特許第6184874号(P6184874)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6184874金属プルーフマスと圧電部品とを含むマイクロ電気機械システムデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6184874
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】金属プルーフマスと圧電部品とを含むマイクロ電気機械システムデバイス
(51)【国際特許分類】
   G01C 19/56 20120101AFI20170814BHJP
   B81B 7/02 20060101ALI20170814BHJP
   H01L 41/083 20060101ALI20170814BHJP
   H01L 41/113 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   G01C19/56
   B81B7/02
   H01L41/083
   H01L41/113
【請求項の数】33
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2013-558078(P2013-558078)
(86)(22)【出願日】2012年3月9日
(65)【公表番号】特表2014-517256(P2014-517256A)
(43)【公表日】2014年7月17日
(86)【国際出願番号】US2012028624
(87)【国際公開番号】WO2012125503
(87)【国際公開日】20120920
【審査請求日】2013年10月17日
【審判番号】不服2016-3047(P2016-3047/J1)
【審判請求日】2016年2月29日
(31)【優先権主張番号】13/048,798
(32)【優先日】2011年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500480274
【氏名又は名称】スナップトラック・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(72)【発明者】
【氏名】ブラック、ジャスティン・フェルプス
(72)【発明者】
【氏名】ガナパスィ、スリニバサン・コダガナラー
(72)【発明者】
【氏名】ステファノー、フィリップ・ジェイソン
(72)【発明者】
【氏名】ペターセン、カート・エドワード
(72)【発明者】
【氏名】アカー、センク
(72)【発明者】
【氏名】シェノイ、ラビンドラ・バマン
(72)【発明者】
【氏名】ブチャン、ニコラス・イアン
【合議体】
【審判長】 酒井 伸芳
【審判官】 関根 洋之
【審判官】 須原 宏光
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−199714(JP,A)
【文献】 特開2010−169685(JP,A)
【文献】 特開平8−278146(JP,A)
【文献】 特開2003−83751(JP,A)
【文献】 国際公開第2006/126253(WO,A1)
【文献】 特開2007−110281(JP,A)
【文献】 特開2007−994(JP,A)
【文献】 特開2009−212620(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 19/56
B81B 7/02
H01L 41/083
H01L 41/113
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プルーフマスとして構成された金属層と、
前記金属層上の第1の誘電体層と、
前記第1の誘電体層上の第1の電極層と、
電界または機械的力のうちの少なくとも1つに反応するように構成された、前記第1の電極層上の圧電層であって、前記金属層の少なくとも一部分は、前記圧電層のエリア全体に対応する、圧電層と、
前記圧電層上の第2の電極層であって、前記第1の電極層および前記第2の電極層は、前記圧電層にわたって前記電界を印加するように、または前記機械的力により前記圧電層によって生成された電界を感知するように構成された、第2の電極層と、
前記第2の電極層上の第2の誘電体層と、
基板と、
前記金属層の第1の部分を前記基板に取り付けるように構成された複数のアンカー機構であって、前記基板に取り付けられていない前記金属層の第2の部分は、駆動機構によって生成された機械的力に反応して前記金属層の面で振動するように構成される、複数のアンカー機構と
を備え、ここで、前記駆動機構は、前記第1の誘電体層と、前記第1の電極層と、前記圧電層と、前記第2の電極層と、前記第2の誘電体層とにより構成されている、
装置。
【請求項2】
前記第2の誘電体層上に配設された第2の金属層をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記金属層の厚さは約5マイクロメートルを上回る、請求項1および2のいずれか1項に記載の装置。
【請求項4】
前記圧電層の厚さは約0.5〜3マイクロメートルの範囲にある、請求項1、2、3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の電極層の厚さまたは前記第2の電極層の厚さのうちの少なくとも1つは約100〜300ナノメートルの範囲にある、請求項1、2からのいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の誘電体層の厚さまたは前記第2の誘電体層の厚さのうちの少なくとも1つは約100〜300ナノメートルの範囲にある、請求項1、2から5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記金属層の厚さは、前記第1の誘電体層と、前記第1の電極層と、前記圧電層と、前記第2の電極層と、前記第2の誘電体層とを合わせた厚さを上回る、請求項1、2から6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記金属層はニッケル、ニッケルとマンガンとの合金、ニッケルとコバルトとの合金のうちの少なくとも1つを含む、請求項1、2から7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記圧電層は窒化アルミニウムを含む、請求項1、2から8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記第1の電極層および前記第2の電極層は、銅、白金、モリブデン、タングステン、ルテニウム、金およびアルミニウムからなるグループから選択された金属を含む、請求項1、2から9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記第1の誘電体層および前記第2の誘電体層はシリコン酸化物を含む、請求項1、2から10のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記圧電層の2乗平均粗さは約1ナノメートルを下回る、請求項1から11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
電気機械ジャイロスコープ装置であって、
前記電気機械ジャイロスコープ装置の駆動部品として構成された第1のデバイスを備え、前記第1のデバイスは、
プルーフマスとして構成された金属層と、
前記金属層上の第1の誘電体層と、
前記第1の誘電体層上の第1の電極層と、
電界に反応するように構成された、前記第1の電極層上の圧電層であって、前記金属層の少なくとも一部分は、前記圧電層のエリア全体に対応する、圧電層と、
前記圧電層上の第2の電極層であって、前記第1の電極層および前記第2の電極層は前記圧電層にわたって電界を印加するように構成された、第2の電極層と、
前記第2の電極層上の第2の誘電体層と
基板と、
金属層の第1の部分を前記基板に取り付けるように構成された複数のアンカー機構であって、前記基板に取り付けられていない前記金属層の第2の部分は、前記駆動部品によって生成された機械的力に反応して前記金属層の面で振動するように構成される、複数のアンカー機構と、
含む、装置。
【請求項14】
前記電気機械ジャイロスコープ装置の感知部品として構成された第2のデバイスをさらに備え、前記第2のデバイスは、前記金属層と、前記第1の誘電体層と、前記第1の電極層と、前記圧電層と、前記第2の電極層と、前記第2の誘電体層とを含み、
前記圧電層は、機械的力に反応するようにさらに構成され、前記第1の電極層および前記第2の電極層は、前記機械的力により前記圧電層によって生成された電界を感知するようにさらに構成された、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記金属層の厚さは約5マイクロメートルを上回る、請求項13から14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
前記金属層の厚さは、前記第1の誘電体層と、前記第1の電極層と、前記圧電層と、前記第2の電極層と、前記第2の誘電体層とを合わせた厚さを上回る、請求項13から14、15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
プルーフマスとして構成された金属層と、
前記金属層上の第1の誘電体層と、
前記第1の誘電体層上の第1の電極層と、
機械的力に反応するように構成された、前記第1の電極層上の第1の圧電層であって、前記金属層の少なくとも一部分は、前記第1の圧電層のエリア全体に対応する、第1の圧電層と、
前記第1の圧電層上の第2の電極層であって、前記第1の電極層および前記第2の電極層は、前記機械的力に反応して前記第1の圧電層によって生成された第1の電界を感知するように構成された、第2の電極層と、
前記機械的力に反応するように構成された、前記第2の電極層上の第2の圧電層と、
前記第2の圧電層上の第3の電極層であって、前記第2の電極層および前記第3の電極層は、前記機械的力に反応して前記第2の圧電層によって生成された第2の電界を感知するように構成され、前記感知された第1の電界と前記感知された第2の電界との組合せによって差動信号が提供されることが可能である、第3の電極層と、
前記第3の電極層上の第2の誘電体層と
基板と、
前記金属層の第1の部分を前記基板に取り付けるように構成された複数のアンカー機構であって、前記基板に取り付けられていない前記金属層の第2の部分は、駆動機構によって生成された機械的力に反応して前記金属層の面で振動するように構成される、複数のアンカー機構と、
を備え、ここで、前記駆動機構は、前記第1の誘電体層と、前記第1の電極層と、前記第1の圧電層と、前記第2の電極層と、前記第2の圧電層と、前記第3の電極層と、前記第2の誘電体層とにより構成されている、
電気機械デバイスの装置。
【請求項18】
前記第2の誘電体層上に配設された第2の金属層をさらに備える、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記金属層の厚さは約5マイクロメートルを上回る、請求項17から18のいずれか1項に記載の装置。
【請求項20】
前記金属層の厚さは、前記第1の誘電体層と、前記第1の電極層と、前記圧電層と、前記第2の電極層と、前記第2の誘電体層とを合わせた厚さを上回る、請求項17から18、19のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
基板上に犠牲層を形成することと、
前記犠牲層上に第1の誘電体層を形成することと、
前記第1の誘電体層上に第1の電極層を形成することと、
