特許第6184932号(P6184932)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6184932電気錠装置、電気錠システム、および制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6184932
(24)【登録日】2017年8月4日
(45)【発行日】2017年8月23日
(54)【発明の名称】電気錠装置、電気錠システム、および制御方法
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20170814BHJP
【FI】
   E05B49/00 K
【請求項の数】7
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-228055(P2014-228055)
(22)【出願日】2014年11月10日
(65)【公開番号】特開2016-89554(P2016-89554A)
(43)【公開日】2016年5月23日
【審査請求日】2017年2月7日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】303046554
【氏名又は名称】株式会社アート
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】特許業務法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田村 和寛
【審査官】 佐々木 崇
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−94123(JP,A)
【文献】 特開2013−139693(JP,A)
【文献】 特開2010−138623(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3101554(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00− 85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の信号を契機として解錠される電気錠と、
外部装置からの電磁波によって生じる誘導起電力により動作し、無線通信を介して自機の識別子を当該外部装置に送信し、当該識別子に対応する電気錠を解錠する権限を有する端末であることが認証された当該外部装置から前記無線通信を介して前記電気錠を解錠させるための指示を受信すると、前記信号を出力するRFIDタグと、
前記RFIDタグから出力される信号に応じて電力の供給の有無が切り替わる電源と、
前記電源から供給された電力を利用して前記電気錠を解錠する制御を行う制御手段と
を有する電気錠装置。
【請求項2】
前記制御手段は、通信ネットワークに接続されていない
ことを特徴とする請求項に記載の電気錠装置。
【請求項3】
前記RFIDタグは、前記電気錠装置の状態を示す情報を、前記無線通信を介して前記外部装置に送信する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電気錠装置。
【請求項4】
電気錠装置端末装置、およびサーバ装置を有し、
前記電気錠装置は、
所定の信号を契機として解錠される電気錠と、
前記端末装置からの電磁波によって生じる誘導起電力により動作し、無線通信を介して自機の識別子を当該端末装置に送信し、当該識別子に対応する電気錠を解錠する権限を有する端末であることが認証された当該端末装置から前記無線通信を介して前記電気錠を解錠させるための指示を受信すると、前記信号を出力するRFIDタグと、
前記RFIDタグから出力される信号に応じて前記電気錠を解錠する制御を行う制御手段と
を有し、
前記端末装置は、
電磁波を発生させて前記RFIDタグから前記識別子を受信するRFIDリーダ/ライタと
前記RFIDタグの識別子および前記端末装置の識別子を含む識別情報を前記サーバ装置に送信する送信手段を有し、
を有し、
前記サーバ装置は、
前記端末装置を認証するための認証情報を記憶する第1記憶手段と、
前記識別情報を前記端末装置から受信する受信手段と、
前記識別情報に含まれる前記RFIDタグの識別子および前記端末装置の識別子並びに前記認証情報を利用して前記端末装置を認証する認証手段と
を有し、
前記RFIDリーダ/ライタは、前記サーバ装置により前記端末装置が認証されると前記指示を前記RFIDタグに送信する
電気錠システム。
【請求項5】
前記サーバ装置は、
前記認証手段により認証された端末装置の識別子を記憶する第2記憶手段を有する
ことを特徴とする請求項に記載の電気錠システム。
【請求項6】
電気錠RFIDタグ、および電源を有する電気錠装置、並びにRFIDリーダ/ライタを有する端末装置を有する電気錠システムにおける制御方法であって、
前記端末装置が前記RFIDリーダ/ライタを介して前記RFIDタグの識別子を当該RFIDタグから読み取るステップと、
前記読み取られた識別子に対応する電気錠を解錠する権限を有する端末であるか前記端末装置を認証するステップと、
前記端末装置が認証された場合、前記端末装置が前記RFIDリーダ/ライタを介して前記電気錠を解錠させるための指示を前記電気錠装置に送信するステップと、
前記指示を受信すると、前記電源が電力の供給を開始するステップと、
前記電源から供給される電力を利用して、前記電気錠装置が前記電気錠を解錠するステップと
を有する制御方法。
【請求項7】
電気錠およびRFIDタグを有する電気錠装置、RFIDリーダ/ライタを有する端末装置、並びに前記端末装置を認証するための認証情報を記憶したサーバ装置を有する電気錠システムにおける制御方法であって、
