(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記装着キャップに前記流通口と同軸に設けられるストッパ用筒部と、前記ストッパ用筒部の外周面に周方向に所定の間隔を空けて設けられる一対のストッパ片からなるストッパ対と、前記ノズルヘッドに設けられて一対の前記ストッパ片の間の移動範囲に配置される凸片とを有し、
一対の前記ストッパ片の前記移動範囲とは反対側を向く外面が、それぞれ該移動範囲から離れるに連れて縮径する湾曲面に形成されている請求項1または2に記載の泡噴出容器。
前記ストッパ用筒部の外周面に、一対の前記ストッパ対が互いに周方向に180度ずれて設けられ、前記ノズルヘッドに、一対の前記ストッパ対に対応した一対の前記凸片が互いに周方向に180度ずれて設けられている請求項3に記載の泡噴出容器。
前記装着キャップのノズル装着筒部の外周面に、それぞれ周方向に180度の角度範囲で延びる一対の二条ねじ部が互いに周方向に180度ずれて設けられ、前記ノズルヘッドに、それぞれ前記二条ねじ部にねじ結合する一対の係合突起からなる一対の突起対が互いに周方向に180度ずれて設けられている請求項4に記載の泡噴出容器。
【背景技術】
【0002】
シャンプー、ボディソープ、ハンドソープ、洗顔料等の各種液体洗浄剤や整髪剤等の内容液を収容する容器としては、泡立て動作を省略して簡便な利用を図る観点から、容器本体に収容した内容液を空気と混合してノズルから泡状に噴出させるようにした泡噴出容器が多く用いられている。
【0003】
このような泡噴出容器では、内容液の吐出流路に内容液を空気と混合させる混合室を設けるとともに、混合室の下流に例えばメッシュ等からなる発泡部材を組み入れておき、容器本体の胴部を圧搾することで、内容液を空気と混合させつつ発泡部材を通過させて泡状に発泡させ、ノズルから噴出させるようにしている。
【0004】
一方、上記のような泡噴出容器として、使用後にノズルの内部に残留した泡状の内容液が時間の経過と共に液化してノズルの先端から垂れ落ちることを防止するために、所謂サックバック機能を持たせるようにしたものが知られている。
【0005】
例えば特許文献1には、ノズルと容器本体との間に吐出流路とは別に、ノズルと容器本体とを連通する戻し流路を設け、この戻し流路に容器本体内からノズルへ向けた内容液の流れを規制するとともにノズルから容器本体内へ向けた内容液の流れを許容する逆止弁を設けて、圧搾が解除されたときに容器本体内に生じる負圧によりノズルに残留した内容液を戻し流路を通して容器本体内に引き戻すようにした泡噴出容器が記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記従来の泡噴出容器では、不使用時等において容器が横向きや倒立姿勢にされると、吐出流路や戻し流路を通して容器本体内の内溶液がノズルから漏れ出すおそれがある。そこで、容器が横向きや倒立姿勢にされても内容液がノズルから漏れ出すことを防止するために、ノズルヘッドの回動操作によって不使用時にノズルと容器本体との間の流路を閉塞可能な構成とすることが考えられる。
【0008】
しかしながら、このような構成では、ノズルと容器本体との間の流路が閉塞された状態において、温度上昇等の何らかの要因によって容器本体内の内圧が上昇すると、当該内圧により戻し流路は逆止弁により閉塞されることから、使用に際してノズルヘッドを回動操作してノズルと容器本体との間の流路を開放したときに、内圧によって容器本体内の内溶液が吐出流路に圧送され、ノズルの先端から外部に漏れ出るおそれがあった。
【0009】
本発明は、このような点を解決することを課題とするものであり、その目的は、不使用時にノズルと容器本体との間で流路を閉塞可能な構成としても、使用に際して当該流路が開放されたときに容器本体内の内溶液が内圧によってノズルから外部に漏れ出すことのない泡噴出容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の泡噴出容器は、可撓性を有する胴部を備え、内部が内容液の収容空間となる容器本体と、内容液の流通口を備え、前記容器本体の口部に装着される装着キャップと、前記流通口に連なるノズルと開閉蓋部とを備え、前記装着キャップにねじ結合により装着されて前記開閉蓋部が前記流通口を閉塞する閉位置と前記開閉蓋部が前記流通口の上方に離れて該流通口を開放する開位置との間で回動可能なノズルヘッドと、上端において前記ノズルヘッドに固定され、前記流通口に連なる混合室を内部に有するとともに該混合室を前記収容空間に連ねる空気導入孔および液導入孔を底部に備える区画部材と、前記装着キャップと前記区画部材との間に区画形成され、前記流通口を前記収容空間に連ねる戻し流路と、前記区画部材の外周面に固定される円筒状の保持部と、該保持部の外周面から径方向外側に延びる環状且つ膜状に形成され、前記ノズルヘッドが開位置のときに外周縁において前記装着キャップの内面に当接し、前記ノズルヘッドが閉位置とされると該内面から離れるシール膜部とを備える逆止弁と、を有することを特徴とする。