前記第1の電極層上に圧電層を形成することと、
前記圧電層上に第2の電極層を形成することと、
前記第2の電極層に第2の誘電体層を形成することと、
前記第2の誘電体層のエリア全体上に金属層の少なくとも一部分を形成することであって、前記金属層は、プルーフマスとして構成されることと、
基板を形成することと、
前記金属層の第1の部分を前記基板に取り付けるように構成された複数のアンカー機構を形成することであって、前記基板に取り付けられていない前記金属層の第2の部分は、駆動機構によって生成された機械的力に反応して前記金属層の面で振動するように構成されることと、
を備え、ここで、前記駆動機構は、前記第1の誘電体層と、前記第1の電極層と、前記圧電層と、前記第2の電極層と、前記第2の誘電体層とにより構成されている、
方法。
【請求項22】
前記金属層は電気めっきプロセスにより形成された、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記金属層はスパッタリングプロセスにより形成された、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記圧電層はスパッタリングプロセスにより形成された、請求項21、22から23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記第2の誘電体層上にフォトレジスト層を提供することと、
前記金属層を形成する前に前記フォトレジスト層をパターニングすることと、
前記金属層を形成した後に前記フォトレジスト層を除去することと
をさらに備える、請求項21、22から24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
前記金属層を形成した後に前記犠牲層を除去することをさらに備える、請求項21、22から25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
電気機械システムデバイスを備え、前記電気機械システムデバイスは、
第1の誘電体層と、
前記第1の誘電体層上の第1の電極層と、
電界または機械的力のうちの少なくとも1つに反応するように構成された、前記第1の電極層上の圧電層と、
前記圧電層上の第2の電極層であって、前記第1の電極層および前記第2の電極層は、前記圧電層にわたって前記電界を印加するように、または前記機械的力により前記圧電層によって生成された電界を感知するように構成された、第2の電極層と、
前記第2の電極層上の第2の誘電体層と、
プルーフマスとして構成された、前記第2の誘電体層上の金属層であって、前記金属層の少なくとも一部分は、前記圧電層のエリア全体に対応する、金属層と、
基板と、
前記金属層の第1の部分を前記基板に取り付けるように構成された複数のアンカー機構であって、前記基板に取り付けられていない前記金属層の第2の部分は、駆動機構によって生成された機械的力に反応して前記金属層の面で振動するように構成される、複数のアンカー機構と
を含み、ここで、前記駆動機構は、前記第1の誘電体層と、前記第1の電極層と、前記圧電層と、前記第2の電極層と、前記第2の誘電体層とにより構成されている、
装置。
【請求項28】
ディスプレイと、
前記ディスプレイと通信するように構成されたプロセッサであって、画像データを処理するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサと通信するように構成されたメモリデバイスと
をさらに備える、請求項27に装置。
【請求項29】
前記ディスプレイに少なくとも1つの信号を送るように構成されたドライバ回路をさらに備える、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記ドライバ回路に前記画像データの少なくとも一部分を送るように構成されたコントローラをさらに備える、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記プロセッサに前記画像データを送るように構成された画像ソースモジュールをさらに備える、請求項28から30のいずれか1項に記載の装置。
【請求項32】
前記画像ソースモジュールは、受信機、トランシーバ、および送信機のうちの少なくとも1つを含む、請求項31に記載の装置。
【請求項33】
入力データを受信するように、かつ前記プロセッサに前記入力データを通信するように構成された入力デバイス
をさらに備える、請求項28から32のいずれか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本開示は、2011年3月15日に出願された「MICROELECTROMECHANICAL SYSTEM DEVICE INCLUDING A METAL PROOF MASS AND A PIEZOELECTRIC COMPONENT」と題する、本出願の譲受人に譲渡された米国特許出願第13/048,798号に対する優先権を主張する。前記先願の開示は、本開示の一部と見なされ、参照により本開示に組み込まれる。
【0002】
本開示は、電気機械システムデバイスに関し、より詳細には、金属プルーフマスを含む電気機械システムデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
電気機械システムは、電気的および機械的要素と、アクチュエータと、トランスデューサと、センサーと、光学部品(たとえば、ミラー)と、電子回路とを有するデバイスを含む。電気機械システムは、限定はしないが、マイクロスケールおよびナノスケールを含む、様々なスケールで製造され得る。たとえば、マイクロ電気機械システム(MEMS:microelectromechanical system)デバイスは、約1ミクロンから数百ミクロン以上に及ぶサイズを有する構造を含むことができる。ナノ電気機械システム(NEMS:nanoelectromechanical system)デバイスは、たとえば、数百ナノメートルよりも小さいサイズを含む、1ミクロンよりも小さいサイズを有する構造を含むことができる。電気および電気機械デバイスを形成するために、堆積、エッチング、リソグラフィを使用して、ならびに/あるいは、基板および/または堆積された材料層の部分をエッチング除去するかまたは層を追加する、他の微細加工プロセスを使用して、電気機械要素が作成され得る。
【0004】
1つのタイプの電気機械システムデバイスは干渉変調器(IMOD:interferometric modulator)と呼ばれる。本明細書で使用する干渉変調器または干渉光変調器という用語は、光学干渉の原理を使用して光を選択的に吸収および/または反射するデバイスを指す。いくつかの実装形態では、干渉変調器は伝導性プレートのペアを含み得、そのペアの一方または両方は、全体的にまたは部分的に、透明でおよび/または反射性であり、適切な電気信号の印加時の相対運動が可能であり得る。一実装形態では、一方のプレートは、基板上に堆積された固定層を含み得、他方のプレートは、エアギャップによって固定層から分離された反射膜を含み得る。別のプレートに対するあるプレートの位置は、干渉変調器に入射する光の光学干渉を変化させることがある。干渉変調器デバイスは、広範囲の適用例を有しており、特にディスプレイ能力がある製品の場合、既存の製品を改善し、新しい製品を作成する際に使用されることが予期される。
【0005】
いくつかのMEMSデバイスは、直線加速度(たとえば、加速度計)または回転加速度(たとえば、ジャイロスコープ)を感知するように構成される。そのようなMEMSデバイスは、直線加速度または回転加速度に対するMEMSデバイスの一部であるプルーフマスの反応に依存する。質量が大きいプルーフマスは一般に、MEMSデバイスにおいて、質量が小さいプルーフマスよりも大きい反応を生成する。
【発明の概要】
【0006】
本開示のシステム、方法およびデバイスは、それぞれいくつかの発明的態様を有し、それらのうちの単一の態様が、単独で、本明細書で開示する望ましい属性に関与するとは限らない。
【0007】
本明細書で開示する実装形態は、プルーフマスを表す金属層、および電界に反応するように、または機械的力に反応するように構成された圧電層を有する装置を伴う。いくつかの実装形態では、装置は電気機械デバイスの一部である。いくつかの実装形態では、装置は電気機械ジャイロスコープデバイスの一部である。
【0008】
一実装形態では、一装置が金属層を含む。金属層上に第1の誘電体層が配設される。第1の誘電体層上に第1の電極層が配設される。第1の電極層上に圧電層が配設される。圧電層は、電界に反応するように、または機械的力に反応するように構成される。圧電層上に第2の電極層が配設される。第1の電極層および第2の電極層は、圧電層にわたって電界を印加するように、または機械的力により圧電層によって生成された電界を感知するように構成される。第2の電極層上に第2の誘電体層が配設される。
【0009】
一実装形態では、一電気機械ジャイロスコープデバイスが、電気機械ジャイロスコープデバイスの駆動部品として構成された第1の装置を含む。第1の装置は金属層を含む。金属層上に第1の誘電体層が配設される。第1の誘電体層上に第1の電極層が配設される。第1の電極層上に圧電層が配設される。圧電層は、電界に反応するように構成される。圧電層上に第2の電極層が配設される。第1の電極層および第2の電極層は、圧電層にわたって電界を印加するように構成される。第2の電極層上に第2の誘電体層が配設される。
【0010】
一実装形態では、電気機械デバイスの一装置が金属層を含む。金属層上に第1の誘電体層が配設される。第1の誘電体層上に第1の電極層が配設される。第1の電極層上に第1の圧電層が配設される。第1の圧電層は、機械的力に反応するように構成される。第1の圧電層上に第2の電極層が配設される。第1の電極層および第2の電極層は、機械的力に反応して第1の圧電層によって生成された第1の電界を感知するように構成される。第2の電極層上に第2の圧電層が配設される。第2の圧電層は、機械的力に反応するように構成される。第2の圧電層上に第3の電極層が配設される。第2の電極層および第3の電極層は、機械的力に反応して第2の圧電層によって生成された第2の電界を感知するように構成される。感知された第1の電界と感知された第2の電界との組合せによって差動信号が提供されることが可能である。第3の電極層上に第2の誘電体層が配設される。
【0011】
一実装形態では、一方法が、基板上に犠牲層を形成することと、犠牲層上に第1の誘電体層を形成することと、第1の誘電体層上に第1の電極層を形成することと、第1の電極層上に圧電層を形成することと、圧電層上に第2の電極層を形成することと、第2の電極層上に第2の誘電体層を形成することと、第2の誘電体層上に金属層を形成することとを含む。
【0012】
一実装形態では、一装置が電気機械システムデバイスを含む。電気機械システムデバイスは第1の誘電体層を含む。第1の誘電体層上に第1の電極層が配設される。第1の電極層上に圧電層が配設される。圧電層は、電界または機械的力のうちの少なくとも1つに反応するように構成される。圧電層上に第2の電極層が配設される。第1の電極層および第2の電極層は、圧電層にわたって電界を印加するように、または機械的力により圧電層によって生成された電界を感知するように構成される。第2の電極層上に第2の誘電体層が配設される。第2の誘電体層上に金属層が配設される。
【0013】
本明細書で説明する主題の1つまたは複数の実装形態の詳細が、添付の図面および以下の説明において示されている。他の特徴、態様、および利点は、説明、図面、および特許請求の範囲から明らかになるであろう。以下の図の相対寸法は一定の縮尺で描かれていないことがあることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