前記端末装置が前記RFIDリーダ/ライタを介して前記RFIDタグの識別子を当該RFIDタグから読み取るステップと、
前記RFIDタグの識別子および前記端末装置の識別子を含む識別情報を前記サーバ装置に送信するステップと、
前記識別情報に含まれる前記RFIDタグの識別子および前記端末装置の識別子並びに前記認証情報を利用して、前記端末装置が電気錠を解錠する権限を有する端末であるか、前記サーバ装置が認証するステップと、
前記端末装置が認証された場合、前記端末装置が前記RFIDリーダ/ライタを介して前記電気錠を解錠させるための指示を前記電気錠装置に送信するステップと、
前記指示を受信すると、前記電気錠装置が前記電気錠を解錠するステップと
を有する制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気錠装置、電気錠システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォンなどの端末装置を利用して、電気錠の施解錠を行う技術が提案されている。特許文献1には、電子錠を遠隔操作で施解錠するための技術として、携帯情報端末がカードキーから読み取った認証情報を情報センターに送信し、情報センターが認証結果を元に、施解錠の指令を、電気錠を制御するHEMSに送信することが記載されている。特許文献2には、非接触ICチップを搭載した携帯電話を、電機錠側の非接触IC読み書き装置にかざすことにより電気錠を解錠することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−159692号公報
【特許文献2】特開2009−293317号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1および特許文献2に記載のシステムでは、電気錠装置側にICチップのリーダ/ライタなどのアクティブな通信を行う装置が備わっており、こられのシステムを導入しようとすると電気錠装置側のハードウェア構成が複雑化してしまうという問題があった。そこで、本発明は、電気錠装置のハードウェア構成を簡易にすることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するため、本発明は、所定の信号を契機として解錠される電気錠と、外部装置からの電磁波によって生じる誘導起電力により動作し、無線通信を介して自機の識別子を当該外部装置に送信し、当該識別子に対応する電気錠を解錠する権限を有する端末であることが認証された当該外部装置から前記無線通信を介して前記電気錠を解錠させるための指示を受信すると、前記信号を出力するRFIDタグと、前記信号を伝送する信号線に接続され、当該信号線を介して前記信号が入力されると、前記電気錠を解錠する制御を行う制御手段とを有する電気錠装置を提供する。
【0006】
別の好ましい態様において、前記RFIDタグから出力された信号に応じて前記制御手段への電力の供給の有無が切り替わる電源を有し、前記制御手段は、前記電源から供給された電力を利用して前記電気錠を解錠する制御を行うことを特徴とする。
【0007】
別の好ましい態様において、前記RFIDタグは、前記誘導起電力を前記制御手段に供給し、前記制御手段は、前記誘導起電力を利用して前記電気錠を解錠する制御を行うことを特徴とする。
【0008】
別の好ましい態様において、前記制御手段は、通信ネットワークに接続されていないことを特徴とする。
【0009】
別の好ましい態様において、前記RFIDタグは、前記電気錠装置の状態を示す情報を、前記無線通信を介して前記外部装置に送信することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、電気錠装置と端末装置とを有し、前記電気錠装置は、所定の信号を契機として解錠される電気錠と、前記端末装置からの電磁波によって生じる誘導起電力により動作し、無線通信を介して自機の識別子を当該端末装置に送信し、当該識別子に対応する電気錠を解錠する権限を有する端末であることが認証された当該端末装置から前記無線通信を介して前記電気錠を解錠させるための指示を受信すると、前記信号を出力するRFIDタグと、前記信号を伝送する信号線に接続され、当該信号線を介して前記信号が入力されると、前記電気錠を解錠する制御を行う制御手段とを有し、前記端末装置は、電磁波を発生させて前記RFIDタグから前記識別子を受信し、前記指示を前記RFIDタグに送信するRFIDリーダ/ライタとを有する電気錠システムを提供する。
【0011】
別の好ましい態様において、サーバ装置をさらに有し、前記サーバ装置は、前記端末装置を認証するための認証情報を記憶する第1記憶手段と、前記RFIDタグの識別子および前記端末装置の識別子を含む情報を前記端末装置から受信する受信手段と、記認証情報および前記情報に含まれた識別子を利用して前記端末装置を認証する認証手段とを有し、前記端末装置は、前記情報を前記サーバ装置に送信する送信手段を有し、前記RFIDリーダ/ライタは、前記サーバ装置により前記端末装置が認証されると前記指示を前記RFIDタグに送信することを特徴とする。
【0012】
別の好ましい態様において、前記サーバ装置は、前記認証手段により認証された端末装置の識別子を記憶する第2記憶手段を有することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、RFIDリーダ/ライタを有するコンピュータに、電気錠を有する電気錠装置に組み込まれたRFIDタグから当該RFIDタグの識別子を、前記RFIDリーダ/ライタを介して読み取るステップと、前記識別子に対応する電気錠を解錠する権限を有することが認証されると、当該電気錠を解錠させるための指示を、前記RFIDリーダ/ライタを介して前記RFIDタグに送信するステップとを実行させるためのプログラムを提供する。
