特許第6184908号(P6184908)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6184908-開閉装置および成形装置 図000002
  • 特許6184908-開閉装置および成形装置 図000003
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  • 特許6184908-開閉装置および成形装置 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6184908
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】開閉装置および成形装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/66 20060101AFI20170814BHJP
   B22D 17/26 20060101ALI20170814BHJP
【FI】
   B29C45/66
   B22D17/26 D
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-135998(P2014-135998)
(22)【出願日】2014年7月1日
(65)【公開番号】特開2016-13633(P2016-13633A)
(43)【公開日】2016年1月28日
【審査請求日】2017年1月24日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003458
【氏名又は名称】東芝機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100141830
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 卓久
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 宜 之
【審査官】 今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−033955(JP,A)
【文献】 特開2004−330780(JP,A)
【文献】 特開2008−296384(JP,A)
【文献】 特開2011−051249(JP,A)
【文献】 特開2003−266503(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/00 − 45/84
B22D 17/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受圧盤と、
固定金型が取り付けられる固定プラテンと、
前記受圧盤と前記固定プラテンが設けられたフレームと、
移動金型が取り付けられる、前記フレーム上を移動可能な移動プラテンと、
前記受圧盤から延びるガイド部材と、前記ガイド部材によって移動を案内されるクロスヘッドと、を有するクロスヘッド移動機構と、
前記受圧盤と前記クロスヘッドおよび前記移動プラテンを連結するトグルリンク機構と、前記トグルリンク機構を駆動する駆動機構を有し、金型の開閉を行う開閉機構と、
前記ガイド部材を支持するガイド部材支持機構と、を備え、
前記ガイド部材支持機構は、前記フレームの上面を摺動可能な支持部を有することを特徴とする開閉装置。
【請求項2】
前記クロスヘッドの水平な2本の腕の先端部が、それぞれ前記ガイド部材に摺動自在に嵌合し、前記ガイド部材支持機構は、前記ガイド部材を支持する、前記クロスヘッドの左右両側に配置された柱状のガイド部材支持部材を有することを特徴とする請求項1に記載の開閉装置。
【請求項3】
前記ガイド部材支持部材の下端には、前記フレームの上面を摺動可能な前記支持部として支持ブロックが設けられたことを特徴とする請求項2に記載の開閉装置。
【請求項4】
前記ガイド部材支持部材の上下両端部には、ガイドブッシュを介してタイバーが摺動自在に嵌合することを特徴とする請求項3に記載の開閉装置。
【請求項5】
前記ガイド部材支持機構は、前記ガイド部材支持部材をそれぞれ異なる方向から支持する、第1支持部材と第2支持部材と、を有し、前記第1支持部材は、前記フレームの上面を摺動可能であり、前記第2支持部材は、一方を前記受圧盤に連結され、他方を前記第
1支持部材に連結されていることを特徴とする請求項2に記載の開閉装置。
【請求項6】
