細な材料の場合には、染色液の循環流量を制限しなければならない。この場合、入力パワーは、染浴入れ替え/分の値の減少に比例して低下する。
【0012】
機械生産性を過度に損なうことなく、染色される材料を染色液が通過するパワー要件を低下させるために、染浴内の全てのリールホルダーロッドに染色液を同時に供給するのではなく、リールホルダーロッドの全数のごく一部に選択的及び順次的に染色液を供給することが提案されている。
【0013】
この技術は、例えば、明細書FR2429283及びUS3751223に例示されている。リールホルダーロッドは、グループに細分化され、各グループの供給部は別個の収集チャンバに接続される。循環ポンプは、コンテナから液体を集めて適切な圧力で各収集チャンバに液体を順次的に送る。
【0014】
本出願人によって実施した試験ではこの技術の欠点が示され、流体力学的特性の調査から完全に証明されている。染色される材料の通過に関してその固有の特性によって同様に課せられる同じ単位容量では、ポンプ容量は、全てのリールに同時に供給するのに必要となる容量のごく一部にまで低下される。この循環液体の容量の低下は、特に、リールが浸漬される液体の循環及び移動の不足につながる。
【0015】
このことは、染色される製品が浸漬される染浴の染料の濃度及び液体それ自体の温度双方の分布の不均一性を必然的にもたらす。これらのパラメータの双方は、製品中に分散された着色物質の移行を生じさせ、これにより上述の従来技術の明細書に記載されたタイプの機械を用いて達成される製品の染色の許容できない結果として生じる不均一性が立証される。この欠点は、関連する理論的提案の後に長年にわたり現在使用中の又は市場にこの種類の染色システムが存在しないことを立証していると考えられる。
【0016】
意外なことに、本出願人は、液体の特性を温度及び含有する染色物質の濃度に関して実質的に変更しない程度まで染浴内の液体の再循環又は混合を誘起するのに好適な手段を採用することと、適切な数のリールグループに選択的及び順次的に液体を供給することを単に組み合わせることにより、従来技術のこの欠点が克服されることを見出した。
【0017】
本発明による機械を用いて染色の均一性に関して得られる完全に満足できる結果は、本出願人の試験で示されるように、完全には立証されていない。濃度及び温度特性を維持するための染浴内の染色液の十分なパワーによる再循環が、染色液が一時的に通過していないリールの染料に対する暴露の均一性の点と、循環ポンプがコンテナの所定ポイントから集めてこれを染色される材料のリール内に送る液体の特性が局所化によって修正されない点の双方に関して若干有利な効果があることは想定できる。
【0018】
しかしながら、試験では、高パワーの循環に維持される染浴におけるリールのグループの順次的供給の組み合わせは、本発明による機械の要件を超える何倍ものエネルギー入力によって液体が全てのリールに同時に供給され、染色される材料全てを同時に通過するような従来の機械によって達成された結果に劣らない、又は実際に優れている予期しない定性的結果がもたらされた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
以上のことから、本発明の1つの目的は、染色される糸のリールを通過するように引き起こされる染色液の流れを低減することによって優れた染色結果を達成できる糸のリールの染色機械を提供することである。
【0020】
本発明の別の目的は、従来技術の機械の作動に必要な電力に比べて必要な電力が特に低い機械を提供することである。
【0021】
本発明の更なる目的は、リールによって担持された糸の全ての部分の均一な染色を達成することである。
【0022】
本発明の別の目的は、機械の何れかの部分における染浴の均一性を確保できる機械を提供することである。
【0023】
本発明の最後の目的は、糸のリールの染色のための機械コストを僅かでも低減することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
前述の目的及び他の目的は、添付の請求項に記載され記述された糸のリール及び/又はパッケージに巻かれた織物繊維の染色のための機械及び方法によって実質的に達成される。
【0025】
本発明による糸のリール及び/又はパッケージに巻かれた織物繊維の染色のための機械及び方法の1つの好ましい実施形態の記載は、非限定的な実施例として提供される。この記載は、単に説明の目的として提供され、従って、非網羅的な添付の図面を参照して以下で提供される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】第1の有意な作動位置で示した本発明による糸のリールの染色のための機械の概略断面図である。