【0014】
また、本発明は、電気錠およびRFIDタグを有する電気錠装置、並びにRFIDリーダ/ライタを有する端末装置を有する電気錠システムにおける制御方法であって、前記端末装置が前記RFIDリーダ/ライタを介して前記RFIDタグの識別子を当該RFIDタグから読み取るステップと、前記読み取られた識別子に対応する電気錠を解錠する権限を有する端末であるか前記端末装置を認証するステップと、前記端末装置が認証された場合、前記端末装置が前記RFIDリーダ/ライタを介して前記電気錠を解錠させるための指示を前記電気錠装置に送信するステップと、前記指示を受信すると、前記電気錠装置が前記電気錠を解錠するステップとを有する制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、RFIDリーダ/ライタを有する電気錠装置に比べて、電気錠装置のハードウェア構成を簡易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】電気錠システムの全体構成を示す図。
図2】端末装置およびサーバ装置の機能構成を示すブロック図。
図3】端末装置のハードウェア構成を示すブロック図。
図4】サーバ装置のハードウェア構成を示すブロック図。
図5】電気錠システムにおいて行われる処理を示すシーケンスチャート。
図6】認証データベースの一例を示す図。
図7】認証済端末IDの一覧を例示する図
図8】電気錠装置の各部の動作を説明する図。
図9】変形例1に係る電気錠装置の各部の動作を説明する図。
図10】変形例2に係る電気錠装置の各部の動作を説明する図。
図11】他の電気錠システムの全体構成を例示する図。
図12】電気錠システムにおいて行われる処理を示すシーケンスチャート。
【0017】
1.構成
図1は、本発明の一実施形態に係る電気錠システムC1の全体構成を示す図である。電気錠システムC1は、電気錠装置10と、端末装置20と、サーバ装置30とを有する。電気錠システムC1は、端末装置20を利用して電気錠装置10の電気錠を施錠または解錠するシステムである。電気錠装置10は、対象物(例えばドア)を施錠または解錠する処理を、電力を利用して行う装置であり、例えば、オフィスビルの居室の入口、ホテルの部屋のドアなどに設けられる。端末装置20は、例えば、スマートフォンなどの携帯端末である。電気錠システムC1において、端末装置20は、電気錠装置10の電気錠を施錠または解錠するための鍵として利用される。電気錠装置10と端末装置20とは、NFC(Near Field Communication)による近距離無線通信(以下、「NFC通信」という)を行う。この例で、NFC通信とは、所定の国際標準規格(例えば、ISO/IEC 14443 TypeA/TypeB、ISO/IEC 18092、ISO/IEC 15693など)に準拠した通信をいう。サーバ装置30は、端末装置20を認証する装置である。端末装置20とサーバ装置30とは、インターネットなどの通信回線N1を介して通信を行う。
【0018】
電気錠装置10は、CPU(Central Processing Unit)100と、電気錠101と、NFCタグ102と、制御盤103と、電源104とを有する。CPU100は、プログラムを実行することにより電気錠装置10の各部を制御する制御装置である。電気錠101は、錠を電気的に施錠または解錠するための機構である。
【0019】
NFCタグ102は、所定の国際標準規格(例えば、ISO/IEC 14443 TypeA/TypeB、ISO/IEC 18092、ISO/IEC 15693など)に準拠したRFID(Radio Frequency Identification)タグであり、外部装置(この例では端末装置20)から出力される電磁波によって生じる誘導起電力によって動作する。NFCタグ102は、アンテナおよびICチップ(以下、「NFCチップ」という)を有する(いずれも図示略)。外部装置から出力される電磁波を受信するとアンテナに誘導起電力が生じ、NFCチップはこの誘導起電力で動作する。NFCタグ102は、外部から有線による電力供給を受けなくても動作する、いわばパッシブな装置である。NFCチップは、メモリを有し、このメモリにはNFCタグ102の識別子(以下、「タグID」という)が記憶されている。
【0020】
NFCタグ102は、出力端子1021および出力端子1022を有する。出力端子1021は、NFCチップが誘導起電力により起動された旨の信号(以下、「起動信号」という)を出力する端子であり、電源104に接続されている。出力端子1022は、起動信号に比べて情報量が豊富な信号を出力する端子であり、CPU100に接続されている。
【0021】
制御盤103(制御手段の一例)は、電源104から供給される電力を利用して、電気錠101を施錠または解錠する制御を行う制御装置である。制御盤103は、信号線を介してCPU100に接続される。なお、本実施形態において、CPU100および制御盤103は、通信ネットワークに接続されていない。
【0022】
電源104は、CPU100および制御盤103に電力を供給する装置、例えば、UPS(Uninterruptible Power Supply)である。電源104は、通常はオフ(電力を供給しない状態)であり、NFCタグ102から起動信号が入力されるとオフからオン(電力を供給する状態)に切り替わる。
【0023】