前記第1支持部材は、前記ガイド部材支持部材の下端に設けられ、前記ガイド部材支持部材を鉛直方向に支持する支持ブロックからなり、前記第2支持部材は、前記ガイド部材支持部材を水平方向から支持することを特徴とする請求項5に記載の開閉装置。
【請求項7】
前記第2支持部材は、前記ガイド部材支持部材の上下端部をそれぞれ水平方向に支持する一対の支持部材からなることを特徴とする請求項6に記載の開閉装置。
【請求項8】
前記開閉装置は、成形装置の金型の開閉と型締めを行う型締装置であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかの項に記載の開閉装置。
【請求項9】
前記開閉装置は、射出成形機に設けられる型締装置であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかの項に記載の開閉装置。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれかの項に記載の開閉装置を備えることを特徴とする成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、トグル式の型締装置および成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形機やダイカストマシン等の成形装置は、固定金型と可動金型とからなる金型を取り付ける型締装置と、射出装置と、を備えている。型締装置は、固定金型が取り付けられる固定プラテンと、移動金型が取り付けられる移動プラテンとを備えている。型締装置には、種々の形式のものがあるが、代表的なものとしては、電動駆動されるトグルリンク機構の屈伸によって、移動プラテンをタイバーに沿って進退動させ、金型の型閉じ、型締めおよび型開を行うトグル式型締装置が知られている。
【0003】
このようなトグル式型締装置において、トグルリンク機構は、受圧盤と、ボールナットを備えているクロスヘッドと、移動プラテンと、を連結しているリンク機構である。ボールナットは、電動モータによって駆動されるボールねじ軸に螺合しており、ボールねじ軸の回転は直線運動に変換されてクロスヘッドに伝達される。これによって、トグルリンク機構が屈伸されて移動プラテンが進退動するようになっている。
【0004】
従来、この種のトグル式型締装置では、トグルリンク機構をロックアップさせて型締を行ったときには、受圧盤に設けられているリンクハウジングに反力が作用するため、ボールねじ軸の支持構造や、クロスヘッドの姿勢を維持するための支持構造に様々な改良が加えられている。
【0005】
例えば、ボールねじ軸は、リンクハウジング側で片持ち支持されており、その先端部は支持されていない。このため、トグルリンク機構が作動したときにボールねじ軸に撓みや振れが発生し易く、これがボールナットの寿命を低下させる原因となる。そこで、例えば、特許文献1では、ボールねじ軸の撓みや振れを防止するため、ボールねじ軸の先端部を支持するサポート用軸受を設けた支持構造を提案している。
【0006】
トグル式型締装置では、型締力を発生させるロックアップ動作の際に、型締力の反力がリンク機構を介してクロスヘッドに伝達される。このとき支持剛性が弱いとクロスヘッドの姿勢が不安定になり、クロスヘッドが傾くことがある。
【0007】
そこで、クロスヘッドの支持構造についても、従来のトグル式型締装置では、クロスヘッドの前進/後退を案内するガイドバーを設け、このガイドバーをリンクハウジングの腕で支持した構造が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−33955号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
クロスヘッドのガイドバーをリンクハウジングの腕で支持する構造の場合、大型の型締装置になると、クロスヘッドのストロークが長くなるのに伴って、リングハウジングの腕の長さも長くなり、リンクハウジング自体が大型の構造物となる。
【0010】
その結果、リンクハウジングの鋳造による製作が難しくなる他、ガイドバーの支持穴の距離が遠くなり、穴の同軸度の精度を出すことが困難となったり、ガイドバー2本の平行度の誤差が大きくなってしまうという問題がある。
【0011】
また、型締力を発生させるロックアップ動作の際に、型締力の反力がクロスヘッドに伝わり、リンクハウジングを変形させ、それに伴って支持腕は機械中心側に変位する。大型の型締装置では、リンクハウジングの腕の長さが長いため、変位量も大きくなり、ガイドバーに嵌合しているガイドブシュの面圧が増大し、早期摩耗による損傷を招くことになる。
【0012】
