【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、本発明は、空気通路及び液体通路を有し、それぞれの通路は口部で終端して分配穴を有する分配通路と連通しているハウジングと、休止位置において、分配通路に対する液体通路及び空気通路からの流れを防止するために、密封の方法で、液体通路の口部を覆うと共に空気通路の口部を覆い、かつ、分配中は、分配通路内において空気と液体の混合が行われることを可能にするために、液体通路の口部と空気通路の口部を開く弁体と、を有し、前記空気通路の口部は、実質的に環状であり、前記空気通路は、実質的に環状の開口全体にわたって実質的に均等に空気圧を分割する圧力バランス室を有することを特徴とする泡形成アセンブリを提供する。
【0007】
スクイズフォーマーのための公知の泡形成アセンブリのいくつかの実施形態では、空気通路の開口内の圧力は、空気通路の口部の中の異なる位置で同じではないかもしれない。これは、例えば、空気通路の口部のための空気入口が実質的に環状の口部と同心円状に配置されていない場合であるかも知れない。本発明においては、空気通路の口部の周方向にわたって圧力を均等に分配するように構成された圧力バランス室を設けることによって、空気通路の口部の周方向にわたる圧力の分配とそれによる泡質が大幅に改善される。
【0008】
圧力バランス室は、空気通路の口部の周方向にわたって実質的に一定の空気圧を得るために、空気通路の口部の周方向にわたって空気を分配するように構成された空気通路の一部である。
【0009】
圧力バランス室は、空気通路の総体積の比較的大きな容積を有してもよい。圧力バランス室の容積は、例えば、空気通路の総体積の少なくとも25%、好ましくは少なくとも40%である。圧力バランス室はさらに、空気通路の口部と、実質的に円形対称及び/又は同心円状とすることができる。
【0010】
空気通路は、空気入口と、実質的に環状の口部を有する。圧力バランス室は、空気入口と、実質的に環状の口部との間に設けられている。好適には、空気入口の断面積と、圧力バランス室と空気通路の口部との間の空気通路の断面積は、両方とも、圧力バランス室の断面積より実質的に(大幅に)小さい。
【0011】
空気通路の空気入口は、泡を形成するため、例えばスクイズフォーマーの容器が絞られている時、空気源から、特に容器から泡形成アセンブリに空気を導入するために配設されている。一つの実施形態では、空気入口は空気通路の実質的に環状の口部を有する非同心円状に配置されている。
【0012】
一つの実施形態では、空気入口の断面積は、圧力バランス室と空気通路の口部との間の空気通路の断面積よりも大きい。
【0013】
圧力バランス室と、空気通路の実質的に環状の口部は、好ましくは互いに隣接して配置され、互いに流体連通している。
【0014】
好ましくは、圧力バランス室と空気通路の口部との間の断面積は、空気通路の最小断面積であり、すなわち、空気入口、圧力バランス室及び空気通路の口部の各断面積よりも小さい。
【0015】
圧力バランス室と空気通路の口部との間の空気通路の最小断面積を設けることで、圧力バランス室内の圧力上昇に積極的な影響を与えることができる。それと共に、圧力を空気通路の口部の周方向にわたってより均等に分割することができる。
【0016】
空気通路の口部と圧力バランス室との間の断面積は、圧力バランス室の断面積よりも小さく、例えば少なくとも5分の1、又は少なくとも10分の1とすることができる。
【0017】
一つの実施形態では、空気通路の口部と圧力バランス室は、実質的に環状の口部と圧力バランス室間の壁の複数の穴を介して互いに連通し、当該複数の穴は、空気通路の口部の周囲で実質的に均等に分割されている。空気通路の口部の周方向にわたって実質的に均等に分割された複数の穴を有する壁を設けることで、圧力バランス室と空気通路の口部との間に、圧力バランス室内と同等の空気圧が、空気通路の口部の周方向にわたって適切に分配される。
【0018】
好ましくは、少なくとも3つの穴が、圧力バランス室と空気通路の口部との間の壁に設けられる。
【0019】
一つの実施形態では、圧力バランス室と空気通路の口部との間の壁の複数の穴の断面積は、圧力バランス室の断面積よりも大幅に小さい。圧力バランス室の断面積は、圧力バランス室と空気通路の口部との間の壁の穴の断面積の、好ましくは少なくとも10倍、又は、好ましくは少なくとも25倍である。
【0020】
好ましくは、複数の穴は、空気通路の最小断面積を一緒に有する。
【0021】
一つの実施形態では、空気通路の口部は環状開口である。しかしながら、別の実施形態では、当該空気通路の口部は、円形に配置された複数の空気通路穴を含むことができる。
【0022】