図2は、端末装置20およびサーバ装置30の機能構成を示すブロック図である。端末装置20は、NFCリーダ/ライタ21と、送信手段22とを有する。NFCリーダ/ライタ21は、電磁波を発生させてNFCタグ102からタグIDを受信し、電気錠101を解錠させるための指示(以下、「解錠指示」という)をNFCタグ102に送信する。送信手段22は、端末装置20の識別子(以下、「端末ID」という)とタグIDとを含む情報(以下、「識別情報」という)をサーバ装置30に送信する。
【0024】
サーバ装置30は、第1記憶手段31と、受信手段32と、認証手段33と、第2記憶手段34とを有する。第1記憶手段31は、端末装置20を認証するためのデータベース(以下、「認証データベース」という)を記憶する。認証データベースには、タグIDと端末IDとが対応付けて登録されている。認証データベースの詳細については、後述する。受信手段32は、識別情報を端末装置20から受信する。認証手段33は、認証データベースと、識別情報に含まれたタグIDおよび端末IDとを利用して端末装置20を認証する。第2記憶手段34は、認証手段33により認証された端末装置の端末ID(以下、「認証済端末ID」という)を記憶する。
【0025】
図3は、端末装置20のハードウェア構成を示すブロック図である。端末装置20は、CPU201と、ROM202と、RAM203と、ストレージ204と、通信部205と、タッチパネル206と、NFCリーダ/ライタ21とを有するコンピュータである。CPU201は、プログラムを実行することにより端末装置20の各部を制御する制御装置である。CPU201は、ROM202またはストレージ204に記憶されているプログラムを読み出し、RAM203を作業エリアにしてプログラムを実行する。ROM202は、各種のプログラムおよびデータを記憶した不揮発性の記憶装置である。RAM203は、データを記憶する揮発性の主記憶装置である。
【0026】
ストレージ204は、各種のプログラムおよびデータを記憶する不揮発性の補助記憶装置である。ストレージ204は、電気錠を操作するためのプログラム(以下、「電気錠操作プログラム」という)を記憶する。ストレージ204は、また、端末IDを記憶する。
【0027】
通信部205は、データを送受信する手段である。通信部205は、通信回線N1を介して無線の通信を行うための第1の通信インタフェースとして機能し、この例では特に、通信回線N1を介してサーバ装置30と通信を行う。
【0028】
タッチパネル206は、液晶ディスプレイなどの表示面上に座標を感知するパネルが重ねて設けられた入力装置である。タッチパネル206には、例えば、光学式、抵抗膜方式、静電容量式、または超音波式のタッチパネルが用いられる。
【0029】
NFCリーダ/ライタ21は、所定の国際標準規格(例えば、ISO/IEC 14443 TypeA/TypeB、ISO/IEC 18092、ISO/IEC 15693など)に準拠したRFIDリーダ/ライタである。NFCリーダ/ライタ21は、NFC通信を行うための、第2の通信インタフェースとして機能する。この例では特に、電気錠装置10とNFC通信を行う。
【0030】
図3の例では、ストレージ204に記憶された電気錠操作プログラムをCPU201が実行することにより、図2に示した端末装置20の機能が実現される。電気錠操作プログラムを実行しているCPU201により制御された通信部205は、送信手段22の一例である。
【0031】
図4は、サーバ装置30のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ装置30は、CPU301と、ROM302と、RAM303と、ストレージ304と、通信部305とを有するコンピュータである。CPU301は、プログラムを実行することによりサーバ装置30の各部を制御する制御装置である。CPU301は、ROM302またはストレージ304に記憶されているプログラムを読み出し、RAM303を作業エリアにしてプログラムを実行する。ROM302は、各種のプログラムおよびデータを記憶した不揮発性の記憶装置である。RAM303は、データを記憶する揮発性の主記憶装置である。
【0032】
ストレージ304は、各種のプログラムおよびデータを記憶する不揮発性の補助記憶装置である。ストレージ304は、上述の認証データベースd1と認証済端末IDとを記憶する。通信部305は、データを送受信する手段である。通信部305は、通信回線N1を介して通信を行うための通信インタフェースとして機能し、この例では特に、通信回線N1を介して端末装置20と通信を行う。
【0033】
図4の例では、ストレージ304に記憶されたプログラムをCPU301が実行することにより、図2に示したサーバ装置30の機能が実現される。上記プログラムを実行しているCPU301により制御された通信部305は、受信手段32の一例である。上記プログラムを実行しているCPU301は、認証手段33の一例である。ストレージ304は、第1記憶手段31および第2記憶手段34の一例である。
【0034】
2.動作
図5は、電気錠システムC1において行われる処理を示すシーケンスチャートである。図5では、端末装置20において電気錠操作プログラムが実行されている。ステップS1において、端末装置20のCPU201は、NFCリーダ/ライタ21を介して電気錠装置10のNFCタグ102からタグIDを読み取る。タグIDの読み取りは、ユーザが電気錠装置10のNFCタグ102に端末装置20をかざすことにより行われる。NFCタグ102に端末装置20がかざされると、NFCタグ102のアンテナにはNFCリーダ/ライタ21からの電磁波により誘導起電力が発生する。NFCタグ102に内蔵されたNFCチップは、この誘導起電力で起動し、タグIDをNFCリーダ/ライタ21に送信する。CPU201は、読み取ったタグIDをRAM203に記憶する。
【0035】