そこで、本発明は、前記従来技術に係る問題点に鑑みなされたものであって、リンクハウジングやタイバーを大型化せずに、クロスヘッドの姿勢を安定的にガイドバーで維持することができるようにした開閉装置および成形装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記の目的を達成するために、本発明による開閉装置は、受圧盤と、固定金型が取り付けられる固定プラテンと、前記受圧盤と前記固定プラテンが設けられたフレームと、移動金型が取り付けられる、前記フレーム上を移動可能な移動プラテンと、前記受圧盤から延びるガイド部材と、前記ガイド部材によって移動を案内されるクロスヘッドと、を有するクロスヘッド移動機構と、前記受圧盤と前記クロスヘッドおよび前記移動プラテンを連結するトグルリンク機構と、前記トグルリンク機構を駆動する駆動機構を有し、金型の開閉を行う開閉機構と、前記ガイド部材を支持するガイド部材支持機構と、を備え、前記ガイド部材支持機構は、前記フレームの上面を摺動可能な支持部を有することを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の成形装置は、上記した開閉装置を備えることを特徴とするものである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明が適用される型締装置の概要を示す側面図である。
図2】本発明の第1実施形態による開閉装置の側面図である。
図3】クロスヘッドを移動プラテン側からみた図である。
図4】本発明の第2実施形態による開閉装置の側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明による開閉装置および成形装置の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
第1実施形態
図1は、本発明が適用される射出成形機(成形装置)の型締装置の概要を示す。この図1において、参照番号10は、型締装置の全体を示している。
【0017】
この型締装置(開閉装置、型開開装置)10は、例えば、フレーム11の前方側に固定された固定プラテン12と、フレーム11の後方側に設置されているリンクハウジング(受圧盤)14と、固定プラテン12とリンクハウジング14の間に移動自在に設置されている移動プラテン16と、を備えている。固定プラテン12には固定金型18が取り付けられ、移動プラテン16には固定金型18に対向するように移動金型19が取り付けられている。
【0018】
固定プラテン12とリンクハウジング14とは、複数の(例えば、4本の)タイバー20によって連結されている。移動プラテン16は、タイバー20にそって前進/後退をする。
【0019】
この実施形態では、型締装置10は、型締力をトグルリンク機構22によって発生するトグル式の型締装置として構成されている。
【0020】
図1において、参照番号25はクロスヘッド(移動機構)を示している。このクロスヘッド25の中心部には、トグルリンク機構22を駆動する駆動機構を構成しているナット部27が設けられている。このナット部27にはボールネジ28が螺合するようになっている。ボールネジ(駆動機構)28は、図示しないサーボモータ(駆動部)によって駆動される。
【0021】
トグルリンク機構(開閉機構)22では、リンク30の一端はクロスヘッド25に連結され、リンク31の一端はリンクハウジング14に連結され、リンク30、31とリンク32によって上下にトグルリンクが構成されている。リンク32の一端は、移動プラテン16の背面に設けられているトグルリンク連結部34に連結されている。このようなトグルリンク機構22によって移動プラテン16の前進/後退が行われ、また型締力が移動プラテン16に伝えられるようになっている。
【0022】
図1において、リンクハウジング14では、タイバー20の端部がそれぞれナット40によって保持されている。トグル式の型締装置では、金型17を交換したときには、金型17の型厚に合わせて、ナット40とタイバー20との結合位置を変える必要があるため、公知の型厚調整機構が設けられている。
【0023】
以上は、型締装置10の基本的な構成の説明であるが、本実施形態の型締装置では、クロスヘッド25を支持するとともにその前進/後退を案内するクロスヘッドガイドバーの支持構造が設けられている。
そこで、図2及び図3を参照しながら、クロスヘッドガイドバーの支持構造について説明する。
【0024】