【0011】
本発明は、上記構成において、前記ノズルヘッドが開位置のときに、前記シール膜部の外周縁が前記装着キャップの下向き段差面に当接するのが好ましい。
【0012】
本発明は、上記構成において、前記装着キャップに前記流通口と同軸に設けられるストッパ用筒部と、前記ストッパ用筒部の外周面に周方向に所定の間隔を空けて設けられる一対のストッパ片からなるストッパ対と、前記ノズルヘッドに設けられて一対の前記ストッパ片の間の移動範囲に配置される凸片とを有し、一対の前記ストッパ片の前記移動範囲とは反対側を向く外面が、それぞれ該移動範囲から離れるに連れて縮径する湾曲面に形成されているのが好ましい。
【0013】
本発明は、上記構成において、前記ストッパ用筒部の外周面に、一対の前記ストッパ対が互いに周方向に180度ずれて設けられ、前記ノズルヘッドに、一対の前記ストッパ対に対応した一対の前記凸片が互いに周方向に180度ずれて設けられているのが好ましい。
【0014】
本発明は、上記構成において、前記装着キャップのノズル装着筒部の外周面に、それぞれ周方向に180度の角度範囲で延びる一対の二条ねじ部が互いに周方向に180度ずれて設けられ、前記ノズルヘッドに、それぞれ前記二条ねじ部にねじ結合する一対の係合突起からなる一対の突起対が互いに周方向に180度ずれて設けられているのが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ノズルヘッドが閉位置となると、逆止弁のシール膜部の外周縁が装着キャップの内面から離れて容器本体の収容空間が流通口と連通するようにしたので、容器本体内の内圧上昇状態においてノズルヘッドが閉位置から開位置に向けて回動操作されたときに、容器本体内の内圧を戻し流路から外部に逃がすことができる。したがって、不使用時にノズルと容器本体との間で流路を閉塞可能な構成としても、使用に際して当該流路が開放されたときに容器本体内の内溶液が内圧によってノズルから外部に漏れ出すことを防止することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明をより詳細に例示説明する。
【0018】
図1に示す本発明の一実施の形態である泡噴出容器1は、スクイズフォーマーとも呼ばれるものであり、シャンプー、ボディソープ、ハンドソープ、洗顔料等の各種液体洗浄剤や整髪剤等の内容液を収容するとともに、当該内容液を泡状に噴出させるものである。
【0019】
図1、
図2に示すように、この泡噴出容器1は容器本体10を備えている。容器本体10は上部を開口させた円筒状の口部11とこの口部11に連なる楕円筒状の胴部12とを備え、その内部は内容液を収容する収容空間Sとなっている。この容器本体10は合成樹脂製となっており、その胴部12は可撓性を有し、胴部12を圧搾(スクイズ)することにより収容空間Sを減容させ、容器本体10内を加圧することができるようになっている。
【0020】
図1に示すように、容器本体10の口部11には装着キャップ20が装着されている。例えば樹脂製とされるこの装着キャップ20は、容器本体10の口部11を取り囲む円筒状の外周壁21を有し、この外周壁21の内周面に設けられた雌ねじ部21aが口部11の外周面に設けられた雄ねじ部11aにねじ結合することにより、容器本体10の口部11にねじ込み固定されている。外周壁21の内側にはフランジ部22を介してシール筒部23が同軸且つ一体に設けられ、このシール筒部23が口部11の内側に嵌め込まれることで、装着キャップ20と口部11との嵌合部分がシールされて当該部分からの液漏れが防止されるようになっている。
【0021】