含まれる図面は説明のためのものであり、金属プルーフマスと圧電部品とを含む機構を含む電気機械システムデバイスの開示するプロセス、装置、およびシステムに関する考え得る構造およびプロセスステップの例を提供する役割を果たすにすぎない。
図1A】金属プルーフマスと圧電部品とを含む機構を有するMEMSデバイスを含むディスプレイデバイスを示すシステムブロック図の例を示す図。
図1B】金属プルーフマスと圧電部品とを含む機構を有するMEMSデバイスを含むディスプレイデバイスを示すシステムブロック図の例を示す図。
図2A】金属層と圧電層とを含むMEMSデバイスの機構の断面図の例を示す図。
図2B】金属層と圧電層とを含むMEMSデバイスの機構の断面図の例を示す図。
図2C図2Bに示す機構を組み込んだMEMSデバイスを上から見た概略図の例を示す図。
図2D図2CのMEMSデバイスの断面図の例を示す図。
図3】駆動機構として機能する圧電層および感知機構として機能する圧電層の断面図の例を示す図。
図4】金属層と圧電層とを含むMEMSデバイスの機構の断面図の例を示す図。
図5】金属層と圧電層とを含むMEMSデバイスの機構の断面図の例を示す図。
図6】金属層と圧電層とを含むMEMSデバイスの機構を形成する方法を示すフロー図の例を示す図。
【0015】
様々な図面中の同様の参照番号および名称は、同様の要素を示す。
【詳細な説明】
【0016】
以下の詳細な説明は、発明的態様について説明する目的で、いくつかの実装形態を対象とする。しかしながら、本明細書の教示は、多数の異なる方法で適用され得る。説明する実装形態は、動いていようと(たとえば、ビデオ)、静止していようと(たとえば、静止画像)、およびテキストであろうと、グラフィックであろうと、絵であろうと、画像を表示するように構成された任意のデバイスにおいて実装され得る。より具体的には、実装形態は、限定はしないが、携帯電話、マルチメディアインターネット対応セルラー電話、モバイルテレビジョン受信機、ワイヤレスデバイス、スマートフォン、Bluetooth(登録商標)デバイス、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス電子メール受信機、ハンドヘルドまたはポータブルコンピュータ、ネットブック、ノートブック、スマートブック、タブレット、プリンタ、コピー機、スキャナ、ファクシミリデバイス、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲーム機、腕時計、クロック、計算器、テレビジョンモニタ、フラットパネルディスプレイ、電子リーディングデバイス(たとえば、電子リーダー)、コンピュータモニタ、自動車ディスプレイ(たとえば、オドメータディスプレイなど)、コックピットコントロールおよび/またはディスプレイ、カメラビューディスプレイ(たとえば、車両における後部ビューカメラのディスプレイ)、電子写真、電子ビルボードまたは標示、プロジェクタ、アーキテクチャ構造物、電子レンジ、冷蔵庫、ステレオシステム、カセットレコーダーまたはプレーヤ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、VCR、ラジオ、ポータブルメモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯機/乾燥機、パーキングメーター、パッケージング(たとえば、MEMSおよび非MEMS)、審美構造物(たとえば、1つの宝飾品上の画像のディスプレイ)、ならびに様々な電気機械システムデバイスなど、様々な電子デバイス中に実装されるかまたはそれらに関連付けられ得ると考えられる。また、本明細書の教示は、限定はしないが、電子スイッチングデバイス、無線周波フィルタ、センサー、加速度計、ジャイロスコープ、運動感知デバイス、磁力計、コンシューマーエレクトロニクスのための慣性構成要素、コンシューマーエレクトロニクス製品の部品、バラクタ、液晶デバイス、電気泳動デバイス、駆動方式、製造プロセス、電子テスト機器など、非ディスプレイ適用例において使用され得る。したがって、本教示は、単に図に示す実装形態に限定されるものではなく、代わりに、当業者に直ちに明らかになるであろう広い適用性を有する。
【0017】
開示されるのは、MEMSデバイスの機構およびMEMSデバイスのための機構を形成する方法である。いくつかの実装形態では、機構を作り上げる材料の層は、プルーフマスとしての役割を果たす金属層と圧電層とを含む。圧電層は、2つの電極の間に挟まれることがあり、電極は、誘電体層によって圧電層以外の層から絶縁されることがある。たとえば、いくつかの実装形態は、金属層と、金属層上に配設された第1の誘電体層と、第1の誘電体層上に配設された第1の電極層と、第1の電極層上に配設された圧電層と、圧電層上に配設された第2の電極層と、第2の電極層上に配設された第2の誘電体層とを含む。圧電層は、電界に反応するように、または機械的力に反応するように構成され得る。第1の電極層および第2の電極層は、圧電層にわたって電界を印加するように、または機械的力により圧電層によって生成された電界を感知するように構成され得る。そのような機構は、たとえば、感知および/または駆動部品として電気機械ジャイロスコープおよび加速度計デバイスにおいて使用され得る。
【0018】
本開示で説明する主題の特定の実装形態は、以下の潜在的な利点のうちの1つまたは複数を実現するように実装され得る。たとえば、シリコンプルーフマスの代わりに金属プルーフマスを使用して、誤差を減らし、いくつかのMEMSデバイスの感度を高めることができる。プルーフマスに使用される金属は、シリコン密度の数倍の密度を有することがあり、その結果、プルーフマスがより大規模になり得る。本明細書で説明するそのような金属プルーフマスは、より大きい出力を生成することができ、それによってジャイロスコープなどのMEMSデバイスの性能を高めることができる。MEMSデバイス内でアクチュエータまたは駆動部品としての役割を果たす圧電材料は、他の材料/技法と比較して低い駆動電圧を使用し、線形変換をもたらす。圧電材料はまた、機械的力に反応して出力信号の広いダイナミックレンジを示し得る。本明細書で説明するように、MEMSデバイス内のセンサーまたは感知部品として圧電材料を使用することで、感度を高め、ノイズを減らし、MEMSデバイスのコストを下げることができる。
【0019】
上述のように、プルーフマスを使用する1つのMEMSデバイスとして、ジャイロスコープがある。1つのタイプのMEMSジャイロスコープとして、コリオリ振動ジャイロスコープとも呼ばれる振動型ジャイロスコープがある。振動型ジャイロスコープは、振動物(たとえば、プルーフマス)の支持構造が回転するときでも、かかる振動物が同じ面で振動し続ける傾向があるという物理的原理の下で動作する。プルーフマスが発振している面が回転するとき、この面は固定されたままである傾向があり、その結果、支持構造に対するプルーフマスの面外運動が生じる。この面外運動は、運動の式におけるコリオリ項(すなわち、コリオリの力)に起因する。角回転速度は、トランスデューサによりプルーフマスの面外運動の大きさを測定することによって判断される。コリオリの力は、プルーフマスの質量に比例し、プルーフマスの振動振幅および振動周波数に比例する。
【0020】
図1Aおよび図1Bは、金属プルーフマスと圧電部品とを含む機構を有するMEMSデバイスを含むディスプレイデバイスを示すシステムブロック図の例を示している。いくつかの実装形態では、MEMSデバイスはMEMSジャイロスコープデバイスである。ただし、ディスプレイデバイス40の同じ構成要素またはディスプレイデバイス40の軽微な変形も、テレビジョン、電子リーダーおよびポータブルメディアプレーヤなど、様々なタイプのディスプレイデバイスを示す。
【0021】
ディスプレイデバイス40は、ハウジング41と、ディスプレイ30と、アンテナ43と、スピーカー45と、入力デバイス48と、マイクロフォン46とを含む。ハウジング41は、射出成形および真空成形を含む様々な製造プロセスのうちのいずれかから形成され得る。さらに、ハウジング41は、限定はしないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、およびセラミック、またはそれらの組合せを含む、様々な材料のうちのいずれかから製作され得る。ハウジング41は、異なる色の、または異なるロゴ、ピクチャ、もしくはシンボルを含んでいる、他の取外し可能な部分と交換され得る、取外し可能な部分(図示せず)を含むことができる。
【0022】
ディスプレイ30は、本明細書で説明する、双安定またはアナログディスプレイを含む様々なディスプレイのうちのいずれかであり得る。ディスプレイ30はまた、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、またはTFT LCDなど、フラットパネルディスプレイ、あるいはCRTまたは他の管デバイスなど、非フラットパネルディスプレイを含むように構成され得る。さらに、ディスプレイ30は、本明細書で説明する干渉変調器ディスプレイを含むことができる。
【0023】
ディスプレイデバイス40の構成要素は図1Bに概略的に示されている。ディスプレイデバイス40は、ハウジング41を含み、それの中に少なくとも部分的に密閉された追加の構成要素を含むことができる。たとえば、ディスプレイデバイス40は、トランシーバ47に結合されたアンテナ43を含むネットワークインターフェース27を含む。トランシーバ47はプロセッサ21に接続され、プロセッサ21は調整ハードウェア52に接続される。調整ハードウェア52は、信号を調整する(たとえば、信号をフィルタ処理する)ように構成され得る。調整ハードウェア52は、スピーカー45およびマイクロフォン46に接続される。プロセッサ21は、入力デバイス48およびドライバコントローラ29にも接続される。ドライバコントローラ29は、フレームバッファ28に、およびアレイドライバ22に結合され、アレイドライバ22は次にディスプレイアレイ30に結合される。電源50が、特定のディスプレイデバイス40設計によって必要とされるすべての構成要素に電力を与えることができる。
【0024】
ネットワークインターフェース27は、ディスプレイデバイス40がネットワークを介して1つまたは複数のデバイスと通信することができるように、アンテナ43とトランシーバ47とを含む。ネットワークインターフェース27はまた、たとえば、プロセッサ21のデータ処理要件を軽減するための、何らかの処理能力を有し得る。アンテナ43は信号を送信および受信することができる。いくつかの実装形態では、アンテナ43は、IEEE16.11(a)、(b)、または(g)を含むIEEE16.11規格、あるいはIEEE802.11a、b、gまたはnを含むIEEE802.11規格に従って、RF信号を送信および受信する。いくつかの他の実装形態では、アンテナ43は、BLUETOOTH規格に従ってRF信号を送信および受信する。セルラー電話の場合、アンテナ43は、3Gまたは4G技術を利用するシステムなどのワイヤレスネットワーク内で通信するために使用される、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、モバイル通信のためのグローバルシステム(GSM(登録商標):Global System for Mobile communications)、GSM/ジェネラル・パケット・ラジオ・サービスGSM/General Packet Radio Service(GPRS:GSM/General Packet Radio Service)、発展型データGSM環境(EDGE:Enhanced Data GSM Environment)、テレストリアル・トランクド・ラジオ(TETRA:Terrestrial Trunked Radio)、広帯域CDMA(W−CDMA)、エボリューション・データ・オプティマイズド(EV−DO:Evolution Data Optimized)、1xEV−DO、EV−DO Rev A、EV−DO Rev B、高速パケットアクセス(HSPA)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、発展型高速パケットアクセス(HSPA+)、ロングターム・エボリューション(LTE:Long Term Evolution)、AMPS、または他の知られている信号を受信するように設計される。トランシーバ47は、アンテナ43から受信された信号がプロセッサ21によって受信され、プロセッサ21によってさらに操作され得るように、その信号を前処理することができる。トランシーバ47はまた、プロセッサ21から受信された信号がアンテナ43を介してディスプレイデバイス40から送信され得るように、その信号を処理することができる。