図2】第2の有意な作動位置で示した、図1による機械の略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
添付の図を参照すると、参照符号1は、本発明による、糸のリールの染色機械を示している。
【0028】
添付の図において分かるように、機械1は、少なくとも1つの染色液4(好ましくは染料水溶液)で少なくとも部分的に満たされたチャンバ3を内部的に定める構造体2を備え、この染色液の種類は、染色される繊維のタイプによって決まる。
【0029】
より具体的には、構造体2は、それぞれの円筒形側壁2aによって定められる実質的に円筒形の形状を示し、その上部及び下部は、それぞれ第1及び第2のアーチ型カバー2b及び2cによって実質的に閉鎖される。
【0030】
添付の図に示すように、構造体2は実質的に垂直の向いており、従って、第1及び第2のアーチ型カバー2b及び2cは、円筒形側壁2aを上下から水平方式で閉鎖する。
【0031】
本発明の目的において、構造体2の方向は全く重要ではない点に留意されたい。実際には、構造体2は、本発明の範囲を限定することなく水平であってもよい。
【0032】
添付の図で分かるように、染色液4は、染色される織物材料が染色液に浸漬される場合に、構造体2のチャンバ3を少なくとも部分的に満たしている。
【0033】
添付の図を再度参照すると、機械1のチャンバ3は、染色液4の表面上で染色液と構造体2の第1のアーチ型カバー2bとの間に浮遊するガス5の導入によって加圧される。
【0034】
添付の図で分かるように、機械1は更に、好ましくは、チャンバ3内に位置付けられた少なくとも1つの支持プレート6である、支持手段を備える。支持プレート6は、染色液4中に完全に浸漬するように、機械1の構造体2の第2のアーチ型カバー2cの近傍に位置する。
【0035】
支持プレート6は、その構造に沿った染色液4の移行を可能にするよう中空であるのが有利である。同様に添付の図に関連して、機械1は、複数のリールホルダーロッド7を備え、これらもまた実質的に中空であり、チャンバ3の染色液4内に完全に浸漬される。
【0036】
リールホルダーロッド7は、支持手段と、詳細には中空の支持プレート6と流体連通し、これらの間で染色液4の移行を可能にする。
【0037】
より具体的には、リールホルダーロッド7は、好ましくは、中空支持プレート6から機械1の構造体2の第1のアーチ型カバー2bに向かって垂直に延びる。
【0038】
リールホルダーロッド7が、円形断面を有する円筒形構造をそれぞれ備える場合、各リールホルダーロッド7は、その長手方向断面に沿った複数の穿孔(添付の図では見えない)を備え、リールホルダーロッドが機械1の構造体2のチャンバ3と流体連通するのを可能にする。
【0039】
添付の図に概略的に示すように、各リールホルダーロッド7は、染色される糸の少なくとも1つのリール8及び/又はパッケージの周りに巻かれた織物繊維に、好ましくは織物の垂直スタックの形態で載置された複数のリール8上に軸方向にスロット形成される。
【0040】
添付の図に示された実施形態によれば、中空支持プレート6は、各々が一連のリールホルダーロッド7を備えた少なくとも2つの中空支持部品6aを有する。
【0041】
中空支持プレート6は、好ましくは、機械1の構造体2の長手方向軸Xの周りに円周方向に分配された複数の中空支持部品6aを有すべきである。
【0042】
より具体的には、中空支持プレート6の各中空支持部品6aは、複数のリールホルダー7を有する。支持プレート6の中空支持部品6aは、有利には、構造体2の長手方向軸Xに対応して及び/又はその近傍で互いに離間し、チャンバ3内に実質的に中心にある輸送チャンネル3aを定める。
【0043】
有利には、機械1はまた、染色液4の再循環手段9を備える。再循環手段9は、機械1の構造体2に動作可能に関連付けられ、少なくとも1つの設定経路に従って染色液4を通過させる。
【0044】
より詳細には、再循環手段9は、チャンバ3と支持プレート6との間に動作可能に挿入されて、染色液4を支持プレート6に支持されたリールホルダーロッド7の間及びリールホルダーとチャンバ3との間に通過させる、第1の再循環機構10を備える。
【0045】
有利には、第1の再循環機構10は、好ましくは、チャンバ3と中空支持プレート6との間に動作可能に配置された遠心ポンプである、少なくとも1つのポンプ10aを備える。
【0046】