口部11の根元には小突起11bと大突起11cとが周方向に間隔を空けて設けられ、外周壁21の下端部には、これらの突起11b、11cに対応した回り止めリブ21bが設けられている。装着キャップ20が口部11にねじ込まれると、そのねじ込み終了直前に回り止めリブ21bが小突起11bを乗り越えて小突起11bと大突起11cとの間に配置され、これにより装着キャップ20は口部11に対して回り止め保持される。
【0022】
図示する場合では、装着キャップ20を容器本体10の口部11にねじ結合により固定するようにしているが、装着キャップ20を容器本体10の口部11にアンダーカットで固定させる構成とすることもできる。
【0023】
シール筒部23はフランジ部22に対して上方側にまで延びており、その上端部には径方向内側に向けて延びる段差部24が一体に設けられている。この段差部24の図中下方側を向く内面は、平坦且つ環状に形成された下向き段差面24aとなっている。
【0024】
段差部24の内周縁には、当該内周縁から図中上方に向けて延びるストッパ用筒部25が一体に設けられている。ストッパ用筒部25は円筒状に形成され、外周壁21と同軸に配置されている。
【0025】
ストッパ用筒部25の内側には流通筒部26が一体に設けられている。流通筒部26はストッパ用筒部25と同軸の円筒状に形成され、フランジ状に拡径した下端部においてストッパ用筒部25の内周面に連結されている。流通筒部26の内側は内容液の流通口26aとなっており、この流通口26aは容器本体10の口部11つまり収容空間Sに連通している。したがって、容器本体10の収容空間S内の内容液や空気は、この流通口26aを通って装着キャップ20の外部に向けて流出することができ、また、外部の空気や後述するノズル36内に残った内容液は、この流通口26aを通って装着キャップ20の外部から収容空間S内に向けて流入することができる。
【0026】
装着キャップ20のフランジ部22の上面にはノズル装着筒部27が一体に設けられている。このノズル装着筒部27は、外周壁21と同軸且つ外周壁21よりも小径の円筒状に形成され、フランジ部22の上面から上方に突出している。
【0027】
装着キャップ20にはノズルヘッド30が装着されている。例えば樹脂製とされるノズルヘッド30は、装着キャップ20の外周壁21と同等の外径を有する円筒状のカバー部31と、カバー部31に連なるドーム状の頂壁32とを備えたキャップ状に形成されている。
【0028】
このノズルヘッド30は、カバー部31の内周面において装着キャップ20のノズル装着筒部27にねじ結合して、装着キャップ20に回動自在に装着されている。より具体的に説明すると、装着キャップ20のノズル装着筒部27の外周面には、互いに周方向に180度ずれて一対の二条ねじ部28が設けられ、ノズルヘッド30のカバー部31の内周面には互いに周方向に180度ずれて一対の突起対33が設けられており、これらの突起対33はそれぞれ対応する二条ねじ部28にねじ結合している。
図3に示すように、一対の二条ねじ部28は、それぞれノズル装着筒部27の外周面に沿って周方向に180度の角度範囲で延びる上側ねじ山28aと下側ねじ山28bとを備えており、上側ねじ山28aのねじ込み側の先端部から約90度の範囲の部分は周方向に沿って水平に延びる形状に形成されて下側ねじ山28bのねじ込み側の先端部に接続されている。一方、
図1に示すように、カバー部31の内周面に設けられる突起対33は、それぞれ上下方向に所定の間隔を空けて並ぶ一対の係合突起33a、33bを備え、各突起対33の上側の係合突起33aはそれぞれ対応する二条ねじ部28の上側ねじ山28aに上側から係合し、各突起対33の下側の係合突起33bはそれぞれ対応する二条ねじ部28の下側ねじ山28bに下側から係合するようになっている。
【0029】
このような構成により、ノズルヘッド30は装着キャップ20にねじ結合により装着されて装着キャップ20に対して回動自在となっているが、その回動範囲はストッパ機構により90度の角度範囲に規制されている。ストッパ機構は、例えば以下の構成とすることができる。
【0030】
図2に示すように、装着キャップ20のストッパ用筒部25の外周面には、一対のストッパ対29が互いに周方向に180度ずれて設けられている。これらのストッパ対29は、それぞれ周方向に約90度の間隔を空けて配置される一対のストッパ片29aを備えている。一方、ノズルヘッド30のカバー部31の内側には円筒状の凸片用筒部34が一体に設けられており、この凸片用筒部34の内周面には、一対のストッパ対29に対応する一対の凸片35が一体に設けられている。これらの凸片35は互いに周方向に180度ずれて設けられ、それぞれ凸片用筒部34の内周面から径方向内側に向けて突出して対応するストッパ対29の一対のストッパ片29aの間の移動範囲Rに配置されている。