ステップS2において、CPU201は、電気錠装置10および端末装置20の識別情報を、通信回線N1を介してサーバ装置30に送信する。具体的には、CPU201は、RAM203に記憶されたタグIDと、ストレージ204に記憶された端末IDとを読み出して、これらのIDを含む識別情報をサーバ装置30に送信する。なお、識別情報には、タグIDと端末IDの他に、予め設定された暗証番号などの情報が含まれていてもよい。この場合、暗証番号は、例えば、ユーザがタッチパネル206を操作することにより入力される。
【0036】
ステップS3において、サーバ装置30のCPU301は、端末装置20の認証を行う。CPU301は、ストレージ304に記憶された認証データベースd1を参照することにより端末装置20の認証を行う。
【0037】
図6は、認証データベースd1の一例を示す図である。図6に示す認証データベースd1においては、タグIDと、端末IDとが互いに関連付けて記憶されている。「タグID」の項目には、サーバ装置30が電気錠101の解錠を管理する電気錠装置10におけるタグIDが格納される。「端末ID」の項目には、電気錠101を解錠する権限が与えられた端末装置20の端末IDが格納される。電気錠装置10は、例えば、オフィスビルの居室の入口に一つずつ設けられている。各電気錠装置10の電気錠101は常時施錠されており、端末装置20から解錠指示が送信されたときだけ所定の時間、解錠される。図6に示す認証データベースd1は、つまり、各電気錠装置10が設けられた居室に入る権限を有する人のリストである。図6の例では、タグID「tag01」に対して端末ID「device01」、「device02」、および「device03」が関連付けられており、タグID「tag02」に対して端末ID「device01」および「device04」が関連付けられている。ステップS3において、CPU301は、端末装置20から受信された識別情報に含まれるタグIDと端末IDとが認証データベースd1において関連付けて記憶されている場合に当該端末装置20を認証する。なお、識別情報に含まれるタグIDと端末IDとが認証データベースd1に関連付けて記憶されていない場合には、CPU301は端末装置20を認証しない。また、認証データベースd1には、端末装置20に設定された暗証番号などの情報が端末IDに関連付けて記憶されていてもよい。この場合、CPU301は、端末装置20から受信された識別情報に含まれる端末IDと暗証番号とが認証データベースd1において関連付けて記憶されている場合に当該端末装置20を認証する。
【0038】
再び図5を参照する。ステップS4において、CPU301は、ステップS3において認証された端末装置20の端末IDを認証済端末IDとしてストレージ304に記憶する。認証済端末IDは、例えば、電気錠システムC1の管理者が、電気錠101の施錠または解錠のログを管理するために用いられる。
【0039】
図7は、電気錠101の解錠のログを例示する図である。この例で、端末IDは、タグIDごとに記録されている。このログには、例えば、サーバ装置30が端末装置20を認証した時刻が記録される。すなわち、このログは、いつ誰がどの居室に入ったかの記録である。図7の一覧では、例えば、タグID「tag01」が与えられたNFCタグ102を有する電気錠装置10について、端末ID「device01」により識別される端末装置20の認証が2014年1月1日14時30分に行われたことが示されている。
【0040】
再び図5を参照する。ステップS5において、CPU301は、ステップS3における認証の結果を端末装置20に送信する。
【0041】
認証の結果が認証可である場合、端末装置20のCPU201は、解錠指示を電気錠装置10に送信する(ステップS6)。ユーザは、例えば、ステップS1からステップS6までの間、端末装置20をNFCタグ102にかざし続けている。別の例で、ユーザは、ステップS1においてNFCタグ102からタグIDを読み取った後に端末装置20をNFCタグ102から離し、認証の結果が受信された後で再び端末装置20をNFCタグ102にかざしてもよい。ステップS6において解錠指示が送信されると、端末装置20は、例えば、通知音を出力する。ユーザは、この通知音により、認証の結果が認証可であること、および、解錠指示の送信がされたことを確認する。なお、認証の結果が認証不可である場合、端末装置20は、例えば、認証可の場合と異なる通知音を出力する。
【0042】
解錠指示を受信すると、NFCタグ102は、電気錠101を解錠させるための信号を出力する(ステップS7)。
【0043】
図8は、ステップS7において電気錠101が解錠されるときの電気錠装置10の各部の動作を説明する図である。NFCタグ102は、端末装置20から解錠指示を受信すると電源104に起動信号を出力する(図8(a))。電源104は、起動信号が入力されるとオフからオンに切り替わる。電源104は、オフからオンに切り替わると、CPU100および制御盤103に電力を供給する(図8(b))。CPU100および制御盤103は、電源104から電力が供給されると起動する。CPU100が起動すると、NFCタグ102は、電気錠101を解錠させるための信号(以下、「解錠信号」という)を、I2C(Inter-Integrated Circuit)通信などの通信方式によりCPU100に出力する(図8(c))。CPU100は、NFCタグ102から解錠信号が入力されると、当該解錠信号を制御盤103に伝送する(図8(d))。制御盤103は、CPU100から解錠信号が入力されると、電気錠101を解錠する制御を行う(図8(e))。制御盤103は、例えば図示せぬモータを駆動することによりドアのサムターンを回す。
【0044】