【0025】
いくつかの実装形態では、トランシーバ47は受信機によって置き換えられ得る。さらに、ネットワークインターフェース27は、プロセッサ21に送られるべき画像データを記憶または生成することができる画像ソースによって置き換えられ得る。プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の全体的な動作を制御することができる。プロセッサ21は、ネットワークインターフェース27または画像ソースから圧縮された画像データなどのデータを受信し、そのデータを生画像データに、または生画像データに容易に処理されるフォーマットに、処理する。プロセッサ21は、処理されたデータをドライバコントローラ29に、または記憶のためにフレームバッファ28に送ることができる。生データは、一般に、画像内の各ロケーションにおける画像特性を識別する情報を指す。たとえば、そのような画像特性は、色、飽和、およびグレースケールレベルを含むことができる。
【0026】
プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPU、または論理ユニットを含むことができる。調整ハードウェア52は、スピーカー45に信号を送信するための、およびマイクロフォン46から信号を受信するための、増幅器およびフィルタを含み得る。調整ハードウェア52は、ディスプレイデバイス40内の個別構成要素であり得、あるいはプロセッサ21または他の構成要素内に組み込まれ得る。
【0027】
ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された生画像データをプロセッサ21から直接、またはフレームバッファ28から取ることができ、アレイドライバ22への高速送信のために適宜に生画像データを再フォーマットすることができる。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29は、生画像データを、ラスタ様フォーマットを有するデータフローに再フォーマットすることができ、その結果、そのデータフローは、ディスプレイアレイ30にわたって走査するのに好適な時間順序を有する。次いで、ドライバコントローラ29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22に送る。LCDコントローラなどのドライバコントローラ29は、しばしば、スタンドアロン集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21に関連付けられるが、そのようなコントローラは多くの方法で実装され得る。たとえば、コントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ21中に埋め込まれるか、ソフトウェアとしてプロセッサ21中に埋め込まれるか、またはハードウェアにおいてアレイドライバ22と完全に一体化され得る。
【0028】
アレイドライバ22は、ドライバコントローラ29からフォーマットされた情報を受信することができ、ビデオデータを波形の並列セットに再フォーマットすることができ、波形の並列セットは、ディスプレイのピクセルのx−y行列から来る、数百の、および時には数千の(またはより多くの)リード線に毎秒何回も適用される。
【0029】
いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22、およびディスプレイアレイ30は、本明細書で説明するディスプレイのタイプのうちのいずれにも適している。たとえば、ドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラまたは双安定ディスプレイコントローラ(たとえば、IMODコントローラ)であり得る。さらに、アレイドライバ22は、従来のドライバまたは双安定ディスプレイドライバ(たとえば、IMODディスプレイドライバ)であり得る。その上、ディスプレイアレイ30は、従来のディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイ(たとえば、IMODのアレイを含むディスプレイ)であり得る。いくつかの実装形態では、ドライバコントローラ29はアレイドライバ22と一体化され得る。そのような実装形態は、セルラーフォン、ウォッチおよび他の小面積ディスプレイなどの高集積システムでは一般的である。
【0030】
いくつかの実装形態では、入力デバイス48は、たとえば、ユーザがディスプレイデバイス40の動作を制御することを可能にするように、構成され得る。入力デバイス48は、QWERTYキーボードまたは電話キーパッドなどのキーパッド、ボタン、スイッチ、ロッカー、タッチセンシティブスクリーン、あるいは感圧膜または感熱膜を含むことができる。マイクロフォン46は、ディスプレイデバイス40のための入力デバイスとして構成され得る。いくつかの実装形態では、ディスプレイデバイス40の動作を制御するために、マイクロフォン46を介したボイスコマンドが使用され得る。
【0031】
電源50は、当技術分野でよく知られている様々なエネルギー蓄積デバイスを含むことができる。たとえば、電源50は、ニッケルカドミウムバッテリーまたはリチウムイオンバッテリーなどの充電式バッテリーであり得る。電源50はまた、再生可能エネルギー源、キャパシタ、あるいはプラスチック太陽電池または太陽電池塗料を含む太陽電池であり得る。電源50はまた、壁コンセントから電力を受け取るように構成され得る。
【0032】
いくつかの実装形態では、制御プログラマビリティがドライバコントローラ29中に存在し、これは電子ディスプレイシステム中のいくつかの場所に配置され得る。いくつかの他の実装形態では、制御プログラマビリティがアレイドライバ22中に存在する。上記で説明した最適化は、任意の数のハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素において、ならびに様々な構成において実装され得る。
【0033】
図2Aおよび図2Bは、金属層と圧電層とを含むMEMSデバイスの機構の断面図の例を示している。機構201は、図2Aに示すように順に積み重ねられた金属層202と、第1の誘電体層204と、第1の電極層206と、圧電層208と、第2の電極層210と、第2の誘電体層212とを含む。金属層202の上部に第1の誘電体層204が配設される。第1の誘電体層204の上部に第1の電極層206が配設される。第1の電極層206の上部に圧電層208が配設される。圧電層208の上部に第2の電極層210が配設される。第2の電極層210の上部に第2の誘電体層212が配設される。いくつかの実装形態では、金属層202の厚さは、第1の誘電体層204と、第1の電極層206と、圧電層208と、第2の電極層210と、第2の誘電体層212とを合わせた厚さを上回る。金属層202の厚さが他の層を合わせた厚さを上回ることで、いくつかの実装形態では他の層よりも高密度である金属層202は、質量が比較的大きいプルーフマスをもたらす。厚い金属層202はまた、いくつかの実装形態では高Q値(すなわちQファクタ)共振器の一部を形成する。高Q値共振器は、低Q値共振器よりも小さい周波数範囲で発振し、低Qファクタ共振器よりも安定している。
【0034】
いくつかの実装形態では、金属層は約1.5mm×1.5mm以下のエリアをカバーする。金属層は、正方形、長方形、多角形または他の形であり得る。MEMSデバイスの機構201の一部である金属層のエリアは、金属層202のエリア全体の一部分であり得る。機構201の一部である金属層202のエリアは、後述する製作プロセスによって定義される。
【0035】
金属層202は、加速度計またはジャイロスコープなどのMEMSデバイスのプルーフマスとしての役割を果たす。金属層202は、いくつかの異なる金属のうちの1つまたは複数、およびそれらの組合せを含むことができる。金属層202は、金属層が振動しているか、あるいは動いているMEMSデバイス内の構成要素の一部であるとき、MEMSデバイスの動作に干渉するような形で曲がったり、破損したり、変形したりすることのないような適切な機械的性質(たとえば、モジュラス、耐力強度、疲労強度、機械的粘度、およびクリープ抵抗)を有する金属を含む。たとえば、様々な実装形態では、金属層の金属はニッケル、ニッケルとマンガンとの合金、またはニッケルとコバルトとの合金である。いくつかの実装形態では、ニッケルの代わりにニッケル合金が、ニッケル合金の機械的性質の方が良好であることから、使用される。ニッケルおよびニッケルベースの合金はシリコンの密度の数倍の密度を有し、これらの合金の金属プルーフマスは大きい質量を、同じ質量のシリコンのプルーフマスによって占められる場合よりも小さい体積でもたらす。いくつかの実装形態では、金属層はアルミニウムまたは銅を含む。金属層に他の金属を使用してもよい。金属の密度が高くなると、より小さい金属でより大きいプルーフマスがもたらされる。いくつかの実装形態では、金属層は約5〜25マイクロメートルの範囲内の厚さを有する。いくつかの他の実装形態では、金属層は約5マイクロメートルを上回る厚さを有する。
【0036】
金属層202の上部にある第1の誘電体層204は、絶縁体としての役割を果たす。第2の電極層210の上部にある第2の誘電体層212も、絶縁体としての役割を果たす。誘電体層は、いくつかの異なる材料、およびそれらの組合せを含むことができる。たとえば、様々な実装形態では、誘電体層はシリコン酸化物を含む酸化物、低応力窒化物、または任意の他の適切な材料である。いくつかの実装形態では、第1の誘電体層および第2の誘電体層はそれぞれ約100〜300ナノメートルの厚さの範囲内にある。
【0037】
第1の電極層206および第2の電極層210は、図3に関連して後述するように、圧電層208にわたって電界を印加する役割、または圧電層208によって生成された電界を感知する役割のうちのいずれかを果たす。機構201がMEMSジャイロスコープデバイスの圧電駆動部品の一部であるとき、第1の電極層206および第2の電極層210は、圧電層208にわたって電界を印加する役割を果たす。駆動部品は、プルーフマスを振動させる構成要素である。機構201がMEMSジャイロスコープデバイスの圧電感知部品の一部であるとき、第1の電極層206および第2の電極層210は、圧電層208によって生成された電界を測定する役割を果たす。感知部品は、MEMSデバイス内のプルーフマスの面外運動を測定する構成要素である。電界の印加と電界の感知の両方のための第1の電極層206および第2の電極層210の構成は、いくつかの実装形態では同様である。
【0038】