しかしながら、本発明の目的において、軸流非遠心ポンプ、又は染色液4を異なる方向に移動させる双方向ポンプを使用してもよい点に留意されたい。
【0047】
添付の図に示すように、ポンプ10aは、チャンバ3から染色液4を引き込み、次いで中空支持プレート6、リールホルダーロッド7及び当該ロッドにスロット形成されるそれぞれのリール8を介してチャンバ3に戻されるように設定される。
【0048】
ポンプ10aは、少なくとも1つの吸入ダクト2dがチャンバ3を介して流体連通しているときに作動可能である。
【0049】
詳細には、吸入ダクト2dは、構造体2の第2のアーチ型カバー2cから離れて構造体2の下方に延びる。
【0050】
吸入ダクト2dは、有利には、中空支持プレート6の各中空支持部品6aの下方に延びる少なくとも1つの供給ダクト6bと流体連通する。このようにして、第1の再循環機構10はまた、中空支持プレート6の中空支持部品6aと流体連通する。
【0051】
有利には、第1の再循環機構10は、それぞれのリールホルダーロッド7及びリールホルダーロッド7によって担持されたリール8に染色液4を間欠的に通過させるよう設定され、この染色液の通過に好適である。換言すると、第1の再循環機構10は、染色液4がそれぞれのリールホルダーロッド7のリール8を通過する第1の位置と、染色液4がリール8を通過しない第2の位置との間で、設定時間期間で切り換えることができる。
【0052】
例証として、リール8を通過する染色液4の流れが存在しない第2の位置に関連する時間期間は、有利には、10〜60秒、好ましくは5秒以上、更により好ましくは3秒以上を含む。
【0053】
このようにして、各リール8によって担持される糸は、設定時間期間にわたり染色液4の連続流に包み込まれる。続いて、各リール8によって担持された糸は、どのような流れも無しに染色液4に浸され、所定の時間期間の後に染色液4の別の連続流に再度包み込まれ、その後、別の新たにされた染浴が続く。
【0054】
有利には、再循環手段9は、好ましくは、撹拌機として機能する軸流ポンプである第2の再循環機構11を備える。軸流ポンプは、構造体2に動作可能に結合され、添付の図において文字Aで表された矢印によって示されるように、好ましくは実質的に閉鎖された及び/又はループ経路である、少なくとも1つの設定経路に従ってチャンバ3内で染色液4を移動させるようにする。代替として、第2の再循環機構11は、撹拌機として機能する遠心ポンプを備えることができる。
【0055】
本発明の更なる実施形態によれば、再循環手段9はまた、ミキサとして機能する構造体2上に置かれたパイプを備えた外部吸入部及び加圧ポンプを想定することができる。
【0056】
添付の図で分かるように、第2の再循環機構11は、機械1の構造体2の長手方向軸Xに対して、及び/又は中空支持プレート6の中空支持部品6aによって及びそのリールホルダーロッド7によって定められる中央移行チャンネル3aに対して作動可能及び実質的に整列される。
【0057】
第2の再循環機構11によって定められる染色液4の移動経路は、糸のリール8、リールホルダーロッド7、及び支持プレート6の中空支持部品6aに対して少なくとも部分的に接している。
【0058】
詳細には、染色液4は、チャンバ3内を循環し、実質的に垂直方向及び水平方向の両方でリール8とリールホルダーロッド7との間を流れる。
【0059】
当然ながら、機械1の構造体2のチャンバ3内の染色液4の循環は、染色液をリールホルダーロッド7及び当該リールホルダーロッドによって担持されるリール8の周りで連続的に混合可能にする何らかの公知の技術によって実施することができる。
【0060】
添付の図で分かるように、再循環手段9は、詳細には第1の再循環機構10と少なくとも1つのリールホルダーロッド6との間に動作可能に挿入されたバルブ12aである、少なくとも1つの選択機構12を備える。選択機構12は、有利には、第1の再循環機構10が染色液4を少なくとも1つのリールホルダーロッド7及び支持されたリール8に通過させる開放位置と、染色液4がリールホルダーロッド7及びそれぞれの支持されたリール8を通過しない閉鎖位置との間で切り換えることができる。
【0061】
上述の支持プレート6の中空支持部品6aを参照すると、再循環手段9は、各中空支持部品6aにおいて中空支持部品と第1の再循環手段10との間に動作可能に挿入された選択機構12を備える。この場合、各選択機構12は、第1の再循環機構10が染色液4をそれぞれのリールホルダーロッド7及び該リールホルダーロッドによって担持されたリール8に通過させるようにする開放位置と、染色液4がリールホルダーロッド7及びそれぞれのリール8を通過しない閉鎖位置との間で切り換えることができる。