一つの実施形態では、圧力バランス室と空気通路の口部との間の空気通路の断面積は、圧力バランス室の断面積よりも大幅に小さい。空気通路の断面積又はその一部の断面積は、泡形成アセンブリの長手方向軸に垂直な平面において決定される。
【0023】
一つの実施形態では、空気通路は空気導入管を接続するための空気入口を有し、当該空気入口は空気通路の実質的に環状の口部と非同心円状に配置される。圧力バランス室がない場合には、このような非同心円状の空気導入管を配置すると、空気通路の口部内での空気圧の不均等な分配を引き起こすことがある。空気入口と、空気通路の実質的に環状の口部との間に、圧力バランス室を設けることで、空気通路の実質的に環状の口部の周方向にわたって空気圧をより均等に提供することができる。
【0024】
空気入口の断面積は、圧力バランス室の断面積よりも実質的に(大幅に)小さくてもよい。例えば、空気入口の断面積は、圧力バランス室の断面積よりも少なくとも5分の1小さく、又は少なくとも10分の1小さくすることができる。
【0025】
空気入口の断面積は、圧力バランス室と、空気通路の実質的に環状の口部との間の流体接続部の断面積、例えば、圧力バランス室と実質的に環状の口部との間の壁の複数の穴の断面積よりも大きいことが好ましい。
【0026】
泡形成アセンブリは、空気入口に接続された空気導入管を有してもよい。空気導入管は、比較的低い高さ位置、典型的には容器内の液面を下回る高さ位置に配設される空気入口を、容器の内部の上部領域に接続するために配置される。泡形成アセンブリが??使用されることを意図された位置に容器が保持されている場合、当該容器の上側領域に空気が含まれる。空気導入管は別部品であるか、又は空気入口と一体部分を形成してもよい。また、圧力バランス室と空気通路の口部との間の断面積は、空気導入管の断面積よりも小さくてもよい。
【0027】
スクイズフォーマーによって分配された泡の泡質は、容器を圧迫し始めるとすぐに十分なものとなることが望ましい。また、容器を軽く押した場合に非常に質の悪い液体又は泡だけが分配されてはいけない。
【0028】
一つの実施形態では、空気通路の口部は環状であり、第一円上に配置されており、液体通路の口部及び分配通路の入口穴が第二円上に配置され、第一円と第二円が同心円状にかつ互いに隣接して配置されている。好ましくは、第一円の直径は第二円の直径よりも大きい。
【0029】
本発明の別の態様によれば、本発明は、
空気通路及び液体通路を有し、それぞれの通路は口部で終端して分配穴を有する分配通路と連通しているハウジングと、
休止位置において、分配通路に対する液体通路及び空気通路からの流れを防止するために、密封の方法で、液体通路の口部を覆うと共に空気通路の口部を覆い、かつ、分配中は、分配通路内において空気と液体の混合が行われることを可能にするために、液体通路の口部と空気通路の口部を開く弁体と、を有し、
前記空気通路の前記口部は環状であり第一円上に配置されており、前記液体通路の前記口部及び分配通路の入口穴が第二円上に配置され、前記第一円と前記第二円が同心円状にかつ互いに隣接して配置されていることを特徴とする泡形成アセンブリを提供する。
【0030】
好ましくは、前記第一円の直径は、前記第二円の直径よりも大きい。
【0031】
このような構成では、容器を押圧すると、液体通路の口部と入口穴との間の流体連通の直前に、空気通路の口部と入口穴との間の流体連通をもたらす。このように、容器を押圧すると最初に空気が分配され、泡形成アセンブリによって分配される泡はすぐに良質の泡になる。
【0032】
また、容器を軽く押圧すると空気のみが分配されて液体は分配されないが、当該後者は好ましくない。
【0033】
スクイズフォーマーの作動中、スクイズフォーマーの容器は、容器から空気及び液体を分配するために押圧される。泡を所定量分配した後、容器は、容器自体及び/又は付勢手段の柔軟性のために元の状態に戻す必要がある。空気入口流路は、泡の分配中に分配され、空気と液体を交換する容器内に空気を導入するために設けられている。
【0034】
空気入口流路を通って導入される空気は、泡を形成するために実際に容器から液体を分配する前に容器内に泡が形成されないように、容器内の液体を通過しないことが望ましい。従って、空気入口流路は、空気が容器内部の上部領域に空気通路を通って容器に入ることができるように空気通路に接続されている。
【0035】
しかし、空気通路の口部内に存在する少量の泡が空気入口流路に侵入するのは、空気入口流路内での当該泡の存在が、空気が空気入口流路を通って容器に流入する速度を大幅に低下させる可能性があるので、好ましくない。
【0036】
一つの実施形態において、泡形成アセンブリは、容器内に空気を導入する空気入口流路を含み、当該空気入口流路は、空気通路の口部と空気導入管を接続するための空気入口との間の空気通路に接続され、前記空気入口流路と空気通路の接続位置は、空気流路の口部から離間している。