MEMSデバイス内の機構201のいくつかの実装形態では、単一の金属層が、駆動部品としての役割を果たす2つの関連する電極層および圧電層と、感知部品としての役割を果たす2つの追加の関連する電極層および追加の圧電層とを有する。たとえば、いくつかの実装形態は、大きい表面積を有する金属層202を含むことができる。金属層202のいくつかの領域には、駆動部品として動作する図2Aに示すような層204〜212を含む機構があり得る。金属層の他の領域には、感知部品として動作する図2Aに示すような層204〜212を含むさらなる機構があり得る。たとえば、金属層は、金属層の同じ側に配設された、駆動部品として動作する複数の機構と感知部品として動作する複数の機構とを含むことができる。別の例では、金属層は、金属層の一方の側に配設された駆動部品として動作する複数の機構と、金属層の他方の側に配設された感知部品として動作する複数の機構とを含むことができる。
【0039】
MEMSデバイス内の機構201のいくつかの他の実装形態では、第1の金属層が、駆動部品として動作する図2Aに示すような2つの関連する電極層206および210と圧電層208とを有する。MEMSデバイスはまた、感知部品として動作する図2Aに示すような2つの関連する電極層206および210と圧電層208とを有する第2の金属層を含む。第1の金属層および第2の金属層は、MEMSデバイス内の同じ面で並列に位置し得る。この実装形態では、第1の金属層および第2の金属層が同じ面で並列に位置しており、第1の金属層および第2の金属層は機械的たわみにより結合され得る。たとえば、機械的たわみにより、第1の金属層の端を第2の金属層の端につなげることができる。いくつかの実装形態では、機械的たわみは、弾力的に変形できる材料のビームであり、それによりMEMSデバイス内の2つの金属層が、互いに対して第1および第2の金属層の面内と第1および第2の金属層の面外の両方を移動することができる。機械的たわみは、第1の金属層または第2の金属層と同じ厚さであってよく、第1の金属層または第2の金属層と同じ金属であってよい。
【0040】
感知部品の一部である機構のいくつかの実装形態では、電極206および210ならびに圧電層208は、圧電層で大きい歪み(strain)が生じると予想されるMEMSデバイスの領域に位置し得る。そのような領域は、たとえばビームであり得る。圧電層における大きい歪みは、電極によって測定される大きい電界をもたらす。いくつかの実装形態では、圧電層は、圧電層における歪みを均一に分散するために寸法を徐々に縮小している。
【0041】
駆動部品の一部である機構のいくつかの実装形態では、電極206および210ならびに圧電層208は、MEMSデバイスにおける機械的つるし線(mechanical suspension)内のビームに位置し得る。電極および圧電層は、プルーフマスに振動させる大きいモーメントアームを圧電層が生じさることができるように位置し得る。
【0042】
いくつかの実装形態では、MEMSデバイス内の(1つまたは複数の)プルーフマスの厚さは、出力信号の振幅を拡大するために変わり得る。たとえば、MEMSデバイス内の駆動部品の一部である機構が、線形加速または角回転に対するMEMSデバイスの反応性を高めるために感知部品の一部である機構よりも厚い金属層を有し得る。
【0043】
第1の電極層206および第2の電極層210は、いくつかの異なる金属のうちの1つまたは複数、およびそれらの組合せを含むことができる。たとえば、様々な実装形態では、電極層はルテニウム、タングステン、白金、モリブデン、アルミニウム、チタン、および/または金である。いくつかの実装形態では、第1の電極層206および第2の電極層210はそれぞれ約100〜300ナノメートルの厚さの範囲内にある。
【0044】
圧電層208は、いくつかの異なる圧電材料を含むことができる。たとえば、様々な実装形態では、圧電層208は、窒化アルミニウム、ジルコン酸チタン酸鉛、ガリウムヒ素、および/または酸化亜鉛である。いくつかの他の実装形態では、水晶、ニオブ酸リチウム、および/またはタンタル酸リチウムを含む単結晶材料が圧電層208に使用される。圧電層208が窒化アルミニウムである実装形態では、電極層は白金、モリブデン、タングステン、またはアルミニウムであり得る。圧電層は、圧電層における歪みをもたらす加えられる機械的力に反応して電界を生成する。一方で、圧電層は印加電界に反応して機械的力を生成する、すなわち、圧電層は印加電圧に反応して拡大、縮小する。
【0045】
いくつかの実装形態では、圧電層は約0.5〜3マイクロメートルの厚さの範囲内にある。また、いくつかの実装形態では、圧電シード層が結晶配向性を有し、その2乗平均粗さは約1ナノメートルを下回る。圧電シード層の低い表面粗さは、窒化アルミニウム層における高度の結晶性をもたらし、これは窒化アルミニウムの良好な圧電特性に対応する。いくつかの実装形態では、窒化アルミニウム結晶は、電極層に直角な結晶c軸を有する。いくつかの他の実装形態では、窒化アルミニウム結晶は、電極層に対して平行な結晶c軸を有する。この機構がジャイロスコープまたは加速度計MEMSデバイスの一部であるとき、圧電層の圧電係数および損失正接は考慮すべき性質である。
【0046】
本明細書で開示する機構は、下記のように様々な技法を使用して層を形成および/または堆積することによって製作され得る。たとえば、いくつかの実装形態では、機構201を製作することは、金属層202を形成することと、金属層202上に第1の誘電体層204を形成することと、第1の誘電体層204上に第1の電極層206を形成することと、第1の電極層206上に圧電層208を形成することと、圧電層208上に第2の電極層210を形成することと、第2の電極層210上に第2の誘電体層212を形成することとを含む。
【0047】
図2Bは、金属層と圧電層とを含むMEMSデバイスの機構の断面図の例を示している。機構251は、第1の誘電体層252と、第1の電極層254と、圧電層256と、第2の電極層258と、第2の誘電体層260と、金属層262とを含む。図2Bの機構251における層の順序が図2Aの機構201と比較して反対であること、すなわち、図2Bに示すように、誘電体層252が金属層202の代わりに一番下にあることを除いて、図2B図2Aと同様である。機構251における誘電体層、電極層、圧電層、および金属層は、機構201における誘電体層、電極層、圧電層、および金属層と同様または同一であり得る。本明細書で開示する機構は、様々な技法を使用して層を形成および/または堆積することによって製作されてよく、層を形成および/または堆積するための様々な技法については、以下でさらに説明する。たとえば、いくつかの実装形態では、機構251を製作することは、第1の誘電体層252を形成することと、第1の誘電体層252上に第1の電極層254を形成することと、第1の電極層254上に圧電層256を形成することと、圧電層256上に第2の電極層258を形成することと、第2の電極層258上に第2の誘電体層260を形成することと、第2の誘電体層260上に金属層262を形成することとを含む。
【0048】
図2Cは、図2Bに示す機構を組み込んだMEMSデバイスを上から見た概略図の例を示している。図2Cでは、MEMSデバイスはMEMSジャイロスコープデバイス271である。MEMSジャイロスコープデバイス271は、金属層262と、下にある2つの駆動機構276および277と、下にある2つの感知機構274および275と、下にある2つのアンカー機構278および279とを含む。金属層262は、以下でさらに説明する側壁283、285、287および289を有する。駆動機構276および277ならびに感知機構274および275はすべて、機構251を含む。アンカー機構278および279によって(図2Dに示す)下にある基板に取り付けられていない金属層262の部分は、2つの駆動機構276および277の圧電層によって生成された機械的力により図2Cのページの面で振動するように構成される。たとえば、下にある基板に取り付けられていない金属層262の部分は、このページの面で左右に、このページの面で上下に、またはこのページの面に直角な軸の周りで振動することができる。アンカー機構278および279によって下にある基板に取り付けられていない金属層262の部分はまた、図2Cのページの面から外に移動するように構成可能であり、2つの感知機構274および275の圧電層は、この面外運動により圧電材料で引き起こされた歪みにより電圧を生成することができる。いくつかの実装形態では、金属層262は機械的たわみによりアンカー機構278および279に結合される。いくつかの実装形態では、機械的たわみは、金属層262が移動または振動できるように弾力的に変形できる材料のビームである。機械的たわみは、(1つまたは複数の)金属層を含むことができる。いくつかの実装形態では、感知部品からの電気信号または駆動部品への電気信号は、アンカーを通じて通信され得る。いくつかの他の実装形態では、電気信号はワイヤボンドを通じて、または他のルーティング手段を通じて通信される。
【0049】
いくつかの実装形態では、駆動機構または感知機構は、1辺が約数百マイクロメートル以上である。駆動機構または感知機構は、たとえば長方形、多角形、円錐曲線を含むいくつかの異なる形状であり得る。いくつかの実装形態では、駆動機構または感知機構は、MEMSデバイスにおける機械的つるし線のビームの寸法に適合し、かかるビームに位置することができる。
【0050】
図2Dは、図2CのMEMSデバイスの断面図の例を示している。すなわち、図2D図2Cの線1〜1によるMEMSジャイロスコープデバイス271の側面図である。MEMSジャイロスコープデバイス271のこの図では、金属層262、アンカー機構278および279、駆動機構276および277、ならびに基板281が示されている。駆動機構276および277の各々は、機構251を含む。MEMSジャイロスコープデバイスのさらなる説明については、その全体が参照により本明細書に組み込まれるCenk AcarおよびAndrei Shkeiによる「MEMS Vibratory Gyroscopes:Structural Approaches to Improve Robustness」(Springer、第2版、2008年10月23日)を参照されたい。
【0051】
圧電駆動機構276および277は、たとえば図2Dのページの面内および面外に、または図2Dで左から右に、金属層262の面内運動を起こすように設計され得る。圧電駆動機構はまた、たとえば図2Dで上および下に、金属層262の面外運動を起こすように設計され得る。圧電駆動機構は金属層の面内運動および面外運動を起こすことができ、y軸とx軸の両方のMEMSジャイロスコープデバイスが構成され得る。
【0052】
いくつかの実装形態では、金属層262の側壁283および285は決められた形状を有する。たとえば、側壁283および285は基板281に直角であり得る。いくつかの実装形態では、側壁283および285は対称的である。すなわち、側壁283および285の方位は互いの鏡像であってよく、たとえば、側壁283が基板281に直角であるとき、側壁285も基板281に直角であってよい。別の例として、側壁283が曲がった表面を有する場合、側壁285は同じ輪郭を有してよく、側壁283の鏡像であってよい。いくつかの実装形態では、金属層262の側壁287および289は、側壁283および285と同様の相対方位を有してよい、すなわち、側壁287および289は、基板281に直角であってよい、または側壁287および289は対称的であってよい(すなわち、壁287および289の方位は互いの鏡像であり得る)。いくつかの実装形態では、金属層262の側壁283、285、287および289の形状は、MEMSデバイスが動作中であるときの直交誤差を減らすように指定される。金属層262の側壁283、285、287および289の形状は、図6に関して説明する製作プロセスで制御され得る。