【0031】
ノズルヘッド30が装着キャップ20に対して回動すると各凸片35が移動範囲R内を周方向に沿って移動し、ノズルヘッド30が装着キャップ20に対して最も締め込まれた閉位置になると各凸片35が対応するストッパ対29の一方のストッパ片29aに当接してそれ以上の回転が規制される。反対に、ノズルヘッド30が閉位置から緩み方向に90度回転して開位置に達すると、各凸片35がそれぞれ対応するストッパ対29のもう一方のストッパ片29aに当接してノズルヘッド30のそれ以上の回転が規制される。
【0032】
このような構成により、ノズルヘッド30は、容器本体10の口部11の軸心を中心として、装着キャップ20に対して
図2に示す開位置と
図4に示す閉位置との間の90度の角度範囲で回動自在となっている。なお、ノズルヘッド30は装着キャップ20にねじ結合により装着されているので、閉位置と開位置との間で回動すると装着キャップ20に対して上下に移動することになる。
【0033】
各ストッパ片29aの移動範囲とは反対側を向く外面は、それぞれ移動範囲から離れるに連れて縮径する湾曲面29bに形成されている。したがって、各凸片35を、各ストッパ片29aの間の移動範囲Rではなく、各ストッパ片29aの湾曲面29bと湾曲面29bとの間の範囲に配置し、この状態で各突起対33を対応する二条ねじ部28にねじ結合させてノズルヘッド30を締め込み方向に回転させることで、各凸片35をストッパ片29aの湾曲面29bに沿って移動させて当該ストッパ片29aを乗り越えさせ、対応するストッパ対29の移動範囲Rに配置することができる。このとき、装着キャップ20のノズル装着筒部27の外周面に設けられるねじ部を、互いに周方向に180度ずれて配置される一対の二条ねじ部28で構成するようにしたので、上側の係合突起33aが上側ねじ山28aの水平な先端部分に当接する位置にまでノズルヘッド30を装着キャップ20に対して下方に落とし込むことで、各凸片35をストッパ片29aに係合可能な位置としてからノズルヘッド30を回動させることができる。
【0034】
ノズルヘッド30にはノズル36が一体に設けられている。ノズル36は、楕円筒状に形成されてノズルヘッド30の内部に設けられた隔壁37の上側からカバー部31に対して側方やや上方に向けて突出している。隔壁37には一対の流出入孔38が設けられ、ノズル36はこれらの流出入孔38を介して装着キャップ20の流通口26aに連通している。なお、図示する場合では、隔壁37に一対の流出入孔38が設けられるが、その個数や形状は種々変更することができる。
【0035】
また、ノズルヘッド30の隔壁37の下面には円筒状の開閉蓋部39が一体に設けられている。開閉蓋部39は流通筒部26の内径に対応した外径を有する円筒状に形成され、ノズルヘッド30が閉位置とされると流通筒部26の内側に嵌合して流通口26aを閉塞し、ノズルヘッド30が開位置とされると流通口26aに対して上方に離れて流通口26aを開放する。つまり、ノズルヘッド30は、開閉蓋部39が流通口26aを閉塞する閉位置と、開閉蓋部39が流通口26aの上方に離れて該流通口26aを開放する開位置との間で回動可能となっている。
【0036】
なお、符号40は、ストッパ用筒部25の内周面に嵌合して、流通口26aとノズル36との間の流路を閉塞するシール筒部である。
【0037】
ノズルヘッド30の隔壁37の開閉蓋部39の内側部分には、開閉蓋部39と同軸に接続筒部41が一体に設けられ、この接続筒部41の下方には区画部材50が固定されている。図示する場合では、区画部材50は樹脂製とされるとともに上下2分割構造の円筒状に形成され、その上端において接続筒部41に嵌合固定されている。これにより、区画部材は、ノズルヘッド30が開位置と閉位置との間で回動すると、ノズルヘッド30とともに回動するとともにノズルヘッド30とともに装着キャップ20に対して上下に移動する。
【0038】