以上の処理により、電気錠装置10のNFCタグ102に端末装置20をかざすことにより、電気錠101が解錠される。従来のシステムでは、電気錠装置側すなわちドア側にNFCリーダ/ライタが設けられ、ユーザが携帯する端末装置にNFCタグが組み込まれていた。そして、電気錠装置が端末装置のNFCタグを読み取ることにより電気錠が施錠または解錠されていた。このような従来のシステムでは、ドアにNFCリーダ/ライタを設けることから、電気錠装置の設置コストが高くなるという問題があった。また、電気錠装置は、NFCタグの読み取りに常時待機するため、NFCリーダ/ライタから電磁波が出力し続ける必要があった。そのため、消費電力が増大してしまうという問題があった。さらに、従来のシステムでは、電気錠装置がNFCタグを読み取ってユーザを認証する機能を備えている必要があるため、ユーザを認証するためのデータを電気錠装置に登録し、または、電気錠装置をネットワークに接続して認証を行う必要があり、設置コストおよび管理コストが高くなるという問題があった。加えて、従来のシステムでは、電気錠装置のCPUまたは制御盤に対して電源線や通信線を外部からつなぐ必要があり、設置コストが高くなり、また、場所によっては設置することが不可能となる問題があった。本実施形態によれば、従来のシステムにおけるこれらの問題が解決される。すなわち、本実施形態によれば、ドアにNFCリーダ/ライタを設ける必要がないため、従来のシステムに比べて電気錠装置の設置コストを低減することができる。また、本実施形態によれば、NFCタグ102に対して外部からの有線による電力供給が不要であるため、従来のシステムに比べて電気錠装置10の消費電力を低減することができる。さらに、本実施形態によれば、電気錠装置がユーザを認証する機能を備えている必要がないため、従来のシステムに比べて電気錠装置の設置コストおよび管理コストを低減することができる。加えて、本実施形態によれば、CPU100および制御盤103に対して電源線や通信線を外部からつなぐ必要がないため、従来のシステムに比べて設置コストが低減され、また、設置場所の制限も解消される。
【0045】
3.変形例
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下で説明する変形例のうち、2つ以上のものが組み合わされて用いられてもよい。
【0046】
(1)変形例1
電気錠装置10の構成は、実施形態に記載したものに限らない。例えば、電気錠装置10は、CPU100を有していなくてもよい。
【0047】
図9は、変形例1に係る電気錠装置10のハードウェア構成と、当該電気錠装置10が電気錠101を解錠するときの各部の動作とを説明する図である。図9に示す電気錠装置10は、CPU100を有しない点が、図1に示した電気錠装置10の構成とは異なる。変形例1において、NFCタグ102の出力端子1021は電源104に接続されている。
【0048】
変形例1において、NFCタグ102は、端末装置20から解錠指示を受信すると電源104に起動信号を出力する(図9(a))。電源104は、起動信号が入力されるとオフからオンに切り替わる。電源104は、オフからオンに切り替わると、制御盤103に電力を供給する(図9(b))。制御盤103は、電源104から電力が供給されると起動し、電気錠101を解錠する制御を行う(図9(c))。なお、変形例1において、起動信号、および、電源104から制御盤103に伝送される信号(電力)は、いずれも電気錠101を解錠させるための信号に相当する。変形例1によれば、CPU100を電気錠装置10に設けることなく電気錠システムC1を構成することができる。したがって、電気錠装置10の構成をより簡易にすることができる。
【0049】
(2)変形例2
電気錠装置10は、電源104を有していなくてもよい。この場合、NFCタグ102において発生した誘導起電力を利用して電気錠101を解錠する制御が行われてもよい。
【0050】
図10は、変形例2に係る電気錠装置10のハードウェア構成と、当該電気錠装置10が電気錠101を解錠するときの各部の動作とを説明する図である。図10に示す電気錠装置10は、CPU100および電源104を有しない点が、図1に示した電気錠装置10の構成とは異なる。変形例2において、NFCタグ102の出力端子1021は制御盤103に接続されている。
【0051】
変形例2において、NFCタグ102は、端末装置20から解錠指示を受信すると、自らのアンテナで発生した誘導起電力を制御盤103に供給する(図10(a))。制御盤103は、NFCタグ102から誘導起電力が供給されると起動し、当該誘導起電力を利用して電気錠101を解錠する制御を行う(図10(b))。なお、変形例2において、NFCタグ102から制御盤103に供給される誘導起電力は、電気錠101を解錠させるための信号に相当する。変形例2によれば、電源104を電気錠装置10に設けることなく電気錠システムC1を構成することができる。したがって、電気錠装置10の構成をより簡易にすることができる。
【0052】
(3)変形例3
電気錠システムC1は、端末装置を利用して電気錠を施錠または解錠する他の電気錠システムと併用されてもよい。この場合、複数の電気錠システムの各々において端末装置20の認証が共通するサーバ装置30において行われ、当該サーバ装置30において各電気錠システムでの認証済端末IDが一括してストレージ304に記憶されてもよい。
【0053】
図11は、電気錠システムC1と併用される他の電気錠システムC2の全体構成を例示する図である。電気錠システムC2は、電気錠装置11と、端末装置20と、サーバ装置30と、サーバ装置40とを有する。サーバ装置40は、制御盤113を制御する装置である。サーバ装置40は、信号線を介して制御盤113に接続される。サーバ装置40とサーバ装置30とは、通信回線N1を介して通信を行う。サーバ装置40のハードウェア構成はサーバ装置30と同様であり、サーバ装置40は、CPUと、ROMと、RAMと、ストレージと、通信部とを有する。