【0053】
図3は、駆動機構として機能する圧電層および感知機構として機能する圧電層の断面図の例を示している。302において、電極206と電極210との間でz方向に電界304が印加されたとき、圧電層208においてx方向に歪み306が生成される。312において、曲げのために圧電層208において歪み314が引き起こされたとき、電極206と電極210との間で電界316が生成される。歪み314は、x方向における歪みの成分を表す。電界316は、電界の垂直成分を表す。318は、圧電層208の厚さによる位置に応じた歪み314の大きさを示しており、電極206に近い歪みは電極210に近い歪みよりも小さい。電界成分320は、圧電層208の厚さによる電界の垂直成分の大きさを示しており、電極206に近い電界は電極210に近い電界よりも小さい。
【0054】
図4は、金属層と圧電層とを含むMEMSデバイスの機構の断面図の例を示している。図4の機構は、層の厚さを通じて(すなわち、水平方向で)対称的である。機構401は機構201と同様であるが、追加として第2の金属層402が第2の電極層212上に配設されており、第2のプルーフマスとしての役割を果たす。第2の金属層402は、金属層202と同じ金属を含むことができ、形状的に金属層202と同様の様式で構成され得る。
【0055】
いくつかの実装形態では、第2の金属層402は形状的に金属層202と比較して異なる様式で構成され、振動の寄生モードを抑制するように、圧電層によって生成される信号を増やすために(1つまたは複数の)プルーフマスを厚くすることによって機械的たわみのビームにおける適合性を高めるように、あるいは(1つまたは複数の)プルーフマスを厚くすることによってプルーフマスへの運動量移動を増やすように構成される。
【0056】
第2の金属層402が金属層202と同じ質量および質量分布を有する実装形態では、機構401は、点線406によって示される機構の断面図に沿った中立軸により実質的に対称的である。MEMSジャイロスコープデバイスのそのような機構が振動するように駆動するとき、層の対称性により、得られる振動運動は、MEMSジャイロスコープデバイスにおける角回転として感知される面外運動に導かない。
【0057】
図5は、金属層と圧電層とを含むMEMSデバイスの機構の断面図の例を示している。機構501は、プルーフマスとしての役割を果たす金属層202と、第1の誘電体層204と、第1の電極層206と、圧電層208と、第2の電極層210と、第2の圧電層502と、第3の電極層504と、第2の誘電体層506とを含む。金属層202上に第1の誘電体層204が配設される。第1の誘電体層204上に第1の電極層206が配設される。第1の電極層206上に第1の圧電層208が配設される。圧電層208上に第2の電極層210が配設される。第2の電極層210上に第2の圧電層502が配設される。第2の圧電層502上に第3の電極層504が配設される。第3の電極層504上に第2の誘電体層506が配設される。機構501における追加の層、すなわち第2の圧電層502、第3の電極層504、および第2の誘電体層506は、この機構における他の圧電層、電極層、および誘電体層と同様または同一であり得る。
【0058】
圧電材料は、引張り時に1つの極性を有する電界を生成し、圧縮時に反対の極性を有する電界を生成する。したがって、機構501がMEMSジャイロスコープデバイスの圧電感知部品の一部であるとき、2つの圧電層は、差動信号を生成して、プルーフマスの面外運動の感知精度を高めるように構成され得る。たとえば、機構501を含むMEMSジャイロスコープデバイスの動作中、第1の圧電層208が引っ張られているときに、第2の圧電層502を圧縮して、差動信号を生成することができる。
【0059】
いくつかの実装形態では、機構501は、第2のプルーフマスとしての役割を果たす第2の金属層512を含む。第2の圧電層506上に第2の金属層512が配設される。いくつかの実装形態では、第2の金属層512を追加することで、機構501は、機構401と同様に、点線510よって示される中立軸により層の厚さを通じて対称的となり得る。
【0060】
機構のさらなる実装形態も可能である。たとえば、機構は金属層と、金属層の上部および下部にある誘電体層、電極層、および圧電層とを含むことができる。そのような機構は、MEMSデバイスのようなデバイスの感知部品または駆動部品として使用され得る。いくつかの実装形態では、そのような機構は対称的であってよく、かかる機構は、駆動部品として構成されるときに生成される力を増大させて、金属層の振動における振幅を大きくすることができる。感知部品として構成されるとき、そのような機構は、より大きい電気信号を生成することができる。
【0061】
MEMSデバイスは、本明細書で開示する任意の機構を組み込むことができる。いくつかの実装形態では、機構は、デバイスの感知部品または駆動部品のいずれかとしての役割を果たすことができる。1つまたは複数の機構が駆動部品としての役割を果たすいくつかの実装形態では、さらなる機構のうちの1つは、感知部品としての役割を果たすこともできる。MEMSジャイロスコープデバイスによっては、駆動部品は、それが振動するようにプルーフマスを駆動する役割を果たす。MEMSジャイロスコープデバイスによっては、感知部品は、振動プルーフマスの面内運動または面外運動を感知する役割を果たす。たとえば、y軸MEMSジャイロスコープデバイスは、面内でプルーフマスを駆動する駆動部品と、振動プルーフマスの面外運動を感知する感知部品とを有し得る。代替的に、y軸MEMSジャイロスコープデバイスは、面外でプルーフマスを駆動する駆動部品と、振動プルーフマスの面内運動を感知する感知部品とを有し得る。z軸MEMSジャイロスコープデバイスは、面内でプルーフマスを駆動する駆動部品と、振動プルーフマスの面内運動を感知する感知部品とを有し得る。
【0062】
いくつかの実装形態では、MEMSジャイロスコープデバイスの駆動周波数および感知周波数が、数百ヘルツずらされ得る。MEMSジャイロスコープデバイスのいくつかの実装形態では、1つまたは複数の機構が駆動部品としての役割を果たし、静電容量端子が感知部品としての役割を果たす。たとえば、y軸MEMSジャイロスコープデバイスの一実装形態では、プルーフマスとしての役割を果たす金属層および金属層の下にある基板上の平面金属電極によって静電容量端子が形成される。別の例では、z軸MEMSジャイロスコープデバイスにおいて、静電容量端子は、MEMSジャイロスコープデバイスの周囲に側方交互嵌合またはギャップ解消キャパシタ(lateral interdigitated or closing-gap capacitor)によって形成される。当業者は、そのような側方交互嵌合またはギャップ解消キャパシタを容易に認識しよう。感知部品として静電容量端末を使用する実装形態では、駆動周波数からかけ離れた周波数におけるキャリア信号により電極容量の変化を測定し、制御回路を単純化することによって、MEMSジャイロスコープデバイスにおいて角回転が検出され得る。たとえば、電極容量の変化は、メガヘルツ程度の周波数におけるキャリア信号により測定され得る。そのような静電トランスデューサを能動的直交補正に使用してもよく、この場合、フィードバックループが感知フレームと直交信号との結合の量を減らす。
【0063】
金属プルーフマスは、本明細書で開示するMEMSジャイロスコープデバイスにおける直交誤差と偏り誤差の両方を減らすことができる。金属プルーフマスは、MEMSジャイロスコープデバイスの感度を高めることもでき、いくつかの実装形態では、プルーフマスの金属および金属合金は、シリコンの密度の数倍の密度を有し、所与の角回転速度におけるプルーフマスの面外運動を増大させる。
【0064】
図6は、金属層と圧電層とを含むMEMSデバイスの機構を形成する方法を示すフロー図の例を示している。以下に示す方法601は、図2Bの機構251を形成するための動作を含む。方法601の動作を結合および/または再構成して、本明細書で開示する機構のいずれかを形成できることに留意されたい。また、下記のような様々な層のパターニングおよびエッチングを実行して、MEMSデバイスの様々な領域における層の様々なパターンを実現できることにも留意されたい。上述のように、MEMSデバイスのいくつかの実装形態では、MEMSデバイスの機構の一部である金属層のエリアは、金属層によってカバーされるエリア全体の一部分であり得る。誘電体層は電極層を絶縁する役割を部分的に果たし、電極層は電圧を圧電層に印加する役割または圧電層からの電圧を感知する役割を部分的に果たす。圧電層を含まない金属層の部分において、他の層(すなわち、誘電体層および電極層)は、金属層のこれらの部分に関連付けられないことがあり、MEMSデバイスの機構の一部である金属層の部分は、パターニングおよびエッチングの動作で定義される。
【0065】
いくつかの実装形態では、機構は基板上に形成されるか、または基板に関連付けられる。いくつかの実装形態では、基板はシリコンウェハである。さらなる実装形態では、基板はフラットパネルのガラス基板である。方法601の動作は約400℃までの室温の範囲で実行できる(たとえば、本方法のプロセスは400℃以下で実行される)ので、方法601はフラットパネルディスプレイのガラス技術に適合する。
【0066】
ブロック602において、基板上に犠牲層が形成される。基板上に犠牲層を形成する前に、基板上にクロムまたは金のメタライゼーションが堆積され得る。基板上にクロムまたは金のメタライゼーションが堆積されるとき、クロムまたは金のメタライゼーションを覆うためにクロムまたは金のメタライゼーション上に酸化物が堆積され得る。いくつかの実装形態では、クロムまたは金のメタライゼーションは、MEMSデバイスにおける第1の電極および第2の電極のための電気接触点としての役割を果たす。
【0067】
いくつかの実装形態では、犠牲層として銅層が使用される。銅層を基板上にスパッタリングし、蒸着させ、または電気めっき処理することができる。様々な実装形態では、銅層は約0.1〜20マイクロメートルの厚さの範囲内にある。いくつかの実装形態では、犠牲層としてアルミニウム層が使用される。アルミニウム層を基板上にスパッタリングし、または蒸着させることができる。様々な実装形態では、アルミニウム層は約0.1〜10マイクロメートルの厚さの範囲内にある。さらなる実装形態では、犠牲層としてモリブデン層またはアモルファスシリコン層が使用される。モリブデン層またはアモルファスシリコン層を基板上にスパッタリングし、または蒸着させることができる。様々な実装形態では、モリブデン層またはアモルファスシリコン層は約0.1〜10マイクロメートルの厚さの範囲内にある。
【0068】
いくつかの実装形態では、次いで犠牲層はパターニングされ、エッチングされる。犠牲層は、当業者に知られているように集積回路の製造で使用されるフォトレジストでパターニングされ、次いでエッチングされ得る。銅はウェットエッチングプロセスにより、過酸化水素および酸性ベースのエッチャントを使用するか、またはアンモニアナトリウム過硫酸溶液を使用してエッチングされ得る。アルミニウムはウェットエッチングプロセスにより、アルカリ性ベースのエッチャントを使用してエッチングされ得る。アルカリ性ベースのエッチャントは、たとえば水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムを含む。モリブデンまたはアモルファスシリコンはドライ反応性エッチングプロセスにより、フッ素ベースのプラズマを使用してエッチングされ得る。
【0069】