【0062】
有利には、機械1は、設定スケジュールに従って開閉運動を制御するように選択機構12に動作可能に関連付けられた少なくとも1つの制御ユニット(既知ではないので図示していない)を更に備える。制御ユニットは、選択機構12のうちの少なくとも1つを開放位置から閉鎖位置に切り換えると同時に、別の選択機構12を閉鎖位置から開放位置に切り換えるように設定される。このようにして、制御ユニットは、染色液4がリールホルダーロッド7のグループを通って流れるのを停止させると同時に、染色液4を異なるリールホルダーロッド7の別のグループに通過させる。
【0063】
選択機構12は、有利には、染色液4の流れをリールホルダーロッド7の1つのグループのみを通過可能とし、又はリールホルダーロッド7の複数のグループを交互に通過可能にするようにして、開放位置と閉鎖位置との間で切り換えることができる。この解決策によれば、機械1は、適正な数のリール8を備えるグループに染色液4を選択的及び順次的に供給することができる。この場合、各グループのリール8を通る染色液4の供給は、数十秒の範囲で比較的短い時間にわたって行われるのが有利である。
【0064】
従って、各順次供給サイクルは、リール8の想定される各グループの順次的供給と、その後に続く、リール8への供給が、好ましくは供給期間の数倍大きいが通常は同程度の大きさの時間期間(例えばこの場合は約30秒)の間中断する停止段階と、を含む。従って、有利には、停止期間は、リールに染色液を供給するのに配分された合計供給時間と実質的に同じか、或いは同程度の大きさとすることができる。
【0065】
リール8の3つのグループが存在する特定の場合において、好ましくは、各順次的供給サイクルは、約10秒間のリール8の第1のグループへの染色液4の供給と、約10秒間のリール8の第2のグループへの後続の供給と、約10秒間のリールの第3のグループへの後続の供給とを含み、次いで、染色液4の供給はリール8の各グループについて約20秒間停止される。この場合、リール8の各グループにおける各供給サイクルは、完了までに約30秒かかり、10秒の供給と20秒の停止とに分けられる。
【0066】
上記の値は、単に例示の目的で提供されており、本発明の恩恵を受ける十分な処理に適切であると試験中に検証されたものとして言及されているに過ぎない。
【0067】
添付の図面で分かるように、各選択機構12の各バルブ12aは、それぞれの供給ダクト6bに沿ってポンプ10aから始まる染色液4の移行を許容しない閉鎖位置と、それぞれの供給ダクト6bに沿ってポンプ10aから始まる染色液4の移行を許容する開放位置との間で切り換えることができる。
【0068】
それぞれの選択機構12のバルブ12aが開放位置にあるときには、吸入ダクト2dを通って引き込まれている染色液4は、添付の図内の矢印Bによって表されるように、それぞれの開放した供給ダクト6bに沿って送られる。この場合、染色液4は、中空支持プレート6のそれぞれの中空支持部品6a及び対応するリールホルダーロッド7に沿って、リールホルダーロッド及び支持されたリール8を通って流れ、次いで構造体2のチャンバ3に再び流入する。
【0069】
代替として、選択機構12の使用を想定した上述のシステムはまた、少なくとも1つのポンプ10aを想定することができ、当該ポンプは、染色液4を少なくとも1つのリールホルダーロッド7、好ましくは複数のリールホルダーロッド7に通過させる作動位置と、染色液4が少なくとも1つのリールホルダーロッド7を通過しない非作動位置との間で切り換えることができる。
【0070】
添付の図で分かるように、機械1は更に、チャンバ3の内部に動作可能に位置付けられた加熱手段13を備える。
【0071】
添付の図に示した実施形態において、加熱手段13は、染色液4中に完全に浸漬されて、染色液を加熱して所定温度に保持する。
【0072】
しかしながら、加熱手段13は、図示の解決策以外の何れかの公知の設定も想定できる点に留意されたい。例えば、加熱手段13はまた、構造体2に直接接触させてチャンバ3内部に載置し、熱伝導によって染色プロセスに必要な熱を染色液4に伝達することができる。
【0073】
加熱手段13は、チャンバ3内に存在する染色液4を漸次的に加熱し、糸に着色させるのに十分なパワーを染色液に提供するようにする。
【0074】
具体的には、加熱手段13は、熱伝導及び対流により熱を分散させる染色液の温度を制御する。
【0075】