図2において、参照番号50は、クロスヘッドガイドバーを示している。このクロスヘッドガイドバー(ガイドバー、ガイド部材)50は、例えば、クロスヘッド25の左右両側に合計2本設けられている。クロスヘッドガイドバー50の一端は、リンクハウジング14に固定されてタイバー20と平行に延びるようになっている。
【0025】
ここで、図3は、クロスヘッド25を移動プラテン16側からみた図である。クロスヘッド25にある例えば4本の腕のうち、水平に張り出している腕51a、51bの先端にある孔には、クロスヘッドガイドバー50が摺動自在に嵌合されている。クロスヘッドガイドバー50の先端は、ガイドバー支持機構53によって支持されている。この実施形態では、ガイドバー支持機構(ガイド部材支持機構)53は、例えば、ガイドバー支持部材54と、支持ブロック(支持部)56と、を有している。そして、クロスヘッドガイドバー50の先端は、ガイドバー支持部材54に固定されている。ガイドバー支持部材54の上下両端部には、ガイドブシュ55が装着されており、このガイドブシュ55にタイバー20が摺動自在に嵌合するようになっている。
【0026】
また、支持ブロック56は、ガイドバー支持部材54を支持しており、フレーム11の上面を摺動可能である。また、ガイドバー支持部材54及び支持ブロック56は、一体に構成されていてもよい。
【0027】
本実施形態による型締装置は、以上のように構成されるものであり、次に、その作用及び効果について説明する。
本実施形態の型締装置10では、クロスヘッド25の支持および案内を行うクロスヘッドガイドバー50は、基端がリンクハウジング14に固定され、先端はガイドバー支持部材54によって支持されている。その上で、ガイドバー支持部材54は、支持ブロック56によってフレーム11上で支持される構造になっている。
【0028】
型締装置10が型閉、型締、型開の各動作を行っている間は、ガイドバー支持部材54の位置は変わらない。このガイドバー支持部材54は、図2に示す位置で例えば2本のクロスヘッドガイドバー50を水平かつ平行な姿勢で支持することができる。
【0029】
トグルリンク機構22が屈伸して、クロスヘッド25が移動する過程では、クロスヘッドガイドバー50によって、クロスヘッド25の姿勢が不安定になることなく垂直な姿勢に保持され、クロスヘッドガイドバー50に摺動するガイドブシュ(図示せず)には偏荷重がかかることはない。
【0030】
トグルリンク機構22をロックアップ状態にすると、型締力が発生する。このときの型締力の反力は、トグルリンク機構22からリンクハウジング14に伝わり、リンクハウジング14に変形が生じることがある。
【0031】
この場合、ガイドバー支持部材54は、リンクハウジング14とは別の部材であるため、リンクハウジング14を変形させる力は、ガイドバー支持部材54に伝わることはない。従って、型締力の反力によって、クロスヘッド25の姿勢がくずれることを防止することが可能である。
【0032】
一方、ロックアップして型締力が発生している状態では、ガイドバー支持部材54には、重量物であるクロスヘッド25の自重が荷重としてかかっている。
【0033】
ここで、ガイドバー支持部材54が上下にあるタイバー20によって支持されていたと仮定すると、クロスヘッド25およびクロスヘッドガイドバー50の重量をタイバー20で支持することになる。このとき、上下で荷重バランスはとれておらず、下側のタイバー20の方が、上にあるタイバー20にかかる荷重よりも、大きな荷重がかかる。このような荷重のアンバランスの結果、タイバー20の剛性が低い場合には、下側のタイバー20がたわみ、クロスヘッド25は姿勢をくずすことになる。
【0034】
しかしながら、本実施形態では、ガイドバー支持部材54をタイバー20で支持するのではなく、ガイドバー支持部材54をフレーム11の上面に摺動可能な支持ブロック56を介してフレーム11で支持している。そのため、本実施形態では、クロスヘッド25及びクロスヘッドガイドバー50の荷重はフレーム11で受けることになり、タイバー20の剛性を高くすることなく、タイバー20のたわみによるクロスヘッド25の姿勢のくずれを防止することができ、クロスヘッド25の姿勢を安定的に維持することができる。
【0035】
このように、本実施形態によれば、大型等の剛性の高いタイバー20を用いることなく、クロスヘッド25の姿勢を安定的に維持することができる。これにより、ガイドブシュ55等の部品に偏荷重がかからないので、タイバー20の早期の摩耗を防止し、タイバー20の長期間にわたる使用が可能になる。
【0036】
第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態による型締装置について、図4を参照して説明する。