ブロック604において、犠牲層上に第1の誘電体層252が形成される。いくつかの実装形態では、酸化物、低応力窒化物、または他の適切な材料からなる第1の誘電体層252は、スパッタリングプロセス、化学蒸着プロセス、プラズマ強化化学蒸着プロセス、または物理蒸着プロセスにより形成される。いくつかの他の実装形態では、シリコン酸化物の第1の誘電体層は、シリコン層を堆積し、その後にシリコン層を酸化させることによって形成される。いくつかの実装形態では、次いで第1の誘電体層252はパターニングされ、エッチングされる。第1の誘電体層は、いくつかの実装形態では、当業者に知られているように集積回路の製造で使用されるプロセスを使用してパターニングされ、エッチングされ得る。
【0070】
ブロック606において、第1の誘電体層252上に第1の電極層254が形成される。いくつかの実装形態では、ルテニウム、タングステン、白金、モリブデン、アルミニウム、チタン、金、または他の適切な材料からなる第1の電極層254が、スパッタリングプロセス、電子ビーム蒸着プロセス、または蒸着プロセスにより形成される。いくつかの実装形態では、次いで第1の電極層254はパターニングされ、エッチングされる。第1の電極層254は、当業者に知られているように集積回路の製造で使用されるプロセスを使用してパターニングされ、エッチングされ得る。
【0071】
ブロック608において、第1の電極層254上に圧電層256が形成される。いくつかの実装形態では、圧電層256は、反応性イオンスパッタリングプロセスまたは直流電流(DC)スパッタリングプロセスにより形成される窒化アルミニウム、ジルコン酸チタン酸鉛、ガリウムヒ素、酸化亜鉛、または他の適切な材料を含むことができる。圧電層が窒化アルミニウムであるとき、これらのプロセスはいずれも、基板の面に直交する001c軸の配向性を有する層に窒化アルミニウムを生成することができる。いくつかの実装形態では、この結晶配向性を有することは、上述のように良好な圧電特性を有する窒化アルミニウム層を形成する際に重要である。いくつかの実装形態では、次いで圧電層256はパターニングされ、エッチングされる。圧電層256は、当業者に知られているように集積回路の製造で使用されるプロセスを使用してパターニングされ、エッチングされ得る。
【0072】
いくつかの実装形態では、特に窒化アルミニウムが圧電層256に使用されるとき、圧電が形成される電極が低い表面粗さを有することが望ましい。圧電層が第1の電極層上に形成される方法601において、これは、基板、犠牲層、第1の誘電体層、および第1の電極層がすべて低い表面粗さを有することを意味する。これを達成するために、表面粗さをほとんど生じさせないプロセスにより層が形成され得るが、その理由は、第1の電極層の粗さが下位層の影響を受けることにある。
【0073】
ブロック610において、圧電層256上に第2の電極層258が形成される。第2の電極層258は、第1の電極層254を形成するために使用されるプロセスと同様のプロセスにより形成され得る。第2の電極層は、当業者に知られているように集積回路の製造で使用されるプロセスを使用してパターニングされ、エッチングされ得る。
【0074】
ブロック612において、第2の電極層258上に第2の誘電体層260が形成される。第2の誘電体層260は、第1の誘電体層を形成するために使用されるプロセスと同様のプロセスにより形成され得る。第2の誘電体層は、当業者に知られているように集積回路の製造で使用されるプロセスを使用してパターニングされ、エッチングされ得る。
【0075】
ブロック614において、第2の誘電体層260上に金属層262が形成される。金属層262は、たとえば、電気機械ジャイロスコープデバイスにおいてプルーフマスとして構成され得る。金属層262は、電気めっきプロセスまたはスパッタリングプロセスにより形成されるニッケル、ニッケルとマンガンとの合金、ニッケルとコバルトとの合金、または他の適切な材料を含むことができる。いくつかの実装形態では、金属層262および犠牲増は、下記のように犠牲層を除去しても金属層262は除去されないような性質を有する。たとえば、犠牲層を除去するために使用されるプロセスは金属層の全部または一部も除去する可能性があるので、銅が犠牲層に使用されるとき、銅は金属層262に使用されない。電気めっきプロセスにより金属層262が形成されるいくつかの実装形態では、シード層が必要とされる。シード層は第2の誘電体層上に形成され得る。いくつかの実装形態では、シード層は、電気めっきプロセスより前のスパッタリングプロセス、電子ビーム蒸着プロセス、または蒸着プロセスにより形成される。
【0076】
いくつかの実装形態では、金属層262が形成されることになる第2の誘電体層260上の領域を規定するためにフォトレジスト層が使用される。マイクロエレクトロニクス製作における電気めっきに使用されるフォトレジストが使用され得る。たとえば、KMPR高アスペクト比フォトレジスト(MicroChem Corporation、マサチューセッツ州ニュートン)が金属電気めっきに使用され得る。KMPRフォトレジストを使用して、実質的にまっすぐな側壁により厚さ約100マイクロメートル以下のフォトレジストの層を形成することができる。これは様々な電気めっきの化学作用に適合する。別の例として、SU−8の厚いフォトレジスト(MicroChem Corporation、マサチューセッツ州ニュートン)が金属電気めっきに使用され得る。SU−8フォトレジストを使用して、実質的にまっすぐな側壁により厚さ約100マイクロメートル以下のフォトレジストの層を形成することができる。これも様々な電気めっきの化学作用に適合する。さらなる例として、WBR2050フィルム型フォトレジスト(DuPont、デラウェア州ウィルミントン)が金属電気めっきに使用され得る。WBR2050フォトレジストがウエハまたは基板の上に積層して、実質的にまっすぐな側壁により厚さ約25〜50マイクロメートルの範囲のフォトレジストの層を形成することができる。
【0077】
いくつかの実装形態では、第2の誘電体層260の表面上にフォトレジストが形成され得る。第2の誘電体層260の表面上にフォトレジスト層を形成した後、フォトレジストを露光前ベークで高温にさらして、フォトレジストから余分なフォトレジスト溶剤を除去することができる。次いで、フォトレジスト層の部分が、適切な強さの光にさらされ得る。光は、フォトレジストがポジ型フォトレジストであるか、それともネガ型フォトレジストであるかに応じて、フォトレジストに影響を与える。ポジ型フォトレジストの場合、フォトレジストの露光部分が現像液で溶解し得る。反対に、ネガ型フォトレジストの場合、フォトレジストの非露光部分が現像液で溶解し得る。フォトレジストが光にさらされたとき、光強度、露光時間、焦点深度、およびいくつかの露光ステップを含むいくつかのパラメータが制御され得る。フォトレジストが光にさらされた後、フォトレジストは露光後ベークで高温にさらされ得る。次いで、フォトレジストが現象液を浴びて、フォトレジスト層の所望の部分を除去することができる。
【0078】
現象液によって除去されたフォトレジスト層の部分は、金属層262が形成され得る第2の誘電体層260の表面上の部分を規定する。露光前ベークおよび露光後ベークプロセス、光強度、露光時間、焦点深度、およびいくつかの露光ステップを含む光パラメータ、ならびにフォトレジストのタイプを調整して、金属層の所望の側壁形状を取得することができる。
【0079】
金属層がニッケルまたはニッケル合金であるいくつかの実装形態では、フォトレジストパターンが存在する場合にフォトレジストパターンにより第2の誘電体層上でニッケルまたはニッケル合金に電気めっきを施すことによって、プルーフマスが形成される。たとえば、Amerimade、Semitool、Nexx Systems、またはNovellusによるウエハまたは基板めっきツールが使用され得る。これらのツールでは、ウエハまたは基板は、ニッケル金属アノードによるめっき溶液内に浸されたカソードであり得る。ニッケル層のめっき処理に使用されるめっき溶液は、スルファミン酸ニッケルと、硫酸ニッケルと、塩化ニッケルと、サッカリンと、ホウ酸とを含むことができる。ニッケル合金の金属層にめっきを施す目的で、適切な金属塩がめっき溶液に追加される。たとえば、ニッケルコバルト合金に電気めっきを施すために、硫酸コバルトまたは塩化コバルトがめっき溶液に追加される。別の例として、ニッケルマンガン合金に電気めっきを施すために、塩化マンガンがめっき溶液に追加される。
【0080】
ブロック614において金属層262を形成した後、フォトレジストが存在する場合に任意のフォトレジストが除去される。フォトレジストは、当業者に知られているように集積回路の製造で使用されるプロセスを使用して除去される。たとえば、SU−8フォトレジストが存在する場合、このフォトレジストがドライ反応性イオンエッチングプロセスにより除去され得る。
【0081】
ブロック616において、犠牲層が除去される。犠牲層が銅層である場合、銅層はウェットエッチングプロセスにより、過酸化水素および酸性ベースのエッチャントを使用するか、またはアンモニアナトリウム過硫酸溶液を使用して除去され得る。これらのエッチャントは両方とも良好な銅除去率を示すが、ニッケルやニッケル合金をエッチングしない。犠牲層がアルミニウム層である場合、アルミニウム層はウェットエッチングプロセスにより、アルカリ性ベースのエッチャントを使用して除去され得る。アルカリ性ベースのエッチャントは良好なアルミニウム除去率を示すが、ニッケルやニッケル合金をエッチングしない。アルカリ性ベースのエッチャントの2つの例として、水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムがある。犠牲層がモリブデン層またはアモルファスシリコン層である場合、これらの層はドライ反応性エッチングプロセスにより、フッ素ベースのプラズマを使用して除去され得る。
【0082】
本開示で説明する実装形態への様々な修正は当業者には容易に明らかであり得、本明細書で定義した一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実装形態に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書で示した実装形態に限定されるものではなく、本開示と、本明細書で開示する原理および新規の特徴とに一致する、最も広い範囲を与られるべきである。「例示的」という単語は、本明細書ではもっぱら「例、事例、または例示の働きをすること」を意味するために使用される。本明細書に「例示的」と記載されたいかなる実施形態も、必ずしも他の実装形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。さらに、「上側」および「下側」という用語は、図の説明を簡単にするために時々使用され、適切に配向されたページ上の図の配向に対応する相対位置を示すが、実装されたIMODの適切な配向を反映しないことがあることを、当業者は容易に諒解されよう。
【0083】
また、別個の実装形態に関して本明細書で説明されたいくつかの特徴は、単一の実装形態において組合せで実装され得る。また、逆に、単一の実装形態に関して説明した様々な特徴は、複数の実装形態において別個に、あるいは任意の好適な部分組合せで実装され得る。その上、特徴は、いくつかの組合せで働くものとして上記で説明され、初めにそのように請求されることさえあるが、請求される組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によってはその組合せから削除され得、請求される組合せは、部分組合せ、または部分組合せの変形形態を対象とし得る。
【0084】