【0037】
本発明の別の態様によれば、本発明は、
空気通路及び液体通路を有し、それぞれの通路は開口部で終端して分配穴を有する分配通路と連通しているハウジングと、
休止位置において、分配通路に対する液体通路及び空気通路からの流れを防止するために、密封の方法で、液体通路の口部を覆うと共に空気通路の口部を覆い、かつ、分配中は、分配通路内において空気と液体の混合が行われることを可能にするために、液体通路の口部と空気通路の口部を開く弁体とを有する泡形成アセンブリであって、
当該泡形成アセンブリは、前記容器内に空気を導入する空気入口流路を含み、当該空気入口流路は、前記空気通路の前記口部と前記空気導入管を接続するための空気入口との間の前記空気通路に接続され、前記空気入口流路と空気通路の接続位置は、前記空気流路の前記口部から離間していることを特徴とする泡形成アセンブリである。
【0038】
空気流路の開口部からの、空気入口通路と空気通路との間の接続に、間隔を空けることによって、好ましくは垂直方向に間隔を空けることによって、泡が空気入口流路に入る可能性が大幅に減少する。
【0039】
一つの実施形態では、空気入口流路は、圧力バランス室の位置で空気通路に接続される。
【0040】
一つの実施形態では、ハウジングは、第1ハウジング部と、当該第1ハウジング部に取り付けられた第2ハウジング部とを有し、当該第2ハウジング部が液体通路の口部と空気通路の口部を画定し、第1ハウジング部と第2ハウジング部との間に、空気圧力バランス室が形成されている。
【0041】
第1と第2ハウジング部を含むそのようなハウジングを使用することで、圧力バランス室を効率的に第1及び第2ハウジング部の間に形成することができる。第2ハウジング部に、空気通路の口部を圧力バランス室に接続する穴を配設することができる。前述したように、、これらの穴は、好ましくは、空気通路の口部の周方向にわたって分割されている。
【0042】
第1ハウジング部は、ハウジングへの空気導入管を接続するように構成された管状部分を含んでもよい。第1 ハウジング部は、さらに、泡形成アセンブリの中心である実質的に長手方向軸上に中央液体通路を形成するために、第2ハウジング部の密封リムと協働する密封リムを含むことができる。第1及び第2ハウジング部との間に形成された圧力バランス室が液体通路の中央部を取り囲むことができ、当該圧力バランス室が空気入口流路を空気通路に接続することができる。
【0043】
一つの実施形態では、液体通路の口部は円形に配置された複数の出口穴を有し、当該複数の出口穴は休止位置で弁体によって覆われ、当該弁体は少なくとも複数の出口穴の位置で実質的に管状部分を有し、かつ、休止位置において当該管状部分の内面が前記複数の出口穴を覆う。
【0044】
本発明の別の態様によれば、本発明は、
空気通路及び液体通路を有し、それぞれの通路は開口部で終端して分配穴を有する分配通路と連通しているハウジングと、
休止位置において、分配通路に対する液体通路及び空気通路からの流れを防止するために、密封の方法で、液体通路の口部を覆うと共に空気通路の口部を覆い、かつ、分配中は、分配通路内において空気と液体の混合が行われることを可能にするために、液体通路の口部と空気通路の口部を開く弁体と、を有し、
前記液体通路の口部は、円形に配置された複数の出口穴を有し、前記複数の出口穴は休止位置において弁体によって覆われており、当該弁体は少なくとも複数の出口穴の位置において実質的に管状の部分を有し、そして休止位置において前記管状の部分の内面は複数の出口穴を覆っていることを特徴とする泡形成アセンブリを提供する。
【0045】
弁体の管状部分は、液体通路の口部の出口穴を閉じるために非常に適した形を提供する。
【0046】
一つの実施形態では、ハウジングは、分配通路のための複数の入口穴を画定し、前記複数の入口穴は、液体通路の口部の出口穴と同一円周上に配置されている。
【0047】
本発明はさらに、開口部を有する圧縮可能な容器を有するスクイズフォーマーに関し、請求項1〜14のいずれかに記載の泡形成アセンブリは、前記開口部上又は開口部内に取り付けられている。
【0048】
泡を分配するための分配装置の別の実施形態では、本発明に係る泡形成アセンブリは、圧力下で液体と気体を保持する容器内又は容器上に配置することができ、例えば発泡可能な液体と高圧ガスの入った容器上に配置することができる。また、泡形成アセンブリは、圧力下で発泡可能な液体及びガスを提供することができる任意の他の装置、例えば液体ポンプ及び空気ポンプを有する装置又は継続的に圧力の下で液体供給及び空気供給を有する装置と組み合わせることができる。
【0049】
本発明は、添付の図面を参照して、例示的な実施形態によって以下により詳細に説明する。