この第2実施形態による型締装置10は、ガイドバー支持部材54を支持ブロック56を介してフレーム11の上面で支持する点は、第1実施形態と同様である。この第2実施形態による型締装置10では、支持ブロック(第1支持部材)56と、一対の第2支持部材60(60a、60b)とを組み合わせてガイドバー支持部材54を支持するようにしている。
【0037】
図4において、第2支持部材60a、60bは、1つのガイドバー支持部材54の上下端部を水平な方向に支持する部材である。第2支持部材60a、60bの一端は、それぞれリンクハウジング14に固着され、他端はガイドバー支持部材54の上下端部に固着され、タイバー20と平行にリンクハウジング14とガイドバー支持部材54の間に架設されている。
【0038】
なお、ガイドバー支持部材54の上端部にはガイドブシュ55が設けられ(図3参照)、このガイドブシュ55にはタイバー20が挿通しているが、必ずしもこのガイドブシュ55を介してタイバー20で案内される必要はない。
【0039】
次に、以上のような第2実施形態の作用効果について説明する。
この第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、ガイドバー支持部材54をタイバー20で支持するのではなく、ガイドバー支持部材54をフレーム11の上面に摺動可能な支持ブロック56を介してフレーム11で支持している。そのため、第2実施形態においても、クロスヘッド25およびクロスヘッドガイドバー50の荷重はフレーム11で受けることになり、タイバー20の剛性を高くすることなく、タイバー20のたわみによるクロスヘッド25の姿勢のくずれを防止することができ、クロスヘッド25の姿勢を安定的に維持することができる。
【0040】
さらに、第2実施形態では、第1支持部材56と第2支持部材60a、60bを組み合わせてガイドバー支持部材54を支持していることで、次のような効果を得ることができる。
【0041】
まず、金型17を交換した後の型厚調整動作では、リンクハウジング14、トグルリンク機構22、移動プラテン16が一体で位置を変更することになる。
このような型厚調整動作では、リンクハウジング14とともにガイドバー支持部材54も一体で移動し、第1支持部材56はフレーム11の上面を摺動する。このとき、フレーム11の上面を摺動する第1支持部材56の底面には、摺動抵抗が生じる。
【0042】
第1支持部材56は、型厚調整動作時には、交換した金型17の厚さによって、型閉方向と型開方向のどちらの方向にも移動する。ガイドバー支持部材54が型閉方向に移動する場合には、摺動抵抗は矢印A方向に作用し、ガイドバー支持部材54を傾かせようとする。このとき、ガイドバー支持部材54は、摺動抵抗に抗するように下側の第2支持部材60aで支持されるので、傾くことが防止される。
【0043】
同様に、ガイドバー支持部材54が型開方向に移動する場合には、摺動抵抗は逆に矢印B方向に作用し、ガイドバー支持部材54を傾かせようとする。このときガイドバー支持部材54は、摺動抵抗に抗するように上側の第2支持部材60bで支持されるので、傾くことを防止することができる。
【0044】
このようにして、型厚調整を行うときには、ガイドバー支持部材54を支持する第1支持部材56の摺動抵抗を受けるが、ガイドバー支持部材54の上下端部を第2支持部材60a、60bが突っ張りとなり、ガイドバー支持部材54が傾くことを確実に防止することができる。これによって、クロスヘッド25の姿勢は維持される。
【0045】
以上、本発明に係る開閉装置について、射出成形機に適用した好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は、射出成形機だけでなく、ダイカストマシン、トランスファー成形機、プレス成形機などの型締装置にも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0046】
10…型締装置(開閉装置、型開閉装置)、11…フレーム、12…固定プラテン、14…リンクハウジング(受圧盤)、16…移動プラテン、17…金型、18…固定金型、19…移動金型、20…タイバー、22…トグルリンク機構(開閉機構)、24…リンクハウジング、25…クロスヘッド(移動機構)、28…ボールねじ、50…クロスヘッドガイドバー(ガイドバー、ガイド部材)、53…ガイドバー支持機構(ガイド部材支持機構)、54…ガイドバー支持部材、56…支持ブロック(支持部、第1支持部材)、60…第2支持部材
図1
図2
図3
図4