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が、示される特定の順序でまたは順番に実行されることを、あるいはすべての図示の動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきでない。さらに、図面は、流れ図の形態でもう1つの例示的なプロセスを概略的に示し得る。ただし、図示されていない他の動作が、概略的に示される例示的なプロセスに組み込まれ得る。たとえば、1つまたは複数の追加の動作が、図示の動作のうちのいずれかの前に、後に、同時に、またはそれの間で、実行され得る。いくつかの状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。その上、上記で説明した実装形態における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実装形態においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきでなく、説明するプログラム構成要素およびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品において互いに一体化されるか、または複数のソフトウェア製品にパッケージングされ得ることを理解されたい。さらに、他の実装形態が以下の特許請求の範囲内に入る。場合によっては、特許請求の範囲に記載の行為は、異なる順序で実行され、依然として望ましい結果を達成することができる。
【0085】
本明細書で開示する実装形態に関して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装され得る。ハードウェアとソフトウェアの互換性が、概して機能に関して説明され、上記で説明した様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路およびステップにおいて示された。そのような機能がハードウェアで実装されるか、ソフトウェアで実装されるかは、特定の適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。
【0086】
本明細書で開示する態様に関して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、および回路を実装するために使用される、ハードウェアおよびデータ処理装置は、汎用シングルチップまたはマルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、あるいは本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、あるいは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装され得る。いくつかの実装形態では、特定のステップおよび方法が、所与の機能に固有である回路によって実行され得る。
以下に本件出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]金属層と、
前記金属層上に配設された第1の誘電体層と、
前記第1の誘電体層上に配設された第1の電極層と、
電界または機械的力のうちの少なくとも1つに反応するように構成された、前記第1の電極層上に配設された圧電層と、
前記圧電層上に配設された第2の電極層であって、前記第1の電極層および前記第2の電極層は、前記圧電層にわたって前記電界を印加するように、または前記機械的力により前記圧電層によって生成された電界を感知するように構成された、第2の電極層と、
前記第2の電極層上に配設された第2の誘電体層と
を備える装置。
[2]前記金属層はプルーフマスとして構成された、[1]に記載の装置。
[3]前記第2の誘電体層上に配設された第2の金属層
をさらに備える、[1]または[2]に記載の装置。
[4]前記金属層の厚さは約5マイクロメートルを上回る、[1]から[3]のいずれかに記載の装置。
[5]前記圧電層の厚さは約0.5〜3マイクロメートルの範囲にある、[1]から[4]のいずれかに記載の装置。
[6]前記第1の電極層の厚さまたは前記第2の電極層の厚さのうちの少なくとも1つは約100〜300ナノメートルの範囲にある、[1]から[5]のいずれかに記載の装置。
[7]前記第1の誘電体層の厚さまたは前記第2の誘電体層の厚さのうちの少なくとも1つは約100〜300ナノメートルの範囲にある、[1]から[6]のいずれかに記載の装置。
[8]前記金属層の厚さは、前記第1の誘電体層と、前記第1の電極層と、前記圧電層と、前記第2の電極層と、前記第2の誘電体層とを合わせた厚さを上回る、[1]から[7]のいずれかに記載の装置。
[9]前記金属層はニッケル、ニッケルとマンガンとの合金、ニッケルとコバルトとの合金のうちの少なくとも1つを含む、[1]から[8]のいずれかに記載の装置。
[10]前記圧電層は窒化アルミニウムを含む、[1]から[9]のいずれかに記載の装置。
[11]前記第1の電極層および前記第2の電極層は、銅、白金、モリブデン、タングステン、ルテニウム、金およびアルミニウムからなるグループから選択された金属を含む、[1]から[10]のいずれかに記載の装置。
[12]前記第1の誘電体層および前記第2の誘電体層はシリコン酸化物を含む、[1]から[11]のいずれかに記載の装置。
[13]前記圧電層の2乗平均粗さは約1ナノメートルを下回る、[1]から[12]のいずれかに記載の装置。
[14]電気機械ジャイロスコープ装置であって、
前記電気機械ジャイロスコープ装置の駆動部品として構成された第1のデバイスを備え、前記第1のデバイスは、
金属層と、
前記金属層上に配設された第1の誘電体層と、
前記第1の誘電体層上に配設された第1の電極層と、
電界に反応するように構成された、前記第1の電極層上に配設された圧電層と、
前記圧電層上に配設された第2の電極層であって、前記第1の電極層および前記第2の電極層は前記圧電層にわたって電界を印加するように構成された、第2の電極層と、
前記第2の電極層上に配設された第2の誘電体層と
を備える、装置。
[15]前記電気機械ジャイロスコープ装置の感知部品として構成された第2のデバイスをさらに備え、前記第2のデバイスは、前記金属層と、前記第1の誘電体層と、前記第1の電極層と、前記圧電層と、前記第2の電極層と、前記第2の誘電体層とを含み、
前記圧電層は、機械的力に反応するようにさらに構成され、前記第1の電極層および前記第2の電極層は、前記機械的力により前記圧電層によって生成された電界を感知するようにさらに構成された、[14]に記載の装置。
[16]前記金属層はプルーフマスとして構成された、[14]または[15]に記載の装置。
[17]前記金属層の厚さは約5マイクロメートルを上回る、[14]から[16]のいずれかに記載の装置。
[18]前記金属層の厚さは、前記第1の誘電体層と、前記第1の電極層と、前記圧電層と、前記第2の電極層と、前記第2の誘電体層とを合わせた厚さを上回る、[14]から[17]のいずれかに記載の装置。
[19]金属層と、
前記金属層上に配設された第1の誘電体層と、
前記第1の誘電体層上に配設された第1の電極層と、
機械的力に反応するように構成された、前記第1の電極層上に配設された第1の圧電層と、
前記第1の圧電層上に配設された第2の電極層であって、前記第1の電極層および前記第2の電極層は、機械的力に反応して前記第1の圧電層によって生成された第1の電界を感知するように構成された、第2の電極層と、
機械的力に反応するように構成された、前記第2の電極層上に配設された第2の圧電層と、
前記第2の圧電層上に配設された第3の電極層であって、前記第2の電極層および前記第3の電極層は、前記機械的力に反応して前記第2の圧電層によって生成された第2の電界を感知するように構成され、前記感知された第1の電界と前記感知された第2の電界との組合せによって差動信号が提供されることが可能である、第3の電極層と、
前記第3の電極層上に配設された第2の誘電体層と
を備える、電気機械デバイスの装置。
[20]前記第2の誘電体層上に配設された第2の金属層
をさらに備える、[19]に記載の装置。
[21]前記金属層はプルーフマスとして構成された、[19]または[20]に記載の装置。
[22]前記金属層の厚さは約5マイクロメートルを上回る、[19]から[21]のいずれかに記載の装置。
[23]前記金属層の厚さは、前記第1の誘電体層と、前記第1の電極層と、前記圧電層と、前記第2の電極層と、前記第2の誘電体層とを合わせた厚さを上回る、[19]から[22]のいずれかに記載の装置。
[24]基板上に犠牲層を形成することと、
前記犠牲層上に第1の誘電体層を形成することと、
前記第1の誘電体層上に第1の電極層を形成することと、
前記第1の電極層上に圧電層を形成することと、
前記圧電層上に第2の電極層を形成することと、
前記第2の電極層に第2の誘電体層を形成することと、
前記第2の誘電体層上に金属層を形成することと
を備える方法。
[25]前記金属層はプルーフマスであるように構成された、[24]に記載の方法。
[26]前記金属層は電気めっきプロセスにより形成された、[24]または[25]に記載の方法。
[27]前記金属層はスパッタリングプロセスにより形成された、[24]または[25]に記載の方法。
[28]前記圧電層はスパッタリングプロセスにより形成された、[24]から[27]のいずれかに記載の方法。
[29]前記第2の誘電体層上にフォトレジスト層を提供することと、
前記金属層を形成する前に前記フォトレジスト層をパターニングすることと、
前記金属層を形成した後に前記フォトレジスト層を除去することと
をさらに備える、[24]から[28]のいずれかに記載の方法。
[30]前記金属層を形成した後に前記犠牲層を除去すること
をさらに備える、[24]から[29]のいずれかに記載の方法。
[31]電気機械システムデバイスを備え、前記電気機械システムデバイスは、
第1の誘電体層と、
前記第1の誘電体層上に配設された第1の電極層と、
電界または機械的力のうちの少なくとも1つに反応するように構成された、前記第1の電極層上に配設された圧電層と、
前記圧電層上に配設された第2の電極層であって、前記第1の電極層および前記第2の電極層は、前記圧電層にわたって前記電界を印加するように、または前記機械的力により前記圧電層によって生成された電界を感知するように構成された、第2の電極層と、
前記第2の電極層上に配設された第2の誘電体層と、
前記第2の誘電体層上に配設された金属層と
を含む、装置。
[32]ディスプレイと、
前記ディスプレイと通信するように構成されたプロセッサであって、画像データを処理するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサと通信するように構成されたメモリデバイスと
をさらに備える、[31]に装置。
[33]前記ディスプレイに少なくとも1つの信号を送るように構成されたドライバ回路
をさらに備える、[31]または[32]に記載の装置。
[34]前記ドライバ回路に前記画像データの少なくとも一部分を送るように構成されたコントローラ
をさらに備える、[31]から[33]のいずれかに記載の装置。
[35]前記プロセッサに前記画像データを送るように構成された画像ソースモジュール
をさらに備える、[31]から[34]のいずれかに記載の装置。
[36]前記画像ソースモジュールは、受信機、トランシーバ、および送信機のうちの少なくとも1つを含む、[35]に記載の装置。
[37]入力データを受信するように、かつ前記プロセッサに前記入力データを通信するように構成された入力デバイス
をさらに備える、[31]から[36]のいずれかに記載の装置。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6