【0054】
電気錠装置11は、電気錠111と、NFCタグ112と、制御盤113とを有する。電気錠111、NFCタグ112、および制御盤113の構成は、電気錠装置10のものと同様である。電気錠装置11において、制御盤113は、図示せぬ商用電源に接続される。
【0055】
図12は、電気錠システムC2において行われる処理を示すシーケンスチャートである。ステップS11からステップS14においては、図5に示したステップS1からステップS4と同様の処理が行われる。ステップS15において、サーバ装置30のCPU301は、ステップS13における認証の結果をサーバ装置30に送信する。なお、認証の結果が認証可である場合、ステップS15において送信される情報には、電気錠111の解錠を許可する電気錠装置11の識別子(以下、「装置ID」という)が含まれる。装置IDは、例えば、サーバ装置30のストレージ304においてタグIDと装置IDとが対応付けて記憶されている。CPU301は、この情報を参照することにより、識別情報に含まれたタグIDに対応する装置IDを特定する。なお、変形例3において、電気錠システムC1における処理が行われるのか、それとも、電気錠システムC2における処理が行われるのか(すなわち、サーバ装置30が認証の結果を端末装置20に送信するのか(ステップS5)、それとも、サーバ装置40に送信するのか(ステップS15))は、例えば、CPU301が、タグIDの内容を解析することにより決定される。具体的には、あるNFCタグがNFCタグ102であるのか、それとも、NFCタグ112であるのかを示す情報がタグIDに含まれており、CPU301が、この情報を解析することにより2つの処理のいずれが行われるのかが決定される。ステップS16において、サーバ装置のCPUは、解錠が許可された電気錠装置11に対して解錠指示を送信する。なお、ステップS13における認証の結果が認証不可である場合には、解錠指示は送信されない。ステップS17において、電気錠装置11は、サーバ装置40から解錠指示が入力されると、電気錠111を解錠する。
【0056】
変形例3によれば、電気錠システムC1と他の電気錠システムにおいて電気錠を施錠または解錠するために利用された端末装置20のログが一のサーバ装置30において一括して管理される。なお、電気錠システムC1は、電気錠システムC2以外の電気錠システムと併用されてもよい。例えば、電気錠装置側すなわちドア側にNFCリーダ/ライタが設けられ、NFCタグが組み込まれた端末装置またはNFCカードをユーザがドアにかざすことにより電気錠が施解錠される従来の電気錠システムが、電気錠システムC1と併用されてもよい。この場合にも、サーバ装置30は、従来の電気錠システムと電気錠システムC1の各々における電気錠の施錠または解錠のログを一括して管理してもよい。例えば、従来の電気錠システムが導入された施設の一部に、配線上の理由から従来の電気錠装置を設けることができないドアがある場合に、このドアに対して本発明に係る電気錠装置10を導入することにより、新たな配線を敷設することなく電気錠システムの規模を拡張してもよい。
【0057】
(4)変形例4
NFCタグ102は、電気錠装置10の状態を示す情報を、NFC通信を介して端末装置20に送信してもよい。例えば、ステップS6において解錠指示が送信された後に、電源104の残量を示す情報(以下、「残量情報」という)がNFCタグ102から端末装置20に送信されてもよい。この場合、CPU100は、電源104から電力が供給されて起動すると、電源104の残量を特定し、残量情報をNFCタグ102に出力する。NFCタグ102は、CPU100から残量情報が入力されると、NFC通信を介して当該残量情報を端末装置20に送信する。端末装置20は、残量情報をタッチパネル206に表示してもよいし、サーバ装置30に送信してもよい。これにより、電源104の残量を端末装置20またはサーバ装置30において確認することができる。特に、残量情報がサーバ装置30に送信される例では、電気錠システムC1の管理者が、電源104の残量を確認するために電気錠装置10が設置された場所に行かなくても、サーバ装置30において電源104の残量を確認することができる。
【0058】
別の例で、電気錠101が施錠されているか、それとも解錠されているかを示す情報(以下、「施解錠情報」という)がNFCタグ102から端末装置20に送信されてもよい。この場合、CPU100は、電源104から電力が供給されて起動すると、制御盤103が最後に電気錠101を施錠したか、それとも解錠したかを特定し、施解錠情報をNFCタグ102に出力する。制御盤103が最後に電気錠101を施錠したか、それとも解錠したかは、例えば、CPU100が制御盤103と通信を行うことにより特定される。NFCタグ102は、CPU100から施解錠情報が入力されると、NFC通信を介して当該施解錠情報を端末装置20に送信する。これにより、端末装置20のユーザは、電気錠101を解錠しようとするときに、電気錠101の状態を確認することができる。
【0059】
(5)変形例5