区画部材50の下端には孔形成部51が嵌合固定され、孔形成部51が固定されることにより区画部材50の内部には混合室52が区画形成されている。また、孔形成部51は、区画部材50と共に区画部材50の下端側に空気導入孔53と液導入孔54とを区画形成する。空気導入孔53は混合室52を収容空間S(容器本体10の内部)に連通させており、収容空間S内の空気は空気導入孔53を通して混合室52に導入される。一方、液導入孔54には容器本体10の底部にまで延びるチューブ55が接続され、当該チューブ55を介して液導入孔54は混合室52を収容空間Sに連通させている。したがって、収容空間S内の内容液はチューブ55と液導入孔54とを介して混合室52に導入される。
【0039】
なお、孔形成部51には空気導入孔53からの内容液の侵入を抑制するための傘状体56が一体に設けられている。
【0040】
区画部材50の内部には、混合室52の上側(下流側)に位置して一対の発泡部材57が装着されている。これらの発泡部材57としては、例えばリングの端面にメッシュを固定した構成のものが用いられ、互いのメッシュを逆側に向けた姿勢で本体部の内側に嵌合固定されている。なお、発泡部材57としてはリングとメッシュを備えた構造のものに限らず、内容液の種類等に応じて種々の構成のものを用いることができる。また、発泡部材57の設置個数も内容液の種類等に応じて種々変更することができる。
【0041】
区画部材50の発泡部材57の上方側における内部は混合室52に連なる吐出流路58となっており、この吐出流路58を流通口26aに連通させるために区画部材50には一対の吐出孔59が設けられている。つまり、混合室52は吐出流路58と吐出孔59とを介して流通口26aに連通し、さらに流通口26aと流出入孔38とを介してノズル36に連通している。なお、区画部材50に設けられる吐出孔59の個数や形状は種々変更することができる。
【0042】
容器本体10の収容空間Sとノズル36との間には、吐出流路58とは別に、装着キャップ20の内周面と区画部材50の外周面との間に区画形成される戻し流路60が設けられている。つまり、流通口26aはこの戻し流路60を介して容器本体10の収容空間Sに連通している。
【0043】
戻し流路60には、逆止弁61が設けられている。この逆止弁61は区画部材50の外周面に嵌合固定される円筒状の保持部61aと、この保持部61aの外周面から径方向外側に延びる環状且つ膜状のシール膜部61bとを有している。
【0044】
シール膜部61bは、ノズルヘッド30が開位置にあるときに、その外周縁において装着キャップ20の下向き段差面(内面)24aに下方側から弾性的に当接する。つまり、逆止弁61は、ノズルヘッド30が開位置にあるときには逆止弁として機能して、容器本体10の収容空間Sから戻し流路60を通した流通口26aへの空気や内容液の流れを規制するとともに、流通口26aから戻し流路60を通した容器本体10の収容空間Sへの空気や内容液の流れを許容するように作動する。
【0045】
一方、ノズルヘッド30が閉位置とされると、逆止弁61はノズルヘッド30とともに装着キャップ20に対して下方へ移動して、
図4に示すように、シール膜部61bの外周縁は下向き段差面24aから離れ、逆止弁61は機能しない状態とされる。つまり、ノズルヘッド30が閉位置とされると、容器本体10の収容空間Sは戻し流路60を通して流通口26aに連通された状態とされる。
【0046】
次に、このような構成の泡噴出容器1の使用方法について説明する。
【0047】
図1に示すように、ノズルヘッド30を開位置とすることで、開閉蓋部39が流通口26aの上方に離れて流通口26aが開放されるとともに逆止弁61のシール膜部61bの外周縁が装着キャップ20の下向き段差面24aに当接して、泡噴出容器1は胴部12の圧搾(スクイズ)による内容液の噴出が可能な使用可能状態とされる。なお、ノズルヘッド30が開位置のときには、
図2に示すように、ノズル36は楕円断面の容器本体10の胴部12の短径に沿った方向に向けられる。
【0048】
ノズルヘッド30が開位置とされた状態で、容器本体10の胴部12を圧搾することでノズル36から泡状の内容液を噴出させることができる。つまり、胴部12が圧搾されると、容器本体10の収容空間Sに収容された内容液がチューブ55と液導入孔54を介して混合室52に導入されるとともに容器本体10内の空気が空気導入孔53を介して混合室52に導入され、混合室52の内部で内容液が空気と混合されて発泡し、泡状化される。また、泡状化された内容液は、発泡部材57を通過することで、さらに発泡、整泡されながら吐出流路58を通って吐出孔59から流通口26aに吐出される。そして、流通口26aに吐出された泡状の内容液は流出入孔38を通ってノズル36に達し、ノズル36の開口から外部に泡状に噴出される。