有利には、加熱手段13は、支持プレート6と構造体2との間で第2の再循環機構11の周りに少なくとも部分的に展開された少なくとも1つの熱交換器13aを備え、第2の再循環機構11の作動によって循環される染色液4が、中央移行チャンネル3aに到達する前に熱交換器13aを通って流れるようにする。
【0076】
本発明による糸のリールの染色のための機械及び方法は、従来技術において見られる問題を解決し、有意な恩恵をもたらす。
【0077】
第1に、上述の機械は、糸のリールとの染色液の最適な接触を確実にする。換言すると、上記の機械構成は、糸の色の強さが過小又は過大となる望ましくないそれぞれの影響で不十分な又は過剰な染料の付着をそれぞれもたらすことになる、染料の温度及び濃度に関する予備領域又は優先領域が、染色コンパートメント内部に形成するのを防ぐ。記載された機械構成によれば、染料は、リールによって支持される糸の全ての部分に均一に分配される。
【0078】
詳細には、前述の機械は、毎分当たりの十分な回数の糸の接触又は浸漬を保証し、均一な染色が確保される。
【0079】
有利には、本発明による機械は、2つの流体再循環機構を備え、各々は実施される再循環のタイプに対して適正に構成され専用にされる。
【0080】
第1の再循環機構は、境界層上で糸と接触し、糸と反応して熱及び色を移行させてある濃度にまで低下させる染浴の間欠的な置き換えを確実にする。
【0081】
選択機構が開放された時間期間に流れて内部から糸と接触する染浴は、染色液吸入及び供給ダクト、それぞれのポンプ通過チャンバ、リールホルダーロッドのキャビティ、糸の1つのコイルと他の隣接コイルとの間でリールによって解放された空間内のリールの内部の内部容積と実質的に同じ容積を有する。全体的に、当該染浴の容積は、機械に含まれる染色液の全容積の25〜45%程度に相当する。従って、糸との染浴の接触回数が同じであれば、第1の再循環機構のポンプ容量は、従来技術による機械において想定されるポンプのポンプ容量の25〜45%に相当する。
【0082】
流れの著しい減少によって、起こり得る優先ゾーンを有するリールを染色液が通過するのに必要な差圧の大きな低下を生じるのを防ぐため、他のもの以外の特定のリールホルダーロッドに選択的に供給するための上述の構成は、染料がリールを通過するのに必要とされるポンプの差圧を最適な均一値又はその前後に維持できるようにする。このようにして、ポンプの圧力を低下させることができると同時に、最終染色の均一性及び品質が確保される。
【0083】
また、チャンバ内部及び糸のリールの外部での染浴の再循環が高度に均質な染色液をもたらすことも考慮すべきである。
【0084】
更に、均質な染浴とリールによって担持された糸との連続的な外部接触により、糸の外側部分を均質に染色することが可能になる。当該構成によれば、糸のリールを通る染色液の連続的な移動を引き起こす必要はもはやなく、添付の図の矢印Bによって示すように内部から外部方向に、又は反対方向に一定間隔で染色液を糸のリールに通過させることで十分である。実際に、流れ偏向又は反転装置を備えた高容量ポンプを有する必要はなく、低容量ポンプで十分である。有利には、チャンバ内部及び染色リールの外部での循環により、均一な染色液温度及び溶液又は分散液中の色の均一な濃度が確保される。
【0085】
この場合、循環回路又は循環経路がチャンバの全体容積を含むので、第2の循環機構によって実施される循環は、高容量ではあるが低水頭であるべきである。
【0086】
有利には、軸流低パワーポンプを撹拌として使用することができる。対象のチャンバ内での染浴の循環は、機械内の染色液の全容積の55〜75%程度に作用する。このため、特に抵抗障害を構成するリール及びリールホルダーロッドに染色液を通過させることなく当該染浴を撹拌するのが有利である。
【0087】
前述の構成によれば、各染色サイクルにおいてシステムが必要とするパワー並びに染色される糸に対する応力を大幅に低減することができる。この後者の利点は、通常は特別な細心の注意を要する繊細な糸を染色することが必要な場合に幾らか重要である。このようにして、繊細な糸であってもその構造的完全性を保護しながら全て安全な状態で染色することができる。
【符号の説明】
【0088】
1 機械
2 構造体
2a 円筒形側壁
2b アーチ型カバー
2c アーチ型カバー
2d 吸入ダクト
3 チャンバ
3a 中央移行チャンネル
4 染色液
5 ガス
6 支持プレート
6a 支持部品
6b 供給ダクト
7 リールホルダーロッド
8 リール
9 再循環手段
10 第1の再循環機構
11 第2の再循環機構
12 選択機構
12a バルブ
13 加熱手段
13a 熱交換器
図1
図2