端末装置20が認証される方法は、実施形態に記載した方法に限らない。サーバ装置30は、例えば、タイムスタンプ方式またはチャレンジ・レスポンス方式などによるワンタイムパスワードを用いて端末装置20を認証してもよい。また、端末装置20の認証は、サーバ装置30で行われなくてもよい。例えば、端末装置20を認証するためのプログラムが予め端末装置20にインストールされており、端末装置20は、電気錠を施錠または解錠するにあたり当該プログラムを実行して自装置を認証してもよい。この場合、端末装置20は、タグIDを読み取ると、自装置の認証を行い、認証の結果が認証可であった場合に解錠指示を送信する。なお、上述した電気錠操作プログラムが実行されることによりに、端末装置20の認証が行われてもよい。さらに、端末装置20の認証が行われるタイミングは、実施形態に記載したタイミングに限らない。例えば、電気錠操作プログラムが端末装置20にインストールされる際に端末装置20の認証が行われてもよい。この場合、図5に示した処理のうち、ステップS2からステップS5の処理は省略されてもよい。別の例で、端末装置20がNFCタグ102からタグIDを読み取る前に端末装置20の認証が行われてもよい。この場合、端末装置20は、認証の結果が認証可であった場合にNFCタグ102からタグIDを読み取ってもよい。
【0060】
(6)変形例6
電気錠装置10が利用される場所は実施形態に記載した場所に限らない。例えば、カラオケルーム、倉庫、会員制の施設の入口、ロッカーや金庫の扉などに電気錠装置10が利用されてもよい。また、本発明に係る電気錠システムC1は、種々の場面で利用することができる。例えば、電気錠システムC1は、ホテルのルームキーシステムとして用いることができる。この例で、ユーザは、端末装置20の電気錠操作プログラムを介してホテルの宿泊の予約を行う。ユーザがクレジットカードにより宿泊料金の決済を行うと、サーバ装置から端末装置20に認証情報が送信される。この認証情報には、ホテルの部屋の番号(NFCタグ102のタグID)と宿泊日(有効期限)が含まれている。ユーザが有効期限内に予約した部屋のドアのNFCタグ102に端末装置20をかざすと、ドアが解錠される。一方、有効期限外に端末装置20をかざしたり、予約していない部屋のドアのNFCタグ102に端末装置20をかざしたりしても、ドアは解錠されない。この例では、ホテルのフロントでチェックインを省くことができる。別の例で、端末装置20を分譲マンションのルームキーとして用いることができる。この例で、ユーザは分譲マンションを購入すると、購入した部屋専用のアプリケーションをダウンロードすることができる。このアプリケーションには、部屋のドアのタグIDが認証情報として含まれている。この例では、予め購入者の認証が行われているため、ドアのNFCタグ102に端末装置20をかざすたびにサーバに認証処理を依頼する必要がなく、ドアが解錠される。
【0061】
(7)変形例7
端末装置20およびサーバ装置30のハードウェア構成は、図3および図4に示した構成に限らない。図5に示した処理が実行されれば、端末装置20およびサーバ装置30はいかなるハードウェア構成であってもよい。例えば、端末装置20は、タッチパネル206を有していなくてもよい。また、端末装置20は、スマートフォンに限らない。端末装置20は、デジタルオーディオプレイヤー、または、スマートウォッチなどの情報通信端末であってもよい。
【0062】
(8)変形例8
電気錠システムC1は、サーバ装置30を有していなくてもよい。この場合、図5に示した処理のうち、ステップS2からステップS5の処理は行われない。なお、ステップS3における端末装置20の認証が行われない場合であっても、上述した電気錠操作プログラムが端末装置20にインストールされる際に予め端末装置20の認証が行われていれば、電気錠101の不正解錠は防止される。
【0063】
(9)変形例9
本稿における「NFCタグ」および「NFCリーダ/ライタ」は、実施形態で例示した国際標準規格に準拠したものに限定されない。NFCタグは、リーダ/ライタから出力される電磁波による誘導起電力によって動作するパッシブなICタグであって、自身の識別情報をリーダ/ライタに出力するものであれば、どのような規格に準拠したものであってもよい。NFCリーダ/ライタについても同様である。
【0064】
(10)変形例10
電気錠操作プログラムは、磁気記憶媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD、FD(Flexible Disk))など)、光記憶媒体(光ディスク(CD(Compact Disk)、DVD)など)、光磁気記憶媒体、半導体メモリ(フラッシュROMなど)などのコンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記憶した状態で提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネットなどのネットワーク経由でダウンロードされてもよい。
【0065】
(11)その他の変形例
上述の実施形態では、電気錠101が解錠される場合を中心に説明したが、電気錠システムC1は、電気錠101を施錠するために用いられてもよい。
認証済端末IDは、サーバ装置30により記憶される場合に限らない。認証済端末IDは、サーバ装置30とは異なる他の装置に記憶されてもよい。
【符号の説明】
【0066】
10…電気錠装置、20…端末装置、30…サーバ装置、100…CPU、101…電気錠、102…NFCタグ、1021,1022…出力端子、103…制御盤、104…電源、21…NFCリーダ/ライタ、22…送信手段、31…第1記憶手段、32…受信手段、33…認証手段、34…第2記憶手段、201…CPU、202…ROM、203…RAM、204…ストレージ、205…通信部、206…タッチパネル、301…CPU、302…ROM、303…RAM、304…ストレージ、305…通信部、11…電気錠装置、111…電気錠、112…NFCタグ、113…制御盤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12