【0049】
内容液の噴出後に胴部12の圧搾が解除されると、胴部12が元の形状に復元することで容器本体10内に負圧が発生し、この負圧により逆止弁61が開いてノズル36の内部に残留した内容液がノズル36から吸引される空気(外気)とともに戻し流路60を介して容器本体10の内部に引き込まれる。サックバック機能とも呼ばれるこのような機能により、噴出後にノズル36の内部に残留した内容液を空気とともに容器本体10内に向けて引き込んで、当該内容液がノズル36の開口から外部へ垂れ落ちることを防止することができる。
【0050】
一方、不使用時等においては、
図4に示すように、ノズルヘッド30を装着キャップ20に対して90度回動させて閉位置とすることにより、開閉蓋部39によって流通口26aを閉塞してノズル36と容器本体10の収容空間Sとの連通を遮断し、この泡噴出容器1を使用不能状態とすることができる。なお、ノズルヘッド30が閉位置のときには、ノズル36は楕円断面の容器本体10の胴部12の長径に沿った方向に向けられる。
【0051】
このように、この泡噴出容器1では、ノズルヘッド30を開位置から閉位置にまで回動させる簡単な操作で、この泡噴出容器1を使用不能状態として、不使用時等において胴部12が不意に圧搾される等しても、容器本体10内の内容液がノズル36を通して外部に漏れ出すことを確実に防止することができる。
【0052】
ところで、上記のように、泡噴出容器1は、ノズルヘッド30を閉位置とすることにより開閉蓋部39によって流通口26aを閉塞可能な構成であるので、流通口26aが閉じられた状態で容器本体10が気温の上昇等により温められると、容器本体10内の内圧が上昇する場合がある。しかしながら、この泡噴出容器1では、以下のように当該内圧を外部に逃がすことができる。つまり、ノズルヘッド30が開位置から閉位置に向けて回動されると、ノズルヘッド30とともに逆止弁61が装着キャップ20に対して下方に移動し、そのシール膜部61bの外周縁が装着キャップ20の下向き段差面24aから離れて、容器本体10の収容空間Sが戻し流路60を通して流通口26aに連通される。これにより、容器本体10内の内圧上昇状態において、使用のためにノズルヘッド30が閉位置から開位置に向けて回動操作されたとしても、
図5に示すように、ノズルヘッド30が閉位置と開位置との間にあるときには、開閉蓋部39が流通口26aの上方に離れて流通口26aが開放されるとともに逆止弁61のシール膜部61bの外周縁が装着キャップ20の下向き段差面24aから離れた状態となって、容器本体10内の内圧を戻し流路60から外部に逃がすことができる。したがって、容器本体10内の内圧上昇状態においてノズルヘッド30を閉位置から開位置に向けて回動操作しても、容器本体10内の内圧を戻し流路60から外部に逃がすことで、収容空間Sに収容された内溶液が内圧によって押されて混合室52、吐出流路58、吐出孔59および流通口26aを通してノズル36に圧送され、ノズル36から外部に漏れ出すことを防止することができる。
【0053】
一方、この泡噴出容器1を再度使用状態にする際には、ノズルヘッド30を閉位置から開位置に回動させるだけの簡単な操作で、この泡噴出容器1を使用可能状態に切り替えることができる。このとき、ノズルヘッド30が閉位置から開位置にまで達すると、
図1に示すように、逆止弁61のシール膜部61bの外周縁が装着キャップ20の下向き段差面24aに当接し、容器本体10内の圧力の戻し流路60から外部への逃げ出しが逆止弁61により規制される。したがって、胴部12の圧搾により収容空間Sに収容された内容液を混合室52、吐出流路58、吐出孔59および流通口26aを通してノズル36に圧送して、ノズル36から泡状に外部に噴出させることができる。
【0054】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0055】
例えば、前記実施形態では、逆止弁61のシール膜部61bの外周縁を装着キャップ20の下向き段差面24aに当接させるようにしているが、戻し流路60を閉塞可能な部位であれば、装着キャップ20の他の内面にシール膜部61bの外周縁を当接させるようにしてもよい。
【0056】
また、区画部材50に設けられる空気導入孔53や液導入孔54の構成、逆止弁61の構成等は、その機能を有するものであれば、種々の構成のものとするができる。